JPH066916U - 気化式燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成でかつ安価に気化器をクリーニン
グできるようにした気化式燃焼装置を提供する。 【構成】 液体燃料を気化器２で気化してバーナ５で燃
焼させる気化式燃焼装置において、燃料供給ポンプ３と
気化器２との間の燃料供給路４を分岐して、該分岐通路
１２を燃料タンク１へと接続し、該分岐通路１２に、気
化器クリーニング時に該分岐通路１２を開く開閉弁１３
を設けた気化式燃焼装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、消火時あるいは適時に気化器内をクリーニングできるようにした気 化式燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

気化器内をクリーニングできるようにした気化式燃焼装置として、図３に示す ものが知られている。図３において、１は液体燃料を貯留している燃料タンク、 ２は液体燃料を気化する気化器、３は電磁ポンプよりなり燃料タンク１から気化 器２に燃料を供給する燃料供給ポンプ、４は燃料供給管、５は気化された燃料を 燃焼させるバーナをそれぞれ示している。気化器２はヒータ６を用いて液体燃料 を気化してノズル７からバーナ５に気化燃料を供給する。８は気化器２の温度を 検出するサーミスタである。９は電磁ポンプよりなる戻しポンプ、１０は燃料戻 し管で、燃料戻し管１０は燃料供給ポンプ３の下流側における燃料供給管４と燃 料タンク１との間を接続している。この気化式燃焼装置においては、消火時に戻 しポンプ９が運転され、気化器２中に残留したガスが主燃料貯留器１に戻されて クリーニングされる。

【０００３】 しかしながら上記の気化式燃焼装置においては、気化器２のクリーニングのた めに戻しポンプ９が必要であり、装置が複雑になるととともに高価なものになる という問題があった。

【０００４】 また、気化器への燃料供給を止めるためのバルブを燃料供給管に付加したもの も知られているが、やはり、装置が複雑になるととともに高価なものになるとい う問題を抱えている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、気化式燃焼装置において、簡単な構成で、かつ、安価に、気化器を クリーニングできるようにすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的に沿う本考案の気化式燃焼装置は、燃料タンク内の液体燃料を燃料供 給ポンプにより気化器に給送し、気化器にて気化された燃料をノズルを介してバ ーナに給送しバーナで燃焼させる気化式燃焼装置において、燃料供給ポンプと気 化器との間の燃料供給路を分岐して、該分岐通路を燃料タンクへと接続し、該分 岐通路に、気化器クリーニング時に該分岐通路を開く開閉弁を設けたものから成 る。

【０００７】

【作用】

このような気化式燃焼装置においては、燃料供給路を途中で分岐して燃料タン クへと接続し、該分岐通路に開閉弁を設けている。気化器クリーニング時には、 燃料供給ポンプが運転され、あるいは運転が続行され、この開閉弁が開かれる。 燃料タンク内の液体燃料は、燃料供給ポンプによって燃料供給路に送られるが、 気化器の抵抗、とくにそのノズルの抵抗が大きいので、給送された燃料は、気化 器側には行かずに、抵抗の小さい分岐通路側へと流れて燃料タンク内に戻される 。このとき、分岐通路の分岐部ではエゼクタ効果が生じ、燃料タンク−燃料供給 ポンプ−燃料供給路−分岐通路−燃料タンクと循環する燃料によって、気化器側 から空気が吸い込まれる。その結果、気化器中の残留ガスが外気からの空気と共 に引き込まれ、気化器がクリーニングされる。

【０００８】 この本考案装置は、単に分岐通路と開閉弁を付加するだけでよく、気化器クリ ーニングのために戻しポンプを設けたり燃料供給を止めるためのバルブを設けた りする必要はないので、構造が簡単でその制御も簡素である。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。 図１は、本考案の一実施例に係る気化式燃焼装置を示している。図において、 図３に示したと実質的に同等の部分には図３と同一の符号を付してある。

【００１０】 図１において、１１はバーナ５を着火する点火ヒータを示している。燃料供給 ポンプ３と気化器２との間を接続している燃料供給管４（燃料供給路）は、途中 で分岐され、分岐通路としての燃料戻し管１２が燃料タンク１へと接続されてい る。この燃料戻し管１２には、開閉弁１３が設けられており、開閉弁１３は、後 述の如く、気化器クリーニング時に該分岐通路（燃料戻し管１２）を開く。開閉 弁１３は、電磁弁（ソレノイドバルブ）から構成されている。

【００１１】 そして、この気化式燃焼装置には、制御装置１４および駆動装置１５が設けら れている。制御装置１４は、点火ヒータ１１、気化器２のサーミスタ８に接続さ れており、点火の確認、点火の制御を行うとともに、気化器２の温調条件を確認 、制御する。駆動装置１５は、気化器２のヒータ６、燃料供給ポンプ３、開閉弁 １３に接続されており、制御装置１４からの信号に基づいて、これらに駆動信号 を送る。

【００１２】 このように構成された実施例装置の作動および作用について、図２に示す制御 装置１４におけるフローを参照して説明する。 待機状態（ステップＳ１）から、まず、点火の指令が発せられたか否かが判定 される（ステップＳ２）。点火の指令が発せられていない場合には待機状態（ス テップＳ１）にリターンし、点火の指令が発せられた場合には、ヒータ６により 、気化器２を所定の温度（気化温度）に温調する（ステップＳ３）。

【００１３】 次に、気化器２が所定の温度に達し点火してもよいか否かが判定され（ステッ プＳ４）、所定の温度に達していない場合にはリターンして気化器２の温調を続 行し、所定の温度に達した場合には、燃料供給ポンプ３および点火ヒータ１１が オンとされる（ステップＳ５）。続いて、着火したか否かが確認され（ステップ Ｓ６）、着火がうまくいかなかった場合にはエラー表示されて待機状態にリター ンする（ステップＳ７）。着火が正常に行われた場合、気化器２の温調を続行さ れるとともに、点火ヒータ１１がオフとされる（ステップＳ８）。この状態で通 常の燃焼が行われる。

【００１４】 消火時には、消火指令が発せられたか否かが判定される（ステップＳ９）。消 火指令が発せられていない場合にはそのまま燃焼が続行され、消火指令が発せら れた場合には、ソレノイド（開閉弁１３）がオンとされて、開閉弁１３が開かれ る（ステップＳ１０）。この開閉弁１３開により、分岐通路１２（燃料戻し管） が開かれる。気化器２側の抵抗が大きいので、燃料供給ポンプ３によって燃料供 給路４（燃料供給管）を送られてきた燃料は、抵抗の小さい分岐通路１２へと流 入し、燃料タンク１に戻される。つまり、燃料は、燃料タンク１から、燃料供給 ポンプ３、燃料供給路４、分岐通路１２、燃料タンク１へと循環する。このとき 、分岐通路１２の分岐部では、エゼクタ効果が生じるので、気化器２側から気化 器２内の残留ガス、さらにはノズル７を通して外気から空気が分岐通路１２側へ と吸い込まれる。これによって、バーナ５は消火する。

【００１５】 消火がうまく行われたか否かが炎の有無で判定され（ステップＳ１１）、炎が まだ有る場合には、エラー表示されて（ステップＳ１２）ソレノイド（開閉弁１ ３）オンの作動をやり直す。

【００１６】 上記分岐通路１２開の状態で気化器２のクリーニングが行われる。消火時には 、気化器２空焼きのため気化器２を温調しているが、上記燃料の分岐通路１２へ の循環によりノズル７を通して外気から新鮮な空気が吸入されるので、空焼き（ クリーニング）効果が高められ、気化器２が確実にクリーニングされる。

【００１７】 なお上記説明は消火時のクリーニングについて行ったが、修理時等に行うクリ ーニング操作についても、同じ方法を採用できる。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の気化式燃焼装置によるときは、燃料供給路を途 中で分岐して、分岐通路を燃料タンクへと接続するとともに、気化器クリーニン グ時に該分岐通路を開く開閉弁を設けたので、開閉弁一つで、消火や気化器のク リーニングが可能になり、大きな機器を付加することなく簡単な構造で極めて便 利な消火、クリーニング構造を実現でき、しかも、安価に実施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る気化式燃焼装置の概略
構成図である。

【図２】図１の燃焼装置における制御装置の動作を示す
フローチャートである。

【図３】従来の気化式燃焼装置の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 燃料タンク ２ 気化器 ３ 燃料供給ポンプ ４ 燃料供給路（燃料供給管） ５ バーナ ６ 気化器ヒータ ７ ノズル ８ サーミスタ １１ 点火ヒータ １２ 燃料戻し管（分岐通路） １３ 開閉弁 １４ 制御装置 １５ 駆動装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンク内の液体燃料を燃料供給ポン
   プにより気化器に給送し、気化器にて気化された燃料を
   ノズルを介してバーナに給送しバーナで燃焼させる気化
   式燃焼装置において、燃料供給ポンプと気化器との間の
   燃料供給路を分岐して、該分岐通路を燃料タンクへと接
   続し、該分岐通路に、気化器クリーニング時に該分岐通
   路を開く開閉弁を設けたことを特徴とする気化式燃焼装
   置。