JPH0674140U - 入浴補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浴槽の上に洗浄支持台を取りはずし自在に配
置し，入浴者の入浴と洗浄とを分離して行う。 【構成】 緩やかな曲率を有する椀状の洗浄支持台の底
部に嵌合梁を設け，浴槽の上部に洗浄支持台を取外し自
在に配置し，入浴者を一旦この浴槽からホイストで吊り
上げたのち，洗浄支持台を浴槽上に取付け，ホイストか
ら下ろした入浴者をこの洗浄支持台上で洗浄し，次い
で，ホイストで入浴者を吊り上げ，洗浄支持台を取外
し，再び入浴者を浴槽内に入れる。 【効果】 洗浄支持台で入浴者を洗浄でき，その廃液を
浴槽以外に排出する。洗浄と入浴との一連の操作をホイ
ストとの併用と相俟って極めて簡単・効率良くできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は寝たきり病人等の入浴時に使用する入浴補助具に関するもので，浴槽 内の入浴者を洗浄するための洗浄支持台を提供する。

【０００２】

【従来の技術】

高齢化社会に於ける寝たきり病人の看護が近年クローズアップされ，色々の入 浴補助具が開発された。ベッドからホイストで浴槽まで病人を移送する家庭用の 簡易補助具や，病院での大型浴槽とこれに隣接する洗浄台との組み合わせ方式が 普及している。 本考案者はこのホイストを既に量産化して好評を得ているが（ 実願昭62-126254 号) ，浴槽内の病人の体を洗浄すると浴槽温水が洗剤で汚くな り，本来の入浴機能を損なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

浴槽温水を洗剤で汚すことなく病人を洗浄するためには，浴室の洗い場に一旦 病人を移せば良いのであるが，この作業は非常に煩わしく実際には浴槽内で洗浄 している。ホイストで病人を吊り上げた時に浴槽上に蓋を置き，この蓋を洗浄台 として利用することが出来れば，この問題は一気に解決する。蓋（洗浄支持台） の排水口を浴槽外に接続し，浴槽への温水経路から洗浄用の温水を分岐して，洗 浄支持台として利用するのが本考案の特色である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

入浴者を横になった状態で支承する洗浄支持台を，浴槽の上部に取付け自在と し，浴槽内の入浴者を一旦ホイスト等で吊り上げた時に，浴槽の上部に洗浄支持 台を載置し，ホイストからの入浴者をこの洗浄支持台に横たえ，この状態で入浴 者を洗浄する。 浴槽への温水経路から分岐した経路先端に，この洗浄支持台上 に横たわっている入浴者を洗浄するシャワーノズルを取付け，シャワーノズルに よる洗浄後に一旦この入浴者をホイストで吊り上げ，浴槽から洗浄支持台を取外 して，再び入浴させる。洗浄支持台の洗浄廃液は排水口を経て浴槽外へと導く。 通常はこの洗浄支持台を浴槽の蓋として使用する。

【０００５】

【作用】

周知のホイストで病人等を第３図の浴槽内に移し入浴させる。充分な入浴の後 ホイストで入浴者を吊り上げ，浴槽の上部に本考案の洗浄支持台を載置する。緩 い曲率を有する椀状の洗浄支持台は，その排水口が浴槽の頭部洗浄槽に臨むよう に配置される。このようにセットされた洗浄支持台上に入浴者を下ろし，シャワ ーノズルからの温水を利用して入浴者を洗浄する。この廃液は排水口から頭部洗 浄槽に流れこみ，排水ポンプにて所定箇所へと排出される。入浴者の洗浄終了後 ，再びホイストで入浴者を吊り上げ，浴槽から洗浄支持台を取外し，ホイストか ら入浴者を下ろして浴槽内に入れる。

【０００６】 浴槽内の温水温度が低下或いは水量不足の時は，供給ポンプによって温水源か ら温水を浴槽内に供給する。市水経路から冷たい水を分岐経路を経て浴槽内へと 供給することも可能である。このように，温水源と排水先を居間等から離れた浴 室等にすることが可能になり，且つ，本考案の洗浄支持台を浴槽の蓋として利用 しえるために，常時この浴槽を居間に設置しえる。

【０００７】 洗浄と充分な入浴が終了したのち，ホイストで入浴者を浴槽から吊り上げ，ベ ッドに移しかえても良いが，吊り上げた時に，洗浄支持台を再び浴槽上に載置し ，タオル等を置き，この上に入浴者を置いて乾燥する。 これら一連の操作はホイストを利用して簡単にでき従来の入浴補助具に較べてそ の作業性は著しく向上する。

【０００８】

【実施例】

入浴者を横になった状態で支承する洗浄支持台１の底部に，浴槽２上部開口に 当合する嵌合梁３を複数突設する。僅かな曲率を有する椀状のこの洗浄支持台１ は，その周辺部にフランジ部４を有し，底部には排水口５を穿設する。浴槽２の 頭部洗浄槽６に排水口５からの廃液が流れ落ちるように，この洗浄支持台１の適 宜位置に排水口５を設ける。頭部洗浄槽６が無い浴槽の場合には，この排水口５ を浴槽２以外の容器等に接続する。嵌合梁３は洗浄支持台１と一体のプラスチッ ク構造であるが，ゴム等の弾性体で別途作成して洗浄支持台１の底部に接着して も良い。また，浴槽２の上部開口を閉塞しえる密閉フランジ（図示せず）を，洗 浄支持台１の底部に取り付ける。この場合，洗浄支持台１は浴槽２の蓋として機 能し，浴槽２温水の熱損失を防止し，水分の蒸発を阻止できるために，この浴槽 ２を居間に常時配置することが可能になる。

【０００９】 ホイストで吊り上げた入浴者を浴槽２上に載置した洗浄支持台１に横たえ，こ の状態で入浴者を洗浄する。 浴槽２への温水経路から分岐した経路先端に，シ ャワーノズル７を取付け，このシャワーノズル７による洗浄時に生じる洗浄廃液 は排水口５を経て浴槽２外へと導く。洗浄終了後，ホイストと入浴者を吊り上げ ，洗浄支持台１を取外し，ホイストから入浴者を下ろして浴槽２内に入れて入浴 させる。 本実施例では浴槽２を居間に置くために，浴槽２内への給湯や排水経路が必要 になる。第５図は，浴室内の浴槽温水１０を温水源とし，廃液を浴室内へと導く ものであり，給湯ポンプ１１で浴室内の浴槽温水（高めの水温に保っておく）を 居間の浴槽内に供給し，必要に応じて市水１２供給で浴槽水温を下げる。分岐経 路先端のシャワーノズル７にはこの温水を分岐して供給する。浴槽温水と頭部洗 浄槽６の水は排水経路と排水ポンプ１３を経て排出される。

【００１０】

【効果】

要するに，本考案は入浴者を横になった状態で支承する洗浄支持台１に，排水 口５を穿設し，浴槽の上部にこの洗浄支持台１を取付け自在となし，洗浄支持台 １からの排水をこの排水口から浴槽外へと導くために，浴槽内の入浴者を一旦ホ イストで吊り上げた後，浴槽の上に洗浄支持台１を載置し，再びホイストから入 浴者を下ろしてこの洗浄支持台１に横臥させ，シャワーノズル７からの温水等で 入浴者を洗浄することができる。入浴と洗浄そして乾燥等の一連の操作をホイス トと洗浄支持台との交互使用により，極めて簡単にできる本考案の入浴補助具は ，高齢化社会に向けて大いなる福音となる。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】浴槽上に洗浄支持台を載置した時の正面図であ
る。

【図２】洗浄支持台の平面図である。

【図３】頭部洗浄槽を有する浴槽の平面図である。

【図４】洗浄支持台の一部切り欠き側面図である。

【図５】給湯と排水経路等の説明図である。

【符号の説明】

１ 洗浄支持台 ２ 浴槽 ３ 嵌合梁 ４ フランジ部 ５ 排水口 ６ 頭部洗浄槽 ７ シャワーノズル １０ 浴槽温水 １１ 供給ポンプ １２ 市水 １３ 排水ポンプ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 入浴者を横になった状態で支承する洗
   浄支持台１を，浴槽２の上部に取付け自在とする，入浴
   補助具。
2. 【請求項２】 入浴者を横になった状態で支承する洗
   浄支持台１に，排水口５を穿設し，浴槽の上部にこの洗
   浄支持台１を載置し，洗浄支持台１からの排水をこの排
   水口５から浴槽外へと導くことを特徴とする，入浴補助
   具。
3. 【請求項３】 入浴者を横になった状態で支承する洗
   浄支持台１を，浴槽の上部に取付け自在とし，浴槽内の
   入浴者を一旦ホイスト等で吊り上げた時に，浴槽の上部
   に洗浄支持台１を載置し，ホイストからの入浴者をこの
   洗浄支持台１に横たえ，この状態で入浴者を洗浄する，
   入浴補助具。
4. 【請求項４】 入浴者を横になった状態で支承する洗
   浄支持台１を，浴槽の上部に載置し，浴槽への温水経路
   から分岐した経路先端に，この洗浄支持台上に横たわっ
   ている入浴者を洗浄するシャワーノズル７を取付け，シ
   ャワーノズルによる洗浄後に一旦この入浴者をホイスト
   で吊り上げ，浴槽から洗浄支持台１を取外して，再び入
   浴させことができる，入浴補助具。