JPH067307U - 表面実装用水晶発振器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 洗浄時等における微塵の滞留を防止して、発
振特性を良好に維持する表面実装用発振器を提供する。 ［構成］ 一対のリード線の導出する金属容器内に圧電
片を封入した圧電振動子と、前記一対のリード線が挿入
される接続孔を有して、該圧電振動子の底部に装着され
る樹脂モールドされた発振回路ユニットとからなる表面
実装用の水晶発振器において、上記発振回路ユニットの
表面に前記接続孔に連通して外周に至る逃げ溝を設けた
構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は水晶振動子の底部に発振回路ユニット（以下回路ユニットとする）を 装着した表面実装用の水晶発振器（以下表面実装用発振器とする）を利用分野と し、特に水晶振動子と回路ユニットとの間隙に侵入する流体等の影響を除去した 表面実装用発振器に関する。

【０００２】

【考案の背景】

水晶発振器は発振特性の良好なことから、各種の電子機器に周波数あるいは時 間の基準源として多用されている。近年では、複合化指向に伴い、例えば水晶振 動子の底部にと回路ユニットを装着し、表面実装用としたものがある。例えばこ のようなものの一つに、本出願人による特願平３−４７７０４号公報（発振回路 ユニット及び表面実装用圧電発振器）がある。

【０００３】

【従来技術】

第２図及び第３図は従来例を説明する水晶発振器の図である。なお、第２図は 水晶発振器の断面図、第３図は回路ユニットの一部破断図である。 水晶発振器は水晶振動子１の底部に回路ユニット２を装着して構成される。水 晶振動子１は金属容器３内に水晶片４を密閉封入する。金属容器３は金属ベース ５に金属カバー６を抵抗溶接して形成される。金属ベース５は一対のリード線７ がガラス８を貫通して外部に導出する（所謂気密端子を有する）。水晶片４は例 えばＡＴカットの矩形状とし、図示しない励振電極対から引出電極の延出した両 端部をサポータにより保持される。 回路ユニット２は、樹脂体９中に、発振回路を構成する、ＩＣチップ１０と、 接続用導体１１とを埋設する。樹脂体９はエポキシ樹脂等からなり、一主面から 他主面側に貫通した一対の孔１２を有する。孔１２は両主面側からそれぞれ摺鉢 状に形成されている。ＩＣチップ１０は、ＣーＭＯＳ形として水晶振動子１を除 く、発振用及び緩衝用インバータ、帰還抵抗、コンデンサの各素子が集積され、 所謂インバータ発振回路を形成する（未図示）。 接続用導体１１は、ＩＣチップ１０を搭載する保持板１１ａと、水晶振動子１ のリード線７とＩＣチップ１０とを接続する中継用板１１ｂと、ＩＣチップ１０ からの出力として導出される外部端子１１ｃとからなる。中継用板１１ｂは孔を 有し、リード線７を挿通して例えば半田等により接続される。なお、ＩＣチップ １０と中継用基板１１ｂ及び外部端子１１ｃはワイヤボンデング等（未図示）に より接続される。 このようなものでは、水晶振動子１と回路ユニット２とは独立するので、水晶 振動子１の信頼性を維持して、その底部に回路ユニット２を簡単に装着でき、必 要に応じて表面実装用発振器を得ることができる。

【０００４】

【従来技術の問題点】

しかしながら、上記構成の表面実装用発振器では、例えば洗浄液や半田時にお けるフラックス等の微塵が水晶振動子１と回路ユニット２との間に滞留する。特 に、リード線７を挿入する接続孔に滞留しやすく、発振特性に微妙に悪影響を及 ぼす問題があった。

【０００５】

【考案の目的】

本考案は、微塵の滞留を防止して、発振特性を良好に維持する表面実装用発振 器を提供することを目的とする。

【０００６】

【解決手段】

本考案は、リード線の挿入される回路ユニットの接続孔に連通した逃げ溝を設 けたことを解決手段とす。

【０００７】

【実施例】

第１図は本考案の表面実装用発振器の一実施例を説明するための回路ユニット の図である。なお、前従来例図と同一部分の説明は省略する。 水晶発振器は、前従来例と同様に、リード線７が導出した水晶振動子１の底部 に、樹脂モールドされて発振回路を形成する、回路ユニット２を装着して構成さ れる（前第２図参照）。そして、この実施例では、回路ユニット２（樹脂体９） のリード線７が挿入される各接続孔１２にそれぞれ逃げ溝１３を設けてなる。逃 げ溝１３は各接続孔１２に連通して外周に至り、例えば樹脂体９の幅方向を横断 して形成される。 このようなものでは、洗浄時における洗浄液が逃げ溝１３から流出入する。し たがって、例えば半田付け時のフラックスをも含む微塵も充分に洗浄され、洗浄 液とともに水晶振動子１との間隙に滞留することがない。したがって、これらに よる発振特性への悪影響を防止できる。

【０００８】

【他の事項】

上記実施例では、逃げ溝１３は幅方向を横断して平坦に設けたが、基本的には 、必要に応じていずれに設けてもよく、外に向かって傾斜させてもよい。また、 リード線７は半田付けとしたが、例えばレーサ溶接等であってもよく、その接合 手段には制限されないものである。また、回路ユニット２はＩＣチップを埋設し て発振回路を構成するとしたが、例えば外部端子を埋設した樹脂体のみとして表 面実装用の水晶振動子を形成したとしてもよいものである。要は、水晶振動子１ と字油状態のみを含む回路ユニット２との間隙に滞留する微塵を流出させるため に逃げ溝１３を設けたものは、本考案の技術的範囲に包含される。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、リード線の挿入される回路ユニットの接続孔に連通した逃げ溝を設 けたので、発振特性を良好に維持する表面実装用発振器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【第１図】本考案の一実施例を説明する水晶発振器の回
路ユニットの図である。

【第２図】従来例を説明する水晶発振器の断面図であ
る。

【第３図】従来例における回路ユニットの一部破断図で
ある。

【符号の説明】

１ 水晶振動子、２ 回路ユニット、３ 金属容器、４
水晶片、５ 金属ベース、６ 金属カバー、７ リー
ド線、１１ 接続用導体、１１ａ 保持板、１１ｂ 中
継用板、１１ｃ 外部端子、１２ 孔、１３ 逃げ溝．

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のリード線の導出する金属容器内に
   圧電片を封入した圧電振動子と、前記一対のリード線が
   挿入される接続孔を有して、該圧電振動子の底部に装着
   される樹脂モールドされた発振回路ユニットとからなる
   表面実装用の水晶発振器において、上記発振回路ユニッ
   トの表面に前記接続孔に連通して外周に至る逃げ溝を設
   けたことを特徴とする水晶発振器。