JPH0672925A - 含フッ素アルコールの製造方法 - Google Patents

含フッ素アルコールの製造方法

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JPH0672925A
JPH0672925A JP4230327A JP23032792A JPH0672925A JP H0672925 A JPH0672925 A JP H0672925A JP 4230327 A JP4230327 A JP 4230327A JP 23032792 A JP23032792 A JP 23032792A JP H0672925 A JPH0672925 A JP H0672925A
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formaldehyde
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昭彦 中原
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祐二 井関
Koichi Murata
浩一 村田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ペンタフルオロプロパノールを短時間で製造す
る。 【構成】テトラフルオロエチレン、フッ化水素およびホ
ルムアルデヒドを金属フッ化物よりなるルイス酸、例え
ば、フッ化チタン、フッ化アンチモン、フッ化ケイ素、
フッ化亜鉛等の存在下に反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペンタフルオロプロパ
ノールを短時間で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペンタフルオロプロパノールは、各種の
有機化合物の合成原料として有用な化合物である。例え
ば、ペンタフルオロプロパノールにアルカリ金属を反応
させてアルコキシドとした後、テトラフルオロエチレン
を反応させてペンタフルオロプロピルビニルエーテルを
製造することができる。ペンタフルオロプロピルビニル
エーテルは共重合性に優れているために、各種ポリマー
の合成原料として有用である。
【0003】ペンタフルオロプロパノールは、例えば、
テトラフルオロエチレン、フッ酸およびホルムアルデヒ
ドを硫酸の存在下に反応させる方法で製造されることが
知られている(米国特許第2992276号明細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法によれば反応に時間がかかりすぎるという問題があ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
反応時間を短縮することを目的として鋭意研究を行った
結果、上記の反応を特定のルイス酸の存在下に行うこと
によって、上記の目的を達成することができることを見
いだし、本発明を提案するに至った。
【0006】即ち、本発明は、テトラフルオロエチレ
ン、フッ化水素およびホルムアルデヒドを金属フッ化物
よりなるルイス酸の存在下に反応させることを特徴とす
るペンタフルオロプロパノールの製造方法である。
【0007】本発明におけるテトラフルオロエチレンの
反応圧力は特に限定されるものではないが、あまり高圧
の場合、装置的にかなり高価となる欠点が生じてくる。
したがってテトラフルオロエチレンの圧力は1〜30k
g/cm2が実際的であり、特に好ましくは5〜20k
g/cm2である。また、テトラフルオロエチレンは、
反応前に反応器中に封じ込んでおき、反応中には供給し
ない方法を採用することもでき、また、反応中に連続
的、または、間欠的に供給することもできる。
【0008】フッ化水素は気体のまま反応器に導入して
も良く、予め液化させた無水フッ酸として導入しても良
い。更には、水を含んだフッ酸を用いても本発明の実施
には特に差し支えは無いが、反応器の腐食の観点から前
二者が好ましい。
【0009】また、ホルムアルデヒドについては、一般
には、ホルムアルデヒド前駆体を熱分解して生成するガ
ス状のホルムアルデヒドを反応器に供給する方法、およ
び、ホルムアルデヒド前駆体を反応系に存在させてお
き、反応条件下において反応系内でホルムアルデヒドを
発生させる方法を好適に採用することができ、特に、後
者の方法が反応操作上の観点から好ましい。該ホルムア
ルデヒド前駆体を例示すれば、例えば、パラホルムアル
デヒド、トリオキサン等を挙げることができる。
【0010】これら、テトラフルオロエチレン、フッ化
水素およびホルムアルデヒドの反応比率は特に制限され
ないが、一般には、ホルムアルデヒド1molに対し
て、フッ化水素を2〜20molの範囲で使用すればよ
い。テトラフルオロエチレンは、上記した圧力で反応器
中に供給することにより自然に反応液に吸収され反応が
進行する。
【0011】本発明においては、金属フッ化物よりなる
ルイス酸の存在下に上記の反応が行われる。金属フッ化
物よりなるルイス酸としては、公知の化合物を何等制限
なく採用することができる。例えば、フッ化アルミニウ
ム、フッ化ガリウム、フッ化インジウム等の周期律表第
3B族の金属フッ化物;フッ化ケイ素、フッ化ゲルマニ
ウム、フッ化スズ等の周期律表第4B族の金属フッ化
物;フッ化ヒ素、フッ化アンチモン等の周期律表第5B
族の金属フッ化物;フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化
ニッケル等の周期律表第8族の金属フッ化物;フッ化亜
鉛、フッ化カドミウム等の周期律表第2B族の金属フッ
化物;フッ化イットリウム、フッ化ランタン等の周期律
表第3A族の金属フッ化物;フッ化チタン、フッ化ジル
コニウム等の周期律表第4A族の金属フッ化物;フッ化
バナジウム、フッ化ニオブ等の周期律表第5A族の金属
フッ化物等をあげることができる。これらのルイス酸の
なかでも、本発明においては、周期律表第3B族、同第
4B族、同第5B族、同第8族、同第2B族、同第4A
族の金属フッ化物は、特に反応速度を速くすることがで
きるために好適に使用できる。
【0012】ルイス酸の使用量は特に制限されないが、
一般にはホルムアルデヒド1molに対して、0.01
〜0.5mol、さらには0.02〜0.2molの範
囲から選ぶことが好ましい。
【0013】本反応は、通常、無溶媒で行うことが好ま
しい。本反応における反応温度は特に制限されるもので
はなく、反応速度に応じて選べば良いが、一般には0〜
120℃の範囲から、特に30〜90℃の範囲であるこ
とが好適である。
【0014】本発明の反応において、テトラフルオロエ
チレンに比較的高い圧力をかけた場合にその重合反応が
起こるおそれがあるが、このような場合には重合を防止
するために重合禁止剤を反応系に添加することが好まし
い。重合禁止剤の添加は反応に先だって反応器に入れて
おいても良いし、導入するテトラフルオロエチレンに含
ませておいても良い。重合禁止剤としてはテトラフルオ
ロエチレンの重合を防止するための化合物であれば何等
制限無く採用できる。本発明において好適に用いられる
重合禁止剤を例示すると、リモネン、ピネン、シメン、
テルピネン等を挙げることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、テトラフルオロ
エチレン、フッ化水素およびホルムアルデヒドを特定の
ルイス酸の存在下に反応させることにより、反応速度を
著しく向上させることができ、目的とするペンタフルオ
ロプロパノールを短時間で製造することができる。
【0016】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下に
実施例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0017】実施例1 容量300mLのステンレス製反応器にトリオキサン1
2g、TiF4 5.4g、及びリモネン1mLを仕込
み、系内を窒素で置換した。反応器をドライアイス/メ
タノール浴で冷却し、無水フッ酸40gを導入した。次
に反応器にテトラフルオロエチレンを導入した後、60
℃に加温し、テトラフルオロエチレンの吸収がなくなる
まで、圧力20kg/cm2でテトラフルオロエチレン
を供給した。4時間後テトラフルオロエチレンの吸収が
止まったので、冷却、脱圧した後、反応混合液を氷水に
あけた。これをアンモニアガスで中和した後、単蒸留
し、留出液をMgSO4 で乾燥した後、精留によって、
ペンタフルオロプロパノールを29g得た。このときテ
トラフルオロオキセタンが2.6g得られた。
【0018】比較例1 TiF4 を使用しないこと以外は実施例1と同様の反応
を行ったところ、テトラフルオロエチレンの吸収に9時
間を要した。精製によってペンタフルオロプロパノール
30.4gとテトラフルオロオキセタン8.2gが得ら
れた。
【0019】比較例2 TiF4 の代わりに硫酸を39.2g用いたほかは、実
施例1と同様の反応を行ったところ、テトラフルオロエ
チレンの吸収に7時間を要した。精製によってペンタフ
ルオロプロパノール18.9gとテトラフルオロオキセ
タン2.2gが得られた。
【0020】実施例2 TiF4 の代わりに表1に示した種々の金属フッ化物を
用いたほかは、実施例1と同様の反応を行った。金属フ
ッ化物の種類、テトラフルオロエチレンの吸収時間、ペ
ンタフルオロプロパノール及びテトラフルオロオキセタ
ンの収量を表1に示した。
【0021】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 27/135 X 9342−4G 27/138 X 9342−4G C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレン、フッ化水素お
    よびホルムアルデヒドを金属フッ化物よりなるルイス酸
    の存在下に反応させることを特徴とするペンタフルオロ
    プロパノールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009215296A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Daikin Ind Ltd フルオロエーテルアルコール、フルオロエーテルカルボン酸エステル、及び、フルオロエーテルカルボン酸
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