JPH0669017A - 複合フェライト磁性粉の製造方法 - Google Patents

複合フェライト磁性粉の製造方法

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JPH0669017A
JPH0669017A JP4221349A JP22134992A JPH0669017A JP H0669017 A JPH0669017 A JP H0669017A JP 4221349 A JP4221349 A JP 4221349A JP 22134992 A JP22134992 A JP 22134992A JP H0669017 A JPH0669017 A JP H0669017A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飽和磁化が従来のものと比較して飛躍的に向
上しており、さらに保磁力の温度変化が小さく、かつ粉
末の電気抵抗が小さく、配向性に優れ、高密度記録用の
磁気記録材料として好適に用いられる。 【構成】 一般式 AO・n(Fe12-xx18-z) で表さ
れるフェライト微粒子を水に懸濁させ、これに、分散剤
と、Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuから選ばれる一種以上の金属
イオン及びFe2+を含有する水溶液及びアルカリ水溶液を
加え、得られた混合懸濁液を非酸化性雰囲気中で50〜
200℃で加熱処理した後、洗浄、濾過し、次いで、非
酸化性雰囲気中で100〜500℃で熱処理することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な複合フェライト
磁性粉の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は高密度記録用の磁気記録媒体に用いるのに
適した、保磁力が200〜2000Oeであり、従来のも
のと比較して飽和磁化が向上しており、さらに保磁力の
温度変化が小さく、かつ粉末の電気抵抗が小さい複合フ
ェライト磁性粉の製造方法に関するものである。近年、
磁気記録の高密度化の要求に伴い、マグネトプランバイ
ト型フェライト磁性粉を磁気記録媒体として用いる垂直
磁気記録方式の開発が進められており、DATテープ、
8ミリテープ、ハイビジョンテープ等の用途が考えられ
ている。垂直磁気記録方式に用いられるマグネトプラン
バイト型フェライト磁性粉としては、保磁力が適当な値
(200〜2000Oe)で、飽和磁化ができるだけ高
く、保磁力の温度変化が小さく、しかも電気抵抗が小さ
く、配向性の良いものが望まれている。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】従来、マグネトプラン
バイト型フェライト磁性粉の製造方法としては、例えば
共沈法、ガラス結晶化法、水熱合成法等種々の方法が知
られており、ガラス結晶化法については、特公昭60-155
75号公報、水熱合成法については、例えば特開昭59-175
707号公報、特公昭60-12973号公報、特公昭60-15576号
公報、特開昭60-137002号公報等で提案されている。し
かしながら、前記いずれの方法においても得られるマグ
ネトプランバイト型フェライト磁性粉は、飽和磁化が6
0emu/g以下と低かったり、保磁力の温度変化が大きい
という欠点があった。
【0003】一方、マグネトプランバイト型フェライト
磁性粉は、従来のCo-γ-Fe23に比べて粉末の電気抵抗
が大きいため、塗膜媒体にする場合に導電性物質を多量
に添加しなければならず、そのために電磁変換特性が悪
くなってしまうという問題があった。これらの問題点を
解決する方法として、特開昭62-139122号公報、同62-13
9124号公報、同62-265122号公報、同63-144118号公報及
び同63-144119号公報には、フェライト磁性粉の表面に
スピネル型フェライトを被覆することが提案されてい
る。これにより得られるフェライト磁性粉は、実際に前
記種々の特性が改善されるものの、フェライト磁性粉の
表面に多量のスピネル型フェライトを被覆するために、
粒子の配向性が悪くなり、塗膜にした場合の角形比が小
さくなってしまい、また、磁化容易軸がC軸からずれて
しまうという問題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、前記問題点を解決し、
微粒子で保磁力が200〜2000Oeであり、飽和磁化
が高く、さらに保磁力の温度変化が小さく、かつ粉末の
電気抵抗が小さく、配向性に優れた複合フェライト磁性
粉の製造方法を提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、一般式 A
O・n(Fe12-xx18-z) (ただし、Aは、Ba、Sr、Ca及びPbから選ばれる一種以
上の元素を示し、Mは、Co,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn,Fe(II),Bi,
Si,Ti,Zr,Sn,Ta,Nb,Mo,V及びWから選ばれる一種以上
の元素を示し、n=1.2〜3.0、x=0.1〜4.0、0<z<
2の数値である。)で表されるフェライト微粒子を水に
懸濁させ、これに、分散剤と、Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuか
ら選ばれる一種以上の金属イオン及びFe2+を含有する水
溶液及びアルカリ水溶液を加え、得られた混合懸濁液を
非酸化性雰囲気中で50〜200℃で加熱処理した後、
洗浄、濾過し、次いで、非酸化性雰囲気中で100〜5
00℃で熱処理することを特徴とする前記一般式で表さ
れるフェライト微粒子表面に、一般式 a(M'O)・Fe2
3 (ただし、M'はCo,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn及びFe(II)から選
ばれる一種以上の金属元素であり、0<a≦1であ
る。)で表されるスピネルフェライト層が形成されてい
る複合フェライト磁性粉の製造方法に関する。
【0006】本発明の複合フェライト磁性粉における、
核となるフェライト微粒子は、一般式 AO・n(Fe12-x
x18-z) で表される。前記一般式におけるAは、B
a、Sr、Ca及びPbから選ばれる一種以上の元素を示し、
Mは、Co,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn,Fe(II),Bi,Si,Ti,Zr,Sn,Ta,N
b,Mo,V及びWから選ばれる一種以上の元素を示し、n
=1.2〜3.0、好ましくは1.4〜2.5であり、x=0.1〜4.0
の数値である。また、zはMの平均原子価をmとした場
合、z=(3−m)x/2で表される数値であって、0
<z<2、好ましくは0.2<z<1.5である。
【0007】前記フェライト微粒子は、上記一般式に示
すようにFeの一部をMで置換するとともに、nを1.2〜
3.0の範囲とすることにより、従来のマグネトプランバ
イト型フェライトと比較して飽和磁化が向上し、さらに
保磁力の温度変化が小さくなっている。また、磁気記録
の高密度化のために、粒子径が50nm以下であることが
好ましい。
【0008】このようなフェライト微粒子は、以下の方
法により製造される。フェライト微粒子を構成するA、
Fe及びMを含む溶液と水酸化アルカリとを、混合後の溶
液中の水酸化アルカリ濃度が3M以上となるように混合
して沈澱物を生成させ、該沈澱物を含むスラリを120
〜300℃で水熱処理した後、沈澱物を含むスラリを洗
浄し、次いで、該スラリにCo,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuから選
ばれる一種以上の金属イオン及びFe2+を含有する水溶液
及びアルカリ水溶液を加え、得られた混合懸濁液を50
〜200℃で加熱処理した後、得られた沈澱物を700
〜950℃で焼成することにより、前記フェライト微粒
子が得られる。
【0009】Aの化合物としては、硝酸塩、塩化物、水
酸化物等が用いられる。Aの使用量は、Aの濃度が0.03
〜0.50Mの範囲になるようにするのが結晶性のよい粒子
を得るうえで望ましい。Feの化合物としては、硝酸塩、
塩化物等が用いられる。Feの使用量はAが1グラム原子
に対して8〜12グラム原子が好ましい。Feの量が少な
すぎると、フェライト微粒子の生成量が少なく、結晶性
も悪くなる。またFeの量が多すぎるとヘマタイトが副生
したり、また粒子が大きくなり、磁気特性も劣ってく
る。Mの化合物としては、塩化物、硝酸塩、アンモニウ
ム塩等が用いられる。
【0010】水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が用いられる。水酸化アルカリの
使用量は水酸化アルカリを混合した後の溶液中の水酸化
アルカリ濃度が3M以上となる量が必要であり、4〜8
Mの範囲が好ましい。水酸化アルカリの量が少なすぎる
と粒子が大きくなったり、粒度分布が広くなったり、ま
たヘマタイトが生成する。また水酸化アルカリを過度に
多くするのは経済的でない。前記A、Fe及びMを含む溶
液と水酸化アルカリとを混合する方法については、特に
制限はないが、例えばA、Fe及びMを含む溶液に、水酸
化アルカリの水溶液を添加する方法がある。
【0011】次いで、得られた沈澱物を含むスラリを水
熱処理することにより、微細な結晶が生成、沈澱する。
水熱処理の温度は120〜300℃である。温度が低す
ぎると結晶の生成が充分でなく、また温度が高すぎると
最終的に得られるフェライト粒子の粒径が大きくなるの
で好ましくない。水熱処理時間は普通、0.5〜20時間程
度であり、水熱処理には通常、オートクレーブが採用さ
れる。
【0012】本発明においては、前記水熱処理の前に、
沈澱物を含むスラリを50℃以下の温度で0.5〜48時間
熟成した後、Biを含む溶液を添加してもよい。Biの添加
量は、Fe及びMの合計量に対して、1〜5モル%、好ま
しくは2〜4モル%である。Biを添加することにより、
フェライト粒子の粒子径を50nm以下、かつ、板状比を
5以下とすることができる。
【0013】次に、水熱処理により生成した微細な結晶
の沈澱物を水洗して、遊離のアルカリ分を除去した後、
該スラリにCo,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuから選ばれる一種以上
の金属イオン及びFe2+を含有する水溶液及びアルカリ水
溶液を加え、得られた混合懸濁液を50〜200℃で加
熱処理する。Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuの化合物としては、
それらの硝酸塩、塩化物、硫酸塩等の水に可溶なものが
用いられ、Feの化合物としては、硫酸第一鉄、塩化第一
鉄が一般に用いられる。次いで、得られた沈澱物を水洗
後、焼成することによりフェライト微粒子が得られる。
【0014】焼成においては、予め得られた沈澱物に融
剤を混合することが好ましい。融剤としては、塩化ナト
リウム、塩化バリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチ
ウムおよびフッ化ナトリウムのうち少なくとも一種が用
いられる。融剤の使用量は沈澱物(乾燥物基準)に対し
て、10〜180重量%、特に30〜120重量%が好
ましい。融剤の量が少なすぎると粒子の焼結が起こり、
また多すぎても多くしたことによる利点はなく、経済的
でない。沈澱物と融剤の混合方法は特に制限はなく、例
えば沈澱物のスラリに融剤を加えて湿式混合した後、ス
ラリを乾燥してもよく、あるいは沈澱物を乾燥した後、
融剤を加えて乾式混合してもよい。焼成温度は700〜
950℃、好ましくは800〜930℃である。温度が
低すぎると結晶化が進まず、飽和磁化が低くなる。また
温度が高すぎると粒子が大きくなったり、焼結が起こる
ので好ましくない。焼成時間は10分〜30時間程度が
適当である。
【0015】本発明の複合フェライト磁性粉は、前記フ
ェライト微粒子表面に、一般式a(M'O)・Fe23 (ただ
し、M'はCo,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn及びFe(II)から選ばれる一
種以上の金属元素であり、0<a≦1である。)で表さ
れるスピネルフェライト層が形成されている。本発明の
複合フェライト磁性粉は、前記フェライト微粒子を水に
懸濁させ、これに、分散剤と、Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuか
ら選ばれる一種以上の金属イオン及びFe2+を含有する水
溶液及びアルカリ水溶液を加え、得られた混合懸濁液を
非酸化性雰囲気中で50〜200℃で加熱処理した後、
洗浄、濾過し、次いで、非酸化性雰囲気中で100〜5
00℃で熱処理することにより得られる。
【0016】スピネルフェライト層の形成は、まず、フ
ェライト微粒子を水に十分に分散して、懸濁溶液を作製
し、これに非酸化性雰囲気中で、分散剤を添加し、さら
に前記金属イオンの水溶液を加え、次いでアルカリ水溶
液を加えて水酸化物を微粒子表面に被着させる。あるい
は、前記金属イオンの水溶液とアルカリ水溶液の添加順
序を逆にしてもよい。Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuから選ばれ
る一種以上の金属イオンとFe2+との比率は、モル比で
1:2〜20、特に1:3〜12が好ましい。分散剤と
しては、メタリン酸ソーダ、リン酸エステル等のリン化
合物が使用される。分散剤の添加量は、前記金属イオン
とFe2+の合計量に対して、0.1〜5モル%が好ましい。
分散剤を添加することにより、得られる複合フェライト
磁性粉の配向性が向上する。
【0017】次いで、得られた混合懸濁液を非酸化性雰
囲気中で50〜200℃で加熱処理する。加熱処理によ
り、スピネルフェライト層が微粒子表面に形成される。
加熱処理は、50〜200℃で行うが、特に、50〜1
20℃の低い温度で行うことにより、得られる粒子の塗
膜における配向性が向上し、角形比が良くなる。加熱処
理が不十分であるとスピネルフェライトの生成量が少な
くなり、また、過度に行うと特性が改善されない。前記
スピネルフェライト層の割合は、フェライト微粒子に対
して、5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%で
ある。この範囲よりも少ないと、飽和磁化が高く、保磁
力の温度変化が小さく、かつ粉末の電気抵抗が小さいも
のが得られず、また、この範囲よりも多くなると、粒子
の配向性が悪くなり、垂直磁気異方性が悪くなる。ま
た、本発明においては、前記スピネルフェライト層に、
該スピネルフェライトを構成する金属元素の酸化物を一
部含有してもよい。
【0018】次に、得られた粉末を非酸化性雰囲気中で
100〜500℃、好ましくは150〜400℃で熱処
理する。非酸化性雰囲気としては、窒素、ヘリウム等の
不活性ガス、又は真空中が好ましい。本発明において
は、前記一般式で表されるフェライト微粒子を用いるこ
とにより、該フェライト微粒子表面に三次元的規則性を
もってスピネルフェライト層が形成される。これによ
り、飽和磁化が高く、保磁力の温度変化が小さく、電気
抵抗が小さく、配向性の優れた複合フェライト磁性粉が
得られ、さらに、この磁性粉を非酸化性雰囲気中で熱処
理することにより、改善された種々の特性の経時劣化を
防ぐことができる。
【0019】また、本発明により得られる複合型フェラ
イト磁性粉をバインダ樹脂とともに、支持体表面に塗布
することにより、磁気記録用媒体が得られる。バインダ
樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロース誘導体、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹
脂等が用いられる。また、支持体としては、例えばポリ
エチレンテレフタレートフィルム、ポリアミド樹脂フィ
ルム、ポリイミド樹脂フィルム等が用いられる。また、
さらに分散剤、潤滑剤、硬化剤、研磨剤等を添加するこ
ともできる。分散剤としては、例えばレシチン等、潤滑
剤としては、例えば高級脂肪酸、脂肪酸エステル等、硬
化剤としては、例えば2官能以上のイソシアネート化合
物等、研磨剤としては、例えばCr2O3、Al2O3、α-Fe2O3
等が用いられる。磁気記録用媒体の製造方法としては、
通常の方法、例えば磁性粉、バインダ樹脂、添加剤を溶
媒と共に混練して磁性塗料を製造し、この磁性塗料を支
持体に塗布した後、配向処理・乾燥処理等を施す方法等
が挙げられる。
【0020】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、さらに詳
しく本発明について説明する。 実施例1 硝酸第二鉄2.580mol、硝酸コバルト0.061mol、硝酸ニッ
ケル0.061mol、四塩化チタン0.123mol及び硝酸亜鉛0.12
3molを、脱イオン水1800mlに溶解し、別に、水酸化バリ
ウム0.368mol及びカセイソーダ36molを脱イオン水2000m
lに溶解し、両溶液を混合して沈澱物を生成させた。次
に、生成した沈澱物を含むスラリを20℃で6時間熟成
した後、硝酸ビスマス0.092molを脱イオン水50mlに溶解
した溶液を添加した。得られた沈澱物を含むスラリをオ
ートクレーブに入れ、140℃で6時間水熱処理を行っ
た。
【0021】次いで得られた沈澱物を十分に水洗した
後、該スラリに、水200mlに塩化コバルト0.061mol、塩
化亜鉛0.122mol及び塩化第一鉄0.549molを溶解した溶液
を加えて十分に混合した後、カセイソーダ1.7molを水30
0mlに溶解した溶液を加え、80℃で熟成した。得られた
沈澱物を十分に水洗した後、濾過、乾燥し、これに融剤
としてNaClとBaCl2・2H2Oの重量比が1:1の混合物を沈
澱物に対して100重量%加えて混合した。この混合物を
窒素雰囲気下で860℃で2時間焼成した。得られた焼成
物を水で十分洗浄した後、濾過、乾燥してフェライト磁
性粉を得た。得られたフェライト磁性粉は組成分析の結
果、 BaO・1.6(Fe10.2Co0.4Ni0.2Zn0.8Ti0.4O17.5) であった。また、このフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.043 μm 板状比 3.8 保磁力 560 Oe 飽和磁化 64.5 emu/g 保磁力の温度変化 0.2 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.2×107 Ω・cm であった。
【0022】このフェライト磁性粉100gを水1000mlに懸
濁させ、メタリン酸ソーダ0.00378molを添加し、これ
に、水200mlに塩化コバルト0.027molと塩化第一鉄0.162
molとを溶解した溶液を加えて十分に混合した後、カセ
イソーダ1.7molを水300mlに溶解した溶液を加え、120℃
で窒素雰囲気中で熟成し、フェライト微粒子表面にスピ
ネルフェライト層を15重量%形成した。次いで、得ら
れたスラリを洗浄、濾過後、粉末を窒素雰囲気中で、40
0℃で1時間熱処理した。得られた複合フェライト磁性
粉の特性は、 保磁力 760 Oe 飽和磁化 68.4 emu/g 保磁力の温度変化 -0.7 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 3.4×104 Ω・cm であった。
【0023】また、この複合フェライト磁性粉を用いて
以下の組成の磁性塗料を調製した。 磁性粉 100重量部 塩ビ−酢ビ共重合体 10重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 レシチン 2重量部 ステアリン酸 2重量部 メチルエチルケトン 70重量部 メチルイソブチルケトン 70重量部 シクロヘキサノン 70重量部 得られた磁性塗料をポリエチレンテレフタレートフィル
ム面に塗布し、得られた塗膜媒体の角形比を測定したと
ころ、0.60であった。
【0024】実施例2 硝酸第二鉄2.700mol、硝酸コバルト0.061mol、硝酸ニッ
ケル0.061mol、四塩化チタン0.061mol及び硝酸亜鉛0.06
1molを、脱イオン水1800mlに溶解し、別に、水酸化バリ
ウム0.368mol及びカセイソーダ36molを、脱イオン水200
0mlに溶解し、両溶液を混合して沈澱物を生成させた。
次に、生成した沈澱物を含むスラリを20℃で6時間熟
成した後、硝酸ビスマス0.092molを脱イオン水50mlに溶
解した溶液を添加した。得られた沈澱物を含むスラリを
オートクレーブに入れ、140℃で6時間水熱処理を行っ
た。
【0025】次いで得られた沈澱物を十分に水洗した
後、該スラリに、水200mlに塩化コバルト0.061mol、塩
化亜鉛0.123mol及び塩化第一鉄0.552molを溶解した溶液
を加えて十分に混合した後、カセイソーダ1.7molを水30
0mlに溶解した溶液を加え、80℃で熟成した。得られた
沈澱物を十分に水洗した後、濾過、乾燥し、これに融剤
としてNaClとBaCl2・2H2Oの重量比が1:1の混合物を沈
澱物に対して100重量%加えて混合した。この混合物を
窒素雰囲気下で870℃で2時間焼成した。得られた焼成
物を水で十分洗浄した後、濾過、乾燥してフェライト磁
性粉を得た。得られたフェライト磁性粉は組成分析の結
果、 BaO・2.0(Fe10.6Co0.4Ni0.2Zn0.6Ti0.2O17.5) であった。また、このフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.045 μm 板状比 3.9 保磁力 560 Oe 飽和磁化 63.4 emu/g 保磁力の温度変化 0.3 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.4×107 Ω・cm であった。
【0026】このフェライト磁性粉を用いて、実施例1
と同様にしてフェライト微粒子表面にスピネルフェライ
ト層を形成した。得られた複合フェライト磁性粉の特性
は、 保磁力 770 Oe 飽和磁化 68.1 emu/g 保磁力の温度変化 -0.6 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 3.2×104 Ω・cm であった。また、この複合フェライト磁性粉を用いて、
実施例1と同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の
角形比を測定したところ、0.59であった。
【0027】実施例3 実施例1において、硝酸ビスマスを添加しなかったほか
は、実施例1と同様にしてフェライト磁性粉を得た。得
られたフェライト磁性粉は組成分析の結果、 BaO・1.6(Fe10.2Co0.4Ni0.2Zn0.8Ti0.4O17.5) であった。また、このフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.063 μm 板状比 7.8 保磁力 550 Oe 飽和磁化 64.3 emu/g 保磁力の温度変化 0.2 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.6×107 Ω・cm であった。
【0028】このフェライト磁性粉を用いて、実施例1
と同様にしてフェライト微粒子表面にスピネルフェライ
ト層を形成した。得られた複合フェライト磁性粉の特性
は、 保磁力 750 Oe 飽和磁化 68.1 emu/g 保磁力の温度変化 -0.6 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 4.1×104 Ω・cm であった。また、この複合フェライト磁性粉を用いて、
実施例1と同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の
角形比を測定したところ、0.70であった。
【0029】実施例4 実施例2において、硝酸ビスマスを添加しなかったほか
は、実施例2と同様にしてフェライト磁性粉を得た。得
られたフェライト磁性粉は組成分析の結果、 BaO・2.0(Fe10.6Co0.4Ni0.2Zn0.6Ti0.2O17.5) であった。また、このフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.065 μm 板状比 7.9 保磁力 550 Oe 飽和磁化 63.1 emu/g 保磁力の温度変化 0.3 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.4×107 Ω・cm であった。
【0030】このフェライト磁性粉を用いて、実施例1
と同様にしてフェライト微粒子表面にスピネルフェライ
ト層を形成した。得られた複合フェライト磁性粉の特性
は、 保磁力 750 Oe 飽和磁化 68.2 emu/g 保磁力の温度変化 -0.5 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 4.5×104 Ω・cm であった。また、この複合フェライト磁性粉を用いて、
実施例1と同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の
角形比を測定したところ、0.69であった。
【0031】比較例1 硝酸第二鉄3.129mol、硝酸コバルト0.123mol、硝酸ニッ
ケル0.061mol、四塩化チタン0.123mol及び硝酸亜鉛0.24
5molを、脱イオン水1800mlに溶解し、別に、水酸化バリ
ウム0.460mol及びカセイソーダ37molを脱イオン水2000m
lに溶解し、両溶液を混合して沈澱物を生成させた。得
られた沈澱物を含むスラリをオートクレーブに入れ、14
0℃で6時間水熱処理を行った。次に、得られた沈澱物
を十分に水洗した後、濾過、乾燥し、これに融剤として
NaClとBaCl2・2H2Oの重量比が1:1の混合物を沈澱物に
対して100重量%加えて混合した。この混合物を窒素雰
囲気下で860℃で2時間焼成した。得られた焼成物を水
で十分洗浄した後、濾過、乾燥してフェライト磁性粉を
得た。
【0032】得られたフェライト磁性粉は組成分析の結
果、 BaO・0.99(Fe10.2Co0.4Ni0.2Zn0.8Ti0.4O17.5) であった。また、このフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.061 μm 板状比 7.7 保磁力 560 Oe 飽和磁化 60.2 emu/g 保磁力の温度変化 2.3 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.8×107 Ω・cm であった。
【0033】このフェライト磁性粉を用いて、メタリン
酸ソーダを添加しなかったほかは実施例1と同様にして
フェライト微粒子表面にスピネルフェライト層を形成し
た。得られた複合フェライト磁性粉の特性は、 保磁力 650 Oe 飽和磁化 62.3 emu/g 保磁力の温度変化 1.6 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 5.6×106 Ω・cm であった。また、この複合フェライト磁性粉を用いて、
実施例1と同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の
角形比を測定したところ、0.62であった。
【0034】比較例2 硝酸第二鉄3.252mol、硝酸コバルト0.123mol、硝酸ニッ
ケル0.061mol、四塩化チタン0.061mol及び硝酸亜鉛0.18
4molを、脱イオン水1800mlに溶解し、別に、水酸化バリ
ウム0.460mol及びカセイソーダ37molを、脱イオン水200
0mlに溶解し、両溶液を混合して沈澱物を生成させた。
得られた沈澱物を含むスラリをオートクレーブに入れ、
140℃で6時間水熱処理を行った。次に、得られた沈澱
物を十分に水洗した後、濾過、乾燥し、これに融剤とし
てNaClとBaCl2・2H2Oの重量比が1:1の混合物を沈澱物
に対して100重量%加えて混合した。この混合物を窒素
雰囲気下で870℃で2時間焼成した。得られた焼成物を
水で十分洗浄した後、濾過、乾燥してフェライト磁性粉
を得た。
【0035】得られたフェライト磁性粉は組成分析の結
果、 BaO・1.0(Fe110.6o0.4Ni0.2Zn0.6Ti0.2O17.5) 得られたフェライト磁性粉の特性は、 粒子径 0.066 μm 板状比 7.8 保磁力 540 Oe 飽和磁化 60.1 emu/g 保磁力の温度変化 2.4 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 1.9×107 Ω・cm であった。
【0036】このフェライト磁性粉を用いて、メタリン
酸ソーダを添加しなかったほかは実施例1と同様にして
フェライト微粒子表面にスピネルフェライト層を形成し
た。得られた複合フェライト磁性粉の特性は、 保磁力 660 Oe 飽和磁化 61.8 emu/g 保磁力の温度変化 1.7 Oe/℃ 粉末の成形体の電気抵抗 6.9×106 Ω・cm であった。また、この複合フェライト磁性粉を用いて、
実施例1と同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の
角形比を測定したところ、0.61であった。
【0037】比較例3 実施例1で得られたフェライト磁性粉を用いて、メタリ
ン酸ソーダを添加しなかったほかは実施例1と同様にし
てフェライト微粒子表面にスピネルフェライト層を形成
した。この複合フェライト磁性粉を用いて、実施例1と
同様にして塗膜媒体を作製した。この媒体の角形比を測
定したところ、0.52であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の複合フェライト磁性粉は、飽和
磁化が従来のものと比較して飛躍的に向上しており、さ
らに保磁力の温度変化が小さく、かつ粉末の電気抵抗が
小さく、配向性に優れ、高密度記録用の磁気記録材料と
して好適に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 AO・n(Fe12-xx18-z) (ただし、Aは、Ba、Sr、Ca及びPbから選ばれる一種以
    上の元素を示し、Mは、Co,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn,Fe(II),Bi,
    Si,Ti,Zr,Sn,Ta,Nb,Mo,V及びWから選ばれる一種以上
    の元素を示し、n=1.2〜3.0、x=0.1〜4.0、0<z<
    2の数値である。)で表されるフェライト微粒子を水に
    懸濁させ、これに、分散剤と、Co,Ni,Zn,Mg,Mn及びCuか
    ら選ばれる一種以上の金属イオン及びFe2+を含有する水
    溶液及びアルカリ水溶液を加え、得られた混合懸濁液を
    非酸化性雰囲気中で50〜200℃で加熱処理した後、
    洗浄、濾過し、次いで、非酸化性雰囲気中で100〜5
    00℃で熱処理することを特徴とする前記一般式で表さ
    れるフェライト微粒子表面に、一般式 a(M'O)・Fe2
    3 (ただし、M'はCo,Ni,Zn,Cu,Mg,Mn及びFe(II)から選
    ばれる一種以上の金属元素であり、0<a≦1であ
    る。)で表されるスピネルフェライト層が形成されてい
    る複合フェライト磁性粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェライト微粒子の粒子径が50nm以下
    であり、板状比が5以下である請求項1の複合フェライ
    ト磁性粉の製造方法。
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WO2008136131A1 (ja) 2007-04-25 2008-11-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha コア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法

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