JPH0670637A - きのこ栽培用パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 きのこ栽培瓶を収容したかご状コンテナを複
数個並べて収容するパレットであって、きのこ栽培瓶周
辺に滞留する炭酸ガス等の有毒ガスを、パレット底部を
通して、パレット下方に強制的に確実に吸引、排除する
ことのできるパレットを得る。 【構成】 パレット１０底部に複数の通気孔１６ａ、１
６ｂを開口する。それと共に、フォークリフトのフォー
ク４０ａ、４０ｂを差し込むパレット底部の凹部１２
に、そのフォーク４０ａ、４０ｂを差し込む箇所を避け
て、きのこ栽培瓶２０周辺に滞留する二酸化炭素等の有
毒ガスを上記通気孔１６ａ、１６ｂを通してパレット１
０下方に吸引、排除する電動ファン５０を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、きのこ栽培瓶を収容し
たかご状コンテナを複数個並べて収容するきのこ栽培用
パレット（以下、パレットという）に関する。

【０００２】

【従来の技術】きのこ栽培瓶を用いたきのこの人工栽培
においては、きのこ栽培瓶に充填したおが屑、米糠等を
混合してなる培養基を用いてきのこを栽培している。

【０００３】このきのこ栽培瓶を用いたきのこの人工栽
培においては、きのこ栽培瓶に充填した培養基にきのこ
の菌糸を蔓延させたり、そのきのこの菌糸を蔓延させた
培養基から発芽させたきのこを熟成させたりする際など
に、きのこ栽培瓶を複数本収容したかご状コンテナを複
数個パレットに並べて収容して、そのパレットを、上下
に複数段積み重ねた状態で、所定気象条件に保持したき
のこ栽培室内に収容している。

【０００４】ところで、上記のようにして、パレットを
上下に複数段積み重ねた状態できのこ栽培室内に収容し
た場合には、パレットに並べて収容したかご状コンテナ
に収容したきのこ栽培瓶周辺に、きのこ栽培瓶内で栽培
中のきのこから放出される重い炭酸ガス等の有毒ガスが
充満した状態となる。そして、その有毒ガスがきのこ栽
培瓶内で栽培中のきのこに多大な悪影響を与える。

【０００５】そのため、従来は、きのこ栽培室の壁等に
熱交換換気扇を備えて、きのこ栽培瓶内で栽培中のきの
こから放出されてきのこ栽培瓶周辺に滞留する炭酸ガス
等の有毒ガスを、きのこ栽培室外部に追い出して、代わ
りにきのこ栽培瓶周辺に酸素を多量に含む新鮮な外気を
取り入れている。熱交換換気扇は、通常の換気扇と異な
り、きのこ栽培室内の気温を外気により変動させずに、
きのこ栽培室内の空気を外気と交換できる構造をしてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パレットは、通気孔のない密閉された木製構造等をして
いて、そのパレットに収容したかご状コンテナ内のきの
こ栽培瓶周辺に滞留する炭酸ガス等の有毒ガスを、パレ
ット周壁を通して、パレット外部のきのこ栽培室内の空
気中に的確に放出させて、その放出させた空気中の有毒
ガスを熱交換換気扇によりきのこ栽培室外部の外気中に
放散させることができなかった。そして、そのパレット
外部に放出されずにきのこ栽培瓶周辺に滞留し続ける炭
酸ガス等の有毒ガスが、きのこ栽培瓶内で栽培中のきの
こに悪影響を与え続けた。

【０００７】本発明は、このような課題を解消するため
の、きのこ栽培用パレット（以下、パレットという）を
提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のパレットは、きのこ栽培瓶を収容したかご
状コンテナを複数個並べて収容するきのこ栽培用パレッ
トであって、その底部にフォークリフトのフォークを差
し込む凹部を備えたきのこ栽培用パレットにおいて、そ
のパレット底部に複数の通気孔を開口すると共に、前記
凹部に、そのフォークを差し込む箇所を避けて、前記き
のこ栽培瓶周辺に滞留する二酸化炭素等の有毒ガスを前
記通気孔を通してパレット下方に吸引、排除する電動フ
ァンを備えたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】上記構成のパレットにおいては、パレット底部
にパレット内外に通ずる複数の通気孔を開口している。
それと共に、パレット底部の凹部に、そのフォークリフ
トのフォークを差し込む箇所を避けて、パレットに収容
したかご状コンテナ内のきのこ栽培瓶周辺に滞留する二
酸化炭素等の有毒ガスを、パレット底部の複数の通気孔
を通して、パレット下方に吸引、排除する電動ファンを
備えている。

【００１０】そのため、電動ファンを回転させることに
より、パレットに収容したかご状コンテナ内のきのこ栽
培瓶内で栽培中のきのこから放出されてきのこ栽培瓶周
辺に滞留し続ける二酸化炭素等の有毒ガスを、かご状コ
ンテナ周壁の編み目及びパレット底部の複数の通気孔を
通して、パレット下方に強制的に確実に吸引、排除する
ことができる。

【００１１】それと共に、きのこを栽培中のきのこ栽培
瓶を収容したかご状コンテナを収容したパレットを、複
数段上下に積み重ねた状態で、きのこ栽培室内に収容し
た場合に、その上段に積み重ねたパレット底部の凹部に
備えた電動ファンを回転させることにより、それより下
段に積み重ねたパレットに収容したかご状コンテナ内の
きのこ栽培瓶に、その上方から空気を送り込んで、その
きのこ栽培瓶周辺に滞留する有毒ガスを、そのパレット
底部の通気孔を通して、パレット下方に押し出すことが
できる。そして、その下段に積み重ねたパレットに収容
したかご状コンテナ内のきのこ栽培瓶周辺に多量に滞留
し続ける重い二酸化炭素等の有毒ガスを、そのパレット
底部の凹部に備えた電動ファンとそのパレットより上段
に積み重ねたパレット底部の凹部に備えた電動ファンと
により、そのパレット底部の通気孔を通して、パレット
下方に余すところなく確実に排除できる。

【００１２】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に従い説明す
る。図１ないし図３は本発明のパレットの好適な実施例
を示し、図１はその正面断面図、図２はその底面図、図
３はその使用状態を示す正面図である。以下に、このパ
レットを説明する。

【００１３】図において、１０は、きのこ栽培瓶２０を
縦横に複数本並べて収容したかご状コンテナ３０を、複
数個縦横に並べて収容するパレットである。

【００１４】パレット１０は、上端が広く開口した、偏
平箱体状をしていて、硬質合成樹脂等で一体形成してい
る。

【００１５】パレット１０底部中央には、フォークリフ
トの２本のフォーク（図１に２点鎖線で示している）４
０ａ、４０ｂを差し込む所定幅の凹部１２を設けてい
る。

【００１６】凹部１２左右の厚く形成されたパレット１
０底部は、パレットの脚部１４を形成している。

【００１７】以上の構成は、従来のパレットと同様であ
るが、図のパレットでは、パレット１０底部にパレット
１０内外に通ずる通気孔１６ａ、１６ｂを多数散点状に
開口している。

【００１８】それと共に、パレット底部の凹部１２に、
そのフォークリフトの２本のフォーク４０ａ、４０ｂを
差し込む箇所を避けて、電動ファン５０を備えている。
具体的には、図２に示したように、フォークリフトのフ
ォーク４０ａ、４０ｂを差し込む凹部１２の左右側部空
間に挟まれた凹部１２中央部に、電動ファン５０を前後
に２個並べて備えている。そして、それらの電動ファン
５０を回転させることにより、パレット１０に収容した
かご状コンテナ３０内のきのこ栽培瓶２０周辺に滞留す
る有毒ガスを、かご状コンテナ周壁の編み目３２及びパ
レット底部の通気孔１６ａ、１６ｂを通して、パレット
１０下方に吸引、排除できるようにしている。それと共
に、図３に示したように、きのこ栽培瓶２０を収容した
かご状コンテナ３０を収容したパレット１０を、複数段
上下に積み重ねた状態で、きのこ栽培室内に収容した場
合に、上段に積み重ねたパレット底部の凹部１２に備え
た電動ファン５０を回転させて、下段に積み重ねたパレ
ット１０に収容したかご状コンテナ３０内のきのこ栽培
瓶２０周辺にその上方から空気を強制送給できるように
している。そして、その強制送給する空気により、下段
に積み重ねたパレット１０に収容したかご状コンテナ３
０内のきのこ栽培瓶２０周辺に滞留する有毒ガスを、そ
のパレット底部の通気孔１６ａ、１６ｂを通して、パレ
ット１０下方に押し出すことができるようにしている。

【００１９】図１ないし図３に示したパレットは、以上
のように構成している。

【００２０】なお、パレット底部の凹部１２に備える電
動ファン５０は、１個であっても３個以上であっても良
く、またパレット１０も、その周壁をかご状に形成し
て、そのパレット周壁の編み目を通気孔としても良く、
そのようにしても、上述パレットとほぼ同様な作用を持
つパレットを形成できる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のパレット
によれば、パレットに収容したかご状コンテナ内のきの
こ栽培瓶周辺に滞留する二酸化炭素等の有毒ガスを、パ
レット底部の凹部に備えた電動ファンを回転させて、か
ご状コンテナ周壁の編み目及びパレット底部の通気孔を
通して、パレット下方に強制的に確実に吸引、排除する
ことができる。そして、そのパレット下方に吸引、排除
した有毒ガスを、パレット周辺のきのこ栽培室内の空気
中を介して、きのこ栽培室の壁等に備えた熱交換換気扇
により、きのこ栽培室外部の外気中に効率よく確実に放
散させることができる。そして、代わりにきのこ栽培室
の壁等に備えた熱交換換気扇によりきのこ栽培室内に取
り入れた酸素を多量に含む新鮮な外気をパレットに収容
したかご状コンテナ内のきのこ栽培瓶周辺に送り込ん
で、その新鮮な外気によりきのこ栽培瓶内で栽培中のき
のこを順調に生育することが可能となる。

【００２２】それと共に、きのこ栽培瓶を収容したかご
状コンテナを収容したパレットを、複数段上下に積み重
ねた状態で、きのこ栽培室内に収容した場合に、その上
段に積み重ねたパレット底部の凹部に備えた電動ファン
を回転させて、それより下段に積み重ねたパレットに収
容したかご状コンテナ内のきのこ栽培瓶に、その上方か
ら空気を強制的に送り込むことができる。そして、その
強制的に送り込んだ空気により、そのきのこ栽培瓶周辺
に滞留する有毒ガスを、そのパレット底部の通気孔を通
して、パレット下方に押し出すことができる。そして、
その下段に積み重ねたパレットに収容したかご状コンテ
ナ内のきのこ栽培瓶周辺に多量に滞留し続ける重い二酸
化炭素等の有毒ガスを、そのパレット底部の凹部に備え
た電動ファンとそのパレットより上段に積み重ねたパレ
ット底部の凹部に備えた電動ファンとにより、そのパレ
ット底部の通気孔を通して、パレット下方に余すところ
なく確実に排除できる。そして、その有毒ガスを排除し
たきのこ栽培瓶周辺に熱交換換気扇によりきのこ栽培室
内に取り入れた酸素を多量に含む空気を送り込むことが
できる。そして、その下段に積み重ねたパレットに収容
したかご状コンテナ内のきのこ栽培瓶内で栽培中のきの
こを順調に生育することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパレットの正面図である。

【図２】本発明のパレットの底面図である。

【図３】本発明のパレットの使用状態を示す正面図であ
る。

【符号の説明】 １０ パレット １２ 凹部 １６ａ、１６ｂ 通気孔 ２０ きのこ栽培瓶 ３０ かご状コンテナ ３２ 編み目 ４０ａ、４０ｂ フォークリフトのフォーク ５０ 電動ファン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 きのこ栽培瓶を収容したかご状コンテナ
   を複数個並べて収容するきのこ栽培用パレットであっ
   て、その底部にフォークリフトのフォークを差し込む凹
   部を備えたきのこ栽培用パレットにおいて、そのパレッ
   ト底部に複数の通気孔を開口すると共に、前記凹部に、
   そのフォークを差し込む箇所を避けて、前記きのこ栽培
   瓶周辺に滞留する二酸化炭素等の有毒ガスを前記通気孔
   を通してパレット下方に吸引、排除する電動ファンを備
   えたことを特徴とするきのこ栽培用パレット。