JPH0667961B2 - 酢酸セルロ−スの製造法 - Google Patents

酢酸セルロ−スの製造法

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JPH0667961B2
JPH0667961B2 JP24916386A JP24916386A JPH0667961B2 JP H0667961 B2 JPH0667961 B2 JP H0667961B2 JP 24916386 A JP24916386 A JP 24916386A JP 24916386 A JP24916386 A JP 24916386A JP H0667961 B2 JPH0667961 B2 JP H0667961B2
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cellulose acetate
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博昭 沢田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の酢酸セルロースの製造法に関する。
〔従来の技術〕
酢酸セルロースは繊維、フイルム、膜等として各種分野
で多用されている。
この酢酸セルロースの工業的製法は無水酢酸を酢化剤、
酢酸もしくは塩化メチレンを希釈剤とし、硫酸を触媒と
する方法が一般的で、まずαセルロース含量の高い高品
質パルプを叩解後酢酸を混合する前処理、無水酢酸、酢
酸、硫酸を酸化してセルロースを完全にエステル化する
酢化を行なう酢化処理、しかるのち酢化度を55%程度に
まで低下するよう加水分解させる熟成処理、得られた酢
酸セルロースは反応系より沈殿、分離、細分化させ、水
洗し乾燥する後処理からなる工程によりフレークを得て
いる。
このようにして所望の粘度、酢化度に調整された酢酸セ
ルロースフレークは非常にアセトン溶解性が良く、20〜
30%の濃厚溶液のドープにして、適宜フイルターを通し
たのち、ノズルやダイより押し出し、溶剤を揮散せしめ
て繊維やフイルムに成形される。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、酢酸セルロースを紡糸、フイルム成形を
行う場合アセトン不溶解ゲルの発生が大きな障害となつ
ている。この不溶解ゲルは繊維製造においては糸切れ、
強伸度の欠如といつた現象を生じ、フイルム成形におい
てはフイツシユアイの発生といつた現象を生ずることか
ら、この不溶解ゲルを除去することは重要な技術課題で
ある。
本発明者らはこの不溶解ゲルにつき各種の評価手段を用
いて検討を行つた結果、不溶解ゲルが主として低酢化度
酢酸セルロースからなることをつきとめた。
酢酸セルロース中の低酢化度成分や低重合度成分を除去
する方法としては、例えば特公昭48−23543号公報、特
公昭50−6229号公報の提案に見られるような抽出法もあ
るが、実用性に乏しく、工業的方法としては満足すべき
ものではない。
本発明者らはかかる低酢化な酢酸セルロースに基く不溶
解ゲルは酢酸セルロースに微量に残存する遊離酸の水素
イオンの存在がドープの熱履歴による酢酸セルロースの
加水分解を著しく促進せしめ低酢化度酢酸セルロースを
生ずることを見い出した。
本発明の目的は酢酸セルロースの製造工程のうち、後処
理工程で残存遊離酸による加水分解作用を阻止し不溶解
ゲルの発生及び酢酸セルロースを長期保存したとき残存
遊離による酢酸臭発生のない酢酸セルロースを製造する
方法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、セルロースを前処理した後酢化処理、必要に
応じ更に熟成処理を行つた後の沈殿生成物を洗浄する後
処理工程において、水での洗浄後水溶性塩または水溶性
塩と酸もしくはアルカリの混合物で、特に、リン酸ナト
リウムとリン酸との混合物で洗浄することを特徴とする
酢酸セルロースの製造法にある。酢酸セルロースの製造
においては、洗浄を行う後処理工程で、熟成処理後の沈
殿生成物が未だ遊離酸、吸着酸及びエステル状結合硫酸
を含んでいることから、まず水洗することが必要であ
る。
この水洗によつて殆んどの遊離酸、吸着酸及びエステル
状結合硫酸が除去される。本発明においては、更にこの
沈殿生成物を水溶性塩または水溶性塩と酸もしくはアル
カリとの混合物の水溶液で洗浄することによつて、僅か
に残留する遊離酸に起因する加水分解作用を阻止し、も
つて不溶解ゲルの発生を防止するものである。
本発明にれば、残留遊離酸のもつ水素イオンの効果が著
しく減殺される結果酢酸セルロースの長期間の保存に優
れ、かつ長期保存による酢酸臭発生を防止できる。
本発明における水溶性塩または水溶性塩と酸もしくはア
ルカリとの混合物の効果は残留遊離酸のもつ水素イオン
濃度を緩衝させる点にある。
単に遊離酸のもつ水素イオン濃度を低減させるのであれ
ば酸もしくはアルカリによる中和があるが、その場合に
は遊離酸量が不定であるため中和に要する薬液量が定め
にくく、中和点を判断することが困難であり、その結果
中和点を外れた場合、酢酸セルロースは酸側もしくはア
ルカリ側に大きく傾き酢酸セルロースの性質に悪影響を
及ぼす。
本発明で用いる水溶性塩としては25℃における水に対す
る溶解度が3以上の有機酸もしくは無機酸の塩で、遊離
酸に対してpH緩衝能をもつものが好ましく、水に溶解し
たとき強酸性もしくは強アルカリ性を示すものは好まし
くない。弱酸性より弱アルカリ性で良好な緩衝系を構成
するためには水溶性塩のみならず酸もしくはアルカリと
の組合せも可能であり、かつより良い緩衝系を示すもの
も多い。
水溶性塩の具体例としては酢酸、リン酸、炭酸、塩酸及
び酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等の多価カルボン酸のア
ルカリ金属塩があげられ、特にリン酸水素ナトリウム、
リン酸水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸
2水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ま
しい例としてあげられる。また水溶性塩と酸もしくはア
ルカリの好ましい例としてリン酸3ナトリウムとリン酸
の混合があげられる。
水溶性塩または水溶性塩と酸もしくはアルカリとの混合
物は乾燥後の酢酸セルロース1キログラムに対し2×10
−5〜1×10−2グラム当量の附着量となるようにすれ
ばよく、水溶液の濃度、温度は何ら限定されない。付着
量が2×10−5グラム当量未満であると、酸セルロース
の遊離酸による作用を防止するのには充分でなく、一
方、付着量が1×10−2グラム当量を越えると、遊離酸
の作用を防止する効果はあるものの、酢酸セルロースを
塩化メチレン、アセトン等の溶剤に溶解した時、水溶性
塩が溶剤に不溶となるため、ドープの清澄度低下、著し
い場合には沈殿生成を生じ、糸切れやフイツシユアイの
原因となる。
〔発明の効果〕
本発明のよつて製造された酢酸セルロースは繊維、フイ
ルムに成形加工する場合、糸切れやフイツシユアイの発
生といつた問題点がなく、更には、酢酸セルロースの長
期保存における酢酸臭発生の防止効果、即ち織物、タバ
コフイルター、フイルム、膜等の酢酸セルロース製品の
長期保存によつて生ずる酢酸及び酢酸臭発生の防止効果
を有するものである。
〔実施例〕
リンター10gに氷酢酸300mlを加え90℃で1時間加熱し、
前処理した。その後リンター氷酢酸付着物30gに無水酢
酸40g、氷酢酸40g、硫酸1gを加え15〜25℃で6時間酢化
反応を行つた。次いで50%酢酸水溶液を徐々に加え温度
45℃で20時間熟成を行つたのち、生成物を大量に水中に
導き、よく粉砕し、更に水洗を15時間行つたあと0.01%
硫酸で2時間煮沸した。
得られた沈殿生成物を6度水洗したのち、 NaHPO 4.1g HPO 0.7g を水100gに溶解した水溶液中に投入し、3時間室温で浸
漬した。その後得られた酢酸セルロースを別し乾燥し
た。収量は13gであり、付着したNa2HPO4の量は9.5mgで
あつた。
このようにして得られた酢酸セルロースをアセトン/水
(95/5重量%)に溶解し20%溶液とした。過を行つ
た後のドープを50℃で24時間熱処理を行い、不溶解ゲル
の発生を次の方法で測定した。
ドープの各々30℃で10.2ml/minで2600メツシユの金網
を過させたときの30分間に発生する金網前後の圧損を
測定したところ、過後のドープで0.02気圧、熱処理後
のドープで0.35気圧であつた。
また得られた酢酸セルロースの粉体を密栓したビンの中
に35℃で半年間保存したのち開封し、臭気を官能テスト
したところ、酢酸臭は感じられなかつた。
比較例 0.01%煮沸硫酸処理とそれに続く水洗迄は実施例と同一
の方法で実施して酢酸セルロースを製造し、そのまま乾
燥を行い酢酸セルロースを得た。収量は12.5gであつ
た。
得られた酢酸セルロースをアセトン/水 (95/5重量g)に溶解し20%溶液とし、過を行つて
得たドープを50℃で24時間熱処理を行い、不溶解ゲルの
測定をしたところ、過後のドープで1.19気圧、熱処理
後のドープで2.7気圧であり、明らかに不溶解ゲルの発
生が認められた。一方、得られた酢酸セルロース粉体を
密栓したビンの中に35℃で半年間保存したのち開封し、
臭気を官能テストしたところわずかに酢酸臭がした。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースを前処理した後酢化処理、必要
    に応じ更に熟成処理を行った後の沈殿生成物を洗浄する
    後処理工程において、水での洗浄後、リン酸ナトリウム
    とリン酸との混合物の付着量が乾燥後の酢酸セルロース
    1Kgに対し、2×10−5〜1×10−2グラム当量となる
    ように、前記混合物の水溶液で洗浄することを特徴とす
    る酢酸セルロースの製造法。
JP24916386A 1986-10-20 1986-10-20 酢酸セルロ−スの製造法 Expired - Lifetime JPH0667961B2 (ja)

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