JPH03250931A - 移動体通信の時間分割通信方法 - Google Patents

移動体通信の時間分割通信方法

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JPH03250931A
JPH03250931A JP2048347A JP4834790A JPH03250931A JP H03250931 A JPH03250931 A JP H03250931A JP 2048347 A JP2048347 A JP 2048347A JP 4834790 A JP4834790 A JP 4834790A JP H03250931 A JPH03250931 A JP H03250931A
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signal
time
signals
radio
circuit
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JP2048347A
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Sadao Ito
伊藤 貞男
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Iwatsu Electric Co Ltd
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Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は移動体通信における無線通信チャネルの時間分
割通信方法における変調信号でおる時間圧縮多重信号の
有する多重負荷利得の有効利用に間する。さらに臭体的
には、ある無線チャネルが与えられ、これを用いてサー
ビス・エリア内の多数の移動無線機のうちの1つが対向
する無線基地局と無線回線を設定して通信している最中
に、他の移動無線機か同一無線チャネルを用いて他の無
線基地局と通信を開始したとき、周波数の有効利用上あ
るいは電波伝搬特性上の理由で、それぞれ通信中の移動
無線機と、無線基地局との間の通信に悪影響を及ぼすこ
とを未然に除去すると同時に、送信出力の逓減による周
波数の有効利用性を向上する方法を提供せんとするもの
である。
[従来の技術コ 小ゾーン方式を適用した音声を用いる移動体通信におい
て、時分割時間圧縮多重信号を採用した方式は下記の文
献に記載されている。
文献1.伊藤“携帯電話の方式検討−時分割時間圧縮F
M変調方式の提案−″ 信学会技報 RC389−11
平成元年7月 文献2.伊藤”携帯電話の方式検討−時分割時間圧縮F
M変調方式の理論検討″ 信学会技報RC389−39
平成元年10月 すなわち、文献1においては、送信信号(ベースバンド
信号)をあらかじめ定めた時間間隔単位に区切って記憶
回路に記憶し、これを読み出すときには記憶回路に記憶
する速度よりもn倍の高速により所定のタイム・スロッ
トで読み出し、このタイム・スロットによって収容され
た信号で搬送波を角度変調または振幅変調して、時間的
に断続して送受信するために移動無線機および無線基地
局に内蔵されている、それぞれ対向して交信する受信ミ
クサを有する無線受信回路と、送信ミクサを有する無線
送信回路と、無線受信回路の受信ミクサに印加するシン
セサイザと無線送信回路の送信ミクサに印加するシンセ
サイザとに対しスイッチ回路を設け、それぞれ印加する
シンセサイザの出力を断続させ、この断続状態を送受信
ともに同期し、かつ対向して通信する無線基地局にも上
記と同様の断続送受信を移動無線機のそれと同期させる
方法を用い、かつ受信側では前記所定のタイム・スロッ
トに収容されている信号のみを取り出すために、無線受
信回路を開閉して受信し、復調して得た信号を記憶回路
に記憶し、これを読み出すときにはこの記憶回路に記憶
する速度のn分の1の低速度で読み出すことにより、送
信されてきた原信号であるベースバンド信号の再生を可
能とするシステムを構築したシステム例が報告されてい
る。
また文献2には、上記のようなTCM(時分割時間圧縮
多重)−FM方式を小ゾーンに適用した場合に問題とな
る隣接チャネル干渉や、同一チャネル干渉の検討が行わ
れており、システム・パラメータを適切に選定すること
によりシステム実現の可能性が示されている。
また、音声信号を周波数変換し、周波数軸に重ならない
ようにして多重化した、いわゆる周波数分割多重信号の
有する多重負荷利得は、たとえば下記の文献3および4
に示されている。
文献3.B、D、 Ho1brook、 J、T、Di
xon: LoadRating Theory fo
r Multichannel Amplifiers
BSTJ、1B、 OCt、、 1939文献4. C
,B、Feldman他”Band Width an
dTransmission Performance
”BSTJ、 July 1949490〜595頁 第13図は上記の文献3のFig、 7より作成された
ものであり、また第14図は上記の文献4の495頁よ
り引用したものであり、第13図に示したものと実質的
に同じ多重負荷利得を1稈ることができることを示して
いる。
以下簡単に多重負荷利得の得られる理由と、無線の角度
変調への応用を説明する。
電話信号の流れている、おる動作中の通話路のレベルは
、人により、性により、加入者線の長さによっても異な
り、同一人が連続して話していても、八Bと語の間には
必ず間隔がある。また、先方か話している間は片方は話
さず1方向は何も信号か加わらない。交換接続中も話さ
ない。このため個々の信号レベルは多様であり、これの
合成信号も簡単に求められない。しかし、これを明らか
にすることが、ひずみ・漏話・準漏話・雑音等を満足さ
れる値に保った中継回線を作るために最も重要で、基本
となる問題である。そのため多くの人々によって研究さ
れてきた。
搬送波を抑圧したFDM方式(83:5inple 5
idebandを適用した方式〉のレベルはこのような
音声の合成で、各音声が同時に重なり合う確率はまれで
あり、通話路数Nが少ない間は大きく変動する各音声が
、合成信号に与える影響は直接的でおるが、多重数が増
加するに従って、個々の影響は直接的でなくなり、確率
的に平均化される。そのために、合成信号の尖頭値は通
話路数の増加に従って極めてゆっくり増加する。これを
、B、D、 HObrookとJ、T、 Dixon(
上記の文献3)が米国の電話について統計的に求めた。
その結果によれば、多重信号の尖頭値と同じ尖頭値をも
つ制限波の電力の変化は、第13図のようになる。多重
電話信号の尖頭値の増加がいかに少ないかを示すため、
個々の信号の尖頭電圧の和と比較すると、第13図の多
重負荷利得のようになる。すなわち、たとえば960通
話路方式は6通話路を同時に最高負荷し、954通話路
の信号を負荷しなかったのと同じ尖頭電圧になる。
SS−FM方式では、合成信号の電圧の変動か周波数偏
移になるから、合成の尖頭周波数偏移をある値にしたと
き、多重通話路数Nが大きくなると、各通話信号が電圧
和するときに較べて、第13図に示した多重負荷利得だ
け各通話路あたりの変調指数を大きくすることができ、
先頭周波数偏移を任意の値にした時に与えられるS/N
よりもそれだけ多く改善される。
[発明が解決しようとする課題] 前記の文献1および2に示されたシステム構築例では、
無線基地局から多数の移動無線機あてに送信される時分
割時間圧縮多重信号の多重負荷利得の存在について開示
されておらず、この多重負荷利得を活用していない。
したがって、もし、この多重負荷利得に関する解析がな
されていたならば、システム設計において得られるであ
ろう多くの利点、すなわち、周波数変調の深さを増加す
ることにより可能となる送信出力レベルの逓減や、TC
M信号を増幅するための増幅器の設計の容易さ、動作レ
ベル設定節回の拡大による経済的増幅器の実現、あるい
はミキサ、抵抗、コンデンサの定格条件の緩和による経
済化などの利点を具体的に実現することができないとい
う解決されるべき課題かあった。
文献3および4に開示されたものは、音声信号を周波数
変換し、周波数軸上において重ならないように多重化し
た、いわゆる周波数分割多重信号における多重負荷利得
について明らかにしたものでおり、時分割時間圧縮多重
(TCM)信号に適用できるものではなく、多重負荷利
得の存在も不明であり、TCM信号においても多重負荷
利得の存在が明らかにされたならば、システム設計にお
いて得られるであろう多くの利点(前記文献1および2
の場合に同じ)を具体的に実現することができないとい
う解決されるべき課題がおった。
さらに場所的に異なる2つの無線基地局における移動無
線機との通信において、同一の無線チャネルを使用する
ための条件についても具体的な設計上のパラメータを決
定する際に、有効な情報は与えられていないという解決
されるべき課題があった。
[課題を解決するための手段] TCM(時分割時間圧縮多重)信号の多重数(通話路数
)、1フレームの時間長、原信号の有する最高周波数を
パラメータにとり、TCM信号の有する多重負荷利得を
標本化定理を用いて、FDM<周波数分割多重信号)に
おける多重負荷利得との関係において明確に導出し、こ
れを実用化可能なものとした。さらに、多重負荷利得を
角度変調の変調偏移の増大に使用するようにした。
[作用] TCM信号においても多重負荷利得が存在することが明
らかとなったことから、システムの各種の設計パラメー
タを用いて多重負荷利得を具体的に算出できるようにな
り、干渉妨害等を許容1直以内に保ちつつ、FM (P
M)変調の変調度を深めることにより、送信出力の逓減
を可能とした。したがって、増幅器の設計か容易となり
、また、ミクサ、抵抗、コンデンサ等受動回路の定格値
を下げることができ、経済的なシステムの構築か可能と
なった。
さらに上記の多重負荷利得を角度変調の変調偏移の増大
に使用し、場所的に異なる2つの無線基地局と交信する
各移動無線機との通信において、同一の無線チャネルを
使用するための条件についても設計上有効な具体的パラ
メータを提供した。
[実施例] 第1A図、第1B図および第1C図は、本発明の一実施
例を説明するためのシステム構成を示している。
第1A図において、10は一般の電話網であり、20は
電話網10と無線システムとを交換接続するだめの関門
交換機である。30は無線基地局であり関門交換機20
とのインタフェイス、信号の速度変換を行う回路、タイ
ム・スロットの割当てや選択をする回路、制御部などが
あり、無線回線の設定や解除を行うほか、移動無線機1
00(100−1〜100−n>と無線信号の授受を行
う無線送受信回路を有している。
ここで、関門交換機20と無線基地局30との間には、
通話チャネルCH1〜CHnの各通話信号と制御用の信
号を含む通信信号22−1〜22−nを伝送する伝送線
がある。
第1B図には、無線基地局30との間で交信をする、移
動無線機100の回路構成が示されている。アンテナ部
に受けた制御信号や通話信号などの受信信号は受信ミク
サ136と受信部137を含む無線受信回路135に入
り、その出力である通信信号は、速度復元回路138と
、制御部140とクロック再生器141に入力される。
クロック再生器141では、受信した信号の中からクロ
ックを再生してそれを速度復元回路138と制御部14
0とタイミング発生器142に印加している。
速度復元回路138では、受信信号中の圧縮されて区切
られた通信信号の速度(アナログ信号の場合はピッチ)
を復元して連続した信号として電話機部101および制
御部140に入力している。
電話機部101から出力される通信信号は、速度変換回
路131で通信信号を所定の時間間隔で区切って、その
速度(アナログ信号の場合はピッチ〉を高速(圧縮〉に
して、送信ミクサ133と送信部134とを含む無線送
信回路132に印加される。
送信部134に含まれた変調器の出力は送信ミクサ13
3において、所定の無線周波数に変換され、アンテナ部
から送出されて、無線基地局30によって受信される。
移動無線機100より、使用を許可されたタイム・スロ
ットを用いて無線基地局30宛に無線信号を送出するに
は、第1B図に示すタイミング発生器142からのタイ
ミング情報が、制御部140を介して得られている事が
必要である。
このタイミング発生器142では、クロック再生器14
1からのクロックと制御部140からの制御信号により
、送受信断続制御器123.速度変換回路131ヤ速度
復元回路138に必要なタイミングを供給している。
この移動無線機100には、ざらにシンセサイザ121
−1および121−2と、切替スイッチ122−1,1
22−2と、切替スイッチ122−1.122−2をそ
れぞれ切替えるための信号を発生する送受信断続制御器
123およびタイミング発生器142が含まれており、
シンセサイザ121−1,121−2と送受信断続制御
器123とタイミング発生器142とは制御部140に
よって制御されている。各シンセサイザ121−1.1
21−2には、基準水晶発振器120から基準周波数が
供給されている。
第1C図には無線基地局30が示されている。
開門交換機20との間のnチャネルの通信信号22−1
〜22−nは伝送路でインタフェイスをなす信号処理部
31に接続される。
さて、関門交換機20から送られてきた通信信号22−
1〜22−nは、無線基地局30の信号処理部31へ入
力される。信号処理部31では伝送損失を補償するため
の増幅器か具備されているほか、いわゆる2線−4線変
換がなされる。すなわち入力信号と出力信号の混合分離
か行われ、関門交換機20からの入力信号は、信号速度
変換回路群51へ送られる。また信号速度復元回路群3
8からの出力信号は、信号処理部31て入力信号と同一
の伝送路を用いて関門交換機20へ送信される。上記の
うち関門交換120からの入力信号は多くの信号速度変
換回路51−1〜51−nを含む信号速度変換回路群5
1へ入力され、所定の時間間隔で区切って速度(ピッチ
)変換を受ける。
また無線基地局30より関門交換機20へ伝送される信
号は、無線受信回路35の出力か、信号選択回路群39
を介して、信号速度復元回路群38へ入力され、速度(
ピッチ)変換されて信号処理部31へ入力される。
さて、無線受信回路35の制御または通話信号の出力は
タイム・スロット別に信号を選択する信号選択回路39
−1〜39−nを含む信号選択回路群39へ入力され、
ここで各通話チャネルCH1〜CHnに対応して通話信
号か分離される。この出力は各チャネルごとに設けられ
た信号速度復元回路38−1〜38−nを含む信号速度
復元回路群38で、信号速度(ピッチ)の復元を受けた
後、信号処理部31へ入力され、4線−2線変換を受け
た後この出力は関門交換1120へ通信信号22−1〜
22−自として送出される。
つぎに信号速度変換回路群51の機能を説明する。
一定の時間長に区切った音声信号や制御信号等の入力信
号を記憶回路で記憶させ、これを読み出すときに速度を
変えて、たとえば記憶する場合のたとえば15倍の高速
で読み出すことにより、信号の時間長を圧縮することが
可能となる。信号速度変換回路群51の原理は、テープ
・レコーダにより録音した音声を高速で再生する場合と
同じでアリ、実際ニハ、たとえば、CCD (Char
geCoupled Device ) 、 33[)
 (Bucket 13rigadeDevice )
が使用可能でめり、テレビジョン受信機や会話の時間軸
を圧縮あるいは伸長するテープ・レコーダに用いられて
いるメモリを用いることができる(参考文献:小板 他
 “会話の時間軸を圧縮/伸長するテープ・レコーダ゛
 日経エレクトロニクス 1976年7月26日 92
〜133頁)。
信号速度変換回路群51で例示したCCDヤBBDを用
いた回路は、上記文献に記載されているごとく、そのま
ま信号速度復元回路群3Bにも使用可能で、この場合に
は、クロック発生器41からのクロックと制御部40か
らの1y11111信号によりタイミングを発生するタ
イミング発生器42からのタイミング信号を受けて、書
き込み速度よりも読み出し速度を低速にすることにより
実現できる。
閘門交換機20から信号処理部31を経由して出力され
た制御または音声信号は信号速度変換回路群51に入力
され、速度(ピッチ〉変換の処理が行われたのちにタイ
ム・スロット別に信号を割当てる信号割当回路群52に
印加される。この信号割当回路群52はバッファ・メモ
リ回路であり、信号速度変換回路群51から出力された
1区切り分の高速信号をメモリし、制御部40の指示に
より与えられるタイミング発生回路42からのタイミン
グ情報で、バッファ・メモリ内の信号を読み出し、無線
送信回路32へ送信する。この結果、通信信号はチャネ
ル対応でみた場合には、時系列的にオーバラップなく直
列に並べられており、後述する制御信号または通話信号
が全実装される場合には、あたかも連続信号波のように
なる。
この圧縮した信号の様子を第2A図および第2B図に示
し説明する。
信号速度変換回路群51の出力信号は信号割当回路群5
2に入力され、あらかじめ定められた順序でタイム・ス
ロットが与えられる。第2A図(a)のSDl、 5D
2−、SDnは速度変換された通信信号が、それぞれタ
イム・スロット別に割当てられていることを示している
ここで、1つのタイム・スロットの中は図示のごとく同
期信号と制御信号または通話信号か収容されている。通
話信号か実装されていない場合は、同期信号だけで通話
信号の部分は空スロツト信号が加えられる。このように
して、第2A図(a>に示すように、無線送信回路32
においては、タイム・スロットSD1〜SDnで1フレ
ームをなす信号が変調回路に加えられる事になる。
送信されるべく時系列化された多重信号は、無線送信回
路32において、角度変調されたのちに、アンテナ部よ
り空間へ送出される。
電話の発着呼時において通話に先行して無線基地局30
と移動無線機100との間で行われる制御信号の伝送に
ついては、電話信号の帯域内または帯域外のいづれを使
用する場合も可能でおる。
第3A図はこれらの周波数関係を示す。すなわち、同図
(a)においては帯域外信号の例であり、図のごとく、
低周波側(250Hz)や高周波側(3850Hz>を
使用することができる。この信号は、たとえば通話中に
制御信号を送りたい場合に使用される。
第3A図(b)においては、帯域内信号の例を示してお
り、発着呼時において使用される。
上記の例はいづれもトーン信号の場合であったが、トー
ン信号数を増したり、トーンに変調を加え副搬送波信号
とすることで多種類の信号を高速で伝送することが可能
となる。
以上はアナログ信号の場合であったが、制御信号として
ディジタル・データ信号を用いた場合には、音声信号も
ディジタル符号化して、両者を時分割多重化して伝送す
ることも可能であり、この場合の回路構成を第3C図に
示す。第3C図は、音声信号をディジタル符号化回路9
1でディジタル化し、それとデータ信号とを多重変換回
路92で多重変換し、無線送信回路32に含まれた変調
回路に印加する場合の一例である。ただし、ディジタル
・データ信号においては、後述するアナログ信号多重時
の多重負荷利得は通常存在しないから、システム設計に
はこの点の留意が必要である。
そして対向する受信機で受信し復調回路において第3C
図で示したのと逆の操作を行えば、音声信号と制御信号
とを別々にとり出すことが可能である。
一方移動無線機100から送られてきた信号は、無線基
地局30のアンテナ部で受信され、無線受信回路35へ
入力される。第2A図(b)は、この上りの入力信号を
模式的に示したものである。
すなわち、タイム・スロットSU1.SU2.・・・S
Unは、移動無線va100−1.100−2゜・・・
、100−nからの無線基地局30宛の送信信号を示す
。また各タイム・スロット5tJ1.SU2、・・・、
sunの内容を詳細に示すと、第2A図(b)の左下方
に示す通り同期信号および制卸信号またはくおよび)通
話信号より成り立っている。
ただし、無線基地局30と移動無線機100との間の距
離の小さい場合や信号速度によっては、同期信号を省略
することが可能である。さらに、上記の上り無線信号の
無線搬送波のタイム・スロット内での波形を模式的に示
すと、第2B図(C)のごとくなる。
さて、無線基地局30へ到来した入力信号のうち制御信
号については、無線受信回路35から直ちに制御部40
へ加えられる。ただし、速度変換率の大きざによっては
、通話信号を同様の処理を行った後に信号速度復元回路
群38の出力から制御部40へ加えることも可能である
。また通話信号については、信号選択回路群39へ印加
される。
信号選択回路群39には、制御部40からの制御信号の
指示により、所定のタイミングを発生するタイミング発
生回路42からのタイミング信号か印加され、各タイム
・スロット5L11〜Sunごとに同期信号、制御信号
または通話信号が分離出力される。これらの各信号は、
信号速度復元回路群38へ入力される。この回路は送信
側の移動無線機100における速度変換回路131(第
1B図)の逆変換を行う機能を有しており、これによっ
て原信号が忠実に再生され関門交換機20宛に送信され
ることになる。
以下本発明における信号空間を伝送される場合の態様を
所要伝送帯域や、これと隣接した無線チャネルとの関係
を用いて説明する。
第1C図に示すように、制御部40からの制御信号は信
号割当回路群52の出力と平行して無線送信回路32へ
加えられる。ただし、速度変換率の大きさによっては通
話信号と同様の処理を行った後、信号割当回路群52の
出力から無線送信回路32へ加えることも可能である。
つぎに移動無線機100においても、第1B図に示すご
とく無線基地局30の機能のうち通話路を1チヤネルと
した場合に必要とされる回路構成となっている。
原信号たとえば音声信号(0,3に82〜3.0KH2
)が信号速度変換回路群51(第1C図)を通った場合
の出力側の周波数分布を示すと第3B図に示すごとくに
なる。すなわち前述のように音声信号が15倍に変換さ
れるならば、信号の周波数分布は第3B図のこと< 4
.5KHz 〜45KH2に拡大されていることになる
。ここでは信号の周波数分布が拡大されているが、波形
の形態は単に周波数軸を引き延ばされただけであり、波
形そのものは変化がないことに留意する必要がある。こ
れは多重負荷利得の値を求める時に必要となる。さて、
第3B図においては、制御信号は音声信号の上側周波数
帯域を用いて同時伝送されている場合を示している。こ
の信号のうち制御信号(0,2〜4.0KHz >およ
び通話信号CH1(4,5〜45KH2でSDIとして
表されている)がタイム・スロット、たとえばSDIに
収容されているとする。
他のタイム・スロットSD2〜SDnに収容されている
音声信号も同様である。
すなわち、タイム・スロットSDi  (i=2゜3、
・、n>には制御部@(o、2〜a、oKHz >と通
信信号CHi(4,5〜45KH2)が収容されている
。ただし、各タイム・スロット内の信号は時系列的に並
べられており、−度に複数のタイム・スロット内の信号
が同時に無線送信回路32に加えられることはない。
これらの通話信号が制御信号とともに無線送信回路32
に含まれた角度変調部に加えられると、所要の伝送帯域
として、すくなくとも fo±45KHz を必要とする。ただし、fCは無線搬送波周波数である
。ここでシステムに与えられた無線チャネルが複数個あ
る場合には、これらの周波数間隔の制限から信号速度変
換回路群51による信号の高速化は、ある値に限定され
ることになる。複数個の無線チャネルの周波数間隔をf
、。。とじ、上)小の音声信号の高速化による最高信号
速度をfHとすると両者の間には、つぎの不等式が成立
する必要がある。
f   > 2 f H 「ep 一方、ディジタル信号では、音声は通常64kb/S程
度の速度でディジタル化されているからアナログ信号の
場合を説明した第3B図の横軸の目盛を1桁程度引上げ
て読む必要があるが、上式の関係はこの場合にも成立す
る。
また、移動無線機100より無線基地局30へ入来した
制御信号は、無線受信回路35へ入力されるが、その出
力の一部は制御部40へ入力され、他は信号選択回路群
39を介して信号速度復元回路群38へ送られる。そし
て後者の制御信号は送信時と全く逆の速度変換(低速信
号への変換)を受けた後、一般の電話網10に使用され
ているのと同様の信号速度となり信号処理部31を介し
て関門交換機20へ送られる。
つぎに、本発明によるシステムの発着呼動作に関し、音
声信号の場合を例にとって説明する。
(1〉移動無線機100からの発呼 第4A図および第4B図に示すフローチャートを用いて
説明する。
移動無線機100の電源をオンした状態にすると、第1
B図の無線受信回路135では、下り(無線基地局30
→移動無線l1100)無線チャネル(チャネルCH1
とする)に含まれている制御信号の捕捉を開始する。も
しシステムに複数の無線チャネルが与えられている場合
には、j〉 最大の受信入力電界を示す無線チャネルj
i)  無線チャネルに含まれている制御信号により指
示される無線チャネル iii )  無線チャネル内のタイム・スロットのう
ち空タイム・スロットのあるチャネル など、それぞれシステムに定められている手順にしたが
い無線チャネル(以下チャネルCH1とする)の受信状
態にはいる。これは第2A図(a)に示されているタイ
ム・スロットSDi内の同期信号を捕捉することにより
可能である。制御部140では、シンセサイザ121−
1に無線チャネルCH1の受信を可能とする局発周波数
を発生させるように制御信号を送出し、また、スイッチ
122−1もシンセサイザ121−1側に倒し固定した
状態にある。
そこで、電話機部101の受信機をオフ・フック(発呼
開始)すると(3201、第4A図)、第1B図のシン
セサイザ121−2は、無線チトネルCH1の送信を可
能とする局発周波数を発生させるような制御信号を制御
部140から受ける。
またスイッチ122−2もシンセサイザ121−2側に
倒し、固定した状態になる。つぎに無線チャネルCHI
を用い電話機部101から出力された発呼用制御信号を
送出する。この制御信号は、第3A図(b)に示される
周波数帯により、これを、たとえばタイム・スロットS
unを用いて送信される。
この制御信号の送出はタイム・スロットSunだけに限
定され、バースト的に送られ他の時間帯には信号は送出
されないから他の通信に悪影響を及ぼすことはない。た
だし、制御信号の速度が比較的低速であったり、あるい
は信号の情報量が大きく、1つのタイム・スロット内に
収容不可能な場合には、1フレーム後またはざらに、次
のフレームの同一タイム・スロットを使用して送信され
る。
タイム・スロットSunを捕捉するには具体的にはつぎ
の方法を用いる。無線基地局30から送信されている制
御信号には、第2A図(a)に示す通り、同期信号とそ
れに続く制御信号が含まれており移動無線機100はこ
れを受信することにより、フレーム同期が可能になる。
さらにこの制御信号には、現在使用中のタイム・スロッ
ト、未使用のタイム・スロット(空タイム・スロット表
示)などの制御情報が含まれている。システムによって
は、タイム・スロットSDi (i=1.2゜・・・、
n)が他の通信によって使用されているときには、同期
信号と通話信号しか含まれていない場合もあるが、この
ような場合でも未使用のタイム・スロットには通常同期
信号と制御信号が含まれており、この制御信号を受信す
ることにより、移動無線機100かどのタイム・スロッ
トを使用して発呼信号を送出すべきかを知ることができ
る。
なお、すべてのタイム・スロットが使用中の場合には、
この無線チャネルでの発呼は不可能であり、別の無線チ
ャネルを掃引して探索する必要かある。
また別のシステムでは、どのタイム・スロット内にも空
スロツト表示がなされていない場合があり、このときは
、それに続く音声多重信号SD1゜SD2.・・・、S
Dnの有無を次々に検索し、空タイム・スロットを確認
する必要がある。
さて本論にもどり無線基地局30から、以上のいづれか
の方法により送られてきた制御情報を受信した移動無線
機100では、自己がどのタイム・スロットで発呼用制
御信号を送出すべきか、その送信タイミングを含めて判
断することができる。
そこで上り信号用のタイム・スロットSunが空スロッ
トと仮定すると、この空タイム・スロットを使用するこ
とにし、発呼用制御信号を送出して無線基地局30から
の応答信号から必要なタイミングをとり出して、バース
ト状の制御信号を送出することができる。
もし、他の移動無線機から同一時刻に発呼があれば呼の
衝突のため発呼信号は良好に無線基地局30へ伝送され
ず再び最初から動作を再開する必要を生ずるが、この確
率はシステムとしてみた場合には、十分に小さい値にお
さえられている。もし呼の衝突をさらに低下させるには
、つぎの方法がとられる。それは移動無線機100が発
呼可能な空タイム・スロットをみつけたとして、そのタ
イム・スロットを全部使用するのではなく、ある移動無
線機には前半部、ある移動無線機には後半部のみを使用
させる方法である。すなわち発呼信号として、タイム・
スロットの使用部分を何種類かに分け、これを用いて多
数の移動無線機を群別し、その各群に、それぞれその1
つのタイム・スロット内の時間帯を与える方法である。
別の方法は、制御信号の有する周波数を多種類作成し、
これを多数の移動無線機を群別し、その各群に与える方
法である。この方法によれば周波数の異なる制御信号が
同一のタイム・スロットを用いて同時に送信されても無
線基地局30て干渉を生じることはない。以上の2つの
方法を別々に用いてもよいし、併用すれば効果は相乗的
に上胃する。
さて移動無線機100からの発呼用制御信号が良好に無
線基地局30で受信され移動無線機100のID(識別
番号)を検出したとすると(3202)、制御部40で
は、現在空いているタイム・スロットを検索する。移動
無線ll1100に与えるタイム・スロットはSunで
もよいが、念のために検索を実行する。それは移動無線
機100のほかに、他の移動無線機からの同時発呼に対
応するためヤ、サービス種類やサービス区分に適したタ
イム・スロットを与えるためでもある。
この結果、たとえばタイム・スロットSD1が空いてい
るとすると、移動無線機100に対し前記無線チャネル
CH1のタイム・スロットSD1を用い下り制卸信号に
よりタイム・スロット上り(移動無線l1100→無線
基地局30)SLJl。
およびこれに対応する下り(無線基地局30→移動無線
機100)SDlを使用するように指示する(3203
)。これに応じて移動無線機100では、指示されたタ
イム・スロットSD1で受信可能な状態へ移行するとと
もに下りのタイム・スロットSD1に対応する上り無線
チャネル用のタイム・スロットであるSUl (第2A
図(b)参照)を選択する。このとき移動無線機100
の制御部140においては、送受信断続側−器123を
動作させ、スイッチ122−16よび122−2を動作
開始させる(8204>。それと同時にスロット切替完
了報告を上りタイム・スロットSU1を用いて無線基地
局30に送出しく3205)、ダイヤル・トーンを待つ
(S206>。
この上り無線信号の無線搬送波のタイム・スロットSU
Iの状態を模式的に示すと第2B図(C)のごとくなる
。無線基地局30には、タイム・スロット5tJ1のほ
かに、他の移動無線機100からの上り信号としてSU
3やSunか1フレームの中に含まれて送られてきてい
る。
スロット切替完了報告を受信した無線基地局30では(
3207>、発呼信号を関門交換機20に対し送出しく
3208>、これを受けた関門交換機20では移動無線
機100のIDを検出し、関門交換1120に含まれた
スイッチ群のうちの必要なスイッチをオンにして(52
09>、ダイヤル・トーンを送出する(S210、第4
B図)。
このダイヤル・トーンは、無線基地局30により転送さ
れ(S211>、移動無線機100では、通話路が設定
されたことを確認する(3212>。
この状態に移行したとき移動無線機100の電話機部1
01の受話器からダイヤル・トーンか聞えるので、ダイ
ヤル信号の送出を始める。このダイヤル信号は速度変換
回路131により速度変換され送信部134および送信
ミクサ133を含む無線送信回路132より上りタイム
・スロットSU1を用いて送出される(S213>。か
くして、送信されたダイヤル信号は無線基地局30の無
線受信回路35で受信される。この無線基地局30では
、すでに移動無線I!100からの発呼信号に応答し、
使用すべきタイム・スロットを与えるとともに、無線基
地局30の信号選択回路群39および信号割当回路群5
2を動作させて、上りのタイム・スロットSU1を受信
し、下りのタイム・スロットSDIの信号を送信する状
態に移行している。したがって移動無線機100から送
信されてきたダイヤル信号は、信号選択回路群39の信
号選択回路39−1を通った後、信号速度復元回路群3
8に入力され、ここで原送信信号が復元され、信号処理
部31を介して通話信号22−1として関門交換機20
へ転送され(3214)、電話網10への通話路か設定
される(3215)。
一方、関門交換120からの入力信号(当初制御信号、
通話が開始されれば通話信号〉は、無線基地局30にお
いて信号速度変換回路群51で速度変換を受けた後、信
号割当回路群52の信号割当回路52−1によりタイム
・スロットSD1か与えられている。そして無線送信回
路32から下りの無線チャネルのタイム・スロットSD
1を用いて前記移動無線機100宛に送信される。前記
移動無線機100では、無線チャネルCH1のタイム・
スロットSD1において受信待機中であり無線受信回路
135で受信され、その出力は速度復元回路138に入
力される。この回路において送信の原信号か復元され、
電話機部101の受話器に入力される。かくして、移動
無線機100と一般の電話網10の内の一般電話との間
で通話が開始されることになる(S216>。
終話は移動無線機100の電話機部101の受話器をオ
ン・フックすることにより(5217)、終話信号と制
御部140からのオン・フック信号とが速度変換回路1
31を介して無線送信回路132より無線基地局30宛
に送出されるとともに(3218)、制御部140では
送受信断続制御器123の動作を停止させかつ、スイッ
チ122−1および122−2をそれぞれシンセサイザ
121−1および121−2の出力端に固定する。
一方、無線基地局30の制御部40では、移動無線機1
00からの終話信号を受信すると関門交換機20宛に終
話信号を転送しく3219>、スイッチ群(図示せず)
のスイッチをオフにして通話を終了する(5220>。
同時に無線基地局30内の信号選択回路群39および信
号割当回路群52を開放する。
以上の説明では無線基地局30と移動無線l1100と
の間の制御信号のヤリとりは信号速度変換回路群51.
信号速度復元回路群38等を通さないとして説明したが
、これは説明の便宜上であって、音声信号と同様に信号
速度変換回路群51、信号速度復元回路群38、制御信
号速度変換回路48や信号処理部31を通しても何ら支
障なく通信が実施可能である。
(2)移動無線機100への着呼 移動無線機100は電源をオンした状態で待機中とする
。この場合移動無線l1100からの発呼の項で説明し
たごとく、システムで定められている手順にしたがった
無線チャネルCH1の下り制御信号を受信待機状態にあ
る。
一般の電話網10より関門交換機20を経由して移動無
線機100への着呼信号が無線基地局30へ到来したと
する。これらの制御信号は通信信号22として音声信号
と同様に、信号速度変換回路群51を通り、信号割当回
路群52を介して制御部40(第1C図〉へ伝えられる
。すると制御部40では移動無線機100宛の無線チャ
ネルCH1の下りタイム・スロットのうちの空スロット
、たとえばSDlを使用して移動無線l11100のI
D信号十着呼信号表示信号士タイム・スロット使用信号
(移動無線ll1100からの送信には、たとえばSD
lに対応するSUlを使用)を送出する。
この信号を受信した移動無線1100では、無線受信回
路135の受信部137より制御部140へ伝送される
。制御部140では、この信号が自己の移動無線機10
0への着呼信号であることを確認するので電話機部10
1より呼出音を鳴動させると同時に、指示されたタイム
・スロットSD1、SUlで待機するように送受信断続
制御器123を動作させるとともに、スイッチ122−
1゜122−2のオン、オフを開始させる。かくて通話
が可能な状態に移行したことになる。
なお、本システムを用いて良好な状態で信号伝送が実行
され、かつシステム内の他の無線チャネルへ悪影響を与
えることのないことは文献2によって理論的に説明され
ているので省略し、以下、本発明に適用するTCM信号
が多重負荷利得を有することを理論的に説明し、その後
にその応用について述べる。
(3)無線基地局30より送信されるTCM信号の多重
負荷利得について TCM(時分割時間圧縮多重)信号の有する多重負荷利
得をFDM(周波数分割多重)信号の有する多重負荷利
得と関連づけるため、まず、FDMの各チャネルCH1
,CH2,・・・CHnに流れている各音声信号を関数
の形に表わす。FDM信号は公知のように音声信号を周
波数変換し、第5図に示すように周波数軸上に1列に並
べたものであり、この多重信号は同軸伝送方式やマイク
ロ波アナログ通信方式に多用され、また多重負荷利得も
実用システムの中にとり入れられ、大きな効果を発揮し
ている。なお、第5図のスペクトルはチャネル数12個
(CH1〜12)の場合を示したが、一般には、12個
の他、60,120,480.960,1200.27
00個等と多種類のものが用いられている。
以下の説明においては、FDM信号あるいはTCM信号
への入力音声信号レベルは同一と仮定する。さて、第5
図のチャネルCH1,CH2,CH3,・・・・・・ 
CHnに流れる音声信号(有線の場合、伝送すべき周波
数帯域は0.3〜3.4KH2であるが移動無線信号で
は、0.3〜3.0にHzであるので、この値に限定し
た)をfl(t)f2ft)、・・・・・・、fn(t
)とする。これらの信号の有する周波数成分は、チャネ
ルCH1が0.3〜3.0KHz、CH2が4.3〜7
.0KH2゜・・・・・・、CHnが4x (n−1>
 +0.3〜4x(n−1)KHzとなっており、互い
に重複することはない。
しかしながら、信号波形からみた場合のこれらn個の音
声信号の振幅分布は、単に周波数軸上で高い周波数ヘシ
フトしているだけで、信号波形そのものは全く変化して
いない。これは多重負荷利得を求めるうえで重要であり
、つどのように表現することができる。FDM信号の公
知の多重負荷利得はn個の音声を周波数軸上に第5図の
ように並べた場合の信号と、周波数変換をしないn個の
音声を単に混合した場合と全く同一である。これを数式
で証明する。チャネルCH1,CH2,・・・・・・、
CHnの混合信号は次式で表わされる。
F(t) −fl (t) 十f2 (t) 十−+f
o(t)(1) 具体的にはf (1) はつぎのように表現される。
kHz (2) (3) ただし、  I≧2 また、周波数変換をしない場合の混合信号は、次式で与
えられる。
G(t) =C11(j) 十g2 (t)+・・・十
g。は)(4) ここに、 (jl (t) =f1 (j)    (5)kHz 〈6〉 ただし、 1≧2 つぎに、 (1)。
(4)式の信号の有する電力 を求める。
まず、 F (t) の電力は、 一方、 G (t) の電力は、 ■ T−1XfG(t) t ただし、 異なる信号間では、 電力は形成されな いことを用いた。
すなわち、 fjdt=0 ■ f  gi Clj dt=0 f  apisin(ω、i+βp・)x a ojs
 + n (w L)J+βl)j>d↑=O(9) ただし、 ≠J さて、 (2)。
(3)式より、 (10) (11) ただし、  i≧2 (コO>、(11)式より、 F(t) 2=G(t) 2(12) が得られる。
すなわち、信号の有する電力は、周波数変換に関係しな
いことが、以上の説明から明らかになった。
つぎに、標本化定理をq・(1)に適用することを考え
る。J(t)の有する最高周波数fhは3KH2である
から、時間間隔1/(2fh)、すなわち、1/600
0秒ごとにサンプリングすれば、そのサンプル値(電圧
値)のみを伝送しても、後で原信号を再生可能なことは
よく知られている。
そこで、f・(1)を第6A図(a>のごとく、それぞ
れ時間間隔 ’、1/6000−1− (1/6000)(1−1)
、/6000]秒(13) ごとにサンプリングする。同図において、ta=1/6
000  秒。
t b= (1/6000) x (1/6000) 
 秒。
to= (1/6000) x (5999/6000
)  秒。
td=1/6000+ (1/6000) x (30
00/6000>  秒。
t 8= 1/600.0  秒。
である。以下、具体的に説明するために、多重数nを6
000.17レ一ムllヲ1/6000秒トTル。
さて、第6A図(a>の横軸に第6B図(C)のような
小袋(直径1/6000X 1/6000秒)を600
0個、直径1/6000秒の大袋を1個、図のように並
べることにする。そして、上記のサンプリング値をマツ
チ棒にたとえ、これらのマツチ棒がどのようにして8袋
に入るかを考える。
関数Qi (t) (i=1.2.−、 n)は1秒間
に各6000本のマツチ棒を所有し、かつ、時間的には
等間隔であるから、8袋(1)、 (2)、・・・、(
N)には、それぞれ1本宛入れられ、この動作が、各フ
レーム毎にくり返されることになる。すなわち、 袋(1)には、Q 1  (1/6000)袋(2)に
は、Q 2  (1/6000+1/6000x 1/
6000)袋(3)には、Q 3  (1/[3000
+ 1/6000x 2/6000)袋(6000)に
は、g(1/6000+ 1/6000000 x5999 /6000) か、それぞれ入れられることになる。
また、大袋(Σ6000 )には混合された信号G(t
)をサンプリングしたマツチ棒を入れることにする。こ
の場合、サンプリングする時刻は、1 /6000+ 
1/6000x 3000 /6000.すなわち、1
フレームの中間点とする。すると、大袋くΣ6000 
)には、つどのマツチ棒の値が入れられることになる。
大袋(Σ6000 )には、 G (1/6000+1/6000x 3000 /6
000)以下、袋(1)〜(6000)までのマツチ棒
の値、CJ 1  (1/6000 ) Q 2  (1/6000+1/6000X 1/60
00) 。
Q 6000 (1/6000+ 1/6000x 5
999 /6000)の合計と大袋(Σ6000 )と
に入れられたマツチ棒の値 G (1/6000+1/6000x 3000 /6
000)を下記の(14)、(15)式のように比較す
る。
000 Σq・=C]1  (1/6000) =1 + g2  (1/6000+1/6000x 1/6
000)+ に13  (1/6000+1/6000
x2/6000)+・・・・・・ 十g・ (1/6000+ 1/6000x (i −
1)/6000 )+Q 6000 (1/6000+
 1/6000x 5999 /6000)(14) G (1/6000+1/6000x3000/600
0 ) =Q1  (1/6000+1/6000x3
000/6000 )+ g2  (t/6000+ 
1/6000x3000/6000 )+・・・・・・ +0n(1/6000+1/6000X3000/60
00 )(15) (14〉と(15)式を比較した結果、もし、000 (16) であり、Δが1/6000秒間隔でサンプリングされる
毎に順次その平均値がOに収斂すれば、FDM信号にお
ける多重負荷利得は、TCM信号においても同様、かつ
、同一値が存在することが証明されたことになる。なぜ
ならば、横軸上に置かれた6000個の袋は、多装が1
タイム・スロットを表わし、袋の合計が1フレームでお
り、袋の中に入ったマツチ棒は、各信号に11 、 Q
2 、・・・・・・1g、が時分割時間圧縮多重(TC
M>された信号と考えてよく、TCM信号は第6B図(
c)の大袋(Σ6000 )のように、よくかき混ぜら
れており、1つのFDM信号とみなせるからである。し
たがって、この例では丁CM信号といっても、とくに時
間圧縮の必要性はなく、圧縮度は1ておる。
なお、第6B図(C)において多装の横軸(時間軸)上
の位置は、 袋(1)は、 1/6000≦t < 1/6000↓1/6000x
 1/6000袋(2)は、 1/6000+ 1/6000x 1/6000≦↑<
 1/6000+ 1/6000x 2/6000 袋(i)は、 1/6000+ t/6000x (1−1)/600
0≦↑< 1/6000+ 1/6000X i/60
00 袋(6000)は、 1/6000+ 1/8000x 5999/6000
 ≦t < 1/6000+ 1/6000x 600
0/6000に設置されている場合を示している。一方
、音声信号 J (j) 、 Q2 (i) 、・・・・・・、 J
 (t) 、・・・・・・”6000’) の各サンプリングをする時刻は、それぞれ、1/600
0.1/6000+ 1/6000x 1/6000.
・・・・・・、 1/6000+ t/6000x (
i−1)/6000.  ・・・・・・、  1/60
00+1/6000x5999/6000 に設定されているから、各マツチ捧は袋の側面に接しな
がら1本宛袋の中に入ることになる。これは便宜上この
ようにしたまでで、袋の中央にマツチ棒を入れたければ
、たとえば、q・(1)の時刻tを t =1/6000+1/6000x (i+ 0.5
) /6000のごとく選定すればよい。ただし、この
ように選定しても本証明の結論は変らない。
さて、(14)と(15)式のそれぞれの右辺の対応す
る項を比較する。
Δ・ =q・ (1/6000+1/6000X (i
 −1)/6000 )−gi(1/6000+ 1/
6000x 3000 /6000)(17) 上式の意味することは、第iチャネル(CHi )の音
声をサンプリングするとき、時刻 (1/6000+(i−1)/60002)  秒と、
(1/6000+3000 /6000” )  秒と
における信号の大きさの相違を表わしている。この相違
はランダム雑音の誤差値のようなものであり、チャネル
(CHi ) i = 1 、2. =、 nにおいて
、プラスの値、あるいはマイナスの値、あるいは、たま
にはOをもとり得るであろうか、膜内にはOを中心に左
右にバラツキ、そのバラツキは正規分布することになる
でおろう。
以上は、ある時刻t=10に関するものであった。つぎ
のサンプリングは1/6000秒後に行われる。
そのつぎは更に1/6000秒遅れて行われる。このサ
ンプリングを、たとえば1秒間に実に6000回実施す
るわけであるから、(17〉式の1秒間における平均値
は、 (18) すなわち、Oに接近するであろう。このことは、更に時
間をかければ一層明確となり、10秒あるいは30秒の
平均をとれば(18〉式はOになると考えてもよいこと
になる。
以上により、同一多重度(6000)のFDMおよびT
CMの各信号の平均電力レベルは同一であることが明ら
かにされたが、つぎに上記2種類の多重信号の振幅分布
について説明する。
電話1チヤネルに流れている信号f  (e)  <e
=1.2,3.・・・・・・)の平均値と分散をつぎの
ように仮定する。
平均値   E[f(e)]=0 分散 E[f(c)2]−σ2 まず、N多重のFDM信号の平均値と分散はよく知られ
ているように、平均値は、 E[Σf、 (n) ]=O i=1 分散は、 したがって、周波数軸上にFDM信号のように並べられ
ておらず、前述の関数q・ (1=1.2゜・・・・・
・ n)で表わされる信号の混合信号も同様に求められ
る。平均値は、 E[Σq・ (n)]=O i=1 分散は、 つぎに、本発明に使用するTCM信号の平均値と分散を
求める。この場合、音声信号を表わす関数f;(n十k
)を、つぎの関係で名称を変更する。
f =  (n+k) = f (kN+n+1−1)
さて、平均値をもとめる。
簡単にするために、 L=rN とすると、 [f (n) コ =/1n(1/rN) r→■ =E [f (e) ] =O つぎに分散を求める。
簡単にするために、 L=rN とすると、 r−+■ =σ2 以上によって、分散は音声信号1チヤネルと同一である
ことが証明され、 音声信号と任意の多重度のTCM信号とは同一の分散σ
2の振幅分布を有することが明らかとなった。
以上のことは、FDMで得られる多重負荷利得が、TC
Mでも得られることを示していることにほかならない。
ただし、前記の文献3から引用した多重負荷利得の値は
、音声信号の周波数帯域が、0.3〜3.4KHzであ
るのに対し、上記では我国の電波法施行規則で定められ
ている音声伝送帯域である0、3〜3.0KHzでも同
一の値を得られるものと仮定した。この仮定は実質上誤
差なく容認されよう。
なお、丁CM信号の場合、信号が時間圧縮されるため、
その有する周波数成分が圧縮度だけ高くなるが、これは
前述した通り単に周波数成分のみが変更されただけであ
り、信号波形そのものは周波数軸上に延ばす相似変換を
受けただけなので、多重負荷利得量には変化はないが、
以下、厳密に数式を用いて証明する。TCM信号は(5
)。
(6)式を用いて下記のように書き表される。
3.0にHz (19) ただし、 fT<t<T/n−+l!Th・ (t)=
0 ただし、 1/n<1!、T<t<丁子eTZ=1.2
.3.・・・・・・ Tは1フレームの時間長 したがって、時間圧縮された金工CM信号は、+β・)
)×n1/2 (20) (20)式右辺でn172倍しているのは、TCM信号
は1フレームの時間内で1/nの時間しか送信されない
ことによる。これを電圧で表した(電力ではn倍となる
)。さて、(20〉式の有する電力を1フレームの時間
Tに対し求めると、(7)(8)式と同様に、 (21) したがって、時間をフレームの整数倍にとれば、信号H
(t)とG (t)の有する電力は、H(t) 2=G
(t) 2(22> となることがわかった。
つぎに音声nチャネル多重TCM信号のフレーム長が1
/ (2fh)より短い場合の多重負荷利得を説明する
この場合は、上記と同様に音声nチャネル多重のFDM
信号における多重負荷利得と同等の値を有することは容
易に証明できる。
たとえば、フレーム長が1/8000秒であったとする
。するとサンプリング周波数を前述の6000HZから
8000Hzに改め、各音声信号a1 (t) 、 g
2(℃)、・・・・・・、 [3,(t)をサンプリン
グし、また混合音重信@G(t)も8000H2でサン
プリングし、これら両者を比較すればよいことになる。
すなわち、第6A図(a)、(b)、 第6B図(C)
(7)横軸を1 /6000から1/8000に変更し
ただけで、上記の説明がすべて適用できる。
ざらに、フレーム長が1/ (2fh>より長くなった
場合の多重負荷利得がどうなるかを説明する。結論から
言うと、一般に多重負荷利得が減少することになるが、
その具体的な値を以下に求める。具体的な数値として、
多重数6000は前例と同じでフレーム長が1/300
0秒になった場合を例にとり説明する。時間軸上に並べ
られる袋の大きさは、第6B図(d)に示すように1フ
レーム長が大きくなった分だけ大きくなる。正確には多
装の直径が1/6000x 1/3000秒となる。そ
してn個の袋のすべての直径を合計すれば、1/300
0秒となる。また大袋(Σ6000 )は直径が1/3
000秒となる。
さて、前述と同じようにサンプリング周波数17600
0秒でサンプリングしたマツチ棒を多装に入れることを
考える。この場合、前述のフレーム長を1 /6000
秒とした場合と全く同様な方法で入れたのでは、つぎの
ような不都合が起ることになる。すなわち、第6B図(
d)に示すように1/6000秒の間には、袋は(1)
〜(3000)までしかなく、一方、マツチ棒は600
0本あるから、多装には2本づつ入れられることになる
。すなわち第6B図(d>に示すように袋(1)には音
声信号g1 (j)とg2 (t)1袋(2)には同C
]2 (t)とg3 (t) 、袋(3)にはq3(t
)とg4は)、・・・、以下、袋(3000)にはg3
000(t)と” 3001 (t)とを示すそれぞれ
のマツチ棒(信号の値)が入れられる。なおCa1(t
)はその前のサンプリング時間である袋(6000)に
入れられている。反面、袋(3001)〜(6000)
には、この時間内にサンプリングされたマツチ棒は1本
も入れられないで、つぎのサンプリング時間である1/
6000秒内にサンプリングされたマツチ棒が、それぞ
れ2本宛入れられることとなる。
一方、大袋(Σ6000 )の方は1フレーム内に2本
のマツチ棒を所有することになるから、2本のマツチ棒
すなわち、 G (1/6000+1/6000x3000/600
0 )   とG (1/6000+1/6000x9
000/6000 )  とが入れられることになる。
ただし、G (1/6000+ 1/6000x 90
00/6000 )はつぎの1 /6000秒内にサン
プリングされたマツチ棒(信号)であることは上述と同
様である。
以上のことは何を物語っているのであろうか。
それは、袋(1)〜(3000)に2本のマツチ棒が入
れられているということは、TCM信号の各タイム・ス
ロットに音声CJ (t) 、 gi、1 (t)を2
チヤネルづつ混合して入れるべきことを意味する。これ
を技術的に行うためには、2チヤネル(CH)のFDM
を行い、3000スロツトの合計で2 (CH)X 3
000= 6000 (CH)のTCM信号をつくるべ
きことを意味する。そして、これらと大袋(Σ6000
 )の中の前の方のマツチ棒1本との大きざを前述と同
様な方法で比較することとなる。
これも一つの方式ではあるが、本来の意味でのTCM信
号ではない。したがって各タイム・スロットに1つの音
声信号のみを入れるためには、つぎのようにしなければ
ならない。6000個の音声信号を2群に分け、1群を
袋(1)〜(3000)に入れられるようにし、他の群
を袋(3001)〜(6000)に入れられるようにす
る。この操作を第6D図(f)を用いて説明する。そこ
には袋(1)〜(6000)および大袋(Σ6000)
がそれぞれ2組用意されている。
さて、上部に書かれた袋(1)〜(6000)には、マ
ツチ棒g1.Q3.Q5.・・・、”5999かそれぞ
れ1本宛入れられている様子を示している。そして大袋
(Σ6000)にはG1(1/6000+1/6000
x3000/6000 )を示すマツチ棒が1本人れら
れている。
方、下部に書かれた袋(1)〜(6000)にはマツチ
棒CI2.g4.g6.・・・2g6oooがそれぞれ
1本宛入れられ、また大袋(Σ6000)にはG2  
(1/6000十1/6000x 9000/6000
 )を示すマツチ棒が1本人れられている。この図のよ
うにすれば同じ袋の中に2本のマツチ棒が混在すること
がなくなり、すでに説明した1フレーム長が1 /60
00秒の場合と全く同一の証明により、FDM信号の多
重負荷利得(この場合、3000多重となっている〉が
TCM信号のそれと同一となることがわかる。
上記の説明を式で表わすとつぎのようになる。
(4)式で表わされるn個の音声(この場合口=600
0 )を2分割して、つぎのように表す。
G1 (j) =C]1 (t) +に13 (j)+
・・・+g59g9ft)(4′ ) G2 m =(12(j) +04 (t) +−+C
16000(1)(4”  ) そして、上式のそれぞれに対し前述の証明を行えばよい
。ただし、サンプリングするタイミングは、前述と全く
同一の条件で行うものとする。
以上の説明では、多重負荷利得を求めるために群別する
必要性のあることが明らかになったが、TCM信号では
、信号の圧縮が必要となることを以下に説明する。
第6D図(f)で上部の袋の群(1)〜(6000)と
下部の袋の群(1)〜(8000)には、たしかにマツ
チ棒は1本宛しか入っていないが、TCM信号としてみ
た場合、依然として不満が残っている。それは、上部の
袋の群と下部の袋の群とは時間的には同時進行中であり
、したがってTCM信号の1タイム・スロット内には、
依然としてqlとG2゜g3とg4.・・・、”599
9と” 6000が共存していることになっている。こ
れを除去するのが信号圧縮でおり、以下の方法を実現す
ればよい。すなわち、Ql 、 G3 、・・・、”5
999に蘭しては、2つの袋(1)と(3001)、 
(2)と(3002)、・・・、 (3000)と(6
000)を、それぞれ前の袋(1) 、 (2) 、・
・・、 (3000)内に収容し、q2 、 Cl3 
、・・・−”6000に関しては、同様にして後の袋(
3001)、 (3002)、・・・ (6000)内
に収容する。
そのためには、たとえばglに関しては、つぎの合成信
号を作成すればよい。すなわち、相隣る2つのサンプリ
ング・タイムで得た信号の和を作ればよい。技術的には
音声信号を記憶回路に記憶し、2倍の速さで時分割して
読出しくデユーティ比50%)、この続出した信号をサ
ンプリング速度1/3000秒でサンプリングして得ら
れる信号が所望のものである。ただし、この場合サンプ
リング時間の瞬時値のTCM信号の値(電圧値)では、
原信号の忠実な再生は不可能で、一定の時間幅(タイム
・スロット長)の信号を伝送する必要がおる。
以上の動作を多重負荷利得の観点からみると、つぎのよ
うになる。
フレーム長がサンプリング時間間隔1/6000秒より
長くなった場合、多重数nが6000であっても600
0CH多重のFDMにおける多重負荷利得は得ることか
できず、フレーム長が1/3000秒では、等価的には
300(>CHのFDM信号の多重負荷利得になること
でめる。
さらにフレーム長の時間か長くなり、1秒で、かつ、多
重数n = 6000の場合の多重負荷利得を求める。
この場合の説明図は第6C図(e)に示されている。同
図を説明すると、1フレームは1秒であり、n = 6
000であるから、横軸の時間軸上には直径1/600
0秒の袋が60001i1設けられ、これで1フレーム
を形成していることになる。この場合g1(1)、・・
・−”6000(1)を、それぞれサンプリングしたマ
ツチ棒はどこへ入れられるのか考える。サンプリングの
タイミングを前述のフレーム長が176000秒の場合
と同一にとると、袋(1) 、 (2) 、 (3) 
・・・、 (6000)のすべてに各音声信号を示すマ
ツチ棒が、それぞれ1本宛入ってしまうことになる。
一方、大袋(Σ6000 )にはG (t)を示すマツ
チ棒(各サンプリング周期ごとにサンプリングされた値
を有する)が6000本人ることになる。このことは、
TCM信号の各タイム・スロットに音声を6000チャ
ネル混合して入れることを意味する。これを可能とする
技術はFDMであるが、これでは本願の目的とする工C
M信号に適用することができない。したがって、各タイ
ム・スロットに1つの音声信号のみを入れるためには、
6000個の音声信号を6000の群に分け、1群づつ
(この場合は1チヤネルづつ)入れるようにしなければ
ならない。
このことは、この場合の多重負荷利得は○でおり全く得
られないことを示している。また、この場合のTCM信
号の信号圧縮度は6000となる。
以上の説明で明らかであるように、1フレ一ム時間長が
音声信号を忠実に再現するのに必要なすンプリング周期
より長くなった場合に、多重負荷利得が低下することを
示したが、一般的に表現すれば、フレーム長Ttが、T
t >1/ (2fh>であり、多重数がnの場合、多
重負荷利得は、r+’ =nxl/ (2fhT。> (23〉 なる値で定まる多重数を有する周波数分割多重信号の多
重負荷利得に等しい値となる。
フレーム長Tt、多重数nのとり得る実用的範囲は前述
の文献1および2によると、 フレーム長T  :   0.1秒≧Tt≧o、ooi
秒を 多重数n    :   3000≧ n≧2程度であ
り、上記の範囲にある限り、(23)式が常時成立する
ことは前述の例から明らかであろう。
また、TCM信号として8袋の中にマツチ棒を1個宛入
れるためには、換言すれば原音声信号を1個宛入れるた
めには、1フレ一ム時間長Ttが1/2f1.より長い
場合、信号を圧縮しなければならず、その圧縮率ψは、 ψ=Tt/(1/2fh) で与えられることも明らかになった。
(4)無線基地Q30にて受信されるTCM信号の多重
負荷利得について 無線基地局30は多数の移動無線機100から送信され
てくるTCM信号を受信することになるが、この受信波
の有する多重負荷利得について考える。結論を述べると
、後述するように移動無線機100からは無線基地局3
0から送信する場合と全く同一の多重負荷利得が得られ
るものとして、変調度を深くして送信してよいことがわ
かる。
具体例として、1フレーム長をサンプリング時間間隔1
/6000秒、多重数を6000とする。無線基地局3
0は6000個の移動無線vs100と同一の搬送波を
用いて1フレームのタイム・スロット600.0個を全
部使用して同時に通信しているものとする。
移動無線機100の位置は無線基地局30から見て同一
円周上に等間隔に並んでおり、無線基地局30の受信ア
ンテナは無指向性であり移動無線機100の送信アンテ
ナも無指向性で、かつ、各移動無線機100からの送信
電力の大きさはすべて同一であり、各移動無線機100
の送信に使用している搬送波は、互いに位相同期がとれ
ているものとする。また、移動無線機100と無線基地
局30どの間の電波伝搬特性は、どの移動無線1%11
00と無線基地局30との間をとっても同一とする。以
上の仮定のもとでは、無線基地局30に入来する各移動
無線機100の送信信号は全く同一に受信されることに
なる。したがって、この場合の1フレーム内の受信信号
の様子は、あたかも無線基地局30から送信する場合と
全く同一と考えてよいことになる。逆に言えば各移動無
線機100からは、自己に与えられたタイム・スロット
において単一の音声チャネルしか送信していないにもか
かわらず、多重負荷利得が得られるものとして多重数5
oooの多重負荷利得を見込んだ変調の深さを用いて送
信してよいことを示している。
以上は理想的条件を設定したが、実際のシステム運用状
態で考える。この場合、各移動無線l1lOOの位置は
ランダムに散在しており、電波伝搬状態は種々変化する
から、無線基地局30の受信電力は各タイム・スロット
毎に変動することになる。また、各移動無線機100か
らの搬送波も、必らずしも位相同期がとられてはいない
。したかって、受信レベルの大きいタイム・スロットで
変調の深さが大きいと、電波の多重波伝搬等の影響によ
り隣接するタイム・スロットへの悪影響を与えることが
予想される。しかし、これはガード・タイムを大きくと
る等の他の対策で、これを軽減することが可能である。
また、小ゾーン方式の場合、同一チャネル干渉として、
ある移動無線機100の送信波が場所的に異なる他の無
線基地局30へ干渉妨害を与える可能性はあまり心配す
る必要はなく、逆に、くり返しゾーン数を逓減すること
に利用できる可能性がある。それはFM (PM)変調
として多重負荷利得を利用し、深く変調をかける結果、
広帯域利得を得ることができて、同一チャネル干渉に対
する耐性が増加しているからである。
以上を総合して、移動無線機100が送信し、無線基地
局30が受信する場合も、無線基地局30から送信する
場合と実質的に全く同一の多重負荷利得が得られるもの
として、システム設計することができることが明らかに
なった。
(5)多重負荷利得の具体的活用法 1フレーム長1m5ec 、 TCM (時分割時間圧
縮多重)の多重数500の場合の多重負荷1す得を求め
、その活用例を説明する。
まず、5CPC(Single Channel Pe
r Carrier。
1つの搬送波に電話1チヤネルの信号が変調されている
〉アナログFMの信号S対雑音N比を求め、これとTC
Mとの比較を行う。受信機への入力信号のレベル(電圧
値)をC,FMの変調指数をmf、単位周波数当りの雑
音レベル(電圧値)をn。
弁別器出力段の低周波増幅器の帯域幅をFaとし、変調
波の最高変調周波数faがFaに等しいとすると、信号
対雑音比は下式で与えられる。
S/ N=3”” mfC(2Fa ) −172(2
4) なお、この式は下記の文献より引用した。
菅原編°“FM無線工学パ 日刊工業新聞社刊昭和34
年401頁(13,25>式 つぎに、多重数QのTCM信号か以下の条件の下でFM
された場合のS/へは、下式で与えられる。
(S/へ>1゜、− 3”” ”fQcQ (2Fag) −”2(25) ただし、 FaQ=QFa ”fQ=omf          (25’ >nq
冨Qn すなわち、TCM信号では原信号の周波数がQ倍された
ために、低周波増幅器の帯域幅はQ倍に増加し、また変
調の深さ(変調指数)もQ倍になり、したがって雑音レ
ベルも帯域がQ倍となっているから、(25’  )式
のようにおくことが適切である。
つぎに、(23)式と(24)式の左辺のS/へが同一
の値をとるためのTCMの受信信号レベ31/2 mf
QCo(2F、、) −1/2(26) (26)式より、 co=Q” C(27> を得る。すなわち、受信レベルとしては、電圧で017
2倍、電力レベルとしてはQ@必要であることを意味す
る。したがって、送信電力としては5CPCよりQ倍増
加する必要がある。
つぎに上記の例のTCM信号の多重負荷利得を求める。
すでに(3)項において説明した通り、この場合FDM
等価多重数は、 n’ = 500xl/6000(sec) −=−(
1/1000(sec) )=  500x1/6  
=83  CHしたがって、第13図より多重負荷利得
は、60チヤネル(通話路)多重の28.6dBと、1
20チャネル多重の32.6dBの中間の値となること
がわかる。
第13図をもとに第12図に示すグラフを作成して推定
すると、多重負荷利得30dBを得る。故に、変調の深
さ(偏移)を深め、送信電力の逓減をはかることにこの
多重負荷利得を使用する。TCMしていない5CPC1
すなわち1チャネルアナログFM信号での送信出力をコ
ードレス電話レベルの10mWとすると、この場合の所
要送信電力はく27)式により500倍した債、多重負
荷利得を引けば求められ、 10eog(10mWx 500) −30dB=7d
Bm(28) すなわち、5.0mWを得る。このように、TCM化し
た方が小さな電力ですむことになる。
つぎにTCM信号における多重負荷利得の物理的意味を
説明し、システムとして、これを利用した場合の留意事
項を述べる。
TCM信号でフレーム期間が長く、1秒以上(多重数6
000として)になると、多重負荷利得は全く得られな
いことはすでに述べたか、この場合、TCM信号のFM
変調指数はシステムで定められる一定の値を有している
。たとえば、原信号(0,3〜3.0KH2>の変調指
数か1.75 KH2(1KH2のトーン信号で標準変
調偏移の場合)でおり、これを500多重したTCMの
場合の信号帯域は150〜1500KH2、標準変調偏
移は875KH2となる( 500KH2のトーン信号
を標準変調した場合)。ところか、フレーム長を1m5
ecにすれば、上述のように多重負荷利得として30d
Bが得られ、この多重負荷利得を変調の深さの増大に用
いたが、実際の被変調波の様態はどうなっているか説明
する。
まず全チャネル実装、すなわち、すべてのタイム・スロ
ットに電話信号が流れている場合を考える。この場合多
重負荷利得30dBか変調偏移増大に及ぼす影響は、第
14図から考えると、尖頭値が等しい正弦波の相対電力
として約+8dBを引いた値が多重負荷利得となってい
るのであるから、任意のフレーム長を有するTCM信号
で1タイム・スロットのみ使用している場合の信号の変
調偏移に等しいことがわかる。
つぎに、全タイム・スロット実装から徐々に軽負荷され
ていった場合を考える。すなわち、タイム・スロットの
何割かが実際の音声信号伝送に用いられ、他は空タイム
・スロットとして使用されない場合の信号の変調偏移は
どうなるのかと言う問題である。
この場合、実装チャネル数が減少するのであるから、当
然に多重負荷利得も減少する。たとえば、1/2の25
0実装の場合、多重負荷利得は(23)式より n’ = 250xl/6000÷(1/1000)=
 250X1/6 =42 (CH)したがって、第1
2図より多重負荷利得は、24.5dBであることがわ
かる。ところが、負荷が172になっているから、変調
信号の電力レベルは3dB低下している。故に、この場
合の等化的な多重負荷利得は27.5dBとなり、丁C
M−FMの実効的な変調の深さは若干大きくなっている
が、システム動作としての影響はないものと考えられる
さらに実装数が減少し、1個のタイム・スロットのみが
使用されている場合の実効変調偏移を求める。1チヤネ
ルの多重負荷利得はOdBであるか、信号の負荷が全実
装時に比へ11500 、すなわち、27dB減少して
いる。したがって見かけ上の多重負荷利得は27dBと
なり、これを30dBとして変調器を動作させてもシス
テム動作への影響はないものとしてよい。また、実際の
無線機の変調回路の入力段には、I D C(In5t
antaneous Deviation Contr
ol瞬時変調偏移■抑圧)回路が設けられており、変調
の深さを一定の値以下に制限する機能が与えられている
。したがって変調器出力としては、TCMの電話信号の
実装状態の如何にかかわらず、実効変調偏移は一定値以
下に押えられていることになる。
以上に説明したように、TCM信号の有する多重負荷利
得をFM信号の変調偏移の増大に使用することにより、
送信出力を大幅に逓減可能であることが明らかとなった
。これは技術的には省電力化に大変大きな効果をもたら
すことを意味する。
すなわち、5CPCで連続送信10mWの無線機を時間
率11500 、すなわち0.2%で動作させ、しかも
その出力は10m−の1/2の5mWですむというので
あるから省電力効果の大きいことは自明である。
なお、本発明によるTCM信号のタイム・スロット間に
カード・タイムを設けた例について、利害得失を説明す
る。
本文で説明したTCM信号には、ディジタル信号のよう
にパルス列間にカード・タイムを設ける必要は必らずし
もない。しかしながら、同期信号のタイミングのずれや
、電波伝搬上の多重波による遅延波の影響を除去するた
めに、タイム・スロット間にガード′・タイムを設ける
場合がある。ガード・タイムの具体的数値は適用すべき
システムにより異なるが、たとえば、屋内の携帯電話シ
ステムには0.1〜0.5μsec 、自動車電話には
5〜10μsec位が妥当である。
ガード・タイムを設けたシステムではフレーム長を一定
とした場合、カード・タイムの大きざだけスロット・タ
イムの時間幅が減少するため、原信号の圧縮比を高くし
なければならず、したがって、信号の最高周波数は高く
なる。前述のコードレス電話の例では、タイム・スロッ
トは1m5eC:  500=2 μsecであり、−
10%すなわち、0.2μsecのガード・タイムをと
ると、タイム・スロットは1.8μsecとなる。また
、最高周波数はガード・タイムなしの場合3KHz x
 500= 1.5MH2から10%のカード・タイム
をとると、1.5MHz xlO/9 = 1.67 
Ml−12となる。したがって所要帯域幅がその分だけ
広くなり、周波数有効利用率が11%低下することにな
る。
つぎに、多重負荷利得を増幅器の設計に適用する。この
場合、TCM化された多重音声のレベルは、従来考えら
れていたレベルより多重負荷利得分だけ低レベルと考え
てよい。したがって、増幅率をその分だけ大きく取るこ
とができ、あるいは出力レベルを従来より多重負荷利得
だけ高出力としても、歪率等は従来想定していた値にと
どまることになる。
多重負荷利得は、以上のような能動回路ばかりでなく、
以下に説明するような受動回路にも適用可能である。す
なわち、ミクサ回路に適用すれば、定格出力を多重負荷
利得分だけレベルアップしても、従来想定していた動作
状態で動作させることが可能となる。これは無線送信機
に適用すると、つぎのごとき利益かある。たとえば第1
B図の送信ミクサ133の出力に電力増幅器を挿入する
ことは、電波の到達距離を大きくするためによく使用さ
れる。この場合、多重負荷利得を導入すれば、送信出力
レベルとして従来想定していたレベルより多重負荷利得
で示される量だけ高くすることが可能である。あるいは
従来と同一の送信レベルで十分でおれば、増幅器の定格
出力として従来よりも多重負荷利得の量だけ低レベル出
力のもので間に合うことになる。
以上の定格電力の概念は、単に送信ミクサのみならず抵
抗、コンデンサ、インダクタンス等のすべてに適用する
ことが可能である。
(6)多重負荷利得の同一チャネル干渉逓減への活用 ここで説明に用いる移動通信システム構成は、第7図に
示すごとく小ゾーン構成を用いるものとする。つぎに各
小ゾーンで割当てる1フレーム内タイム・スロット割当
の原理の説明を簡単にするために、小ゾーン方式で公知
のくり返しゾーン数と対比しながら説明する。
基本ゾーン構成を第7図に示すように、同一の大きざの
正6角形によりサービス・エリアがくまなく覆われてい
るものとする。第7図の正6角形の中心に各無線基地局
30(図示は省略)があり、無指向性アンテナの使用に
より単位正6角形内のすへてがサービス・エリアでおり
、かつ隣接ゾーンへの漏洩によるエリアの重畳はないも
のとする。
単位正6角形の中央の数字はゾーン番号で、n=7迄を
示している。n=1.2.・・・、7、を用いて無限平
面をサービス・エリア(小ゾーン)で、くまなく覆うこ
とが可能である。もつとも、nはこれより小であっても
大てめっても、くり返しゾーン数として適しておれば、
とくに7である必要はない。また、nの値はシステム条
件から定められる。さて、くり返しゾーン数7とは、無
線チャネルとしてシステムに要求される数は最低7でお
ることを意味する。すなわち、ゾーン1に使用した無線
チャネル(CHlとする)は無線干渉の点から、隣接す
るゾーン2〜7では使用不可であり、第7図に示すごと
く次々隣接ゾーンで初めて使用可能であることを意味す
る。
以上に述べたゾーン構成は、一般に小ゾーンと云われて
おり、無線ゾーンを小ゾーン構成にすることによって周
波数の利用率を高めている。小ゾーン構成を採用するの
は、より近くの無線基地局30で同じ無線周波数が使用
できるためであるが、小ゾーン構成はこのほかにつぎの
ような利点もある。
) 既存の移動通信の使用帯域では通信トラヒックの輻
瞬のために、新しい用途のための通信に使用できない場
合が多く、この場合1000M H2以上の高周波数帯
を使わざるを得なくなる。この場合、技術的もしくは経
済的な理由により、高周波出力が大きくとれない欠点が
あるが、小ゾーン方式はこれをカバーできる。
ii)  小ゾーン方式を用いない、いわゆる大ゾーン
方式では、1無線基地局あたりのチャネル数、すなわち
送受信機数が膨大となり、複数個のアンテナも必要とす
るので機器設置上の問題が生じるほか、相互変調等の干
渉妨害が問題となるが、小ゾーン方式ではこれを軽減す
ることができる。以下、既存の小ゾーン方式におけるく
り返しゾーン数と、本発明を適用したシステムにおける
くり返しゾーン数とを対比しながら説明する。
第8図において無線ゾーン半径をr (触) 、同一周
波数を使用する局間の距離をd (b>とすると繰返し
ゾーン数Nは、 N−3’(d/r)2 で表わされる。同一周波数を使用する局間の距離dは、
被干渉層の無線ゾーンの周辺であるA点における希望波
(被干渉層の電界強度D)対妨害波(干渉層の電界強度
U)の比D/llが規定値になるように決められる。
また、一般に移動体通信において満足な通信を行うため
に、希望波り対妨害波Uの比は、レイシー・フェージン
グの影響を考慮して、24d13とされている(文献5
.鎌田他“自動車電話無線方式パ日本電信電話公社電気
通信研究所 研究実用化報告 VOl、26. NO,
7,19771848〜1849頁) 、 ソn故、繰
り返しゾーン数は第9図を用いて求めることが可能とな
る。第9図は準平滑地の市街地における伝搬を想定し、
無線基地局のアンテナ高を70m、移動無線機のアンテ
ナ高を1.5m、使用周波数は800M HZ帯とし、
縦軸はダイポール比ゲインOdBのアンテナで送受信す
るときの伝搬損失(dB>を、横軸は無線基地局からの
距離(KIII>を表わしている。
第9図によれば、無線基地局からの距離が5藺である場
合よりも、さらに24dBだけ伝搬損失の大きい地点は
無線基地局より25藺となる。したがつて無線基地局間
の距離を30階離して置局する必要がある。この場合、
くり返しゾーン数は、3−1(3015)2=12 ・となる。
以上は文献5に記されているアナログ電話信号1チヤネ
ルを1つの無線搬送波に載せるいわゆるS CP C(
Single Channel Per Carrie
r)の結果であるが、以下、本発明によるシステムでは
如何にくり返しゾーン数が少ないかを説明する。なお、
この方式においては変調の深さは3.5rad rms
(1kHzのトーン信号に対して〉である。そのため、
本発明のTCM−FM信号の有する多重負荷利得を、F
M変調の変調偏位の増大に使用しているシステムにおい
ては、一般にこれを用いないシステムに比較して、同一
無線チャネルや隣接無線チャネルによる妨害に対する耐
久性が増加していることを証明すればよいことになる。
TCM方式を用いたシステムは実用化されていないので
、多重数nを、10,100および1000の3通りに
変化させ、他のシステム・パラメータを第10図に示す
ような値にとった場合の同一チャネル干渉歪を求める。
ここで、 T ・・・フレーム長、  T・・・タイム・スロット
長T ・・・ガード・タイム長、   n・・・音声多
重度T0/T・・・スロット間オーバラップ率T OV
R・・・オーバラップの時間長T ALD・・・多重伝
搬による遅延時間許容値T、・・・同期パルス時間長 Td・・・データ信号タイム・スロット長η・・・フレ
ーム効率、  fo・・・搬送波周波数f0・・・変調
信号周波数。
Md・・・変調の深さ 標準変調偏移 fUM・・・干渉波の変調信号周波数 である。
まず、同一無線チャネル干渉であるが、変調の深さをパ
ラメータにして、他は第10図の設計パラメータを用い
た場合、第11図に示すごとき特性を有する。すなわち
、同一の希望波対妨害波比D/Uにおいては変調偏移Δ
fを大にする程、信号対雑音比(S、N>が向上してい
ることがわかる。あるいは、同一のS/N、たとえばS
/N =25dBにおいては、変調偏移Δfが大きいほ
ど大きな妨害波にも耐え得ることかわかる。
この結果を用いると、くり返しゾーン数へを減少するこ
とができ、ひいては、周波数の有効利用がはかられるこ
とを説明する。
すでに説明した通り、Δf = 3.5 (rad r
ms )がNTT方式の周波数偏移であり、−八本発明
のTCM−FM信号のそれらは、第10図のシステム1
0が7.システム100が14.システム1000が2
8(それぞれrad rms )とする。NTTの文献
5によるD/U=24d13を基本にとり、見かけ上第
11図のΔf = 3.5 (ract rms )を
NTT方式の変調の深さとすると、S/N=40dBを
得る。このとき、TCM−FMは同−S/Nに対しどの
位のD/Uでよいかを第11図を用いて求めると、それ
ぞれシステム10が16dB、同100が8dB 、同
1000が、idBを得る。そこで、第9図より無線基
地局からの距離が5階である場合よりも、ざらに16.
8.4dBだけ伝搬損失の大きい地点は、無線基地局よ
りそれぞれ14,7,677離して置局する必要がある
。この場合、くり返しゾーン数はそれぞれ、 1 3  (1415)2=2.6 3  (715)2=0.65 1 3  (615)2=0.48 1 となる。
上式より、くり返しゾーン数は3または2となる(2以
下のくり返しゾーン数はない〉。したがって周波数の利
用効率は、NTT方式等で使用されている5cpcに比
較して本発明による方法の方が4倍向上することが解っ
た。
つぎに隣接チャネル干渉についても本発明の方法が5C
PCに比較して、耐干渉特性に優れていることを説明す
る。それには再び第11図を用いればよい。すなわち、
隣接チャネル干渉で最も妨害が大きくなった場合が同一
チャネル干渉と考えてよく、変調偏移量が大きいほど耐
干渉妨害が大きいことは隣接チャネル干渉の場合も同様
だからである。したがって隣接チャネルとの搬送波間隔
を狭域化することか可能となり、これまた、周波数利用
効率の向上に貢献することになる。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、従来明確に示されていな
かった時分割時間圧縮多重信号の有する多重負荷利得を
、システムパラメータを用いて定量的に明らかにした結
果、たとえば、角度変調の深さ(偏移)を多重負荷利得
の優だけ深くして送信しても他の無線チャネルへの影響
を従来の設計値以内におさえられることが可能で、がっ
、無線1チャネル当りの送信出力レベルを従来のシステ
ムより逓減することが可能となり、本発明を小ゾーン方
式に適用した場合には、くり返しゾーン数が大幅に減少
するので周波数利用効率か飛躍的に向上するとともに、
省電力化かはかられるほか、増幅器の設計や受動素子の
定格の定めかたに至るまで、合理的、かつ、経済的な設
計が可能となったので、通信システム、とくに無線シス
テムに及ぼす効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1A図は本発明のシステムの概念を示す概念構成図、 第1B図は本発明のシステムに使用される移動無線機の
回路構成図、 第1C図は本発明のシステムに使用される無線基地局の
回路構成図、 第2A図は本発明のシステムに使用されるタイム・スロ
ットを説明するためのタイム・スロワlへ構造図、 第2B図はタイム・スロットの無線信号波形を示す図、 第3A図および第3B図は通話信号および制御信号のス
ペクトルを示すスペクトル図、第3C図は音声信号とデ
ータ信号を多重化する回路構成図、 第4A図および第4B図は本発明によるシステムの動作
の流れを示すフロー・チャート、第5図は周波数分割多
重信号のスペクトル図、第6A図は時分割時間圧縮多重
信号の振幅の変化を示す振幅図、 第6B図、第6C図および第6D図は時分割時間圧縮多
重信号のサンプリングの様子を示すサンプリング図、 第7図は小ゾーン構成を示す構成図、 第8図は周波数くり返し距離を決定するための被干渉局
と干渉局の電界強度を表わす電界強度図、第9図は無線
基地局からの距離に対する電波伝搬特性を表わす電波伝
搬特性図、 第10図は時分割時間圧縮多重通信システムに使用され
る各種パラメータの例を示すパラメータ数値図、 第11図は変調偏移をパラメータにしたD/Uの変化に
対するS/Nを表わすS/N図、第12図は時分割時間
圧縮多重信号の多重負荷利得と音声信号の多重数との関
係を示す図、第13図および第14図は公知文献から引
用された周波数分割多重信号の多重負荷利得と通話路数
との関係を示す多重負荷利得図である。 10・・・電話網     20・・・関門交換機22
−1〜22−n・・・通信信号 30・・・無線基地局 3つ・・・信号処理部 32・・・無線送信回路  35・・・無線受信回路3
8・・・信号速度復元回路群 38−1〜38−n・・・送信速度復元回路39・・・
信号選択回路群 39−1〜39−n・・・信号選択回路40・・・制御
部 4つ・・・クロック発生器 42・・・タイミング発生回路 51・・・信号速度変換回路群 51−1〜51−n・・・信号速度変換回路52・・・
信号割当回路群 52−1〜52−〇・・−信号割当回路91・・・ディ
ジタル符号化回路 92・・・多重変換回路 n・・・移動無線機 00.100 01・・・電話機部 20・・・基準水晶発振器 21−1.121−2・・・シンセサイザ22−1.1
22−2・・・スイッチ 23・・・送受信断続制御器 31・・・速度変換回路 32・・・無線送信回路 1 34・・・送信部    1 36・・・受信ミクサ  1 38・・・速度復元回路 1 33・・・送信ミクサ 35・・・無線受信回路 37・・・受信部 41・・・クロック再生器。 1〜100

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービス・エリアを
    構成する各無線基地手段(30)と、前記複数のゾーン
    を横切って移動し、前記無線基地手段と交信するために
    フレーム構成のタイム・スロットに時間的に圧縮した区
    切られた信号をのせた無線チャネルを用いた各移動無線
    手段(100)との間の通信を交換するための関門交換
    手段(20)とを用いる移動体通信方法において、 前記時間的に圧縮した区切られた信号により得られる多
    重負荷利得にもとづいて前記無線基地手段と前記移動無
    線手段との間の交信に使用する無線信号の角度変調の変
    調偏移レベルを決定することによって、異なる場所に設
    けられた2つの無線基地手段において同一の無線チャネ
    ルを使用する移動体通信の時間分割通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI425843B (zh) * 2005-08-30 2014-02-01 Lg Electronics Inc 音頻訊號之編碼及解碼裝置及其方法、電腦可讀取媒體及其系統、及可代表該音頻訊號位元流中之資料結構

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TWI425843B (zh) * 2005-08-30 2014-02-01 Lg Electronics Inc 音頻訊號之編碼及解碼裝置及其方法、電腦可讀取媒體及其系統、及可代表該音頻訊號位元流中之資料結構

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