JPH0671935B2 - ケース段積み段ばらし装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、所定作業ライン上に部
品を供給する場合、部品供給位置の直前までは複数段に
段積みされたケースに収納して部品を供給し、部品供給
位置には段積みされたケースを順次下方からばらしてケ
ースを１台ごと供給し、各ケース内の部品の供給を可能
とするとともに、ケースをばらす位置の横方向または下
方で部品が取出されたケースを１個ずつ順次段積みする
ように構成したケース段積み段ばらし装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、組立てライン上に部品を円滑に供
給して組立て作業を待ち時間なく行うため、部品が多数
収納された複数のケースを段積みして所定部品供給位置
近くに供給し、この位置で段積みされたケースを１個ご
とばらして部品供給位置に送出し、ケース内の部品を円
滑に取出せるようにした方法が用いられている。この方
法では、、段積みされたケースを１個ごとばらすに際し
て、最下段のケースを残して、他のケースを持ち上げる
レバーを持つケース段ばらし装置が使用されているが、
１個ごと取出されたケースは収納された部品が排出され
ると、次の別の作業ステーションまで送られ、そのステ
ーションに配置された段積み装置により順次段積みさ
れ、複数個ごとまとめて排出されるように構成されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そのため、複数段のケ
ースを１個ごとにばらすケース分離装置とケースを段積
みするケース段積み装置とがそれぞれ必要となり、装置
が大きくなるばかりか、装置のコストアップを招く等の
欠点が生じている。

【０００４】本発明は、上記欠点の除去を目的とするも
ので、ケースの段積み作業と段ばらし作業を１個の昇降
駆動源により可能にしたケース段積み段ばらし装置を提
供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】複数段に段積みされたケ
ースを載置可能であり、一方では複数段に段積みされた
ケースを一個づつばらし、また他方では個々のケースを
積み上げる作業を行う２台の移載台を配置する。これら
移載台には、それぞれの両側に位置して載置されたケー
ス側に突出自在なレバーを持つ昇降台が対向して設けら
れている。

【０００６】前記移載台にそれぞれ設けられた昇降台は
連結機構で連結されており、同一の昇降駆動源で一体に
昇降可能となるように構成されている。

【０００７】

【作用】上記ケース段積み段ばらし装置では、コンベア
装置上で多数段に段積みされた複数のケースが移載台に
供給されて、ケースが移載台の所定の位置に停止する
と、昇降駆動源が作動して前記移載台の両側に位置する
昇降台がレバーを後退させた状態で上昇し、２段目のケ
ースの側方で停止する。この状態から、レバーがケース
の両側からケース側に突出し、その後昇降駆動源の作動
により昇降台が上昇する。そのため、レバーが２段目の
ケースに当接して２段目より上に位置するケースを持ち
上げることができ、移載台上の１段目のケースのみが、
移載台から排出されて所定の部品供給位置に供給され
る。その後、昇降駆動源が原位置まで下降し、２段目の
ケースをその上のケースとともに移載台に復帰させ、同
時にレバーをケースの移動路から後退させる。この間、
他方の移載台の側方に位置する昇降台も前記昇降台と一
体に昇降するが、レバーがケースの移動路上に突出して
いないため、他方の移載台に載置されたケースは何ら影
響を受けない。

【０００８】一方、部品供給位置に排出されたケースか
らすべての部品が排出され、このケースが他方の移載台
の前方まで移送されると、他方の移載台の両側に位置す
る昇降台側に保持されたレバーがケースの両側からケー
スに向かって突出する。この状態で、昇降駆動源が作動
して昇降台が上昇し、これにともなって前記レバーが上
昇する。このレバーの上昇により移載台に保持された１
段目から上のケースが持ち上げられ、１段目の下方に新
たなケースが収納されるスペースを確保する。その後、
新たなケースが持ち上げられたケースの下方に供給され
て停止すると、昇降駆動源が復動して昇降台が中間の位
置まで下降する。同時に、最下段のケースの上にレバー
により持ち上げられたケースが載置されて、ケースが順
次段積みされる。その後、レバーがケースから離脱する
ようにケースの移動路上方から後退し、さらに昇降駆動
源が復動して最下位置まで下降し、次のケースに備え
る。

【０００９】

【実施例】以下実施例を図面に基づいて説明する。図
１、図２および図５において、１はケース段積み段ばら
し装置であり、段積みされた複数個のケース２をお互い
逆方向に水平方向に移動させるコンベア装置３が上下２
段に設けられている。これらコンベア装置３の一方側の
それぞれの延長上には駆動ローラ４ａを持つ移載台４，
４がが配置されている。これら上下に位置する移載台
４，４の両側には、対をなして位置する第１昇降ユニッ
ト５と、その下方で対をなす第２昇降ユニット６とが設
けられており、これら第１、第２昇降ユニット５，６は
前記移載台４，４に対応して上下に位置するように固定
されている。

【００１０】前記第１，第２昇降ユニット５，６は、移
載台４，４側が開放された機枠５ａ，６ａを有し、各機
枠５ａ，６ａには直立するリニアレール５ｂ，６ｂが２
列に取付けられており、上側の対向する２つの第１昇降
ユニット５，５に取付けられたリニアレール５ｂ上を摺
動するスライダ５ｃ，５ｃにはそれぞれ第１昇降台７
ａ，７ａが固定されている。この第１昇降台７ａ，７ａ
にはそれぞれ軸受ナット８ａが固定されおり、この軸受
ナット８ａには２本のリニアレール５ｂ，５ｂ間に位置
してこれと平行なスクリュウシャフト８ｂが螺合してそ
の位置で回転自在に構成されている。また、前記第１昇
降ユニット５の一方の機枠５ａには前記スクリュウシャ
フト８ｂに回転を伝達する回転駆動源９が固定されてお
り、この回転駆動源９が後記するベルト伝達機構１０と
ともに昇降駆動源を構成し、第１昇降ユニット５の２本
のスクリュウシャフト８ｂ，８ｂを一体に回転させるよ
うに構成されている。前記昇降駆動源は、ケース２の種
類に応じて少なくとも３ヶ所の停止位置を持つように構
成されており、ケース段積み時、ケース段ばらし時に応
じて停止位置が選択されるように構成されている。さら
に、前記スクリュウシャフト８ｂの下端にはそれぞれプ
ーリ１０ａが固定されており、これらプーリ１０ａには
ベルト１０ｂが巻回されてベルト伝達機構１０が構成さ
れており、昇降駆動源の一部を構成する回転駆動源９の
回転を受けて対向する２本のスクリュウシャフト８ｂ，
８ｂが一体に回転するように構成されている。

【００１１】また、下側の移載台４の両側で対向して位
置する第２昇降ユニット６，６に取付けられたリニアレ
ール６ｂ，６ｂ上のスライダ６ｃ，６ｃには第２昇降台
７ｂ，７ｂが固定されており、しかもこの第２昇降台７
ｂ，７ｂには第１昇降台７ａ，７ａとの間に連結機構の
一例の連結ロッド１１が連結されており、移載台４の側
方それぞれに位置する第１、第２昇降台７ａ，７ｂと別
の第１、第２昇降台７ａ，７ｂとが一体に昇降するよう
に連結されている。

【００１２】前記第１、第２昇降台７ａ，７ｂにはそれ
ぞれ移載台４の側面に沿って延びる支持プレート１２が
水平に固定されており（以下、第１昇降台７ａについて
説明する。）、この支持プレート１２の両端には同一構
造のレバー機構１３の一部を構成する取付け板１３ａが
直立して取付けられている。この取付け板１３ａは水平
方向に延びるレバー台１３ｂを有し、このレバー台１３
ｂには直立する方向に延びるピニオン軸１３ｃが回転自
在に保持されており、このピニオン軸１３ｃにはピニオ
ンギア１３ｄとその下方に位置して移載台４の上方に突
出するレバー１３ｅが固定されている。また、前記レバ
ー台１３ｂにはピニオンギア１３ｄと所定間隔を隔てて
水平方向に延びるローラ１３ｆが配置されており、この
ローラ１３ｆとピニオンギア１３ｄとに挟まれるように
水平方向に往復移動するラック１３ｇが配置されてい
る。このラック１３ｇは支持プレート１２の第１昇降台
７ａ側にシリンダ台１３ｉを介して固定された小シリン
ダ１３ｈにより往復移動し、その往復移動によりピニオ
ンギア１３ｄを回転させ、ピニオン軸１３ｃに固定され
たレバー１３ｅを回動させるように構成されている。

【００１３】前記ケース段積み段ばらし装置１の側部に
はエレベータ台（図示せず）を有するエレベータ装置１
４が配置されており、ケース段積み段ばらし装置１から
排出されるケース２を上昇側の位置でエレベータ台（図
示せず）により受取り、ケース２内の部品（図示せず）
が排出されて後、最下位置までケース２を移載してエレ
ベータ台に設けられた駆動ローラ（図示せず）によりケ
ース段積み段ばらし装置１の下側の移載台４上にケース
２を送出すように構成されている。

【００１４】上記ケース段積み段ばらし装置において、
上側のコンベア装置３から多段に段積みされた複数個の
ケース２が上側の移載台４に送り込まれる。その後、昇
降駆動源が作動し、第１、第２昇降台７ａ，７ｂが一体
に上昇し、レバー機構１３が２段目のケース２の側部に
位置して停止する。同時に、第１昇降ユニット５側のレ
バー機構１３の小シリンダ１３ｈが作動し、ラック１３
ｇが前進し、ピニオンギア１３ｄおよびピニオン軸１３
ｃを回動させ、レバー１３ｅが２段目のケース２の両側
の係合凹部それぞれの下方に突出する。この時、第２昇
降ユニット６側の小シリンダ１３ｈは作動しない。

【００１５】その後、図３に示すように昇降駆動源がさ
らに作動して第１、第２昇降台７ａ，７ｂが最上位置ま
で上昇して前記レバー１３ｅが２段目のケース２にその
両側から係合し、それより上方のケース２を持ち上げ
る。この状態で、移載台４の駆動ローラ４ａが駆動され
ると、１段目のケース２のみがエレベータ台に送出され
る。移載台４上からケース２が送出されると、昇降駆動
源が復動して第１、第２昇降台７ａ，７ｂが最下位置ま
で下降する。そのため、２段目に位置していたケース２
が１段目のケース２となって移載台４上に載置されると
ともに、レバー１３ｅがこのケース２の係合凹部から離
脱して停止する。続いて、小シリンダ１３ｈが復動し
て、ラック１３ｇが後退し、ピニオンギア１３ｄおよび
ピニオン軸１３ｃが復動してレバー１３ｅが移載台４上
から後退する。

【００１６】エレベータ装置１４のエレベータ台上に配
置されたケース２はケース２内の部品がすべて排出され
るまでその位置で停止し、すべての部品が排出される
と、エレベータ台が下降し、ケース２が最下位置まで移
動し、下側の移載台４の側方に位置する。ケース２が下
側の移載台４の側方に位置すると、これがセンサ（図示
せず）により検出され、この検出信号により第２昇降ユ
ニット６側の小シリンダ１３ｈが作動する。そのため、
ラック１３ｇが前進してピニオンギア１３ｄおよびピニ
オン軸１３ｃがレバー１３ｅとともに回動し、レバー１
３ｅが下側の移載台４上に位置するケース２の係合凹部
の下方に位置する。この時、第１昇降ユニット５側の小
シリンダ１３ｈは作動しない。この状態で、昇降駆動源
が作動し、第１、第２昇降台７ａ，７ｂが上昇する。そ
のため、図４に示すように第２昇降ユニット６側のレバ
ー１３ｅがケース２にその両側から係合して、ケース２
を持ち上げ、所定の位置で停止する。その間に、エレベ
ータ台に設けられた駆動ローラ（図示せず）が駆動さ
れ、ケース２が下側の移載台４側に送出される。

【００１７】前記ケース２が下側の移載台４上に達して
停止すると、前記昇降駆動源が僅かに復動し、レバー１
３ｅで持ち上げたケース２を新たに送り込まれたケース
２の上方に載置する。その後、第２昇降ユニット６の小
シリンダ１３ｈが復動し、ピニオンギア１３ｄおよびピ
ニオン軸１３ｃがレバー１３ｅとともに回動復帰し、レ
バー１３ｅが下側の移載台４上から後退する。これと同
時に、昇降駆動源が復動して第１、第２昇降ユニット
５，６を最下位置まで下降させる。

【００１８】その後、下側の移載台４上のケース２が所
定個載置されると、センサ（図示せず）がこれを検出し
て移載台４の駆動ローラ４ａが駆動され、所定個のケー
ス２が下側のコンベア装置（図示せず）上に送出され、
新たなケース２の積上げに備えることができる。

【００１９】なお、実施例では昇降駆動源は回転駆動源
の回転をスクリュウシャフトとこれに螺合する軸受ナッ
トとを使用して昇降動作に変換するように構成されてい
るが、これを多段シリンダ機構に代えてもよい。また、
昇降駆動源は第１昇降ユニット側に取付けられている
が、これを第２昇降ユニット側に取付けてもよい。さら
に、実施例では移載台を上下位置に配置しているが、同
一面上に並列に配置してもよく、また移載台はベルトコ
ンベアであってもよい。また、連結機構は移載台の側方
それぞれに位置する２台の昇降台を連結する連結板であ
ってもよい。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は複数段に
段積みされたケースを載置する移載台を２台有し、これ
ら移載台それぞれの両側に位置して移載台に載置される
ケース側に突出自在なレバーを備え、連結機構で連結さ
れて同一の昇降駆動源で一体に昇降可能な昇降台の昇降
により２台の移載台それぞれでケースの積み上げ作業お
よび段積みされたケースのばらし作業を行うように構成
されたケース段積み段ばらし装置であり、昇降台が連結
機構により連結されて一体に昇降可能であるため、２台
の移載台でそれぞれ行われるケースの段積みあるいは段
ばらし作業を１個の昇降駆動源の作動で行うことがで
き、このことによって従来個々の昇降台に設けられてい
た昇降駆動源が１個で済むため、装置の部品点数を減ら
すことができるとともに、装置のコンパクト化しいては
コストダウンをもはかることができる。また、本発明は
昇降駆動源が一個になることによって装置の制御が容易
になるといった効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２のＡ−Ａ線に沿った拡大断面図である。

【図２】本発明の要部平面図である。

【図３】図１の第１昇降ユニットの要部拡大断面図であ
る。

【図４】図１の第２昇降ユニットの要部拡大断面図であ
る。

【図５】本発明に係るケース段積み段ばらし装置の側面 図である。

【符号の説明】

１ ケース段積み段ばらし装置 ２ ケース ３ コンベア装置 ４ 移載台 ４ａ 駆動ローラ ５ 第１昇降ユニット ５ａ 機枠 ５ｂ リニアレール ５ｃ スライダ ６ 第２昇降ユニット ６ａ 機枠 ６ｂ リニアレール ６ｃ スライダ ７ａ 第１昇降台 ７ｂ 第２昇降台 ８ａ 軸受ナット ８ｂ スクリユウシャフト ９ 回転駆動源 １０ ベルト伝達機構 １０ａ プーリ １０ｂ ベルト １１ 連結ロッド １２ 支持プレート １３ レバー機構 １３ａ 取付け板 １３ｂ レバー台 １３ｃ ピニオン軸 １３ｄ ピニオンギア １３ｅ レバー １３ｆ ローラ １３ｇ ラック １３ｈ 小シリンダ １３ｉ シリンダ台 １４ エレベータ装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−114221（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−208432（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−118533（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−202521（ＪＰ，Ａ) 特公 昭63−61251（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数段に段積みされたケースを載置する
   移載台を２台有し、この移載台それぞれの両側に位置し
   て移載台に載置されるケース側に突出自在なレバーを備
   えた昇降台の昇降により２台の移載台それぞれでケース
   の積み上げ、段積みされたケースのばらし作業を行うケ
   ース段積み段ばらし装置において、 移載台にそれぞれ設けられた昇降台を連結機構で連結
   し、同一の昇降駆動源で一体に昇降可能としたことを特
   徴とするケース段積み段ばらし装置。