JPH066772B2 - 分散強化恒弾性合金 - Google Patents
分散強化恒弾性合金Info
- Publication number
- JPH066772B2 JPH066772B2 JP16646183A JP16646183A JPH066772B2 JP H066772 B2 JPH066772 B2 JP H066772B2 JP 16646183 A JP16646183 A JP 16646183A JP 16646183 A JP16646183 A JP 16646183A JP H066772 B2 JPH066772 B2 JP H066772B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alloy
- constant
- constant elasticity
- dispersion strengthened
- elasticity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は精密機器を中心に応用される、弾性率の温度依
存性が極めて少ない析出硬化型恒弾性合金に関するもの
である。
存性が極めて少ない析出硬化型恒弾性合金に関するもの
である。
一般に恒弾性合金はトルク指示計、時計々測器用ぜんま
い等の精密部品、精密ベロー、絶対圧力計、流量計、工
業用圧力計、ブルドン管等の精密構造部品、あるいは音
叉又音片、発振器等の振動体材料など温度変化による弾
性率の変化をきらう機器の材料として広く利用されてい
る。
い等の精密部品、精密ベロー、絶対圧力計、流量計、工
業用圧力計、ブルドン管等の精密構造部品、あるいは音
叉又音片、発振器等の振動体材料など温度変化による弾
性率の変化をきらう機器の材料として広く利用されてい
る。
従来、このような恒弾性合金としてはFe−Ni系のエ
リンバー合金が著名であるが、この材料は冷間加工状態
で使わなければならず、しかも冷間加工条件が、恒弾性
特性や機械的特性に大きく影響するため、近年はFe−Ni
−Cr−Ti−Al系の析出型の恒弾性合金が多く利用される
ようになつてきた。この析出型の恒弾性合金は、冷間加
工と熱処理条件を選定することにより、恒弾性特性を評
価する一つの指標である熱弾性係数を比較的容易に零に
することが可能であると共に、強度的にも優れた特性を
示すものである。しかしながら、この析出型恒弾性合金
の恒弾性特性は、通常70〜80℃程度までしか、その特性
を保持できず、高温領域で使用する場合に大きな限界が
あり、その応用範囲も限られていた。
リンバー合金が著名であるが、この材料は冷間加工状態
で使わなければならず、しかも冷間加工条件が、恒弾性
特性や機械的特性に大きく影響するため、近年はFe−Ni
−Cr−Ti−Al系の析出型の恒弾性合金が多く利用される
ようになつてきた。この析出型の恒弾性合金は、冷間加
工と熱処理条件を選定することにより、恒弾性特性を評
価する一つの指標である熱弾性係数を比較的容易に零に
することが可能であると共に、強度的にも優れた特性を
示すものである。しかしながら、この析出型恒弾性合金
の恒弾性特性は、通常70〜80℃程度までしか、その特性
を保持できず、高温領域で使用する場合に大きな限界が
あり、その応用範囲も限られていた。
さらに、恒弾性合金の熱膨脹係数は8〜10×10-6〔1/
℃〕程度で一般のステンレス鋼と比較すると小さな値で
あるが、精密機器への応用を考えると、出来るだけ小さ
な値であることが好ましい。
℃〕程度で一般のステンレス鋼と比較すると小さな値で
あるが、精密機器への応用を考えると、出来るだけ小さ
な値であることが好ましい。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、恒弾性特性
を140℃以上まで、大巾に向上させると共に、強度的に
も従来の析出強化型合金と同等以上の優れた特性を有
し、さらに低熱膨脹特性を合せ持つ、恒弾性合金を提供
するものである。
を140℃以上まで、大巾に向上させると共に、強度的に
も従来の析出強化型合金と同等以上の優れた特性を有
し、さらに低熱膨脹特性を合せ持つ、恒弾性合金を提供
するものである。
本発明の恒弾性合金は重量%でニッケル(Ni)40.5〜5
3.0%、クロム(Cr)4.9〜5.75%、チタン(Ti)1.5〜2.5
%、AB2(但し、AはZrNb及びTiのいずれか1
種、BはFe及びCoのいずれか1種)なる基本組成を
有するラーベス相からなる分散質0.5〜10.0%、残部鉄
(Fe)と付随的不純物よりなることを特徴とするもので
ある。
3.0%、クロム(Cr)4.9〜5.75%、チタン(Ti)1.5〜2.5
%、AB2(但し、AはZrNb及びTiのいずれか1
種、BはFe及びCoのいずれか1種)なる基本組成を
有するラーベス相からなる分散質0.5〜10.0%、残部鉄
(Fe)と付随的不純物よりなることを特徴とするもので
ある。
次に本発明合金を構成する各成分の添加理由およびその
添加量の限定理由について説明する。
添加量の限定理由について説明する。
ニツケルは恒弾性特性を維持するために最も効果的な元
素であり、その添加量が40.5%未満および53.0%を越え
ると、有効な恒弾性特性が得られない。
素であり、その添加量が40.5%未満および53.0%を越え
ると、有効な恒弾性特性が得られない。
クロムはニツケルと同様に恒弾性特性を維持するために
有効な元素で、その添加量が4.9%未満および5.75%を越
える十分なと恒弾性特性が得られない。
有効な元素で、その添加量が4.9%未満および5.75%を越
える十分なと恒弾性特性が得られない。
チタンは時効処理により析出して合金強度を向上させる
のに有効な元素であり、その添加量が1.5%未満では十分
な強度が得られず、また2.5%を越えると、恒弾性特性
の劣化をもたらす。
のに有効な元素であり、その添加量が1.5%未満では十分
な強度が得られず、また2.5%を越えると、恒弾性特性
の劣化をもたらす。
分散質は強度向上に最も有効な作用をなし、0.5%未満
では、その効果が不充分であり、10.0%を越えると合金
の延性が低下する。一方、熱膨脹率は、分散質の量の増
大と共に、減少する傾向を示す。この分散質の材料とし
ては、AB2(但し、AはZrNb及びTiのいずれか
1種、BはFe及びCoのいずれか1種)を基本とする
低熱膨脹特性を有するラーベス相などが挙げられる。
では、その効果が不充分であり、10.0%を越えると合金
の延性が低下する。一方、熱膨脹率は、分散質の量の増
大と共に、減少する傾向を示す。この分散質の材料とし
ては、AB2(但し、AはZrNb及びTiのいずれか
1種、BはFe及びCoのいずれか1種)を基本とする
低熱膨脹特性を有するラーベス相などが挙げられる。
次に、本発明合金の製造方法について、簡単に説明する
と、各合金成分、および合金粉末を所定の比率で混合
し、粉末冶金法によりインゴツトを製造した後、これを
熱間加工して板厚を薄くし、更に冷間加工を行つて所定
の板厚に形成し、しかる後、時効処理を施して製造され
る。この場合、冷間加工は加工率10%〜90%の範囲で施
され、時効処理条件としては、例えば200〜750℃で0.1
〜100時間の加熱を行う。
と、各合金成分、および合金粉末を所定の比率で混合
し、粉末冶金法によりインゴツトを製造した後、これを
熱間加工して板厚を薄くし、更に冷間加工を行つて所定
の板厚に形成し、しかる後、時効処理を施して製造され
る。この場合、冷間加工は加工率10%〜90%の範囲で施
され、時効処理条件としては、例えば200〜750℃で0.1
〜100時間の加熱を行う。
〔発明の実施例〕 (実施例) 合金成分として第1表の実施例−1に示すように46.2%
Ni−5.2%Cr−1.6%Ti−(Zr.8 Nb.2)Fe28.0%残部Fe
を主要組成とする合金を粉末冶金手法を用いてインゴツ
トを製造した。詳しくはNi−Cr−Ti−Feよりなる母合金
の145メツシユアンダーの粉末と(Zr.8Nb.2)Fe2の400
メツシユアンダーの粉末を混合し、真空中で焼結しイン
ゴツトを得た。
Ni−5.2%Cr−1.6%Ti−(Zr.8 Nb.2)Fe28.0%残部Fe
を主要組成とする合金を粉末冶金手法を用いてインゴツ
トを製造した。詳しくはNi−Cr−Ti−Feよりなる母合金
の145メツシユアンダーの粉末と(Zr.8Nb.2)Fe2の400
メツシユアンダーの粉末を混合し、真空中で焼結しイン
ゴツトを得た。
得られたインゴツトを熱間加工して厚さ2mmの板材とし
た。この板材を更に1000℃×1時間、加熱保持後、水焼
入れを行い、次いで50%の冷間圧延を行つて厚さ1mmと
した。
た。この板材を更に1000℃×1時間、加熱保持後、水焼
入れを行い、次いで50%の冷間圧延を行つて厚さ1mmと
した。
得られた板材を試験素材として550℃×2時間の時効処
理後、恒弾性特性と引張強さを測定した。恒弾性特性
は、熱弾性係数を用いて評価し、測定は1×10×100mm
に切り出した試験片の固有振動数(横振動法)の周波数の
温度依存性で評価した。この測定値より弾性率(ヤング
率E)を求め、温度による変化状態を第1図に曲線aで
示した。
理後、恒弾性特性と引張強さを測定した。恒弾性特性
は、熱弾性係数を用いて評価し、測定は1×10×100mm
に切り出した試験片の固有振動数(横振動法)の周波数の
温度依存性で評価した。この測定値より弾性率(ヤング
率E)を求め、温度による変化状態を第1図に曲線aで
示した。
また、弾性率の温度変化依存性(変化率)をe、熱膨脹
係数の温度依存性(変化率)をαとすると、熱弾性係数
=e+αで表わされる。この熱弾性係数は恒弾性特性を
評価する指標として用いられ、これが零に近い程、恒弾
性特性に優れているが、本実施例では、この熱弾性係数
が常温(20℃)から150℃の間で7×10-6と極めて近い値
を得ることが出来た。
係数の温度依存性(変化率)をαとすると、熱弾性係数
=e+αで表わされる。この熱弾性係数は恒弾性特性を
評価する指標として用いられ、これが零に近い程、恒弾
性特性に優れているが、本実施例では、この熱弾性係数
が常温(20℃)から150℃の間で7×10-6と極めて近い値
を得ることが出来た。
さらに、第1表の実施例1,2および3に示す組成の合
金を上記実施例1と同様の方法で製造し、得られた板材
から試験片を切り出して、この恒弾性特性温度範囲を測
定し、合せて引張強度と線熱膨脹率を測定した。
金を上記実施例1と同様の方法で製造し、得られた板材
から試験片を切り出して、この恒弾性特性温度範囲を測
定し、合せて引張強度と線熱膨脹率を測定した。
以上、実施例−1から−3に示す通り、恒弾性特性を示
す温度範囲の高温側は140℃以上であり、従来機に比
べ、著しく改善されている。一方、強度レベルも従来機
と同等か、それ以上であり、線熱膨脹係数も、低膨脹の
分散質の効果で低い値を示している。
す温度範囲の高温側は140℃以上であり、従来機に比
べ、著しく改善されている。一方、強度レベルも従来機
と同等か、それ以上であり、線熱膨脹係数も、低膨脹の
分散質の効果で低い値を示している。
(比較例) 次に、第1表に示す、比較例1および2に関し実施例と
同様な製造法により、試験片を作製し、同じ評価を試み
た。比較例−1は分散質が10%を越えるものであるが、
冷間加工行程で微細なクラツクの発生が生じた。加工性
の点から問題がある。比較例−2は分散質が0.3%と
少なく、充分な分散強化がなされない。
同様な製造法により、試験片を作製し、同じ評価を試み
た。比較例−1は分散質が10%を越えるものであるが、
冷間加工行程で微細なクラツクの発生が生じた。加工性
の点から問題がある。比較例−2は分散質が0.3%と
少なく、充分な分散強化がなされない。
(従来例) 第1表の従来例はFe−Ni系の析出型恒弾性合金(市
販品)についても、同様に恒弾性特性温度範囲、引張強
さ、および線熱膨脹率を測定した。これらの測定結果は
第1表に示す。また、弾性率の温度依存性は第1図に曲
線bで示す通りであつた。
販品)についても、同様に恒弾性特性温度範囲、引張強
さ、および線熱膨脹率を測定した。これらの測定結果は
第1表に示す。また、弾性率の温度依存性は第1図に曲
線bで示す通りであつた。
〔発明の効果〕 第1表の結果から明らかな如く、本発明に係わる分散強
化型弾性合金によれば、従来の析出強化型恒弾性合金
は、その恒弾性を示す温度範囲が高々80℃程度であつた
ものを、140℃以上まで向上させ、しかも従来合金と同
等以上の引張強度を有している。
化型弾性合金によれば、従来の析出強化型恒弾性合金
は、その恒弾性を示す温度範囲が高々80℃程度であつた
ものを、140℃以上まで向上させ、しかも従来合金と同
等以上の引張強度を有している。
さらに、低熱膨脹特性を有する分散質を用いているた
め、合金の熱膨脹係数も低い値をとる。この様な特徴を
有する恒弾性合金は、その応用範囲を飛躍的に拡大する
ことが出来る。
め、合金の熱膨脹係数も低い値をとる。この様な特徴を
有する恒弾性合金は、その応用範囲を飛躍的に拡大する
ことが出来る。
第1図は本発明合金と従来合金の弾性率の温度変化依存
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%でニッケル(Ni)40.5〜5
3.0%、クロム(Cr)4.9〜5.75%、チタン
(Ti)1.5〜2.5%、AB2(但し、AはZrN
b及びTiのいずれか1種、BはFe及びCoのいずれ
か1種)なる基本組成を有するラーベス相からなる分散
質0.5〜10.0%、残部鉄(Fe)と付随的不純物
よりなる事を特徴とする分散強化恒弾性合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16646183A JPH066772B2 (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | 分散強化恒弾性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16646183A JPH066772B2 (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | 分散強化恒弾性合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6059050A JPS6059050A (ja) | 1985-04-05 |
JPH066772B2 true JPH066772B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=15831826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16646183A Expired - Lifetime JPH066772B2 (ja) | 1983-09-12 | 1983-09-12 | 分散強化恒弾性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH066772B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2589429B2 (ja) * | 1992-01-30 | 1997-03-12 | 株式会社神戸製鋼所 | Ni−Fe−Cr合金 |
EP2840154A1 (de) * | 2013-08-21 | 2015-02-25 | MTU Aero Engines GmbH | Verfahren zur Herstellung von Bauteilen aus und mit Laves-Phasen |
-
1983
- 1983-09-12 JP JP16646183A patent/JPH066772B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6059050A (ja) | 1985-04-05 |
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