JPH0670756A - 液相気相二段階培養法およびその装置 - Google Patents

液相気相二段階培養法およびその装置

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JPH0670756A
JPH0670756A JP4247095A JP24709592A JPH0670756A JP H0670756 A JPH0670756 A JP H0670756A JP 4247095 A JP4247095 A JP 4247095A JP 24709592 A JP24709592 A JP 24709592A JP H0670756 A JPH0670756 A JP H0670756A
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JP
Japan
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culture
liquid
phase
tank
plant tissue
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Pending
Application number
JP4247095A
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English (en)
Inventor
Takeyuki Nakayama
山 雄 之 中
Morio Mimura
村 精 男 三
Yoshimasa Takahara
原 義 昌 高
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 液体培養により細胞を増殖させた後、培養液
を除去した細胞を直接シードとして用いて気相培養を行
うか、あるいは、内部に気相培養に用いる溝切板を設け
た培養槽にて液体培養を行って細胞を増殖させた後、培
養液を抜き取り、溝切板上で気相培養を行う。 【効果】 きわめて効率的に植物組織の大量培養ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物細胞を大量に培養
生産するシステムに関するものであり、更に詳細には、
植物組織を液相気相の二段階で培養する方法及びそのた
めの装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物細胞を大量培養するには、「バイオ
テクノロジー事典」株式会社シーエムシー(1986年
10月9日発行)p.559〜560からも明らかなよ
うに、固体培養、液内分散培養、深部培養等の方法があ
り、液体培養ないし気相培養によって植物細胞の大量培
養が行われている。
【0003】しかしながらこれら従来の技術では、いず
れも、一回のバッチにおいて、シードとして接種された
細胞は、液相または気相のいずれか一方のみで培養が行
われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来既知の植物細胞の
培養方法の内、液体培養では、細胞が増殖すると大容量
での通気攪拌が困難となるばかりでなく、攪拌に大量の
エネルギーを要し、しかも細胞が増殖して大きな細胞塊
となり大量培養に適さなくなってしまう。また、気相培
養では、大量のシードを接種するのに難点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
法の欠点を解決して植物組織を効率的に大量培養するシ
ステムを新規に開発する目的でなされたものであって、
各方面から鋭意研究した結果、液体培養により細胞を増
殖させた後、培養液を除去した細胞を直接シードとして
用いて気相培養を行うことにより、各種の植物組織を効
率的に大量培養するのにはじめて成功し、この新知見を
基礎として更に研究を重ね、そのための最適な装置の開
発にも成功し、本発明の完成に至ったものである。
【0006】すなわち、本発明は、植物組織の液相気相
二段階培養法及びそれを実施するための装置であって、
以下にその詳細について記述する。
【0007】本発明の培養法は、あらかじめ滅菌した培
養槽にてあらかじめ滅菌した培養液を用いて植物組織を
液体培養する工程と、植物組織が気相培養のシードに用
いれる程度にまで増殖した段階であらかじめ滅菌した内
部に溝切板を配置した培養槽に植物組織を移し換える工
程と、内部に溝切板を配置した培養槽の溝切板に植物組
織をまんべんなくのせる工程と、液体培養に用いた培養
液あるいはあらかじめ滅菌した新たな培養液を溝切板上
の植物組織に供給して培養する工程とを包含する。
【0008】使用する培養装置は、図1および図2に示
すように、液体培養槽1および気相培養槽2からなり、
各槽とも滅菌および温度調節装置11、21を備える。
各槽は、送液パイプ4によって接続されており、送液ポ
ンプ3を介している。図1の場合、気相培養槽2は送液
ポンプ3より注入と排出の2本の送液パイプ4を備え
る。送液パイプ4には必要に応じてバルブ5、6、7が
設けられる。図2の場合、気相培養槽2は送液ポンプ3
より溝切板22に対応した本数の送液パイプ4を備え、
各送液パイプ4の先にはノズル9を備える。送液パイプ
4には必要に応じてバルブ5が設けられる。培養槽1の
上面には植物組織をシードとして接種するための植込口
12および通気口17が、培養槽2の上面あるいは側面
には植物組織を培養後回収するための回収口26および
通気口25が設けられている。
【0009】培養槽の1内部には、モーター14によっ
て駆動される攪はん翼13、通気口16からの空気を分
散させるスパージャー15が配役されている。培養槽2
の内部には、植物組織を保持する少なくとも一段の溝切
板22が配設されている。溝切板22は、送液管23に
より培養槽底部と接続されており、送液ポンプ24によ
って培養槽下部に溜まった培養液が送液ポンプ23を介
して送られる。培養液の供給は、連続的あるいは断続的
に行われその流量は任意に設定される。
【0010】使用する培養装置のそれぞれの動作を、図
3、図4及び図5、図6に示す。
【0011】図3、図4は、図1に示した培養装置の動
作を示すものである。
【0012】1)あらかじめ滅菌した培養槽1にてあら
かじめ滅菌した培養液を用いて植物組織を液体培養す
る。(図3−A) 2)植物組織が気相培養のシードに用いれる程度にま
で、増殖させる。(図3−B) 3)バルブ5、6を開き、送液パイプ4、送液ポンプ3
を介し、あらかじめ滅菌した培養槽2へ植物組織を培養
液ごと移す。(図3−C、図3−D) 4)植物組織を沈降させ溝切板22に植物組織をまんべ
んなくのせる。(図4−E) 5)バルブ6を閉じ、バルブ7を開き、送液パイプ4、
送液ポンプ3を介し、培養槽2の培養液を抜き取る。
(図4−F、図4−G) 6)液体培養に用いた培養液あるいはあらかじめ滅菌し
た新たな培養液を溝切板22上の植物組織に供給して培
養する。(図4−H)
【0013】図5、図6は、図2に示した培養装置の動
作を示すものである。
【0014】1)あらかじめ滅菌した培養槽1にてあら
かじめ滅菌した培養液を用いて植物組織を液体培養す
る。(図5−a) 2)植物組織が気相培養のシードに用いれる程度にま
で、増殖させる。(図5−b) 3)バルブ5を開き、送液パイプ4、送液ポンプ3、ノ
ズル9を介し、あらかじめ滅菌した培養槽2の溝切板2
2に培養液を植物組織ごとふりかける。(図5−c) 4)溝切板22に植物組織をまんべんなくのせる。(図
5−d) 5)液体培養に用いた培養液あるいはあらかじめ滅菌し
た新たな培養液を溝切板22上の植物組織に供給して培
養する。(図6−e)
【0015】上記したように本発明に係る液相気相二段
階培養法における液体培養では、通気攪はんが困難にな
るほど細胞が増殖したり、細胞が大きな塊になったりす
るまでに培養を終了する。そのため細胞が増殖したとき
の大量培養における問題が起きない。また、液相気相二
段階培養法における気相培養では、液体培養により増殖
させた細胞をシードとして用いるので、大量のシードを
接種することが可能であり大量培養が容易である。
【0016】このように、液体培養により細胞を増殖せ
しめた後に培養液を除去し、残った細胞を直接シードに
用いて気相培養を行う本発明に係る液相気相二段階培養
法によれば、効率的に植物細胞の大量培養を実施するこ
とができる。しかしながらこの方法では、液相培養槽と
気相培養槽の二つの培養槽が必要であるため、装置とし
て大がかりなものとなるし、液相培養槽から気相培養槽
へのシードの移送に伴ない、コンタミネーションの危険
性が存在し、なお改良の余地がある。
【0017】本発明は、この点を更に改良したシステム
を包含するものであって、内部に気相培養に用いる溝切
板を配置あるいは収納した培養槽にて液体培養を行い、
細胞がシードとして用いれる程度まで増殖した段階で培
養液を抜き取り、内部の溝切板上にて気相培養を行うも
のであって、単槽式システムの開発にも成功したもので
ある。
【0018】すなわち、本発明に係るもう一つの培養法
は、あらかじめ滅菌した内部に溝切板を配置あるいは収
納した培養槽にてあらかじめ滅菌した培養液を用いて植
物組織を液体培養する工程と、植物組織が気相培養のシ
ードに用いれる程度にまで増殖した段階で培養槽から培
養液を抜き取ることにより内部の溝切板に植物組織をま
んべんなくのせる工程と、抜き取った培養液あるいはあ
らかじめ滅菌した新たな培養液を溝切板の上の植物組織
に供給して培養する工程とを包含する。
【0019】使用する培養装置としては、図7(図8)
及び図9(図10)の2つの実施例に示すように(図
7、図9は液相培養時の装置を示し、図8、図10は気
相培養時の装置をそれぞれ示す。)、培養槽1からな
り、滅菌および温度調節装置3を備える。培養槽1の上
面には植物組織をシードとして接種するための植込口1
1および通気口12が、側面には植物組織を培養後回収
するための回収口13および通気口15が設けられてい
る。培養槽1の内部には、通気口15からの空気を分散
させるスパージャー14および、植物組織を保持する少
なくとも一段の溝切板2が固定あるいは収納されて配設
されている。溝切板2は、送液パイプ5により培養槽底
部と接続されており、送液ポンプ4およびバルブ6を介
している。気相培養時には送液ポンプ4によって培養槽
下部に溜まった培養液が送液パイプ5を介して送られ
る。培養液の供給は、連続的あるいは断続的に行われそ
の流量は任意に設定される。
【0020】なお、本実施例装置において、溝切板2
は、回動自在に設けられているが(図7、図8において
は中央部が枢着されており、図9、図10においては端
部が枢着されている。)先述した2槽式の実施例装置に
おけるように固定して設けてもよい。また同様に、2槽
式の実施例装置においても溝切板22を回動自在に設け
ることも充分に可能である。そして、いずれの実施例装
置においても、溝切板の設置数は適宜定めることができ
るし、溝切板の溝の深さはすべて同一にしてもよいし相
違せしめるようにしてもよい。
【0021】また、本発明に係る上記した単槽式の培養
装置は、それ自体を液相培養装置ないし気相培養装置と
してそれぞれ独立して使用することももちろん可能であ
って、本発明は、本装置を液相培養装置ないし気相培養
装置として独立して使用する点もそれぞれ権利範囲とし
て包含するものである。この場合、2基の装置を連結し
て先に述べた2槽式の培養システムを実施するのに利用
することも、もちろん可能である。
【0022】本発明に係る上記した単槽式培養装置の動
作を、図11、図12、図13、図14に示す。その内
図11、図12は図7(図8)の培養装置の動作を示
し、図13、図14は図9(図10)の培養装置の動作
を示す。
【0023】1)あらかじめ滅菌した培養槽1にてあら
かじめ滅菌した培養液を用いて植物組織を液体培養す
る。(図11−A、図13−a) 2)植物組織が気相培養のシードに用いれる程度にま
で、増殖させる。(図11−B、図13−b) 3)溝切板2を植物組織がのせられる状態にする。(図
11−C、図13−c) 4)植物組織を沈降させ溝切板2に植物組織をまんべん
なくのせる。(図12−D、図14−d) 5)送液パイプ4、送液ポンプ3を介し、培養槽1の培
養液を抜き取る。(図12−E、図14−e) 6)液体培養に用いた培養液あるいはあらかじめ滅菌し
た新たな培養液を溝切板2上の植物組織に供給して培養
する。(図12−F、図14−f)
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、液体培養と気相培養と
の有機的結合による液相気相二段階システムを新たに採
用したことにより、植物細胞を効率的に大量培養生産す
ることができる。また本発明にしたがって該システムを
単槽で実施することによって、液相培養と気相培養とを
一つの槽で行うために装置が大がかりなものとならない
し、液相培養槽から気相培養槽へのシードの移送に伴う
コンタミネーションの問題もなく、安全且つコンパクト
な装置で植物細胞を更に効率的に大量培養生産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2槽式の液相気相二段階培養装置
の1実施例を図示したものである。
【図2】同じく他の実施例を図示したものである。
【図3】図1に示した装置の動作を図示したものであ
る。
【図4】同じく動作(続き)を図示したものである。
【図5】図2に示した装置の動作を図示したものであ
る。
【図6】同じく動作(続き)を図示したものである。
【図7】本発明に係る単槽式の液相気相二段階培養装置
(液相培養時)の1実施例を図示したものである。
【図8】同じく同装置(気相培養時)の1実施例を図示
したものである。
【図9】同じく同装置(液相培養時)の他の実施例を図
示したものである。
【図10】同じく同装置(気相培養時)の他の実施例を
図示したものである。
【図11】図7(図8)に示した装置の動作を図示した
ものである。
【図12】同じく動作(続き)を図示したものである。
【図13】図9(図10)に示した装置の動作を図示し
たものである。
【図14】同じく動作(続き)を図示したものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)予じめ滅菌した培養槽にて予め滅
    菌した培養液を用いて植物組織を液体培養する工程と、
    そして、(ロ)植物組織が気相培養のシードに使用でき
    る程度にまで増殖した段階で、予じめ滅菌した内部に溝
    切板を設けてなる上記培養槽と同一又はそれとは別の培
    養槽において、該内部に設けた溝切板に植物組織をのせ
    る工程と、そして、(ハ)液体培養に用いた培養液及び
    /又は予じめ滅菌した新たな培養液を溝切板上の植物組
    織に供給し培養する工程とを包含することを特徴とする
    植物組織の液相気相二段階培養法。
  2. 【請求項2】 工程(イ)に用いる液体培養槽とは別
    に、溝切板を設けた気相培養槽を用意しておき、気相培
    養のシードに使用できる程度にまで増殖した植物組織を
    液体培養槽から気相培養槽に移しかえ、その内部に設け
    た溝切板上に植物組織をまんべんなくのせることによ
    り、工程(ロ)を実施することを特徴とする請求項1に
    記載の培養法。
  3. 【請求項3】 工程(イ)に用いる液体培養槽と同一の
    培養槽を用い、シードとして使用できる程度にまで植物
    組織が増殖した段階で、培養槽から培養液を抜き取るこ
    とにより内部に設けた溝切板上に植物組織をまんべんな
    くのせることにより、工程(ロ)を実施することを特徴
    とする請求項1に記載の培養法。
  4. 【請求項4】 滅菌および温度調節装置をそれぞれ備え
    た液体培養槽と気相培養槽とからなり、該気相培養槽
    は、(I)その内部に配設され植物組織を保持するため
    の少なくとも一段の溝切板と、(II)該溝切板と培養槽
    底部を接続する送液管と、(III)該送液管に接続され培
    養槽下部に溜まった培養液を該送液管を介して該溝切板
    に送るための送液ポンプと、を有するものであり、且
    つ、該気相培養槽と該液体培養槽とを送液パイプを介し
    て接続せしめてなること、を特徴とする液相気相二段階
    培養装置。
  5. 【請求項5】 送液パイプを、必要に応じて分岐させ、
    その先端をノズル状にしてなること、を特徴とする請求
    項4に記載の培養装置。
  6. 【請求項6】 滅菌および温度調節装置を備えた培養槽
    からなり、該培養槽は、(i)その内部に、植物組織の
    液体培養に用いるために配設したスパージャー、およ
    び、気相培養に用いるために設けた植物組織を保持する
    ための少なくとも一段の溝切板と、(ii)該溝切板と培
    養槽底部を接続する送液管と、(iii)該送液管に接続さ
    れ培養槽下部に溜まった培養液を該送液管を介して該溝
    切板に送るための送液ポンプと、を有することを特徴と
    する植物組織の単槽式液相気相二段階培養装置。
  7. 【請求項7】 溝切板を固定ないし回動自在に設けてな
    ること、を特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1
    項に記載の培養装置。
JP4247095A 1992-08-25 1992-08-25 液相気相二段階培養法およびその装置 Pending JPH0670756A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016175302A1 (ja) * 2015-04-30 2016-11-03 富士フイルム株式会社 微細藻類の培養物の培養及び回収方法
KR20170013443A (ko) * 2015-07-27 2017-02-07 에스케이바이오랜드 주식회사 박테리얼 셀룰로오스 배양액 회수장치 및 이를 이용한 박테리얼 셀룰로오스 생산방법
WO2017078007A1 (ja) * 2015-11-06 2017-05-11 学校法人日本大学 培養容器

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US11299699B2 (en) 2015-11-06 2022-04-12 Nihon University Culture container

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