JPH0673206A - イオン交換性超薄膜の製造方法 - Google Patents

イオン交換性超薄膜の製造方法

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JPH0673206A
JPH0673206A JP3317500A JP31750091A JPH0673206A JP H0673206 A JPH0673206 A JP H0673206A JP 3317500 A JP3317500 A JP 3317500A JP 31750091 A JP31750091 A JP 31750091A JP H0673206 A JPH0673206 A JP H0673206A
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JP
Japan
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film
monomer
ion
ultrathin
ion exchange
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Application number
JP3317500A
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English (en)
Inventor
Toyoki Kunitake
豊喜 国武
Kenji Fukuda
憲二 福田
Mareiku Mirosurafu
マレイク ミロスラフ
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Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両親媒性化合物の会合体を反応場として利用
し、イオン交換容量が極めて大きく、自己支持性及び柔
軟性に優れたイオン交換性超薄膜を製造する。 【構成】 二分子膜形成能を有する両親媒性化合物と第
4級アンモニウム塩基及び3個以上のラジカル重合性基
を併せ持つモノマーとを混合した分散液を調製する。分
散液を基板上に展開して液膜とした後、液膜から分散液
の溶媒を蒸発させ、得られた積層フィルムに含まれてい
るモノマーを重合させる。次いで、両親媒性化合物を抽
出する。 【効果】 二分子膜形成能を持つ両親媒性化合物で反応
場を作り、その反応場でイオン交換基を持つモノマーの
ラジカル重合を行っている。そのため、得られる薄膜
は、分子レベルの基本厚みを持った超薄膜の積層体とな
り、有効に作用するイオン交換基密度が非常に大きくな
る。しかも、柔軟性を確保しながら、数ミクロンオーダ
ーまで薄膜化が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子レベルで構造制御
されたイオン交換性超薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン交換膜の製造方法としては、スチ
レン,ジビニルベンゼン等のモノマー混合物を個体基板
上に流延し或いは補強用合成繊維布に含浸又は塗布した
後、加熱重合し、次いでスルホン酸基、4級アンモニウ
ム基等のイオン交換基を導入する方法が知られている。
【0003】得られたイオン交換膜は、塩水淡水化を始
めとする各種の電気透析、更には廃酸回収等の拡散透析
等の分野において、広く物質分離膜として用いられてい
る。この種の物質分離において、イオン交換膜を介した
イオン移動は、電気抵抗の低下による消費電力の低減,
処理能力の増大につながる極めて重要な因子である。そ
こで、イオンの移動を促進するため、イオン交換膜の薄
膜化,膜内で有効に作用するイオン交換基密度の増大等
が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のイオン交換膜の
製造方法で得られる膜の膜厚は、通常0.1mm程度で
ある。膜厚を更に薄くしようとすると、イオン交換膜が
脆くなる欠点が顕著になる。そのため、従来の方法によ
り、薄膜化したイオン交換膜を製造することは困難であ
った。また、緻密な三次元網状構造をとっているため、
イオン交換機能に関与しないイオン交換基が存在する。
【0005】これらの問題を解決するイオン交換膜の薄
膜化法として、プラズマプロセスによるイオン交換膜の
製造方法が提案されている[Z.Ogumi et a
l., Chem. Lett.,935(199
0)]。この方法によるとき、厚さ0.2μm程度のイ
オン交換膜の製造が可能となる。しかし、この方法で得
られる膜は、緻密な構造を持っており、導入されたイオ
ン交換基の有効効率が依然として低い。しかも、プラズ
マプロセスに使用する装置自体も高価で、取扱いが面倒
なものである。
【0006】ところで、本発明者等は、ポリマー薄膜の
製造方法として、両親媒性化合物の二分子膜会合体の分
散液にラジカル重合性モノマーを添加した分散液を調整
し、この分散液を基板上に展開して液膜を作製し、液膜
に含まれている溶媒を蒸発させた後、重合し、両親媒性
化合物を抽出することにより超薄膜積層体を製造する方
法を開発した(特開平1−58885号)。この方法に
よるとき、平面方向に二次元的な橋架けが進行し、より
高強度で柔軟なポリマー薄膜が製造される。
【0007】そこで、本発明は、このポリマー薄膜の製
造方法を利用し、高強度で柔軟性に富み、しかも高いイ
オン交換性を有するイオン交換性超薄膜を得ることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン交換性超
薄膜製造方法は、その目的を達成するため、二分子膜形
成能を有する両親媒性化合物と第4級アンモニウム塩基
及び3個以上のラジカル重合性基を併せ持つモノマーと
を混合した分散液を調製し、該分散液を基板上に展開し
て液膜を作製し、該液膜から前記分散液の溶媒を蒸発さ
せ、得られた積層フィルムに含まれているモノマーを重
合させた後、前記両親媒性化合物を抽出することを特徴
とする。
【0009】本発明で使用される両親媒性化合物として
は、配向性のよい疎水鎖、たとえば二本以上のアルキル
長鎖或いはアゾベンゼン、ビフェニール等の剛いセグメ
ントを含むアルキル長鎖を有し、且つ第4級アンモニウ
ム塩基、リン酸エステル基等の親水基を有する自己組織
性の化合物が使用される。なお、ここでいう自己組織性
とは、外部から何ら手を加えることなく、その化合物自
体が希薄濃度下においても規則性のある集合体を形成す
ることを意味する。
【0010】このような両親媒性化合物としては、具体
的には次式(a)〜(c)で示される構造を持つ化合物
がある。
【0011】
【化1】
【0012】ただし、式(a)〜(c)においては、n
が12〜24である。他方、mは式(a)、(b)では
2〜16、式(c)では2〜10である。
【0013】また、この両親媒性化合物と混合されるモ
ノマーとしては、同一分子内に第4級アンモニウム塩基
及び3個以上のラジカル重合性基を併せ持つモノマーを
使用することができる。ここで、ラジカル重合性基とし
ては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニルエ
ーテル基、ビニルスルホン基、スチレン基等が挙げら
れ、これらを単独で或いは組み合わせて使用することが
できる。本発明を拘束するものではないが、具体的には
次の化合物が掲げられる。これらの化合物は、単独で或
いは数種類共存させて使用することがきる。
【0014】
【化2】
【0015】なお、式(1)〜(5)のXは一価の陰イ
オンを表し、式(3)のRはCH3又は−Hを表す。ま
た、式(3),(4)のnは、2〜20の自然数を示
す。
【0016】結晶性の高いモノマーからフィルムを作製
したとき、モノマーが結晶化し、不均一になることがあ
る。このような場合、モノマーが溶解し得る希釈剤を共
存させてもよい。使用可能な希釈剤には、エチレングリ
コール,エチレングリコールモノメチルエーテル,ジエ
チレングリコール,ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,グリ
セリン等がある。
【0017】
【作用】本発明においては、イオン交換能を有する官能
基として第4級アンモニウム塩基と、作製されたフィル
ムをより安定にするため3個以上のラジカル重合性基を
併せもつモノマーを使用する。このモノマーと二分子膜
形成能を有する両親媒性化合物とを混合した分散液を調
製する。或いは、両親媒性化合物を水に分散させること
によって二分子膜会合体を形成した分散液を先ず調製
し、この分散液にモノマーを添加する。なお、分散液に
は、重合開始剤を添加してもよい。
【0018】得られた分散液を弗素樹脂,ガラス等の基
板上に展開し、形成された液膜の水分を蒸発させる。こ
のとき、乾燥状態で均一なフィルムを得るために、水分
の蒸発を除々に行うことが望ましい。具体的には本発明
を拘束するものではないが、25℃,相対湿度60%の
雰囲気下で液膜から水分を蒸発させる。
【0019】作製されたフィルムは、両親媒性化合物が
膜面に対して平行で層状に配列された構造をもってい
る。そして、分散液中に含まれていたモノマーは、層状
に積層した両親媒性化合物の層間、或いは両親媒性化合
物が層状に配列されることによって形成される二次元的
に広がった空間に取り込まれる。
【0020】薄膜に取り込まれているモノマーは、水分
が除去された後で、熱重合,光重合,放射線重合等によ
り重合される。モノマーの重合反応は、モノマーが取り
込まれている平面内でのみ進行するため、二次元的に架
橋した薄膜ポリマーの積層体が得られる。この積層体か
ら両親媒性化合物を熱水或いはエターノール等の有機溶
媒で抽出除去すると、イオン交換性超薄膜積層体が得ら
れる。
【0021】作製されるイオン交換性超薄膜積層体は、
分散液の濃度及び/又は液量を変えることにより、膜厚
を1〜100μmの範囲で制御することができる。ま
た、厚さ数μm程度の薄膜であっても、優れた自己支持
性及び柔軟性を有している。
【0022】このイオン交換性超薄膜積層体は、両親媒
性化合物が形成する規則的な層状構造体を反応場として
用いているため、基本的に分子レベルの厚みを持った超
薄膜の積層体となっている。そのため、通常のバルク重
合ポリマーに比べ、表面積が大きく、有効に作用するイ
オン交換基密度も大きくなる。
【0023】このような特徴を活かして、分離膜として
使用すればエネルギー消費の少ない電気透析膜,処理能
力の大きな拡散透析膜等の高機能薄膜として使用され
る。更に、各種電解用の隔膜、電池の固体電解質等多く
の電気化学的プロセスにおいて優れた性能を発揮するこ
とが期待される。
【0024】
【実施例】
実施例1:前掲(a)の両親媒性化合物(m=11、n
=16)を30mMとなるように水に超音波を照射しな
がら分散させた。そして、両親媒性化合物と同モルのモ
ノマー(1)、及びモノマーの2モル%の4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−
プロピル)ケトンを重合開始剤として添加し、分散液を
調製した。
【0025】展開量が0.42ml/cm2 となるよう
に、多孔性ポリテトラフルオロエチレンフィルム上に分
散液を展開した。作製された液膜を、25℃,相対湿度
60%の雰囲気下で3日間乾燥した。次いで、超高圧水
銀灯を使用した紫外線照射を得られたフィルムに施し、
フィルムに含まれているモノマーを架橋重合させた。紫
外線照射処理されたフィルムをエタノール中に浸漬し、
両親媒性化合物を抽出除去し、イオン交換性超薄膜の積
層体フィルムを得た。
【0026】得られたフィルムは、ほぼ透明で自己支持
性があり、充分な柔軟性及び強度を備えていた。走査型
電子顕微鏡(SEM)でフィルムの断面を観察したとこ
ろ、膜厚が約5μmであり、1層当りの厚さが約100
0オングストロームの多層状構造が膜面と平行に形成さ
れていることが検出された。図1は、このときのフィル
ム断面を示すSEM写真である。
【0027】また、「機能高分子」第25〜26頁(昭
和49年7月20日共立出版株式会社発行、高分子学会
高分子実験学編集委員会編)に記載されている方法でイ
オン交換容量を測定したところ、2.1meq/g−乾
燥フィルムであった。 比較例:
【0028】両親媒性化合物を添加しない点を除き、実
施例1と同じ条件下でイオン交換性フィルムを得た。得
られたフィルムは、基板上では自己の形状を保っている
ものの、非常に脆く、基板から取り外すことさえ困難で
あった。断面をSEM観察すると、厚さが約50μmで
あり、緻密な構造体となっていた。このフィルムのイオ
ン交換容量を同じ方法で測定したところ、0.5meq
/g−乾燥フィルムであった。
【0029】実施例2:両親媒性化合物として前掲
(c)(m=5,n=14)の化合物を、モノマーとし
て前掲(4)(n=4,6,12)の化合物を用い、そ
の他の点は実施例1と同様な条件として、3種類のイオ
ン交換性超薄膜の積層体フィルムを作製した。得られた
フィルムは、何れも自己支持性のある柔軟なものであっ
た。また、断面をSEM観察すると、膜厚が8〜15μ
mで、1層当りの厚さが約1000オングストロームの
多層状の構造が膜面と平行に生成していることが判っ
た。膜厚及びイオン交換容量の測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、二分子膜形成能を持つ両親媒性化合物で反応場を作
り、その反応場でイオン交換基を持つモノマーのラジカ
ル重合を行っている。そのため、作製された薄膜は、分
子レベルの基本厚みを持った超薄膜の積層体となり、有
効に作用するイオン交換基密度が非常に大きくなる。し
かも、本法によるとき、フィルムの強度,柔軟性を確保
しながら数ミクロンオーダーまで薄膜化可能である。得
られたイオン交換性超薄膜は、このような特徴を活用し
て、電気透析膜,拡散透析膜,電解用隔膜,電池の固体
電解質等、種々の電気化学プロセスにおける高機能薄膜
として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で製造された薄膜のSEM
写真

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二分子膜形成能を有する両親媒性化合物
    と第4級アンモニウム塩基及び3個以上のラジカル重合
    性基を併せ持つモノマーとを混合した分散液を調製し、
    該分散液を基板上に展開して液膜を作製し、該液膜から
    前記分散液の溶媒を蒸発させ、得られた積層フィルムに
    含まれているモノマーを重合させた後、前記両親媒性化
    合物を抽出することを特徴とするイオン交換性超薄膜の
    製造方法。
JP3317500A 1991-11-05 1991-11-05 イオン交換性超薄膜の製造方法 Pending JPH0673206A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015030070A1 (ja) 2013-08-30 2015-03-05 富士フイルム株式会社 イオン交換膜、イオン交換膜形成用組成物およびイオン交換膜の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015030070A1 (ja) 2013-08-30 2015-03-05 富士フイルム株式会社 イオン交換膜、イオン交換膜形成用組成物およびイオン交換膜の製造方法

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