JPH0674436A - 焼却装置 - Google Patents

焼却装置

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JPH0674436A
JPH0674436A JP36016292A JP36016292A JPH0674436A JP H0674436 A JPH0674436 A JP H0674436A JP 36016292 A JP36016292 A JP 36016292A JP 36016292 A JP36016292 A JP 36016292A JP H0674436 A JPH0674436 A JP H0674436A
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furnace
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便な構造で作業性がよく燃焼効率の高い焼
却装置を実現する。 【構成】 1側面に開閉板2を設けた炉体1、所定の穴
9を形成した板材8で4側面と底面とを構成してなる矩
形の有底筒体をなし被焼却物を収容する処理容器7a,
7b,7c、これら処理容器7をスペース16を介して
載置し下部に灰受台12と車輪13とを設けた焼却処理
台11、および炉外の送風機からスペース16へ送風す
るための送風孔15を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は古タイヤなど産業廃棄
物等の焼却処理を行う焼却装置に係り、特にその燃焼効
率の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】産業
廃棄物等のごみの発生量は年々増大しており、この種ご
みの焼却設備が多方面に普及している。ところでこれら
産業廃棄物の中には靴底や古タイヤ等も含まれる。特に
後者のタイヤ類のごみは、年間数千万本とその発生量が
年々著しく増加しているとともに、個々の焼却対象物が
大きいことからその焼却処理に種々問題がある。
【0003】即ち、これら大形重量ごみを完全燃焼させ
るためには極めて高い燃焼効率の焼却設備が必要となる
が、これら設備は一般に大形複雑高価となることから、
集中処理方式が採用され、輸送コスト等を含めた焼却費
の増大が避けられない。また、輸送コスト等の低減を図
るため古タイヤの発生場所毎に焼却処理を行う場合には
中ないし小容量の焼却設備とならざるを得ず、従来の設
備では難燃部分が残留し易く低コストで十分な燃焼効率
を達成することは困難であった。もっとも、焼却処理に
先立って裁断処理等により当該ごみを必要な寸法のもの
にまで細かくすることにより燃焼効率を実質的に増大さ
せることは可能であるが、上記した裁断等の余分の処理
が必要となって必ずしも経済的とは言えない。
【0004】また、上述した従来の焼却設備ではその燃
焼効率の限界とも関連して、通例の産業廃棄物を燃料と
するものでは高い燃焼温度が得られない。このため、未
処理の汚泥物など特にその含有水分が多い廃棄物や有機
リチウム、シアン化合物などその分解温度が特に高い廃
棄物の焼却は、これら簡易な焼却設備では処理できない
という問題点があった。
【0005】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、簡便安価な構造でしかも高い燃
焼効率、更に高い燃焼温度を実現することができる焼却
装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】この発明の請
求項1に係る焼却装置は、所定径の穴を所定の間隔で形
成した矩形の板材で垂直な4側面を構成して矩形の筒体
をなし被焼却物を収容する処理容器を複数個用意し、こ
れらを互いに隣接する処理容器の対向する板材が所定の
間隔を介して平行となるよう炉内に配置するとともに、
上記対向する板材で形成されるスペース内に上記板材の
面に平行に燃焼用の空気を送るようにしたものである。
【0007】この場合、処理容器間に確保されたスペー
スがエアーダクトとなって燃焼に必要な空気酸素が効率
よく大量に供給され、またこのスペースが被焼却物から
発生する炎を増強するいわゆる煙突効果をもたらす。
【0008】また、この発明の請求項2に係る焼却装置
は、垂直な3側面を炉壁で構成し残り1側面に開閉板を
設けた矩形の炉体、所定径の穴を所定の間隔で形成した
矩形の板材で垂直な4側面と底面とを構成して矩形の有
底筒体をなし被焼却物を収容する処理容器、上部に上記
処理容器を複数個相互間に所定間隔のスペースを設けて
1列に並べて載置するとともに下部に燃焼後の灰分を受
ける灰受皿と上記炉体への搬入搬出のための搬送機構と
を備えた焼却処理台、およびこの焼却処理台を上記搬送
機構により炉体内に搬入し所定位置に固定したとき上記
処理容器間のスペースの両端からほぼ水平方向に送風可
能なように上記炉壁を貫通して設けられた送風孔から炉
体内へ送風する送風装置を備えたものである。
【0009】この場合、被焼却物は炉体外で処理容器に
収容され、搬送機構により炉体内に搬入される。焼却が
終わると灰分は灰受皿に貯留され、再び搬送機構により
炉体外へ搬出される。また、燃焼に必要な送風は送風孔
を経て炉体外から効率的に行われる。
【0010】また、この発明の請求項3に係る焼却装置
は、特にその隣接する処理容器間のスペース間隔を8〜
13cmにするとともに、このスペースに対向する板材
を、直径(D)が4〜7cmで、その間隔を1.5×D
とする穴を形成した同一形状の板材とし、上記板材の面
と垂直な方向からみたとき上記両板材に形成された穴が
互いに同一位置となるようにしたものである。
【0011】この場合、スペースに対向する両板材の穴
から水平に近い方向で吹き出た炎はスペース中央で互い
に強め合う形で合流して上昇し、高い燃焼温度、燃焼効
率が得られる。また、処理容器内の被焼却物がほぼ均等
に加熱燃焼され、板材の穴が未燃焼物で詰まることなく
炎とともに粉状の灰分がこの穴からスペース内へ排出さ
れる。
【0012】また、この発明の請求項4に係る焼却装置
は、その炉体内の処理容器の上方に、上記処理容器の容
積の2ないし4倍の容積を有するガス燃焼スペースを確
保し、上記ガス燃焼スペース部分の炉壁を貫通して設け
られた送風孔から炉体内へ送風する送風装置を備えたも
のである。
【0013】この場合、処理容器内での燃焼時に発生す
る不完全燃焼ガスが、送風装置からの送風によって完全
燃焼し、その燃焼に基づく高熱が輻射により炉体下方の
処理容器、被焼却物に直接伝わり、燃焼温度を上昇させ
る。
【0014】また、この発明の請求項5に係る焼却装置
は、上記ガス燃焼スペースへの送風装置を、上下方向に
所定の間隔で設けられた複数段の送風孔のそれぞれから
送風する複数の送風機で構成し、ガス燃焼スペース部分
の炉壁内面の上下方向に所定の間隔で取り付けられた測
温センサの出力に応じて上記各送風機の運転・停止を個
別に制御する送風機制御装置を備えたものである。
【0015】この場合、ガス燃焼スペース内のガスに不
完全燃焼部分が存在すると、その近傍に取り付けられた
測温センサの出力が低下する。この出力変化から当該部
分への空気の供給不足が把握できるので、当該部分の送
風孔に連なる送風機を運転状態とする。
【0016】
【実施例】図1はこの発明の一実施例による焼却装置の
構造を示す側面断面図、図2は同じくその平面断面図で
ある。図において、1は矩形の炉体で、底面および垂直
な3面の側壁はレンガ等の断熱材から構成されている。
炉体1の正面(図中左端が対応する)には開閉板2が設
けられ、左右の炉壁の内面に形成された溝に沿って昇降
することにより開閉する機構となっている。また、開閉
板2は上下に2分割されており、係合具3を装着すると
上部板2aと下部板2bとを共に昇降することができ、
係合具3を解除すると上部板2aのみを昇降することが
できる。
【0017】4は炉体1の上面を覆う蓋で、鋼板を加工
して構成され、排気ダクト5と排熱を利用して温水を作
る温水器6とを設けている。6a,6bは温水器6と水
タンクおよび給湯装置とを接続するパイプである。
【0018】7a,7b,7cは古タイヤ等の被焼却物
を収容する矩形の有底筒体である処理容器で、図3でそ
の単体の構造を詳細に説明する。図3において、8a,
8b,8c,8dは例えば4.5mm厚等の鋼板からな
り図中、処理容器7の左右の側面および前後の側面を構
成する板材、8eは処理容器7の底面を構成する板材で
ある。そして、各板材8には図4に示すように、いわゆ
る千鳥配置で円形の穴9が形成されている。穴9の最適
な径寸法やその間隔等については後述する。10a,1
0bは処理容器7a,7b,7cを所定の間隔を設けて
配置するため、各処理容器7を相互に連結するためのフ
レームである。
【0019】図1,図2に戻り、11は出し入れ可能な
灰受台12と搬送機構としての車輪13とを備えた焼却
処理台で、その上部にフレーム10aおよび10bで互
いに結合された処理容器7a,7b,7cを載置してい
る。14は車輪13をガイドするレールである。15は
焼却処理台11を炉体1内に搬入して所定の位置に固定
したとき、各処理容器7aと7bおよび7bと7cとの
間に形成されるスペース16の位置にあわせて左右の炉
壁を貫通して設けられた送風孔で、炉外に設置された図
示しない送風機からこれら送風孔15を経てスペース1
6の下方左右両端からほぼ水平方向に送風する構成とな
っている。なお、炉壁の内面と処理容器7との間もスペ
ース16と同程度の間隔を設けている。
【0020】次に動作、即ち焼却の要領について説明す
る。先ず、開閉板2を上方へ吊り上げ炉体1の正面を開
放して焼却処理台11を炉外へ搬出し、ここで古タイ
ヤ、木クズ、いわゆるハイプラと言われている各種合成
樹脂類からなる被焼却物を各処理容器7a,7b,7c
に収容する。発明者が試作した処理容器7は1.0〜
1.5m平方の大きさで、古タイヤ等も通常のものはそ
のまま収容することができる。
【0021】被焼却物を収容すると再び焼却処理台11
を操作してレール14に沿って炉体1内へ搬入し、所定
位置で図示しない掛金具で動かないよう固定する。焼却
処理台11を所定位置に固定することによって図1,図
2に示すように、処理容器7のスペース16と送風孔1
5との奥行方向(図の左右方向)位置が一致するととも
に、処理容器7と炉体1内壁との間隔もスペース16と
同様の寸法が確保される。なお、着火を容易にするた
め、燃えやすい紙等に油を含浸させたものを適宜被焼却
物間に混入させておく。
【0022】開閉板2を一旦下降させ、その後係合具3
を解除して上部板2aのみを再び適当な高さまで吊り上
げておく。また、排熱利用を図るため温水器6の内部に
は水タンクから水を導入しておく。燃焼のための準備が
完了すると、開閉板2の上方開口部分から適当な火種を
炉体1内に挿入し被焼却物に混在させた着火材に着火す
る。同時に炉体1外に設置した図示しない送風機を駆動
して送風孔15から炉体1内へ送風を開始する。なお、
炉体1からの排風は蓋4に形成された排気ダクト5から
行われるが、適当な除塵処理、ガス浄化処理を経て大気
へ放出される。
【0023】着火の状況およびその後の燃焼具合を観察
し、異常がなければ開閉板2の上部板2aを下降させ本
格的な燃焼工程に入る。
【0024】次に、この発明の実施例における特徴的な
燃焼の状態について説明する。発明者は以下の思考過程
から本発明の焼却機構を創作した。即ち、従来の比較的
小規模な焼却装置は、被焼却物を一まとめにして炉内に
収容し、下方から空気を供給する方式のものが通例であ
った。この場合、不完全燃焼の残留成分が発生し易く個
々の被焼却物が大きい場合はこの傾向が著しい。これ
は、空気の供給がもっぱら被焼却物の下方から上方へ吹
き上げる形で行われるので、燃焼による灰分が燃焼部分
から効率よく排出されずその蓄積によって次第に燃焼部
分への空気の供給が減少していくためと考えられる。
【0025】そこで、発明者は、被焼却物内にエアーダ
クトとなるスペースを確保し、空気の供給はもっぱらこ
のスペースへ水平方向から供給し、更に、このスペース
内に吹き出させる炎の上昇力を利用してこのスペースに
強力な煙突効果をもたせて燃焼部分から常にその燃焼ガ
スを吸い出す形で当該部分への新たな空気の流入を図る
という本発明による機構を想定した訳である。
【0026】発明者は、処理容器7の板材8に形成する
穴9の配列、径、間隔について種々条件を変えて実験し
た。そして、とくに、隣接する処理容器7間に形成され
るスペース16の間隔寸法およびそれに対向する板材8
の穴9をいかに形成するかが最も重要であることが判明
し、以下の条件を求めた。
【0027】先ず、スペース16に対向する2枚の板材
8に形成する穴9は、その板材8の面と垂直な方向から
みたとき互いに同一位置となるように形成する必要があ
る。これは、図5に示すように、両処理容器7a,7b
からそれぞれの板材8の穴9を貫通してスペース16内
に吹き出した炎が、スペース16中央で合流して強力な
上昇流に成長するからである。そして、この場合、スペ
ース16の間隔寸法(S)としては8〜13cmの範囲
に設定するのが適当である。Sが8cmより小さくなる
とダクトとしての寸法が小さくなって十分な上昇流が確
保しにくく、また、Sが13cmより大きくなると両サ
イドからの炎が個別に上昇する形となって両者の炎が協
調して強力な上昇流を作り出すという点で不十分とな
る。
【0028】次に、穴9の配列方法としては、図4で示
した千鳥配列が主として上記した炎の挙動という点から
最適である。但し、この場合、同図で上方が実際の上方
位置となるように形成する。
【0029】また、穴9の直径(D)は4〜7cm、そ
の間隔(L)はL=1.5×Dとするのが適当である。
Dが4cmより小さくなると、燃焼で発生した灰分が穴
9に詰まり易くなり、Dが7cmより大きくなると処理
容器7内の被燃焼物における燃焼条件、例えば温度や空
気の流れの分布がかなり不均一になる。
【0030】燃焼が終わると、必要な冷却時間を経て開
閉板2を吊り上げ、焼却処理台11を炉体1外へ搬出
し、灰受台12にたまった灰分の処理を行う。もっと
も、被焼却物を追加して焼却処理を継続していきたいと
きは、開閉板2の上部板2aのみを吊り上げ、この部分
から適当な操作棒を利用して新たな被焼却物を挿入する
ようにすればよい。温水器6で加熱された湯はパイプ6
bを経て図示しない給湯装置に送られ排熱利用に供せら
れる。
【0031】なお、具体例として炉体の寸法を2×3×
2.5m、全空気供給量を100m3/minとする上
記で説明した焼却装置を使用して古タイヤ等の焼却を行
った実験では、1000〜1200℃の完全燃焼に必要
な燃焼温度が得られ、また、800〜1000kg/h
rという高い焼却処理能力が達成された。
【0032】図6はこの発明の他の実施例による焼却装
置の構造を示す側面断面図、図7は図6の焼却装置に使
用される送風装置の構成を示す図である。先ず、図6に
おいて、図1と同一または相当する部分については同一
の符号を付して個々の説明は省略する。図1の実施例と
相違する点は、炉体1内の処理容器7上方に大きな空
間、ガス燃焼スペース17を確保したことである。即
ち、図6の例では、ガス燃焼スペース17の容積は処理
容器7のそれの約2倍としている。
【0033】そして、このガス燃焼スペース17の部分
の炉壁には、所定の間隔で上下2段に送風孔18、19
を設けている。図6には図示していないが、図7に示す
ように、各送風孔15,18,19の外方にはそれぞれ
送風機20が配置され、送風孔から炉体1内へ燃焼用の
空気を送り込む構成となっている。図7において、21
a,21bは、ガス燃焼スペース17の部分の炉壁内面
にそれぞれ送風孔18および19の高さに合わせて取り
付けられた輻射形の測温センサである。また、22は測
温センサ21a,21bからの出力に応じて各送風孔に
設けられた送風機20の運転・停止を制御する送風機制
御装置である。
【0034】次に、焼却の要領について説明する。先
ず、開閉板2を上方へ吊り上げ炉体1の正面を開放して
焼却処理台11を炉外へ搬出し、ここで古タイヤ等の被
焼却物を各処理容器7a,7b,7cに収容する点は図
1の場合と同様である。なお、炉体1の正面側(図6左
側)に段を設けているのは、ガス燃焼スペースでの高温
ガスが直接開閉板2に触れるのを防ぐためである。
【0035】処理容器7を炉体1内へ搬入し、被焼却物
に着火するとともに送風孔15の送風機20を運転状態
として処理容器7部分への送風を開始する。燃焼の進行
に応じて灰を含む可燃性ガスが発生するが、被焼却物の
収容量が一定範囲内の場合は、ほぼ完全燃焼の状態が得
られ、測温センサ21a,21b共、十分高温度の出力
となって送風孔18および19の送風機20は特に運転
する必要はない。
【0036】しかし、被焼却物の収容量が定量を越える
と、処理容器7の部分では、図5で説明した通り、効率
的な燃焼状態が得られるが、それによって発生した大量
のガスの一部が燃焼しないまま排気ダクト5から排出さ
れる。これら排出ガスには有害成分が多量に含まれてお
り、それ自体問題であるとともに、後段に設けられた、
除塵、浄化設備の処理能力も大幅に低下することにな
る。
【0037】図6、7に示す焼却装置は以上の欠点を解
決したもので、上記のように、ガス燃焼スペース17に
不完全燃焼ガス量が多くなると、当然ながら測温センサ
21a,21bによる検出温度が低下することになる。
送風機制御装置22はこの変化を入力し、先ず、下段側
の送風孔19の送風機20を運転状態にする。これによ
って、ガス燃焼スペース17の不完全燃焼ガスは送風孔
19からの追加された空気、酸素を得て効率よく燃焼し
ガス燃焼スペース17内の温度も大幅に上昇する。
【0038】さらに、送風孔19からの送風量だけでは
不足な場合は、上段の測温センサ21aの検出温度が一
定以上上昇しないことでこの状態を判断し、送風機制御
装置22は上段の送風孔18の送風機20も運転状態と
なるよう制御する。なお、各送風機20の風量はすべて
同一としている。
【0039】被焼却物からの排出ガスも含めた完全燃焼
が達成されると、ガス燃焼スペース17が極めて高温状
態となる。この結果、ガス燃焼スペース17の下方に位
置する処理容器7およびそれに収容された被焼却物は、
高熱のガス燃焼スペース17からの輻射熱を直接受ける
ことになり、燃焼温度が一層上昇する。発明者等が行っ
た実施例では、この最高温度は1500℃以上に達し、
この過熱効果で、燃焼効率が一層向上するというデータ
が得られた。勿論、排気ダクト5から排出される灰や有
害成分も極めて低レベルとなる。
【0040】ところで、産業廃棄物である汚泥物は、未
処理のものではその水分が70%程度と極めて高く、従
来からその焼却処理は小型装置では困難とされている
が、上述した高温燃焼を利用することにより、古タイヤ
等の焼却と同時に処理でき、ランニングコストも低くな
る。
【0041】また、同じく産業廃棄物である有機リチウ
ムやシアン化合物は、処理すべき量は少なくてもその分
解温度が高く、従来から特殊で高価な設備を使用せざる
を得なかったが、この発明になる焼却装置により、簡便
に低コストで処理することができる。
【0042】なお、上記実施例では、ガス燃焼スペース
17の容積を処理容器7のそれの2倍程度としたが、実
験結果では2〜4倍の範囲とするのがよい。2倍未満で
は処理容器7に収容する被焼却物の量に対して容積が不
足であり、4倍を越えても効果は変わらず炉体1が大形
化するのみで経済的に不利となるからである。また、送
風孔の段数や個数は図6のものに限られる訳ではなく、
各送風機の風量も種々に設定すればよい。
【0043】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る焼却装置は、
以上のように、被焼却物を収容する処理容器を、所定の
穴を形成した板材で構成し、各処理容器を所定のスペー
スを介して配置するとともに上記スペースに所定の方法
で送風するようにしたので、上記スペースが煙突効果と
なって被焼却物に十分な空気が絶えず供給され、簡便な
構成にもかかわらず高い燃焼能力が得られる。
【0044】また、請求項2に係る焼却装置は、更に所
定の焼却処理台および送風のための送風孔を備えたの
で、燃焼工程前後の作業性も向上し、送風もより効率的
に行われる。
【0045】更に、請求項3に係る焼却装置は、スペー
ス間隔や板材への穴の形成をそれぞれ最適の範囲に設定
したので、極めて高い燃焼効率での完全燃焼による焼却
処理が可能となる。
【0046】また、請求項4に係る焼却装置は、炉体内
の処理容器の上方に、所定のガス燃焼スペースを確保
し、炉体外からこの部分に送風する送風装置を備えたの
で、処理容器内から発生した不完全燃焼ガスがガス燃焼
スペースで完全燃焼し、更にその輻射熱で処理容器内で
の燃焼温度が上昇し燃焼効率も一層向上する。
【0047】また、請求項5に係る焼却装置は、ガス燃
焼スペースへの送風装置を、所定の複数の送風孔から送
風する複数の送風機で構成し、これら送風機を所定の測
温センサの出力に応じて制御する送風機制御装置を備え
たので、発生する不完全燃焼ガス量に適合した送風量、
送風機の運転が自動的に設定されランニングコストが低
減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による焼却装置の構造を示
す側面断面図である。
【図2】図1の実施例の平面断面図である。
【図3】図1の処理容器を示す斜視図である。
【図4】板材に形成する穴の配列を示す図である。
【図5】この発明の実施例における燃焼の現象を説明す
る図である。
【図6】この発明の他の実施例による焼却装置の構造を
示す側面断面図である。
【図7】図6の焼却装置に使用される送風装置の構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 炉体 2 開閉板 7a,7b,7C 処理容器 8 板材 9 穴 11 焼却処理台 12 灰受台 13 車輪 14 レール 15,18,19 送風孔 16 スペース 17 ガス燃焼スペース 20 送風機 21a,21b 測温センサ 22 送風機制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定径の穴を所定の間隔で形成した矩形
    の板材で垂直な4側面を構成して矩形の筒体をなし被焼
    却物を収容する処理容器を複数個用意し、これらを互い
    に隣接する処理容器の対向する板材が所定の間隔を介し
    て平行となるよう炉内に配置するとともに、上記対向す
    る板材で形成されるスペース内に上記板材の面に平行に
    燃焼用の空気を送るようにした焼却装置。
  2. 【請求項2】 垂直な3側面を炉壁で構成し残り1側面
    に開閉板を設けた矩形の炉体、所定径の穴を所定の間隔
    で形成した矩形の板材で垂直な4側面と底面とを構成し
    て矩形の有底筒体をなし被焼却物を収容する処理容器、
    上部に上記処理容器を複数個相互間に所定間隔のスペー
    スを設けて1列に並べて載置するとともに下部に燃焼後
    の灰分を受ける灰受皿と上記炉体への搬入搬出のための
    搬送機構とを備えた焼却処理台、およびこの焼却処理台
    を上記搬送機構により炉体内に搬入し所定位置に固定し
    たとき上記処理容器間のスペースの両端からほぼ水平方
    向に送風可能なように上記炉壁を貫通して設けられた送
    風孔から炉体内へ送風する送風装置を備えた焼却装置。
  3. 【請求項3】 隣接する処理容器間のスペース間隔を8
    〜13cmにするとともに、このスペースに対向する板
    材を、直径(D)が4〜7cmで、その間隔を1.5×
    Dとする穴を形成した同一形状の板材とし、上記板材の
    面と垂直な方向からみたとき上記両板材に形成された穴
    が互いに同一位置となるようにしたことを特徴とする請
    求項1または2記載の焼却装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の焼却装置におい
    て、 炉体内の処理容器の上方に、上記処理容器の容積の2な
    いし4倍の容積を有するガス燃焼スペースを確保し、上
    記ガス燃焼スペース部分の炉壁を貫通して設けられた送
    風孔から炉体内へ送風する送風装置を備えたことを特徴
    とする焼却装置。
  5. 【請求項5】 ガス燃焼スペースへの送風装置を、上下
    方向に所定の間隔で設けられた複数段の送風孔のそれぞ
    れから送風する複数の送風機で構成し、ガス燃焼スペー
    ス部分の炉壁内面の上下方向に所定の間隔で取り付けら
    れた測温センサの出力に応じて上記各送風機の運転・停
    止を個別に制御する送風機制御装置を備えたことを特徴
    とする請求項4記載の焼却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7520557B2 (en) 2004-07-02 2009-04-21 Mazda Motor Corporation Side structure of vehicle

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