JP3190185B2 - システムの異常監視装置 - Google Patents
システムの異常監視装置Info
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- JP3190185B2 JP3190185B2 JP23379493A JP23379493A JP3190185B2 JP 3190185 B2 JP3190185 B2 JP 3190185B2 JP 23379493 A JP23379493 A JP 23379493A JP 23379493 A JP23379493 A JP 23379493A JP 3190185 B2 JP3190185 B2 JP 3190185B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、システムの異常監視装
置に係り、とりわけ定性モデルに基づく異常監視装置に
関する。
置に係り、とりわけ定性モデルに基づく異常監視装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】システムの重要因子に対して、その状態
量をしきい値比較などにより正常、異常を判定する異常
監視方法が知られている。このような定量的な異常監視
方法は、実用レベルの観点から考えると有効な方法であ
り、計算機の処理能力の向上に伴い、システムの定量モ
デルの解析が可能になり、モデルベースに基づく異常監
視も行われるようになってきた。
量をしきい値比較などにより正常、異常を判定する異常
監視方法が知られている。このような定量的な異常監視
方法は、実用レベルの観点から考えると有効な方法であ
り、計算機の処理能力の向上に伴い、システムの定量モ
デルの解析が可能になり、モデルベースに基づく異常監
視も行われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような定量モデルによる異常監視には、次のような問題
点がある。すなわち、システム同定が十分でないと正確
な異常検知ができず、高精度化が難しいという問題があ
る。また非線形モデルの定量解析が困難であり、定量的
な処理プロセスが定量モデルに埋もれて、ブラックボッ
クスとなり、異常判定理由の説明が十分出来ないという
問題もある。
ような定量モデルによる異常監視には、次のような問題
点がある。すなわち、システム同定が十分でないと正確
な異常検知ができず、高精度化が難しいという問題があ
る。また非線形モデルの定量解析が困難であり、定量的
な処理プロセスが定量モデルに埋もれて、ブラックボッ
クスとなり、異常判定理由の説明が十分出来ないという
問題もある。
【0004】他方、定量モデルに対して、定性モデルを
用いた場合は高精度が要求されず、非線形モデルの挙動
解析も容易となる。しかしながら定性モデルに基づく定
性推論を行なう場合は、状態爆発(推論状態数が爆発的
に増加する現象)という欠点があり、実用性に乏しいと
いわれている。
用いた場合は高精度が要求されず、非線形モデルの挙動
解析も容易となる。しかしながら定性モデルに基づく定
性推論を行なう場合は、状態爆発(推論状態数が爆発的
に増加する現象)という欠点があり、実用性に乏しいと
いわれている。
【0005】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、定性モデルに基づく定性推論を行なう場
合の状態爆発を抑制することができるシステムの異常監
視装置を提供することを目的とする。
たものであり、定性モデルに基づく定性推論を行なう場
合の状態爆発を抑制することができるシステムの異常監
視装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、状態観測点に
おいてシステムの状態量をサンプリングするサンプリン
グ手段と、サンプリング手段でサンプリングした状態量
を観測定性値に変換する定性化手段と、所定初期値を用
いて推論定性値を複数推論し、推論された複数の推論定
性値と観測定性値を照合するとともに、観測定性値が推
論定性値と一致した場合に正常と判定して推論定性値を
次回推論初期値とし、観測定性値が推論定性値と一致し
ない場合に異常と判定して観測定性値を次回推論の初期
値とする逐次的定性推論手段と、定性化手段で定性化し
た観測定性値がシステムの定性モデルを満足するか否か
判定するモデル判定手段と、モデル判定手段の判定結果
および逐次的定性推論手段の照合結果が入力されて異常
判定を行なう異常判定手段と、を備えたことを特徴とす
るシステムの異常監視装置である。
おいてシステムの状態量をサンプリングするサンプリン
グ手段と、サンプリング手段でサンプリングした状態量
を観測定性値に変換する定性化手段と、所定初期値を用
いて推論定性値を複数推論し、推論された複数の推論定
性値と観測定性値を照合するとともに、観測定性値が推
論定性値と一致した場合に正常と判定して推論定性値を
次回推論初期値とし、観測定性値が推論定性値と一致し
ない場合に異常と判定して観測定性値を次回推論の初期
値とする逐次的定性推論手段と、定性化手段で定性化し
た観測定性値がシステムの定性モデルを満足するか否か
判定するモデル判定手段と、モデル判定手段の判定結果
および逐次的定性推論手段の照合結果が入力されて異常
判定を行なう異常判定手段と、を備えたことを特徴とす
るシステムの異常監視装置である。
【0007】
【作用】システムの状態量がサンプリング手段によりサ
ンプリングされ、この状態量が定性化手段により観測定
性値に定性化される。逐次的定性推論手段において所定
初期値を用いて推論定性値が複数推論され、推論定性値
と観測定性値とが照合される。両者が一致した場合は、
正常と判定され推論定性値が次回の推論の初期値として
用いられ、一致しない場合は、異常と判定され観測定性
値が次回の推論の初期値として用いられる。
ンプリングされ、この状態量が定性化手段により観測定
性値に定性化される。逐次的定性推論手段において所定
初期値を用いて推論定性値が複数推論され、推論定性値
と観測定性値とが照合される。両者が一致した場合は、
正常と判定され推論定性値が次回の推論の初期値として
用いられ、一致しない場合は、異常と判定され観測定性
値が次回の推論の初期値として用いられる。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明によるシステムの異常監視装
置の一実施例を示す機能ブロック図である。図1におい
て、本発明によるシステムの異常監視装置は、定性推論
の量子化時間である瞬間点または時区間をシステムの観
測状態量(a)の時系列データ上で判断し、この瞬間点
または時区間に相当する実時間点を状態観測点としてサ
ンプリングするサンプリング手段1と、サンプリング手
段1でサンプリングされた観測状態量(b)を入力し、
観測状態量(b)を定性値に変換する定性化手段2とを
備えている。
て説明する。図1は本発明によるシステムの異常監視装
置の一実施例を示す機能ブロック図である。図1におい
て、本発明によるシステムの異常監視装置は、定性推論
の量子化時間である瞬間点または時区間をシステムの観
測状態量(a)の時系列データ上で判断し、この瞬間点
または時区間に相当する実時間点を状態観測点としてサ
ンプリングするサンプリング手段1と、サンプリング手
段1でサンプリングされた観測状態量(b)を入力し、
観測状態量(b)を定性値に変換する定性化手段2とを
備えている。
【0009】ここで瞬間点とは、サンプリング手段1で
サンプリングされた観察状態量(a)の時系列データの
微分値が0の点をいい、時区間とは時系列データの微分
値が0以外の区間をいう。(共立出版株式会社「定性推
論」淵一博監修1989年出版による。)また、観測状
態量を定性値に変換するとは、例えば図9に示すよう
に、流量(観測状態量)を5m3 /min 毎に区分して
−,0,+という定性値に変換することをいう。
サンプリングされた観察状態量(a)の時系列データの
微分値が0の点をいい、時区間とは時系列データの微分
値が0以外の区間をいう。(共立出版株式会社「定性推
論」淵一博監修1989年出版による。)また、観測状
態量を定性値に変換するとは、例えば図9に示すよう
に、流量(観測状態量)を5m3 /min 毎に区分して
−,0,+という定性値に変換することをいう。
【0010】またシステムの定性モデルを格納した定性
モデルデータベース3が設けられ、定性化手段2には、
定性化手段2で得られた観測定性値(c)と定性モデル
データベース3に格納されている定性モデル(f)が入
力されるモデル判定手段4が接続され、このモデル判定
手段4で観測定性値(c)が定性モデル(f)のモデル
式を満足するか否か判定される。そして、モデル判定手
段4の判定結果(e)と前記定性化手段2の観測定性値
(c)は、逐次的定性推論を行う逐次的定性推論手段5
に入力される。
モデルデータベース3が設けられ、定性化手段2には、
定性化手段2で得られた観測定性値(c)と定性モデル
データベース3に格納されている定性モデル(f)が入
力されるモデル判定手段4が接続され、このモデル判定
手段4で観測定性値(c)が定性モデル(f)のモデル
式を満足するか否か判定される。そして、モデル判定手
段4の判定結果(e)と前記定性化手段2の観測定性値
(c)は、逐次的定性推論を行う逐次的定性推論手段5
に入力される。
【0011】また逐次的定性推論手段5の推論結果
(h)とモデル判定手段4の判定結果(e)は、異常判
定を行う異常判定手段7に入力され、さらに逐次的定性
推論手段5の照合結果(h)と前記異常判定手段7の判
定結果(j)は異常判定データベース6に格納され、こ
の異常判定データベース6から逐次的定性推論5に推論
初期値(g)が与えられるようになっている。
(h)とモデル判定手段4の判定結果(e)は、異常判
定を行う異常判定手段7に入力され、さらに逐次的定性
推論手段5の照合結果(h)と前記異常判定手段7の判
定結果(j)は異常判定データベース6に格納され、こ
の異常判定データベース6から逐次的定性推論5に推論
初期値(g)が与えられるようになっている。
【0012】さらに異常判定データベース6から評価手
段8に異常判定データ(k)が入力され、この評価手段
8において異常のトレンド評価が行なわれ、この評価結
果(1)が外部へ出力されるようになっている。
段8に異常判定データ(k)が入力され、この評価手段
8において異常のトレンド評価が行なわれ、この評価結
果(1)が外部へ出力されるようになっている。
【0013】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について図2により説明する。
用について図2により説明する。
【0014】サンプリング手段1は定性推論の量子化時
間である瞬間点、時区間を観測状態量(a)の時系列デ
ータ上で瞬間点または時区間に相当する実時間点を状態
観測点としてシステムの観測状態量をサンプリングす
る。時系列データ上で瞬間点、時区間を判断する方法と
して、時系列データの微分値を常時監視する方法が考え
られる。定性推論における定性区分点(境界標と呼ぶ)
を考えないなら、瞬間点、時区間は単に時系列データの
微分値から判断(瞬間点:微分値=0、時区間:微分値
≠0)できる。(ステップS1,S2) サンプリング手段1でサンプリングされた観測状態量
(b)は、定性化手段2において観測定性値(c)に変
換される。通常、定性値は+,0,−の3段階である
が、定量空間をどのように分割するかで、定性化の詳細
度が異なる。例えば4段階に分割して、A,B,C,D
と定性化してもよい。(ステップS3) 定性化手段2で定性化した観測定性値(c)がシステム
の定性モデル(f)を満足するか否か、まずモデル判定
手段4で判定される。(ステップS4) この判定結果(e)は、逐次的定性推論手段5と異常判
定手段7へ各々出力される。
間である瞬間点、時区間を観測状態量(a)の時系列デ
ータ上で瞬間点または時区間に相当する実時間点を状態
観測点としてシステムの観測状態量をサンプリングす
る。時系列データ上で瞬間点、時区間を判断する方法と
して、時系列データの微分値を常時監視する方法が考え
られる。定性推論における定性区分点(境界標と呼ぶ)
を考えないなら、瞬間点、時区間は単に時系列データの
微分値から判断(瞬間点:微分値=0、時区間:微分値
≠0)できる。(ステップS1,S2) サンプリング手段1でサンプリングされた観測状態量
(b)は、定性化手段2において観測定性値(c)に変
換される。通常、定性値は+,0,−の3段階である
が、定量空間をどのように分割するかで、定性化の詳細
度が異なる。例えば4段階に分割して、A,B,C,D
と定性化してもよい。(ステップS3) 定性化手段2で定性化した観測定性値(c)がシステム
の定性モデル(f)を満足するか否か、まずモデル判定
手段4で判定される。(ステップS4) この判定結果(e)は、逐次的定性推論手段5と異常判
定手段7へ各々出力される。
【0015】逐次的定性推論手段5で用いられる逐次的
定性推論方法の概略を図3に示す。図3に示すように、
逐次的定性推論方法は、現在の状態(観測定性値)と
「過去の状態から因果的に遷移」する現在の状態(推論
定性値)と照合し、この観測値と推論値が一致しなけれ
ば過去の状態から予測されうる状態に現在なっていない
ので、異常の可能性があると見なすものである。具体的
には、まずモデル判定手段4の判定結果(e)が“モデ
ルを満足する”であった場合、逐次的定性推論手段5に
定性モデルを満足した過去の観測定性値が推論初期値
(g)として判定データベース6から入力される。(ス
テップS5) 次に逐次的定性推論手段5において、推論初期値に基づ
いて推論ステップ1だけ定性推論が行なわれる。(ステ
ップS6) この時、推論される推論解は通常、複数解である。定性
推論は実際には起こり得ない挙動も推論してしまうが、
物理的構造から起こり得るすべての挙動を予測するの
で、前記複数の推論解の中に、必ず実際に起こった挙動
(現在の状態(観測定性値))が含まれている。そこ
で、現在の状態(観測定性値)と複数解(過去から現在
への推論定性値)を照合することにより、複数解を一つ
の解にしぼり込む。複数解を一つの解にしぼり込めた場
合は、後述のように正常と判定される。(ステップS
7) 次に、このしぼり込まれた解を次推論ステップにおける
定性推論の推論初期値とする。このことにより、推論状
態数が爆発的に増加する状態爆発の状態を抑制できる。
(ステップS8) 以上に示すステップS5〜ステップS8を繰り返すこと
により、状態爆発を抑制した定性推論による状態監視が
可能になる。
定性推論方法の概略を図3に示す。図3に示すように、
逐次的定性推論方法は、現在の状態(観測定性値)と
「過去の状態から因果的に遷移」する現在の状態(推論
定性値)と照合し、この観測値と推論値が一致しなけれ
ば過去の状態から予測されうる状態に現在なっていない
ので、異常の可能性があると見なすものである。具体的
には、まずモデル判定手段4の判定結果(e)が“モデ
ルを満足する”であった場合、逐次的定性推論手段5に
定性モデルを満足した過去の観測定性値が推論初期値
(g)として判定データベース6から入力される。(ス
テップS5) 次に逐次的定性推論手段5において、推論初期値に基づ
いて推論ステップ1だけ定性推論が行なわれる。(ステ
ップS6) この時、推論される推論解は通常、複数解である。定性
推論は実際には起こり得ない挙動も推論してしまうが、
物理的構造から起こり得るすべての挙動を予測するの
で、前記複数の推論解の中に、必ず実際に起こった挙動
(現在の状態(観測定性値))が含まれている。そこ
で、現在の状態(観測定性値)と複数解(過去から現在
への推論定性値)を照合することにより、複数解を一つ
の解にしぼり込む。複数解を一つの解にしぼり込めた場
合は、後述のように正常と判定される。(ステップS
7) 次に、このしぼり込まれた解を次推論ステップにおける
定性推論の推論初期値とする。このことにより、推論状
態数が爆発的に増加する状態爆発の状態を抑制できる。
(ステップS8) 以上に示すステップS5〜ステップS8を繰り返すこと
により、状態爆発を抑制した定性推論による状態監視が
可能になる。
【0016】次に逐次的定性推論手段5の照合結果
(h)が異常判定手段7に入力され、異常判定が行わ
れ、その異常判定結果(j)が異常判定データベース6
へ出力される。異常判定手段7における異常判定フロー
を図4に示す。
(h)が異常判定手段7に入力され、異常判定が行わ
れ、その異常判定結果(j)が異常判定データベース6
へ出力される。異常判定手段7における異常判定フロー
を図4に示す。
【0017】図4に示すように異常判定手段7ではモデ
ル判定手段4からの判定結果と逐次的定性推論手段5か
らの照合結果に基づいて、以下の様に異常判定が行なわ
れる。
ル判定手段4からの判定結果と逐次的定性推論手段5か
らの照合結果に基づいて、以下の様に異常判定が行なわ
れる。
【0018】
【数1】 ここで、モデル判定手段4において観測定性値が定性モ
デルを満足する:A, 逐次的定性推論手段5において、現在の観測定性値と一
致する推論解がある
デルを満足する:A, 逐次的定性推論手段5において、現在の観測定性値と一
致する推論解がある
【0019】異常判定手段7の異常判定結果(j)は、
図5に示す異常判定表の形式で異常判定データベース6
に格納される。図5において、
図5に示す異常判定表の形式で異常判定データベース6
に格納される。図5において、
【0020】
【数2】 で表示されている。
【0021】次に異常判定表(k)が評価判定手段8に
入力され、異常のトレンド評価が行われ、その評価結果
(l)が異常監視情報として外部へ出力される。評価判
定手段8におけるトレンド評価の方法としては、異常判
定表(k)の○,△,×の出現回数にしきい値を設定す
るか、または○,△,×の出現パターンを入力値とし
て、エキスパートの異常判断モデルをベースに異常を診
断させるなどの方法がある。
入力され、異常のトレンド評価が行われ、その評価結果
(l)が異常監視情報として外部へ出力される。評価判
定手段8におけるトレンド評価の方法としては、異常判
定表(k)の○,△,×の出現回数にしきい値を設定す
るか、または○,△,×の出現パターンを入力値とし
て、エキスパートの異常判断モデルをベースに異常を診
断させるなどの方法がある。
【0022】次に本発明の具体例について図6により説
明する。図6に示すように、異常監視の対象となるシス
テムは、水を送るポンプ11と、このポンプ11から送
り出された水を一時的に貯蔵するタンク13と、このタ
ンク13の貯蔵水の水位レベルを検出するレベル検出器
15と、タンク13から水を下方に放出する水量を測定
する流量計14とかなるタンク系となっている。
明する。図6に示すように、異常監視の対象となるシス
テムは、水を送るポンプ11と、このポンプ11から送
り出された水を一時的に貯蔵するタンク13と、このタ
ンク13の貯蔵水の水位レベルを検出するレベル検出器
15と、タンク13から水を下方に放出する水量を測定
する流量計14とかなるタンク系となっている。
【0023】図6において、観測状態量は流量計12で
測定される水量VQi、レベル検出器15で検出される
水位レベルVL、および流量計14で測定される水量V
Qoである。
測定される水量VQi、レベル検出器15で検出される
水位レベルVL、および流量計14で測定される水量V
Qoである。
【0024】ここでは、「ポンプ11の出力レベルが低
下した場合」と「流量計12とタンク13との間に位置
するD点で、配管が破損した場合」について、異常監視
の作用を説明する。以下に図6に示すタンク系の定性モ
デルを示す。
下した場合」と「流量計12とタンク13との間に位置
するD点で、配管が破損した場合」について、異常監視
の作用を説明する。以下に図6に示すタンク系の定性モ
デルを示す。
【0025】
【数3】 (1)、(2)式において、Kは定数であり、Aはタン
ク断面積である。(1)、(2)式を定性化すると
ク断面積である。(1)、(2)式を定性化すると
【0026】
【数4】 の定性化モデルが得られる。(3),(4),(5)式
において、
において、
【0027】
【数5】 である。
【0028】次に図7(a),(b),(c)に、観測
状態量VQiと、VLと、VQoの時系列データを各々
示す。図7において、t1はポンプ11のレベル低下時
点、t2はD点の配管破損時点である。
状態量VQiと、VLと、VQoの時系列データを各々
示す。図7において、t1はポンプ11のレベル低下時
点、t2はD点の配管破損時点である。
【0029】また図7において、時系列データの量子化
時間(瞬間観測点Pi,時区間観測点Ii)が示されて
いる。以下、異常監視の作用を説明する。 (時間P1)タンク系に異常はない。従って各観測状態
量VQiと、VLと、VQoは定常状態にあり、観測定
性値が(3)〜(5)式の定性モデルを満たし、逐次的
定性推論の推論解の中に一致解がある。 (時間t1)ポンプ11の出力レベル低下(ステップ状
に変化)により、観測状態量VQiもステップ状に低下
する。これはポンプ11と流量計12がシリアルに接続
されているためである。
時間(瞬間観測点Pi,時区間観測点Ii)が示されて
いる。以下、異常監視の作用を説明する。 (時間P1)タンク系に異常はない。従って各観測状態
量VQiと、VLと、VQoは定常状態にあり、観測定
性値が(3)〜(5)式の定性モデルを満たし、逐次的
定性推論の推論解の中に一致解がある。 (時間t1)ポンプ11の出力レベル低下(ステップ状
に変化)により、観測状態量VQiもステップ状に低下
する。これはポンプ11と流量計12がシリアルに接続
されているためである。
【0030】
【数6】 (時間t2)D点で配管破損発生。流量計12の出力値
VQiは一定であるが、タンク13に流入する水量が0
になるのでVLとVQoは減少していく。 (時間I2)[VQi]と[VL]と[VQo]は
(3)〜(5)式の定性モデル式を満足しない。これは
D点の配管破損により、モデル構造が変化したためであ
る。 (時間P3)[VQi]と[VL]と[VQo]は
(3)〜(5)式の定性モデル式を満足しない。これは
D点の配管破損により、モデル構造が変化したためであ
る。
VQiは一定であるが、タンク13に流入する水量が0
になるのでVLとVQoは減少していく。 (時間I2)[VQi]と[VL]と[VQo]は
(3)〜(5)式の定性モデル式を満足しない。これは
D点の配管破損により、モデル構造が変化したためであ
る。 (時間P3)[VQi]と[VL]と[VQo]は
(3)〜(5)式の定性モデル式を満足しない。これは
D点の配管破損により、モデル構造が変化したためであ
る。
【0031】次に図6に示すシステムの異常監視におけ
る異常判定表を図8に示す。上述のようにポンプ11は
定性モデルに考慮されていないので、ポンプ11の出力
は正常と見なされる。このためタンク13への入力水量
VQiも正常と仮定する。
る異常判定表を図8に示す。上述のようにポンプ11は
定性モデルに考慮されていないので、ポンプ11の出力
は正常と見なされる。このためタンク13への入力水量
VQiも正常と仮定する。
【0032】図8に示す異常判定表において、時間
I1,I2,P2で異常兆候が判定されていることが分
かる。
I1,I2,P2で異常兆候が判定されていることが分
かる。
【0033】なお、本発明によるシステムの異常監視装
置は、タンク系に限らずタンク系モデルに類似する冷却
塔、ヒートポンプや蓄熱槽などにも適用できる。
置は、タンク系に限らずタンク系モデルに類似する冷却
塔、ヒートポンプや蓄熱槽などにも適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
逐次的定性推論手段によって推論定性値と観測定性値と
を照合し、この照合結果によって次回推論の初期値を設
定しながら逐次的に定性推論を行なうので、推論状態が
爆発的に増加することはない。このため精度良くシステ
ムの異常監視を行なうことができる。
逐次的定性推論手段によって推論定性値と観測定性値と
を照合し、この照合結果によって次回推論の初期値を設
定しながら逐次的に定性推論を行なうので、推論状態が
爆発的に増加することはない。このため精度良くシステ
ムの異常監視を行なうことができる。
【図1】本発明によるシステムの異常監視装置の一実施
例を示す機能ブロック図。
例を示す機能ブロック図。
【図2】逐次的定性推論手段の作用を示すフロー図。
【図3】逐次的定性推論方法の概念図。
【図4】異常判定手段の作用を示すフロー図。
【図5】異常判定判定手段で得られる異常判定表を示す
図。
図。
【図6】本発明の具体例を示すシステムとしてのタンク
系を示す図。
系を示す図。
【図7】タンク系における観測状態量の時系列データを
示す図。
示す図。
【図8】タンク系における異常判定表を示す図。
【図9】定性化して観測定性値を求める作用を示す図。
1 サンプリング手段 2 定性化手段 3 定性モデルデータベース 4 モデル判定手段 5 逐次的定性推論手段 6 異常判定データベース 7 異常判定手段 8 評価手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 23/02 G05B 23/02 302 G05B 21/02 G05B 13/02
Claims (2)
- 【請求項1】状態観測点においてシステムの状態量をサ
ンプリングするサンプリング手段と、 サンプリング手段でサンプリングした状態量を観測定性
値に変換する定性化手段と、 所定初期値を用いて推論定性値を複数推論し、推論され
た複数の推論定性値と観測定性値を照合するとともに、
観測定性値が推論定性値と一致した場合に正常と判定し
て推論定性値を次回推論初期値とし、観測定性値が推論
定性値と一致しない場合に異常と判定して観測定性値を
次回推論の初期値とする逐次的定性推論手段と、 定性化手段で定性化した観測定性値がシステムの定性モ
デルを満足するか否か判定するモデル判定手段と、 モデル判定手段の判定結果および逐次的定性推論手段の
照合結果が入力されて異常判定を行なう異常判定手段
と、を備えたことを特徴とするシステムの異常監視装
置。 - 【請求項2】異常判定手段による異常判定結果に基い
て、異常のトレンド評価を行なう評価判定手段を更に備
えたことを特徴とする請求項1記載のシステムの異常監
視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23379493A JP3190185B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | システムの異常監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23379493A JP3190185B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | システムの異常監視装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0793019A JPH0793019A (ja) | 1995-04-07 |
JP3190185B2 true JP3190185B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=16960679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23379493A Expired - Fee Related JP3190185B2 (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | システムの異常監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3190185B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP23379493A patent/JP3190185B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0793019A (ja) | 1995-04-07 |
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