JPH066884A - スピーカー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スピーカーグリルを薄くし、かつ素材を自由
に選べるようにする。 【構成】 スピーカーフレーム２を、合成樹脂で作る。
スピーカーフレーム２の前面に、金属製の薄い磁性体シ
ートを貼る。スピーカーグリル４を、片面多極着磁のマ
グネットシート４ａと表面材４ｂとで作る。マグネット
シート４ａと磁性体シート５との間に生じる磁着力によ
り、スピーカーグリル４をスピーカーフレーム２に固定
する。これにより、スピーカーグリル４に、機械的な着
脱機構が不要となる。このため、スピーカーグリル４を
薄くすることができ、かつ素材を自由に選ぶことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスピーカー装置に係り、
特に、各種産業施設等で天井や壁面に埋込んで使用され
るシーリングスピーカーとして用いるのに好適なスピー
カー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、スピーカーが組込まれたスピー
カーフレームと、このスピーカーフレームの前面に着脱
可能に配置されるスピーカーグリルとを具備するスピー
カー装置は知られている。

【０００３】ところで、スピーカーグリルの構造、形状
は、使用材料、着脱機構、および音の通過性等の必要条
件を満たす必要があることからほぼ限定され、形状、デ
ザイン面における制約が大きく、現在までその基本構
造、形状はほとんど変わっていない。すなわち、木材や
樹脂材で枠を形成し、その前面に布地材を張ったり金網
材を取付けたものがほとんどである。

【０００４】また、着脱機構については、スピーカーフ
レーム側およびスピーカーグリル側にそれぞれ凹凸機構
を設けて押込む方法や、ベルクロファスナ材等を用いて
貼付ける方法が主流である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来のスピーカー
装置において、箱型スピーカーのように立体的なものを
特定の場所に置いて使用する場合には、スピーカーグリ
ルの構造、形状および着脱機構として、従来から提案さ
れているものを用いても特に問題となることはない。

【０００６】ところが、各種商業施設等で天井や壁面に
埋込んで使用するシーリングスピーカーの場合には、ス
ピーカーグリルの厚みや色、柄がインテリアデザインに
大きく影響する。一般にシーリングスピーカーにおいて
は、限りなく突起が少なく、色柄の豊富なバリエーショ
ンが理想とされているが、前記従来のスピーカー装置で
は、グリル素材、着脱機構等、その形状、デザインに大
きな制約があり、大きな問題となっている。

【０００７】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、スピーカーグリル着脱用の機構を省略して薄
形構造とすることができるとともに、構造の簡素化を図
ることができ、またスピーカーグリルの厚み、色、柄お
よび素材を自由に選択することができるスピーカー装置
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成する手段として、スピーカーが組込まれたスピーカー
フレームと、このスピーカーフレームの前面に着脱可能
に配置されるスピーカーグリルとを具備するスピーカー
装置において、前記スピーカーフレームの少なくとも前
面に、磁性材料または磁石のうちのいずれか一方を設け
るとともに、前記スピーカーグリルに磁性材料または磁
石のうちいずれか他方を設けるようにしたことを特徴と
する。

【０００９】

【作用】本発明に係るスピーカー装置においては、スピ
ーカーグリルが、磁着力によりスピーカーフレームの前
面に着脱可能に配置される。このため、従来必須であっ
た着脱機構が不要となって、超偏平のスピーカー装置が
得られ、また構造の簡素化が可能となる。また、スピー
カーグリルの表面柄を、布地材や金網材に限定する必要
がなく、石質柄、金属柄等多数種の豊富な柄の中から自
由に選択することが可能となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面を参照して説明する。

【００１１】図１ないし図４は、本発明の第１実施例に
係るスピーカー装置を示すもので、このスピーカー装置
１は、方形あるいは円形をなすスピーカーフレーム２を
備えており、このスピーカーフレーム２の中央部には、
スピーカー３が組付けられているとともに、スピーカー
フレーム２の前面には、スピーカーグリル４が着脱可能
に配置されている。

【００１２】前記スピーカーフレーム２は、図１に示す
ように、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂により成形加工されて
おり、その前面には、極薄の磁性体シート５が貼着され
ている。

【００１３】このスピーカーフレーム２の周縁寄りの位
置には、図２に示すように、頭部６ａをスピーカーフレ
ーム２の前面に露出させた状態で、ねじ６が貫通配置さ
れており、このねじ６のスピーカーフレーム２背面側位
置には、スプリング７を介して取付片８が螺装されてい
る。そして、この取付片８は、図２に示す内側向きの状
態で、スピーカーフレーム２を壁面の取付孔（図示せ
ず）に挿入した後、９０度回転させて外向きとし、その
後ねじ６を締付けることにより、スピーカーフレーム２
に接近して前記取付孔の周縁を挟持固定するようになっ
ている。

【００１４】一方、スピーカーグリル４は、図１に示す
ように、片面多極着磁のマグネットシート４ａとマグネ
ットシート４ａの表面に貼着された表面材４ｂとから構
成されている。このスピーカーグリル４は、図２ないし
図４に示すように、スピーカーフレーム２の形状に合わ
せ方形または円形等にカットされるとともに、スピーカ
ー３に対応する部分には、多数の小孔（図示せず）が穿
設されている。そしてこのスピーカーグリル４は、マグ
ネットシート４ａの磁着力により、スピーカーフレーム
２の前面に着脱可能に配置されるようになっている。

【００１５】次に、本実施例の作用について説明する。

【００１６】取付けに際しては、取付片８を図２および
図３につ示すように内側に向け、この状態で、壁面の取
付孔（図示せず）に、スピーカーフレーム２の背面側を
挿入する。

【００１７】次いで、取付片８を９０度回転させて外向
きにし、この状態でねじ６を締付ける。すると、取付片
８がスプリング７の付勢力に抗し次第にスピーカーフレ
ーム２に接近し、前記取付孔の周縁が、スピーカーフレ
ーム２と取付片８との間で挟持される。これにより、ス
ピーカーフレーム２の壁面への取付けが完了する。そこ
で、スピーカーフレーム２の前面に、図２および図４に
示すように、スピーカーグリル４を配置する。すると、
マグネットシート４ａと磁性体シート５との間で磁着力
が生じ、図３に示すようにスピーカーグリル４が容定し
て固定される。

【００１８】このように本実施例によれば磁性体シート
５の全面が着脱機構となり、スピーカーグリル４を確実
に固定できるとともに、スピーカーグリル４の取外しも
容易である。また、スピーカーグリル４側に機械的な着
脱機構が不要となるので、スピーカーグリル４の薄形
化、ひいては装置の薄形化が可能となる。また、スピー
カーグリル４の厚み、色、柄、素材等の制約がなくなる
ため、グリル表面柄を、石質柄、金属柄等、多数種の豊
富な柄から選択することができる。また、スピーカー装
置を装着した後、壁面などからの突起が極めて少ないた
め、インテリアデザインとの調和が容易である。

【００１９】図５は、本発明の第２実施例を示すもの
で、前記第１実施例におけるスピーカーフレーム２およ
びスピーカーグリル４に代え、スピーカーフレーム１２
およびスピーカーグリル１４を用いるようにしたもので
ある。

【００２０】すなわち、スピーカーフレーム１２は、図
５に示すように、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂１２の中に予
め鉄粉等の磁性体粒子１２ｂを混合した素材で成形加工
されており、その表面には、表面塗装膜１５が形成され
ている。

【００２１】一方、スピーカーグリル１４は、図５に示
すように、合成樹脂１４ａの中に予め等方向性フェライ
ト粒子等のマグネット粒子１４ｂを混合した素材を用い
てシート状に形成されている。このスピーカーグリル１
４は、前記第１実施例と同様、スピーカーフレーム１２
の形状に合わせてカットされるとともに、図示しないス
ピーカーに対応する部位には多数の小孔（図示せず）が
穿設されている。

【００２２】なお、その他の点については前記第１実施
例と同一構成となっており、作用も同一である。

【００２３】このように、このスピーカーフレーム１２
およびスピーカーグリル１４を用いても、磁性体粒子１
２ｂとマグネット粒子１４ｂとの間で磁着力が生じ、ス
ピーカーグリル１４を安定してスピーカーフレーム１２
に固定することができ、前記第１実施例と同様の効果が
期待できる。

【００２４】図６は、本発明の第３実施例を示すもの
で、前記第１実施例におけるスピーカーフレーム２およ
びスピーカーグリル４に代え、スピーカーフレーム２２
およびスピーカーグリル２４を用いるようにしたもので
ある。すなわち、スピーカーフレーム２２は、図６に示
すように、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂２２ａの中に予め等
方向性フェライト粒子等のマグネット粒子２２ｂを混合
した素材を用いて成形加工されており、その表面には、
表面塗装膜２５が形成されている。

【００２５】一方、前記スピーカーグリル２４は、図６
に示すように、合成樹脂２４ａの中に予め鉄粉等の磁性
体粒子２４ｂを混合した素材を用いてシート状に形成さ
れており、このスピーカーグリル２４は、前記第１実施
例と同様、スピーカーフレーム２２の形状に合わせてカ
ットされるとともに、図示しないスピーカーに対応する
部位には、多数の小孔（図示せず）が穿設されている。

【００２６】なお、その他の点については、前記第１実
施例と同一構成となっており、作用も同一である。

【００２７】このように、このスピーカーフレーム２２
およびスピーカーグリル２４を用いても、マグネット粒
子２２ｂと磁性体粒子２４ｂとの間で磁着力が生じ、ス
ピーカーグリル２４を安定してスピーカーフレーム２２
に固定することができ、前記第１実施例と同様の効果が
期待できる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、磁性材料
と磁石との間に生じる磁着力により、スピーカーグリル
をスピーカーフレームに固定するようにしているので、
スピーカーグリル側に着脱機構が一切不要となり、スピ
ーカーグリルを超偏平に形成して、装置の突出部分を少
なくすることができ、インテリアデザインとの調和が容
易である。また、スピーカーグリルの着脱が容易である
とともに、着脱機構がないため、故障がなく、構造の簡
素化を図ることができる。

【００２９】また、スピーカーグリルに着脱機構を設け
る必要がないため、素材の制約がなくなり、グリル表面
柄を、石質柄、金属柄等自由に選択できるとともに、ス
ピーカーグリルを打貫きだけで加工することができ、加
工コストも大幅に低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るスピーカー装置を示
す要部断面図。

【図２】図１はスピーカー装置におけるスピーカーグリ
ルの装着途中の状態を示す斜視図。

【図３】スピーカーグリルの装着完了後の状態を示す図
２相当図。

【図４】スピーカーフレームおよびスピーカーグリルが
円形の場合の例を示す説明図。

【図５】本発明の第２実施例に係るスピーカー装置を示
す要部断面図。

【図６】本発明の第３実施例に係るスピーカー装置を示
す要部断面図

【符号の説明】 １ スピーカー装置 ２，１２，２２ スピーカーフレーム ３ スピーカー ４，１４，２４ スピーカーグリル ４ａ マグネットシート ４ｂ 表面材 ５ 磁性体シート １２ａ，１４ａ，２２ａ，２４ａ 合成樹脂 １２ｂ，２４ｂ 磁性体粒子 １４ｂ，２２ｂ マグネット粒子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スピーカーが組込まれたスピーカーフレー
   ムと、このスピーカーフレームの前面に着脱可能に配置
   されるスピーカーグリルを具備するスピーカー装置にお
   いて、前記スピーカーフレームの少なくとも前面に、磁
   性材料または磁石のうちのいずれか一方を設けるととも
   に、前記スピーカーグリルに、磁性材料または磁石のう
   ちいずれか他方を設けたことを特徴とするスピーカー装
   置。