JPH0674956B2 - ヒートパイプ - Google Patents

ヒートパイプ

Info

Publication number
JPH0674956B2
JPH0674956B2 JP60089633A JP8963385A JPH0674956B2 JP H0674956 B2 JPH0674956 B2 JP H0674956B2 JP 60089633 A JP60089633 A JP 60089633A JP 8963385 A JP8963385 A JP 8963385A JP H0674956 B2 JPH0674956 B2 JP H0674956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
siphon
working fluid
heat pipe
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60089633A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61250491A (ja
Inventor
茂盛 大谷
郁郎 宍戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Original Assignee
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago Thermal Engineering Co Ltd filed Critical Takasago Thermal Engineering Co Ltd
Priority to JP60089633A priority Critical patent/JPH0674956B2/ja
Publication of JPS61250491A publication Critical patent/JPS61250491A/ja
Publication of JPH0674956B2 publication Critical patent/JPH0674956B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0275Arrangements for coupling heat-pipes together or with other structures, e.g. with base blocks; Heat pipe cores

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は,熱の出入部を3箇所有する熱ダイオード型ヒ
ートパイプに関する。
太陽熱や工場排水のような温度が変動する熱源から効果
的に熱を集熱し,蓄熱し,そして利用するシステムにお
いては,熱源温度が蓄熱槽内の温度よりも低くなった場
合,蓄熱槽から熱源への熱の逆流を防ぐ必要がある。こ
の目的のためには,熱をある一定の方向のみに伝える熱
ダイオード型ヒートパイプを利用した蓄熱システムが,
すでに提案されている。だが,従来のかようなシステム
では,蓄熱用に一種類そして放熱用に他の一種類と,二
種類のヒートパイプを交互に配置して使用しており,熱
源側のエネルギーを一方のヒートパイプによって必ず一
旦蓄熱槽に蓄えた後,別のヒートパイプによって利用側
に放出する仕組みになっている。すなわち,熱源側のエ
ネルギーを直接負荷側に利用することができない。その
ため,従来の熱ダイオード型ヒートパイプを利用した蓄
熱システムでは,ヒートパイプ→蓄熱材→ヒートパイプ
と熱が流れる際のエクセルギーの減少が著しい欠点があ
った。
本発明の一つの目的は,熱の出入部を3個所有する新規
な熱ダイオード型ヒートパイプを提供することである。
本発明の他の一つの目的は,蓄熱システム,特に太陽熱
や工場排水のような温度が変動する熱源から効果的に熱
を集熱して蓄熱するシステムに利用するのに適した新規
な熱ダイオード型ヒートパイプを提供することである。
本発明の今一つの目的は,温度が変動する熱源から集熱
して蓄熱するシステムに用いた場合に,熱源側の温度が
負荷側の温度よりも高いときは,熱源のエネルギーの一
部を直接負荷側に伝えることができると共に,残部を蓄
熱でき,また,熱源側の温度が負荷側の温度よりも低い
ときは,蓄熱材から負荷側に熱輸送を行うことができる
新規な熱ダイオード型ヒートパイプを提供することであ
る。
前記の諸目的を達成する本発明のヒートパイプは,それ
自身でサーモサイフォン機能を有する第一部材の作動流
体凝縮部をそれ自身でサーモサイフォン機能を有する第
二部材の作動流体蒸発部に直接連結してなる。すなわ
ち,ウイックをもつ作動流体蒸発部とウイック無しの作
動流体凝縮部との間にウイック無しの胴部をもつそれ自
身でサーモサイフォン機能を有する第一部材と,ウイッ
クをもつ作動流体蒸発部とウイック無しの作動流体凝縮
部との間にウイック無しの胴部をもつそれ自身でサーモ
サイフォン機能を有する第二部材とを,第一部材の作動
流体凝縮部と第二部材の作動流体蒸発部が接するように
連結してなり,第一部材の蒸発部を最下部にして作動さ
せるようにした縦型のヒートパイプを提供する。
添付図面を参照するに,本発明のヒートパイプは,第1
図に示すようなそれ自身でサーモサイフォン機能を有す
る第一部材A(以下サイフォンAと呼ぶことがある)と
第2図に示すようなそれ自身でサーモサイフォン機能を
有する第二部材(以下サイフォンBと呼ぶことがある)
とを直接連結してなる。サイフォンAは,たとえば,図
示した形の一端を閉じた金属パイプ(たとえば,銅パイ
プ)1内を真空にした後,作動流体2として例えば,水
やメタノールを封入し,そして他端を閉じることによっ
て製造される。かような構造のサーモサイフォンは,蒸
発潜熱が大きい作動流体の蒸気流が熱輸送を受持ち,か
つサイフォン内部3では気液平衡が成立しているため,
小さな温度差で大きな熱輸送を行うことができる。サイ
フォンAは,機能上,三つの部分,すなわち作動流体蒸
発部4a(以下蒸発部または吸熱部と呼ぶことがある)
と,ウイック無しの作動流体凝縮部5a(以下凝縮部また
は放熱部と呼ぶことがある)と,そしてウイック無し胴
部の断熱部6a(断熱部という用語は必ずしも適切でない
が外部系との熱交換がない方が好ましいとの意味でこの
語を用いた)とからなる。蒸発部4aの内壁にはウイック
7を設け,蒸発部4aの全内壁から作動流体が蒸発しうる
ようにするのが好ましい。かような構造のサイフォンA
は,それ自身でサーモサイフォン機能を有する。すなわ
ち,蒸発部4aを最下部にしてそこを加熱すると,蒸発部
4a内の作動流体は蒸発して熱を上方に運び,凝縮部5aで
放熱するとともにそれ自身は凝縮し,そしてサイフォン
Aの内壁を伝って蒸発部4aへ流下する。すなわち,サイ
フォンAは,熱を下方から上方へ伝える機能を有する。
だが,蒸発部4aを最下部にして凝縮部5aを加熱しても,
凝縮部5aはすぐにドライアウトしてしまうため,上方か
ら下方への伝熱は,サイフォン壁を伝う熱伝導だけであ
って,効率的な作動流体蒸気による熱輸送は,期待でき
ない。すなわち,サイフォンAは,熱を上方から下方へ
伝える機能を殆ど有していない。かようなそれ自身でサ
ーモサイフォン機能を有するサイフォンAの構造および
作用は,その凝縮部5の特異な形状を別とすれば,よく
知られている。サイフォンBについても同様である。す
なわち,サイフォンBも,作動流体蒸発部4bと,ウイッ
ク無しの作動流体凝縮部5bと,そしてウイック無し胴部
の断熱部6bとからなり,蒸発部4bの内壁にはウイック7
を設けて蒸発部4bの全内壁から作動流体が蒸発しうるよ
うにするのが好ましく,かつ蒸発部4bを最下部にして使
用する場合,作動流体蒸気による熱輸送は下方から上方
へ向かってのみである。ただ,サイフォンBは,その蒸
発部4bが図示したような特異な形状を有しているだけで
ある。
サイフォンAの凝縮部5aおよびサイフォンBの蒸発部4b
の形状を図示したような特異なものとしたのは,本発明
にしたがい,両者間の熱伝達の効率をよくして直接連結
しやすいようにしたことと,図示した形が製作しやすい
こととによる。これらの要件が充足される限り,サイフ
ォンAの凝縮部5aおよびサイフォンBの蒸発部4bの具体
的な形状は,本発明の要旨外である。本発明のヒートパ
イプは,前記のようなサイフォンAの凝縮部5aとサイフ
ォンBの蒸発部4aとを直接連結してなる。直接連結の態
様は,図示しないが,両部材の物理的嵌合または螺合で
あることができる。別法としては,第3図に示す如く,
サイフォンAの凝縮部5aの壁の少なくとも一部がサイフ
ォンBの蒸発部4bの壁の一部を構成するようにヒートパ
イプを一体構造のものとして製作することもできる。
第3図に図示した本発明のヒートパイプは,両端を閉じ
た外径2.5mm,長さ500mmの銅管8の中央に山高帽子状の
銅製部材9を銅管8と一体的に設けて,銅管8を上下二
室に区分するとともに,銅管8の中央部を二重管構造に
した形状寸法のものである。二重管の内管の径は12mm,
長さは100mmである。山高帽子状の部材9およびそれよ
り下方の銅管8の部分がサイフォンAを構成し,そして
山高帽子状の部材9およびそれより上方の銅管8の部分
がサイフォンBを構成するように,部材9によって区分
される銅管8内の上下二室には作動流体2としてメタノ
ールが封入されているとともに真空減圧されている。本
例では,サイフォンAの凝縮部壁として作用する部材9
が,そのままサイフォンBの蒸発部壁の一部を構成す
る。これはサイフォンAからサイフォンBへの熱の授受
が同一面で行われることを意味する。図示したサイフォ
ンAおよびBとも蒸発部内壁にウイックとしてブロンズ
製のメッシュスクリーン10がスプリング11によって固定
されており,蒸発部のすべての内壁面で作動流体が蒸発
できるようになっている。
本発明のヒートパイプは,外部との熱の出入箇所を三箇
所有する。それらの箇所は,第3図の例では,パートI
(サイフォンAの蒸発部の外壁)と,パートII(サイフ
ォンBの蒸発部の外壁)とそしてパートIII(サイフォ
ンBの凝縮部の外壁)とである。この例では,各パート
の長さを100mmとし,各パート間には,100mm長の断熱部
を設けた。このヒートパイプのパートIを最下部にして
パートIIのまわりを蓄熱物質で覆い,太陽熱や工場排水
などで温められた熱媒体をパートIのまわりに流すと,
熱の一部は直接パートIIIから取り出され,残部はパー
トIIのまわりの蓄熱物質に蓄えられる。一方,蓄えられ
た熱を利用したい場合はこれをパートIIIから取り出す
ことができる。また太陽熱や工場排水などの温度変動が
大きい場合には,時として蓄熱槽の温度よりも低い温度
の熱媒体がパートIのまわりを流れることがあるが,こ
のヒートパイプは上から下に熱を伝えない(より正確に
は作動流体蒸気による上から下への熱輸送がない)の
で,望ましくない熱の逆流は殆どない。
I.本発明ヒートパイプの熱ダイオード特性 前記のように,本発明のヒートパイプは,熱ダイオード
特性を有し,サイフォンAの蒸発部を最下部として使用
した場合,熱を下から上へのみ伝え,上から下への望ま
しくない熱の逆流は殆どないのであるが,実用にあたっ
ては,ヒートパイプ管壁の熱伝導による熱の逆流を無視
できない。それ故,本発明のヒートパイプが如何程の熱
ダイオード特性を有するか,また,その熱ダイオード特
性が最もよくなるのはどのような条件下であるかを検討
する必要がある。この目的のために,次のような実験を
行った。
すなわち,サイフォンAおよびBの蒸発部にウイックと
して,150メッシュのブロンズ製スクリーン一層を設け,
そして,封入した作動流体の量(蒸発部容積に基づく容
量%)をいろいろ変えた以外は,第3図に示す形状寸法
のヒートパイプを多数作成し,これらヒートパイプのサ
イフォンAおよびBの熱輸送量を測定することにより,
作動流体封入量の最適条件を決定した。さらに,最適作
動流体封入量下におけるヒートパイプの傾斜角が熱ダイ
オード特性におよぼす影響を検討した。
各サイフォンの熱ダイオード特性は,次式で定義される
熱ダイオード効率ηによって評価した。
η=(Qn−Qr)/Qn×100(%) 式中,QnおよびQrは,順モードおよび逆モードでの熱輸
送量をそれぞれ表す。なお,サイフォンAおよびBにつ
き,下部高温,上部低温で,下から上へ熱を伝える熱輸
送モードを順モードと,上部高温,下部低温で,上から
下へ熱を伝える熱輸送モードを逆モードと呼ぶ。
(1).実験装置および操作 実験に用いた熱交換器の構造を要部の寸法とともに第4
図に示す。この熱交換器は,供試ヒートパイプのパート
I,パートIIおよびパートIIIのまわりを内径32mmのセル
I,セルIIおよびセルIIIでそれぞれ覆った簡単な構造の
ものである。セルI,セルIIおよびセルIIIは,銅管で,
長さはそれぞれ120,100および120mmであり,各セルのフ
ランジには外径100mmの真鍮板を用いた。ヒートパイプ
と各フランジとの間は,O−リング(図示しない)でシー
ルした。各セルの出入り口およびヒートパイプ外壁の図
示した位置には熱電対TCを取り付け,温度測定に供し
た。熱交換器の周囲には150mm以上の厚さにガラスウー
ルを巻き付け,各セルおよびヒートパイプから外気への
熱の漏れを防いだ。各セルに所定温度の恒温水をオーバ
ーヘッドタンクより所定の流量で流し,その流量と各セ
ルの出入り口温度とを測定した。測定結果から次式 Q=Cp mΔT により熱輸送量Qを算出した。式中,Cp,mおよびΔT
は,恒温水の定圧比熱,質量流量および温度差を夫々表
す。順モードおよび逆モードでの熱輸送量QnおよびQrを
このようにして求め,そしてそれらの値から熱ダイオー
ド効率ηを算出した。
(2).作動流体封入量の熱ダイオード特性におよぼす
影響 サイフォンAの作動流体封入量を変えた場合における熱
輸送量変化の様子を第5図に示す。図中○印,□印およ
び△印は,順モードの場合におけるパートI,パートIIお
よびパートIIIでの熱輸送量をそれぞれ表し,そして■
印は,逆モードの場合におけるパートIでの熱輸送量を
表す。なお,サイフォンBの作動流体封入量は,すべて
のヒートパイプで10%とした。また,セルI,セルIIおよ
びセルIIIに流す恒温水の温度は,順モードではそれぞ
れ60,20および20℃,逆モードではそれぞれ20,60および
60℃とし,流量は33g/s(流速0.1m/s,Re=730at60℃,15
70at20℃)に一定にし,そして,ヒートパイプは垂直に
設置した。
第5図によれば,順モードでの熱輸送量をピークにする
作動流体封入量であることがわかる。これは,作動流体
封入量が過少であれば蒸発部でドライアウトが生じ,過
大であれば蒸発の際の熱抵抗が大きくなるためであると
思われる。また,第5図によれば,どのヒートパイプ
も,パートIから吸収した熱を,パートIIでは約60%,
そしてパートIIIでは約40%の割合で放出していること
がわかる。
第6図にサイフォンAの熱ダイオード効率を示す。同図
によれば,サイフォンAの熱ダイオード効率ηは,サイ
フォンAの作動流体封入量が約10%以上の場合,約80〜
90%であることがわかる。
サイフォンBの作動流体封入量を変えた場合における熱
輸送量変化の様子を第7図に示す。図中,○印,□印お
よび△印は,順モードの場合におけるパートI,パートII
およびパートIIIでの熱輸送量をそれぞれ表し,そして
■印は,逆モードの場合におけるパートIIIでの熱輸送
量を表す。なお,サイフォンAの作動流体封入量は,す
べてのヒートパイプで40%とした。また,セルI,セルII
およびセルIIIに流す恒温水の温度は,順モードではそ
れぞれ60,60および20℃,逆モードではそれぞれ20,20お
よび60℃とし,流量は33g/s,流速0.1m/s,Re=730at60
℃,1570at20℃)を一定にし,そしてヒートパイプは垂
直に設置した。
第7図によれば,サイフォンBの作動流体封入量が約20
%の場合,順モードにおけるパートIIIでの熱輸送量が
最大になることがわかる。また,どのヒートパイプも,
パートIから約20%,パートIIから約80%の割合で熱を
吸収し,パートIIIから放出していることがわかる。こ
れは,パートIからは,熱がサイフォンAおよびBの両
者を通って伝わるのに対し,パートIIからは,熱がサイ
フォンBのみを通って伝わり,後者の方が熱抵抗が小さ
いためであると考えられる。
第8図にサイフォンBの熱ダイオード効率を示す。同図
によれば,サイフォンBの熱ダイオード効率ηは,サイ
フォンBの作動流体封入量が約10%以上の場合,約90〜
95%であり,サイフォンBは,サイフォンAよりさらに
良好な熱ダイオード特性を有していることがわかる。
(3).ヒートパイプ傾斜角の熱ダイオード特性におよ
ぼす影響 前記の実験に供したヒートパイプのうち,サイフォンA
への作動流体封入量を40%そしてサイフォンBへの作動
流体封入量を20%としたものを用いて,ヒートパイプ傾
斜角がサイフォンAおよびBの熱ダイオード特性におよ
ぼす影響を調べた。
ヒートパイプの傾斜角を90゜から−5゜にいろいろ変え
た場合におけるサイフォンAの熱輸送量変化の様子を第
9図および第10図に示す。傾斜角は,水平面からの角度
で表し,垂直を90゜,水平を0゜とした。第9図は,セ
ルI,IIおよびIIIに流した恒温水の温度をそれぞれ60,20
および20゜とした順モードの場合であり,そして第10図
は,セルI,IIおよびIIIに流した恒温水の温度をそれぞ
れ20,60および60゜とした逆モードの場合である。恒温
水の流量は,各セルとも33g/s(流速0.1m/s、Re=730at
60℃,1570at20℃)に一定した。第9図および第10図
中,○印,□印および△印は,パートI,パートIIおよび
パートIIIでの熱輸送量をそれぞれ表す。
第9図によれば,順モードにおけるパートIでの熱輸送
量は,ヒートパイプの傾斜角が90゜から減少するにつれ
てやや増加し,60゜で最大になり,以後漸減し,そして
5゜以下で急激に減少することがわかる。これは,傾斜
角が90゜から減少するにつれ,先ず作動流体がサイフォ
ンAの壁面を流下しやすくなり,次いで作動流体の蒸発
量がウイックによって蒸発部の内壁面に供給される作動
流体量も大きくなり,そしてついにはウイックに作動流
体が供給されなくなって,伝熱はヒートパイプ管壁の熱
伝導によるもののみになるためであると考えられる。
第10図によれば,逆モードの熱輸送量は,ヒートパイプ
の傾斜角が約10゜よりも小さくなると,急激に増加する
ことがわかるが,これは,高温であるパートIIおよびパ
ートIIIが低位置になって,そこに作動流体が供給さ
れ,ヒートパイプが作動するためであると思われる。
ヒートパイプの傾斜角をいろいろ変えた場合におけるサ
イフォンBの熱輸送量変化の様子を第11図および第12図
に示す。第11図は,セルI,IIおよびIIIに流した恒温水
の温度をそれぞれ60,60および20゜とした順モードの場
合であり,そして第12図は,セルI,IIおよびIIIに流し
た恒温水の温度をそれぞ20,20および60゜とした逆モー
ドの場合である。恒温水の流量は,前記の通りに一定に
した。第11図および第12図中,○印,□印および△印
は,パートI,パートIIおよびパートIIIでの熱輸送量を
それぞれ表す。
第11図によれば,順モードの熱輸送量は,傾斜角が約5
゜以上である限り,殆ど変化がなく,ピークは存在しな
いことがわかる。
サイフォンAおよびBの熱ダイオード効率ηとヒートパ
イプの傾斜角との関係を第13図に示す。図中,○印およ
び□印は,それぞれサイフォンAおよびサイフォンBの
熱ダイオード効率を表す。サイフォンAは,傾斜角が10
゜以上で,熱ダイオード効率が約90%であり,一方,サ
イフォンBは,傾斜角が5゜以上で,熱ダイオード効率
が約95%であり,共に広い傾斜角範囲で良好な熱ダイオ
ード特性を示すことがわかる。
(4).熱ダイオード特性に影響をおよぼすその他のパ
ラメーター ウイックとしてブロンズ製の150メッシュスクリーンを
二層またはステンレス鋼製の270メッシュスクリーンを
二層用いたヒートパイプを使用した以外は,前記(2)
の実験を反復した。前記(2)の実験で用いたウイッ
ク,すなわち,ブロンズ製の150メッシュスクリーン一
層を用いたヒートパイプが最良の結果を表したが,試験
をした範囲のウイックでは,ヒートパイプの熱ダイオー
ド特性に顕著な差異は認められなかった。
既述の実験では,ヒートパイプの作動温度差が40゜であ
ったが,これを40゜以内でいろいろに変えて実験を反復
した。試験をした範囲では,作動温度差による熱ダイオ
ード特性の変化は認められなかった。
II.本発明ヒートパイプの熱ポンピング特性 前記I(3)の実験で用いたヒートパイプおよび熱交換
器を用いて,熱交換器のセルI,IIおよびIIIに,温度を
それぞれ60,40および20℃に制御した恒温水を種々の組
合せで流し,各セルの出入り口温度および恒温水流量を
測定して各パートにおける熱輸送量を求めた。結果を第
14図a〜fに示す。
第14図aは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ60,40および20℃
であった場合である。この場合サイフォンAおよびBは
共に順モードにあり,ヒートパイプはパートIから約60
%,パートIIから約40%の割合で吸熱し,パートIIIか
ら放熱していることがわかる。
第14図bは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ60,20および40℃
であった場合である。この場合順モードのサイフォンA
は,老巧な熱伝達を行っていることがわかる。逆モード
のサイフォンBではわずかな熱もれが観測された。
第14図cは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ40,60および20℃
であった場合である。この場合順モードのサイフォンB
は熱をよく伝えるが,逆モードのサイフォンAは殆ど熱
を伝えないことがわかる。
第14図dは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ40,20および60℃
であった場合である。この場合,サイフォンAおよびB
の熱ダイオード特性が有効に機能し,パートIIは,温度
差の大きいパートIIIからよりも温度差の小さいパート
Iから実質的に多量の熱を吸収していることがわかる。
第14図eは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ20,60および40℃
であった場合である。この場合も熱ダイオード特性がよ
く機能し,ヒートパイプは,パートIIから吸収した熱を
温度差の小さなパートIIIの方へ殆ど伝えていることが
わかる。
第14図fは,ヒートパイプのパートI,IIおよびIIIのま
わりに流した恒温水の温度がそれぞれ20,40および60℃
であった場合である。この場合サイフォンAおよびBは
共に逆モードにあり,僅かな熱漏れが観測された。
III.本発明ヒートパイプの熱入出力反転特性 熱交換器のセルIおよびIIIに流した恒温水の温度をそ
れぞれ60℃および20℃と一定にし,そしてパートIIへ流
した恒温水の温度を20℃〜60℃の範囲内でいろいろ変え
た以外は前記IIの操作を反復し,ヒートパイプの各パー
トの熱輸送量の変化を測定した。結果を第15図に示す。
図中,○印,□印および△印は,パートI,IIおよびIII
の熱輸送量をそれぞれ表し,そしてヒートパイプから放
出される熱量を正として表示した。
第15図によれば,熱輸送量とパートIIの温度とは一次の
関係にあること,そしてパートIIの温度を20℃から上げ
てゆくにつれ,パートIIでの熱輸送は放熱から吸熱に変
わり,パートIIでの熱入出力が反転するときの温度は約
30℃であることがわかる。
本発明のヒートパイプは,前記のような諸特性を利用し
て,熱工学のいろいろな分野に広く適用できる。たとえ
ば,既述のように,本発明のヒートパイプは,その熱ダ
イオード特性および熱ポンピング特性を活用して,温度
が変動する熱源からの蓄熱システムに有利に組み込むこ
とができる。また,本発明のヒートパイプは,その熱入
出力反転特性を利用するなら,たとえば,急激に温度が
変動する流体をある一定の目標温度に制御するシステム
にも適用できる。このためには,本発明のヒートパイプ
のパートIIの熱入出力反転温度が目標温度に等しくなる
ように,パートIおよびIIIの温度を設定し,パートII
を当該流体と熱交換させればよい。これは,(パートI
およびIIIの)温度による(パートIIの)温度制御であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明ヒートパイプの一例の第一部材(サイ
フォンA)の縦断面図, 第2図は,第1図のヒートパイプの第二部材(サイフォ
ンB)9の縦断面図, 第3図は,本発明ヒートパイプの他の一例の縦断面図, 第4図は,実験に用いた熱交換器を示す縦断面図, 第5図は,本発明ヒートパイプのサイフォンAの熱輸送
量と作動流体封入量との関係を示すグラフ, 第6図は,本発明ヒートパイプのサイフォンAの熱ダイ
オード効率と作動流体封入量との関係を示すグラフ, 第7図は,本発明ヒートパイプのサイフォンBの熱輸送
量と作動流体封入量との関係を示すグラフ, 第8図は,本発明ヒートパイプのサイフォンBの熱ダイ
オード効率と作動流体封入量との関係を示すグラフ, 第9図は,本発明ヒートパイプのサイフォンAの順モー
ドでの熱輸送量とヒートパイプの傾斜角との関係を示す
グラフ, 第10図は,本発明ヒートパイプのサイフォンAの逆モー
ドでの熱輸送量とヒートパイプの傾斜角との関係を示す
グラフ, 第11図は,本発明ヒートパイプのサイフォンBの順モー
ドでの熱輸送量とヒートパイプの傾斜角との関係を示す
グラフ, 第12図は,本発明ヒートパイプのサイフォンBの逆モー
ドでの熱輸送量とヒートパイプの傾斜角との関係を示す
グラフ, 第13図は,本発明ヒートパイプのサイフォンAおよびB
の熱ダイオード効率とヒートパイプの傾斜角との関係を
示すグラフ, 第14図は,本発明ヒートパイプのパートI,IIおよびIII
のまわりに,温度が60,40および20℃の恒温水を種々の
組合せで流した場合における,各パートでの熱の出入を
示す図,そして 第15図は,本発明ヒートパイプのパートIおよびIIIの
まわりには温度が60および20℃の恒温水をそれぞれ流
し,そしてパートIIのまわりに流す恒温水の温度を変え
た場合における,各パートでの熱の出入とパートIIの温
度との関係を示すグラフである。 A……サイフォンA B……サイフォンB 1……パイプ 2……作動流体 3……サイフォン内の空間 4a……サイフォンAの蒸発部 4b……サイフォンBの蒸発部 5a……サイフォンAの凝縮部 5b……サイフォンBの凝縮部 6a……サイフォンAの断熱部 6b……サイフォンBの断熱部 7……ウイック 8……銅管 9……山高帽子状銅製部材 10……ブロンズ製メッシュスクリーン 11……スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−72263(JP,U) 実開 昭57−77677(JP,U) 「ヒートパイプとその応用」オーム社発 行、昭和55年2月20日 第2〜3頁〔2〕 熱サイフォン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウイックをもつ作動流体蒸発部とウイック
    無しの作動流体凝縮部との間にウイック無しの胴部をも
    つそれ自身でサーモサイフォン機能を有する第一部材
    と,ウイックをもつ作動流体蒸発部とウイック無しの作
    動流体凝縮部との間にウイック無しの胴部をもつそれ自
    身でサーモサイフォン機能を有する第二部材とを,第一
    部材の作動流体凝縮部と第二部材の作動流体蒸発部が接
    するように連結してなり,第一部材の蒸発部を最下部に
    して作動させるようにした縦型のヒートパイプ。
  2. 【請求項2】第一部材の作動流体凝縮部の壁と第二部材
    の作動流体蒸発部の壁とを螺合によって連結してなる特
    許請求の範囲第1項記載のヒートパイプ。
  3. 【請求項3】第一部材の作動流体凝縮部の壁の少なくと
    も一部が第二部材の作動流体蒸発部の壁の一部を構成す
    るように一体構造とした特許請求の範囲第1項記載のヒ
    ートパイプ。
JP60089633A 1985-04-25 1985-04-25 ヒートパイプ Expired - Lifetime JPH0674956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60089633A JPH0674956B2 (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ヒートパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60089633A JPH0674956B2 (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ヒートパイプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61250491A JPS61250491A (ja) 1986-11-07
JPH0674956B2 true JPH0674956B2 (ja) 1994-09-21

Family

ID=13976167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60089633A Expired - Lifetime JPH0674956B2 (ja) 1985-04-25 1985-04-25 ヒートパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0674956B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6657121B2 (en) 2001-06-27 2003-12-02 Thermal Corp. Thermal management system and method for electronics system
US6675887B2 (en) * 2002-03-26 2004-01-13 Thermal Corp. Multiple temperature sensitive devices using two heat pipes
US6710442B1 (en) 2002-08-27 2004-03-23 Micron Technology, Inc. Microelectronic devices with improved heat dissipation and methods for cooling microelectronic devices

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5172263U (ja) * 1974-12-03 1976-06-07
JPS5777677U (ja) * 1980-10-25 1982-05-13

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「ヒートパイプとその応用」オーム社発行、昭和55年2月20日第2〜3頁〔2〕熱サイフォン

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61250491A (ja) 1986-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6351951B1 (en) Thermoelectric cooling device using heat pipe for conducting and radiating
US4237866A (en) Solar heater
US4258780A (en) Dual cycle heat pipe-method and apparatus
US4382466A (en) Thermosiphon
JPH10503580A (ja) 温熱源、冷熱源間エネルギー移動システム
GB2099980A (en) Heat transfer panels
CN110906428B (zh) 相变储热式太阳能热管加热器
WO2008131507A2 (en) Air conditioning apparatus made of heat pipes
US4224925A (en) Heating system
GB2083901A (en) Solar powered refrigeration apparatus
JPH0674956B2 (ja) ヒートパイプ
US20060054308A1 (en) Multiple fluid heat pipe
JPS5835361A (ja) 給湯装置
CN211650792U (zh) 便携式小型太阳能热管加热器
US5667003A (en) Heat pipe device
AU2006203413B2 (en) A heat sink and a heat exchanger
CN107702188A (zh) 一种有蓄热能力的热管装置
KR100296699B1 (ko) 두 헤더를 가진 히트파이프를 이용한 지중열원냉난방열펌프시스템
JPS61250492A (ja) 熱交換器
JPS63247595A (ja) サ−モサイフオン
JP3830439B2 (ja) 太陽熱集熱管およびそれを用いた温水装置
CN113008059B (zh) 可用于电子产品的网络式铝基板多热沉板式散热器
JP2005337336A (ja) 液化ガス気化装置
JPS644044Y2 (ja)
JPS59208351A (ja) 太陽熱利用加熱装置