JPH0675774U

JPH0675774U - 抽選券

Info

Publication number: JPH0675774U
Application number: JP1768293U
Authority: JP
Inventors: 政夫黒岩; 勉鹿久保; 松弟張; 徹遠藤
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1993-04-08
Filing date: 1993-04-08
Publication date: 1994-10-25

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、従来の剥離タイプの抽選券ではな
く、特殊な手段によってのみ隠蔽層を破壊、除去でき、
再現や復元を極めて困難にした、セキュリティー性の高
い隠蔽層を有する抽選券を提供する。【構成】サーマルヘッドやレザービーム等の加熱手段に
よってのみ隠蔽層を溶融破壊し、支持体上に形成してな
る抽選情報を目視できる状態にすることが可能な抽選券
であり、この隠蔽層が低融点金属又は合金からなる薄膜
で形成したことを特徴とする抽選券である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、支持体上に形成してなる抽選情報の隠蔽層を、剥離もしくは破壊することで、抽選情報を出現させて、所期の抽選が行えるようにした抽選券に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、支持体上に形成してなる絵柄、数字、記号等の抽選情報を、不透明なワックスインキやセルロース系樹脂、ゴム系天然樹脂を主体とするインキで形成し、隠蔽層で剥離可能な状態に隠蔽した印刷物があり、抽選券やゲームカード、マジック（登録商標）印刷物として広く利用されている。また、このような抽
選券には、隠蔽部分をすべて剥離してすでに確定している抽選情報を得るものと、利用者が複数ブロックに形成された隠蔽層のうちから、いくつかのブロックを選択して剥離することによって抽選結果が異なってくるというゲーム性を持たせたものと２種類あり、それぞれ目的に合わせて使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

これらの抽選券は、剥離可能な隠蔽層上に保護層を設けたとしても、比較的容易に剥離できてしまうという問題点があり、特に、有価証券の籤として使用した場合に、偽造や改ざん等の心配がつきまとうものである。すなわち抽選情報を改ざん後、印刷等によって同様の剥離可能な隠蔽層を設け、抽選券として復元することも可能であり、このような不正行為が危惧される。

【０００４】そこで本考案は、このような一般化してきた従来の剥離タイプの抽選券ではなく、特殊な手段によってのみ隠蔽層を破壊・除去でき、再現や復元を極めて困難にした、隠蔽層を有する抽選券を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の目的を達成するために、サーマルヘッドやレーザービーム等の加熱手段によって隠蔽層を溶融破壊し、支持体上に形成してなる抽選情報を目視可能な状態にした抽選券であり、この隠蔽層を低融点金属または合金からなる薄膜で形成したことを特徴とするものである。

【０００６】また、前記抽選情報と低融点金属または合金からなる薄膜との層間に、熱可塑性樹脂からなる感熱増感層を設けたことを特徴とするものである。

【０００７】更に、前記低融点金属または合金からなる薄膜上に保護層を設けたことを特徴とするものである。

【０００８】本考案を図に基づき詳細に説明する。図１及び図２は、本考案の一実施例における積層構成を示す側面図である。図１は、抽選情報より上層を支持体全面に設けた実施例であり、図２は抽選情報より上層を支持体の一部に設けた実施例である。図３は、本考案の一実施例における抽選券の平面図である。

【０００９】すなわち、本考案における抽選券は、支持体(11)上に、抽選情報の画像層(12) を設け、さらに感熱増感層(13)、隠蔽層(14)、保護層(15)を順次積層した構成のものである。

【００１０】支持体(11)は通常のカード用紙、板紙等が使用できるが、塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックシートであってもよい。

【００１１】抽選情報の画像層(12)は、通常のオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷の他に、静電印刷、インキジェット印字、ドットインパクト印字等の印刷及び印字法によって印刷された数字、絵柄、記号等からなるパターンである。

【００１２】また、感熱増感層(13)は、塩酢ビ、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂からなり、抽選情報の画像層(12)の凹凸を緩和すると共に、隠蔽層(14)の熱による溶融破壊を容易にするものであり、コーティング、印刷、転写等の方法によって設けるのが望ましい。

【００１３】上記の隠蔽層(14)は、ＳｎもしくはＳｎの合金からなる低融点金属薄膜を、真空蒸着やスパッタリング等の方法により、抽選情報の画像層を隠蔽するように設けたものものである。厚みは、５００〜２０００Åがよい。

【００１４】更に、保護層(15)は、通常の取扱い保管時やサーマルヘッド等による印字の際に、抽選券の隠蔽層(14)に傷や剥離が少々の衝撃があっても容易に起きないように保護するためで、印刷や熱転写等の方法により設けるのが望ましい。

【００１５】本考案による抽選券は、図１に示すように、各層を支持体の全面に設けてもよいが、製造上の簡易化や管理上の問題から、図２に示すように、抽選情報の画像層(22)若しくは感熱増感層(23)より上の層を印刷や熱転写等によって部分的に設けてもよい。

【００１６】

【作用】

本考案における抽選券によれば、サーマルヘッドやレーザービーム等による加熱手段により、隠蔽している金属または合金の融点以上の温度をかけて隠蔽層（低融点金属又は合金による薄膜）を溶融破壊することによってのみ抽選情報が出現可能であり、また、この隠蔽層を復元させることが極めて困難となり、偽造・改ざん、及び不正使用を防止することができる。

【００１７】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を参照して詳細に説明する。実施例１として、図１に示すように、支持体全面に隠蔽層を設けた一例について、更に、実施例２として、隠蔽の必要な部分のみに隠蔽層及び感熱増感層、保護層を設けたものについて説明する。

【００１８】＜実施例１＞支持体(11)は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）１８８μｍの合成樹脂フィルムであり、その上にグラビア印刷法によって数字からなる抽選情報の画像層(12)を設け、更に、グラビア印刷法によって塩酢ビ樹脂からなる感熱増感層(1 3)を乾燥後の厚さが３μｍになるように支持体全面に設けた。

【００１９】更に、金属Ｓｎの薄膜からなる隠蔽層(14)を、厚さ１０００Åになるように真空蒸着法によって支持体(11)全面に設けた。ここで、必要に応じて隠蔽層(14)上に文字情報や絵柄情報を印刷等によってデザインしてもよい。最後にグラビア印刷法によって、滑剤と顔料及び耐熱性アクリル樹脂からなる保護層(15)を、乾燥後の厚さが２μｍとなるように設けて抽選券(10)を得た。

【００２０】＜実施例２＞支持体(21)は、２５０ｇ／ｍ²厚紙であり、その上にオフセット印刷によって抽選情報の画像層(12)を周囲の模様やデザインとともに設けた。

【００２１】また、実施例２においては、抽選情報の画像層(22)より上層を熱転写により設けたもので、この転写箔としては次のものを用意した。厚さ２５μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムに、剥離性の保護層(25)として、ポリエチレンワックスを分散させたアクリル系樹脂からなる層をグラビア印刷法によって設け、その上に真空蒸着法によって、低融点金属のＳｎからなる隠蔽層(24)を１０００Å の厚さで設け、さらに感熱増感層(23)として、塩酢ビとウレタンの混合樹脂からなる接着剤としての機能を合わせ持った熱可塑性樹脂層をグラビア印刷法で２μ ｍになるように設けた。

【００２２】こうして得られた熱転写箔を、上記の支持体(21)上に設けた抽選情報の画像層 (22)を隠蔽するように、ホットスタンプにて１５０°Ｃの温度で熱転写して、抽選券(20)を得た。

【００２３】

【考案の効果】

本考案の抽選券は、サーマルヘッド等により、例えば、Ｓｎの融点である２３０°Ｃ以上の温度を隠蔽層にかけたときにのみ、溶融・熱破壊し、抽選情報が露出するもので、本抽選券の専用の熱剥離用機器がなければ、抽選情報を剥離できない。したがって偽造や改ざんが極めて困難な、セキュリティ性の高い、隠蔽層を有する抽選券が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における抽選券の積層構成を
示す側面図である。

【図２】本考案の他の実施例におれける抽選券の積層構
成を示す側面図である。

【図３】本考案の一実施例における抽選券の平面図であ
る。

【符号の説明】

１０、２０ …抽選券１１、２１ …基体１２、２２ …抽選情報の画像層１３、２３ …感熱増感層１４、２４ …隠蔽層１５、２５ …保護層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者遠藤徹東京都台東区台東一丁目５番１号凸版印刷株式会社内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】支持体上に形成してなる抽選情報が、加熱
によって溶融破壊可能な低融点金属または合金からなる
薄膜によって目視不可能な状態で隠蔽されていることを
特徴とする抽選券。
【請求項２】前記抽選情報と低融点金属または合金から
なる薄膜との層間に、熱可塑性樹脂からなる感熱増感層
を設けたことを特徴とする請求項１に記載の抽選券。
【請求項３】前記低融点金属または合金からなる薄膜上
に保護層を設けたことを特徴とする請求項１及び請求項
２に記載の抽選券。