JPH06726B2 - 含窒素テルペンアルコ−ル類及びこれを有効成分とする抗アレルギ−剤 - Google Patents

含窒素テルペンアルコ−ル類及びこれを有効成分とする抗アレルギ−剤

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JPH06726B2
JPH06726B2 JP60160782A JP16078285A JPH06726B2 JP H06726 B2 JPH06726 B2 JP H06726B2 JP 60160782 A JP60160782 A JP 60160782A JP 16078285 A JP16078285 A JP 16078285A JP H06726 B2 JPH06726 B2 JP H06726B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な含窒素テルペンアルコール又はその薬理
学的に許容される塩及びこれらを有効成分とする抗アレ
ルギー剤に関する。
〔従来の技術〕
生体は細菌又はウイルスによる感染、異種タンパク質又
は薬物の浸入に対する生体防御反応として免疫反応を起
こし、この免疫反応によって生体は維持されている。し
かし、免疫反応は生体に都合のよいことばかりではな
く、場合によって障害を与えるアレルギー反応にもな
る。アレルギー炎症が起こる部位では肥満細胞又は好塩
基球の細胞表面で抗原抗体反応が起こり、その結果、脱
顆粒が生じ、ついで顆粒中のヒスタミン、セロトニン、
SRS−A、ECF−A、プロスタグランジンなどの化
学伝達物質が遊離、放出される。これらの化学伝達物質
は多くの血管内に作用し、血圧低下、脈拍微弱、意識障
害、皮膚蒼白、チアノーゼ、冷汗などの急性循環不全症
状、声門浮腫、気道収縮、粘液分泌増加による喘鳴、呼
吸困難などの呼吸症状、その他、腹痛、腹鳴、下痢、嘔
吐などの消化器症状、蕁麻疹などの皮膚症状などを生起
させ、重症例ではショック死をきたす。化学伝達物質の
遊離を抑制する化合物についての研究がなされ、クロモ
リンナトリウム、トラニラスト、ケトチフェンなどが細
胞膜脂質二重層に作用してその流動性を低下させ、細胞
膜を安定化させることによって細胞表面からの化学伝達
物質の遊離を抑制する効果を奏することが見出され、抗
アレルギー剤として使用されるに至っている。また、テ
ルペン系化合物が細胞膜安定化作用を有することが知ら
れており、テルペンアミンである塩酸イプロヘプチンが
注射投与型の抗アレルギー剤として使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のクロモリンナトリウムは最も便利な投与方法であ
る経口投与では抗アレルギー効果が発現しないこと、ト
ラニラストは血尿、膿尿、排尿困難などの膀胱炎様副作
用を呈すること、またケトチフエンは投与後、約4〜6
週間経過してはじめて抗アレルギー効果が発現するとい
う遅効性であり、しかも眠けなどの副作用を有すること
など、化学伝達物質遊離、抑制剤はそれぞれ薬剤として
望ましくない性質を有しており、また塩酸イプロヘプチ
ンは眠け、むかつきなどの副作用を有することが知られ
ている。このような実状から毒性や副作用が少なくて長
期の連用に付することができ、しかも経口投与可能な優
れた抗アレルギー剤の開発が望まれているのが現状であ
る。
しかして、本発明の目的の1つは、優れた抗アレルギー
作用を持続的に発揮し、かつ安全な新規な化合物を提供
するにある。また本発明の他の目的は該新規な化合物の
抗アレルギー剤としての用途を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、一般式 (式中、X1は水素原子若しくはヒドロキシル基を表わ
し、かつY1は水素原子を表わすか、又はX1とY1は一緒に
なって結合を形成し、X2は水素原子若しくはヒドロキシ
ル基を表わし、かつY2は水素原子を表わすか、又はX2
Y2は一緒になって結合を形成し、X3は水素原子若しくは
ヒドロキシル基を表わし、Y3はX3が水素原子である場合
ヒドロキシル基を表わし、X3がヒドロキシル基である場
合水素原子若しくはヒドロキシル基を表わし、R及び
は同一若しくは異なりそれぞれ水素原子;ヒドロキ
シル基、フェニル基、ピリジル基、ピリジルカルボニル
オキシ基またはモルホリノ基で置換されていてもよい低
級アルキル基;ヒドロキシル基で置換されていてもより
アリール基;ベンジル基で置換されていてもよい4−ピ
ペリジニル基;ピリジル基;ピリジルカルボニル基若し
くはイソキノリル基を表わすか、又はR1とR2はこれらが
結合している窒素原子と一緒になって員数が5若しくは
6である複素環を形成する。ここで、該覆素環は環内に
−O−、−S−、 −C=C−、−C=N−及び から成る群から選ばれる基を1〜3個有していてもよ
く、Rは水素原子;メトキシ基を有していてもよいフ
ェニル基で置換されていてもよい低級アルキル基又はメ
トキシ基で置換されていてもよいアリール基を表わす。
で示される含窒素テルペンアルコール又はその薬理学的
に許容される塩を提供することによって達成され、また
該含窒素テルペンアルコール又はその薬理学的に許容さ
れる塩を有効成分とする抗アレルギー剤を提供すること
によって達成される。
上記一般式(I)において、R及びRが表わす低級ア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基などの基が挙げられ、これらの低級アルキル基は
ヒドロキシル基、フェニル基、ピリジル基、ピリジルカ
ルボニルオキシ基又はモルホリノ基のごとき置換基を有
していてもよい。R及びRが表わすアリール基とし
てはフェニル基、ナフチル基などの基が挙げられ、これ
らのアリール基はヒドロキシル基で置換されていてもよ
い。該ヒドロキシル基で置換されているアリール基とし
ては4−ヒドロキシフェニル基などが例示される。R
及びRが表わすことがあるベンジル基で置換されてい
る4−ピペリジニル基としては、N−ベンジル−4−ピ
ペリジニル基などが例示される。またR1とR2がこれらが
結合している窒素原子と一緒になって形成する員数が5
若しくは6である複素環としては などが挙げられる。Rが表わす低級アルキル基として
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの基
が挙げられ、これらの低級アルキル基はフェニル基で置
換されていてもよく、該フェニル基はメトキシ基を有し
ていてもよい。メトキシ基を有していてもよいフェニル
基で置換されている低級アルキル基としては、ジフェニ
ルメチル基、2−メトキシベンジル基、3,4,5−ト
リメトキシベンジル基などが例示される。Rが表わす
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基などの基が
挙げられ、これらのアリール基はメトキシ基で置換され
ていてもよい。該メトキシ基で置換されているアリール
基としては、2−メトキシフェニル基、3,4,5−ト
リメトキシフェニル基などが例示される。
一般式(I)で示される含窒素テルペンアルコールの代表
例として次のものを挙げることができる。
1−(ジブチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(1)〕 1−(メチルフェニルアミノ)−3,7−ジメチル−6−
オクテン−2,3−ジオール〔化合物(2)〕 3,7−ジメチル−1−(1−ピロリジニル)−6−オク
テン−2,3−ジオール〔化合物(3)〕 3,7−ジメチル−1−(1−ピペリジノ)−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(4)〕 3,7−ジメチル−1−(4−モルホリノ)−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(5)〕 1−〔(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ〕−3,7
−ジメチル−6−オクテン−2,3−ジオール〔化合物
(6)〕 1−アミノ−3,7−ジメチル−2,3−オクタンジオール
〔化合物(7)〕 1−(メチルアミノ)−3,7−ジメチル−2,3−オクタン
ジオール〔化合物(8)〕 1−(ジブチルアミノ)−3,7−ジメチル−2,3−オクタ
ンジオール〔化合物(9)〕 1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3,7−ジメ
チル−2,3−オクタンジオール〔化合物(10)〕 1−アミノ−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオ
ール〔化合物(11)〕 1−(メチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−2,3−ド
デカンジオール〔化合物(12)〕 1−(ジブチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−2,3−
ドデカンジオール〔化合物(13)〕 1−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−3,7,11−ト
リメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(14)〕 N−メチル−N−(3,7,11−トリメチル−2,3−ジヒド
ロキシドデシル)ニコチンアミド〔化合物(15)〕 1−(ジメチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−2,3−
ドデカンジオール〔化合物(16)〕 3,7,11−トリメチル−1−(4−モルホリノ)−2,3−
ドデカンジオール〔化合物(17)〕 3,7,11−トリメチル−1−〔4−{(3,4,5−トリメト
キシフェニル)メチル}ピペラジニル〕−2,3−ドデカ
ンジオール〔化合物(18)〕 1−〔(4−ヒドロキシフェニル)アミノ〕−3,7,11−
トリメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(19)〕 1−〔(4−ピリジル)アミノ〕−3,7,11−トリメチル
−2,3−ドデカンジオール〔化合物(20)〕 1−(1H−イミダゾール−1−イル)−3,7,11−トリ
メチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(21)〕 1−〔3−(4−モルホリノ)プロピル〕アミノ−3,7,
11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(2
2)〕 1−(5−キノリル)アミノ−3,7,11−トリメチル−2,
3−ドデカンジオール〔化合物(23)〕 3,7,11−トリメチル−1−〔4−(ジフェニルメチル)
ピペラジニル〕−2,3−ドデカンジオール〔化合物(2
4)〕 1−(1,3−ジヒドロ−2−オキソ−2H−ベンズイミ
ダゾール−1−イル)−3,7,11−トリメチル−2,3−ド
デカンジオール〔化合物(25)〕 1−(テトラヒドロ−2H−1,4−チアジン−4−イ
ル)−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール
〔化合物(26)〕 1−(メチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−3,7−ド
デカンジオール〔化合物(27)〕 1−(メチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−2,−ドデ
カノール〔化合物(28)〕 1−(メチルベンジルアミノ)−3,7,11−トリメチル−
3,7−ドデカンジオール〔化合物(29)〕 1−アミノ−3,7,11,15−テトラメチル−2,3−ヘキサデ
カンジオール〔化合物(30)〕 1−(メチルアミノ)3,7,11,15−テトラメチル−2,3−
ヘキサデカンジオール〔化合物(31)〕 1−(ジメチルアミノ)−3,7,11,15−テトラメチル−
2,3−ヘキサデカンジオール〔化合物(32)〕 1−(ジエチルアミノ)−3,7,11,15−テトラメチル−
2,3−ヘキサデカンジオール〔化合物(33)〕 1−(ジブチルアミノ)−3,7,11,15−テトラメチル−
2,3−ヘキサデカンジオール〔化合物(34)〕 1−〔(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ〕−3,7,
11,15−テトラメチル−2,3−ヘキサデカンジオール〔化
合物(35)〕 1−〔(2−ニコチノイルオキシエチル)メチルアミ
ノ〕−3,7,11,15−テトラメチル−2,3−ヘキサデカンジ
オール〔化合物(36)〕 1−(メチルベンジルアミノ)−3,7,11−トリメチル−
3,7,11−ドデカントリオール〔化合物(37)〕 1−(1−ピロリジニル)−3,7,11−トリメチル−2,3
−ドデカンジオール〔化合物(38)〕 1−(1−ピペリジノ)−3,7,11−トリメチル−2,3−
ドデカンジオール〔化合物(39)〕 1−〔4−(N−ベンジル)ピペリジノアミノ〕−3,7,
11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(4
0)〕 1−〔(3−ピリジル)メチルアミノ〕−3,7,11−トリ
メチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(41)〕 1−〔4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニ
ル〕−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール
〔化合物(42)〕 1−アミノ−3,7−ジメチル−6−オクテン−2,3−ジオ
ール〔化合物(43)〕 1−(メチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテン
−2,3−ジオール〔化合物(44)〕 1−(ジメチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(45)〕 1−(エチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテン
−2,3−ジオール〔化合物(46)〕 1−(プロピルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(47)〕 1−(ジエチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテ
ン−2,3−ジオール〔化合物(48)〕 1−(ブチルアミノ)−3,7−ジメチル−6−オクテン
−2,3−ジオール〔化合物(49)〕 一般式(I)で示される含窒素テルペンアルコールの薬理
学的に許容される塩としては塩酸、硫酸などの鉱酸の
塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの
有機スルホン酸の塩;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、
乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機カルボン
酸の塩などが挙げられる。
一般式(I)で示される含窒素テルペンアルコールは例え
ば次の方法(i)、方法(ii)などによって製造することが
できる。
(i)一般式(I)においてY3がヒドロキシル基である化合物 (上記式中、X1、Y1、X2、Y2、X3、R1、R2及びnは前記定義の
とおりである。) この方法は、一般式(II)で示されるエポキシテルペンと
一般式(III)で示される含窒素化合物とを加熱下に反応
させるか、又は一般式(III)で示される含窒素化合物を
リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;
メチルリチウム、n−ブチルリチウム、フェニルリチウ
ムなどの有機リチウム;若しくはメチルマグネシウムブ
ロマイド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグ
ネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライドな
どのグリニヤール試薬と反応させることにより対応する
金属含窒素化合物に変換したのち、該金属含窒素化合物
と一般式(II)で示されるエポキシテルペンを反応させる
ことにより行われる。一般式(II)で示されるエポキシテ
ルペンと一般式と一般式(III)で示される含窒素化合物
との反応はメチルアルコール、エチルアルコール、ジオ
キサンなどの不活性溶媒の存在下又は不存在下に通常約
80〜200℃の温度で行う。含窒素化合物の使用量は
エポキシテルペン1モルに対して約1〜5モル量であ
る。使用される含窒素化合物の沸点が反応温度よりも低
い場合には加圧下に反応を行うのが好ましい。また含窒
素化合物はアンモニア水、メチルアミン水溶液など水を
含む状態で使用できる。反応時間は反応温度により変動
するが、通常約1〜24時間である。一般式(III)で示
される含窒素化合物を対応する金属含窒素化合物に変換
する反応は、該含窒素化合物を常法に従って等モル量の
アルカリ金属、有機リチウム又はグリニヤール試薬と反
応させることにより行われる。得られた金属含窒素化合
物と一般式(II)で示されるエポキシテルペンとの反応
は、一般式(II)で示されるエポキシテルペンと一般式(I
II)で示される含窒素化合物との反応において反応温度
として約0〜100℃の温度を採用する以外は同様にし
て行うことができる。
原料として使用される一般式(II)で示されるエポキシテ
ルペンは例えば次の方法(イ)、方法(ロ)などによって製造
することができる。
(イ)一般式(II)においてX3がヒドロキシル基である化合
(上記式中、X1、Y1、X2、Y2及びnは前記定義のとおりで
ある。) 一般式(IV)で示されるアリル型アルコールをバネジウム
又はモリブデンの誘導体からなる触媒の存在下にt−ブ
チルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドな
どの過酸化物と常法に従って反応させることにより一般
式(II-1)で示されるエポキシテルペンを製造することが
できる〔J.Am.Chem.Soc.,95,6136(1973)参照〕。
(ロ)一般式(II)においてX3が水素原子である化合物 (上記式中、X1、Y1、X2、Y2及びnは前記定義のとおりで
ある。) 一般式(IV)で示されるアリル型アルコールを三臭化リン
で処理し、得られる一般式(V)で示される臭化物を亜鉛
−酢酸還元して一般式(VI)で示されるテルペンとし、該
テルペンを過安息香酸、メタクロル過安息香酸、過酢酸
などの過酸と反応させることにより一般式(II-2)で示さ
れるエポキシテルペンを製造することができる。
(ii)一般式(I)においてX2及びX3がそれぞれヒドロキシ
ル基であり、Y2及びY3がそれぞれ水素原子であり、かつ
nが1である化合物 (上記式中、X1、Y1、R1及びR2は前記定義のとおりであ
り、haloはハロゲン原子を表わす。) この方法は、一般式(VII)で示されるアルコールを塩化
イソブチルマグネシウム、臭化イソブチルマグネシウム
などのハロゲン化イソブチルマグネシウムとチタノセン
ジクロライドの存在下に反応させ、生成したグリニヤー
ル試薬と一般式(VIII)で示されるアミノケトンとを反応
させることにより行われる。グリニヤール試薬生成反応
はテトラヒドロフランなどの溶媒中で行うのが好まし
い。チタノセンジクロライドの使用量は原料の一般式(V
II)で示されるアルコールに対して約1〜10モル%の
範囲であるが、好ましくは約3〜7モル%の範囲であ
る。ハロゲン化イソブチルマグネシウムの使用量は一般
式(VII)で示されるアルコールが有するヒドロキシル基
の数によって変化し、ヒドロキシル基を1個有するアル
コールに対してはその約2倍モル、ヒドロキシル基を2
個有するアルコールに対してはその約3倍モル、ヒドロ
キシル基を3個有するアルコールに対してはその約4倍
モルである。この反応は通常、一般式(VII)で示される
アルコールのテトラヒドロフラン溶媒中に約−10℃〜
50℃の温度でハロゲン化イソブチルマグネシウムのテ
トラヒドロフラン溶液を滴下し、ついで約15〜35℃
の温度でチタノセンジクロライドを添加し約3〜10時
間攪拌することにより行う。このようにして調製したグ
リニヤール試薬と一般式(VIII)で示されるアミノケトン
との反応は通常、グリニヤール試薬の調製液にアミノケ
トンを滴下し、ついで約0〜50℃の温度で約1〜10
時間攪拌することにより行う。アミノケトンはグリニヤ
ール試薬の調製に用いた一般式(VII)で示されるアルコ
ールの1モル当り約0.7〜2モル用いるのが好ましい。
上記の方法により得られた一般式(I)で示される含窒素
テルペンアルコールを含む反応混合物をそのまま蒸留す
るか、又は該反応混合物から低沸点化合物を留去し、そ
の残渣を減圧蒸留若しくはカラムトクロマトグラフイー
に付するか、又は該反応混合物を水、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液などにあけ、ジエチルエーテル、ジクロルエ
タンなどで抽出し、抽出液を水、重曹水などで洗滌後、
無水硫酸マグネシウムなどで乾燥し、溶媒を留去したの
ち、その残渣を減圧蒸留若しくはカラムクロマトグラフ
イーに付することにより、一般式(I)で示される含窒素
テルペンアルコールを分離取得することができる。
以下、本発明化合物及び対照薬として用いたクロモリン
ナトリウム、トラニラストなどについての抗アレルギー
作用の試験及びその結果を示す。
試験方法 Hartley系雄性モルモット(体重約250g)に卵製ア
ルブミン(投与量100mg/kg))を腹腔内及び筋肉内
投与し、投与後3日目に同様の操作を行なう。3〜4週
間後、モルモットを放血致死せしめ、感作した気管支筋
を摘出し、巾1.5mmの輪状とし、これを3個繋いで標
本を作成する。Tissue浴中に該標本を釣下げ1gの負荷
を与える。浴温度を37℃に保ち、浴中に95%酸素−
5%炭酸ガスの混合ガスを常時吹き込む。標本が安定し
たのち(約1時間を要す)、Tissue浴中にヒスタミン塩
酸塩を浴中の濃度が10−5Mとなるように加え、収縮
曲線を描かせる。収縮が安定したのち、リンゲル液を用
いて10分間隔で3回洗浄し、標本の収縮を安定させる
(約1時間を要す)。次に、Tissue浴中に被検化合物を
加え、その10分後に卵製アルブミンを5mg/mlの割合
で加え、標本の収縮高を測定し、抑制率を算出する。抑
制率は次の計算式により算出する。
A:対照群の卵製アルブミン添加時の収縮高 A′:被検化合物投与群の卵製アルブミン添加時の収縮
高 H:対照群のヒスタミン塩酸塩添加時の収縮高 H′:被検化合物投与群のヒスタミン塩酸塩添加時の収
縮高 試験成績 被検化合物の濃度と抑制率を第1表に示す。
第1表から明らかなように被検化合物のすべてにおいて
抗アレルギー作用が認められ、特に本発明化合物(3)、
(5)、(7)、(9)、(21)、(27)、(29)、(32)、(35)、(3
8)、(39)及び(40)は対照薬のトラニラスト、クロモリン
ナトリウムに比べ著しく強い抗アレルギー作用を示し
た。
このように本発明化合物は抗アレルギー剤として優れた
特性を有するものであり、さらに毒性試験においても低
毒性であることが確認された。例えば、本発明化合物(3
2)の急性毒性値〔LD50(ddY系雄性マウス、体重20
〜23g、1群10匹、経口投与)〕は3875mg/kgであ
り、本発明化合物(1)〜(31)及び(33)〜(42)の急性毒性
値〔LD50(同上)〕はいずれも3500mg/kg以上であ
った。
以上の薬理試験の結果より、本発明化合物はアレルギー
反応に起因する各種の症状、例えば気管支喘息、アレル
ギー性鼻炎、蕁麻疹などの予防・治療剤として使用する
ことができる。
本発明化合物の臨床用量は、一般に成人1日当り約25
〜200mg、好ましくは50〜100mgの量で、1〜3
回に分服される。
本発明化合物は任意慣用の製剤方法で用いて経口又は非
経口投与用に調製することができる。従って、本発明は
人体医薬として好適な少なくとも1種の本発明の化合物
を含有する製剤組成物をも包含するものである。このよ
うな組成物は任意所要の製薬用担体又は賦形剤により慣
用の方法で使用に供される。
この組成物が経口用製剤である場合には、該製剤は消化
管からの吸収に好適な形態で提供されるのが望ましい。
経口投与の錠剤及びカプセルは単位量投与形態であり、
結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソ
ルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドンなど;
賦形薬、例えば乳糖、とうもろこし澱粉、りん酸カルシ
ウム、ソルビット、グリシンなど;潤滑剤、例えばステ
アリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカなど;崩壊剤、例えば馬鈴薯澱粉など;又は
許容し得る湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムなど
のような慣用の賦形剤を含有していてもよい。錠剤は当
業界において周知の方法でコーティングしてもよい。経
口用液体製剤は水性又は油性懸濁剤、溶液、シロップ、
エリキシル剤、その他であってもよく、あるいは使用す
る前に水又は他の適当なビヒクルで再溶解させる乾燥生
成物であってもよい。このような液体製剤は普通に用い
られる添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビットシロ
ップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼ
ラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素化
食用脂など;乳化剤、例えばレシチン、モノオレイン酸
ソルビタン、アラビアゴムなど;非水性ビヒクル、例え
ばアーモンド油、分別ココナット油、油性エステル、プ
ロピレングリコール、エチルアルコールなど;防腐剤、
例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ
安息香酸プロピル、ソルビン酸などを含有してもよい。
また注射剤を調製する場合には、本発明化合物に必要に
よりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤、可溶化剤な
どを添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内注射剤と
する。
本発明化合物は皮膚親和性を有することから、化粧品の
基剤成分に混入し、化粧品によるアレルギー反応に起因
する接触皮膚炎の予防に用いることもできる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
らの実施例により限定されるものではない。
実施例1 攪拌機、冷却器及び温度計を付けた2容三口フラスコ
にイソフイトール463.6g(1.57mole)、70%(重
量)t−ブチルヒドロペルオキシド水溶液221.8g
(1.72mole)及び五酸化バナジウム710mgを仕込み、9
0℃で6時間反応させた。反応終了後、反応混合物に1
4%(重量)亜硫酸ナトリウム水溶液350.4gを加
え、室温で30分間攪拌混合したのち、この混合液を分
液漏斗に移し、分液した。上層液を等容量の1N−水酸
化ナトリウム水溶液と室温で攪拌混合したのち、n−ヘ
キサンで抽出した。抽出液を等容量の水で3回洗滌し
た。ついで抽出液からn−ヘキサンを留去させることに
より1,2−エポキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデ
カン−3−オールを467.0g得た。収率96%。
Massスペクトル(m/z):312(M+) 上記の方法においてイソフイトールの代りにリナロー
ル、3,7−ジメチル−1−オクテン−3−オール又は3,
7,11−トリメチル−1−ドデセン−3−オールを用いて
同様に反応及び分離操作を行った。結果を第2表に示
す。
1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル10g及びジメチルアミン水溶液(50%)12gを
オートクレーブ内に入れ、110℃で4時間加熱攪拌し
た。反応終了後、反応混合物を減圧下に蒸着することに
より、下記の物性を有する1−(ジメチルアミノ)−3,
7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(1
6)〕を9.9%得た。収率83%。
沸点:137℃/0.5mmHg Massスペクトル(m/z):287(M+) 0.83(d,J=7Hz,9H),0.95〜1.70(m,17H), 2.05〜2.62(m,2H),2.26(s,6H), 3.43(dd,J=5及び9Hz,1H), 3.4〜3.8(broad,2H) 実施例2 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノ
ール20g及びメチルアミンメタノール溶液(30%)
70mlをオートクレーブ内に入れ、110℃で4時間加
熱攪拌した。反応終了後、反応混合物を減圧下に蒸留す
ることにより、下記の物性を有する1−メチルアミノ−
3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物
(12)〕を11.6g得た。収率51%。
沸点:133℃/0.2mmHg Massスペクトル(m/z):273(M+) 0.81(d,J=7Hz,9H),0.90〜17.0(m,17H), 2.38(s,3H),2.56〜2.73(m,2H), 3.22(broad s,3H),3.33〜3.53(m,1H) 実施例3 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル24.2g及びアンモニア水溶液(28%)10mlを
オートクレーブ内に入れ、100℃で6時間加熱攪拌し
た。反応終了後、反応混合物から低沸点化合物を留去
し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(エタノール95%及びトリエチルアミン5%の溶液で
展開)に付することにより、下記の物性を有する1−ア
ミノ−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール
〔化合物(11)〕7.8gを得た。収率30%。
Massスペクトル(m/z):259(M+) 0.82(s,J=7Hz,9H),0.90〜1.70(m,17H), 2.50〜2.90(m,2H),2.90〜3.15(broad,4H), 3.15〜3.50(m,1H) 実施例4〜17 第3−1表に示されるエポキシテルペン(II)と含窒素化
合物(III)とをそれぞれ実施例3におけると同様にして
反応させた。反応終了後、反応混合物か低沸点化合物を
留去し、その残渣を第3−1表に示す分離操作に付する
ことにより、それぞれ対応する一般式(I-1)で示される
含窒素テルペンアルコールを得た。生成物の収率と物性
値を第3−2表に示す。
実施例18 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル10g及びモリホリン10mlをフラスコ内に入れ、1
29℃で5時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物
からモルホリンを留去し、その残渣を減圧下に蒸留する
ことにより、下記の物性を有する3,7,11−トリメチル−
1−(4−モルホリノ)−2,3−ドデカンジオール〔化
合物(17)〕を100g得た。収率74%。
沸点:165℃/0.2mmHg Massスペクトル(m/z):329(M+) 0.83(d,J=7Hz,9H),1.0〜1.7(m,17H), 2.20〜2.75(m,6H),3.15〜3.55(broad,2H), 3.4〜3.6(m,1H),3.6〜3.8(m,4H) 実施例19 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル12g及びイミダゾール10gをフラスコ内に入れ、
170℃で5時間加熱反応させた。反応終了後、反応混
合物を減圧下に蒸留することにより、下記の物性を有す
る1−(1H−イミダゾール−1−イル)−3,7,11−ト
リメチル−2,3−ドデカンジオール〔化合物(21)〕を1
1.7g得た。収率17%。
沸点:205℃/0.04mmHg Massスペクトル(m/z):310(M+) 0.82(d,J=7Hz,9H),0.9〜1.8(m,17H), 3.45〜3.7(m,5H),6.82(d,J=6Hz,2H) 7.27(s,1H) 実施例20 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル7g、4−〔(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチ
ル〕ピペリジン9.23g及びトルエン20mlをフラス
コ内に入れ、110℃で2時間加熱還流した。反応終了
後、反応混合物からトルエンを留去し、その残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイー(エタノール98%及
びトリエチルアミン2%の溶液で展開)に付することに
より、下記の物性を有する3,7,11−トリメチル−1−
〔4−〔(3,4,5−トリメトキシフェニル)メチル〕ピ
ペリジニル〕−2,3−ドデカンジオール〔化合物(18)〕
を得た。収率95%。
FD−Massスペクトル:508(M+) 0.82(d,J=7Hz,9H);0.96〜1.67(m,17H); 2.3〜2.75(m,10H);3.25〜3.6(m,5H); 3.77,3.82(each s,9H);6.58(d,J=8Hz,1H); 6.95(d,J=8Hz,1H) 実施例21 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル9g、4−アミノ−1−(フェニルメチル)ピペリジ
ン22g及びキシレン30mlをフラスコ中に入れ、14
0℃で10時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物
からキシレンを留去し、その残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(エタノール95%及びトリエチルア
ミン5%の溶液で展開)に付することにより、下記の物
性を有する1−〔4−(N−ベンジル)ピペリジノアミ
ノ〕−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジオール
〔化合物(40)〕を2.5g得た。収率16%。
FD−Massスペクトル:420(M+) 0.81(d,J=7Hz,9H),0.9〜1.65(m,17H), 1.65〜2.2(m,4H),2.2〜3.0(m,6H), 3.07(broad,3H),3.3〜3.5(m,2H), 3.42(s,2H),7.27(s,5H) 実施例22〜34 第4−1表に示されるエポキシテルペン(II)と含窒素化
合物(III)とをそれぞれ加熱下に反応させた。エポキシ
テルペンの消失を確認したのち、得られた反応混合物か
ら低沸点化合物を留去し、その残渣を第4−1表に示す
分離操作に付することにより、それぞれ対応する一般式
(I-1)で示される含窒素テルペンアルコールを得た。生
成物の収率と物性値を第4−2表に示す。
実施例35〜43 第5−1表に示されるエポキシテルペン(II)と含窒素化
合物(III)とをそれぞれ実施例21におけると同様にし
て反応させた。反応終了後、反応混合物からキシレンを
留去し、その残渣を第5−1表に示す分離操作に付する
ことにより、それぞれ対応する一般式(I-1)で示される
含窒素テルペンアルコールを得た。生成物の収率と物性
値を第5−2表に示す。
実施例44 窒素雰囲気下、ジ−n−ブチルアミン12.9gのテト
ラヒドロフラン30ml溶液中にn−ブチルリチウム
(1.6M/ヘキサン溶液)65mlを−78℃で滴下
し、滴下終了後、0℃で30分間攪拌した。この溶液に
1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチル−3−ドデカノー
ル12.1gのテトラヒドロフラン20mlの溶液を0℃
でゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌し
たのち、氷水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。
抽出液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したの
ち、溶媒を留去し、その残渣を減圧下に蒸留することに
より1−ジブチルアミノ−3,7,11−トリメチル−2,3−
ドデカンジオール〔化合物(13)〕を15.8g得た。収
率85%。
実施例45 1−(メチルアミノ)−3,7,11−トリメチル−2,3−ド
デカンジオール10gとピリジン8.7gのジクロルエ
タン100mlの溶液を−30℃に冷却し、この溶液に塩
酸ニコチン酸クロリド7.2gを徐々に添加したのち、
室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を水に
あけ、ジクロルエタンで抽出した。有機層を重曹水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を留
去しその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(エタノールで展開)に付することにより、下記の物性
を有するN−メチル−N−(3,7,11−トリメチル−2,3
−ヒドロキシドデシル)ニコチンアミド〔化合物(15)〕
を12.0g得た。収率93%。
FD−Massスペクトル:378(M+) 0.83(d,J=7Hz,9H),0.9〜1.7(m,17H), 2.33(s,3H),2.3〜2.7(m,2H), 3.3〜3.7(m,1H),7.25〜7.50(m,1H), 8.25〜8.45(m,1H),8.70〜8.85(m,1H), 9.20〜9.30(m,1H) 実施例46 実施例45において1−(メチルアミノ)−3,7,11−ト
リメチル−2,3−ドデカンジオール10gの代りに1−
〔(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ〕−3,7,11,1
5−テトラメチル−2,3−ヘキサデカンジオール14.2
gを用いる以外は同様にして反応させ、得られた反応混
合物を同様にして処理することによりニコチン酸2−
〔N−(2,3−ジヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチル
ヘキサデシル−N−メチルアミノ〕エチル〔化合物(3
6)〕14.4gを得た。収率80%。
FD−Massスペクトル:492(M+) 実施例47 3,7,11−トリメチル−1−ドデセン−3−オール50
g、ピリジン0.87g及びヘキサン300mlの溶媒中
に0〜−10℃で三臭化リン30.8gを滴下した。0
℃で2時間攪拌したのち、反応混合物を水に注ぎ、ヘキ
サンで抽出した。ヘキサン層を重曹水、食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を留
去して粗1−ブロモ−3,7,11−トリメチル−2−ドデセ
ン62.5gを得た。次に、亜鉛14.2gと酢酸26
mlの懸濁液に0℃で粗1−ブロモ−3,7,11−トリメチル
−2−ドデセン62.5gを滴下したのち、室温で1時
間攪拌した。反応終了後、反応混合物から亜鉛を別
し、液を水で注ぎ、ヘキサンで抽出した。ヘキサン層
を重曹水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を留去し、その残渣を減圧下に蒸留す
ることにより下記の物性を有する3,7,11−トリメチル−
1−ドデセン10.6gを得た。収率25%。
沸点:114℃/0.35mmHg Massスペクトル(m/z):210(M+) 0.80(d,J=7Hz,9H),0.91(d,J=7Hz,3H), 1.0〜1.75(m,14H),1.75〜2.3(m,1H), 4.75〜5.03(m,2H),5.35〜5.87(m,1H) 3,7,11−トリメチル−1−ドデセン9.6gと塩化メチ
レン200mlの溶液中にメタクロロ過安息香酸10.8
gを室温で添加し、同温度で6時間攪拌した。反応終了
後、反応混合物を過し、液をチオ硫酸ナトリウム
水、重曹水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去し、その残渣を減圧下に蒸留
することにより下記の物性を有する1,2−エポキシ−3,
7,11−トリメチルドデセン6.8gを得た。収率59
%。
沸点:94℃/0.4mmHg Massスペクトル(m/z):226(M+) 1,2−エポキシ−3,7,11−トリメチルドデカン3.4g
及びメチルアミン(40%メタノール溶液)5gをオー
トクレーブ内に入れ、110℃で3時間加熱攪拌した。
反応終了後、反応混合物を減圧下に蒸留することによ
り、下記の物性を有する1−メチルアミノ−3,7,11−ト
リメチル−2−ドデカノール〔化合物(28)〕を2.0g
得た。収率51%。
沸点:125℃/0.1mmHg Massスペクトル(m/z):257(M+) 0.83(d,J=7Hz,12H),1.0〜1.7(m,15H), 2.40(s,3H),2.4〜2.6(m,2H), 3.23(broad s,2H),3.30〜3.65(m,1H) 実施例48 マグネシウム14.6g、臭化イソブチル68.5g及
びジエチルエーテル500mlから調製した臭化イソブチ
ルマグネシウム溶液に、氷冷下に4,8−ジメチル−1−
ノネン−4−オール34gのジエチルエーテル100ml
溶液を滴下し、滴下後、20分間室温で攪拌した。この
溶液に2塩化チタノセン2.5gを室温で添加し、同温
度で18時間攪拌したのち、N−メチル−N−(3−メ
チル−3−ブテン)ベンジルアミン38.2gを氷冷下
に滴下し、同温度で30分攪拌した。反応混合物を飽和
塩化アンモニウム水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出
した。エーテルを留去し、その残渣にクロロホルムを加
え、飽和食塩水、小量の重曹水で順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去し、その残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(塩化メチレ
ン95%及びトリエチルアミン5%の溶液で展開)に付
することにより、下記の物性を有する1−(メチルベン
ジルアミノ)−3,7,11−トリメチル−3,7−ドデカンジ
オール〔化合物(29)〕を7.5g得た。収率11%。
Massスペクトル(m/z):363(M+) 0.86(d,J=7Hz,6H),1.12〜1.17(each s,6H); 1.0〜1.7(m,15H),2.0〜2.25(m,3H); 2.5〜2.75'm,2H);3.3〜3.55(m,4H); 7.29(broad s,5H) 実施例49 1−(メチルベンジルアミノ)−3,7,11−トリメチル−
3,7−ドデカンジオール7.5g、パラジウムカーボン
0.75g及びエタノール30mlをオートクレーブに入
れ、水素加圧下(10atm)に40℃で反応させた。反
応終了後、反応混合物からエタノールを留去し、その残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(エタノール
95%及びトリエチルアミン5%の溶液で展開)に付す
ることにより、下記の物性を有する1−(メチルアミ
ノ)−3,7,11−トリメチル−3,7−ドデカンジオール
〔化合物(27)〕を4.3g得た。収率77%。
Massスペクトル(m/z):273(M+) 0.83(d,J=7Hz,6H),1.0〜1.8(m,21H), 2.36(s,3H),2,76(t,J=7Hz,2H), 3.0〜3.4(broad,3H) 実施例50 実施例48において4,8−ジメチル−1−ノネン−4−
オール34gの代りに4,8−ジメチル−1−ノネン−4,8
−ジオール25gを用い、かつN−メチル−N−(3−
メチル−3−ブテン)ベンジルアミン38.2gの代り
にN−メチル−N−(3−メチル−3−ブテン)ベンジ
ルアミン25.5gを用いる以外は同様にして反応さ
せ、得られた反応混合物を同様にして処理することによ
り、1−(メチルベンジルアミノ)−3,7,11−トリメチ
ル−3,7,11−ドデカントリオール〔化合物(37)〕を5.
0g得た。収率10%。
Massスペクトル(m/z):379(M+) 次に本発明の化合物のうち1−〔(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ〕−3,7,11−トリメチル−2,3−ドデカンジ
オール〔化合物(14)〕を活性成分とした製剤例を示す。
実施例51 カプセル剤 本発明化合物(14) 5g 微結晶セルローズ 80g トウモロコシデンプン 20g 乳 糖 22gポリビニルピロリドン 3g 全 量 130g 上記成分を常法により顆粒化したのち、ゼラチン硬カプ
セル1000カプセルに充填した。1カプセル中に本発明化
合物(14)5mgを含有する。
実施例52 散剤 本発明化合物(14) 50g 微結晶セルローズ 400gトウモロコシデンプン 550g 全 量 1000g 本発明化合物(14)をアセトンに溶解し、次いでこれを微
結晶セルローズに吸着させたのち、乾燥した。これをト
ウモロコシデンプンと混合し、常法により散剤として、
本発明化合物(14)の20倍散剤を調製した。
実施例53 錠剤 本発明化合物(14) 5g トウモロコシデンプン 10g 乳 糖 20g カルボキシメチルセルローズカルシウム 10g 微結晶セルローズ 40g ポリビニルピロリドン 5gタ ル ク 10g 全 量 100g 本発明化合物(14)アセトンに溶解し、次いでこれを微結
晶セルローズに吸着させたのち、乾燥した。これにトウ
モロコシデンプン、乳糖、カルボキシメチルセルローズ
カルシウムを混合し、次いでポリビニルピロリドンの水
溶液を結合剤として加えて常法により顆粒化した。これ
に滑沢剤としてタルクを加えて混合したのち、1錠10
0mgの錠剤に打状した。1錠中には本発明化合物(14)5
mgを含有する。
実施例54 注射剤 本発明化合物(14) 10g Nikkol HCO-60 (日光ケミカル社製品名) 37g ゴ マ 油 2g 塩化ナトリウム 9g プロピレングリコール 40g リン酸緩衝液(0.1M.pH6.0) 100g 蒸 留 水 全 量 1000g 本発明化合物(14)、NikkolHCO-60、ゴマ油および半量の
プロピレングリコールを混合して約80℃で加温溶解
し、これにリン酸緩衝液および塩化ナトリウムとプロピ
レングリコールを予め溶解した蒸留水を約80℃に加温
して加え、全量1000mlの水溶液とした。この水溶液
を2mlのアンプルに分注して熔閉したのち、加熱滅菌し
た。
1管中、本発明化合物(14)20mlを含有する。
〔発明の効果〕
本発明により提供される一般式(I)で示される含窒素テ
ルペンアルコール又はその薬理学的に許容される塩は、
上記の薬理試験の結果から明らかなとおり、優れた抗ア
レルギー作用を有しており、また一般式(I)で示される
含窒素テルペンアルコール又はその薬理学的に許容され
る塩を有効成分とする抗アレルギー剤は該含窒素テルペ
ンアルコール又はその薬理学的に許容される塩の有する
優れた抗アレルギー作業を効果的に発現させる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 215/12 7457−4H 215/16 7457−4H 215/24 7457−4H C07D 213/38 213/80 213/82 295/08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Xは水素原子若しくはヒドロキシル基を表わ
    し、かつYは水素原子を表わすか、又はXとY
    一緒になって結合を形成し、Xは水素原子若しくはヒ
    ドロキシル基を表わし、かつYは水素原子を表わす
    か、又はXとYは一緒になって結合を形成し、X
    は水素原子若しくはヒドロキシル基を表わし、YはX
    が水素原子である場合ヒドロキシル基を表わし、X
    がヒドロキシル基である場合水素原子若しくはヒドロキ
    シル基を表わし、R及びRは同一若しくは異なりそ
    れぞれ水素原子;ヒドロキシル基、フェニル基、ピリジ
    ル基、ピリジルカルボニルオキシ基またはモルホリノ基
    で置換されていてもよい低級アルキル基;ヒドロキシル
    基で置換されていてもよいアリール基;ベンジル基で置
    換されていてもよい4−ピペリジニル基;ピリジル基;
    ピリジルカルボニル基若しくはイソキノリル基を表わす
    か、又はRとRはこれらが結合している窒素原子と
    一緒になって員数が5若しくは6である複数環を形成す
    る。ここで、該複素環は環内に−O−、−S−、 −C=C−、−C=N−及び から成る群から選ばれる基を1〜3個有していてもよ
    く、Rは水素原子;メトキシ基を有していてもよいフ
    ェニル基で置換されていてもよい低級アルキル基又はメ
    トキシ基で置換されていてもよいアリール基を表わす。
    nは0〜2の整数を表わす。) で示される含窒素テルペンアルコール又はその薬理学的
    に許容される塩。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Xは水素原子若しくはヒドロキシル基を表わ
    し、かつYは水素原子を表わすか、又はXとY
    一緒になって結合を形成し、Xは水素原子若しくはヒ
    ドロキシル基を表わし、かつYは水素原子を表わす
    か、又はXとYは一緒になって結合を形成し、X
    は水素原子若しくはヒドロキシル基を表わし、YはX
    が水素原子である場合ヒドロキシル基を表わし、X
    がヒドロキシル基である場合水素原子若しくはヒドロキ
    シル基を表わし、R及びRは同一若しくは異なりそ
    れぞれ水素原子;ヒドロキシル基、フェニル基、ピリジ
    ル基、ピリジルカルボニルオキシ基またはモルホリノ基
    で置換されていてもよい低級アルキル基;ヒドロキシル
    基で置換されていてもよいアリール基;ベンジル基で置
    換されていてもよい4−ピペリジニル基;ピリジル基;
    ピリジルカルボニル基若しくはイソキノリル基を表わす
    か、又はRとRはこれらが結合している窒素原子と
    一緒になって員数が5若しくは6である複素環を形成す
    る。ここで、該複素環は環内に−O−、−S−、 −C=C−、 −C=N−及び から成る群から選ばれる基を1〜3個有していてもよ
    く、Rは水素原子;メトキシ基を有していてもよいフ
    ェニル基で置換されていてもよい低級アルキル基又はメ
    トキシ基で置換されていてもよいアリール基を表わす。
    nは0〜2の整数を表わす。) で示される含窒素テルペンアルコール又はその薬理学的
    に許容される塩を有効成分とする抗アレルギー剤。
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