JPH0672705A - 結晶質珪素超微粒子の製造方法 - Google Patents

結晶質珪素超微粒子の製造方法

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JPH0672705A JP22718892A JP22718892A JPH0672705A JP H0672705 A JPH0672705 A JP H0672705A JP 22718892 A JP22718892 A JP 22718892A JP 22718892 A JP22718892 A JP 22718892A JP H0672705 A JPH0672705 A JP H0672705A
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吉積 田中
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猛 末益
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哲夫 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、紫外光レーザーを用いることによ
り、極めて結晶性が良く、粒子径が10〜200nmで
非常に均一な分布を示し、しかも球状の珪素超微粒子を
製造できる方法を提供する。 【構成】 気体状シリコン化合物に、紫外光レーザービ
ームを照射することにより該化合物を励起して分解反応
を促進し、珪素粒子を生成させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外光レーザービーム
を活用して結晶質珪素超微粒子を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】近年、超微粒子は焼結用原料、触媒、生物
工学用担体等の種々の用途に用いられる新素材として関
心が持たれている。この場合、用いられる微粒子に望ま
れる条件として次のようなものが挙げられる。 粒子径が1μm以下の超微粒子であること、 粒子の凝集がないこと、 粒度分布が狭いこと、 粒子の形が等軸的であること、 化学組成と相組成が均一であること、 化学的に高純度であること、 これらの性質はすべて原料粉体の製造法によって決ま
る。そのため、このような微粒子を得るためのさまざま
な製造法が提案されている。例えば、固相反応法、液相
反応法、気相反応法等があるが、上記の条件に適合した
微粒子の製造方法としては気相反応法が最適である。
【0003】一方、近年のレーザー技術に関する進歩は
著しく、広い波長領域で強力な光を発振するレーザーが
開発されている。特に、典型的な紫外光レーザーである
エキシマレーザーは、その高効率、高出力のため、種々
の用途が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】従来、SiCl4等のハ
ロゲン化シラン又はSiH4等の水素化シランを分解して気
相から超微粒子を生成させる場合、炭酸ガスレーザーを
照射することにより粒子径の揃った微粒子を生成させる
ことが知られている。しかし、炭酸ガスレーザーを用い
た場合、低出力では非晶質粒子が生成してしまい、高出
力では粒子径が大きくなるといった欠点があり、高純度
で結晶性が高く、かつ粒子径が小さい粒子を作製するこ
とは困難であった。本発明の目的は、前記問題点を解決
し、極めて高純度の結晶質珪素超微粒子を得ることがで
きる新規な製法を提供するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、金属化
合物ガスから高純度の超微粒子を得るために鋭意研究し
た結果、紫外光レーザーを用いることにより、極めて結
晶性が良く、粒度分布の狭い微粒子を製造できることを
見いだし、本発明に到った。即ち、本発明は、気体状シ
リコン化合物に、紫外光レーザービームを照射すること
により該化合物を励起して分解反応を促進し、珪素粒子
を生成させることを特徴とする結晶質珪素超微粒子の製
造方法に関する。
【0006】本発明によれば、粒子径が10〜200n
mで非常に均一な分布を示し、しかも球状の結晶質珪素
超微粒子を得ることができる。本発明における気体状シ
リコン化合物としては、SiH4,Si2H6,SiCl4,SiHCl3,SiH2
Cl2等が使用できる。紫外光レーザーとしては、高効
率、高出力のエキシマレーザーが好ましい。エキシマレ
ーザーの波長は、157nm(F2 )、193nm(A
rF)、248nm(KrF)、308nm(XeC
l)、351nm(XeF)等が使用でき、特に、照射
する気体状シリコン化合物の吸収波長に近いものを選ぶ
ことが望ましい。
【0007】また、レーザー光の照射は、エネルギー密
度が高いほど有利であり、例えばArF(193nm)
の場合、レーザー光のパルス当りのエネルギー密度は、
50mJ/cm2 /パルス以上、好ましくは100mJ/cm2
/パルス以上である。また、レーザーの繰り返し周波数
は、通常、50〜150パルス/秒である。本発明にお
ける反応圧力は、常圧でもよいが、好ましくは200To
rr以下である。反応ガスの濃度は100vol%でもよい
が、好ましくは50vol%以下、さらに好ましくは10vo
l%以下である。
【0008】以下に、本発明の超微粒子の製造方法を製
造装置の図面を参照して説明する。図1は、本発明で用
いられる超微粒子の製造装置の概略図である。図1にお
いて、2はガス導入ノズル、4は真空容器、3は真空容
器の側部に設けられたビーム透過窓、8は真空容器4に
設けられた排気ポートで、ガス導入ノズルの上方に位置
している。9は排気ポート8に接続された排気管、7は
真空容器の内部を真空脱気する排気装置で、排気管下流
側に設けられている。6は超微粒子を回収する回収装置
である。
【0009】まず、反応容器1の内部を0.003Torr以下
に排気装置7によって真空脱気後、真空容器4内にガス
導入ノズル2より所定の流量の原料ガスを導入して真空
容器4内を所定圧力に設定する。次に、エキシマレーザ
ーから発生した適切な波長のレーザービーム1をビーム
透過窓3を通して真空容器4内に導光し、ガス導入ノズ
ル2の直上の反応気体に照射する。これにより反応ガス
はレーザービーム1を吸収し、超微粒子を生成する。レ
ーザービームのエネルギーは、ほとんど原料ガスの分解
に費やされ、真空容器内の雰囲気ガスを励起しないの
で、粒子同士の衝突による凝集も起こらず、超微粒子の
粒径は均一となる。この超微粒子は排気ポート8を通っ
て排気管9内を流れ、排気管9の途中に設けられた超微
粒子回収装置6によって捕集される。
【0010】
【実施例】 実施例1 ガス導入ノズル2より500cc/minで導入されたSiH
4(紫外光の吸収端200nm、最大吸収波長120n
m)10%含有ArガスにArFエキシマレーザー(1
93nm)を照射した。この時のパルス当りのエネルギ
ー密度は、100mJ/cm2/パルス、繰り返し周波数は
100パルス/秒、反応圧力は150Torrであった。図
2に生成した微粒子のX線回折パターンを示す。得られ
た珪素微粒子は、高い結晶性を有していることが確認さ
れた。また、図3に生成した微粒子の粒径の分布を透過
型電子顕微鏡を用いて測定した結果を示す。得られた珪
素微粒子は、平均粒径が約20nmと非常に均一な分布
を示し、しかも球状の粒子であることが確認された。
【0011】実施例2 ガス導入ノズル2より500cc/minで導入されたSiH4
0%含有ArガスにF 2エキシマレーザー(157n
m)を照射した。この時のパルス当りのエネルギー密度
は、6mJ/cm2/パルス、繰り返し周波数は50パルス
/秒、反応圧力は150Torrであった。得られた珪素微
粒子は、平均粒径が約30nmと非常に均一な分布を示
し、しかも球状の粒子であることが確認された。
【0012】実施例3 ガス導入ノズル2より500cc/minで導入されたSi2H6
(紫外光の吸収端210nm)10%含有ArガスにA
rFエキシマレーザー(193nm)を照射した。この
時のパルス当りのエネルギー密度は、100mJ/cm2
パルス、繰り返し周波数は100パルス/秒、反応圧力
は150Torrであった。得られた珪素微粒子は、平均粒
径が約30nmと非常に均一な分布を示し、しかも球状
の粒子であることが確認された。
【0013】実施例4 ガス導入ノズル2より500cc/minで導入されたSi2H6
10%含有ArガスにF2エキシマレーザー(157n
m)を照射した。この時のパルス当りのエネルギー密度
は、6mJ/cm2/パルス、繰り返し周波数は50パルス
/秒、反応圧力は150Torrであった。得られた珪素微
粒子は、平均粒径が約40nmと非常に均一な分布を示
し、しかも球状の粒子であることが確認された。
【0014】実施例5 ガス導入ノズル2より500cc/minで導入されたSiH2Cl
210%含有ArガスにArFエキシマレーザー(19
3nm)を照射した。この時のパルス当りのエネルギー
密度は、100mJ/cm2/パルス、繰り返し周波数は1
00パルス/秒、反応圧力は150Torrであった。得ら
れた珪素微粒子は、平均粒径が約30nmと非常に均一
な分布を示し、しかも球状の粒子であることが確認され
た。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、紫外光レーザーを用い
ることにより、極めて結晶性が良く、粒子径が10〜2
00nmで非常に均一な分布を示し、しかも球状の珪素
超微粒子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いられる超微粒子の製造装
置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1で生成した微粒子の
X線回折パターンを示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1で生成した微粒子の
粒径の分布を透過型電子顕微鏡を用いて測定した結果を
示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体状シリコン化合物に、紫外光レーザ
    ービームを照射することにより該化合物を励起して分解
    反応を促進し、珪素粒子を生成させることを特徴とする
    結晶質珪素超微粒子の製造方法。
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