JPH0669972B2 - オレフイン類の異性化方法 - Google Patents

オレフイン類の異性化方法

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JPH0669972B2
JPH0669972B2 JP61052305A JP5230586A JPH0669972B2 JP H0669972 B2 JPH0669972 B2 JP H0669972B2 JP 61052305 A JP61052305 A JP 61052305A JP 5230586 A JP5230586 A JP 5230586A JP H0669972 B2 JPH0669972 B2 JP H0669972B2
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isomerization
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dimethyl
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洋 佐藤
秀人 戸島
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住友化学工業株式会社
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はオレフィン類の異性化方法、特に二重結合の位
置異性化方法に関するものである。
<従来の技術および発明が解決しようとする問題点> オレフィン類は農薬、香料、化成品あるいは高分子化合
物の基幹原料として用いられており、かかるオレフィン
類は通常、各種異性体の混合物として一旦製造された
後、これを触媒の存在下に異性化することにより製造さ
れる。
従来より知られているオレフィン類の異性化法としては
次のような方法が知られている。
(イ) プロトン酸、ルイス酸等の触媒を用いるカチオ
ン的異性化方法(例えばインダストリアル・アンド・エ
ンジニアリングケミストリー41,2564(1949))。
(ロ) アルカリ金属、アルカリ金属アルコラート等の
触媒を用いるアニオン的異性化方法(例えばジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ87,3
245(1965))。
(ハ) πアリール型ニッケル錯体等の遷移金属錯体触
媒を用いるハイドライド付加脱離機構による異性化方法
(例えば米国特許第3644558号)。
しかしながら、(イ)の方法では異性率を向上させよう
とすると、分子間反応によるオリゴメリ化などの副反応
が併発する点、さらには酸による装置腐食などの種々の
難点を抱えている。また(ロ)の方法ではジメチルホル
ムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の特
殊な非プロトン系強極性化合物を溶媒として必要とする
という難点、(ロ)の方法では繁雑な手法で別途錯体を
製造する必要があり、しかも該錯体が不安定で取扱いが
問題であるという難点を有している。
本発明者らはこれ等公知方法の難点を改善すべく検討を
行い、既に有機アルミニウムとクロル化フェノールとを
触媒として用いるオレフィン類の異性化方法を提案して
いる(特公昭57−48094号)が、その後さらに検討を重
ねた結果、有機アルミニウムと特定のフッ素化アルコー
ルとを触媒として使用すれば、オレフィン類の異性化が
より少ない触媒量でも進行し、しかも高い異性化率を示
すことを見い出し本発明を完成した。すなわち本発明は
一般式(I) AlR3 (I) (式中、Rは低級アルキル基を示す。) で表わされる有機アルミニウム系化合物と一般式(II) (式中、m,nは4≦m+n≦6を満す正の数を示す。) で表わされるフッ素化イソプロパノールとを触媒として
用いることを特徴とするオレフィン類の工業的に優れた
異性化方法を提供するものである。
本発明において使用される有機アルミニウム系化合物
(I)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ
−i−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミ
ニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブ
チルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、
トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−シクロヘキシ
ルアルミニウム等が載げられる。
またフッ素化イソプロパノール(II)としては、例え
ば、1,1,3,3−テトラフルオロイソプロパノール、1,1,
1,3−テトラフルオロイソプロパノール、1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロイソプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロイソプロパノール等が載げられる。これ等のう
ち特に、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノー
ルが好ましい。
かかる有機アルミニウム系化合物(I)およびフッ素化
イソプロパノール(II)はそれ単独ではオレフィン類の
異性化活性は全く示さず、これらが共存して始めて異性
化活性を示す。これらの触媒成分の使用比率はモル比で
通常(II)/(I)=0.1〜10、好ましくは0.5〜5であ
る。
また異性化の対象であるオレフィン類としては直鎖状、
分岐状あるいは環状のオレフィン、ジオレイン等を用い
ることができ、例えば2,3−ジメチル−1−ブテンのよ
うな未端オレフィンを2,3−ジメチル−2−ブテンのよ
うな内部オレフィンに、また2,5−ジメチル−1,4−ヘキ
サジエンのような非共役ジエンを2,5−ジメチル−2,4−
ヘキサジエンのような共役ジエンに異性化できる。
オレフィン類を異性化させるにあたっては、原料オレフ
ィンを溶媒として用いることもできるが、適当な溶媒を
用いるのが好ましい。
溶媒としてはシクロヘキサン、n−ヘキサン、6−ヘプ
タンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素、ジクロルエタン、クロロホルム、四塩
化炭素、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン、
トリクロルエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素、ク
ロルベンゼン、ブロムベンゼン、フルオロベンゼン、o
−ジクロルベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素な
どが載げられる。
また本発明で使用される触媒は通常は均一系の状態で作
用するので、その使用量は極く少量で済み通常、原料オ
レフィン1モルに対し有機アルミニウムとして10-5〜10
-2モル程度が用いられるが異性化の難易度によって更に
多量用いる場合もある。反応温度は−20℃〜150℃、好
ましくは10〜100℃であるが、この温度範囲も原料オレ
フィン等によって変化する。
反応終了後は例えば、メタノールを添加する等の通常の
方法で触媒を失活させた後、精留等の手法により目的物
を取得することができる。
<発明の効果> かくして目的とする異性化物が得られるが、本発明によ
れば、公知方法に比し少ない触媒量で、目的物が高い異
性化率で得られ、しかも副生物も少ないという利点をも
たらす。
また、本発明で使用する触媒は触媒成分を単に混合する
のみで得られるのみらならず、その取扱いも極めて容易
であり、その上装置腐食の問題もないので、本発明はこ
れ等の点でも工業的に有利である。
<実施例> 以下に実施例を載げて本発明を具体的に説明するが、本
発明は、これらに限定されるものではない。尚、異性化
率は下式により算出した。
実施例1 50mlの冷却器付き3つ口フラスコを窒素置換後、乾燥ト
ルエン5ml、ガスクロマトグラフの内標としての乾燥n
−ペンタン5ml(3.13g)、及び2,3−ジメチル−1−ブ
テン5ml(3.40g;40.5mmol)を仕込んだ後、内温を20℃
に保ち、テフロン製マグネチックスターラーで撹拌しな
がら、トリエチルアルミニウム0.162mmolを含むトルエ
ン溶液1.62ml及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプ
ロパノール(以後HFIPと略す)0.243mmolを含むトルエ
ン溶液2.43mlをこの順に添加し1時間反応させた。反応
液中のトリエチルアルミニウム(以後TEAと略す)の基
質に対する濃度は0.4mol%、HFIP/TEAmol比は1.5とな
る。
反応終了後メタノールで反応を停止し、ガスクロマトグ
ラフによって生成物を定量したところ、2,3−ジメチル
−1−ブテンが2.1mmol、2,3−ジメチル−2−ブテンが
37.2mmolで異性化率=94.8%、オリゴマーは1.2mmol
で、原料オレフィンの3%がオリゴメリ化したのみであ
った。
比較例1 実施例1に於けるHFIPに代えて2,4,6−トリクロルフェ
ノール(TCP)を用いる以外は、実施例1と全く同一に
異性化反応を行なった。反応液中のTEAの基質に対する
濃度は0.4mol%、TCP/TEAmole比は1.5となる。得られた
結果は、異性化率は84.6%、オリゴマーは3%であっ
た。
比較例2 典型的なルイス酸である無水塩化アルミニウムのみを、
基質である2,3−ジメチル−1−ブテンの0.4mol%、触
媒として用いる他は、実施例1に準じて異性化反応を行
なった。得られた結果は、原料オレフィンの96%がオリ
ゴマー化していた。
実施例2 実施例1に於けるHFIPの量を表−1に示す量に変える他
は、実施例1に準じて、2,3−ジメチル−1−ブテンの
異性化反応を行なった。得られた結果を表−1に示す。
実施例3 実施例1に於けるTEAの量を基質である2,3−ジメチル−
1−ブテンに対し0.1mol%用い、かつHFIPの量をHFIP/T
EAmole比=1.25となるように用いる以外は、実施例1に
準じて異性化反応を行なった。得られた結果を表−2に
示す。
比較例3 比較例1に於けるTEAの量を、基質である2,3−ジメチル
−1−ブテンに対し0.1mol%用い、かつTCPの量をTCP/T
EAmole比=1.25となるように用いる以外は、比較例1に
準じて異性化反応を行なった。
得られた結果を表−2に示す。
実施例4 実施例1に於けるHFIP/TEAをmole比=1.5に保持したま
まTEAの基質(2,3−ジメチル−1−ブテン)に対する濃
度を表−3に示す様に変化させた。得られた結果を表−
3に示す。
比較例4 実施例4No.1において、HFIPの代りにTCPを同モル用いる
以外は実施例4と同様に行った。
異性化反応は実質的に起っていなかった。
実施例5 実施例1に於ける基質を2−メチル−1−ペンテンに変
え、TEAを基質の1.0mole%用い、かつHFIP/TEAmole比=
1とする以外は、実施例1に準じて反応を行なった。2
−メチル−2−ペンテへの異性化率は92.3%、オリゴマ
ー化率は3.2%であった。
実施例6 実施例1に於ける基質を、1−ヘキセンに変え、TEAを
基質の1.0mole%用い、かつHFIP/TEAmole比=4.5とし
て、80℃で30分異性化反応を行なった。2−ヘキセンへ
の異性化率=16.3%、cis及びtraus−3−ヘキセンへの
異性化率=61.8%で全異性化率=78.1%、オリゴマー化
率=9%であった。
実施例7 実施例1に於けるHFIPに代えて、1,1,1,3−テトラフル
オロイソプロパノールを0.243mmol用いる他は、実施例
1に準じて2,3−ジメチル−1−ブテンの異性化反応を
行なった。異性化率は73.5%、オリゴマー化率は3%で
あった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) AlR3 (I) (式中、Rは低級アルキル基を示す。) で表わされる有機アルミニウム系化合物と一般式(II) (式中、m,nは4≦m+n≦6を満す正の数を示す。) で表わされるフッ素化イソプロパノールとを触媒として
    用いることを特徴とするオレフィン類の異性化方法。
JP61052305A 1986-03-10 1986-03-10 オレフイン類の異性化方法 Expired - Lifetime JPH0669972B2 (ja)

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