JPH0674962A - 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計 - Google Patents

感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計

Info

Publication number
JPH0674962A
JPH0674962A JP4228406A JP22840692A JPH0674962A JP H0674962 A JPH0674962 A JP H0674962A JP 4228406 A JP4228406 A JP 4228406A JP 22840692 A JP22840692 A JP 22840692A JP H0674962 A JPH0674962 A JP H0674962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
temperature measuring
substrate
fluid
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4228406A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tanabe
誠 田辺
Zenichi Akiyama
善一 秋山
Hiroyuki Horiguchi
浩幸 堀口
Hiroko Oshima
裕子 大島
Yoshio Ishii
良夫 石井
Tatsuo Miyaji
達生 宮地
Hiroshi Onda
浩 恩田
Toshiyuki Takamiya
敏行 高宮
Shigeyuki Ito
茂行 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Seiki Co Ltd, Ricoh Elemex Corp, Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Seiki Co Ltd
Priority to JP4228406A priority Critical patent/JPH0674962A/ja
Publication of JPH0674962A publication Critical patent/JPH0674962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の抵抗値と放熱効率とを同時に制御可
能とすること。 【構成】 基板1上に、各々電気抵抗体による発熱体
2、発熱体測温体3及び流体測温体4を形成し、基板1
材料より高い熱伝導性を持つ電気的絶縁保護層5を発熱
体2及び発熱体測温体3部分と流体測温体4部分とを物
理的に隔離する状態でこれらの発熱体2、発熱体測温体
3及び流体測温体4を覆うように形成し、発熱体2と発
熱体測温体3と流体測温体4との抵抗値制御及び発熱量
制御を独立して行なえるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体、液体等の流体の
流速を計測するための感熱式流速計及びこれを用いたフ
ルイディック流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の流速計として、従来より種々の
ものがある。その数例を挙げると、例えば、特開昭61
−274222号公報に示されるように、発熱抵抗体を
流体中に設置し、発熱抵抗体の発熱量から流体によって
奪われる熱量の変化を検出して流体の流速を測定する熱
式流量センサにおいて、絶縁平板上にパターン化された
金属薄膜により発熱抵抗体を形成するようにしたものが
ある。また、特開昭62−191720号公報に示され
るように、熱絶縁基板の両端位置に発熱抵抗体と流体温
度測定用測温抵抗体とを各々配設し、この測温抵抗体近
傍のみに対して熱伝導率の高いブロックを貼着して放熱
効率を向上させ、感度を上げるようにしたものがある。
さらに、特開昭62−203019号公報に示されるよ
うに、熱絶縁基板をガラス製としたものがある。また、
特開昭59−68624号公報等に示されるような構成
よりなるフルイディック流量計もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来方式の
場合、発熱体の抵抗値は、発熱体(発熱抵抗体)の形状
を適宜変えることにより任意な値に設定できるが、発熱
体へ供給される電力を抑えるため表面積を大きくとるこ
とができない。このため、流体に接する発熱体の表面積
が小さくなり、流体へのジュール熱の放熱効果が悪いと
いう問題がある。
【0004】また、基板が熱的絶縁性の高い溶融石英等
のガラス材料により形成されており、発熱体と発熱体温
度測温体とは独立して設けられているため、発熱体温度
測温体は発熱体の温度を熱絶縁体なる基板を介して計測
するものとなり、実際の発熱体温度より低い温度として
計ってしまう可能性が高い。即ち、誤動作を引き起こし
やすく、かつ、熱的応答性の悪いものでもある。
【0005】さらに、使用される発熱体や測温体をみた
場合、耐化学薬品性が低いため、化学反応性の高い気体
や液体の場合には、その流速を計ることができないもの
である。
【0006】特に、フルイディック流量計を家庭用ガス
メータに使用する場合、毎時3〜3000リットルの流
量を計測する必要があるが、従来のフルイディック流量
計では毎時3〜300リットル程度の低流量域ではフル
イディック振動が起らず、流量を検出できないものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、基板上に、各々電気抵抗体による発熱体と発熱体の
温度を計測する発熱体測温体と流体の温度を計測する流
体測温体とを形成し、これらの表面を電気的絶縁保護層
で覆うように構成するが、この際、この電気的絶縁保護
層を、基板材料より高い熱伝導性を持つものとし、発熱
体及び発熱体測温体部分と流体測温体部分とを物理的に
隔離する状態で覆うように形成した。
【0008】この際、請求項2記載の発明では、炭素系
材料による電気的絶縁保護層とした。
【0009】また、請求項3記載の発明では、熱絶縁性
及び電気的絶縁性の高い内部応力傾斜材料による応力緩
衝層を、発熱体、発熱体測温体及び流体測温体の下層に
位置させて基板上に形成した。
【0010】さらに、請求項4記載の発明では、基板上
に、各々電気抵抗体による発熱体と発熱体の温度を計測
する発熱体測温体と流体の温度を計測する流体測温体と
を形成するが、この際、支持体に対する引出線を埋込型
構造とするため、板厚方向に貫通した複数の中空貫通穴
が前記発熱体、発熱体測温体及び流体測温体の各パター
ンに対応して形成され各々のパターンに電気的に導通す
る引出伝導層が各中空貫通穴の内壁に形成された基板と
し、さらに、これらの発熱体、発熱体測温体及び流体測
温体を含む前記基板の全面を覆うように形成されて発熱
体及び発熱体測温体部分と流体測温体部分との境界部の
みが高い熱的絶縁性を示す状態に改質処理された電気的
絶縁保護層を設け、高い熱的絶縁性を有し化学的に安定
した材料により形成されて流体挿入部において基板の中
空貫通穴を引出線接続用案内穴として各引出伝導層に電
気的に接続される引出線が埋込まれた支持体を基板裏面
に接着させるようにした。
【0011】請求項5記載の発明では、フルイディック
振動子のノズル中央、ノズル内壁下部又は天井部の何れ
かに請求項1,2,3又は4記載の感熱式流速計を設け
たフルイディック流量計とした。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明においては、電気的絶縁保
護層を基板材料より高い熱伝導性を持つものとし、発熱
体及び発熱体測温体部分と流体測温体部分とを物理的に
隔離する状態で覆うように形成したので、発熱体と発熱
体測温体と流体測温体との抵抗値制御及び発熱量制御を
独立して行なうことが可能となり、よって、流速検出感
度と消費電力量とをともに最適化することが可能とな
る。また、発熱体と発熱体測温体との間の熱的整合性が
向上するものとなり、よって、発熱体測温体の応答性も
向上するものとなる。
【0013】この際、請求項2記載の発明においては、
電気的絶縁材料として、熱的伝導性が高いダイヤモンド
膜、無定型炭素膜等の炭素系材料を使用するので、放熱
制御性と化学的安定性とを向上させ得るものとなる。
【0014】また、請求項3記載の発明においては、発
熱体、発熱体測温体及び流体測温体と基板との間に、熱
絶縁性及び電気的絶縁性の高い内部応力傾斜材料による
応力緩衝層を設けたので、組成を可変することによりこ
の応力緩衝層に最上層の電気的絶縁保護層の内部応力を
打消し、又は、吸収できる応力分布を持たせることがで
き、よって、電気的絶縁保護層に内部応力の高い材料を
用いた場合でも、この電気的絶縁保護層と基板との接合
性を向上させることができる。
【0015】さらに、請求項4記載の発明においては、
電気的絶縁保護層が発熱体、発熱体測温体及び流体測温
体を含む基板の全面を覆うように形成され、かつ、支持
体には高い熱的絶縁性を有し化学的に安定した材料によ
り形成されたものが用いられ、流体挿入部なる支持体と
引出線部とが流体から隔離されているので、化学反応性
の高い気体や流体であってもその流速の検出が可能とな
る。また、基板に形成された中空貫通穴の内壁に引出線
として機能する引出伝導層を形成し、支持体との接続部
においては中空貫通穴に空洞部が残っているので、基板
の中空貫通穴を引出線接続用案内穴として支持体の引出
線を各引出伝導層に電気的に接続させることができ、特
別な接続用部品を設けることなく支持体接続作業を行う
ことができ、量産性向上に寄与するものとなる。
【0016】請求項5記載の発明においては、フルイデ
ィック流量計のフルイディック振動子のノズル中央、ノ
ズル内壁下部又は天井部の何れかに放熱効率を向上させ
た請求項1,2,3又は4記載の感熱式流速計を設けた
ので、低流量域の計測を低電力で正確に行うことが可能
となる。
【0017】
【実施例】請求項1及び2記載の発明の一実施例を図1
に基づいて説明する。まず、基板1上には各々電気的抵
抗体からなる発熱体2と発熱体測温体3と流体測温体4
とがパターン形成されている。なお、発熱体2と発熱体
測温体3とは、一方が他方を兼用する形で形成してもよ
いが、本実施例では隣接する状態で別個に形成されてい
る。
【0018】ここに、基板1の材料としては、溶融石英
ガラス等が用いられる。この基板1表面には、酸化処理
等により熱的絶縁性を示すSiO2 層を形成してもよ
い。また、発熱体2及び測温体3,4を形成する基板1
面部分に対しては、両者間の密着性を向上させるために
Ti層(或いは、Cr層、Ta層、NiCr層、TiN
層、Ta25層など)が密着強度補強層として形成され
ている。このTi層上部に比抵抗の高い金属、例えばP
tからなる発熱体2がパターン形成されている。また、
Ti層上部にはこの発熱体2に隣接させて、抵抗温度係
数の高いPtによる発熱体測温体3がパターン形成され
ている。さらに、前記発熱体2とは熱的に隔離された箇
所に位置させてTi層上部にはPtからなる流体測温体
4がパターン形成されている。さらに、前記発熱体2及
び発熱体測温体3部分と、流体測温体4部分とを別個に
覆う電気的絶縁保護層5が設けられるが、この電気的絶
縁保護層5と発熱体2や測温体3,4との接合性を向上
させるため、これらの発熱体2や測温体3,4の表層に
もTi層等の密着強度補強層が形成されている。
【0019】なお、発熱体2や測温体3,4の各パター
ンや上、下の密着強度補強層は、蒸着法、電子ビーム蒸
着法(EB法)、スパッタリング法等の真空成膜法によ
り形成すればよい。パターン切出しは、リフト・オフ
法、Arスパッタ・エッチング法等によればよい。上、
下の密着強度補強層となるTi層は薄いほどよいが、P
tとの整合性を確保するためには、100〜700Å程
度とするのがよい。また、測温体3,4は、電流・電圧
特性の直線性を保てる範囲で駆動するため、Pt抵抗層
は臨界密度を充分下回るようにする条件と、抵抗値設定
の条件とから、500〜5000Å程度の膜厚とするの
がよい。
【0020】このようにして、発熱体2、測温体3,4
を形成した後、前記発熱体2及び発熱体測温体3で構成
される抵抗体群と、流体測温体4による抵抗体との間の
基板1面が隠れるように(図1(a)中の二点鎖線参照)
マスク材を設置して、電気的絶縁保護層5を形成する。
この電気的絶縁保護層5は高い熱伝導性を有し、電気的
絶縁性が高く、耐環境性に優れた、炭素膜からなるもの
である。より具体的には、ダイヤモンド薄膜又は無定型
炭素薄膜がよい。
【0021】ダイヤモンド薄膜の場合、プラズマCVD
法を用い、下記の条件 原料ガス:CH4 ,H2 ガス流量:5〜50sccm 投入RF電力:0.8〜2W/cm2 自己バイアス電圧:300〜700V ガス圧:0.01〜0.1Torr 基板温度:400〜800℃ 膜厚:2000Å で作成すればよい。
【0022】また、量産性を向上させるため、無定型炭
素薄膜とする場合、プラズマCVD法を用い、下記の条
件 原料ガス:CH4 ガス流量:10〜100sccm 投入RF電力:0.5〜2W/cm2 自己バイアス電圧:100〜700V ガス圧:0.01〜5Torr 基板温度:室温 膜厚:1000Å で作成すればよい。
【0023】何れにしても、電気的絶縁保護層5は測温
体3,4の感度向上のためには、熱容量を減少させる目
的と量産性を向上させる目的とを考慮すると、薄いほう
がよいが、保護膜としての機能を考えると厚いほうが好
ましい。このため、800〜5000Å程度の範囲内に
抑えるのがよい。
【0024】このように形成された発熱体2側の電気的
絶縁保護層5はその熱伝導性が非常に高いので(ダイヤ
モンド薄膜による場合は、銅の倍以上の熱伝導率を持
ち、無定型炭素薄膜の場合にも基板石英の10倍以上の
値を持つ)、発熱体2からのジュール熱を発熱体表面積
に依存せず、任意に大きな放熱面積で流体中へ放つこと
が可能となり、従来型に比して熱損を減少させ得るとと
もに、投入した発熱体駆動電力の消費効率を向上させる
ことができる。
【0025】また、流体測温体4側の電気的絶縁保護層
5もその流体測温体4の表面積設定とは独立して表面積
を設定できるので、流体と流体測温体4との間の熱交換
効率も向上させることができる。
【0026】さらには、発熱体2側及び流体測温体4側
の電気的絶縁保護層5が一工程で作成できるため、従来
型に比して、量産性も損なわれることがない。
【0027】つづいて、請求項3記載の発明の一実施例
を図2により説明する。前記実施例で示した部分と同一
部分は同一符号を用いて示す。本実施例は、基板1と発
熱体2、測温体3,4との間に、応力緩衝層6を形成し
たものである。この応力緩衝層6は組成を可変すること
により電気的絶縁保護層5の内部応力を打消し、又は、
吸収することのできる応力分布を持たせたもので、熱的
絶縁性及び電気的絶縁性の高い内部応力傾斜材料により
形成されている。
【0028】具体的には、基板1上に傾斜分布を有する
窒化シリコンであるSiNx を、x=0.5〜1.5と
なるように、RFプラズマCVD法を用いて、投入電力
を0.8〜1.5W/cm2 の範囲に設定して推積させ、
アニール後処理を施して、微結晶化を行い、応力緩衝層
6を形成した。電気的絶縁保護層5を無定型炭素薄膜で
形成した場合、ガラス製の基板1に対して、炭素膜は縮
み方向に応力が働くので、形成された窒化シリコン上層
部にあっては伸びる方向に応力が働くようにxの値が1
程度以上となるようにする一方、下層部にあっては基板
1に対して応力が働かないようにxの値が0.9以下と
なるようにする。このような応力緩衝層6の応力分布の
傾斜付け作業は、投入電力を成膜中に変化させることで
成し得るので、量産性が損なわれることはない。また、
応力緩衝層6の膜厚は特に制約されないが、上層の電気
的絶縁保護層5に対する応力緩衝を考慮した場合には、
2000Å以上とするのが好ましい。
【0029】このような応力緩衝層6を付加することに
より、前記実施例の効果はもとより、電気的絶縁保護層
5・基板1間の密着性を向上させ得るので、長期間に渡
って安定した検出動作が確保される。
【0030】さらに、請求項4記載の発明の一実施例を
図3及び図4に基づいて説明する。本実施例は、化学反
応性の高い気体や液体の流量計測を考慮し、発熱体2に
対する電力供給や測温体3,4からの測温信号取出しの
ための引出線処理を、熱的絶縁性に優れ、かつ、化学的
に安定した材料による支持体7を利用して、発熱体2、
測温体3,4及び引出線が流体から隔離された状態とな
るようにしたものである。このため、支持体7への引出
線接続は、基板埋込型として構成されている。
【0031】まず、基板1上には発熱体2及び測温体
3,4が形成され、これらの表面を覆うように電気的絶
縁保護層8が形成されるが、前述した実施例と異なり、
この電気的絶縁保護層8は発熱体2及び測温体3,4を
含む基板1表面だけでなく、側面及び裏面を含む全面を
連続的に覆うように形成される。その後、マスクを取付
け、発熱体2と発熱体測温体3とにより構成される抵抗
体群と、流体測温体4により構成される抵抗体部分との
境界部分を、熱的に隔離するために、プラズマCVD法
等を用いて水素化処理を施し、高い熱的絶縁性を示すよ
うにポリマー部8aに改質させる。このポリマー部8a
により流体測温部4は発熱体2から熱的に隔離されたも
のとなる。
【0032】一方、このような全面的な電気的絶縁保護
層8に対処して電気的導通を確保するため、基板1には
発熱体2、測温体3,4の各パターンの端部位置に対応
させて、板厚方向に貫通させた複数の中空貫通穴9a〜
9cを予め形成しておき、かつ、各中空貫通穴9a〜9
cの内壁には板厚方向に連続した引出伝導層(図示せ
ず)を中空状態を維持したまま形成しておく。よって、
発熱体2、測温体3,4のパターン形成時には、発熱体
2のパターンは中空貫通穴9a対応の引出伝導層に導通
する状態で形成され、発熱体測温体3のパターンは中空
貫通穴9b対応の引出伝導層に導通する状態で形成さ
れ、流体測温体4のパターンは中空貫通穴9c対応の引
出伝導層に導通する状態で形成される。
【0033】一方、支持体7は高い熱的絶縁性を有し化
学的に安定した材料、例えばポリマー材により形成され
たもので、基板1裏面にエポキシ系接着剤により接着固
定されるものであり、支持体7内には発熱体2に対する
電力供給用となる引出線10aや、測温体3,4用の測
温信号取出し用となる引出線10b,10cが埋込形成
されている。ここに、これらの引出線10a〜10cの
基板1側端部は直角に屈曲された後、支持体7から少し
突出し、各中空貫通穴9a〜9cの空洞部に入り込むよ
うに形成されている。よって、支持体7は各引出線10
a〜10cの突出部を対応する中空貫通穴9a〜9cに
少し入り込ませて電気導電層に導通させた状態で接着固
定される。よって、図4に示すように、流速計本体なる
流体挿入部11においては、発熱体2、測温体3,4及
び各引出線10a〜10cは、流体から隔離された状態
で流速計測に供されることになる。これにより、耐環境
性が向上し、酸性、アルカリ性の気体や液体であって
も、その流速を支障なく計測し得るものとなる。特に、
本実施例では、全体が炭素膜で覆われた構造とされてい
るので生体系に対して流速計を導入することも可能とな
り、医療分野での流速計測も可能となる。なお、支持体
7の材料としては、ポリマー材に限らず、耐環境性、耐
薬品性に優れた材料であればよい。
【0034】また、請求項5記載の発明の一実施例を図
5により説明する。本実施例は、前述した実施例構成に
よる感熱式流速計12をフルイディック流量計13に利
用したものである。まず、フルイディック流量計13の
基本構造を説明すると、流入管14から排出管15を結
ぶ経路上に、セットリングスペース16、流路縮小部1
7、ノズル18、流路拡大部19を順に設け、かつ、流
路拡大部19中に誘振子20とエンドブロック21とを
備えて構成されている。エンドブロック21の背後は排
出空間22とされている。これにより、流路上流側から
の管状の流れはセットリングスペース16で2次元的な
流れに整流され、流路縮小部17によりさらに整流され
て円滑にノズル18に向かう。このノズル18で整流さ
れたジェット流は、誘振子20に当たることにより左右
に分れるが、エンドブロック21に至るまでの流路拡大
部19の空間において、ある流量を越えると誘振子20
の背後にできる渦の不安定性によって、左又は右に偏っ
た流れを形成する。そのため、エンドブロック21にぶ
つかった流れは、エンドブロック21前面に沿い、ノズ
ル18の出口に達し、ジェット流に直角的にぶつかる。
このため、その脇から帰還した流れによってジェット流
の方向を最初の偏流とは反対方向に偏らせる。これによ
り、反対側では再び同様のことが起こり、結果としてノ
ズル18を出る流れは規則的に交互に流れの方向を変化
させる。この規則的に方向を変化させる振動の周波数
は、流量の増加に対して直線的に増加する。
【0035】しかして、本実施例ではこのようなフルイ
ディック流量計13において、感熱紙機流速計12を適
宜支持手段を介してノズル18中央部に配設させてい
る。このような感熱式流速計12は前述した実施例の何
れによるものでもよい。また、設置箇所としても、ノズ
ル18の中央部に限らず、例えばノズル18の内壁下部
とか、ノズル18の天井部等であってもよい。
【0036】ちなみに、感熱式流速計12として図3及
び図4に示したような請求項4記載の発明によるものを
用い、ノズル18中央に配設させて、ガスの流速変化を
測定したところ、感熱式流速計12が高い放熱効果を示
すとともに引出線等の突起がないことから、毎時3〜3
00リットルといった長期間にわたる低流量域の場合で
もその流速測定ができたものである。これにより、ガス
メータとして、毎時3〜3000リットルの全流量域の
測定が可能となったものである。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、電気的絶
縁保護層を基板材料より高い熱伝導性を持つものとし、
発熱体及び発熱体測温体部分と流体測温体部分とを物理
的に隔離する状態で覆うように形成したので、電気的抵
抗体の耐環境性を高め、安定した動作を長期に渡って確
保し得るとともに、発熱体の実効的な放熱面積を増やし
得ることとなり、発熱体と発熱体測温体と流体測温体と
の抵抗値制御及び発熱量制御を独立して行なうことが可
能となり、よって、流速検出感度と消費電力量とをとも
に最適化することが可能となり、かつ、発熱体と発熱体
測温体との間の熱的整合性が向上するので、発熱体測温
体の応答性も向上させることができる。
【0038】この際、請求項2記載の発明によれば、電
気的絶縁材料として、熱的伝導性が高いダイヤモンド
膜、無定型炭素膜等の炭素系材料を使用するようにした
ので、放熱制御性と化学的安定性とをともに向上させる
ことができる。
【0039】また、請求項3記載の発明によれば、発熱
体、発熱体測温体及び流体測温体と基板との間に、熱絶
縁性及び電気的絶縁性の高い内部応力傾斜材料による応
力緩衝層を設けたので、組成を可変することによりこの
応力緩衝層に最上層の電気的絶縁保護層の内部応力を打
消し、又は、吸収し得る応力分布を持たせることがで
き、よって、電気的絶縁保護層に内部応力を高い材料を
用いた場合でも、この電気的絶縁保護層と基板との接合
性を向上させることができる。
【0040】さらに、請求項4記載の発明によれば、電
気的絶縁保護層が発熱体、発熱体測温体及び流体測温体
を含む基板の全面を覆うように形成し、かつ、支持体に
は高い熱的絶縁性を有し化学的に安定した材料により形
成したものを用い、流体挿入部なる支持体と引出線部と
を流体から隔離させたので、化学反応性の高い気体や流
体であってもその流速の測定を可能とすることができ、
この際、基板に形成された中空貫通穴の内壁に引出線と
して機能する引出伝導層を形成し、支持体との接続部に
おいては中空貫通穴に空洞部が残るようにしたので、基
板の中空貫通穴を引出線接続用案内穴として支持体の引
出線を各引出伝導層に電気的に接続させることができ、
特別な接続用部品を設けることなく支持体接続作業を行
うことができ、量産性向上を図ることもできる。
【0041】また、請求項5記載の発明によれば、フル
イディック振動子のノズル中央、ノズル内壁下部又は天
井部の何れかに放熱効率を向上させた請求項1,2,3
又は4記載の感熱式流速計を設けたので、フルイディッ
ク流量計の低流量域の流速測定が感熱式流速計で補われ
るものとなり、その低流量域の計測を低電力で正確に行
うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び2記載の発明の一実施例を示し、
(a)は模式的平面図、(b)はその断面構造図である。
【図2】請求項3記載の発明の一実施例を示す断面構造
図である。
【図3】請求項4記載の発明の一実施例を示す模式的平
面図である。
【図4】その断面構造図である。
【図5】請求項5記載の発明の一実施例を示す水平断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 発熱体 3 発熱体測温体 4 流体測温体 5 電気的絶縁保護層 6 応力緩衝層 7 支持体 8 電気的絶縁保護層 8a 改質部分 9a〜9c 中空貫通穴 10a〜10c 引出線 11 流体挿入部 12 感熱式流速計 18 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 善一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 堀口 浩幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大島 裕子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 石井 良夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮地 達生 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 恩田 浩 愛知県名古屋市東区泉二丁目28番24号 リ コーエレメックス株式会社内 (72)発明者 高宮 敏行 東京都品川区南大井6−16−10 リコー精 器株式会社内 (72)発明者 伊藤 茂行 愛知県名古屋市東区泉二丁目28番24号 リ コーエレメックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気抵抗体による発熱体と、この発熱体
    と一体又は別体に形成されて前記発熱体の温度を計測す
    る電気抵抗体による発熱体測温体と、流体の温度を計測
    する電気抵抗体による流体測温体と、これらの発熱体と
    発熱体測温体と流体測温体とを形成する基板と、前記発
    熱体及び発熱体測温体部分と前記流体測温体部分とを物
    理的に隔離する状態でこれらの発熱体、発熱体測温体及
    び流体測温体を覆うように前記基板上に形成されたこの
    基板材料より高い熱伝導性を持つ電気的絶縁保護層とよ
    りなることを特徴とする感熱式流速計。
  2. 【請求項2】 炭素系材料による電気的絶縁保護層とし
    たことを特徴とする請求項1記載の感熱式流速計。
  3. 【請求項3】 熱絶縁性及び電気的絶縁性の高い内部応
    力傾斜材料による応力緩衝層を、発熱体、発熱体測温体
    及び流体測温体の下層に位置させて基板上に形成したこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の感熱式流速計。
  4. 【請求項4】 電気抵抗体による発熱体と、この発熱体
    と一体又は別体に形成されて前記発熱体の温度を計測す
    る電気抵抗体による発熱体測温体と、流体の温度を計測
    する電気抵抗体による流体測温体と、板厚方向に貫通し
    た複数の中空貫通穴が前記発熱体、発熱体測温体及び流
    体測温体の各パターンに対応して形成され各々のパター
    ンに電気的に導通する引出伝導層が各中空貫通穴の内壁
    に形成された基板と、前記発熱体、発熱体測温体及び流
    体測温体を含む前記基板の全面を覆うように形成されて
    前記発熱体及び発熱体測温体部分と前記流体測温体部分
    との境界部のみが高い熱的絶縁性を示す状態に改質処理
    された電気的絶縁保護層と、高い熱的絶縁性を有し化学
    的に安定した材料により形成されて流体挿入部において
    前記基板の中空貫通穴を引出線接続用案内穴として各引
    出伝導層に電気的に接続される引出線が埋込まれて前記
    基板裏面に接着される支持体とよりなることを特徴とす
    る感熱式流速計。
  5. 【請求項5】 フルイディック振動子のノズル中央、ノ
    ズル内壁下部又は天井部の何れかに請求項1,2,3又
    は4記載の感熱式流速計を設けたことを特徴とするフル
    イディック流量計。
JP4228406A 1992-08-27 1992-08-27 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計 Pending JPH0674962A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4228406A JPH0674962A (ja) 1992-08-27 1992-08-27 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4228406A JPH0674962A (ja) 1992-08-27 1992-08-27 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0674962A true JPH0674962A (ja) 1994-03-18

Family

ID=16875971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4228406A Pending JPH0674962A (ja) 1992-08-27 1992-08-27 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0674962A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021547A (ja) * 2001-07-09 2003-01-24 Denso Corp 薄膜式センサならびにフローセンサおよびその製造方法
KR20160053131A (ko) * 2014-10-31 2016-05-13 주식회사 골든룰 열식 질량 유량계
JP2018538106A (ja) * 2015-09-22 2018-12-27 スレット(エスアエス)Srett(Sas) 酸素療法モニタリング装置及び酸素療法モニタリング方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021547A (ja) * 2001-07-09 2003-01-24 Denso Corp 薄膜式センサならびにフローセンサおよびその製造方法
KR20160053131A (ko) * 2014-10-31 2016-05-13 주식회사 골든룰 열식 질량 유량계
JP2018538106A (ja) * 2015-09-22 2018-12-27 スレット(エスアエス)Srett(Sas) 酸素療法モニタリング装置及び酸素療法モニタリング方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3333712B2 (ja) 流量検出素子およびそれを用いた流量センサ
US4888988A (en) Silicon based mass airflow sensor and its fabrication method
EP0106455B1 (en) Mass airflow sensor
JP3175887B2 (ja) 測定装置
JPH08313320A (ja) 熱式空気流量計用測定素子及びそれを含む熱式空気流量計
JPH1123338A (ja) 感熱式流量検出素子およびそれを用いた流量センサ
JP3457826B2 (ja) 薄膜式抵抗体及びその製造方法、流量センサ、湿度センサ、ガスセンサ、温度センサ
JP2000213973A (ja) 流量センサ
US6626037B1 (en) Thermal flow sensor having improved sensing range
JP2009300381A (ja) 熱伝導型真空計、圧力測定方法
JP3920247B2 (ja) 感熱式流量検出素子およびその製造方法
US6684693B2 (en) Heat generation type flow sensor
JPH0674962A (ja) 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計
JP3706358B2 (ja) 気体流量・温度測定素子
KR0174872B1 (ko) 압 저항 소자 및 그의 제조방법
JP2002328053A (ja) 感熱式流量センサ
JP3668921B2 (ja) 流量検出素子
JP3716892B2 (ja) 流量検出装置
JPH06167365A (ja) 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計
JP3140861B2 (ja) 感熱式流速計及びこれを用いたフルイディック流量計
JPH0593732A (ja) フローセンサ
JP5248218B2 (ja) 圧力測定装置、圧力測定方法
JPH0921668A (ja) フローセンサ
JPH11281446A (ja) 流量検出素子及び流量センサ
JP2001183202A (ja) フローセンサおよびその製造方法