JPH0669864A - 移動体通信における電話信号送信方法 - Google Patents

移動体通信における電話信号送信方法

Info

Publication number
JPH0669864A
JPH0669864A JP4245743A JP24574392A JPH0669864A JP H0669864 A JPH0669864 A JP H0669864A JP 4245743 A JP4245743 A JP 4245743A JP 24574392 A JP24574392 A JP 24574392A JP H0669864 A JPH0669864 A JP H0669864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
circuit
time
telephone
identification information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4245743A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Ito
貞男 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwatsu Electric Co Ltd
Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iwatsu Electric Co Ltd filed Critical Iwatsu Electric Co Ltd
Priority to JP4245743A priority Critical patent/JPH0669864A/ja
Publication of JPH0669864A publication Critical patent/JPH0669864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Time-Division Multiplex Systems (AREA)
  • Reduction Or Emphasis Of Bandwidth Of Signals (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電話信号の送受信情報量を減少した移動体通
信を提供すること。 【構成】 複数のゾーンをカバーする各無線基地局30
と、無線基地局30と交信するために電話信号をのせた
無線チャネルを用いた各移動無線機100との間の通信
を交換するための関門交換機20とを用い、無線基地局
30と移動無線機100の双方が、通話の最初の段階で
電話信号を時間的に細分した区切られた多数の時間片信
号を記憶して、通話中は時間片信号の識別信号のみを送
信し受信側はこの識別信号により電話信号を再生する。 【効果】 送信すべき情報量が大幅に減少した。これを
送信電力の低減に使用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電話などの帯域を有する
信号を通信するシステムにおいて移動通信等とくに周波
数の有効利用度が要求される通信において有効な電話信
号送信方法に関する。さらに具体的には、ある無線チャ
ネルが与えられ、これを用いてサービス・エリア内の多
数の移動無線機のうちの1つが、対向する無線基地局と
無線回線を設定して通信している最中に、他の移動無線
機が同一無線チャネルを用いて他の無線基地局と通信を
開始したとき、周波数の有効利用上あるいは電波伝搬特
性上の理由で、それぞれ通信中の移動無線機と、無線基
地局との間の通信に悪影響を及ぼすことを未然に除去す
ると同時に、送信すべき情報量を飛躍的に低減して送信
出力の逓減による周波数の有効利用性を向上する方法を
提供せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】小ゾーン方式を適用した音声を用いる移
動体通信において、本発明の適用に適するシステム、あ
るいは、通信情報の削減により周波数の有効利用度の向
上を図る方法とその関連技術の説明は下記の文献に記載
されている。
【0003】文献1.伊藤 “携帯電話の方式検討−時
分割時間圧縮FM変調方式の提案−” 信学会技報 R
CS89−11 平成元年7月
【0004】文献2.伊藤 “携帯電話の方式検討−時
分割時間圧縮FM変調方式の理論検討” 信学会技報
RCS89−39 平成元年10月
【0005】文献3.伊藤 “時分割時間圧縮多重(T
CM)電話信号の効率良い送信方法について” 信学会
技報 SST92−24 1992年6月
【0006】文献4.早坂 ”音響工学入門” 日刊工
業新聞社刊 昭和53年3月 21〜30頁
【0007】すなわち、文献1においては、送信信号
(ベースバンド信号)をあらかじめ定めた時間間隔単位
に区切って記憶回路に記憶し、これを読み出す時には記
憶回路に記憶する速度よりもn倍の高速により所定のタ
イム・スロットで読み出し、このタイム・スロットによ
って収容された信号で搬送波を角度変調または振幅変調
して、時間的に断続して送受信するために移動無線機お
よび無線基地局に内蔵されている、それぞれ対向して交
信する受信ミクサを有する無線受信回路と、送信ミクサ
を有する無線送信回路と、無線受信回路の受信ミクサに
印加するシンセサイザと無線送信回路の送信ミクサに印
加するシンセサイザとに対しスイッチ回路を設け、それ
ぞれ印加するシンセサイザの出力を断続させ、この断続
状態を送受信ともに同期し、かつ対向して通信する無線
基地局にも上記と同様の断続送受信を移動無線機のそれ
と同期させる方法を用い、かつ受信側では前記所定のタ
イム・スロットに収容されている信号のみを取り出すた
めに、無線受信回路を開閉して受信し、復調して得た信
号を記憶回路に記憶し、これを読み出す時にはこの記憶
回路に記憶する速度のn分の1の低速度で読み出すこと
により、送信されてきた原信号であるベースバンド信号
の再生を可能とするシステムを構築したシステム例が報
告されている。
【0008】つぎに文献2には、上記のようなTCM
(時分割時間圧縮多重)−FM方式を小ゾーンに適用し
た場合に問題となる隣接チャネル干渉や、同一チャネル
干渉の検討が行われており、システム・パラメータを適
切に選定することによりシステム実現の可能性が示され
ている。
【0009】さらに文献3にはTCM電話信号の効率良
い送信法として、電話信号の有する冗長度に着目し信号
の一部を削減して送信する方法が提案されている。
【0010】また、文献4においては人間の発する音声
の性質が下記のごとく詳しく説明されている。
【0011】図12(a)〜(e)には、音声の母音
イ,エ,ア,オ,ウの波形を示している。同図(a)の
母音イの第1フォルマントは250〜350Hz,第2
フォルマントは2400〜3000Hzにある。(b)
の母音エの第1フォルマントは350〜550Hz,第
2フォルマントは1500〜2000Hz,第3フォル
マントは2500〜3000Hzにあり、以下同様に
(c)の母音アの場合は600〜800Hz,1000
〜1400Hz,2700〜3100Hz、(d)の母
音オの場合は420〜500Hz,760〜1000H
z,1300〜2000Hz,(e)の母音ウの場合は
300〜480Hz,1000〜1400Hz,200
0〜3000Hzである。
【0012】このような母音を特徴づける周波数成分の
ことを、フォルマント(Formant)と呼んでいる。ただ
し、その周波数は各人によりそれぞれ若干異なってい
る。子音はこれに対してまったく過渡的に短時間だけ出
現するものであって、その周波数成分は比較的高いとこ
ろにあり、エネルギーは極めて小さい。図13は“CH
O”(チョ)の発音波形で、振幅が大きく目立つ部分は
CHにつづく母音Oの部分であって、肝心の子音ははじ
めのところに現われる細かい波形部分である。
【0013】言葉を構成する発音上の最小単位のことを
音節と呼ぶ。日本語の音節は大半(子音c)+(母音
v)の形をとるが、外国語ではその構成は複雑で代表的
な音節として、(子音c)+(母音v)+(子音c)の
ような構成がとられている。音節の継続時間は100〜
300msで、平均1/8秒、また音節間の休止時間は
100〜200msである。
【0014】つぎに音声のエネルギーと情報量との関係
について図14を用いて説明する。音声の波形に現われ
るピークを圧縮して取り除いても、運ばれる情報伝送量
は余り変化しない。これに対して音声波形の0付近を除
去してしまうと、振幅の大きなところをそのまま残して
も、運ばれる情報量は急激に低下していく。図14はこ
の実験結果を示しており、横軸は音声波形のピークまた
は0部分の除去量を、縦軸はこのような除去によって引
き起こされる言葉の了解性の低下を示す。
【0015】図15は図14の実験データの0付近除去
時およびピーク除去時の除去条件を明示している。ここ
で、 ピーク除去量=20log (p1 /p0 ) (dB) 0付近除去量=20log (p2 /p0 ) (dB) で表わされる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前記の文献1および2
に示したシステム構築例では、TCM信号を用いた移動
体通信システムの一般的な説明がなされており、これに
よってシステムの構築は可能であるが、信号そのものを
送信するのではなく、信号を時間的に細分し区切られて
貯蔵されている多数の時間片信号の中から、信号と全く
同一もしくは近似的ではあるが、ほぼ同一の信号の性質
(波形、信号のレベル等)を有するものを選択し、その
有する識別情報のみを送信するようにした本発明の方法
に関する説明はない。また、文献3に提案されている方
法により、確かに電話信号の効率良い送信法が一応可能
となるが、本発明による方法と比較してその程度には大
きな相違がある。
【0017】また文献4においては、人間の発する音声
の性質が詳しく説明されてはいるが、電話信号を時間的
に区切られた信号とし、その性質を有効に利用して通信
する方法も開示されてはいないという未解決の課題が残
されていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】電話信号を用いて通信を
行う双方の通信装置が、あらかじめ電話信号を時間的に
細分し区切られた状態で貯蔵されている多数の時間片信
号を所有しており、かつ、それら時間片信号の識別情報
を通信を行う双方で共有している場合、電話信号を送信
するとき、通信を構成する信号がすでに所有している時
間片信号の集合により表現されるときは、電話信号を送
信するかわりに、前記の識別情報のみを送信することに
した。この結果、電話信号の有する情報量に比べて少な
い情報量により移動体通信が可能になった。
【0019】さらに、移動無線機と関門交換機の双方も
しくは一方が、あらかじめ電話信号を時間的に細分し、
それぞれ識別情報を付して、その多くの時間片信号によ
り送信側の信号を復元可能とする場合、通話の最初の段
階で移動無線機もしくは関門交換機あるいは、これら双
方が有している前記時間片信号を相手先へ識別情報を含
めて送信し、相手先ではその有する記憶手段で記憶した
ときは、これらの双方では電話信号を送信するかわり
に、前記の識別情報のみを送信することにした。
【0020】
【作用】電話信号を短い時間間隔(たとえば10ms)
で区切ると、信号の波形の一部が区切られることにな
る。この信号の波形の一部を時間片信号として多数種類
用意し、これを記憶回路に記憶させると、時間片信号の
数量(以下サンプル数と称する)が一定の大きさを越え
ると、電話信号を構成する信号は、すべて記憶された時
間片信号から組み立て可能となることを仮定して良いこ
とになる。
【0021】したがって、これらの信号に識別情報を付
して貯蔵し、通信を行う当事者間でこれらを共有すれ
ば、当事者間での電話通信は実際の電話信号を送受信す
ることなく、前記の識別情報のみを送信し、受信者側で
送られてきた識別情報をもとに時間片信号を時間的に並
べて組み立てることにより、もとの電話信号が再生可能
となる。
【0022】以上の結果、電話信号の有する情報量に比
べて少ない情報量により、従来と同等の通信品質を有す
る移動体電話通信が可能になった。
【0023】
【実施例】図1,図2および図3は、本発明の基本動作
例を説明するためのシステム構成を示している。
【0024】図1において、10は一般の電話網であ
り、20は電話網10と無線システムとを交換接続する
ための関門交換機である。30は無線基地局であり、関
門交換機20とのインタフェイス,信号の速度変換を行
う回路,タイム・スロットの割当てや選択をする回路、
制御部などがあり、無線回線の設定や解除を行うほか、
移動無線機100(100−1〜100−n)と無線信
号の授受を行う無線送受信回路を有している。ここで、
関門交換機20と無線基地局30との間には、通話チャ
ネルCH1〜CHnの各通話信号と制御用の信号を含む
通信信号22−1〜22−nを伝送する伝送線がある。
【0025】図2には無線基地局30との間で交信をす
る移動無線機100の回路構成が示されている。アンテ
ナ部に受けた制御信号や通話信号などの受信信号は、受
信ミクサ136と受信部137を含む無線受信回路13
5に入り、その出力である通信信号は、速度復元回路1
38と、制御部140とクロック再生器141に入力さ
れる。クロツク再生器141では、受信した信号の中か
らクロックを再生してそれを速度変換回路131と速度
復元回路138と制御部140とタイミング発生器14
2に印加している。また、無線基地局30から送信され
てきた制御信号は受信部137の出力側から制御部14
0へ送られる。
【0026】速度復元回路138では、受信信号中の圧
縮されて区切られた時間片信号もしくは時間片信号の識
別情報(信号形式はディジタル形式が多い)を受信し、
前者の時間片信号の場合は電話信号の速度を復元して、
連続した信号として電話機部101に入力している。
【0027】後者の時間片信号の識別情報の場合は、後
述する速度変換回路131に含まれている識別情報送受
信回路へ信号を送り、制御部140の指示に従い、時間
片信号群記憶・比較回路から受信した識別情報に対応す
る時間片信号を読出し、時間的に連続した信号として、
電話機部101に入力している。電話機部101では上
記の電話信号を受けて受話器から出力する。なお、時間
片信号の識別情報を受信するプロセスについては後で詳
述する。
【0028】電話機部101から出力される電話信号
は、速度変換回路131へ入力される。ここで、電話信
号は時間的に一定の間隔に切断されたのち、その速度を
高速に(圧縮)して、送信ミクサ133と送信部134
とを含む無線送信回路132に印加される。ただし、信
号の性質を吟味され、識別情報のみ送れば十分と判断さ
れると、高速化された信号は送信されないことになる
が、この場合のプロセスは後で詳述する。
【0029】送信部134に含まれた変調器の出力は送
信ミクサ133において所定の無線周波数に変換され、
アンテナ部から送出されて、無線基地局30によって受
信される。移動無線機100より使用を許可されたタイ
ム・スロットを用いて、無線基地局30宛に無線信号を
送出するには、図2に示すタイミング発生器142から
のタイミング情報が、制御部140を介して得られてい
ることが必要である。
【0030】このタイミング発生器142では、クロッ
ク再生器141からのクロックと制御部140からの制
御信号により、送受信断続制御器123,速度変換回路
131や速度復元回路138に必要なタイミングを供給
している。
【0031】移動無線機100には、さらにシンセサイ
ザ121−1および121−2と、切替スイッチ122
−1,122−2と、切替スイッチ122−1,122
−2をそれぞれ切替えるための信号を発生する送受信断
続制御器123およびタイミング発生器142が含まれ
ており、シンセサイザ121−1,121−2と送受信
断続制御器123とタイミング発生器142とは制御部
140によって制御されている。各シンセサイザ121
−1,121−2には、基準水晶発振器120から基準
周波数が供給されている。
【0032】図3には無線基地局30が示されている。
関門交換機20との間のnチャネルの通信信号22−1
〜22−nは、伝送路でインタフェイスをなす信号処理
部31に接続される。そこで関門交換機20から送られ
てきた通信信号22−1〜22−nは、無線基地局30
の信号処理部31へ入力される。信号処理部31では伝
送損失を補償するための増幅器が具備されているほか、
いわゆる2線−4線変換がなされる。すなわち入力信号
と出力信号の混合分離が行われ、関門交換機20からの
入力信号は、信号速度変換回路群51へ送られる。また
信号速度復元回路群38からの出力信号は、信号処理部
31で入力信号と同一の伝送路を用いて関門交換機20
へ送信される。上記のうち関門交換機20からの入力信
号は、多くの信号速度変換回路51−1〜51−nを含
む信号速度変換回路群51へ入力され、所定の時間間隔
で区切って、速度(ピッチ)変換を受け信号割当回路群
52へ送られる。ここでは、信号の性質を吟味され、識
別情報のみ送れば十分と判断されると、信号速度変換回
路群51の出力は送信されないことになるが、これら信
号速度変換回路群51の機能はすでに説明した移動無線
機100の速度変換回路131と同様であり、ただ多数
の電話信号が同時に処理されている点だけが異なる。な
お、信号速度変換回路群51の出力が送信されない場合
のプロセスは後で詳述する。また無線基地局30より関
門交換機20へ伝送される信号は、無線受信回路35の
出力が、信号選択回路群39を介して、信号速度復元回
路群38へ入力され、速度(ピッチ)変換され、元の電
話信号を復元して信号処理部31へ入力される。この場
合も受信した信号が電話信号ではなく識別情報のみの場
合があるが、この場合のプロセスは後で詳述する。
【0033】さて、無線受信回路35の制御または通話
信号の出力は、タイム・スロット別に信号を選択する信
号選択回路39−1〜39−nを含む信号選択回路群3
9へ入力され、ここで各通話チャネルCH1〜CHnに
対応して通話信号が分離される。この出力は各チャネル
毎に設けられた信号速度復元回路38−1〜38−nを
含む信号速度復元回路群38で、信号速度(ピッチ)の
復元をし、電話信号を復元した後、信号処理部31へ入
力され、4線−2線変換を受けた後、この出力は関門交
換機20へ通信信号22−1〜22−nとして送出され
る。
【0034】つぎに信号速度変換回路群51(図3)の
機能を説明する。一定の時間長に区切った時間片電話信
号である音声信号や制御信号等の入力信号を記憶回路で
記憶させ、これを読み出す時に速度を変えて、記憶する
場合のたとえば15倍の速度で読み出すことにより、信
号の時間長を圧縮することが可能となる。信号速度変換
回路群51の時間圧縮の原理は、テープ・レコーダによ
り録音した音声を高速で再生する場合と同じであり、実
際には、たとえば、CCD(Charge Coupled Device
),BBD(Bucket Brigade Device )が使用可能で
あり、テレビジョン受信機や会話の時間軸を圧縮あるい
は伸長するテープ・レコーダに用いられているメモリを
用いることができる。これらは公知であり、最近ではと
くに進歩の著しいLSI化された大容量半導体メモリ素
子を使用することができる。
【0035】信号速度変換回路群51で例示したCCD
やBBDを用いた上記の回路は、そのまま信号速度復元
回路群38の時間伸張機能の実現にも使用可能で、この
場合には、クロック発生器41からのクロックと制御部
40からの制御信号によりタイミングを発生するタイミ
ング発生器42からのタイミング信号を受けて、書き込
み速度よりも読み出し速度を低速にすることにより実現
できる。
【0036】関門交換機20から信号処理部31を経由
して出力された制御または音声信号は信号速度変換回路
群51に入力され、速度(ピッチ)変換の処理が行われ
たのちに、タイム・スロット別に信号を割り当てる信号
割当回路群52に印加される。
【0037】この信号割当回路群52はバッファ・メモ
リ回路であり、信号速度変換回路群51から出力された
1区切り分の高速信号をメモリし、制御部40の指示に
より与えられるタイミング発生回路42からのタイミン
グ情報で、バッファ・メモリ内の信号を読み出し、無線
送信回路32へ送出する。この結果、通信信号をチャネ
ル対応でみた場合には、時系列的にオーバラップなく直
列に並べられており、後述する制御信号または通話信号
が全実装される場合には、あたかも連続信号波のように
なる。
【0038】以上のような信号が無線送信回路32へ送
られることになる。この圧縮した信号の様子を図4に示
し説明する。
【0039】信号速度変換回路群51の出力信号は信号
割当回路52に入力され、あらかじめ定められた順序
で、タイム・スロットが与えられる。図4(a)のSD
1,SD2,…,SDnは、速度変換された通信信号
が、それぞれタイム・スロット別に割当てられているこ
とを示している。ここで1つのタイム・スロットの中は
図示のごとく同期信号と時間圧縮された通話信号または
(および)制御信号が収容されている。通話信号が実装
されていない場合は、同期信号だけで通話信号の部分は
空スロット信号が加えられ、またはシステムによっては
搬送波を含め全く信号が送出されないものもある。この
ようにして、図4の(a)に示すように、無線送信回路
32においては、タイム・スロットSD1〜SDnで1
フレームをなす信号が変調回路に加えられることにな
る。送信されるべく時系列化された多重信号は、無線送
信回路32において、角度変調されたのちに、アンテナ
部より空間へ送出される。
【0040】電話の発着呼において通話に先行して無線
基地局30と移動無線機100との間で行われる制御信
号の伝送については、電話信号の帯域内または帯域外の
いずれを使用する場合も可能である。図5はこれらの周
波数関係を示す。すなわち、同図(a)においては、帯
域外信号の一例が示されており、図のごとく、低周波側
(250Hz)や高周波側(3850Hz)を使用する
ことができる。この信号は、たとえば通話中に制御信号
を送りたい場合に使用される。図5の(b)において
は、帯域内信号の例を示しており、発着呼時において使
用される。
【0041】上記の例はいづれもトーン信号の場合であ
ったが、トーン信号数を増したり、トーンに変調を加え
副搬送波信号とすることで、多種類の信号を高速で伝送
することが可能となる。
【0042】以上はアナログ信号の場合であったが、制
御信号としてディジタル・データ信号を用いた場合に
は、音声信号もディジタル符号化して、両者を時分割多
重化して伝送することも可能であり、この場合の回路構
成を図6に示す。図6は、音声信号をディジタル符号化
回路91でディジタル化し、それとデータ信号とを多重
変換回路92で多重変換し、無線送信回路32に含まれ
た変調回路に印加する場合の一例である。そして対向す
る受信機で受信し復調回路において図6で示したのと逆
の操作を行えば、音声信号と制御信号とを別々に取り出
すことが可能である。
【0043】一方、移動無線機100から送られてきた
信号は、無線基地局30のアンテナ部で受信され、無線
受信回路35へ入力される。図4の(b)は、この上り
の入力信号を模式的に示したものである。すなわち、タ
イム・スロットSU1,SU2,…,SUnは、移動無
線機100−1,100−2,…,100−nからの無
線基地局30宛の送信信号を示す。また各タイム・スロ
ットSU1,SU2,…,SUnの内容を詳細に示す
と、図4の(b)の左下方に示す通り、時間差電話信号
である通話信号または(および)制御信号より成り立っ
ている。ただし、移動無線機100と無線基地局30と
の間の距離の小さい場合や信号速度によっては、同期信
号を省略することが可能である。
【0044】さて、無線基地局30へ到来した入力信号
のうち制御信号については、無線受信回路35から直ち
に制御部40へ加えられる。ただし、速度変換率の大き
さによっては、通話信号と同様の処理を行った後に信号
速度復元回路群38の出力から制御部40へ加えること
も可能である。また通話信号については、信号選択回路
39へ印加される。信号選択回路群39には、制御部4
0からの制御信号の指示により、所定のタイミングを発
生するタイミング発生回路42からのタイミング信号が
印加され、各タイム・スロットSU1〜SUnごとに同
期信号,通話信号または制御信号が分離出力される。
【0045】これらの各信号は、信号速度復元回路38
へ入力される。この回路は送信側の移動無線機100に
おける速度変換回路131(図2)の逆変換を行う機能
を有しており、これによって原信号が忠実に再生され関
門交換機20宛に送信されることになる。
【0046】以下、本発明における信号空間を伝送され
る場合の態様を所要伝送帯域や、これと隣接した無線チ
ャネルとの関係を用いて説明する。
【0047】図3に示すように、制御部40からの制御
信号は信号割当回路52の出力と並行して無線送信回路
32へ加えられる。ただし、速度変換率の大きさによっ
ては通話信号と同様の処理を行った後、信号割当回路5
2の出力から無線送信回路32へ加えることも可能であ
る。
【0048】つぎに移動無線機100においても、図2
に示すごとく無線基地局30の機能のうち通話路を1チ
ャネルとした場合に必要とされる回路構成となってい
る。
【0049】原信号たとえば音声信号(0.3kHz〜
3.0kHz)が、信号速度変換回路群51(図3)を
通った場合の出力側の周波数分布を示すと図7に示すご
とくになる。すなわち前述のように音声信号が15倍に
変換されるならば、信号の周波数分布は図7のごとく、
4.5kHz〜45kHzに拡大されていることにな
る。ここでは信号の周波数分布が拡大されているが、波
形の形態は単に周波数軸を引き延ばされた相似変換を受
けるだけであり、波形そのものは変化がないことに留意
する必要がある。これは多重負荷利得の値を求める時に
必要となる。
【0050】さて、図7においては、制御信号は時間片
信号である音声信号の下側周波数帯域を用いて同時伝送
されている場合を示している。この信号のうち制御信号
(0.2〜4.0kHz)および通話信号CH1(4.
5〜45kHzでSD1として表わされている)がタイ
ム・スロット、たとえばSD1に収容されているとす
る。他のタイム・スロットSD2〜SDnに収容されて
いる音声信号も同様である。
【0051】すなわち、タイム・スロットSDi(i=
2,3,…,n)には制御信号(0.2〜4.0kH
z)と通信信号CHi(4.5〜45kHz)が収容さ
れている。ただし、各タイム・スロット内の信号は時系
列的に並べられており、一度に複数のタイム・スロット
内の信号が同時に無線送信回路32に加えられることは
ない。
【0052】また、上記の制御信号はフレームの最初に
制御信号のためのタイム・スロットが設けられた場合に
は実装されないし、下側周波数帯域を他の信号に使用す
る際には、通信信号の周波数帯の近傍(4.1〜4,4
kHzまたは46〜46.5kHz)に設けられる場合
がある。
【0053】さらに、圧縮された時間片信号を送信しな
い場合、時間片信号の識別情報のみを送信することにな
るが、この識別情報は通常ディジタル信号形式が使用さ
れ、フレーム内で送信される形態は、 時間片信号を
搭載するタイム・スロット、 フレーム内の最初のタ
イム・スロットに設けられた制御信号用と共用、 フ
レーム内の他の電話信号の識別情報と共通して使用する
ための特定のタイム・スロット、たとえば、SUn(S
Dn)を独占的に使用する。等の方法が考えられる。し
かしながら、いずれの場合も、その信号の有する最大周
波数は上記の例では45kHzを越えることはない。
【0054】これらの通話信号が制御信号とともに無線
送信回路32に含まれた角度変調部に加えられると、所
要の伝送帯域として、すくなくとも fC ±45kHz を必要とする。ただし、fC は無線搬送波周波数であ
る。ここでシステムに与えられた無線チャネルが複数個
ある場合には、これらの周波数間隔の制限から信号速度
変換回路群51による信号の高速化はある値に限定され
ることになる。複数個の無線チャネルの周波数間隔をf
rep とし、上述の音声信号の高速化による最高信号速度
をfH とすると両者の間には、つぎの不等式が成立する
必要がある。 frep>2fH 一方、ディジタル信号では、音声は通常64kb/s程
度の速度でディジタル化されているから、アナログ信号
の場合を説明した図7の横軸の目盛りを1桁程度引き上
げて読む必要があるが、上式の関係はこの場合にも成立
する。
【0055】また、移動無線機100より無線基地局3
0へ入来した制御信号は、無線受信回路35へ入力され
るが、その出力の一部は制御部40へ入力され、他は信
号選択回路39を介して信号速度復元回路群38へ送ら
れる。そして後者の制御信号は送信時と全く逆の速度変
換(低速信号への変換)を受けた後、一般の電話網10
に使用されているのと同様の信号速度となり、信号処理
部31を介して関門交換機20へ送られる。
【0056】つぎに、本発明によるシステムの基本動作
における発着呼動作について音声信号の場合を例にとっ
て説明する。ただし、送信される電話信号はすべて時間
片信号の形で送信され、時間片信号の識別情報の形で送
られる場合はないものとする(識別情報の形で送られる
場合は後で詳述する)。
【0057】(1) 移動無線機100からの発呼 図8および図9に示すフローチャートを用いて説明す
る。
【0058】移動無線機100の電源をオンした状態に
すると、図2の無線受信回路135では、下り(無線基
地局30→移動無線機100)無線チャネル(チャネル
CH1とする)に含まれている制御信号を補捉のた後、
無線チャネル(以下チャネルCH1とする)の受信状態
にはいる。これは図4(a)に示されているタイム・ス
ロットSDn内の同期信号を捕捉することにより可能で
ある。制御部140では、シンセサイザ121−1に無
線チャネルCH1の受信を可能とする局発周波数を発生
させるように制御信号を送出し、また、スイッチ122
−1もシンセサイザ121−1側に倒し固定した状態に
ある。
【0059】そこで、電話機部101の受話器をオフ・
フック(発呼開始)すると(S201、図8)、図2の
シンセサイザ121−2は、無線チャネルCH1の送信
を可能とする局発周波数を発生させるような制御信号を
制御部140から受ける。またスイッチ122−2もシ
ンセサイザ121−2側に倒し、固定した状態になる。
つぎに無線チャネルCH1を用い電話機部101から出
力された発呼用制御信号を送出する。この制御信号は、
図5に示される周波数帯により、これを、たとえばタイ
ム・スロットSUnを用いて送信される。
【0060】さて移動無線機100からの発呼用制御信
号が良好に無線基地局30で受信され移動無線機100
のID(識別番号)を検出したとすると(S202)、
制御部40では、現在空いているタイム・スロットを検
索する。
【0061】この結果、たとえばタイム・スロットSD
1が空いているとすると、移動無線機100対し前記無
線チャネルCH1のタイム・スロットSDnを用い下り
制御信号によりタイム・スロット上り(移動無線機10
0→無線基地局30)SU1,およびこれに対応する下
り(無線基地局30→移動無線機100)SD1を使用
するように指示する(S203)。
【0062】これに応じて移動無線機100では、指示
されたタイム・スロットSD1で受信可能な状態へ移行
するとともに下りのタイム・スロットSD1に対応する
上り無線チャネル用のタイム・スロットであるSU1
(図4(b)参照)を選択する。このとき移動無線機1
00の制御部140においては、送受信断続制御器12
3を動作させ、スイッチ122−1および122−2を
動作開始させる(S204)。それと同時にスロット切
替完了報告を上りタイム・スロットSU1を用いて無線
基地局30に送出し(S205)、ダイヤル・トーンが
送られてくるのを待つ(S206)。
【0063】無線基地局30には、タイム・スロットS
U1のほかに、他の移動無線機100からの上り信号と
してSU3やSUnが1フレームの中に含まれて送られ
てきている。スロット切替完了報告を受信した無線基地
局30では(S207)、関門交換機20宛に移動無線
機100のIDとともに発呼信号を送出する(S20
8)。これに対し関門交換機20では、移動無線機10
0のIDを検出し、関門交換機20に含まれたスイッチ
群のうちの必要なスイッチをオンにして(S209)、
ダイヤル・トーンを無線基地局30へ送出する(S21
0、図9)。
【0064】このダイヤル・トーンは、無線基地局30
により移動無線機100宛に転送され(S211)、移
動無線機100では、通話路が設定されたことを確認す
る(S212)。
【0065】この状態に移行したとき移動無線機100
の電話機部101の受話器からダイヤル・トーンが聞こ
えるので、ダイヤル信号の送出を始める。このダイヤル
信号は速度変換回路131により速度変換され、送信部
134および送信ミクサ133を含む無線送信回路13
2より、上りのタイム・スロットSU1を用いて送出さ
れる(S213)。かくして、送信されたダイヤル信号
は無線基地局30の無線受信回路35で受信される。
【0066】この無線基地局30では、すでに移動無線
機100からの発呼信号に応答し、使用すべきタイム・
スロットを与えるとともに、無線基地局30の信号選択
回路群39および信号割当回路群52を動作させて、上
りのタイム・スロットSU1を受信し、下りのタイム・
スロットSD1の信号を送信する状態に移行している。
したがって移動無線機100から送信されてきたダイヤ
ル信号は、信号選択回路群39の信号選択回路39−1
を通った後、信号速度復元回路群38に入力され、ここ
で原送信信号が復元され、信号処理部31を介して通話
信号22−1として関門交換機20へ転送され(S21
4)、電話網10への通話路が設定される(S21
5)。
【0067】一方、関門交換機20からの入力信号(当
初制御信号、通話が開始されれば通話信号)は、無線基
地局30において信号速度変換回路群51で速度変換を
受けた後、信号割当回路群52の信号割当回路52−1
によりタイム・スロットSD1が与えられている。そし
て無線送信回路32から下りの無線チャネルのタイム・
スロットSD1を用いて移動無線機100宛に送信され
る。
【0068】移動無線機100では、無線チャネルCH
1のタイム・スロットSD1において受信待機中であり
無線受信回路135で受信され、その出力は速度復元回
路138に入力される。この回路において送信側の原信
号が復元され、電話機部101の受話器に入力される。
かくして、移動無線機100と一般の電話網10の内の
一般電話との間で通話が開始されることになる(S21
6)。
【0069】ただし、後述するような通話者の音声信号
(電話信号)を、すでに移動無線機100や無線基地局
30がその記憶回路に識別情報を付加した時間片信号群
の形で所有している場合、周波数利用度を向上させるた
め、通話の開始に先立ち、識別情報を一括送信するとき
がある。この場合には使用するタイム・スロットの数は
短時間(数秒間)ではあるが、1個ではなく複数個同時
に使用することになる。これらの制御も無線基地局30
が行うことになる。
【0070】終話は移動無線機100の電話機部101
の受話器をオン・フックすることにより(S217)、
終話信号と制御部140からのオン・フック信号とが、
速度変換回路131を介して無線送信回路132より無
線基地局30宛に送出されるとともに(S218)、制
御部140では送受信断続制御器123の動作を停止さ
せ、かつ、スイッチ122−1および122−2をそれ
ぞれシンセサイザ121−1および121−2の出力端
に固定する。
【0071】一方、無線基地局30の制御部40では、
移動無線機100からの終話信号を受信すると関門交換
機20宛に終話信号を転送し(S219)、スイッチ群
(図示せず)のスイッチをオフして通話を終了する(S
220)。同時に無線基地局30内の信号選択回路群3
9および信号割当回路群52を開放する。
【0072】以上の説明では、無線基地局30と移動無
線機100との間の制御信号のやりとりは信号変換回路
群51,信号速度復元回路群38等を通さないとして説
明したが、これは説明の便宜上であって、音声信号と同
様に信号速度変換回路群51、信号速度復元回路群38
や信号処理部31を通しても何ら支障なく通信が実施可
能である。
【0073】(2) 移動無線機100への着呼 移動無線機100は電源オンした状態で待機中とする。
この場合移動無線機100からの発呼の項で説明したご
とく、システムで定められている手順にしたがった無線
チャネルCH1の下り制御信号を受信待機状態にある。
【0074】一般の電話網10より関門交換機20を経
由して移動無線機100への着呼信号が無線基地局30
へ到来したとする。これらの制御信号は通信信号22と
して音声信号と同様に、信号速度変換回路群51を通
り、信号割当回路群52を介して制御部40(図3)へ
伝えられる。すると制御部40では移動無線機100宛
の無線チャネルCH1の下りタイム・スロットのうちの
空スロット、たとえばSD1を使用して移動無線機10
0のID信号+着呼信号表示信号+タイム・スロット使
用信号(移動無線機100からの送信には、たとえばS
D1に対応するSU1を使用)を送出する。この信号を
受信した移動無線機100では、無線受信回路135の
受信部137より制御部140へ伝送される。制御部1
40では、この信号が自己の移動無線機100への着呼
信号であることを確認するので、電話機部101より呼
出音を鳴動させると同時に、指示されたタイム・スロッ
トSD1,SU1で待機するように送受信断続制御器1
23を動作させるとともに、スイッチ122−1,12
2−2のオン、オフを開始させる。かくて通話が可能な
状態に移行したことになる。
【0075】(3) 識別情報の形で送られる電話信号
の場合のシステム動作
【0076】(3.1) 速度変換回路131および速
度復元回路138の構成と動作の説明 図10には速度復元回路138,電話機部101および
速度変換回路131の内部の回路構成図が示されてい
る。速度変換回路131は時間片信号作成回路169,
電話信号記憶回路171および時間圧縮回路173と時
間片信号に識別情報をつけて蓄積記憶し、かつ照合比較
する機能を有する時間片信号群記憶・比較回路181
と、識別情報を送受信する識別情報送受信回路182、
それとスイッチ177より構成される。
【0077】さて、電話機部101からの電話信号は、
送話回路107より出力され、時間片信号作成回路16
9に入力される。ここで、電話信号は通常一定の時間間
隔に切断される。この切断された電話信号は電話信号記
憶回路171に入力される。ここで一定期間記憶されタ
イミング調整の後、一部は時間片信号群記憶・比較回路
181へ、残部は時間圧縮回路173へ送られる。
【0078】時間片信号群記憶・比較回路181へ入力
された信号は、すでに記憶されている時間片信号群の各
々と比較照合され、まだ記憶されていない信号と判断さ
れると識別情報を付加されて記憶される。この場合の方
法にはつぎの3通りが考えられる。 時間片信号をそのままの状態、すなわち信号の有す
る波形、信号の有する電力を変更しないで記憶する。 時間片信号の有する電力を正規化(一定のレベルに
統一)した後、信号の有する波形は変更しないで記憶す
る。 時間片信号の有する電力を正規化(一定のレベルに
統一)した後、信号の有する波形は基本的に変更しない
が、その有する位相は変更可能な形で記憶する。
【0079】以上3種類のいずれで記憶したかを信号の
相手に知らせる必要があるが、それは時間片信号に付加
する識別情報に含めればよい。時間圧縮回路173へ入
力された信号は、通常のシステムで定める一定の値で時
間圧縮され、無線送信回路132へ送られる。ただし、
これらの時間片信号には、識別情報送受信回路182か
ら時間片信号群記憶・比較回路181にそれぞれ記憶し
たときに付与したのと同一の識別情報が付加されてい
る。なお、識別情報は時間圧縮された時間片信号の下測
波帯へ加えられる。(したがって制御信号と共存するこ
ととなるが信号の情報量が少ないので十分共存が可能で
ある。図5参照のこと)。
【0080】もしも、時間片信号群記憶・比較回路18
1へ入力した信号が、比較の結果すでに記憶されている
時間片信号群の1つと同一と認められた場合(ただし、
電話信号の電力レベルや位相が異なっていても波形が同
一であれば同一の時間片信号と判定する)は、時間片信
号群記憶・比較回路181では制御部140に対し、い
ま入力した信号はすでに記憶された信号と同一であり、
通信の相手には時間片信号を送らず、すでに記憶してあ
る時間片信号の識別情報のみ送信すべきであることを連
絡する。
【0081】この連絡を受けた制御部140では、すで
に時間片信号群記憶・比較回路181に記憶された時間
片信号の識別情報にレベル情報等を加えた信号を識別情
報送受信回路182から送信することを指示し、スイッ
チ177に制御信号を送り、スイッチ177の端子aを
オン状態、端子bをオフ状態にする。この結果、時間圧
縮回路173の出力信号は送信されず、識別情報送受信
回路182からの識別情報(とこれにレベル情報や位相
情報等が加えられる。以下誤解のないときは単に識別情
報と略記する)だけが送信されることになる。
【0082】以上説明した移動無線機100からの信号
を受信した無線基地局30では、つぎの動作を実行す
る。 受信した圧縮された時間片信号の復調 受信した時間片信号を記憶回路へ記憶
【0083】は説明するまでもないことであるが、
の時間片信号を記憶回路へ記憶するのは各時間片信号に
付加して送信されてきた識別情報を付加して記憶するこ
とに特徴がある。この結果、移動無線機100の時間片
信号群記憶・比較回路181に記憶された情報と互いに
共用可能な状態になる。すなわち、移動無線機100か
ら、たとえば“識別情報1001の情報”と指示されれ
ば、無線基地局30では自局の信号速度復元回路群38
から移動無線機100の意味するものと全く同一の時間
片信号を選出可能になる。そして、実際の電話信号はこ
の時間片信号に識別情報内に含まれていた“レベル情報
等”を加えて適切な電力および位相を有する電話信号波
形(ただし、時間的には断片的な信号)が再生される。
【0084】つぎに、速度復元回路138を説明する。
速度復元回路138はスイッチ165および167、電
話信号記憶回路161、時間伸張回路162および電話
信号再生回路163より構成される。無線受信回路13
5から速度復元回路138へ送られてくる信号には、 圧縮された時間片信号(と識別情報を含む)。 時間片信号を識別する識別情報。 の2種類があり、これらは制御部140の制御信号で動
作するスイッチ165により圧縮された時間片信号の場
合は端子aがオン状態になり、電話信号記憶回路161
へ送られる。識別情報の場合はスイッチ165の端子b
がオンの状態となり、識別情報送受信回路182へ送ら
れる。
【0085】さて、前者の電話信号記憶回路161へ送
られた圧縮された時間片信号の一部は、時間伸張回路1
62で時間伸張され元の時間長を有する時間片信号とな
る。また、残部の時間片信号は、これに加え同時に送ら
れてきた識別情報とともに時間片信号群記憶・比較回路
181へ送られ記憶される。電話信号記憶回路161へ
送られ、時間伸張回路162で伸張を受けた時間片信号
は、制御部140の指示にもとづく一定のタイミングで
スイッチ167のa側がオン状態になって、電話信号再
生回路163へ入力され、ここで時間的に連続した信号
に整形され、電話機部101の受話回路106へ入力さ
れる。受話回路106へ入力された電話信号は音声を出
力する。
【0086】一方、後者の識別情報送受信回路182へ
送られた識別情報は、時間片信号群記憶・比較回路18
1に印加され、これをもとに時間片信号群記憶・比較回
路181から、これと対応する時間片信号が取り出さ
れ、レベル情報等によりレベル等を調整した後スイッチ
167の端子bを介して電話信号再生回路163へ入力
され、前者と同様のプロセスをたどり受話回路106か
ら音声を出力する。なお、電話信号再生回路163へ入
力が可能となるのは、制御部140の指示にもとづく一
定のタイミングでスイッチ167のb側がオン状態にな
っているからである。
【0087】図11には時間片信号群記憶・比較回路1
81と識別情報送受信回路182の内部構成が示されて
いる。時間片信号群記憶・比較回路181と外部回路と
のインターフェースは信号比較回路501が行ってい
る。信号比較回路501への入力としては、図10の電
話信号記憶回路171と時間伸張回路162からの信号
があり、また、出力はスイッチ167へがある。信号比
較回路501の出力は記憶回路501および502に加
えられる。いずれも書込み、読出しの可能な記憶回路で
あるが、記憶回路502は制御情報を、記憶回路503
は識別情報を一括送受信したいときに使用される。もち
ろん記憶回路の容量が大きいときは記憶回路502,5
03に分けず1個でよい。
【0088】識別情報送受信回路182には、この回路
と外部回路とのインターフェースをする識別情報送信回
路522と識別情報受信回路523がある。識別情報受
信回路523への入力としては、図10のスイッチ16
5を介して無線受信回路135(図2)からの信号があ
り、また識別情報送信回路522からの出力はスイッチ
177へがある。識別情報作成回路521では時間片信
号に付与する識別情報を信号比較回路501からの情報
にもとづいて作成し、それを識別情報送信回路522か
ら送出している。識別情報分析回路524では、交信の
相手から受信した識別情報を識別情報受信回路523よ
り得て、その識別情報の示す記憶回路502.503の
アドレスに格納してある時間片信号を読出して、信号比
較回路501から識別情報分析回路524の指示により
スイッチ167へ出力している。また識別情報送受信回
路182と時間片信号群記憶・比較回路181とのイン
ターフェースについては、図のごとく結ばれており、前
述の機能を実行可能としている。
【0089】また、時間片信号群記憶・比較回路181
や識別情報送受信回路182とも、図2に示す制御部1
40と制御信号の送受信を実施しているほか、クロック
再生器141およびタイミング発生器142からそれぞ
れクロック信号、タイミング信号を得ている。
【0090】(3.2) 識別情報を送信する場合のシ
ステム動作例 以下、電話信号のみでなく、時間片信号の識別情報をも
送信することがあるシステム動作例を説明する。
【0091】すでにTCM信号を使用する発着呼動作例
は説明しているから、移動無線機100の発呼動作にお
いて、時間片信号の識別情報(とそのレベル情報)をも
送信する場合の動作を図8および9を用いて説明する。
移動無線機100のオフ・フック動作(S201)から
関門交換機20の電話網10への通話路設定(S21
5)間での動作にはとくに変わるところはない。
【0092】つぎに通話状態(S216)に入る。まず
通話者双方の送信する電話信号は当初は圧縮された時間
片信号を使用する。以下、移動無線機100からの時間
片信号を説明する。通話者の発する“mosimos
i、もしもし”の持続時間を2秒とする。TCM信号の
フレーム長を20msとすると、時間片信号の数値(サ
ンプル数)は100となる。これら最初の“mosi”
の母音と子音をあらわす100サンプルは、時間片信号
の形(これにそれぞれ識別情報が付加されている)で送
信され、同時に時間片信号群記憶・比較回路181へ記
憶される(ただし記憶される情報のレベルは標準レベル
で位相情報のない識別情報とする)。
【0093】これらの信号を受信した無線基地局30の
動作は前述の通りである。さて、つぎの“mosi”が
図10の電話信号記憶回路171へ入力(もちろん同時
にでなく時系列的に順序良く入力されることになる)さ
れる。この信号の100サンプルは母音および子音とも
時間片信号群記憶・比較回路181へすでに記憶されて
いるサンプル信号とほとんど変わらない信号であろう。
ただし、位相が異なっている場合もあり、その場合はそ
の信号に限って、すでに述べたのと同様にして時間片信
号の形で送信される。したがって、時間片信号群記憶・
比較回路181では、すでに記憶した時間片信号と同一
と判定した信号に対しては、制御部140へ対応する識
別情報(とその信号のレベル情報を加えて)を送信すべ
きことを連絡する。この結果、前述のように、これら1
00サンプルのそれぞれに付与してある識別情報が送信
される。これらの情報量は後述するように時間片信号を
送信する場合に比べて極めて少量であり、周波数有効利
用度に大きく貢献をする。
【0094】無線基地局30では、移動無線機100に
含まれている時間片信号群記憶・比較回路181と同様
な動作をする回路(図示せず、以下、基地局用記憶・比
較回路と略記)が具備されており、その回路には移動無
線機100の指示した時間片信号がすでに記憶されてい
るので、基地局用記憶・比較回路から移動無線機100
の指示した時間片信号を選定することが可能となり、こ
れらの信号を信号速度復元回路群38で信号処理するこ
とにより原電話信号が復元可能となる。以下、移動無線
機100からは通話信号が次々と送信されるが、無線基
地局30においても上記と同様な処理が実行されること
になる。その結果、識別情報を送信する確率は順次増加
する。
【0095】以上は移動無線機100からの送信であっ
たが、無線基地局30からの送信の信号も同様に処理さ
れる。したがって、通話信号が長引く(3分以上、この
場合作成される時間片信号の総数は9000)圧縮され
た時間片信号を送信することは殆どなく、すべて識別情
報(とその信号のレベル情報)のみの送信といってもよ
い状態になり、本システムは周波数有効利用度に大きく
貢献する。また、移動無線機100の使用者が限定され
ていると、次の発呼、もしくは着呼からは、移動無線機
100から送信される時間片信号はほとんど以前送信さ
れた信号と同一のものが多くなるから、その場合は識別
情報のみの送信が実行されることになる。したがって、
上り回線(移動無線機100が送信、無線基地局30が
受信)の周波数有効利用に大きく貢献する。
【0096】(3.3) 識別情報の送信による周波数
有効利用度の算定 電話信号は多くの冗長度を有することは文献4より明ら
かである。また音声信号はある数の音声素子(数10m
sといわれている)に分解され、これらを組み立てるこ
とにより任意の音声信号(若干の雑音を含むことを認め
るとする)が得られることも公知の事実である。また、
任意の音声に組立て可能な音声素子数は厳密には150
0種類といわれている。しかしながら、移動通信のよう
に外部雑音の多い通信には完全な音声の再生は必要では
なく、したがって、所要音声素子数は1500種類より
かなり削減してもよいと判断される。つぎにこれら公知
の事実を基礎にして、本発明の時間片信号の代用である
識別情報の送信による周波数有効利用度を算定する。
【0097】音声信号を音声素子に分解したとき、最も
少ない数の音声素子から任意の音声信号を得ようとする
と、音声素子の有する時間長が関係することになる。そ
れゆえ、TCM信号のフレーム長がこの値より長いと、
効率が悪くなる。一方、フレーム長がこの値より短いと
最適値に近くなる。実際のTCM信号のフレーム長は3
0msもしくはそれ以下であり、最適時間長をほぼ満足
しているといっても良い状態である。それゆえTCMシ
ステムは、この点より他のシステムに比較して大きな優
位性を有する。
【0098】TCMのフレーム長(システム・モデル)
を20msとすると、時間長20msを有する音声素子
(本発明の場合は時間片信号)から、任意の音声信号を
作成可能(若干の雑音を含むことを認めるとする)とす
る必要音声素子数(本発明の場合、必要時間片信号数)
を算定する。この算定数は(3.1)で説明した時間片
信号群の各々を照合・記憶する方法に大きく関係する。
以下、各ケースについて説明する。
【0099】(3.3.1) すでに(3.1)で説明
したのケース、すなわち、時間片信号の波形,電力も
そのまま記憶する場合である。この場合、時間片信号を
そのままの状態、すなわち信号の有する電力を変更しな
いで記憶されているから、必要時間片信号数K1 は大き
くなり、K1 =10000ないし30000程度と想定
される。ただし、この値は安全のため大きめに想定した
場合である。すると、識別情報の種類は最大3000
0、すなわち18ビット程度となる。
【0100】一方、1つのタイム・スロット内の時間片
信号の有する情報量は、おおよそ、 4.8kbps×0.02(秒)=96ビット したがって、識別情報のみ送信した場合は、時間片信号
の送信時に比べ、 18/96=1/5 すなわち、1/5でよいことになる。これを周波数利用
度の見地からみれば、5倍の周波数有効利用度を有する
ことになる。
【0101】なお、もしもTCMのフレーム長(システ
ム・モデル)を30msとすると、周波数有効利用度
は、 18/132=約1/7 と、さらに改善される。
【0102】(3.3.2) すでに(3.1)で説明
したのケースである。この場合、時間片信号の信号レ
ベルは識別情報の内へ入れる必要があるが、逆に記憶す
べき時間片信号の数K2 は減少する。K2 は、 K2 =1000 程度と推定される。すなわち、10ビット程度となる。
【0103】レベル情報はPCM通信では8ビット割り
当てていることを参考に、6ビットと推定(余り大きな
レベル差はない)すると、合計16ビット程度となる。
一方、1つのタイム・スロット内の時間片信号の有する
情報量は上述の通り、96ビット、したがって識別情報
のみ送信した場合は時間片信号の送信時に比べ、 16/96=1/6 すなわち、1/6でよいことになる。これを周波数有効
利用度の見地からみれば、6倍の周波数有効利用度を有
することになる。なお、もしもTCM信号のフレーム長
(システム・モデル)を30msとすると、周波数有効
利用度は、 132/16=約9 とさらに改善する。
【0104】(3.3.3) すでに(3.1)で説明
したのケース、すなわち、時間片信号の有する電力を
正規化した後、信号の有する波形は変更しないで記憶す
る場合である。この場合、時間片信号の信号レベル、お
よび位相は識別情報の内へ入れる必要があるが、逆に記
憶すべき時間片信号の数K3 は減少する。K3 は、 K3 =300 程度と推定される。すなわち、7ビット程度となる。
【0105】ここで、レベル情報には6ビット、位相情
報に6ビット割り当てると合計19ビット程度となる。
さらに1つのタイム・スロット内の時間片信号の有する
情報量は上述の通り、96ビットである。したがって識
別情報のみ送信した場合は時間片信号の送信時に比べ、 19/96=1/5 すなわち、1/5でよいことになる。
【0106】以上の結果のケースが優れているように
見えるが、実際にはCPUの処理能力、ハードウェア技
術、経済性、システム条件等により最適値が決定され
る。
【0107】本願の時間片信号に代えて識別情報を送る
方法をTCMに適用すると、周波数有効利用度が1桁以
上向上可能となることは上記の説明で明確になった。時
間片信号に代えて識別情報を送る方法の適用は、送信電
力の低減にも大きな貢献をすることになる。それは送信
すべき情報が減少するからである。すなわち、周波数有
効利用度の向上と同様、1桁以上送信電力の低減が可能
となる。
【0108】また、周波数有効利用度の向上(10倍と
する)を実際のシステムに適用するには次のようにすれ
ばよい。フレーム長を一定とするとき、識別情報の送信
速度を10倍に高速にする。つまり、識別情報を1/1
0に時間圧縮すれば、収容可能な電話チャネル数は10
倍となる。この場合、識別情報の最高信号速度は時間片
信号を送信した場合の最高信号速度とほぼ同一となる。
なお、所要送信電力は時間片信号を送信する場合と同一
の値が必要である。
【0109】(3.4) 電話信号を搭載しないタイム
・スロットの有効活用について すでに説明したように、識別情報(とその信号のレベル
情報)のみ送信した場合、タイム・スロット内の信号は
15〜20ビット程度にしかならず、このまま送信した
のでは能率が極めて悪いことになる。以下、これの有効
活用について前のモデルを用いて説明する。有効活用の
方法には1フレーム内のタイム・スロットを電話信号対
応に固定的に与えず、各フレーム毎に、ダイナミック・
タイムスロット・アサインメントを実行する方法があ
る。そして識別情報のみの信号は前述したように、 制御信号用のタイム・スロットと共用 識別情報のみのタイム・スロット(他の電話チャネ
ルと共用) の設置等の方法をとってもよい。
【0110】以上の結果、1フレーム内のガード・タイ
ム等に与える時間割当てが減少し、送信効率の向上が可
能となり、周波数有効利用度がさらに向上することにな
る。以上説明した通り、識別情報のみ送信するシステム
は容易に構築可能であり、実際のシステムに導入すれ
ば、周波数有効利用度は少なくとも5倍以上に向上す
る。あるいは、上記の送信すべき情報量の減少は、これ
を送信電力の低減に使用することも可能である。それに
は角度変調の変調偏移を大きくすればよい。
【0111】(3.5) 識別情報の一括送信について 以上の説明では、移動無線機100と無線基地局30の
行う通信において、電話信号(時間片信号)を送信しつ
つ、同時に識別情報を相互に送信し、相手が記憶した時
間片信号に対しては時間片信号を送信する代わりに識別
情報を送信する方法であった。しかしながら、つぎの条
件が成立すれば、さらに効果的な識別情報の送信が可能
となる。
【0112】a) 通信端末とくに移動端末において
は、その使用者が特定されること。 b) 通信端末に具備する記憶回路の記憶量が大きいこ
と。 c) システムの通信トラフィックが大きく、かつ通信
端末がそれを活用可能なこと。
【0113】これらの内、a)はパーソナル通信の発達
とともに使用される移動端末は1人1台の時代になりつ
つある。あるいは、1人1台でなくても、たとえば、A
氏,B氏,C氏の3人というように使用者が特定可能な
らばよい。ただし、この場合は移動端末の記憶回路の記
憶内容は3倍必要になる。また固定網に収容されている
電話機も移動端末は1人1台の時代になりつつある。あ
るいは、1人1台でなくても、使用者が特定可能ならば
よい。b)は現在の技術水準では極めて容易に得られる
ので、a)に対して条件は余り厳しくならない。また、
c)は本発明のシステムでは可能である。以下、システ
ム例を用いて説明する。
【0114】(3.5.1) 識別情報の一括送信につ
いてのシステム例 フレーム長 :20ms 多重度 :48(1フレーム内にタイ
ム・スロットは50あるが、2タイム・スロットは同
期,制御信号、および識別情報の送信に使用) 識別情報の情報量 :10ビット(時間片信号の
総数を1000種類とする、ただし、レベル情報等は含
まれていない) 時間片信号の情報量 :アナログ信号として送信す
る。したがって、20msの時間片信号が1000個あ
るから、全部を送信するための所要時間は0.02×1
000=20秒/1通話路
【0115】識別情報を一括送信するに際しては、その
前提として通話者の音声を時間片信号の形で、あらかじ
め時間片信号群記憶・比較回路181に記憶しておかな
くてはならない。そのためには、 通話者が以前行った電話の信号を記憶する。 通話者にあらかじめ電話機部101の送話器(図1
0参照)へ基準通話信号(短い文章ではあるが、必要な
時間片信号をすべて含むもの)を発生してもらい、これ
を時間片信号の形であらかじめ記憶する。 等の方法を採用する。
【0116】これらおよびの条件により、本発明の
システム例で識別情報を一括送信する所要時間を求め
る。なお、一括送信する時期は通話状態S216(図9
参照)に入った直後が望ましい。識別情報を一括送信す
るシステムにおいては、通話用のタイム・スロットは常
時は空タイム・スロットの状態である。なぜならば、通
話用のタイム・スロットは識別情報の一括送信に短時間
使用されるが、終了すれば後は識別情報についての送信
のみになり、これを識別情報専用使用のタイム・スロッ
トに移行するからである。1000種類の時間片信号は
アナログ信号のまま48タイム・スロットすべてを使用
して送信すると、その所要時間は、 20秒/48通話路=0.42秒 となる。すなわち、0.5秒もかからない。また、48
タイム・スロットの内、30タイム・スロットを使用し
て送信すると、その所要時間は、 20秒/30通話路=0.67秒 となる。すなわち、0.7秒もかからないで送信が完了
する。
【0117】このように、識別情報の一括送信に使用さ
れる所要時間は極めて短期間であり、通話者がほとんど
気付かない内に完了する。あるいは、識別情報を一括送
信する0.7秒の期間は、通話とは別のタイム・スロッ
トを割当て並列に送信させてもよい。一方、このような
動作をディジタル・コードレス電話で行うとつぎのよう
になる。ディジタル・コードレス電話では多重度(1無
線搬送波での電話換算の数)は4であり、1000種類
の時間片信号をディジタル形式で送信する。送信すべき
情報量は、 32kbps×0.01s×1000=320kb 4多重の全てを使用して送信すると、その所要時間は、 320kb/(32kbps×4)=2.5秒 となる。すなわち、2.5秒もかかることになる。これ
では、通話者は通話できない(あるいは通話しても相手
に届かない)ことに違和感を感ずるであろう。それゆ
え、4多重のすべてを使用して送信することはできず、
2.5秒の期間も通話可能なように通話路を設定し、識
別情報の送信に対し別のタイム・スロットを割当てるよ
うにすべきである。その結果、識別情報の一括送信は3
多重を用いる並列送信をとらざるを得ない。この場合、
その所要時間は、 320kb/(32kbps×3)=3.33秒 とさらに長くなる。
【0118】以上の説明では、識別情報の一括送信は移
動無線機100から無線基地局30に対してであった
が、逆に無線基地局30から移動無線機100宛に固定
側通話者の識別情報を一括送信することも可能である。
そのためには、つぎのいづれかの条件を満たしているこ
とが必要である。 i) 無線基地局30に特定の固定側通話者の識別情報が
記憶されていること。 ii) 関門交換機20の記憶回路(図示せず)に特定の固
定側通話者の識別情報が記憶されていること。 iii) 固定側通話者の識別情報が特定の固定側電話機に
記憶されていること。
【0119】これらの条件の内 、i) は、ただちに使用
可能であるが、ii) の場合は、関門交換機20の記憶回
路(図示せず)に通話のたびにアクセスして、特定の固
定側通話者の識別情報を検索・読出す必要がある。ま
た、無線区間に乗せる信号に適した形に信号を変換する
装置が必要である。 iii) の場合は、ii) に加え、さら
に電話網10内の交換機間通信が必要になる。
【0120】以上の説明で明らかなように、本発明をT
CMシステムへ適用した場合には、識別情報の転送は極
めて容易である。本発明の実施例はTCM信号を用いた
システムが中心であったが、本発明の適用は単にTCM
信号ばかりではなく、最近実用化されたディジタル・セ
ルラーやディジタル・コードレス電話等、一般に信号を
時間分割して送信するシステムであれば、すべて適用が
可能である。
【0121】また、本発明を適用したシステムの優位性
は以下のようにまとめることができるる。 無線区間では通話者の発した音声は伝送されてはい
ないが、互いに端末には相手の発した音声と全く変わら
ない電話信号が到着するから、通話者同志は本発明を適
用した場合の識別情報だけが送られているとの意識なし
に通話を行うことが可能となる。 の実行に当たって使用者には新しい操作が全く不
要である。 周波数有効利用度が大きく向上する。 周波数有効利用度の向上の一部を無線送信電力の低
減に当てることが可能である。
【0122】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、電話信
号を用いるTCMシステムにおいて、本文で詳述したよ
うに電話信号に代わる識別情報のみを送信することによ
り、TCMシステムの周波数有効利用度が大きく向上す
る。さらに識別情報を通話に先立ち相手端末へ送信する
ことにより、一層効果的なシステムの運用が可能にな
る。しかも、無線区間では通話者の発した音声は伝送さ
れてはいないが、互いの端末には相手の発した音声と全
く変わらない電話信号が到着するから、通話者同志は本
発明を適用した場合の識別情報だけが送られているとの
意識なしに通話を行うことが可能である。また送信すべ
き情報量の減少を送信電力の低減に使用することも可能
である。したがって、本発明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの概念を示す概念構成図であ
る。
【図2】本発明のシステムに使用される移動無線機の基
本動作を説明するための回路構成図である。
【図3】本発明のシステムに使用される無線基地局の基
本動作を説明するための回路構成図である。
【図4】本発明のシステムに使用される基本動作を説明
するためのタイム・スロット構造図である。
【図5】通話信号および制御信号のスペクトルを示すス
ペクトル図である。
【図6】音声信号とデータ信号を多重化する回路構成図
である。
【図7】通話信号および制御信号のスペクトルを示すス
ペクトル図である。
【図8】本発明によるシステムの基本動作の流れを示す
フロー・チャートである。
【図9】図8とともに本発明によるシステムの基本動作
の流れを示すフロー・チャートである。
【図10】図2の構成要素である速度復元回路,電話機
部および速度変換回路の回路構成図である。
【図11】図10の構成要素である時間片信号群記憶・
比較回路および識別情報送受信回路の内部構成を示す回
路構成図である。
【図12】母音の波形図である。
【図13】子音+母音(チョ)の波形図である。
【図14】電話信号からピーク除去をしたときと0付近
を除去した場合の情報伝送量特性を示す特性図である。
【図15】図14においてピーク除去をする場合と0付
近除去をする場合の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
10 電話網 20 関門交換機 22−1〜22−n 通信信号 30 無線基地局 31 信号処理部 32 無線送信回路 35 無線受信回路 38 信号速度復元回路群 38−1〜38−n 信号速度復元回路 39 信号選択回路群 39−1〜39−n 信号選択回路群 40 制御部 41 クロツク発生器 42 タイミング発生回路 51 信号速度変換回路群 51−1〜51−n 信号速度変換回路 52 信号割当回路群 52−1〜52−n 信号割当回路 91 ディジタル符号化回路 92 多重変換回路 100,100−1〜100−n 移動無線機 101 電話機部 120 基準水晶発振器 121−1,121−2 シンセサイザ 122−1,122−2 スイッチ 123 送受信断続制御器 131 速度変換回路 132 無線送信回路 133 送信ミクサ 134 送信部 135 無線受信回路 136 受信ミクサ 137 受信部 138 速度復元回路 141 クロック再生器 161 電話信号記憶回路 162 時間伸張回路 163 電話信号再生回路 165,167 スイッチ 169 時間片信号作成回路 171 電話信号記憶回路 173 時間圧縮回路 177 スイッチ 181 時間片信号群記憶・比較回路 182 識別情報送受信回路 501 信号比較回路 502,503 記憶回路 521 識別情報作成回路 522 識別情報送信回路 523 識別情報受信回路 524 識別情報分析回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のゾーンをそれぞれカバーしてサー
    ビス・エリアを構成する各無線基地手段(30)と、前
    記複数のゾーンを横切って移動し、前記無線基地手段と
    無線チャネルによる各移動無線手段(100)との間の
    通信を交換するための関門交換手段(20)とを用い
    て、前記移動無線手段間の交信および前記移動無線手段
    と前記関門交換手段に接続された一般の電話網(10)
    に含まれた電話手段との間の交信のうちのすくなくとも
    1つの交信を可能とする移動体通信における電話信号送
    信方法において、 前記交信をするすくなくとも一方が、あらかじめ前記交
    信をする者の音声を時間的に細分した時間片信号に識別
    情報を付して第1の初期情報として記憶し、 前記交信の最初の段階で前記第1の初期情報を前記交信
    の相手に送信してこれを受信した前記交信の相手におい
    ても記憶して(181)前記識別情報に付した時間片信
    号を第2の初期情報として共有し、 前記交信においては、送信すべき電話信号を表現可能と
    する時間片信号を前記第1の初期情報中から得て(18
    1)、前記得られた時間片信号に付された識別情報のみ
    を送信するようにした(182)、 移動体通信における電話信号送信方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の初期情報が、 前記無線基地手段,前記移動無線手段および前記関門交
    換手段のうちのすくなくとも1つから送出される請求項
    1の移動体通信における電話信号送信方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の初期情報が、 前記関門交換手段に接続された一般の電話網手段(1
    0)に含まれた交換手段および前記交換手段に接続され
    た電話手段のうちのすくなくとも1つから送出される請
    求項1の移動体通信における電話信号送信方法。
JP4245743A 1992-08-22 1992-08-22 移動体通信における電話信号送信方法 Pending JPH0669864A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4245743A JPH0669864A (ja) 1992-08-22 1992-08-22 移動体通信における電話信号送信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4245743A JPH0669864A (ja) 1992-08-22 1992-08-22 移動体通信における電話信号送信方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0669864A true JPH0669864A (ja) 1994-03-11

Family

ID=17138144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4245743A Pending JPH0669864A (ja) 1992-08-22 1992-08-22 移動体通信における電話信号送信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0669864A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4682350A (en) Equipment for wireless telephone transmission
JPH1079981A (ja) 移動通信装置における音声録音方法及び移動通信装置
JPH0669864A (ja) 移動体通信における電話信号送信方法
JPH0669863A (ja) 移動体通信における電話信号送信方法
JPH0685738A (ja) 移動体通信における電話信号送受信方法
JPH06153257A (ja) 移動体通信における電話信号ダイバーシチ送受信方法
JPH06181455A (ja) 移動体通信における電話信号送受信方法
JPH06216834A (ja) 移動体通信における電話信号送受信方法
JPH0661936A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH0669902A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH066291A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH05327601A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH06244784A (ja) 移動体通信における電話信号送受信方法
JPH05183491A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH06164483A (ja) 移動体通信における電話信号伝送システム
JPH066292A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH05347578A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH06216838A (ja) 移動体通信装置
JPH05235837A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH03250931A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH05191338A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法
JPH0541685A (ja) 時間分割移動体通信のダイバーシテイ通信方法
JPH03262220A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法とシステム
JPH03217132A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法とシステム
JPH04322522A (ja) 移動体通信の時間分割通信方法