JPH0669613B2 - グレーチングの枠材溶接装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はグレーチングの枠材溶接装置に係り、長尺複数
の縦材と、一定寸法複数の横材を格子形に組んで各交点
を溶接すると共に、各縦材を適宜の溶接点間で揃えて切
断して形成したグレーチング素材の縦材の切断両端に夫
々枠板を当てて溶接し、それにより完成した長方形のグ
レーチングを形成する溶接装置に関するものである。

（従来の技術） 第１図に示すように長尺複数の縦材２上に一定寸法複数
の横材３を渡して格子状とし、一本毎の横材３の上から
順次に加圧して（交点）溶接点４を溶接してグレーチン
グ原素材１を製造する溶接装置は既に開発されている
が、実際には複数縦材２を横材３との溶接点４の間で切
断してグレーチング素材５を切り出し、その切断両端６
に第２、３図のように枠板７、７を当てて溶接して製品
とするもので、これは現在も人手に頼つている。

その理由は、複数縦材が長尺であつて全長が真直ぐでな
いから、グレーチング素材５を切出したとき、縦材２に
曲がりがあるため切断両端６に１〜3mm程度の不等間隔
があり、トーチをその不等間隔に合わせられるように自
動化でいないからである。尤も視覚を持つ溶接ロボツト
が開発されているが価格が高く前記の視覚に基く溶接位
置の割出し動作も遅いのみでなく、一本の溶接トーチを
使用することを宿命とする溶接ロボツトにより、作業能
率を高めることは仲々に困難であるからによる。

（本発明が解決しようとする問題点） 本発明は、グレーチング素材の複数縦材の切断両端に多
少の曲がりがあつて、各縦材の切断両端の間隔が均一で
ないのを克服し、しかも複数の縦材の切断両端６と、枠
材７、７の接合面の多数の溶接部位が１個の縦材２につ
いて溶接部位が２箇所ずつであることに着目し、各縦材
につき、多少の曲がりがあつて間隔が１〜3mmくらい異
なつていても順次に、しかも高速に溶接できる装置を開
発することを課題とし、本発明の目的とするものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記した目的に合致させたもので、長尺複数の
縦材と、一定寸法複数の横材を格子形に組んで各交点を
溶接すると共に、各縦材の適宜の溶接点間を揃えて切断
して形成したグレーチング素材の縦材の切断両端に枠板
を当てて溶接する装置であつて、前記の素材を載置する
定盤と、定盤の上方部に配置したレール部材と、そのレ
ール部材を案内にして前記の素材の縦材の長さ方向に移
動する移動部材と、移動部材を案内にして前記の素材の
切断両端部に添う移動を調整する一対の調整部材とから
なり、その各調整部材に収縮可能なばね部材により前記
の移動部材の移動方向に突出させる取付駒を設け、該各
取付駒に伸縮制御により前記の素材の各縦材の切断端方
の側面に当たつたり各縦材の上を越えたりする移動可能
な位置検出ロッドと、各縦材と両側の枠板の接合縁に添
つて移動してその接合縁の溶接部位上で溶接電流を印加
される溶接トーチを設けたことを特徴とするグレーチン
グの枠材溶接装置に関し、溶接動作の自動化も可能にで
きるもので、前記した溶接ロボットの非能率性を一挙に
改善できるものである。

本発明の好適な実施例を次に説明する。

（実施例） 添付図面は本発明の一実施例を示したもので、第１図は
原素材１の平面図、第２図は溶接を施す素材の斜視図、
第３図は要部の斜視図、第４図は本溶接装置の一部（溶
接作業開始部）の正面図、第５図は移動部材17の一部、
調整部材20、取付駒24等の平面図である。

第１図は前記述べた縦材２と、横材３とからなり各交点
４を溶接したグレーチング原素材１であつて、その原素
材１の各縦材２を適宜の溶接点４間で揃えて切断してグ
レーチング素材５を形成し、第２、３図に示すようにそ
の素材５の各縦材２の切断両端６、６に枠板７、７を当
て、その接合部位を溶接する。

本発明は前記の多数の接合部位を一挙に溶接するのでは
なく、第４図に示すように定盤11にアースを施し、その
定盤11の上面に第３図に示した通りに前記の素材５を載
置する枕材12、12を設け、各縦材２の両切断面に当てる
枠板７、７のプツシヤー13、14を第３図の通りに設け
る。

定盤11の後方に該定盤11の上方部に配置して後記の移動
部材17の移動方向と平行にしたレール部材15を設け、そ
のレール部材15の上面のＴ形案内16に移動子18を嵌めた
移動部材17をレール部材15と直角に手前方向に突出す
る。移動部材17には逆Ｔ形ガイド19を形成し、これに前
後方向の移動調整を施すと共にねじ32により適宜の調整
位置に固定できるようにした前後一対の調整部材20、20
の各嵌込部21を嵌込む。

各調整部材20には第５図で最も明瞭なように移動杆22を
移動部材17の突出方向に移動できるように通して後端部
にストツパ23を嵌め、移動杆22の先端に取付駒24を設
け、調整部材20と取付駒24との間に前記のストツパ23を
調整部材20に突き当てると共に、取付駒24に移動抵抗が
作用すると収縮するばね部材25を介在させる（ねじ32は
移動杆22に作用しない）。

取付駒24には伸縮する位置検出ロツド27を挿通したパイ
プ部材26と、電気溶接トーチ29とを通して取付け、パイ
プ部材26の上端にピストンを位置検出ロツド27に直結し
たシリンダ28を取付ける。電気溶接トーチ29は各縦材２
の切断両端の上の溶接部位上を移動するように調整部材
20により調整を施すもので、これに溶接線30を繰出すモ
ータを設ける。このモータの駆動回路は定盤11を経ない
でアースされる。

パイプ部材26は縦材２の高さ（使用時の）に対応させ取
付駒24を基準にして上下に移動調整する必要があり、そ
のための装置を設けなければならず、電気溶接トーチ29
にはその取付けの高さを調整する装置を設け、かつ溶接
線30の繰出器を設けなければならないが、これ等は慣用
手段により施し得るから説明を省略する。

移動部材17は、前記の素材５の縦材２の配列間隔の凡そ
中央から位置検出ロツド27が縦材２に突きあたるまで間
欠的に移動する区間を駆動し、第３図の前後の位置検出
ロツド27が縦材２に当たつて位置を検出するごとに停止
するモータと、それと時を合わせて電気溶接トーチ29に
溶接電流を供給する溶接電流回路を設けるもので、移動
部材17の前記の間欠的移動は数値制御モータもしくはリ
ミツトスイツチ（共に図示せず）により行い、位置検出
ロツドがシリンダ28により上昇してからは縦材２と次の
縦材２間の中央まで図示しないばね材により押されて移
動する実施例とする。数値制御モータの駆動制御と溶接
電流回路の閉路とを予め記憶した数値制御信号の再生
等、その他の適宜の手段により行う。しかしその手段に
限定はない。

作業台10若しくは定盤11にはグレーチング素材を定盤11
若しくは枕材12に押し着けたり、枠板７の溶接が終わつ
てから外したりできる押圧装置31を取付ける。

上記に述べた本発明の実施例においては、第２図に示し
たグレーチング素材５を第３図のように定盤11（枕材1
2）上の所定位置に供給し、押圧部材31、31（第３図で
は左方の押圧部材31を図示しない）により押圧すると共
に、複数の縦材２の切断両端６、６に枠板７、７をプツ
シヤー13、14により押し付ける。

溶接作動の出発点は下方に伸張した位置検出ロツド27、
27が第３図に示すように最初の（右端の）縦材２から少
し離れた位置とする。その時溶接接線30は下端が球形に
なつて縮んでいる。

移動調整部材17は前記した溶接作動出発点から数値制御
モータ若しくはリミツトスイツチの溶接作動開始の合図
と共に移動し、第４図のように多数のうちの一枚の縦材
の切断端部の側面に突き当たり（縦材２に前後で１〜3m
m程度の曲がりがあれば先に当たつたものがばね部材25
を収縮させて、その時まだ当たつていないロツド27をま
つ）、前後の位置検出ロツド27、27が同じ縦材２に当た
ると同時的に移動部材17が停止する（ばね部材25は蓄勢
する。）他方では位置検出ロツド27、27が検出を感知し
て生ずるオアー信号等で電気溶接トーチに溶接電流を印
加しようとし、同時的に溶接線30を下方に繰り出す。し
かし溶接電流は溶接線30が前回の溶接加熱により先端を
球形に縮めて溶接部位に接触しないから実質上では溶接
電流回路が成立していないが、溶接線30が繰り出されて
溶接部位に下端の球形を接触し溶接電流回路が前記の素
材５を経て定盤11にアースされると前記回路ができて溶
接電流が溶接部位に印加され溶接線30は灼熱して溶接部
位に垂れ下がり、ここに溶接を生ずると同時的に溶接線
の先端が球形に縮む。それと同時にシリンダ28が位置検
出ロツド27、27を収縮し、図示しないばね部材（又はば
ね部材25）により取付駒24、24が位置検出ロツド27、27
を溶接が済んだ縦材と次の縦材との中間に移動してシリ
ンダ28、28により該各ロツドを下方に伸長し、移動し、
位置検出ロツド27、27の次の縦材との間に移つて停止す
る。

電気溶接トーチ29は必ず溶接線30により溶接する機種で
なくてもよく、溶接電流の印加と共に先端から溶接部位
に火花放電して溶接する放電タイプであつても良い。

（作用及び効果） 本発明は、長尺の複数の縦材２と、一定寸法の複数の横
材３を格子形に組んで各交点を溶接４すると共に、各縦
材２を適宜の溶接点間で揃えて切断して形成したグレー
チング素材５の縦材２の切断両端に枠板７、７を当てて
溶接する装置で、前記の素材５を載置する定盤11と、定
盤11の上方部に配置したレール部材15と、そのレール部
材15を案内にして縦材２の配列方向に移動する移動部材
17と、移動部材17を案内にして前記の切断両端部の溶接
部位に添つて移動を調整する一対の調整部材20とからな
り、その各調整部材20に収縮可能なばね部材25により前
記の移動部材の移動方向に突出させる取付駒24を設け、
該各取付駒24にシリンダ等による伸縮制御により前記の
各縦材２の側面に当たつたり各縦材２の上を越えたりす
る位置検出ロツド27と、各縦材２と枠板７が接触する溶
接部位に添つて移動して溶接部位上で溶接電流を印加さ
れる溶接トーチ29を設け、グレーチング素材５の多数の
内の１本ずつの縦材２と枠板とを縦材の数に一致する溶
接挙動により溶接する構成になり、各ばね部材25は移動
部材17がモータにより移動されなくなつて停止しても、
位置検出ロツド27、27がシリンダ28、28より上方に収縮
するまでは該位置検出ロツド28、28を移動部材の移動方
向に押して位置決めを介助し、かつ電気溶接トーチ29、
29を溶接部位上に停止させて溶接作動を生ずる点溶接を
可能にする存在をなし、これにより各位置検出ロツド及
び溶接トーチ29を歩進させる作動により、自動化と多種
少量溶接加工の作動とを可能にしている上にグレーチン
グ素材の縦材の切断端の間隔が、縦材２の間により不揃
いがあつても、一本毎の縦材２の枠板の接触部である溶
接部位を一対の位置検出ロツドにより正確に溶接できる
と共に、溶接設備を小型化しながら、溶接速度、溶接能
率を上げることができる効果を持つ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の一実施例を示したもので、第１図は
原素材１の平面図、第２図は溶接を施す素材の斜視図、
第３図は要部の斜視図、第４図は本溶接装置の一部（溶
接作業開始部）の正面図、第５図は移動部材17の一部、
調整部材20、取付駒24等の平面図である。 ２……縦材、３……横材、５……グレーチング素材 ６……切断両端、７……枠板 11……定盤、15……レール部材 17……移動部材、20……調整部材 22……移動杆、23……ストツパ、24……取付駒 25……ばね部材、26……パイプ部材 27……位置検出ロツド、28……シリンダ 29……電気溶接トーチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺複数の縦材と、一定寸法複数の横材を
   格子形に組んで各交点を溶接すると共に、各縦材の適宜
   の溶接点間を揃えて切断して形成したグレーチング素材
   の縦材の切断両端に枠板を当てて溶接する装置であつ
   て、前記の素材を載置する定盤と、定盤の上方部に配置
   したレール部材と、そのレール部材を案内にして前記の
   素材の縦材の長さ方向に移動する移動部材と、移動部材
   を案内にして前記の素材の切断両端部に添う移動を調整
   する一対の調整部材とからなり、その各調整部材に収縮
   可能なばね部材により前記の移動部材の移動方向に突出
   させる取付駒を設け、該各取付駒に伸縮制御により前記
   の素材の各縦材の切断端方の側面に当たつたり各縦材の
   上を越えたりする移動可能な位置検出ロツドと、各縦材
   と両側の枠板の接合縁に添つて移動してその接合縁の溶
   接部位上で溶接電流を印加される溶接ト−チを設けたこ
   とを特徴とするグレーチングの枠材溶接装置。