JPH0674876A - 設備診断方法及び装置 - Google Patents

設備診断方法及び装置

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JPH0674876A
JPH0674876A JP4229756A JP22975692A JPH0674876A JP H0674876 A JPH0674876 A JP H0674876A JP 4229756 A JP4229756 A JP 4229756A JP 22975692 A JP22975692 A JP 22975692A JP H0674876 A JPH0674876 A JP H0674876A
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JP
Japan
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cause
neural network
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causes
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JP4229756A
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Sakae Tezuka
栄 手塚
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】対象設備の状態をオンラインで診断する設備診
断方法において、複数の原因の候補が考えられる場合で
も真の原因を究明し、演算を効率的に実行し、高い信頼
性で診断する。 【構成】観測情報をニューラルネットワークに入力し、
ニューラルネットワークを使って原因の候補を求め、ニ
ューロンの重みを使って、確率の高い原因の候補を絞り
込む。さらに、ニューラルネットワークを使って、原因
の候補によって引き起こされる影響を求め、ニューロン
の重みを使って原因の候補によって引き起こされる影響
の中から重大な影響を及ぼす原因を求め、実際の設備で
影響の有無とその程度を確認し、真の原因を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、設備の状態を監視し、
異常を検出してその原因を正しくかつ効率的に究明する
とともに、運転者に表示する故障診断方法及びその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、設備が大型かつ複雑になって、異
常が発生してもその原因を究明することが困難になって
きた。その結果、長時間にわたって高価な設備が停止し
たり、深刻な影響が発生したりすることもある。これに
対し従来から各種の設備診断の方法や装置が公表されて
いる。例えば、特開平3−137518号公報には、フ
ォールトツリーと、その選択肢の状態が起きる確率を演
算する演算更新手段とを備えた故障診断装置が示されて
いる。また、特開平3−288230号公報には、故障
にそれぞれ対応した関連情報を、予めツリー構造に定義
して格納しておき、故障に対応する関連情報及びこの関
連情報から逆推論することによって得られる故障予報を
同時に提供する故障診断エキスパートシステムが示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−13751
8号公報に記載されている技術では、故障原因に関する
複数の選択肢の生起確率を考慮するだけで、影響度合い
を考慮していないために、推論の効率が低い。また特開
平3−288230号公報に開示されている技術では、
対象設備からの入力情報に対応した推論により得られた
故障情報とその故障情報に対応する関連情報を得、さら
にこの関連情報から故障予報を得るだけであって、その
故障予報はなんら定量化されていないために、推論の効
率を上げることには役立たない。さらにこの関連情報か
ら故障予報を得るツリーは予め定義され、記憶装置に格
納されたままであって、実績情報を反映して学習するよ
うになっていないので、精度や信頼度を高めることがで
きない。
【0004】このように従来の診断方法では推論の効率
が低く、また精度や信頼度も低いので、これらの問題に
対する改善が必要であった。本発明は、以上の従来技術
の欠点を改善した、設備診断方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題解決のための手段】本発明は前記問題点を解決す
るために、対象設備の状態をオンラインで診断する設備
診断方法において、次の技術手段を講じたことを特徴と
する。 (A)対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観
測情報をその対象設備の状態とその状態を引き起こす原
因との因果関係を表すニューラルネットワークに入力
し、そのニューラルネットワークの該当するパスを辿っ
て、その状態を引き起こす原因の候補を求める。
【0006】(B)その状態を引き起こす原因の候補が
及ぼす状態をそのニューラルネットワークの該当するパ
スを逆方向に辿ることによって求める。 (C)そのニューラルネットワークで求められた状態を
確認することによって真の原因を究明する。上記方法に
おいて、 (D)対象設備の1つ又は複数の状態とその状態を引き
起こす1つ又は複数の原因との因果関係を表すニューラ
ルネットワークを用い、その因果関係が発生する確率の
重みを付し、演算を効率的に実行することが好ましく、
また、 (E)対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との
因果関係を表すニューラルネットワークに、対象設備の
1つ又は複数の状態が操業に及ぼす影響の度合いをそれ
ぞれ重みとして付与し、演算を効率的に実行することと
すれば好適である。さらに、 (F)対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との
因果関係を表すニューラルネットワークを用いてその状
態を引き起こす原因の候補を求める際に、その因果関係
が発生する確率の大きい順に推論を進めること、及び、
その状態を引き起こす原因の候補が及ぼす状態をそのニ
ューラルネットワークの該当するパスを逆方向に辿るこ
とによって求める際に、対象設備の状態が操業に及ぼす
影響の度合いの大きい順に逆推論を進め、演算を効率的
に実行する。
【0007】そして、信頼性をさらに高めるために、次
の(G)(H)の工程を付加することが最適である。 (G)その状態が発生する都度に、真の因果関係と真の
影響度合いとを入力する。 (H)対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との
因果関係を表すニューラルネットワークを用いてその状
態を引き起こす原因の候補を求める際に、重みとして付
与する、因果関係の発生確率と、その状態を引き起こす
原因の候補が及ぼす状態を、そのニューラルネットワー
クの該当するパスを逆方向に辿って求める際に重みとし
て付与する、対象設備の状態が操業に及ぼす影響の度合
いとを学習させる。
【0008】次に、上記本発明方法を実施する装置とし
て、対象設備の状態をオンラインで診断するとともに、
その診断結果を表示する本発明の設備診断装置は次の技
術手段を構成とする。 (i)対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観
測情報と、学習装置からの学習情報とを、その対象設備
の状態とその状態を引き起こす原因との因果関係を表す
ニューラルネットワークに入力する入力装置 (ii)その対象設備の状態とその状態を引き起こす原因
との因果関係を表すニューラルネットワーク (iii)その対象設備の状態とその状態を引き起こす原因
との因果関係の発生確率及びその状態を引き起こす原因
の候補が及ぼすニューラルネットワークの構造とニュー
ロンの重みとを記憶する記憶装置 (iv)上記の記憶装置に記憶されている因果関係の発生
確率と原因の候補が及ぼす影響の度合いとをニューロン
の重みとして、そのニューラルネットワークの該当する
パスを順方向と逆方向に辿るように制御する制御装置 (v )そのニューラルネットワークで求められた状態か
ら真の原因を推定する推定装置 (vi)対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観
測情報と推定の結果とを入力することによってニューラ
ルネットワークの構成とニューロンの重みを学習する学
習装置 (vii)推論の経過とその結果を表示する表示装置。
【0009】
【作用】本発明によれば、まず第1に、予め過去の実績
データ等を入力し、記憶することによりニューラルネッ
トワークを構成しておき、このニューラルネットワーク
を用いて求めた状態を実際の設備の状態を比較して、確
認するようにしたことによって真の原因を究明できるよ
うになる。すなわち、観測された1つ又は複数の情報
が、対象設備の状態のごく一部しか表していない場合で
も、その観測された1つ又は複数の状態の情報から、そ
の状態を引き起こしたと思われる1つ又は複数の原因の
候補を把握することができる。
【0010】また、それぞれの設備の状態とその状態を
引き起こすと思われる原因の候補との因果関係を表すニ
ューロンの重みを、それぞれの因果関係の生起確率で表
すとともに、その重みの大きい順にニューラルネットワ
ークを辿るようにしていることにより、1つ又は複数の
設備の状態から、それを引き起こしている1つ又は複数
の真の原因を、効率的に求めることができる。
【0011】さらに、観測された1つ又は複数の状態を
引き起こす1つ又は複数の原因の候補が引き起こすと思
われる1つ又は複数の状態を、そのニューラルネットワ
ークの該当するパスを逆方向に辿ることによって求める
とともに、そのニューラルネットワークの該当するパス
を逆方向に辿る時の重みとして、それぞれの設備の状態
が操業に及ぼす影響の度合いに対応した値を取り、その
重みの大きい順に逆推論を進めることにより、操業に対
し大きな影響を及ぼす原因から順に表示され、効率的に
真の原因を得ることができる。
【0012】さらに、その状態が発生する都度に、上記
の順方向の推論(原因究明)と逆推論(他の影響推定)
を実行して、得られた真の原因と真の影響度合いを用い
てニューラルネットワークのニューロンの重みを学習す
るようにしていることにより、ニューラルネットワーク
は常に新しい情報によって更新され、高い精度と高い信
頼性で設備の診断をすることができる。
【0013】以上を図2、図1を用いて説明する。図2
は本発明の全体工程を示すフローチャートである。全体
工程は次の1)〜6)の工程からなっている。 1)ニューラルネットワークを構築する。 2)設備の状態とその状態を引き起こす原因との因果関
係を表すニューロンの重みを設定する。
【0014】3)過去の実績データ等を入力し、ニュー
ラルネットワークとニューロンの重みを記憶する。 4)設備の診断をする。この診断の工程は図1に詳細に
示されるとおりで、次の41)〜47)の工程となって
いる。 41)観測情報をニューラルネットワークに入力する。
【0015】42)ニューラルネットワークを使って原
因の候補を求める。 43)ニューロンの重みを使って、確率の高い原因の候
補を絞り込む。 44)ニューラルネットワークを使って、原因の候補に
よって引き起こされる影響を求める。 45)ニューロンの重みを使って原因の候補によって引
き起こされる影響の中から重大な影響を及ぼす原因を求
める。
【0016】46)実際の設備で影響の有無とその程度
を確認する。 47)真の原因を特定する。 5)観測情報と真の原因をニューラルネットワークに入
力して、ニューラルネットワークとニューロンの重みを
学習する。 6)新しいニューラルネットワークとニューロンの重み
を記憶する。
【0017】次に、ニューラルネットワークの構造につ
いて説明する。一般にニューラルネットワークは、図3
に示すように1つ以上の入力層と1つ以上の出力層及び
1つ以上のユニットより成る1層以上の中間層より成
る。観測された現象に対する原因の候補には、観測され
た現象を引き起こした直接原因(浅い原因)とその直接
原因を引き起こした間接原因(深い原因)がある。図3
には両者が併記されている。すなわち、前半に直接原因
(浅い原因)、後半に間接原因(深い原因)が記されて
いる。
【0018】観測された現象とこれらの原因の候補との
因果関係は、ニューラルネットワークの一部として表さ
れる。ここで各ニューロンの途中に記した数字はこれら
の原因の候補が観測された現象を引き起こす確率を表
し、各ニューロンに重みを付加する。またここでは簡易
的に2層のみを示しているが、実際には各ニューロンの
うちのいくつかはその中に中間層が隠れている場合があ
り、またいくつかはここに示した原因の候補の先に、さ
らにそれの原因が隠れていることもある。
【0019】図4は原因からその影響を推論するニュー
ラルネットワークの構造を示している。各ニューロンの
途中に記した数字はこれらの原因が影響に及ぼす確率を
表している。各ニューロンはこの重みを学習する。
【0020】
【実施例】実施例として、本発明を鉄鋼の熱間圧延用ス
ラブ加熱炉の燃焼制御系の診断に適用した場合について
説明する。観測される設備の状態としては次のような事
例がある。 A.炉内温度が設定値まで上がらない。
【0021】B.バーナから黒煙が出る。 C.燃焼中に炎が消える。 これらの現象が観測された時に考えられる原因の候補と
しては次の項目が考えられる。ここで(a)〜(u)は
間接原因、(ア)〜(ナ)は直接原因を表す。
【0022】(a)制御系に電源を供給する定電圧装置
の異常により、(ア)制御系の電圧が低い。 (b)制御系に操作用空気を供給する空気源装置の異常
により、(イ)操作用の空気圧が低い。 (c)炉の中の加熱負荷が急増し、(ウ)燃料流量はフ
ルスケールまで流れていても温度が上がらない。
【0023】(d)燃料供給系の異常により、(エ)燃
料の元圧が低い。 (e)炉内温度コントローラの異常により、(オ)燃料
流量を増やす方向の操作出力が小さい。 (f)操作出力用の配線の絶縁抵抗が低下して、(カ)
燃料流量を増やす方向の操作出力が小さい。
【0024】(g)燃料流量制御弁の動作不良により、
(キ)燃料が必要な量流れない。 (h)炉内温度検出端(熱電対)の挿入深さ不足のた
め、(ク)フィードバックされる炉内温度測定値が実際
の炉内温度よりも低い。 (i)温度検出端からのフィードバック信号用変換器の
不良により、(ケ)実際の温度より高い値がフィードバ
ック信号としてコントローラに入力さされる。
【0025】(j)炉内温度測定用の熱電対又は補償導
線の断線にともなうバーンアウトにより、(コ)フィー
ドバック信号が低温側に振り切れる。 (k)炉体の破損により、(サ)炉外からの侵入空気が
多い。 (l)燃焼排ガス中酸素濃度分析計の異常により、
(シ)実際の燃焼排ガス中酸素濃度より高い値がフィー
ドバック信号として燃焼排ガス中酸素濃度コントローラ
に入力される。
【0026】(m)燃焼排ガス中酸素濃度コントローラ
の異常により、(ス)燃焼空気流量を増やす方向の操作
出力が小さい。 (n)燃焼空気の元圧力制御の異常により、(セ)燃焼
空気の元圧が低い。 (o)燃焼空気の温度・圧力補正の異常のため、(ソ)
燃焼空気流量制御弁は全開になっていても燃焼空気が必
要な量流れない。
【0027】(p)燃料の成分の変化により理論空気量
が変化し、(タ)燃焼空気流量制御弁は全開になってい
ても燃焼空気が必要な量流れない。 (q)バーナの旋回羽の変形や焼損により燃料と燃焼空
気の混合が不良になり、(チ)不完全燃焼になってい
る。 (r)各ゾーン内のバーナ間のバランス調整の不良によ
り、(ツ)空気不足のバーナと空気過剰のバーナがあ
る。
【0028】(s)機械的な振動で、(テ)圧力スイッ
チが誤動作する。 (t)圧力スイッチからの信号線が切れたり短絡し、
(ト)信号が切れる。 (u)パイロットバーナ回りの燃料パイプの詰まりによ
り、(ナ)バーナへの燃料供給が不十分になる。 上記の例で、観測された現象を入力層とすると、直接原
因(浅い原因)が中間層、間接原因(深い原因)が出力
層として位置付けられる。
【0029】上記実施例のA〜C、(a)〜(u)、
(ア)〜(ナ)をニューラルネットワークで表現すると
例えば図6のようになる。ここで、直接原因と間接原因
との間の対応については記載を省略している。この中で
上記 A.炉内温度が設定値まで上がらない。
【0030】B.バーナから黒煙が出る。 の現象が同時に観測された場合について説明する。これ
らの中で確率の大きい順に数件を挙げると、図7、図8
に示すような原因の候補が挙げられる。ここで各因果関
係の候補の中からどの項目までを選ぶかの選択は、確率
密度関数及び/又は累積密度関数等に判定基準を設け
て、その値との比較等によって決定すれば良い。
【0031】次に、それぞれの原因の候補によって引き
起こされると思われる現象とその影響度合いを考えると
図9のようである。これらは設備の状態とその原因との
関係を示すニューラルネットワークの一部を成し、影響
度合いはニューロンの重みを表す。図9では各影響の度
合いは定性的に記述してあるが、これらの関係を表現す
るニューラルネットワークの中で、各ニューロンに重み
を付加することによって、ほとんどの項目について原因
の候補と影響との間の関係を定量的に表現することがで
きる。図9における原因の候補と影響との間の関係は、
第1に影響欄に記述した項目が発生しているか否かを定
性的に、第2にその度合いはどの程度かを定量的に把握
することによって、複数の考えられる原因の候補の中か
ら真の原因を究明するのに活用する。
【0032】本実施例では、上記の中で、AとB、E、
J、Kが確認され、詳細に調査したところ、(g)燃料
流量制御弁の弁板の引っ掛かりと、(l)燃焼排ガス中
酸素濃度分析計の排ガス流路の詰まりが発見された。こ
れら2つの真の原因が究明された時点で、これら2つの
真の原因をニューラルネットワークの各ニューロンの重
み係数の学習に使った。すなわち観測された状態A及び
B、E、J、Kと、観測された状態に関係する全ての原
因の候補との関係の発生確率に対し、移動平均法による
学習を加えた。
【0033】次に本発明の方法を実現する診断装置の実
施例を図5を使って説明する。入力装置101は、対象
設備の状態を測定するセンサ111又は観測者112の
観測情報と、学習装置からの学習情報とを、その対象設
備の状態とその状態を引き起こす原因との因果関係を表
すニューラルネットワーク102に入力する。ニューラ
ルネットワーク102は、その対象設備の状態とその状
態を引き起こす原因との因果関係を表すニューラルネッ
トワークである。
【0034】センサで測定された設備の状態の情報や運
転者が観測した設備の状態の情報が入力装置から入力さ
れると、それらの設備の情報には或る現象に関する原因
としての情報と、影響(又は結果)としての情報があ
り、それらの情報を整理することによってそれらの現象
の因果関係が明らかにされ、それらの因果関係はニュー
ラルネットワーク102として表現される。
【0035】記憶装置103は、その対象設備の状態と
その状態を引き起こす原因との因果関係の発生確率及び
その状態を引き起こす原因の候補が及ぼすと思われる影
響、すなわちニューラルネットワーク102の構成とニ
ューロンの重みとを記憶する。一般に一つの現象が観測
された時にその原因として複数の候補が考えられ、それ
ぞれの原因の候補と結果としての現象との間には確率過
程が成り立つ。さらにそれぞれの原因の候補が結果とし
ての現象におよぼす影響の度合いを、定性的又は定量的
に表現することができる。この発生確率や影響度合いは
ニューロンの重みとして取り扱うことができる。これら
の因果関係を表すニューラルネットワーク102の構成
とニューロンの重みは記憶装置103に記憶される。
【0036】制御装置104は上記の記憶装置103に
記憶されている因果関係の発生確率と原因の候補が及ぼ
すと思われる影響の度合いとをニューロンの重みとし
て、そのニューラルネットワーク102の該当するパス
を順方向と逆方向に辿るように制御する。すなわち順方
向には観測された現象からその現象を引き起こす原因の
候補(1つ以上)を、その発生確率とともに求め、次い
で、逆方向にはそれぞれの原因が引き起こすその影響の
度合いとともに求める。
【0037】推定装置105は、上記のニューラルネッ
トワーク2で求められた状態から真の原因を推定する。
すなわち、観測された現象とその現象を引き起こす1つ
以上の原因の候補の中から、発生確率の大きい順に累積
確率密度関数が所定の値になるまで、又は所定の大きさ
の確率密度関数を持つ原因の候補まで選ぶ。学習装置1
06は、対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の
観測情報と推論の結果とを入力することによってニュー
ラルネットワーク102の構成とニューロンの重みとを
学習する。すなわちセンサ又は運転者から入力される生
の観測情報と、推論の結果得られた真の原因とを入力す
ることによって、ニューラルネットワーク102の構成
とニューロンの重みとを学習する。
【0038】表示装置107は、推論の経過とその結果
を表示し、運転者に知らせる。表示の方法としては、監
視盤や操作卓にランプ等で表示しても良いし、CRT表
示装置や液晶表示装置等に文字や記号等を伴って表示し
ても良い。また上記のような視覚的な表示だけでなく、
音声警報装置を組み合わせても良い。表示内容としては
発生確率の大きさや影響の度合いに応じて表示の色や音
声の種類等を変えると運転者にとって識別が容易にな
る。
【0039】本実施例では、簡単のためにニューラルネ
ットワークの中の最も表面に近い現象の部分に着目して
説明したが、実際にはここで原因又は原因の候補として
表現された項目を引き起こす、さらに深い原因にまで究
明していく必要がある場合が多く、その時には、ニュー
ラルネットワークのより深い階層まで解析することとす
ればよい。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、対象設備の状態をオン
ラインで診断する設備診断方法において、複数の原因の
候補が考えられる場合でも真の原因を究明することがで
き、因果関係が発生する確率を重みとして考慮すること
によって、演算を効率的に実行することができるととも
に、学習することによって、高い信頼性で診断すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の診断方法の診断工程の流れ図である。
【図2】本発明の診断方法の診断工程の全体の流れ図で
ある。
【図3】観測された現象・状態から原因の候補を求める
情報の流れである。
【図4】原因の候補からそれらの原因の候補によって引
き起こされる影響を確認する情報の流れである。
【図5】本発明の診断装置の実施例のブロック図であ
る。
【図6】実施例のニューラルネットワークの例である。
【図7】ニューラルネットワークの例示である。
【図8】ニューラルネットワークの例示である。
【図9】原因の候補によって引き起こされる現象とその
影響の度合いを示すニューラルネットワークの図であ
る。
【符号の説明】
101 入力装置 102 ニューラルネットワーク 103 記憶装置 104 制御装置 105 推定装置 106 学習装置 107 表示装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G06G 7/60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象設備の状態をオンラインで診断する
    設備診断方法において、 対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観測情報
    をその対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との
    因果関係を表すニューラルネットワークに入力し、その
    ニューラルネットワークの該当するパスを辿って、その
    状態を引き起こす原因の候補を求め、 その状態を引き起こす原因の候補が及ぼす状態をそのニ
    ューラルネットワークの該当するパスを逆方向に辿るこ
    とによって求め、 そのニューラルネットワークで求められた状態を確認す
    ることによって真の原因を究明することを特徴とする設
    備診断方法。
  2. 【請求項2】 対象設備の1つ又は複数の状態とその状
    態を引き起こす1つ又は複数の原因との因果関係を表す
    ニューラルネットワークを用い、その因果関係が発生す
    る確率の重みを付し、演算を実行することを特徴とする
    請求項1記載の設備診断方法。
  3. 【請求項3】 対象設備の状態とその状態を引き起こす
    原因との因果関係を表すニューラルネットワークに、対
    象設備の1つ又は複数の状態が操業に及ぼす影響の度合
    いをそれぞれ重みとして付与し、演算を実行することを
    特徴とする請求項1記載の設備診断方法。
  4. 【請求項4】 対象設備の状態とその状態を引き起こす
    原因との因果関係を表すニューラルネットワークを用い
    てその状態を引き起こす原因の候補を求める際に、その
    因果関係が発生する確率の大きい順に推論を進め、 その状態を引き起こす原因の候補が及ぼす状態をそのニ
    ューラルネットワークの該当するパスを逆方向に辿るこ
    とによって求める際に、対象設備の状態が操業に及ぼす
    影響の度合いの大きい順に逆推論を進め、演算を実行す
    ることを特徴とする請求項1記載の設備診断方法。
  5. 【請求項5】 その状態が発生する都度に真の因果関係
    と真の影響度合いとを入力し、 対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との因果関
    係を表すニューラルネットワークを用いてその状態を引
    き起こす原因の候補を求める際に、重みとして付与す
    る、因果関係の発生確率と、その状態を引き起こす原因
    の候補が及ぼす状態を、そのニューラルネットワークの
    該当するパスを逆方向に辿って求める際に、重みとして
    付与する、対象設備の状態が操業に及ぼす影響の度合い
    とを、学習し、 信頼性を高めて診断することを特徴とする請求項1記載
    の設備診断方法。
  6. 【請求項6】 対象設備の状態をオンラインで診断する
    とともに、その診断結果を表示する設備診断装置におい
    て、 対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観測情報
    と、学習装置からの学習情報とを、その対象設備の状態
    とその状態を引き起こす原因との因果関係を表すニュー
    ラルネットワークに入力する入力装置と、 その対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との因
    果関係を表すニューラルネットワークと、 その対象設備の状態とその状態を引き起こす原因との因
    果関係の発生確率及びその状態を引き起こす原因の候補
    が及ぼすニューラルネットワークの構造とニューロンの
    重みとを記憶する記憶装置と、 上記の記憶装置に記憶されている因果関係の発生確率と
    原因の候補が及ぼす影響の度合いとをニューロンの重み
    として、そのニューラルネットワークの該当するパスを
    順方向と逆方向に辿るように制御する制御装置と、 そのニューラルネットワークで求められた状態から真の
    原因を推定する推定装置と、 対象設備の状態を測定するセンサ又は運転者の観測情報
    と推定の結果とを入力することによってニューラルネッ
    トワークの構成とニューロンの重みを学習する学習装置
    と、 推論の経過とその結果を表示する表示装置と、を備えた
    ことを特徴とする設備診断装置。
JP4229756A 1992-08-28 1992-08-28 設備診断方法及び装置 Withdrawn JPH0674876A (ja)

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