JPH0669632A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH0669632A
JPH0669632A JP21935492A JP21935492A JPH0669632A JP H0669632 A JPH0669632 A JP H0669632A JP 21935492 A JP21935492 A JP 21935492A JP 21935492 A JP21935492 A JP 21935492A JP H0669632 A JPH0669632 A JP H0669632A
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雅人 川出
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント配線板のファインパターン間の絶縁
性を確実に向上させ、かつ好適な絶縁状態を長期にわた
って維持すること。 【構成】 絶縁基板1上に接着剤層3を形成する。接着
剤層3の表面を粗化する。核となる金属イオンと還元性
イオンとからなる触媒核5を接着剤層3に付与する。還
元性イオンを部分的に除去した後、メッキレジスト6の
形成を行う。その後、無電解銅メッキにより、L/S=
75μm/75μmの導体回路7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板上に金属を用
いて導体回路を形成するプリント配線板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年におけるエレクトロニクス産業の進
展は目覚ましく、新たに開発される電子機器は年を追う
毎に小型化、高性能化及び多機能化する傾向にある。こ
のため、ICやLSI等の電子部品を実装するためのプ
リント配線板についても、高信頼化かつ高密度化が要求
されている。
【0003】ここで、従来のプリント配線板の製造方法
について簡単に述べる。この種のものの代表例として
は、絶縁基板に積層された銅箔をフォトエッチングし、
基板上に導体回路を形成するエッチドフォイル法(サブ
トラクティブ法)が知られている。
【0004】エッチドフォイル法の特徴としては、基板
との密着性に優れた導体回路を形成することができる点
である。その反面、肉厚な銅箔をエッチングして導体回
路を得るこの方法には、高精度でファインなパターンを
得ることが難しいという大きな欠点がある。また、製造
工程が複雑であること、収率が良くないことなど、幾つ
かの問題点が指摘されている。
【0005】これまでに本発明者らは、上記の問題の解
決を図るべく、特開昭61−276875号公報におい
て、既にアディティブ法によるプリント配線板の製造方
法を提案している。この公報にて本発明者らは、エポキ
シ樹脂フィラーを含む熱硬化性接着剤を基板表面に塗布
して接着剤層を形成し、この接着剤層を粗化した後、無
電解メッキを施して導体回路を形成するという技術を開
示している。
【0006】この方法のポイントは、粗化された接着剤
層の所定部分にレジストを形成した後に無電解メッキを
施して、その非形成部分に導体回路となる金属を析出さ
せることである。よって、不導体である前記接着剤層上
に金属を析出させるためには、接着剤層上に何らかの金
属触媒を存在させておくことが必要となる。
【0007】さて、ここで無電解メッキとは、外部電源
を用いることなく、電気化学的な酸化還元反応のみに基
づいて金属を還元析出させることをいう。また、このメ
ッキ法では、金属を析出させる手段として、金属イオン
と還元性イオンとを含む溶液を用いることを特徴とす
る。
【0008】そのような金属イオンとしては、d軌道に
電子空位を有する、ニッケル(Ni),鉄(Fe),パ
ラジウム(Pd),銅(Cu)等のd−遷移金属が挙げ
られる。
【0009】アディティブ法において使用される触媒核
としては、Pdイオンとスズ(Sn)イオンとからなる
Pd−Snコロイド粒子が一般的に良く知られている。
また、Pdを単体で用いない理由は、以下の通りであ
る。つまり、溶液中にてPdを安定して存在させるた
め、Pdを基板に吸着させるため、及びPd2+を還
元して、活性化状態のPd0 にするための三つである。
【0010】ここで、Pd−Snコロイド粒子の触媒作
用に関し、推定される原理について簡単に説明する。基
板表面に吸着されたコロイド粒子を酸などで処理して、
Pd 2+を還元すると、次の化学式で表されるようにな
る。
【0011】 Sn2+ + Pd2+ → Sn4+ + Pd0+ つまり、Pd2+の周囲を覆うSn2+は、酸化されてSn
4+に変化し、その際に2個の電子を放出する。一方、P
2+は、これらの電子を受容することにより還元され、
活性触媒としてのPd0+となる。
【0012】これは、いわゆる活性化状態であり、前記
状態であればその上にメッキ液中の金属を析出させるこ
とが可能になる。尚、Sn4+は溶液中に溶出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のアディティブ法
では、先ず粗化された接着剤層上にPd−Snコロイド
粒子を付与し、その上にレジストを形成した後に、上述
したPdの活性化を行い、次いで無電解メッキを行って
いる。従って、このようにして得られるプリント配線板
では、未活性状態のコロイド粒子はレジスト下に残存し
たままの状態である。
【0014】しかしながら、このようなコロイド粒子は
Sn2+が電荷のキャリアとして作用し、また、そのキャ
リアが多いほど絶縁性は低下する。よって、パターン間
の絶縁性が悪化し易く、好適な絶縁保証を長期にわたっ
て確保することが困難になる。
【0015】そして、この傾向は、隣接する各パターン
間の幅、換言するとレジストの幅が狭いほど顕著とな
り、またコロイド粒子の直径が大きくなるほど(約10
0nm)顕著になる。従って、従来方法ではファインな
パターンを備えたプリント配線板の信頼性を向上するこ
とは極めて困難であった。
【0016】また、メッキレジストを除去してその下の
触媒核を取り除く場合には、従来、ホウフッ酸が用いら
れている。しかし、ホウフッ酸には、導体回路を若干腐
食させてしまうという欠点がある。従って、メッキレジ
ストを除去する場合でも、触媒核を取り除く必要のない
製造方法が望まれていた。
【0017】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、接着剤層に触媒核を付与する工程
を改良することにより、ファインパターン間の絶縁性を
確実に向上させ、かつ好適な絶縁状態を長期にわたって
維持することができるプリント配線板の製造方法を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の課題を解
決するために、本発明では、絶縁基板上に接着剤層を形
成しかつその表面を粗化した後、核となる金属イオンと
還元性イオンとからなる触媒核を前記接着剤層に付与
し、次いでその接着剤層上に無電解メッキにより導体回
路を形成するプリント配線板の製造方法において、前記
還元性イオンを部分的に除去した後に、無電解メッキを
行っている。この場合、無電解メッキの前には、必要に
応じてメッキレジストが形成される。
【0019】以下、本発明のプリント配線板の製造方法
について工程順に説明する。本発明では、絶縁基板の材
料として、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の有
機材料や、窒化アルミニウム、アルミナ等のセラミック
ス焼結体材料が使用される。また、予め銅等の金属箔が
貼着された積層板を使用しても良い。
【0020】この基板の表面を粗化する方法としては、
例えば砥粒を噴射して研磨を行うサンドブラスト、表面
に砥粒が保持された回転バフによって研磨を行うバフ研
磨等が好適である。この場合、基板の表面粗度がJIS
−B−0601(触針式表面粗さ測定試験)で0.5μ
m〜10μmの範囲内になることが良い。
【0021】次に、絶縁基板上に塗布される接着剤の組
成について詳細に説明する。接着剤層を形成するための
接着剤は、酸あるいは酸化剤に対して可溶性でありかつ
予め硬化処理された耐熱性樹脂微粒子(フィラー樹脂)
と、硬化処理することにより酸あるいは酸化剤に対して
難溶性になる耐熱性樹脂液(マトリクス樹脂)とからな
り、前記微粒子が前記樹脂液中に分散されていると共
に、硬化処理によって前記樹脂液が硬化されるものであ
ることが望ましい。また、前記マトリクス樹脂は感光性
樹脂であってもよい。
【0022】フィラー樹脂となる耐熱性樹脂微粒子とし
ては、例えば、粒径が0.1μm〜10μmのポリエス
テル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、アミノ樹
脂、酸或いは酸化剤に可溶性のエポキシ樹脂等の粉末が
好適である。一方、マトリクス樹脂となる耐熱性樹脂と
しては、例えば、エポキシ変成ポリイミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂及びフェノール樹脂、酸或いは酸化剤に難溶性
のエポキシ樹脂等が好適である。尚、前記フィラー樹脂
のエポキシ樹脂はアミン系硬化剤で硬化させることが良
く、前記マトリクス樹脂のエポキシ樹脂はイミダゾール
系硬化剤で硬化させることが良い。
【0023】この耐熱性樹脂液に対して上記の樹脂微粒
子を所定量配合し、かつ溶剤を加えて攪拌することによ
り、前記樹脂微粒子が均一に分散された接着剤のワニス
が形成される。
【0024】前記接着剤ワニスを絶縁基板の表面上に塗
布する方法としては、例えばロールコータを用いて塗布
する方法がある。この塗布方法によれば、前記ワニスを
所定の均一性を保ち、かつ所定の厚さに塗布することが
可能である。また、前記方法以外にも、ディップコート
法、スプレーコート法、スピナーコート法、カーテンコ
ート法及びスクリーン印刷法等の各種の塗布法を採用す
ることができる。
【0025】そして、絶縁基板上には、何れかの塗布方
法によって、厚さ10μm〜100μmの接着剤層が形
成される。尚、多層配線板を製造する場合、前記接着剤
層にはバイアホールとなる開口が形成される。
【0026】接着剤ワニスの塗布、硬化及び粗化処理が
行われた後、前記接着剤層の粗面には、核となる金属イ
オンと還元性イオンとからなる触媒核が付与される。こ
のような触媒核としては、Pd−Snコロイドを使用す
ることが望ましい。その理由は、水溶液中での安定性が
高いこと、電荷を帯びているため基材へイオン吸着し易
いこと等の理由による。また、塩化スズを付けた後に塩
化パラジウムを処理する二段階処理に比べて、工程が単
純だからである。
【0027】また、前記触媒核のほかにも、例えば、P
t,Au,Ni,Cu等のコロイドを使用することが可
能である。Pd−Snコロイドを触媒核として選択した
場合、単位面積あたりのPd(詳細にはPd2+イオン)
の付与量が1μg/cm2 〜10μg/cm2 ,Sn
(詳細にはSn2+イオン)の付与量が0.1μg/cm
2 〜2μg/cm2 であることが望ましい。
【0028】Pdの付与量が1μg/cm2 未満である
と、メッキが析出し難くなり、10μg/cm2 を越え
ると、微細なパターンを形成した際にパターン間絶縁性
を確保することが困難になる。
【0029】一方、Snの付与量が0.1μg/cm2
未満であると、メッキの触媒となるPdが脱落してしま
い、メッキ未析出部分ができてしまう。また、2μg/
cm 2 を越えると、微細なパターンを形成した際にパタ
ーン間絶縁性を確保することが困難になる。
【0030】前記触媒核において、基板表面に残存する
Snに対するPdの比率(Pd/Sn:重量比)は、1
〜10であることが望ましい。この比率が1未満である
と、Snが多すぎるため、その除去工程に要する時間が
長くなると共に、充分な絶縁性が確保できなくなる。一
方、この比率が10を越える場合には、Snが少なすぎ
るため、触媒核が粗面から脱落し易くなる。尚、前記P
d量、Sn量及びPd/Sn比は、何れもメッキ前に行
われる触媒活性化処理前、かつSnの除去工程後の値で
ある。
【0031】触媒核を付与する工程の後には、次いで還
元性イオンの部分的除去及び金属イオンの活性化が行わ
れる。尚、ここでの処理は、還元性イオンの部分的除去
を主目的とするものである。
【0032】前記還元性イオンの除去及び前記金属イオ
ンの活性化には、酸または還元剤を用いることが望まし
い。その理由は、吸着した触媒以外の還元性イオンの除
去を円滑に行い、基板表面に存在する導電性物質の量を
減少させるのに有効だからである。また、吸着したPd
イオンを活性化状態のPdへ還元させる場合、還元反応
を促進させるのに有効だからである。
【0033】この種のものとしては、例えば、ホウフッ
化水素酸等の弱酸や、塩酸、硫酸及び硝酸等の強酸や、
ホルムアルデヒド、次亜リン酸ナトリウム、ホウ水素化
ナトリウム、ヒドラジン、グルコース(ブドウ糖)等の
還元剤が挙げられる。
【0034】この場合、還元剤或いは強酸を使用した方
が弱酸を使用したときよりも、凹凸面に対するメッキの
付き回り性が良くなるという特徴がある。これは、還元
剤の処理によって、粗化面の樹脂表面が改質されること
によるものと推定されている。
【0035】また、前記還元性イオンを除去するにあた
り、1N〜10Nの塩酸を10℃〜80℃の温度に調節
し、その塩酸を用いて前記接着剤層を0.5分〜30分
処理することが望ましい。また、フッ化水素酸と還元糖
とを含む水溶液を10℃〜80℃の温度に調節し、その
水溶液を用いて前記接着剤層を0.5分〜30分処理す
ることも同様に望ましい。
【0036】前記条件を外れた場合、例えば還元性イオ
ンが少なくなるような場合には、還元力が小さくなり過
ぎてしまう。また、この場合触媒核の脱落も生じ易くな
り、いわゆる銅落ちが発生する。一方、還元性イオンが
多すぎるような場合には、パターン間の絶縁抵抗が小さ
くなってしまう。
【0037】還元性イオンの部分的除去及び金属イオン
の活性化を行った後、接着剤層上の所定位置には、必要
に応じて無電解メッキ用のメッキレジストが形成され
る。上記のメッキレジストとしては、例えば、感光性の
ドライフィルム等が好適である。このようなドライフィ
ルムによれば、接着剤層上に微細な導体回路を確実かつ
高精度に形成することが可能である。また、この種のフ
ィルムは、高密度化、高集積化の要求に対して充分に対
応できるという利点がある。
【0038】尚、メッキレジスト下の触媒核を容易に除
去することが困難であることを鑑みると、本発明の製造
方法は、とりわけメッキレジストを形成する場合に有効
な方法であるといえる。
【0039】前記メッキレジストの形成後には、前記触
媒核の金属イオンを活性化し、次いで速やかに無電解メ
ッキを行うことが望ましい。その理由は、一旦活性化さ
れた金属イオンが再び不活性状態になることを防止する
ためである。そして、前記金属イオンは、酸または還元
剤によって再度活性化される。
【0040】前記金属イオンの活性化に酸を用いる場
合、3N〜6Nの塩酸が望ましい。その理由は、このよ
うな酸を用いると極めて効率良く金属イオンを活性化す
ることができるからである。また、塩酸のような強酸を
用いた場合、つきまわり性に優れかつ剥離し難いメッキ
膜が得られるため、結果として信頼性の向上につながる
という利点もある。
【0041】前記金属イオンの活性化に還元剤を用いる
場合、ホルムアルデヒドの水溶液が望ましい。その理由
は、ホルムアルデヒドの水溶液は、化学銅メッキにおい
て還元剤として用いられており、メッキ液との相性が良
いからである。また、メッキ液がスムーズに拡散するか
らである。
【0042】そして、この状態で速やかに無電解メッキ
を行い、レジスト非形成部分にメッキ液中の金属を析出
させる。前記メッキとしては、例えば、無電解銅メッ
キ、無電解ニッケルメッキ、無電解スズメッキ、無電解
金メッキ及び無電解銀メッキ等がある。以上の一連の工
程により、絶縁基板上の所定位置に導体回路のパターン
が形成される。
【0043】前記導体回路のパターンの幅(以下、ライ
ン)及び隣接する各パターン間の幅(以下、スペース)
は100μm以下であることが望ましい。その理由は、
本発明の製造方法により得られる効果は、形成されるパ
ターンがファインであるほど顕著だからである。そし
て、より好ましくは前記ライン及びスペースが50μm
〜75μm程度であることが良い。
【0044】さて、前記各処理による触媒核の状態変化
について、図3に基づき詳細に説明する。図中、Rはレ
ジストを、Pはパターンを、C1 ,C2 は触媒核を、金
属イオンIA 及び還元性イオンIB それぞれ表してい
る。
【0045】図3(a)には、従来法により接着剤層上
に付与された触媒核の存在状態が、図3(b)には、本
発明により接着剤層上に付与された触媒核の存在状態が
概念的に示されている。本発明の方法によれば、レジス
ト下に存在する導電性金属の量は、図3(a)の状態に
比して少なくすることが可能である(図3(b) 参照)。
このため、導体間の絶縁性を向上させることができる。
【0046】また、図3(c)は、従来法により付与さ
れた触媒核C1 を個々に注目したとき、その触媒核C1
を表す予想図である。同様に、図3(d)は、本発明に
より付与された触媒核C2 を個々に注目したとき、その
触媒核C2 を表す予想図である。図3(c)及び(d)
に示すように、前二者ではとりわけ還元性イオンIBの
存在量及び存在状態が相違するものと考えられる。
【0047】
【実施例及び比較例】以下、本発明を具体化した実施例
1〜実施例4と、各実施例に対する比較例1及び比較例
2とについて図面に基づき詳細に説明する。 〔実施例1〕本実施例1はアディティブ法によって単層
のプリント配線板を製造するものである。以下、その製
造工程(1)〜(7)について、図1(a)〜(e)に
基づき説明する。
【0048】工程(1):実施例1では絶縁基板1とし
てFR−4グレードの絶縁基板LE−67N,Wタイプ
(日立化成工業製)を使用した。この基板1に対して石
川表記製、高精度ジェットスクラブ研磨機IJS−60
0を用いて基板1の表面研磨を行い、表面粗度が5μm
の粗面2を得た。面粗度の測定は接針式の面粗度計(東
京精密サーフコム470A)を用い、JIS−B−06
01に従って測定した(図1(a) 参照)。尚、前記研磨
機による研磨は、研磨剤の吐出圧を1.8kg/cm2に、ラ
インスピード(基板搬送速度)を2m/min.に設定して行
った。そして、前記研磨の後に基板1を加熱乾燥した。
【0049】工程(2):フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(油化シェル製,商品名:E−154)60重
量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
製,商品名:E−1001)40重量部、イミダゾール
硬化剤(四国化成製,商品名:2P4MHZ)4重量
部、エポキシ樹脂微粉末(東レ製)粒径5.5μmのも
の25重量部、及び粒径0.5μmのもの10重量部を
配合した。そして、この混合物を三本ロールにて混練す
ると共に、ブチルセロソルブアセテートを適量添加して
接着剤のワニスとした。
【0050】工程(3):前記絶縁基板1上に上記接着
剤のワニスをロールコータを用いて塗布した。その後、
100℃で1時間及び150℃で5時間基板1を加熱す
ることにより、ワニスを乾燥硬化させ、厚さ50μmの
接着剤層3を形成した(図1(b) 参照)。
【0051】工程(4):次に、クロム酸に10分間浸
漬することによりエポキシ樹脂微粉末を溶解除去して、
接着剤層3の表面を粗面4とした(図1(c) 参照)。そ
して、中和後に基板1を水洗して、クロム酸を除去し
た。
【0052】工程(5):前記基板1を市販のPd−S
nコロイド触媒液に浸漬して、粗面4にPd−Snコロ
イド5を吸着させた。その後、前記基板1を15%のフ
ッ化水素酸及び5%のブドウ糖を含む水溶液(以下、フ
ッ化水素酸−ブドウ糖水溶液)に浸漬し、Snの除去を
行った。このときの処理温度は50℃,処理時間は7分
である。下表1に示すように、単位面積あたりのSn及
びPdの付与量は、それぞれ1.1μg/cm2 ,5.
3μg/cm2 である。また、Pd/Sn比の値は4.
8である。更に、この基板1を120℃で30分加熱処
理した。
【0053】工程(6):前記基板1上にドライフィル
ムフォトレジストをラミネートすると共に、露光現像を
行ってメッキレジスト6を形成した(図1(d) 参照)。 工程(7):その後、前記基板1を工程(5)にて使用
したフッ化水素酸−ブドウ糖水溶液に浸漬し、Pdを活
性化させた。このときの処理温度は50℃,処理時間は
5分である。
【0054】次いで、下表2に示す無電解銅メッキ液に
基板1を直ちに浸漬し、その状態で15時間保持した。
以上の各工程に経ることによって、厚さ約35μm,ラ
イン/スペース(L/S)=75μm/75μmの導体
回路7を備えるプリント配線板を形成した(図1(e) 参
照)。 〔実施例2〕本実施例2のプリント配線板の製造方法で
は、基板表面の研磨法、樹脂の混練法、樹脂の組成、樹
脂の塗布法、接着剤層の粗化法及びSnの除去法に関し
て、前記実施例1とは異なる条件及び方法を採用してい
る。
【0055】工程(1):実施例2では前記実施例1で
用いた絶縁基板1を使用した。この基板1に対して石川
表記製のオシュレーション研磨機IOP−600を用い
て表面研磨を行い、表面粗度が2μmの粗面2を得た。
このとき、回転数を2000r.p.m.に、ラインスピード
(基板搬送速度)を2m/min.に、オシュレーション回数
を575回/min.にそれぞれ設定した。
【0056】工程(2):フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(油化シェル製,商品名:E−154)60重
量部に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
製,商品名:E−1008)40重量部、イミダゾール
硬化剤(四国化成製,商品名:2PHZ)3重量部、粒
径が3μmのメラミン樹脂微粉末(ホーネン製)10重
量部、及び粒径が0.5μmのメラミン樹脂微粉末(ホ
ーネン製)25重量部を配合した。そして、この混合物
をパールミルにて混練すると共に、メチルエーテルケト
ンを適量添加して、接着剤のワニスとした。
【0057】工程(3):次いで、ギャップコータを用
いて、前記絶縁基板1上に上記の接着剤ワニスを塗布し
た。そして、塗布されたワニスを80℃で1時間、10
0℃で1時間及び150℃で5時間乾燥硬化させ、厚さ
50μmの接着剤層3を形成した。
【0058】工程(4):次に、前記基板1をクロム硫
酸に10分間浸漬することにより、メラミン樹脂微粉末
を溶解除去して、接着剤3の表面を粗面4とした。その
後、中和処理、水洗及び湯洗を行い、基板1からクロム
酸を除去した。
【0059】工程(5):前記基板1を市販のPd−S
nコロイド触媒液に浸漬して、粗面4にPd−Snコロ
イド5を吸着させた。その後、前記基板1を6Nの塩酸
に浸漬し、Snの除去を行った。このときの処理温度は
30℃,処理時間は5分である。下表1に示すように、
単位面積あたりのSn及びPdの付与量は、それぞれ
0.3μg/cm2 ,2.1μg/cm 2 である。ま
た、Pd/Sn比の値は7.0である。更に、この基板
1を120℃で30分加熱処理した。
【0060】工程(6):前記基板1上にドライフィル
ムフォトレジストをラミネートすると共に、露光現像を
行ってメッキレジスト6を形成した。 工程(7):その後、前記基板1を3Nの塩酸に浸漬
し、Pdを活性化させた。このときの処理温度は50
℃,処理温度は2分である。
【0061】次いで、下表2に示す無電解銅メッキ液に
基板1を直ちに浸漬し、その状態で15時間保持した。
以上の各工程に経ることによって、厚さ約35μm,L
/S=75μm/75μmの導体回路7を備えるプリン
ト配線板を形成した。 〔実施例3〕次に、ビルドアップ法による実施例3の多
層プリント配線板の製造工程(1)〜(9)について、
図2(a)〜(e)に基づき説明する。
【0062】工程(1):実施例3では銅張積層板をエ
ッチングして内層回路8を形成した後、その表面を黒化
還元処理して、黒化還元処理層9を形成した(図2(a)
参照)。
【0063】工程(2):クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(油化シェル製,商品名:エピコート180
S)の50%アクリル化物60重量部に、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(油化シェル製,商品名:E−10
01)40重量部、ジアリルテレフタレート15重量
部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフォリノプロパノン−1(チバ・ガイギー
製,商品名:イルガキュアー907)4重量部、粒径が
5.5μmのエポキシ樹脂微粉末(東レ製)10重量
部、及び粒径が0.5μmのエポキシ樹脂微粉末(東レ
製)25重量部を配合した。そして、この混合物にブチ
ルセロソルブを適量添加しながらホモディスパー攪拌機
で攪拌し、接着剤のワニスを作成した。
【0064】工程(3):ロールコータを用いて内層回
路8上に上記の接着剤ワニスを塗布した後、塗布された
ワニスを100℃で1時間乾燥硬化させ、厚さ50μm
の感光性接着剤層(層間絶縁層)10を形成した(図2
(b) 参照)。
【0065】工程(4):次に、前記工程(3)の処理
を施した配線板に直径100μmの黒円及び打ち抜き切
断部位が黒く印刷されたフォトマスクフィルムを密着さ
せ、超高圧水銀灯により500mj/cm2 で露光した。こ
れをクロロセン溶液で超音波現像処理することにより、
配線板上に直径100μmのバイアホールとなる開口1
1を形成した。
【0066】工程(5):次いで、前記配線板を超高圧
水銀灯により約300mj/cm2 で露光し、更に100℃
で1時間及び150℃で3時間加熱処理した。これらの
処理により、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度
に優れた開口11を有する層間絶縁層10を形成した
(図2(c) 参照)。
【0067】工程(6):そして、前記配線板をクロム
酸に10分間浸漬することにより、層間絶縁層10の表
面を粗化した。更に、中和後に水洗及び湯洗して、配線
板からクロム酸を除去した 工程(7):開口11から剥き出した状態になっている
銅表面の黒化還元処理層9をソフトエッチにて除去し
た。その後、配線板を市販のPd−Snコロイド触媒に
浸漬して、開口11の内壁面及び粗化された層間絶縁層
10の表面にPd−Snコロイド12を吸着させた(図
2(d) 参照)。
【0068】その後、前記配線板を前述のフッ化水素酸
−ブドウ糖水溶液に浸漬し、Snの除去を行った。この
ときの処理温度は25℃,処理時間は15分である。下
表1に示すように、単位面積あたりのSn及びPdの付
与量は、それぞれ0.9μg/cm2 ,7.6μg/c
2 である。Pd/Sn比の値は8.4である。更に、
この配線板を120℃で30分加熱処理した。
【0069】工程(8):前記配線板上にドライフィル
ムフォトレジストをラミネートすると共に、露光現像を
行ってメッキレジスト13を形成した。 工程(9):その後、還元剤としての37%のホルムア
ルデヒド水溶液に前記配線板を浸漬し、Pdを活性化さ
せた。このときの処理温度は40℃,処理時間は5分で
ある。
【0070】次いで、下表2に示す無電解銅メッキ液に
配線板を直ちに浸漬し、その状態で15時間保持した。
以上の各工程に経ることによって、厚さ約35μm,L
/S=75μm/75μmの導体回路14を備える多層
プリント配線板を形成した(図2(e) 参照)。 〔実施例4〕次に、本実施例4ではビルドアップ法によ
り多層プリント配線板を製造した。尚、この実施例4で
は、前記実施例3とは異なる樹脂組成を採用している。
【0071】工程(1):フェノールアラルキル型エポ
キシ樹脂(三井東圧化学製,商品名:XL−225L)
の50%アクリル化物100重量部に、ジアリルテレフ
タレート15重量部、2−メチル−1−〔4−(メチル
チオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1
(チバ・ガイギー製,商品名:イルガキュアー907)
4重量部、イミダゾール系硬化剤(四国化成製,商品
名:2PZ−CN)4重量部及び平均粒径が5.0μm
のメラミン樹脂微粉末(ホーネンコーポレーション製)
10重量部を配合した。そして、この混合物にブチルカ
ルビトールを適量添加して三本ローラで攪拌し、接着剤
のワニスとした。
【0072】工程(2):黒化還元処理層9が形成され
た配線板上に、ギャップコータを用いて上記の接着剤ワ
ニスを塗布した後、塗布されたワニスを80℃で1時間
乾燥硬化させ、厚さ70μmの感光性接着剤層10を形
成した。
【0073】工程(3):次いで、前記実施例3の工程
(3)〜工程(6)に従って、開口11の形成及び層間
絶縁層10の表面粗化を行った。また、層間絶縁層10
の表面粗化処理には、クロム酸を使用した。
【0074】工程(4):開口11から剥き出した状態
になっている銅表面の黒化還元処理層9をソフトエッチ
にて除去した。その後、配線板を市販のPd−Snコロ
イド触媒に浸漬して、開口11の内壁面及び粗化された
層間絶縁層10の表面にPd−Snコロイド12を吸着
させた。
【0075】その後、配線板を前記実施例1にて使用し
たフッ化水素酸−ブドウ糖水溶液に浸漬し、Snの除去
を行った。このときの処理温度は25℃,処理時間は2
0分である。下表1に示すように、単位面積あたりのS
n及びPdの付与量は、それぞれ1.7μg/cm2
9.1μg/cm2 である。Pd/Sn比の値は5.4
である。更に、この配線板を120℃で30分加熱処理
した。
【0076】工程(5):前記配線板上にドライフィル
ムフォトレジストをラミネートすると共に、露光現像を
行ってメッキレジスト13を形成した。 工程(6):その後、配線板を前記フッ化水素酸−ブド
ウ糖水溶液に浸漬し、再度Pdを活性化させた。このと
きの処理温度は30℃,処理時間は10分である。
【0077】次いで、下表2に示す無電解銅メッキ液に
配線板を直ちに浸漬し、その状態で15時間保持した。
以上の各工程に経ることによって、厚さ約35μm,L
/S=75μm/75μmの導体回路14を備える多層
プリント配線板を形成した。 〔比較例1〕本比較例1では、Snの除去及びPdの活
性化処理並びにメッキレジストの形成を前記実施例1と
は異なる順序で行った。
【0078】工程(1):前記実施例1と同一の基板を
選択し、かつ実施例1と同一組成の接着剤を作成した。
そして、実施例1の工程(1)〜(4)に従って、基板
の粗化、接着剤ワニスの作成、接着剤層の形成及びその
粗化を行った。但し、本比較例1ではクロム一硫酸を使
用して接着剤層を粗化した。
【0079】工程(2):前記基板を市販のPd−Sn
コロイド触媒液に浸漬して、粗面にPd−Snコロイド
を吸着させた。そして、この基板を120℃で30分加
熱処理した。
【0080】下表1に示すように、単位面積あたりのS
n及びPdの付与量は、それぞれ5.7μg/cm2
5.1μg/cm2 である。また、Pd/Sn比の値は
0.9である。
【0081】工程(3):次いで、実施例1の工程
(6)の方法に従い、基板上の所定位置にメッキレジス
トを形成した。この時点における触媒核は、不活性状態
のままであり、その直径は依然として大きい。
【0082】工程(4):その後、前記基板を前述のフ
ッ化水素酸−ブドウ糖水溶液に浸漬し、Snの除去を行
った。このときの処理温度は40℃,処理時間は7分で
ある。
【0083】工程(5):そして、下表2に示す無電解
銅メッキ液に基板を直ちに浸漬し、その状態で15時間
保持した。以上の各工程に経ることによって、厚さ約3
5μm,L/S=75μm/75μmの導体回路を備え
る比較例1のプリント配線板を形成した。 〔比較例2〕本比較例2では、Snの除去及びPdの活
性化処理並びにメッキレジストの形成を前記実施例3と
は異なる順序で行った。
【0084】工程(1):前記実施例3と同一の銅張積
層板を選択し、かつ実施例1と同一組成の接着剤を作成
した。そして、実施例3の工程(1)〜(4)に従っ
て、黒化還元処理層の形成、接着剤ワニスの作成、層間
絶縁層の形成及びその粗化を行った。但し、本比較例2
ではクロム一硫酸を使用して層間絶縁層を粗化した。
【0085】工程(2):前記配線板を市販のPd−S
nコロイド触媒液に浸漬して、粗面にPd−Snコロイ
ドを吸着させた。そして、この配線板を120℃で30
分加熱処理した。
【0086】下表1に示すように、単位面積あたりのS
n及びPdの付与量は、それぞれ5.7μg/cm2
5.1μg/cm2 である。また、Pd/Sn比の値は
0.9である。
【0087】工程(3):次いで、実施例3の工程
(8)の方法に従い、配線板上の所定位置にメッキレジ
ストを形成した。比較例1と同様に、この時点における
触媒核は、不活性状態のままである。
【0088】工程(4):その後、前記配線板を前述の
フッ化水素酸−ブドウ糖水溶液に浸漬し、Snの除去を
行った。このときの処理温度は25℃,処理時間は15
分である。
【0089】工程(5):そして、下表2に示す無電解
銅メッキ液に配線板を直ちに浸漬し、その状態で15時
間保持した。以上の各工程に経ることによって、厚さ約
35μm,L/S=75μm/75μmの導体回路を備
える比較例2の多層プリント配線板を形成した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】さて、得られた各プリント配線板を評価す
るために、温度が85℃,湿度が85%の環境下にて、
導体回路7に24Vのバイアス電圧をかける試験を行っ
た。そして、0,100,500,1000時間後にお
ける抵抗値(Ω)、即ちパターン間絶縁性をそれぞれ調
査した。その調査結果を表3に示す。尚、この調査によ
って得られる値は、大きければ大きいほどパターン間絶
縁性が優れていることを意味する。
【0093】
【表3】
【0094】表3から明らかなように、各実施例のパタ
ーン間絶縁性と各比較例のそれとを比較した場合、前者
の値が後者の値よりも1〜4オーダー大きかった。故
に、各実施例の配線板には、極めて好適なパターン間絶
縁性が確保されていることが判明した。また、経時的な
調査の結果、各実施例の配線板が備える好適なパターン
間絶縁性は、長期にわたって確実に維持されることも同
時に明らかになった。
【0095】更に、本発明の製造方法は、L/S=75
μm/75μmよりもファインなパターンを有するプリ
ント配線板を得る際に、特に有利であることがわかる。 〔実施例5〜8,比較例3,4〕実施例5〜8及び比較
例3,4については、本質的には前記実施例1〜4及び
比較例1,2のプリント配線板の製造方法と何ら変わり
はない。但し、これらについては、L/S=75μm/
75μmとした前記実施例1〜4及び比較例1,2とは
異なり、L/S=100μm/100μmの導体回路パ
ターンを形成した。そして、上述の手順に従って、同じ
くパターン間絶縁性(Ω)の調査を行った。その結果を
表4に示す。
【0096】
【表4】
【0097】表4に示すように、各実施例5〜8では、
総じて比較例3,4よりも良い傾向が認められるもの
の、前記各実施例5〜8のように、その効果に顕著性が
あるとは言い難い。よって、本発明の製造方法は、L/
S=100μm/100μmよりも更に小さなパターン
を形成する際により適しているという結論に達する。
【0098】因みに、本発明の方法に従えば、L/S=
50μm/50μm程度の極めてファインな導体回路を
形成することが可能であった(データ略)。更に、無電
解メッキ直前に強酸を用いてPdを活性化した実施例
2,5については、他のものよりも特に導体回路パター
ンのピール強度に優れていた。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のプリント
配線板の製造方法によれば、L/S=100μm/10
0μm以下であるファインなパターン間の絶縁性を確実
に向上できるという優れた効果を奏する。しかも、この
製造方法によれば、好適な絶縁状態を長期にわたって維
持することができるという優れた効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は実施例1における単層のプリ
ント配線板の製造方法を示す工程説明図である。
【図2】(a)〜(e)は実施例3における多層プリン
ト配線板の製造方法を示す工程説明図である。
【図3】(a)は従来法により接着剤層上に付与された
触媒核C1 の存在状態を示す概念図であり、(b)は本
発明により接着剤層上に付与された触媒核C2 の存在状
態を示す概念図である。また、図3(c)は触媒核C1
を個々に注目したとき、その触媒核C1 を表す予想図で
あり、図3(d)は触媒核C2 を個々に注目したとき、
その触媒核C2 を表す予想図である。
【符号の説明】
1 (絶縁)基板、3,10 接着剤層、5,12 触
媒核としてのPd−Snコロイド、7,14 導体回
路、IA 金属イオン、IB 還元性イオン、Lパター
ンの幅(ライン)、S 隣接する各パターン間の幅(ス
ペース)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板(1)上に接着剤層(3,10)
    を形成しかつその表面を粗化した後、核となる金属イオ
    ン(IA )と還元性イオン(IB )とからなる触媒核
    (5,12)を前記接着剤層(3,10)に付与し、次
    いでその接着剤層(3,10)上に無電解メッキにより
    導体回路(7,14)を形成するプリント配線板の製造
    方法において、 前記還元性イオン(IB )を部分的に除去した後に、無
    電解メッキを行うことを特徴とするプリント配線板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記触媒核(5,12)はパラジウム−ス
    ズコロイドであることを特徴とする請求項1に記載のプ
    リント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】単位面積あたりのパラジウムの付与量は1
    μg/cm2 〜10μg/cm2 ,スズの付与量は0.
    1μg/cm2 〜2μg/cm2 であることを特徴とす
    る請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記触媒核(5,12)においてスズに対
    するパラジウムの比率は、1〜10であることを特徴と
    する請求項2または3に記載のプリント配線板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】メッキレジスト(6,13)を形成した後
    に前記触媒核(5,12)の金属イオン(IA )を活性
    化し、次いで速やかに無電解メッキを行うことを特徴と
    する請求項1乃至4の何れか一項に記載のプリント配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記還元性イオン(IB )の除去及び前記
    金属イオン(IA )の活性化に、酸または還元剤を用い
    ることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載
    のプリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】前記還元性イオン(IB )を除去するにあ
    たり、1N〜10Nの塩酸を10℃〜80℃の温度に調
    節し、その塩酸を用いて前記接着剤層を0.5分〜30
    分処理することを特徴とする請求項6に記載のプリント
    配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】前記還元性イオン(IB )を除去するにあ
    たり、フッ化水素酸と還元糖とを含む水溶液を10℃〜
    80℃の温度に調節し、その水溶液を用いて前記接着剤
    層(3,10)を0.5分〜30分処理することを特徴
    とする請求項6に記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】前記金属イオン(IA )の活性化に用いる
    酸は3N〜6Nの塩酸であることを特徴とする請求項6
    に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 【請求項10】前記金属イオン(IA )の活性化に用い
    る還元剤はホルムアルデヒドの水溶液であることを特徴
    とする請求項6に記載のプリント配線板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記導体回路(7,14)のパターンの
    幅(L)及び隣接する各パターン間の幅(S)は100
    μm以下であることを特徴とする請求項1乃至10の何
    れか一項に記載のプリント配線板の製造方法。
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KR20030005007A (ko) * 2001-07-05 2003-01-15 스미토모덴키고교가부시키가이샤 회로기판과 그 제조방법 및 고출력 모듈
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