JPH0672841U - ボトムハンガー付きびん - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用後は、容易にびんから取り外すことがで
きるものとし、プラスチックとガラスの分別収集、及び
ガラスびんのリサイクルを可能として、環境保護に貢献
する。 【構成】 びんの下端付近に形成した周溝に、短筒状の
ボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌着す
ることにより装着し、びんの周溝付近に下向き傾斜面を
有する外方突起を形成し、ボトムハンガー筒壁内面に
は、該外方突起に対応する上向き傾斜面を有する内方突
起を形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、
ボトムハンガーの内方突起の上向き傾斜面がびんの外方
突起の下向き傾斜面に接触し滑り移動することにより、
ボトムハンガーをびんから取り外し可能としたボトムハ
ンガー付きびんにおいて、前記外方突起又は内方突起の
一方を１ヶ所のみ形成し、他方を複数形成したボトムハ
ンガー付きびん、及び、びんの周溝直下部の外周を楕円
形状としたボトムハンガー付きびんである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、いわゆるリンゲルびんのように、びんの下端にびんを逆さ に吊下げるボトムハンガーを有し、びんを逆さにして徐々に内溶液を給液するの に用いるボトムハンガー付きびんに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、リンゲルびん等においては、装着が簡単で取り扱いに便利なボトムハン ガーを装着したものが主流を占めてきている。従来のボトムハンガー付きびんは 、例えば、実公昭６０−３０７３号に示されるように、びんの下端付近に形成し た周溝に、短筒状のボトムハンガーの筒壁内面に形成した突条を嵌合することに よりボトムハンガーをびんに装着していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

現在、環境保護が社会問題となり、ゴミの分別収集や、資源のリサイクルが望 まれるところである。プラスチック製のボトムハンガーも、使用後はびんから取 り外して処理することが要望されている。上記のボトムハンガー付きびんは、そ の機能自体は優秀ではあるが、ボトムハンガーをひとたびびんに装着してしまう と、容易にびんから離脱しないものであった。本考案は、このような視点に立っ て、その本質的な機能はそのままに、使用後はボトムハンガーをびんから容易に 取り外すことができるボトムハンガー付きびんを提供するためになされたもので ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、びんの下端付近に形成した周溝に、短筒状のボトムハンガーをそ の筒壁内面に形成した突条を嵌合することにより装着したボトムハンガー付きび んにおいて、びんの周溝付近に下向き傾斜面を有する複数の外方突起を形成し、 ボトムハンガー筒壁内面には、該外方突起に対応する上向き傾斜面を有する１個 の内方突起を形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、ボトムハンガー の内方突起の上向き傾斜面がびんの外方突起の下向き傾斜面に接触し滑り移動す ることにより、ボトムハンガーをびんから取り外し可能としたことを特徴とする ボトムハンガー付きびん、及び、びんの下端付近に形成した周溝に、短筒状の ボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌合することにより装着したボ トムハンガー付きびんにおいて、びんの周溝付近に下向き傾斜面を有する１個の 外方突起を形成し、ボトムハンガー筒壁内面には、該外方突起に対応する上向き 傾斜面を有する複数の内方突起を形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転さ せ、ボトムハンガーの内方突起の上向き傾斜面がびんの外方突起の下向き傾斜面 に接触し滑り移動することにより、ボトムハンガーをびんから取り外し可能とし たことを特徴とするボトムハンガー付きびん、及び、びんの下端付近に形成し た周溝に、短筒状のボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌合するこ とにより装着し、びんの周溝付近に下向き傾斜面を有する外方突起を形成し、ボ トムハンガー筒壁内面には、該外方突起に対応する上向き傾斜面を有する内方突 起を形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、ボトムハンガーの内方突 起の上向き傾斜面がびんの外方突起の下向き傾斜面に接触し滑り移動することに より、ボトムハンガーをびんから取り外し可能としたボトムハンガー付きびんに おいて、びんの周溝より下の外周を楕円形状としたことを特徴とするボトムハン ガー付きびんである。

【０００５】

【作用】

本考案においては、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、ボトムハンガー の内方突起の上向き傾斜面がびんの外方突起の下向き傾斜面に接触し滑り移動す ることによりボトムハンガーに下向きの力が生じ、ボトムハンガーの突条がびん の周溝を乗り越え、びんから脱落する。このとき、びんの外方突起又はボトムハ ンガーの内方突起の一方が１ヶ所のみ形成されているから、その形成されている ところからボトムハンガーがやや傾くように抜け始め、ついにはボトムハンガー 全体が脱落する。ボトムハンガーを取り外すときには、抜け始めるまでに非常に 大きな力を必要とするのであるが、本考案においては１ヶ所のみから抜け始める ために小さな力で確実に取り外すことができるのである。さらに、他方のボトム ハンガーの内方突起又はびんの外方突起は複数個形成されているので、ボトムハ ンガーを僅かに回転させるだけで内方突起と外方突起とが接触し、容易に取り外 すことができる。

【０００６】 また、びんの周溝より下の外周を楕円形状とすると、ボトムハンガーの突条と 周溝との嵌合は、楕円形状の長径部においては深くしっかり嵌合しているが、短 径部においては浅く弱くなる。したがって、使用時は長径部が貢献して十分な嵌 合強度を有する。ボトムハンガーを取り外すときは、嵌合強度の弱い短径部の作 用で容易に取り外しを行うことができる。また、ボトムハンガーの突条がびんの 周溝を乗り越えるときに、ボトムハンガーの筒壁が周溝直下の外周形状に沿って 楕円形状にゆがみ変形できるので、小さな力でボトムハンガーの突条がびんの周 溝を乗り越えることができるのである。

【０００７】

【実施例１】 以下、実施例を表した図面を参照しつつ本考案を詳細に説明する。図１は本考 案の１実施例のボトムハンガー付きびん１のボトムハンガーを切断して示す略側 面図、図２はボトムハンガー６の上面図である。

【０００８】 ボトムハンガー付きびん１は、びん２とボトムハンガー６とからなる。びん２ の底部付近にはボトムハンガーを装着するために周溝３が形成されている。その 下部には通常のびんの外周よりも径を小さくした縮径部４が形成されている。縮 径部４には外側に突出した外方突起５が４ヶ所形成されている。外方突起４は、 左右両側が下向きの傾斜面５ａとなっているため、正面から見た形状は逆三角形 状になっている。

【０００９】 ボトムハンガー６は短筒状をなし、その筒壁の上端内側の環状の突条７をびん の周溝３に嵌合させることによりびん２底部に装着される。下面には、２枚の扇 形の吊下げ片９が蝶着されており、図１に破線で示すように引き起こし、スタン ドのフックをこの吊下げ片９の穴に引掛けてびん１を逆さ吊りにする。筒壁内面 には、内側に突出した内方突起８が１ヶ所のみ形成されている。内方突起８の両 側は上向きの傾斜面８ａとなっているため、その正面形状は三角形状になってい る。

【００１０】 ボトムハンガー付きびん１は、使用後にボトムハンガー６をびん２から取り外 し、ガラスとプラスチックとを分別して処分する。ボトムハンガー６をびん２に 対して回転させると、ボトムハンガー６の１ヶ所の内方突起８の傾斜面８ａがび んの４ヶ所の内のいずれか１ヶ所の外方突起５の傾斜面５ａに接触する。なおも ボトムハンガー６を回転させると、傾斜面５ａと８ａとが傾斜に沿って滑り移動 するので、回転力がボトムハンガーを下方に押し下げる力に変換され、その部分 から突条７が周溝３から抜け始め、さらに回転させるとボトムハンガー６はびん ２から離脱する。ボトムハンガーは、回転させない限り従来品と同様にしっかり とびんに装着されている。

【００１１】

【実施例２】 図２は、他の実施例のボトムハンガー付きびん１１のボトムハンガーを分離し 切断して示す側面図である。ボトムハンガー付きびん１１はびん１２とボトムハ ンガー１７とからなる。びん１２の底部付近にはボトムハンガーを装着するため に周溝１３が形成されている。周溝１３の下部には通常のびんの外周よりも径を 小さくした縮径部１５が形成されている。縮径部１５には外側に突出した外方突 起１６が１ヶ所のみ形成されている。外方突起１６は、図２において、右側が下 向きの傾斜面１６ａ、左側が垂直面１６ｂになっているため、正面形状はほぼ下 向きの直角三角形状になっている。

【００１２】 ボトムハンガー１７は短筒状をなし、その筒壁の上端内面の４ヶ所の突条１８ をびんの周溝１３に嵌合させることによりびん底部に装着される。下面には、２ 枚の扇形の吊下げ片１４が蝶着されている。筒壁内面には、内側に突出した内方 突起１９が４ヶ所、突条１８の直下に形成されている。図２において、内方突起 １９の右側は上向きの傾斜面１９ａ、左側が垂直面１９ｂとなっているため、そ の正面形状は直角三角形状になっている。

【００１３】 本実施例においては、ボトムハンガーを取り外すためにこれを回転させる場合 、方向性を有することである。ボトムハンガー１７をびん１２に対して、下側か ら見て左回りに回転させると、ボトムハンガー１７の４ヶ所のうちのいずれか１ ヶ所の内方突起１９の傾斜面１９ａがびん１２の外方突起１６の傾斜面１６ａに 接触する。なおもボトムハンガー１７を回転させると、傾斜面１６ａと１９ａと が傾斜に沿って滑り移動するので、回転力がボトムハンガーを下方に押し下げる 力に変換され、その部分から突条１８が周溝１３から抜け始め、さらに回転させ るとボトムハンガー１７はびん１２から完全に離脱する。逆に、ボトムハンガー １７をびん１２に対して、下側から見て右回りに回転させると、ボトムハンガー １７の４ヶ所のうちの１ヶ所の内方突起１９の垂直面１９ｂがびん１２の外方突 起１６の垂直面１６ｂに接触する。すると、この垂直面１６ｂ、１９ｂがストッ パーとして作用し、ボトムハンガー１７はこれ以上右回りに回転できなくなる。

【００１４】

【実施例３】 図３に示すのは、他の実施例のボトムハンガー付きびんのびん２２の部分のみ を表した下面図である。びん２２の底部付近にはボトムハンガーを装着するため に周溝２３が形成されている。その下部には通常のびんの外周よりも径を小さく した縮径部２６が形成されている。縮径部２６には外側に突出した外方突起２７ が１ヶ所形成されている。以上の構成は、実施例１のびん２とほぼ同様であるが 、外方突起の数と、周溝直下部のびん外周の形状が異なる。すなわちびん２２に おいては、周溝２３の直上部２５が真円であるのに対し、周溝直下部２４は楕円 形状となっている。このため、ボトムハンガーの突条と周溝との嵌合は、楕円形 状の長径部においては深くしっかり嵌合しているが、短径部においては浅く弱く なっている。

【００１５】 本考案において、周溝直下部の外周形状は、厳密な楕円形である必要はなく、 長径と短径を有する楕円に類する形状であれば足りる。この楕円形状によりボト ムハンガーの取り外しに要する力が小さくなるので、必ずしも、外方突起又は内 方突起の一方を１ヶ所とする必要はないが、一方を１ヶ所とすれば、さらに容易 にボトムハンガーの取り外しを行うことができる。

【００１６】 本考案において、ボトムハンガーの突条、及び、びんの周溝は必ずしも全周に わたって設けられる必要はなく、部分的であってもよい。

【００１７】 上記実施例においては、ボトムハンガーの吊下げ機構として、吊下げ片９、１ ４を示しているが、もちろんこれは例示であるにすぎず、他の吊下げ機構も用い ることが可能である。

【００１８】

【考案の効果】

本考案ボトムハンガー付きびんは、びん使用後にボトムハンガーをびんに対し て回転させることにより、ボトムハンガーをびんから容易に取り外すことができ るので、プラスチックとガラスの分別収集、及び、ガラスびんのリサイクルも可 能となり、環境保護に貢献するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のボトムハンガー付きびん１のボトムハ
ンガーを切断して示す略側面図である。

【図２】ボトムハンガー６の上面図である。

【図３】実施例のボトムハンガー付きびん１１のボトム
ハンガーを分離し切断して示す略側面図である。

【図４】びん２２の下面図である。

【符号の説明】

１ ボトムハンガー付きびん ２ びん ３ 周溝 ４ 縮径部 ５ 外方突起 ６ ボトムハンガー ７ 突条 ８ 内方突起 ９ 吊下げ片 １１ ボトムハンガー付きびん １２ びん １３ 周溝 １４ 吊下げ片 １５ 縮径部 １６ 外方突起 １７ ボトムハンガー １８ 突条 １９ 内方突起 ２２ びん ２３ 周溝 ２４ 周溝直下部 ２５ 周溝直上部 ２６ 縮径部 ２７ 外方突起

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 びんの下端付近に形成した周溝に、短筒
   状のボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌
   合することにより装着したボトムハンガー付きびんにお
   いて、びんの周溝付近に下向き傾斜面を有する複数の外
   方突起を形成し、ボトムハンガー筒壁内面には、該外方
   突起に対応する上向き傾斜面を有する１個の内方突起を
   形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、ボト
   ムハンガーの内方突起の上向き傾斜面がびんの外方突起
   の下向き傾斜面に接触し滑り移動することにより、ボト
   ムハンガーをびんから取り外し可能としたことを特徴と
   するボトムハンガー付きびん
2. 【請求項２】 びんの下端付近に形成した周溝に、短筒
   状のボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌
   合することにより装着したボトムハンガー付きびんにお
   いて、びんの周溝付近に下向き傾斜面を有する１個の外
   方突起を形成し、ボトムハンガー筒壁内面には、該外方
   突起に対応する上向き傾斜面を有する複数の内方突起を
   形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転させ、ボト
   ムハンガーの内方突起の上向き傾斜面がびんの外方突起
   の下向き傾斜面に接触し滑り移動することにより、ボト
   ムハンガーをびんから取り外し可能としたことを特徴と
   するボトムハンガー付きびん
3. 【請求項３】 びんの下端付近に形成した周溝に、短筒
   状のボトムハンガーをその筒壁内面に形成した突条を嵌
   合することにより装着し、びんの周溝付近に下向き傾斜
   面を有する外方突起を形成し、ボトムハンガー筒壁内面
   には、該外方突起に対応する上向き傾斜面を有する内方
   突起を形成し、ボトムハンガーをびんに対して回転さ
   せ、ボトムハンガーの内方突起の上向き傾斜面がびんの
   外方突起の下向き傾斜面に接触し滑り移動することによ
   り、ボトムハンガーをびんから取り外し可能としたボト
   ムハンガー付きびんにおいて、びんの周溝直下部の外周
   を楕円形状としたことを特徴とするボトムハンガー付き
   びん