JPH0668509U - スライドファスナー - Google Patents

スライドファスナー

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JPH0668509U JP011496U JP1149693U JPH0668509U JP H0668509 U JPH0668509 U JP H0668509U JP 011496 U JP011496 U JP 011496U JP 1149693 U JP1149693 U JP 1149693U JP H0668509 U JPH0668509 U JP H0668509U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】通電線の配設が容易で、金属製の全務歯への通
電が確実であり、仮りに一部が断線しても通電不良を起
こすことなく、且つスペース部分に露出する通電線が目
障りとならない体裁に優れたスライドファスナーを提供
する。 【構成】芯紐(3) を有し、ファスナーテープ(t) の前記
一側縦縁部に沿って金属製の務歯(e) を設けたスライド
ファスナーにおいて、複数本の通電線(5) をファスナー
テープ(t) の経糸条の一部として使い、他の通電線(5)
との間で互いに表出位置を長さ方向にずらし、且つ前記
芯紐(3) の外側縁に沿って実質的に連続させてテープ表
面に表出するごとくテープ本体と共に織成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、務歯表面に陽極酸化皮膜加工、電解メッキ、電着塗装などの電気化 学的表面処理が施された金属製務歯を備えたスライドファスナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファスナーテープの一側縦縁部に沿って複数の金属製務歯が等間隔をおいて取 り付けられたスライドファスナーにあっては、各務歯に電解メッキや電着塗装な どの電気化学的表面処理が施される場合があり、この場合にはファスナーテープ に設けられた各務歯に通電する必要がある。そのために務歯を取付けたファスナ ーテープの一側縦縁部に沿って通電線が配設される。
【0003】 通電線が配設される先行例として、例えば実公昭59−27136号公報、米 国特許第2264324号明細書などに開示されたものがあり、これらに開示さ れた構成によれば、ファスナーテープに設けた芯紐に通電線を併設したり、巻き 付けたりしたものであるが、要するに芯紐の外側縁に通電線を添設したものであ り、通電線が芯紐表面に突出しているものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、金属製務歯がダイカスト製である場合には、ファスナーテープを上 下成形金型に挟み込み、複数のファスナー務歯を等間隔おきに鋳込み成形するも のであるが、その上下金型のファスナー務歯を成形する各キャビティ間には、フ ァスナーテープの一側縦縁部が嵌まり込む凹溝が形成されており、その凹溝にフ ァスナーテープを嵌め込む際、表面に突出する通電線を芯紐内に食い込ませ凹溝 からはみ出さないように設定し、上下金型の型締めの際に互いに密着させる必要 がある。
【0005】 しかし、前記各先行例のものであると、突出した通電線がたまたま凹溝内に納 まらず、上下金型の凹溝のエッジに挟まれて切断される場合があり、以降の例え ば電解メッキが不能であった。
【0006】 また、金属製務歯がプレス製品である場合には、ファスナーテープの芯紐側の 縦縁部に沿って通電線を添設しながら複数のファスナー務歯脚部が等間隔に順次 加締められ植え付けがなされる。この場合には上述の鋳込み成形とは異なり、各 務歯には必ず加締力が加えられ芯紐を強く圧迫するため、上記構成によるファス ナーテープ上に表出する通電線が切断される確率が高くなり、鋳込み成形以上に 通電不良を起こしやすい。
【0007】 本考案はかかる課題を解決すべくなされたものであり、その目的は金属製の全 務歯への通電が可能であり、仮りに一部で断線しても通電不良を起こすことなく 、且つ務歯と務歯との間の間隙部に露出する通電線が目障りとならない体裁に優 れたスライドファスナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案の主要な構成は芯紐が一側縦縁部に織成一体 化されてなるファスナーテープの前記一側縦縁部に沿って金属製の務歯を設けた スライドファスナーにおいて、複数本の通電線がファスナーテープの経構成糸条 の一部として使われ、他の通電線との間で表出位置が長さ方向にずらされ、且つ 前記芯紐の外側縁に沿って実質的に連続して表出するごとくテープ本体と共に織 成されてなることを特徴とするスライドファスナーにある。
【0009】
【作用】
本考案のファスナーテープは芯紐が織り込まれた耳部の外側縁に沿って同時に 織り込まれる複数の通電線が一部の経糸として長手方向に交互に緯糸上に現れ、 通電線は芯紐の外側縁に沿って実質的に連続した状態で緯糸表面に表出している ことになる。
【0010】 従って、前記耳部に等間隔をおいて取り付けられる多数の務歯は、上記通電線 に必ず接触し、以後の電気化学的な表面処理が確実になされる。なお、前記通電 線としては柔軟性を有するように適宜の繊維糸条の外周に銅などの導電性の箔又 は線材を巻き付けたものが使われ、そのため他の通常経糸と変わるところなく織 物の構成糸条の一部となり、ファスナーテープによく馴染んで通電線だけが織物 表面から突出するようなことがない。こうしてファスナーテープに一体に織り込 まれた通電線は、経糸として織目の一部をなしているため、ファスナーテープの 幅方向へのずれがなく、常に芯紐の外側縁に沿って直線状を維持する。
【0011】 また、務歯の取り付けにあたって、通電線は芯紐部分に局部的な大きな負荷が かかっても周辺の通常の経糸及び緯糸により保護され、傷付けられることがなく 、また複数本の通電線の一本が仮りに切断されたとしても他の通電線が切断され ないかぎり通電は良好になされ、以後の電気的な表面処理工程においても何ら支 障がなくなる。
【0012】 更に、ファスナーテープの一側縦縁部に設けた芯紐の外側縁において、前記通 電線は織物構成部材の一部として織り込まれているため目障りとならず、外観上 も何らの支障を来さない。
【0013】
【実施例】
以下、本考案を図示実施例により具体的に説明する。図1は本考案の織成によ り得られるファスナーストリンガーfの代表例を部分斜視図で示しており、その ファスナーテープtは経糸1と緯糸2により織成されると共に、その本体t1の 一側縦縁部が袋織構造とされ、同袋織構造の内部に芯紐3が長手方向に沿って織 成と同時に挿入され、しかも2本の通電線5が緯糸2の耳部外側縁4に経糸とし て配されて、テープ本体t1の織成と同時に織り込まれている。そのため、前記 通電線5は緯糸2が潜る部分で表面に露出し、逆に通電線5が緯糸2を潜る部分 では通電線5はテープ表面に露出しない。
【0014】 そこで本考案においては、図2及び図4に示すごとく少なくとも2本以上の通 電線5を使用し、各通電線5の間でテープ本体t1の長手方向の表面に露出する 通電線位置を順次ずらして、これを繰り返す織り組織が採用されている。こうす ることでテープ本体t1の長手方向の全長にわたって通電線5が実質的に連続し て表出していることになる。前記ファスナーテープtの織り組織は従来公知の組 織によっても織成することができる。
【0015】 次に本考案テープの具体的な構成を第1実施例である図2及び図3と第2実施 例である図4に基づいて詳細に説明すると、図中の符号t1は多数の経糸1とダ ブルピックの緯糸2によって、例えば綾織の状態に織成されたテープ本体であり 、該テープ本体t1の一側縦縁部は上述のごとく袋状に織成され、同袋部t2に 芯紐3が挿通されている。前記袋部t2の織り構造は図示例特有のものであり、 必ずしも同構造に限定されるものではない。
【0016】 図2及び図4に示す袋部t2の構造はダブルピックの緯糸2を有効に利用した 構造であり、袋部t2の外側縁である緯糸2の折り返し部分に複数本(図2では 2本、図4では4本)の通電線5が配され、前記ダブルピックの緯糸2のうち一 部を前記経糸1又は通電線5に絡みつけるようにして反転させると共に、隣合う 他のダブルピックの緯糸2は芯紐3の周りを半周掛け回された状態で反転する特 殊な基本構造を有している。勿論、前記緯糸2は通電線5の前後に配される複数 本の経糸1により通常組織で織り込まれている。
【0017】 即ち、第1実施例のファスナーテープtの袋部t2を構成する部分には、図2 及び図3に示すごとく芯紐3の周囲を囲んで多数の経糸1が配され、その外側縁 には二本の通電線5が経糸として配されると共に、同通電線5の間に一本の経糸 1が配されている。
【0018】 こうして配列された経糸1及び通電線5に対する緯糸2の織込み構造を、図2 の上方から順次説明すると、始めの緯糸2は図面左側から経糸1に織り込まれ、 左側の通電線5を越えて中央の経糸1を潜り抜け、同経糸1に巻き付かせて表面 側へと反転し、再び図面左側の複数本の経糸1に織り込まれたのち、双糸状態と なってテープ本体t1に織り込まれる。上から2番目の緯糸2は1番目の緯糸2 と同様に図面左側から経糸1に織り込まれ、左側の通電線5を越えて中央の経糸 1に到り、同経糸1に一周絡みつけてからそのまま右方向へと走り、右側の通電 線5を潜ってから縦糸1に織り込まれたのち、テープ本体t1に織り込まれる。 3番目の緯糸2は図面右側から経糸1に織り込まれ、右側の通電線5と中央の経 糸1を潜って、同経糸1に巻き付かせて表面側へと反転し、再び図面右側の複数 本の経糸1に織り込まれたのち、双糸状態となってテープ本体t1に織り込まれ る。左側から織り込まれる4番目の緯糸2は左側の通電線5を潜り、中央の経糸 1及び右側の通電線5を越えたのち、右側の多数の経糸1に織り込まれ、更にテ ープ本体t1に織り込まれる。以上の四本の緯糸2をもって基本組織をなし、以 降は同組織が順次繰り返される。
【0019】 次に第2実施例のファスナーテープtの袋部t2を構成する部分を図4に基づ いて説明する。第2実施例も上記実施例と基本的な織り構造に変わりはないが、 本実施例では中央の経糸が排除され、四本の通電線5が平行に配されている点で 第1実施例と異なる。即ち、ダブルピックの緯糸2が通電線に一周絡み付けられ て袋部t2を織成する用になっている。
【0020】 上記のごとく本考案のファスナーテープtは、いずれも芯紐3が挿通される袋 部t2の外側縁に沿って平行に織り込まれる隣合う通電線5が長手方向に所定の 長さずらされた状態で順次緯糸2の上面に現れ、実質的に通電線5がファスナー テープtの全長に渡って連続して緯糸2の表面に表出していることになる。
【0021】 なお、前記通電線6は図5に示すごとく柔軟性を有するように適宜の繊維糸条 の外周にアルミニウムや銅などの導電性の箔又は線材を巻き付けたものであるた め、他の経糸1と変わるところなく織物の構成糸条の一部となり、ファスナーテ ープtによく馴染んで通電線5だけが織物表面から突出するようなことがなくな る。こうしてファスナーテープtに一体に織り込まれた通電線5は、経糸として 織目の一部をなしているため、ファスナーテープtの幅方向へのずれがなく、常 に芯紐3の外側縁に沿って直線状を維持する。前記通電線5に使用される繊維糸 条の材質及び通電材料は、例えば耐熱性を必要とする場合には耐熱繊維が使われ 、巻き付けられた通電材料が繊維糸条に密に配列したい場合には収縮性繊維が使 われるなど、その求められる機能に応じて種々選択できるものである。
【0022】 上記ファスナーテープtをダイカスト成形金型に挟み込んで務歯eを成形する 場合に、芯紐部分が金型の凹溝のエッジに挟まれても傷付けられることがなく、 また複数本の通電線5の一本が仮りに切断されても他の通電線5が切断されない かぎり通電は良好になされるため、以後の例えば電解メッキ工程においても各務 歯eに確実に通電される。
【0023】 また、プレス加工により得られる務歯eをファスナーテープtに植え付ける場 合にも、通電線5は他の経糸1と同じ面内に表出しているため、全務歯eと通電 線5の接触は確実になされ、更に務歯eの植付時に複数本の通電線5の一本が仮 りに切断しても、ダイカスト成形の場合と同様に他の通電線5が切断されないか ぎり通電は良好になされ、以後の表面処理工程が円滑に行われる。
【0024】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなごとく本考案によるスライドファスナーは、ファスナ ーテープにおける芯紐を被包する袋部の外側縁に少なくとも二本以上の通電線を 長手方向に交互に表出すべく織り込まれているため、通電線は位置ずれを起こす ことなく実質的にテープの全長に渡って連続的に表出すると共に、織目の一部を なして織物面から突出することがないため、全務歯との接触が確実になされるば かりでなく、務歯の成形や機械的な植付時においても通電線に損傷を与えにくく なり、たとえ通電線の一部に損傷が与えられても通電に支障を来すことが少なく 、金属製の全務歯に通電が可能となり、スライドファスナー製作上の歩留まりを 向上させることができる。また、ファスナーテープの一側縦縁部に織り込まれた 通電線は目障りとはならず外観の向上が図れる。
【0025】 更に本考案のスライドファスナーを製造する場合にも、従来のごとく通電線を 芯紐などに巻付けたり、或いは添設する工程が省略でき、ファスナーテープの製 織と同時に配置することが可能であるため、生産コストの大幅な低減につながる 。
【提出日】平成5年11月22日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 なお、前記通電線は図5に示すごとく柔軟性を有するよ うに適宜の繊維糸条の外周にアルミニウムや銅などの導電性の箔又は線材を巻き 付けたものであるため、他の経糸1と変わるところなく織物の構成糸条の一部と なり、ファスナーテープtによく馴染んで通電線5だけが織物表面から突出する ようなことがなくなる。こうしてファスナーテープtに一体に織り込まれた通電 線5は、経糸として織目の一部をなしているため、ファスナーテープtの幅方向 へのずれがなく、常に芯紐3の外側縁に沿って直線状を維持する。前記通電線5 に使用される繊維糸条の材質及び通電材料は、例えば耐熱性を必要とする場合に は耐熱繊維が使われ、巻き付けられた通電材料が繊維糸条に密に配列したい場合 には収縮性繊維が使われるなど、その求められる機能に応じて種々選択できるも のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るスライドファスナーに適用される
ファスナーストリンガーの外観を示す部分斜視図であ
る。
【図2】本考案の第1実施例であるファスナーテープの
芯紐側から見た織構造例を示す正面図である。
【図3】図2におけるA−A線の矢視断面図である。
【図4】本考案の第2実施例であるファスナーテープの
芯紐側から見た織構造例を示す正面図である。
【図5】本考案に適用される通電線の構成例を斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 経糸 2 緯糸 3 芯紐 4 耳部外側縁部 5 通電線 f ファスナーストリンガー t ファスナーテープ t1 テープ本体 t2 袋部 e 務歯
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯紐(3)が一側縦縁部に織成一体化さ
    れてなるファスナーテープ(t)の前記一側縦縁部に沿
    って金属製の務歯(e)を設けたスライドファスナーに
    おいて、複数本の通電線(5)がファスナーテープ
    (t)の経構成糸条の一部として使われ、他の通電線6
    との間で表出位置が長さ方向にずらされ、且つ前記芯紐
    (3)の外側縁に沿って実質的に連続して表出するごと
    くテープ本体と共に織成されてなることを特徴とするス
    ライドファスナー。
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