JPH0668779A - 地絡保護用回路遮断器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】簡単な作業で、安価な部品を追加することによ
り、過電流でも動作する地絡保護用回路遮断器を提供す
ること。 【構成】地絡保護用回路遮断器に対し、遮断器内部の導
体や端子の発熱による温度変化を検出するバイメタル等
より成る手段により、あるいは過電流での導体による磁
界の変化を検出する電磁石装置より成る手段により地絡
による引外し装置３を直接動作させるようにしたので、
容易に、安価な、過負荷等による過電流や端子の締め忘
れ等の異常発熱でも動作する。

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、主として地絡保護用回
路遮断器に簡単な作業で、及び安価な部品を追加して、
過負荷による過電流通電及び場合によっては端子の締付
け不良等による異常発熱でも回路を遮断することができ
るように構成することに関する。

【０００２】

【従来の技術及び本発明が解決しようとする課題】図５
において従来、地絡・過負荷保護兼用漏電遮断器は電源
側一負荷側間の少なくとも１極に主導体の一部としてバ
イメタル１を取付け、過電流での温度上昇によるバイメ
タル１のたわみで接点装置を開離する引外し装置２を有
しており、これは、地絡による引外し装置３とは別の装
置となっておりコスト的に高いものとなっている。

【０００３】又、このバイメタル１は接点引外し機構の
引外し荷重に相当する変形力が必要であるが、引外し荷
重は個々によりばらつきが大きく過電流による引外し時
間の調整作業に手間がかかっている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の点に鑑
み、地絡保護用回路遮断器に対し、地絡による引外し装
置を流用し、過負荷等における過電流通電や端子の締付
け不良等での異常発熱による温度上昇を検出し、あるい
は過負荷等における過電流通電による導体の磁界の変化
を検出して引外し装置に直接電圧を印加し該引外し装置
を動作させ回路を遮断できるよう簡単で安価な手段を追
加して構成したものである。

【０００５】

【作用】過負荷等における過電流通電や端子の締付け不
良等での発熱による導体の温度上昇や遮断器の器体内の
温度上昇により、あるいは過負荷等における過電流通電
による導体の磁界の増加により、地絡保護用回路遮断器
の地絡による引外し装置に直接電圧を印加し動作させ、
接点を引外し、開離する。

【０００６】

【実施例の説明】以下に本発明の一実施例について図面
をもとに説明する。

【０００７】図１は、本発明を実施した請求項２による
実施例の構成図である。図２は図１による例えば過負荷
状態での動作説明図である。図１において７は主導体で
零相変流器５を貫通しており、地絡が起きた場合、地絡
による２極の主導体７の通電電流のアンバランスにより
零相変流器５→増幅部４により引外し装置３に電圧が印
加され遮断器を引外す。

【０００８】８は本発明による、バイメタルあるいは形
状記憶合金等の温度により形状が変化する素子でその一
端を主導体７にハンダ付、ねじ締め、スポット溶接等に
より電気的に接続し、他端を地絡による引外し装置３の
上記主導体７とは他極側の電源線９の裸充電部に隙間１
０をあけて対向配置している。

【０００９】尚、素子８と電源線９の裸充電部との隙間
１０は、遮断器の定格電流値以下の通電による主導体又
は器体内の温度上昇での素子８の変形では電源線９の裸
充電部とは接触しなく、過電流通電や電気接続端子の締
付け不良等異常による発熱による温度上昇での変形によ
り接触する隙間としている。

【００１０】図２において例えば負荷１１は過負荷状態
であり主導体７には定格電流値以上の過電流が流れてい
るものとすれば、主導体７又は器体内の温度が更に上昇
し、素子８の変形が大きくなり引外し装置３の電源線９
の裸充電部に接触する。

【００１１】素子８と引外し装置３の電源線９の裸充電
部が接触すると引外し装置３に電圧が印加され引外し装
置３が動作することにより遮断器は引外される。

【００１２】図３は本発明を実施した請求項３による実
施例の構成図であり図４は図３による例えば過負荷状態
での動作説明図であるが、磁界の変化により磁力が変化
する鉄材等磁性体よりなる電磁石装置１２を主導体７に
取付け、引外し装置３の該主導体７とは他極側の電源線
９にリン青銅板等からなる弾性力を有した導電性部材１
３の一端をハンダ付け、ねじ締め、スポット溶接等によ
り電気的に接続し、その他端には上記電磁石装置１２と
対向する部位に磁性体部材１４を取付け、電磁石装置１
２と隙間１５をあけ、且つ主導体７の裸充電部と隙間１
６をあけて電磁石装置１２及び主導体７に対向配置して
いる。

【００１３】尚、隙間１５と隙間１６は隙間１６の方が
せまい隙間としている。又、隙間１５は、遮断器の定格
電流値以下通電での主導体７における電磁石装置１２へ
の磁力では磁性体部材１４を吸引せず、過電流通電での
磁力で吸引し部材１３が主導体７の裸充電部に接触する
隙間としている。

【００１４】図４において例えば負荷１１は過負荷状態
であり主導体７には定格電流値以上の過電流が流れてい
るものとすれば、主導体７の磁界が増加し電磁石装置１
２の磁力が強くなり磁性体部材１４を吸引し部材１３が
主導体７に接触する。

【００１５】部材１３と主導体７が接触すると引外し装
置３に電圧が印加され、引外し装置３が動作することに
より遮断器は引外される。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、遮断器
内部の異常発熱により、あるいは過電流通電における導
体の磁界の増加により、地絡による引外し装置を動作さ
せる手段を備えたので、従来の地絡保護用回路遮断器に
対し簡単に部品を追加して、安く、過電流でも動作する
地絡保護用回路遮断器が提供でき、又、過電流遮断の場
合には従来のように過電流に対する引外しが接点引外し
機構の引外し荷重に左右されないため引外し時間の調整
作業が安易になり、且つ、過電流に対する引外し時間の
精度の良い地絡・過負荷保護兼用漏電遮断器が提供でき
る効果がある。

【００１７】尚、図示例では２極用を図示しているが３
極、４極用の地絡保護用回路遮断器でも同様な効果があ
る。

【００１８】更に、本発明による地絡による引外し装置
の動作手段はどのような定格、型式の地絡保護用回路遮
断器にも流用も可能であり、標準化により、地絡保護用
回路遮断器全般において安価なものが提供できる効果も
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の請求項２における実施例の構成図

【図２】 図１における過負荷状態での動作説明図

【図３】 本発明の請求項３における実施例の構成図

【図４】 図３における過負荷状態での動作説明図

【図５】 従来の地絡・過負荷保護兼用漏電遮断器の構
造を示す構成図

【符号の説明】

１ バイメタル ２ 過負荷による引外し装置 ３ 地絡による引外し装置 ４ 増幅部 ５ 零相変流器 ６ 接点装置 ７ 主導体 ８ 本発明による温度により形状が変化する素子 ９ 地絡による引外し装置の電源線 １０ 本発明による温度により形状が変化する素子と
地絡による引外し装置の電源線の裸充電部との隙間 １１ 負荷 １２ 本発明による電磁石装置 １３ 本発明による弾性力を有した導電部材 １４ 導電部材に取付けた磁性体部材 １５ 導電部材に取付た磁性体部材と電磁石装置との
隙間 １６ 導電部材と主導体との隙間 尚、図中、同一符号は同一部品を表す

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台とカバーにより構成される器体内に
   接点装置、該接点装置を開閉する機構部、地絡電流を検
   知する零相変流器、増幅部及び地絡により接点装置を開
   離する引外し装置を有する地絡保護用の漏電遮断器にお
   いて、過負荷等における過電流通電時に、地絡により接
   点装置を開離する引外し装置に零相変流器、増幅部を介
   さず直接電流を印加し、引外し装置を動作させ遮断器を
   引外す手段を有することを特徴とした地絡保護用回路遮
   断器。
2. 【請求項２】 前記引外し装置に電圧を印加し動作させ
   る手段は、温度により形状が変化する素子を、該引外し
   装置の電源線が主導体と直接接続されていない極の主導
   体に電気的に接続し温度による素子の形状変化により引
   外し装置に電圧を印加し動作させるよう構成した請求項
   １記載の地絡保護用回路遮断器。
3. 【請求項３】 前記引外し装置に電圧を印加し動作させ
   る手段は、過電流通電による主導体の磁界の変化により
   磁力が変化する電磁石装置を一つの主導体に取付け、引
   外し装置の電源線が主導体と直接接続されていない極の
   電源線に、該電磁石装置に対向するように磁性体部材を
   包含する弾性力を有した導電性部材を電気的に接続し磁
   界による磁力の変化により引外し装置に電圧を印加し動
   作させるよう構成した請求項１記載の地絡保護用回路遮
   断器。 【０００１】