JPH0670158B2 - 塩化ビニル系プラスチゾル組成物 - Google Patents

塩化ビニル系プラスチゾル組成物

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JPH0670158B2
JPH0670158B2 JP61177093A JP17709386A JPH0670158B2 JP H0670158 B2 JPH0670158 B2 JP H0670158B2 JP 61177093 A JP61177093 A JP 61177093A JP 17709386 A JP17709386 A JP 17709386A JP H0670158 B2 JPH0670158 B2 JP H0670158B2
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正樹 旭
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三菱化成ビニル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、新規な塩化ビニル系プラスチゾル組成物に係
わり、さらに詳しくは成形品内部から可塑剤の意向のな
いいわゆる非移行性にすぐれ、かつ防黴性を有する成形
品を与えることのできる塩化ビニル系プラスチゾル組成
物に係わる。
「従来の技術」 塩化ビニル系樹脂は、可塑剤を配合する事により極めて
広範囲にその物理的性質を変えることが出来、各種用途
に適した熱可塑性樹脂として工業的に広く用いられてい
る。塩化ビニル系樹脂の中でもペースト用塩化ビニル系
樹脂は、可塑剤を配合する事によりプラスチゾルとな
り、容易に加工できるため工業的に利用価値が高い。か
かるプラスチゾルの可塑剤としては、ジオクチルフタレ
ートをはじめとするフタル酸エステルやジオクチルアジ
ペート等の脂肪酸エステルが可塑化効率にすぐれ、最も
一般的である。しかしながら、これら可塑剤は、成形品
内部から表面へ移行する性質が大きく、これを含む成形
品は、経時的に、可塑剤の減少による物性の低下をきた
すばかりでなく、該成形品と他の樹脂成形品とを長時間
接触させると、他の樹脂成形品へ可塑剤が移行し、樹脂
成形品の変質及び劣化を引き起こす原因となっている。
非移行を目的としてトリメリット酸エステル系可塑剤や
アジピン酸とエチレングリコールや1,3−ブタンジオー
ル等を縮重合させて得られた液状のポリエステル系可塑
剤の使用又は併用が試みられているが、移行性はある程
度改良されるものの、充分な非移行を達成するに必要な
高分子量のものは得ることが難しく、またこれらの可塑
剤は高価格であり、かつ可塑化効率が前述のものに比べ
て著しく劣り、同程度の可塑化効率を得ようとすると高
価格のものを多量に用いねばならず経済的にも不利であ
るばかりでなく、得られた成形品にも多量の可塑剤を配
合したことによる他の悪影響が生じ、プラスチゾル組成
物の汎用の可塑剤とは成り得ない。
高度の非移行性を達成する目的で、塩化ビニル系樹脂の
可塑化に柔軟性のある高分子化合物、例えばエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−一酸化炭素−酢酸ビニ
ル共重合体、熱可塑性ポリウレタン、NBR等を塩化ビニ
ル系樹脂に配合する試みが成されているが、このような
高分子化合物はいずれも固体又は半固体でありプラスチ
ゾルとはなり得ない。
「発明が解決しようとする問題点」 かかる事情に鑑み、本発明者は、プラスチゾル組成物か
ら可塑剤非移行の成形品を得ることについて鋭意検討し
た結果、ラクトン系重合体の中でも、特にポリ−β−メ
チル−δ−バレロラクトンが結晶性が低く、かつ高分子
量であっても液状となることを見出し、該ラクトン重合
体をペースト用塩化ビニル系樹脂の可塑剤として配合す
ることに依って、非移行性に優れ、且つ防黴性を有する
成形物を得ることの出来る事を見いだし、本発明を完成
するに至った。
すなわち、本発明の目的は、非移行性及び防黴性にすぐ
れた成形品を得ることのできる塩化ビニル系プラスチゾ
ル組成物を提供するにある。
「問題点を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、ペースト用塩
化ビニル系樹脂100重量部当り、重量平均分子量1000以
上の、液状のポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン25
〜400重量部を混合してなる塩化ビニル系プラスチゾル
組成物に存する。
本発明に詳細に説明するに、本発明の塩化ビニル系プラ
スチゾル組成物に用いるペースト用塩化ビニル系樹脂と
しては、塩化ビニルまたは塩化ビニルとそれに共重合可
能なコモノマーとの混合物を微細懸濁重合法または乳化
重合法等ペースト用塩化ビニル系樹脂製造に通常に適用
される方法によって製造されるものすべてが用いられ
る。
しかして、塩化ビニルと共重合可能なコモノマーとして
は、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル
酸エステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、ジブチルマレエー
ト、ジエチルマレエート等のマレイン酸エステル類、ジ
ブチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマール酸
エステル等、ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエー
テル、ビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル類、エチレン、プロピレン、スチレン等のαオレフ
ィン類、塩化ビニリデン、臭化ビニル等の塩化ビニル以
外のハロゲン化ビニル類が挙げられ、これらコモノマー
は、塩化ビニル系樹脂の構成成分中30重量%以下、好ま
しくは20重量%以下の範囲で用いられる。
勿論、コモノマーは、上述のものに限定されるものでは
ない。
本発明の組成物に用いる液状のポリ−β−メチル−δ−
バレロラクトンは、β−メチル−δ−バレロラクトンの
開環重合によっても、また、対応する炭素原子数を有す
る3−メチル−5−ヒドロキシ吉草酸の重縮合によって
も得ることができる。ポリ−β−メチル−δ−バレロラ
クトンは、不斉炭素を有し、低結晶性であって、高分子
量でも液状となり、また工業的に入手し易い。ポリ−β
−メチル−δ−バレロラクトンの重量平均分子量は1000
以上である必要があり、充分な非移行性を達成するため
には3000以上であるのが望ましい。重量平均分子量が10
00より小さい場合は、塩化ビニル系プラスチゾル組成物
の透明性が悪化するなど組成物に対するポリ−β−メチ
ル−δ−バレロラクトンの水酸基の悪影響が強くなる。
また、非移行性の面から見るとポリ−β−メチル−δ−
バレロラクトンの分子量は大きい方が望ましいが、一方
では分子量が大きくなるとペースト用塩化ビニル系樹脂
を可塑化する能力が低下するばかりでなく、ポリ−β−
メチル−δ−バレロラクトンの製造コストが上昇し、経
済的に不利になるので100000以下であるのが有利であ
る。
しかして、ペースト用塩化ビニル系樹脂とポリ−β−メ
チル−δ−バレロラクトンの組成割合は、ペースト用塩
化ビニル系樹脂の所望する可塑化の程度によってまたプ
ラスチゾル組成物の用途によって等各種要件によって異
なるけれども、通常前者100重量部に対して後者を25〜4
00重量部の範囲から適宜決定すれば良い。本発明の組成
物は、ペースト用塩化ビニル系樹脂及びポリ−β−メチ
ル−δ−バレロラクトンを通常、常温において、均一に
混合して製造される。
ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトンが25重量部より
少ないばあいは、ペースト用塩化ビニル系樹脂からプラ
スチゾル組成物を得ることあ困難であり、一方、400重
量部より多くなると塩化ビニル系プラスチゾル組成物か
ら成形品を製造したときその形状保持が困難となる。
本発明の組成物は、ペースト用塩化ビニル系樹脂及び、
ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン等の他に、必要
に応じて、他の可塑剤、安定剤、着色剤、発泡剤、架橋
剤、充填剤等を含有することが出来る。
「発明の効果」 本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物は、液状のポ
リ−β−メチル−δ−バレロラクトンを塩化ビニル系樹
脂の可塑剤として用いるため、該組成物から得られた成
形品に他の樹脂成形品が接触しても可塑剤が良好な非移
行性を示し、また1000よりも低分子量の可塑剤が含有さ
れていないため、可塑剤の抽出等の現象は生じず、その
ため成形品の経時的な硬度の変化は認められない。従っ
て、本発明の組成物は、自動車内装材、壁紙、床材、医
療用フイルム又はチューブ、パッキン等の材料としての
利用価値が高い。
「実施例」 次に、本発明の塩化ビニル系プラスチゾル組成物を実施
例に詳述するが、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。
なお、各実施例、比較例によって得られた塩化ビニル系
プラスチゾル組成物の粘度、移行性、硬度変化は、次の
方法によって評価した。
<粘度> ペースト用塩化ビニル系樹脂に第1表の様なポリ−β−
メチル−δ−バレロラクトン又は可塑剤、安定剤等を配
合し、該配合物をホバートミキサー等を使用して常法に
従ってプラスチゾル組成物を得、ワイゼンベルグ粘度計
にてズリ速度1.3sec-1における粘度を測定した。
<移行性> 粘度評価で得たプラスチゾル組成物をガラス板上に約0.
6mm厚に塗工した後、200℃で5分間加熱熔融させてシー
トを得、該シートを複数枚重ねて160℃、100kg/cm2の条
件で5分間プレスし、厚さ3mmのシートを成形した。こ
のプレスシートから幅2mm、長さ50mmの試験片を切り出
し、ドライ及びウエットの2条件下で移行性を評価し
た。
評価基準は、目視で表面状態に全く変化が認められない
ものを◎印とし、順次良好なものから○、△、×の4段
階で行った。
ドライ条件: ポリスチレンシート、ABSシート、メタリック塗装シー
ト各々に試験片を重ね、これをガラス板で挟み、300gr
の荷重下、60℃のオーブン中に7日間放置したのち、試
験片を剥離し、各シートの表面状態を調べた。
ウエット条件: 温度80℃、湿度90%に調節したオーブン中に試験片のみ
を12日間放置した後、試験片を取り出し、該試験片につ
いて更にドライ条件と同様の方法によって試験されたポ
リスチレンシート、ABSシート、メタリック塗装の各シ
ートの表面状態を調べた。
<硬度変化> 移行試験用に作成したシートを利用して、JIS K6301に
従い硬度を測定した。更に該シートを25℃で3ケ月静置
した後の硬度を測定した。
<防黴性> 移行試験用に作成したシートを100cm2の大きさに切り取
り、30℃の水を入れた恒温水槽の内側に貼付け、1ケ月
後の黴の発生を目視で観察、評価した。
評価基準は次の通りとした。
◎:シートに黴の発生が認められない。
○:シートの1/3以下に黴の発生が認められる。
△:シートの1/3〜2/3に黴の発生が認められる。
×:シートの2/3以上に黴の発生が認められる。
実施性1 ペースト用塩化ビニル樹脂(商品名ビニカP−440(三
菱化成ビニル(株)社製))100重量部に、重量平均分
子量12000、水酸基価9のポリ−β−メチル−δ−バレ
ロラクトン60重量部とBa/Zn系安定剤3重量部とを配合
してプラスチゾルを得て、粘度、硬度、移行性の評価に
供した。
実施例2 実施例1においてポリ−β−メチル−δ−バレロラクト
ンとして重量平均分子量2000、水酸基価57のものを用い
た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
実施例3 実施例1において、ポリ−β−メチル−δ−バレロラク
トンの量を100重量部とした以外は、実施例1と同様に
評価を行った。
実施例4 実施例1においてペースト用塩化ビニル樹脂として商品
名ビニカR−1069(三菱化成ビニル(株)社製)を用い
た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
実施例5 実施例2においてペースト用塩化ビニル樹脂として商品
名ビニカR−1069を用いた以外は、実施例2と同様に評
価を行った。
実施例6 実施例1において更にミネラルスプリット5重量部を配
合して評価を行った。
比較例1 実施例1においてポリ−β−メチル−δバレロラクトン
の代わりにトリメリット酸エステル系可塑剤(商品名D
−1170(三菱化成ビニル(株)社製))を用いた以外
は、実施例1と同様に評価を行った。
比較例2 実施例1においてポリ−β−メチル−δバレロラクトン
の代わりに汎用ポリエステル可塑剤(商品名D−409
(三菱化成ビニル(株)社製))を用いた以外は、実施
例1と同様に評価を行った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペースト用塩化ビニル系樹脂100重量部当
    り、重量平均分子量1000以上の、液状のポリ−β−メチ
    ル−δ−バレロラクトン25〜400重量部を混合してなる
    塩化ビニル系プラスチゾル組成物。
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