JPH0675187A - 投写レンズ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 明るい拡大投写画像を得るためには、ＣＲＴ
を高輝度で駆動する必要があるが、そのためにはＣＲＴ
が許容温度以上に過度に昇温しないよう、放熱能力の向
上が望まれる。本発明は簡素でしかも効果の高い放熱機
能を備えた投写レンズ装置を提供するものである。 【構成】 投写レンズの鏡筒を熱伝導性のよいアルミニ
ウムなどの金属で製作するとともに、該鏡筒のフランジ
面を出来るだけ大きくとり、ＯＣハウジングとの接触面
積を多く得て、ＯＣハウジングから鏡筒への熱伝達量を
増やし、鏡筒自身を高効率かつ大容量の放熱器として用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、比較的小形の陰極線
管、液晶表示板などに映出される画像を、スクリーンに
拡大投写する時に使用する、投写レンズ装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、大画面の映像を得るために、比較
的小さな陰極線管（以下、ＣＲＴと記す）にテレビジョ
ン画像などを映出し、投写レンズによりスクリーン上に
拡大投写するビデオプロジェクション装置が、あらゆる
方面で使用されるようになって来た。 大多数のこのよ
うな装置では、投写レンズとＣＲＴとの空間を、透明度
の高い液体で満たし、光学的に結合することにより、投
写画像の鮮明度とコントラストを向上させる方式が採ら
れている。一般にこれをオプチカルカップリング（以
下、ＯＣと記す）方式という。

【０００３】それでは図面を参照しながら従来例を説明
する。図５において、投写レンズ１はＯＣハウジング２
にネジ止めされている。ＯＣハウジング２の右側には画
像が映出されるＣＲＴ３が配置され、左側には投写レン
ズ１を構成するレンズ素子群の内、一番右端に位置する
ＯＣレンズ４が取付られている。

【０００４】さてＯＣハウジング２にはシールゴム溝５
が形成され、その溝中にはシールゴム６が挿置されてい
る。左方より所定位置にＯＣレンズ４を載置押付する
と、シールゴム６は受圧変形し圧接面に密着するため、
液体密封可能なシーリングがなされる。また右方よりＣ
ＲＴ３も上記と同様に載置押付すると、シールゴム７は
受圧変形し圧接面に密着するので、液体密封可能なシー
リングがなされる。ＯＣハウジング２，ＣＲＴ３，ＯＣ
レンズ４とで囲まれた液密空間に、オプチカルカップリ
ング液８（以後ＯＣ液と表記す）を所定量注入後、ＯＣ
液８が漏れないように注入孔９を封栓する。

【０００５】以上のように構成された投写レンズ装置の
ＣＲＴ３は、明るい拡大投写像を得るため、極めて高輝
度で駆動される。このためＣＲＴ３は高温に温度上昇す
るが、許容温度をオーバーしないよう、適切な放熱冷却
がされなければならない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ＣＲＴを高輝度で駆動
するためには、ＣＲＴ内面に塗布されている蛍光体が、
高熱よって急激な劣化を受けないよう、効率よく冷却し
なければならない。ＣＲＴの発熱は主にＯＣ液に伝わ
り、ＯＣ液の対流あるいは熱伝達によって、ＯＣ液を密
封しているＯＣハウジングに伝達される。ＯＣハウジン
グは放熱器の機能も兼ねており、ここから空気中に放熱
される。しかしさらに高輝度で駆動するためには、現状
の放熱能力では不足であり、一層の放熱能力の向上が望
まれる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】投写レンズの鏡筒を熱伝
導性のよいアルミニウムなどの金属で製作するととも
に、該鏡筒のフランジ面を大きくとり、ＯＣハウジング
との接触面を増加させることによって、ＯＣハウジング
から鏡筒への熱伝達量を増やし、鏡筒自身を高効率かつ
大容量の放熱器として利用する。

【０００８】

【作用】総熱伝達量の増加を図るため、外鏡筒とＯＣハ
ウジングとの接触面積をできるだけ大きくとり、かつ効
率よく熱伝達が成されるよう互いの接触面を滑らかに仕
上げ密接性を良くする。外鏡筒は体積に比較して表面積
が広いので効率的に放熱が行われ、全体として放熱能力
が向上するため、さらに高輝度でＣＲＴの駆動が行え
る。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図１は本発明の実施例における全体の構成
を示す側断面図である。

【００１０】ＯＣハウジング２１には、リング状のＯリ
ング溝２２が形成されており、その中に断面形状が円形
のＯリング２３が挿置されている。またＯＣハウジング
２１には投写レンズ２４を構成する単レンズ群の内、一
番右端に位置するＯＣレンズ２５が、上記Ｏリング２３
に密着するように取り付けられる。またＯＣハウジング
２１の右側には、従来例と同じようにＣＲＴ２７が液密
に取付けられている。

【００１１】図２は、外鏡筒２６の正面図である。この
図からも明らかなようにフランジ部２８は、ＯＣハウジ
ング２１と多くの面積で接面するよう大きく形成されて
いる。

【００１２】図３は、ＯＣハウジング２１の正面図であ
る。図中に斜線で示した領域が、ＯＣハウジング２１と
外鏡筒２６との接触面である。

【００１３】図４は、さらに放熱効率を良くするために
外鏡筒の外周に放熱フィンを設けた時の概観図を示した
ものである。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明を用いれば、
放熱能力を向上させるためにＯＣハウジングを大形化し
なくとも、本来投写レンズに備わっている外鏡筒を、熱
伝導性のよいアルミニウムなどの金属で形成し、ＯＣハ
ウジングと外鏡筒との接触面積を可能な限り大きくと
り、外鏡筒に効率よく熱を伝え放熱器としての機能も果
たさせることで、部品の追加を必要とせずコストアップ
も招かず、放熱能力を高めた投写レンズ装置を提供する
ものである。また放熱能力が高まったことでＣＲＴをよ
り高パワー高輝度で駆動できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における投写レンズ装置の横断面図

【図２】本発明における外鏡筒の正面図

【図３】外鏡筒とＯＣハウジングとの接触面領域を示す
図面

【図４】外鏡筒に形成された放熱フィンの形状を示す図
面

【図５】従来例における投写レンズ装置の横断面図

【符号の説明】

１ 投写レンズ ２ ＯＣハウジング ３ ＣＲＴ ４ ＯＣレンズ ５ シールゴム溝 ６ シールゴム ７ シールゴム ８ オプチカルカップリング液 ９ 注入孔 ２１ ＯＣハウジング ２２ Ｏリング溝 ２３ Ｏリング ２４ 投写レンズ ２５ ＯＣレンズ ２６ 外鏡筒 ２７ ＣＲＴ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像が映出される陰極線管などの表示素
   子と、上記表示素子に映出される映像を拡大投射する投
   写レンズと、表示素子と投写レンズとが液密に装着され
   るＯＣハウジングとを備え、上記表示素子，投写レン
   ズ，ＯＣハウジングとの三者で構成される液密空間を透
   明度の高い液体で満たすとともに、上記投写レンズを構
   成している胴筒を、熱伝導性のよいアルミニウムなどの
   金属で製作し、上記ＯＣハウジングと熱伝達が効率的に
   成されるように結合し、上記胴筒に放熱機能を持たせた
   ことを特徴とする投写レンズ装置。
2. 【請求項２】 上記胴筒に放熱フィンを形成したことを
   特徴とする請求項１記載の投写レンズ装置。