JPH0667556A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JPH0667556A
JPH0667556A JP34791492A JP34791492A JPH0667556A JP H0667556 A JPH0667556 A JP H0667556A JP 34791492 A JP34791492 A JP 34791492A JP 34791492 A JP34791492 A JP 34791492A JP H0667556 A JPH0667556 A JP H0667556A
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JP
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film
heating
heat
heated
fixing
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JP34791492A
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Yasumasa Otsuka
大塚康正
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性フィルムを用いるフィルム式加熱装置
において、記録材等の被加熱材のサイズが異なり、その
非通紙部分が生じ、その部分での発熱が被加熱材に吸収
されずに高温になり、加圧ローラが高温になる等の問題
が生ずるが、本発明はこの問題を解決する。 【構成】 耐熱性フィルムの一面側に加熱体を、他面側
に被加熱材を密着させ、前記耐熱性フィルムを介して加
熱体の熱エネルギーを被加熱材に付与する加熱装置にお
いて、加熱体と周囲部材との断熱状態を局部的に可逆的
に緩和させる手段(20a)を有するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性フィルムの一面
側に加熱体を、他面側に被加熱材を密着させ、前記耐熱
性フィルムを介して加熱体の熱エネルギーを被加熱材に
付与する方式の加熱装置に関する。
【0002】この装置は、電子写真複写機・プリンタ・
ファックス等の画像形成装置における画像加熱定着装
置、即ち電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像
形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等により成る
トナーを用いて記録材(エレクトロファックスシート・
静電記録シート・転写材シート・印刷紙等)の面に直接
もしくは間接(転写)方式で形成した、目的の画像に対
応した未定着のトナー画像を該画像を担持している記録
材面に永久固着像として加熱定着処理する装置として活
用できる。
【0003】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱して表面性(艶等)を改質する装置、仮定着処理する
装置等、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として
使用できる。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば画像の加熱定着等のための
記録材の加熱装置としては、所定の温度に維持された加
熱ローラと、弾性層を有して前記加熱ローラに圧接する
加圧ローラによって記録材を狭持搬送しつつ加熱する熱
ローラ方式が多用されている。また、フラッシュ加熱方
式、オーブン加熱方式、熱板加熱方式等種々の方式・構
成のものが知られており、また実用されている。
【0005】また、米国特許第3,578,797号明
細書に開示のように、ベルト加熱方式のものも知られて
いる。これは、 トナー像を加熱体ウェブに接触させてその融点へ加熱
して融解し、 融解後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性とし、 トナーの加熱体ウェブへ付着する傾向を弱めた状態で
加熱ウェブから剥す。 という過程で、オフセットを生じさせずに定着処理する
方法である。
【0006】最近では、金属や樹脂製のホルダに固定支
持された加熱体(サーマルヒータ、以下ヒータと記す)
と、該ヒータに対抗圧接しつつ搬送される耐熱性フィル
ム(定着フィルム)と、該フィルムを介して記録材をヒ
ータに密着させる加圧部材を有し、ヒータの熱をフィル
ムを介して記録材に付与することで記録材面に形成担持
されている未定着画像を記録材に加熱定着させる方式・
構成の定着装置(フィルム加熱方式)が考案されてい
る。
【0007】例えば特開昭63−313182号公報に
開示の方式がこれに属し、薄肉の無端或いは有端の耐熱
フィルム(シート)と、該フィルムの移動駆動手段と、
該フィルムを中にしてその一方面側に固定支持して配さ
れたヒータと、他方面側に該ヒータに対向して配置され
該ヒータに対して該フィルムを介して画像定着するべき
記録材の顕画像担持面を密着させる加圧部材を有し、該
フィルムは少なくとも画像定着時は該フィルムと加圧部
材との間に搬送導入される画像定着すべき記録部材と順
方向に同一速度で走行移動させて該走行移動フィルムを
挟んでヒータと加圧部材との圧接で形成される定着部と
しての定着ニップ部を通過させることにより該記録材の
顕画像担持面を該フィルムを介して該ヒータで加熱して
顕画像(未定着トナー像)に熱エネルギーを付与して軟
化・溶融せしめ、次いで定着部通過後のフィルムと記録
材を分離させることを基本とする加熱手段・装置であ
る。
【0008】このようなフィルム加熱方式に於いては、
ヒータとして低熱容量加熱体を用いることができる。こ
のため、従来の接触加熱方式である熱ローラ方式、ベル
ト加熱方式等に比べ省電力化及びウェイトタイム短縮化
が可能となる。
【0009】上記のような特開昭63−313182号
公報等で知られているフィルム加熱方式の加熱装置は、
電子写真複写機・プリンタ・ファックス等の画像形成装
置における画像加熱定着装置、すなわち電子写真・静電
記録・磁気記録等の画像形成プロセス手段により加熱溶
融性の樹脂等より成るトナーを用いて記録材(エレクト
ロファックスシート・静電記録シート・転写材シート印
刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で
形成した、目的の画像情報に対応した未定着顕する画像
加熱定着装置として活用できる。
【0010】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0011】更に従来技術を図面について説明する。
【0012】そこで、待機時間を短縮し、かつ消費電力
を少なくするために、本出願人よりサーフ定着方式が提
案されている。サーフ定着方式による加熱又は定着装置
は、図25に示すように、加圧ローラ121を備える。
加圧ローラ121には芯金122が設けられている。加
圧ローラ121は回転自在となっている。
【0013】加圧ローラ121表面には無端ベルト状フ
ィルム123の表面が接触されている。定着フィルム1
23は、駆動ローラ124と、従動ローラ125と、駆
動ローラ124の下方に配置されているガイドローラ1
24aと、従動ローラ125の下方に配置されているガ
イドローラ152aとに掛け渡されている。定着フィル
ム123は駆動ローラ124によって所定の方向に送ら
れ、定着フィルム123と加圧ローラ121とは互いに
協働して記録材Pを所定の方向に挟圧搬送する。
【0014】定着フィルム123はその裏面側から加熱
手段140で加熱される。加熱手段140は低熱容量の
線状発熱体142を有する。加熱手段140は定着フィ
ルム123の裏面に接触するように、ガイドローラ12
4aとガイドローラ125aとの間に配置されている。
加熱手段140には付勢手段(図示せず)によって定着
フィルム123の表面側から加圧ローラ121が押し付
けられている。加熱手段140に与えられる加圧ローラ
121からの押し付け力は4〜7kgである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の装置で
は数種類のサイズの異なる記録材を使用する事が常識と
なっている。しかしながら、例えば最大レターサイズの
縦送りが可能な装置(通紙幅216mm)において、B
5(幅182mm)や封筒(105mm)等の幅の狭い
記録材を通紙すると非通紙部分が発生して、その部分で
の発熱が記録材によって吸収されないために高温になっ
て次のような問題を生じていた。
【0016】加圧ローラが高温になりゴム材料の劣化
を生じる。
【0017】加圧ローラの熱膨張が不均一となり幅方
向での外径差を生じるために記録材のしわが発生したり
斜行したりする。
【0018】小サイズ記録材の後には非通紙部の定着
フィルム、加圧ローラとも高温になっているためより大
きなサイズの記録材を通すと非通紙部であったところで
トナーが過溶融状態となってホットオフセットが発生す
る。
【0019】本発明の第1の目的は、上記のような問題
点を解決し、加圧ローラの劣化等を防止した加熱装置を
提供することである。
【0020】また、この種加熱装置の他の問題点とし
て、低熱容量の発熱体により加熱するため、加熱装置の
加熱可能領域よりも幅の小さい被加熱材を通した場合、
被加熱材例えば紙が通らない部分、すなわち非通紙部の
昇温が従来の熱ローラー定着装置にくらべて、著しく高
いという現象が生じる。非通紙部の昇温が大きいと、ト
ナーが高温オフセットしたり、加圧ローラ−、フィルム
の耐熱温度を越してしまうこともあった。
【0021】本発明の第2の目的は上記のような問題点
を解決した加熱装置を提供することである。
【0022】また前記フィルム加熱方式でも、小サイズ
の記録材を連続して加熱処理した場合、熱ローラ方式と
同様のメカニズムにより、加熱体及びフィルム上に非通
紙部昇温を発生し、高温オフセットが発生する恐れがあ
る。さらにフィルム加熱方式で無端のベルト状フィルム
を用いた場合、フィルムを駆動する駆動軸の温度も、フ
ィルムからの熱伝導により昇温する。従って小サイズの
記録材を連続して処理すると、加熱体及びフィルムの非
通紙部昇温により駆動軸の温度も軸方向に関して均一で
なくなる。すると駆動軸の径は軸方向にわたって不均一
になる。
【0023】従来、無端フィルムを駆動する軸がテーパ
ー状に径に差をもった場合、大径方向にフィルムが変位
することが知られている。前記のように小サイズの記録
材を連続して加熱処理すると、駆動軸の軸方向の外形形
状が、加熱処理前に比べて時間的に変化することにな
り、フィルムの駆動が不安定になりやすいという問題点
があった。
【0024】さらにフィルムを100μm以下、とくに
50μm以下程度の薄肉で、ポリイミド等の弾性率の高
い材料を使った場合、フィルムの駆動軸上の変位方向が
不均一だとしわになる恐れもある。
【0025】特に加熱体として低熱容量のヒータを用い
ることのできるフィルム加熱方式の場合、加熱体の熱容
量が熱ローラ方式に比べて小さいので、加熱体の非通紙
部昇温も大きく、高温オフセットも発生しやすいという
問題点があった。
【0026】またフィルム加熱方式の場合、加熱体とフ
ィルムが摺動するが、従来から摩擦係数は、温度依存性
があることが知られている。本発明者らの実験による
と、加熱体とフィルム間の摩擦係数が変化するとフィル
ムの駆動軸方向変位速度が変化することが明らかになっ
ている。すると、加熱体の駆動軸方向の温度が不均一と
なり、フィルムの駆動安定性がさらに損なわれフィルム
がしわになる危険もますます大きくなるという問題点も
あった。
【0027】本発明の第3の目的は、上記のような問題
点を解決しようとするもので、非通紙部での昇温を緩和
し、昇温要因による定着フィルムの幅方向の変位としわ
の発生を予防し、高温オフセットも低減できる定着装置
を提供することを目的とするものである。
【0028】また従来のフィルム加熱方式の加熱装置に
用いられるフィルムとしては、基材に厚さ20〜40μ
mのポリイミドフィルムを用い、その外面側(記録材と
の対向面側)に記録材上のトナー像との離型性を保つた
めに厚さ5〜20μmのPTFEやPFAを離型層をコ
ートしたものが使われてきた。
【0029】これは、200℃以上に発熱するヒータ
(発熱体)と直接圧接しながら摺動する条件下におい
て、ポリイミド以外の樹脂フィルムでは、耐熱的にも、
強度的にも問題があるためである。
【0030】しかしながら、装置をより高速化、高耐久
化した場合に、特に50μm以下の薄肉のポリイミドフ
ィルムを用いると強度が足りないためにフィルムにしわ
が発生したり、フィルムが片側に寄る力が大きくなった
りする。このために記録材上のトナー像が乱されたり、
定着性が悪い部分が生じ、場合によっては、ジャムが発
生したり、フィルム両端の破れといった問題を生じた。
【0031】フィルムの機械的強度を上げるために、ポ
リイミドフィルムの厚さを厚くすると、熱伝導が極度に
悪くなり、フィルム加熱方式加熱装置の大きな利点であ
るクイックスタート性を損なったり、定着性が悪くなる
という問題もある。
【0032】そこで本発明の第4の目的は、フィルム加
熱方式の加熱装置について、クイックスタート性を損な
わずに、フィルムの強度を上げることができ、かつ画像
加熱定着装置にあっては十分な定着性を得ることができ
る、高速化・高耐久化できる、等の特徴を有するものを
提供することを目的とする。
【0033】また図25等に示すような加熱装置におい
ては、加圧ローラ121が加熱手段140に押し付けら
れていることにより、加圧ローラ121の芯金122は
撓むから、加圧ローラ121と定着フィルム123とで
形成されるニップ部の幅は加圧ローラ121の軸方向に
沿って変化し、記録材Pに対する定着性が損なわれるこ
とがある。特に、記録材の幅が広いとき、ニップ部の幅
が加圧ローラ121の軸方向に沿って著しく変化するか
ら、定着むらなどが発生し、定着性が著しく損なわれ
る。例えば、記録材の幅が広い場合、加圧ローラ121
が細長い場合、または加圧ローラ121の剛性が小さい
場合、図26に示すように、ニップ部の幅が加圧ローラ
121の軸方向に沿って加圧ローラ121の中央部に向
けて漸次減少し、記録材の幅方向中央部における定着性
が損なわれる。
【0034】本発明の第5の目的は、圧接部材に圧接さ
れることによってニップ部を形成する回転体の撓み、ま
たは圧接部材の撓みによって記録材に対する定着性等が
損なわれることを未然に防止することができる加熱装置
を提供することにある。
【0035】また、フィルム加熱方式の加熱装置に用い
られるフィルムとしては、基材に厚さ20〜40μmの
ポリイミドフィルムを用い、その外面側(記録材との対
向面側)に記録材上のトナー像との離型性を保つために
厚さ5〜20μmのPTEEやPFAの離型層をコート
したものが使われてきた。
【0036】これは、200℃以上に発熱するヒータ
(発熱体)と直接圧接しながら摺動する条件下におい
て、ポリイミド以外の樹脂フィルムでは、耐熱的にも、
強度的にも問題があるためである。
【0037】しかしながら、装置をより高速化、高耐久
化した場合に、特に50μm以下の薄膜のポリイミドフ
ィルムを用いると強度が足りないためにフィルムにしわ
が発生したり、フィルムが片側に寄る力が大きくなった
りする。このために記録材上のトナー像が乱されたり、
定着性が悪い部分が生じ、場合によっては、ジャムが発
生したり、フィルム両端の破れといった問題を生じた。
【0038】フィルムの機械的強度を上げるために、ポ
リイミドフィルムの厚さを厚くすると、熱伝導が極度に
悪くなり、フィルム加熱方式加熱装置の大きな利点であ
るクイックスタート性を損なったり、定着性が悪くなる
という問題もある。
【0039】本発明の第6の目的は、フィルム加熱方式
の加熱装置について、クイックスタート性を損なわず
に、フィルムの強度を上げることができ、かつ画像加熱
定着装置にあっては十分な定着性を得ることができる、
高速化・高耐久化できる、等の特長を有するものを提供
することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、前記
第1乃至第6の目的を達成するために、課題を解決する
ための手段は、特許請求の範囲に記載のとおりであり、
その作用は次のとおりである。
【0041】請求項1乃至4によれば、耐熱性フィルム
の一面側に加熱体を、他面側に被加熱材を密着させ、前
記耐熱性フィルムを介して加熱体の熱エネルギーを被加
熱材に付与する加熱装置において、加熱体と周囲部材と
の断熱状態を局部的に緩和させる、特に当該局部の温度
に応じて緩和させる事により、例えば様々なサイズの記
録材に対する画像の加熱定着等のための予熱レス加熱装
置として、小サイズの記録材を通紙した場合に於いて
も、非通紙部の加熱体の温度が過昇温する事がないた
め、加圧ローラのゴム材料の熱劣化を生じることがな
く、また、加圧ローラの熱膨張がほぼ均一で軸方向での
外径差を生じることがないため記録材のしわが発生した
り斜行したりする事を防止することができ、さらに小サ
イズ記録材の後に大きなサイズの記録材を通した場合で
もホットオフセットを発生することがない。
【0042】請求項5,6によれば、加熱体の背面即ち
ニップ部と反対側に、高熱伝導部材を断熱シートを介し
て設けることにより、被加熱材走行方向と直角方向、す
なわち加熱体長手方向の温度分布を平衡化し、非通紙部
昇温を低くおさえ、又、断熱シートを挟んでいることに
より、加熱体の背面から、高熱伝導部材に伝達する熱量
を所定の量に制限することにより、発熱体に電力を供給
しはじめた時から、加熱可能になるまでの時間すなわち
ウエイトタイムの短縮を可能にする。
【0043】請求項7乃至9によれば、長手方向の記録
材のサイズに合わせた長さの異なる発熱体を具備した定
着面を複数有するヒータをフィルム加熱装置であり、何
らかの方法により検知した記録材のサイズに合わせて、
適切な長さの発熱体を有するヒータ面を定着に使用する
ことにより、非通紙部での発熱を避け、非通紙部昇温を
無くし、余分な電力の消費を防ぎ、機内の昇温も低減す
ることができる。
【0044】請求項10,11によれば、耐熱性フィル
ムの一方面側を加熱し、他方面側に被加熱材を密着させ
て該フィルムを介して被加熱材に熱エネルギーを付与す
る加熱装置において、前記耐熱性フィルムが、ガラスク
ロスを基層とし、該基層の被加熱材との対面側に離型層
を設けたものとしたり、前記耐熱性フィルムが、セラミ
ックスを基層とし、該基層の被加熱材との対面側に離型
層を設けたものとしたので、ガラスクロス或はセラミッ
クスは高耐熱性・高耐久性に優れると共に、ポリイミド
に比べて熱伝導率が著しく良い。そのため厚みを大幅に
厚くして強度強化をしても同厚のポリイミドフィルム以
上の熱伝導性能を有するフィルム材とすることができ、
したがってフィルム加熱方式の加熱装置において、フィ
ルムを、ガラスクロス或はセラミックスを基層フィルム
とし、これに離型層を形成してなるものとすることによ
り、画像加熱定着装置にあっては、従来のポリイミドを
基層フィルムとしたフィルムと比べて、ガラスクロス或
はセラミックスの高い熱伝導率により、定着性に問題な
くクイックスタートが可能となり、厚みを厚くしても良
好な熱伝導性が維持されるので、厚みを厚くしてフィル
ムの強度強化を図ってフィルムのしわや両端破れの発生
を除去することができ、高速プリントにも十分に対応で
き、耐久性、信頼性に優れる。
【0045】請求項12によれば、回転体と圧接部材と
が互いに吸着可能に上記回転体に磁力を作用させる手段
が設けられていることにより、上記回転体に磁力が作用
するとき、上記回転体は磁化され、上記回転体と上記圧
接部材とは互いに吸着される。上記回転体が上記圧接部
材を吸着していることによって上記回転体の撓みは減少
され、上記回転体と上記圧接部材とで形成されるニップ
部は上記回転体の軸方向にほぼ均一になる。
【0046】請求項13乃至15によれば、炭素繊維、
金属繊維、アラミッド繊維、セラミックス繊維、ガラス
繊維等の耐熱繊維の織布は高耐熱性・高耐久性に優れる
と共に、ポリイミドに比べて熱伝導率が著しく良い。そ
のため厚みを大幅に厚くして強度強化をしても同厚のポ
リイミドフィルム以上の熱伝導性能を有するフィルム材
とすることができる。
【0047】したがってフィルム加熱方式の加熱装置に
おいて、フィルムを、これら耐熱繊維の織布を基層フィ
ルムとし、これに離型層を形成してなるものとすること
により、画像加熱定着装置にあっては、 .従来のポリイミドを基層フィルムとしたフィルムと
比べて、耐熱繊維の織布の高い熱伝導率により、定着性
に問題なくクイックスタートが可能となる、 .厚みを厚くしても良好な熱伝導性が維持されるの
で、厚みを厚くしてフィルムの強度強化を図ってフィル
ムのしわや両端破れの発生を除去することができる。
【0048】から高速プリントにも十分に対応でき、耐
久性、信頼性に優れた装置を構成することができる。
【0049】
【実施例】本実施例は不図示の画像形成装置における画
像加熱定着装置としての加熱装置の一例である。図1に
おいて24はエンドレスベルト状の定着フィルムであ
り、左側の駆動ローラ25と右側の従動ローラ26と、
該駆動ローラ25と従動ローラ26の下方に配置した加
熱体としての低熱容量線状加熱体20、の互いに平行な
該3部材20・25・26に懸回張設してある。
【0050】従動ローラ26はエンドレスベルト状の定
着フィルム24のテンションローラを兼ねさせており、
該定着フィルム24は駆動ローラ25の時計方向回転駆
動に伴い時計方向に所定の周速度、即ち不図示の画像形
成部から搬送されてくる未定着トナー画像Taを上面に
担持した転写材シート(記録材)Pの搬送速度と同じ周
速度を持ってシワや蛇行、速度遅れなく回転駆動され
る。
【0051】28は加圧部材としての、シリコーンゴム
等の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであ
り、前記のエンドレスベルト状定着フィルム24の下行
側フィルム部分を挟ませて前記低熱容量線状加熱体20
の下面に対して不図示の付勢手段により例えば総圧4〜
12kgの圧接力を持って対向圧接させてあり、転写材
シートPの搬送方向に順方向の反時計方向に回転する。
【0052】回転駆動されるエンドレスベルト状の定着
フィルム24は繰り返してトナー画像の加熱定着に供さ
れるから、耐熱性・離型性・耐久性に優れたもので、一
般的には100μm以下、好ましくは40μm以下の薄
肉のものを使用する。例えばポリイミド・ポリエーテル
イミド・PES・PFA(4フッ化エチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱
樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム例えば20
μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE
(4フッ化エチレン樹脂)・PFA等のフッ素樹脂に導
電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したも
のなどである。
【0053】加熱体(ヒータ)としての低熱容量線状加
熱体20は、本例のものは、定着フィルム横断方向(定
着フィルム24の走行方向に直角方向)を長手とする、
通電発熱体22・検温素子23・表面層30等を具備し
たヒータ基板21からなる。この加熱体20を剛性・高
耐熱性・断熱性を有する加熱体支持体27で固定支持さ
せてある。
【0054】ヒータ基板21は耐熱性・絶縁性・低熱容
量・高熱伝導性の部材であり、一例として厚み1mm・
幅16mm・長さ340mmのアルミナ基板である。
【0055】発熱体22は、基板21の下面の略中央部
に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)・Ta2
N等の電気抵抗材料を厚み約10μm、幅1〜3mm
にスクリーン印刷などにより細帯状に塗工したものであ
る。
【0056】その上に絶縁・保護を目的とした表面層3
0としてガラス層を備える。またさらにこの上に定着フ
ィルム24との摺擦摩擦を低減するためにPFA・PT
FE等の滑性表面をコートしても良い。
【0057】検温素子23は一例としてヒータ基板21
の上面(発熱体22を設けた面とは反対側の面)の略中
央部にスクリーン印刷などにより塗工して具備させたP
t膜等の低熱容量の測温抵抗体である。検温素子として
は、他に低熱容量のサーミスタなどをヒータ基板21に
当接配置する構成にしても良い。
【0058】本例の加熱体20は線状または帯状をなす
発熱体22に対しその長手方向両端部より通電し、発熱
体22をほぼ全長にわたって発熱させる。通電はAC1
00Vであり、検温素子23の検知温度に応じてトライ
アックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相
角を制御することにより通電電力を制御している。
【0059】画像形成スタート信号により画像形成部
(A)が動作して該画像形成部から定着装置に搬送され
た、未定着トナー画像Taを上面に担持した記録材Pは
ガイドに案内されて加熱体20と加圧ローラ28との圧
接部(定着部)Nの定着フィルム24と加圧ローラ28
との間に進入して、未定着トナー画像面かぜ記録材シー
トPの搬送速度と同一速度で同方向に回動状態の定着フ
ィルム24の下面に密着して面ズレやシワ寄りを生じる
ことなく定着フィルム24と一緒の重なり状態で加熱体
20と加圧ローラ28との相互圧接部N間を挟圧力を受
けつつ通過していく。加熱体20は画像形成スタート信
号により所定のタイミングで通電加熱されるので、トナ
ー画像Taは圧接部Nにおいて加熱を受けて軟化・溶融
像Tbとなる。
【0060】定着フィルム24は、加熱体支持体27の
曲率の大きいエッジ部S(曲率半径が約2mm)におい
て、急角度(屈曲角度θが略45°)で走行方向が転向
する。従って、定着フィルム24と重なった状態で圧接
部Nを通過して搬送されたシートPは、エッジ部Sにお
いて定着フィルム24から曲率分離し排紙されていく。
排紙される時までにはトナーは十分冷却固化しシートP
に完全に定着した状態(トナー画像Tc)となってい
る。
【0061】加熱体支持体27は線状加熱体20を機械
全体に対し断熱するもので、例えばPPS(ポリフェニ
レンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)、P
I(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケ
トン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹
脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料などで
構成できる。
【0062】本例においては小サイズ記録材通紙時の非
通紙部の昇温を抑えるためにこの加熱体支持体27の内
部に熱容量が大きく熱伝導率の高い例えば銅・アルミ等
の金属からなる調温体27aを有しており、低温状態で
はヒータ基板21に対し断熱されている。
【0063】本例の特徴をより明確にするため、図1の
主な部分の長手方向に関するX−Yの断面図を示したも
のが図2の(a)であり、図2の(b)はその拡大図で
ある。
【0064】20aはヒータ基板21の背面に取付られ
た熱膨張率、熱伝導率が高い材料、例えば亜鉛、アルミ
ニウム、銅からなる小熱容量の熱膨張材で、小サイズ記
録材通紙時の非通紙部に配置してある。低温時(定着温
度以下)では実線に示すように熱膨張材20aは調温体
27aに接触しておらず、従ってヒータ基板21は断熱
されている。
【0065】発熱体22及びヒータ基板21の熱容量が
小さいため、この断熱により圧接部Nにおける加熱体2
0の表面温度は僅かな時間にトナーの融点(又はシート
Pへの定着可能温度)に対し十分昇温するので、加熱体
20をあらかじめ昇温させておく(いわゆるスタンバイ
状態)必要がなく、小エネルギーが実現でき、しかも機
内昇温も防止できる。
【0066】一方小サイズ記録材を通紙した場合には加
熱体20の非通紙部の温度が上昇しはじめると、熱膨張
材20aは点線で示すように調温体27aに接触し、熱
膨張材20aが熱伝導路として作用して調温体27aに
熱を逃がすことにより、ヒータ基板21の断熱状態がこ
の部位で緩和される。
【0067】この接触する時のヒータ基板21の非通紙
部の温度は、定着温度を100℃以上超えないことが加
圧ローラなどの部材保護の点から望ましく、定着斑並び
にホットオフセットを避けるためには50℃以下に抑え
る事が好ましい。本例では、接触面積0.04cm2
の熱アルミニウム製熱膨張材を非通紙部に3箇所設置す
る事により、非通紙部の過昇温を50℃以上降下させる
事が可能となった。
【0068】本発明の他の実施例を図3の(a)及び
(b)を用いて説明する。加熱部を除く部分は第一の実
施例で述べたものと同じである。本例では小サイズ記録
材通紙時の非通紙位置のヒータ基板21の背面にバイメ
タル(熱膨張率の異なる金属を貼り合わせたもので温度
によって形状変化する)20bを配置し、加熱体支持体
27にはバイメタルと対向する位置に銅等からなる大熱
容量の調温体27を配してある。
【0069】低温時(定着温度以下)では実線に示すよ
うにバイメタル20bは調温体27bに接触しておら
ず、ヒータ基板21は断熱されていて、発熱体22及び
ヒータ基板21の熱容量が小さいため、この断熱により
圧接部Nにおける加熱体20の表面温度は僅かな時間に
トナーの融点(又はシートPへの定着可能温度)に対し
十分昇温する。
【0070】一方、本例において小サイズ記録材が通紙
されると、非通紙部のヒータ基板21上のバイメタル2
0bが変形し加熱体支持体27に設けられた調温体27
bに接触する。これにより熱流はバイメタル20bを通
じて調温体27bに逃がされ、ヒータ基板21の非通紙
部の断熱状態は緩和されて、非通紙部のヒータ基板の過
昇温を抑えることができる。
【0071】バイメタルの変位量は金属単体の熱膨張変
位に比べて大きく、断熱するためのエアーギャップ巾を
比較的広げることが可能で、誤接触や接触不良が起きに
くいという利点がある。
【0072】本発明の他の実施例を図4の(a),
(b)を用いて説明する。加熱部を除く部分は第一の実
施例で述べたものと同じである。本例では小サイズ記録
材通紙時の非通紙位置のヒータ基板21の背面にバイメ
タル20cを配置し、該バイメタル20cは低温時にヒ
ータ基板21から離脱する形にしてあり、高温時にヒー
タ基板21に沿うように設計されている。
【0073】支持体27には、上下運動が可能な銅等か
らなる大熱容量の調温体27cを配し、これは低温時に
はバイメタル20cによって断熱部Iを介して上方に位
置した状態となっており、ヒータ基板21には接触して
いない。高温時にはバイメタル20cは変形してヒータ
基板21に沿う形に変形し、調温体27cはヒータ基板
21に直接接触する系となる。
【0074】本例ではバイメタル20cが変形によっ
て、ヒータ基板21の温度の影響をより受け易くなるた
め、断熱状態の緩和を正確に且つ迅速に行えるという利
点がある。
【0075】さらに、本例ではヒータ基板21の断熱状
態の緩和を調温体27cのヒータ基板21への直接接触
という形で行うために、断熱状態を大規模に緩和できる
という利点がある。
【0076】請求項5,6の本発明の実施例を図5乃至
7について説明する。
【0077】図5,6において、47はエンドレスベル
ト状の耐熱性フィルムであり、左側の駆動ローラ48
と、右側の従動ローラ49と、該両ローラ48,49間
の下方に配置した加熱体としての低熱容量線状加熱体4
1の、該3部材48・49・41間に懸回調節してあ
る。
【0078】従動ローラ49はエンドレスベルト状のフ
ィルム47のテンションローラを兼ねさせており、該フ
ィルム7は、被加熱材例えば、駆動ローラ48の時計方
向回転駆動に伴ない時計方向に所定の周速度、即ち画像
形成部側から搬送されてくる未定着トナー画像Taを上
面に担持した記録材Pの搬送速度と同じ周速度をもって
しわや蛇行、速度遅れなく回動駆動される。
【0079】50は加圧部材としての、シリコンゴム等
の離形性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記のエンドレスベルト状フィルム47の下行側フィル
ム部分を挟ませて前記加熱体41の下面に対して不図示
の付勢手段により例えば総圧4〜10kgの当接圧をも
って対向圧接させてあり、被加熱材例えば、記録材Pの
搬送方向に順方向の反時計方向に軸を中心に回転する。
【0080】加熱体41はフィルム47の面移動方向と
交差する方向(フィルムの幅方向)を長手とする低熱容
量線状加熱体であり、ヒータ基板43、通電発熱抵抗体
(発熱体)44、検温素子45等よりなり、ヒータ支持
体42に取付け保持させて固定支持させてある。
【0081】ヒータ支持体42は、加熱体41を支持
し、定着器側板(不図示)に固定される構造部材であ
る。ヒータ支持体42は熱伝導率100kcal/hm
m℃以上を有する高熱伝導部材であり、本実施例ではア
ルミを使用している。断熱シート52は、熱伝導率0.
3kcal/mh℃を有する部材であり、本実施例で
は、厚さ0.6mmのPEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)シートを長手方向全域にわたり、ヒータ支持体
42と加熱体41の間に挟み込み使用している。0.1
〜1mmが好ましい。
【0082】フィルムガイド51はフィルムをガイドす
る耐熱性、耐摩耗性を有するもので本実施例ではPEE
Kを使用している。また高熱伝導部材は、その断面積
(記録材進行方向を左、加圧部材を下とした時に見える
高熱伝導部材の断面)を、約16mm2 以上とされ
る。
【0083】ヒータ基板43は耐熱性・絶縁性・低熱容
量の部材であり、一例として厚み1.0mm・巾12m
m・長さ340mmのアルミナ基板である。
【0084】発熱体44は基板43の下面(フィルム4
7との対面側)の略中央部に長手に沿って、例えば、A
g/Pd(銀パラジウム)、Ta2 N等の電気抵抗材
料を厚み約10μm・巾1〜3mmにスクリーン印刷等
により塗工し、その上に表面保護層として耐熱ガラス4
6を約10μmコートしたものである。
【0085】検温素子45は一例として基板43の上面
(発熱体44を設けた面とは反対側の面)の略中央部に
スクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の
低熱容量の測温抵抗体である。検温素子としては、他に
低熱容量のサーミスタなどを基板3に当接配置する構成
にしてもよい。
【0086】本例の加熱体41の場合は、線状又は帯状
をなす発熱体44に対し、その長手方向両端部より通電
し、発熱体44を略全長にわたって発熱させる。通電は
AC100Vであり、検温素子45の検知温度に応じて
トライアックを含む不図示の通電制御回路により通電す
る位相角を制御することにより、通電電力を制御してい
る。
【0087】耐熱性フィルム47は離形性・耐久性等の
ある、一般に総厚100μm以下、好ましくは40μm
以下の単層或いは複合層フィルムを使用できる。
【0088】画像形成の例で説明すれば、画像形成スタ
ート信号により前述例の画像形成装置が画像形成動作し
て定着装置へ搬送された、未定着のトナー画像Taを上
面に担持した記録材シートPはガイド58に案内されて
加熱体41と加圧ローラ50との圧接部(定着ニップ
部)の、耐熱性フィルム47と加圧ローラ50との間に
進入して、未定着トナー画像面がシートPの搬送速度と
同一速度で同方向に回動状態のフィルム47の下面に密
着して面ズレ・しわ・寄りを生じることなくフィルム4
7と一緒の重なり状態で加熱体41と加圧ローラ50と
の相互圧接部間を挟圧力を受けつつ通過していく。
【0089】加熱体41は画像形成スタート信号により
所定のタイミングで通電加熱されるので、トナー画像T
aは圧接部において加熱を受けて軟化・溶融像Tbとな
る。
【0090】フィルム47は、フィルムガイド51の曲
率の大きいエッジ部S(曲率半径が約2mm)におい
て、急角度(屈曲角度θが45°)で走行方向が転向す
る。従って、フィルム47と重なった状態で圧接部を通
過して搬送されたシートPは、エッジ部Sにおいてフィ
ルム47から曲率分離し、排紙トレイへ排紙されてゆ
く。排紙される時までにはトナーは十分冷却固化しシー
トPに完全に定着した状態(トナー画像Tc)となって
いる。
【0091】又、本実施例において、ヒータ支持体42
の役割は、長手方向(記録紙巾方向)への熱移動を行
い、長手方向の温度分布を均一にし、非通紙部昇温を防
止するものである。又断熱シート52は、加熱体41か
ら、ヒータ支持体42への熱移動を制限し、発熱体に電
圧を印加してから、加熱体41、加圧部材50が定着可
能温度に達するまでの時間を短くする役割をもつ。図7
に熱移動のモデルを示す。(a)は発熱体45に電力を
供給しはじめた状態を示す。発熱量の多くは、加圧部材
50及びヒータ基板43を昇温させるために用いられ、
ヒータ支持体42への熱伝達は微少である。それは発熱
体からみて、ヒータ支持体42は、熱抵抗の大きい位置
にあることで解る。
【0092】(b),(c)は各部が定着温度に達した
状態であり、かつ通紙が行なわれている状態である。加
熱体において、通紙領域と非通紙部では、下向きに流れ
る熱量が違う。そこで、上方へ流れる熱量が変化し、非
通紙部領域では、熱が上方へ流れ、ヒータ支持体42へ
伝達される。
【0093】ヒータ支持体では、熱伝導率が高いため、
非通紙領域から通紙領域へ熱移動が盛んに行なわれ、温
度は均一化される。
【0094】加熱体1においては、従来被加熱材の非通
過領域で昇温するが、上記実施例によれば、加熱体から
の一部の熱はヒータ支持体へ逃げ、ヒータ支持体内で長
手方向に均一化され、被加熱材の非通過領域における加
熱体の昇温を防止する。
【0095】請求項7乃至9の発明の実施例を図8乃至
図11について説明する。図8において71は、板金製
の横長ステーであり、後述するフィルム77の内面ガイ
ド部材となる。
【0096】ヒータ支持体76は、例えばPPS(ポリ
フェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミ
ド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、こ
れらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材
料などで構成できる。
【0097】77はエンドレスの耐熱性フィルムであ
り、加熱体75、ヒータ支持体76を含むステー71に
外嵌させてある。このエンドレスの耐熱性フィルム77
の内周長と加熱体75、ヒータ支持体76を含むステー
71の外周長はフィルム77の方を例えば3mm程大き
くしてあり、従ってフィルム77は加熱体75、ヒータ
支持体76を含むステー71に対して周長が余裕をもっ
てルーズに外嵌している。フィルム77は熱容量を小さ
くしてクイックスタート性を向上させるために、フィル
ム77の膜厚は、総厚100μm以下好ましくは40μ
m以下20μm以上の耐熱性、離型性、強度、耐久性等
のある単層、あるいは復合層フィルムを使用できる。
【0098】78は加熱体75との間でフィルム77を
挟んでニップ部を形成し、フィルムを駆動する回転体と
してのフィルム加圧ローラ(圧接ローラ、バックアップ
ローラ)であり、中心軸79に外装したシリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性体からなるローラ部80とから
なり、中心軸79の左右端部をそれぞれ左右不図示の軸
受け部材に回転自由に軸受け支持させてある。
【0099】上記のようなフィルム加熱装置において、
本実施例では、加熱体(ヒータ)75を、図9に示すよ
うに定着フィルムを介して加圧ローラ78との間で定着
ニップ部形成し定着を行なう面を2面有し、それぞれの
面において片側通紙基準、最大記録サイズA4縦の機械
において、発熱体82を幅1.5mm、長手方向長さを
210mm、180mmとしている。発熱体長さが21
0mmのヒータ面は、最大通紙サイズのA4サイズ縦送
りの時のものであり、発熱体長さが180mmのもの
は、B5サイズ縦送りの時のものである。不図示の記録
材サイズ検知手段により記録材のサイズがA4以下B5
を超えた時は、発熱体長さが210mmのヒータ面を用
い、B5以下の場合は、発熱体長さが180mmのヒー
タ面を用いる。
【0100】ヒータ面の切り換えは図8に示すようにヒ
ータ支持体76に固定されたシャフト83を回転させる
ことにより行なう。また本実施例の外シャフト83は、
加熱体75、ヒータ支持体76の支持、補強部材を兼ね
る。加熱体75の2つの定着面のなす角を140°と
し、2つの面の陵に丸みを持たせることにより、加圧を
かけたままで加熱体75の定着面の切り換えを行なうこ
とができる。発熱体82は、ヒータ基板73の下面の略
中央部に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)等
の電気抵抗材料を厚み約10μm、幅1〜3mmにスク
リーン印刷等により塗工、その上に絶縁、保護を目的と
したガラス層を備える。さらにこの上に定着フィルム7
7との摩擦を低減するためにPFA,PTFE等をコー
トしても良い。
【0101】図10は、本発明の他の実施例のヒータ基
板等を示したものである。
【0102】本実施例では、上記実施例と同様の原理を
用いた定着装置を最大通紙サイズがA3の機械におい
て、図10に示すように断面が正方形を示すようなヒー
タ構成をとり、そのうち3面にそれぞれ発熱体82の長
さを300mm,255mm,210mmとし、不図示
の記録材のサイズ検知手段により検知された記録材のサ
イズがB4以上A3以内のときは、発熱体82の長さが
300mmのヒータ面、A4以上B4未満のときは、2
55mmのヒータ面、A4未満の場合は、210mmの
ヒータ面を使用する。
【0103】本実施例では、ヒータ面が4面になってし
まうためヒータ自体の熱容量が大きくなってしまう。本
来フィルム加熱装置の大きな利点であるところのウェイ
トタイム(クイックスタート)を損なってしまう。この
ため本実施例では、それぞれのヒータ面の接合部分に断
熱材84を使用することにより、定着を行っている以外
の面に熱を奪われるのを防ぎこの問題を解決できた。
【0104】また本実施例では、ヒータが4面となって
いるために面と面のなす角度が90°となり、そのうえ
ヒータ長が長くなることからフィルムの保護、及び機械
的強度等が懸念されるが、定着面の切り換え時には、不
図示の加圧解除手段により加圧を解除することにより解
決できる。
【0105】図11は、本発明の更に他の実施例のヒー
タ基板等を示したものである。
【0106】本実施例では、図8の実施例と同様の定着
装置において図11に示すように加熱体を回転により切
り換えるがフィルム回転方向上流からヒータ面の発熱体
82の長さを210mm,180mmとし定着実行中の
面の下流側の面を内側ガイドとして使用する。その際、
発熱体82の長さが180mmの面には、180mm以
上210mm以内の位置に温度検知素子を具備し、最も
下流の面には、紙基準から最小通紙サイズ内に温度検知
素子72を具備することにより、定着直後のフィルムの
温度を測定でき、実際の定着温度に近い位置で測定を行
うことにより、より正確で簡易な温度制御を行なうこと
ができ、高低温オフセット、定着不良等を防止できると
いう利点を有する。
【0107】請求項10乃至11の発明の実施例を図1
2乃至15について説明すれば、図12は本発明に従う
加熱装置としての画像加熱定着装置の一例の概略構成図
である。本実施例の装置は、フィルム104をエンドレ
スベルトタイプにして回動搬送させて繰り返して使用す
る装置構成のものである。
【0108】フィルム104は、左側の駆動ローラ10
5と、右側の従動ローラ106と、該両ローラ105・
106間の下方に配置した加熱体(ヒータ)としての低
熱容量線状加熱体0の3部材105・106・0間に懸
回張設してある。
【0109】従動ローラ106はエンドレスベルト状フ
ィルム104のテンションローラを兼ねさせており、フ
ィルム104は駆動ローラ105の時計方向回転駆動に
伴い時計方向に所定の周速度、すなわち不図示の画像形
成部(G)側から搬送されてくる未定着トナー画像Ta
を上面に担持した記録材Pの搬送速度と同じ周速度をも
ってしわや蛇行、速度遅れなく回転駆動される。
【0110】108は加圧部材としてのシリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記のエンドレスベルト状フィルム104の下行側フィ
ルム部分を前記加熱体0との間に挟んで加熱体0の下面
に対して不図示の付勢手段により例えば総圧4〜7kg
の当接圧をもって対向圧接していて、記録材Pの搬送方
向に順方向の反時計方向回転する。
【0111】加熱体としての低熱容量線状加熱体0は、
本例のものは定着フィルム横断方向を長手とする横長の
剛性・高耐熱性・断熱性を有するヒータ支持体107
と、この支持体の下面側に長手に沿って一体に取り付け
保持されたヒータ基板101があり、ヒータ基板101
には発熱体102・検温素子(サーミスタ等)3等を具
備させてある。
【0112】ヒータ支持体107は加熱体0を定着装置
および画像形成装置全体に対し断熱支持するもので、例
えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI
(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK
(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマ等の高耐
熱性樹脂やこれらに樹脂とセラミックス、金属、ガラス
等との複合材料などで構成できる。
【0113】発熱体102は、耐熱性のあるセラミック
ス等でできた基板101の下面に長手に沿って、例えば
Ag/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料を厚み約
10μm、幅1〜3mmの細線状或は細帯状のパターン
でスクリーン印刷等により塗工形成したものであり、そ
の上に表面保護層としてのガラス層等をコートしてあ
る。
【0114】本実施例においては装置を耐熱性、離型
性、耐久性等のあるものとするために、フィルム104
を下記の複合層フィルムとした。図13は該複合層フィ
ルム104の層構成断面模式図である。
【0115】104aはフィルム104の基層であり、
フィルム内面側で直接に加熱体0に接触する高耐熱性・
高耐久性・高熱伝導性を有する層である。104bは該
基層フィルム104aの外面側に形成した離型層であ
り、非通紙時には加圧ローラと、通紙時には記録材Pと
接し、フィルム外面へのトナー付着を防止する。
【0116】具体的には、フィルム基層104aは、耐
熱性、耐久性、熱伝導性に優れた、例えば石英ガラス・
ソーダーガラス等の直径約2〜20μmのガラス繊維の
細線を織物加工し、厚み20〜150μmのエンドレス
ベルト状にしたもの(ガラスクロスフィルム)を用いる
ことができる。
【0117】これらのガラスクロスは絶縁部材であるた
め、加熱体0上に配置された発熱体102からの電流の
リークの心配がなく、特別な漏電防護機構をフィルム1
04及び加熱体0に施さなくともよい。
【0118】また熱伝導性が良いため、厚みを従来のポ
リイミドフィルムを基層に用いた定着フィルムより大幅
に厚くしても従来以上の熱伝導性を得ることが可能であ
る。例えば、ポリイミドと石英ガラスの熱伝導率を比較
すると、ポリイミド 4.26×10−4cal/cm
・sec・degに対し 石英ガラス 4.6×10−2cal/cm・sec・
degであり、材質自体の熱伝導の差に著しいものがあ
ることがわかる。
【0119】離型層104bは、例えばPTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PFA,FEP等のフッ素
樹脂や、シリコン樹脂などが好ましい。
【0120】基層104aに対する離型層104bの積
層形成は、離型層フィルム104bの接着ラミネート、
離型層材料の静電塗装・蒸着・CVD等の成膜技術によ
る積層などで行うことができる。
【0121】上記構成により、加熱性又は定着性テスト
を行った。
【0122】図12の装置において、フィルム104と
して基層104a 厚さ90μmのガラスクロス、離
型層104b 厚さ10μmのPTFEの総厚100μ
mの複合層フィルムを用いた。
【0123】比較例として、基層 厚さ40μmのポ
リイミド、離型層 厚さ10μmのPTFEの総厚50
μmの従来フィルムを用いた。
【0124】これらのフィルムを用いた装置について、
プロセススピード48mm/sec、低温(10℃)の
環境下で、加熱又は定着性のテストを行って比較してみ
た。
【0125】温調温度はサーミスタ103の検出温度が
180℃になるように制御した。
【0126】テスト方法としては、記録材Pとしてレタ
ーサイズの90g/m2 紙を用い、図15のような9
点において5mm角のベタ画像Tbを加熱定着処理した
プリントを出力させ、その初期の濃度と、20mm×2
0mmの断面を有し40g/cm2 の荷重を加えるお
もりにシルボンC紙を4重に被せて画像をこすったあと
の濃度の差から出る濃度定価率を測定した。
【0127】本実施例のフィルム104を用いたものは
フィルム基層104aにガラスクロスを用いているた
め、フィルム総厚が100μmと厚いにもかかわらず、
プリント1枚目の先端から濃度低下率は10%以下であ
り、プリント1枚目の後端からは5%以下となった。
【0128】これに対し比較例の従来フィルムを用いた
装置では、プリント1枚目の先端の濃度低下率は30〜
40%であり、プリント1枚目の後端でも20%以上
で、濃度低下率が5%以下となるのは連続プリントの5
枚目からであった。
【0129】このように本実施例の定着フィルム104
を用いるとフィルムの総厚を倍にし、強度を著しく増し
ているにもかかわらず、従来のものと比べて記録材ファ
ーストプリントから充分に熱を与えることができ、フィ
ルムの強度、耐久性も上っているため、従来に比べて高
速プリントにも対応可能である。
【0130】図14は本発明の他の実施例装置の定着フ
ィルム104の層構成断面模式図である。104cはフ
ィルム基層であり、本例においてはこのフィルム基層1
04cを、例えば窒化アルミ、窒化ケイ素、ジルコニア
等の熱伝導性の点で優れたセラミックスによって構成す
る。例えば、窒化アルミの熱伝導率は 4.0×10−1cal/cm・sec・deg であり、ポリイミドと比較して、極めて高い熱伝導性を
得ることができる。
【0131】104bはフィルム外面側の離型層であ
り、例えばPTFE,PFA,FEP等のフッ素樹脂
や、シリコン樹脂などを使用する。
【0132】本例の定着フィルム104は基層104c
に熱伝導性の高いセラミックスを用いているため従来の
ものよりも定着性の向上が図れるとともに、フィルムの
強度を上げることが可能となる。
【0133】また、フィルムの膜厚を厚くして更に強度
を増しても熱伝導が良いため、必要十分な定着性を得る
ことができる。
【0134】本実施例において、定着フィルム104と
して基層104c 厚さ40μmの窒化アルミ、離型
層104b 厚さ10μmPTFEで構成したものを用
いて、前記実施例と同じ定着性のテストを試みてみた。
【0135】その結果プリント1枚目の先端からの濃度
低下率は平均6%以下であり、プリント1枚目の後端か
ら3%以下となった。
【0136】これは前記実施例で示した実験結果と比較
して十分な定着性であるということができる。
【0137】以上のようにフィルムの基層をセラミック
スにすることで、フィルムの強度を上げ、かつ加熱乃至
定着性も高めることが可能となった。
【0138】請求項12の発明の実施例を図16乃至2
4について説明する。非磁性トナーからなる未定着トナ
ー像Taを永久画像Tcとして記録材Pに定着させる定
着装置は、図16に示すように、鉄またはパーマロイと
呼ばれる鉄とニッケルとの合金などの強磁性体からなる
中空円筒状の加圧ローラ126を備える。加圧ローラ1
26の表面には、離型性が優れている弗素コート層12
6aが形成されている。加圧ローラ126は図中の矢印
Aの方向に回転駆動される。
【0139】加圧ローラ126表面には無端ベルト状定
着フィルム123の表面が接触されている。定着フィル
ム123は、耐熱性、離型性、耐久性に優れている材質
からなり、その厚さ寸法は40μm以下である。例え
ば、定着フィルム123は、厚さ寸法が25μmである
ポリイミドなどの耐熱樹脂の単層フィルムからなる。ま
た、厚さ寸法が20μmであるポリイミドフィルムと、
その片面にPTFE,PFAなどの弗素樹脂に導電材が
添加され、厚さ寸法が10μmである離型性コート層と
からなる複合フィルムを定着フィルム123として用い
ることもできる。定着フィルム123は、駆動ローラ1
24と、従動ローラ125と、駆動ローラの下方に配置
されているガイドローラ124aと、従動ローラ125
の下方に配置されているガイドローラ125aとに掛け
渡されている。
【0140】定着フィルム123はその裏面側から加熱
手段140で加熱される。加熱手段140は剛性、高耐
熱性、断熱性がある支持体141を有する。支持体14
1は、ガイドローラ124aとガイドローラ125aと
の間に配置されている。支持体141には、低熱容量の
線状発熱体142と、温度検知素子143とが取り付け
られている。発熱体142は、基板にスクリーン印刷な
どによって形成され、銀パラジュームなどの電気抵抗材
からなる線状の通電発熱体からなる。発熱体142はそ
の長手方向が定着フィルムの幅方向に一致するように配
置されている。発熱体142と加圧ローラ126とは付
勢手段(図示せず)で互いに所定の力で押し付けられて
いる。発熱体142と加圧ローラ126との間の押付け
力は4〜7kgの範囲内の力に設定されている。
【0141】温度検知素子143は発熱体142の温度
を検知し、該温度検知素子143の検知温度は温度制御
手段(図示せず)に与えられる。温度制御手段は、温度
検知素子143の検知温度に基づき発熱体142への通
電を制御する。
【0142】支持体141に隣接する位置には、磁性体
144が配置されている。磁性体144の下面は定着フ
ィルム123の裏面に接触している。磁性体144の周
囲には、電磁コイル127が配置されている。電磁コイ
ル127に通電されると、図18に示すように、磁性体
144は磁化され、定着フィルム123に対向する部位
がN極である磁石になる。磁性体144はその磁力によ
って加圧ローラ126を吸着している。
【0143】磁性体144と加圧ローラ126との間に
挟まれている定着フィルム123と加圧ローラ126と
は、互いに協働して記録材Pを挟圧搬送するためのニッ
プ部を形成する。磁性体144と加圧ローラ126とは
互いに吸着されていることにより、加圧ローラ126の
撓みはなくなるから、加圧ローラ126と定着フィルム
123とで形成されるニップ部の幅寸法は加圧ローラの
軸方向(定着フィルム123の幅方向)に沿って均一に
なる。なお、本実施例では、図17に示すように、上記
ニップ部の幅寸法が1mmとなるように設定されてい
る。
【0144】定着時、駆動ローラ124および加圧ロー
ラ126は回転され、定着フィルム123は発熱体14
2で加熱されながら矢印Bが示す方向に循環される。定
着フィルム123の表面温度が所定の温度に到達した
後、非磁性トナーからなる未定着トナー像が形成されて
いる記録材Pは、定着フィルム123と加圧ローラ12
6とで形成されるニップ部に搬送、導入される。
【0145】記録材Pのニップ部の通過中、記録材P上
の未定着トナー像Taは加熱および加圧によって記録材
Pに永久画像Tcとして定着される。加圧ローラ126
と定着フィルム123とで形成されるニップ部の幅寸法
は加圧ローラ126の軸方向(定着フィルム123の幅
方向)に沿って均一であるから、記録材Pに対する定着
性を加圧ローラ126の軸方向に均一にすることがで
き、良好な定着性を得ることができる。
【0146】なお、本実施例では、電磁石を用いている
が、これに代えて永久磁石を用いることもできる。ま
た、本定着装置は非磁性トナーからなる未定着トナー像
の記録材への定着に適用されているが、非磁性のカラー
トナーからなる未定着トナー像の記録材への定着に適用
することもできる。
【0147】次に、他の加熱装置について図19に基づ
き説明する。図19は本発明の加熱装置の他の実施例を
示す構成図である。
【0148】他の定着装置は、ハロゲンヒータ130が
内蔵され、強磁性体からなる加熱ローラ131と、付勢
手段(図示せず)で加熱ローラ131に回転可能に圧接
され、強磁性体からなる加圧ローラ132とを備え、加
熱ローラ131と加圧ローラ132とは互いに協働して
記録材Pを挟圧搬送するためのニップ部を形成する。
【0149】加熱ローラ131の上方および加圧ローラ
132の下方には、強磁性体からなるヨーク128がそ
れぞれ配置されている。各ヨーク128は対応する電磁
コイル127で磁化される。各ヨーク128の間には、
上方ヨーク128のN極から下方ヨーク128のS極に
向かう磁力線Gに沿う磁力が作用している。上記磁力の
作用によって加熱ローラ131と加圧ローラ132とは
互いに吸着されていることにより、加熱ローラ131お
よび加圧ローラ132の撓みが少ないから、加熱ローラ
131と加圧ローラ132とで加熱ローラ131の軸方
向にほぼ均一に広がるニップ部を形成することができ
る。
【0150】定着時、加熱ローラ131は矢印Cが示す
方向に回転駆動され、加熱ローラ131の回転に伴い加
圧ローラ132は矢印Dが示す方向に従動回転される。
加熱ローラ131の表面温度が定着温度に保持された
後、非磁性トナーからなる未定着トナー像が形成されて
いる記録材Pはニップ部に搬送、導入される。記録材P
のニップ部の通過中、未定着トナー像は加熱、加圧され
ることによって記録材Pに永久画像として定着される。
加熱ローラ131と加圧ローラ132とで形成されるニ
ップ部は加熱ローラ131の軸方向にほぼ均一に広がる
から、非磁性トナーからなる未定着トナー像を永久画像
として記録材Pに良好に定着させることができる。
【0151】なお、キューリー点以上の温度で磁力はな
くなるが、加熱ローラ131の表面温度を約200℃前
後に保持していることにより何ら問題は生じない。
【0152】次に、さらに他の定着装置について図20
に基づき説明する。図20は本発明の加熱装置のさらに
他の実施例を示す構成図である。
【0153】さらに他の定着装置は、付勢手段(図示せ
ず)で互いに圧接されている一対の圧定ローラ133,
134を備える。各圧底ローラ133,134は互いに
協働して記録材Pを挟圧搬送するためのニップ部を形成
し、圧定ローラ133に対する圧定ローラ134の押圧
力は付勢手段で未定着トナー像を記録材Pに定着可能な
圧力に設定されている。上記押圧力は加熱加圧方式によ
る圧力より高く設定されている。
【0154】圧定ローラ133の上方および圧定ローラ
134の下方には、強磁性体からなるヨーク128がそ
れぞれ配置されている。各ヨーク128は対応する電磁
コイル127で磁化される。各ヨーク128の間には、
上方ヨーク128のN極から下方ヨーク128のS極に
向かう磁力線Gに沿う磁力が作用し、各圧定ローラ13
3,134は互いに吸着されている。各圧定ローラ13
3,134は互いに高い押圧力で圧接されているが、互
いに吸着している各圧定ローラ133,134は付勢手
段からの押圧力によって撓まないから、各圧定ローラ1
33,134で圧定ローラ133の軸方向に均一に広が
るニップ部を形成することができる。
【0155】定着時、圧定ローラ133は矢印Cが示す
方向に回転駆動され、圧定ローラ133の回転に伴い圧
定ローラ134は矢印Dが示す方向に従動回転される。
非磁性トナーからなる未定着トナー像が形成されている
記録材Pはニップ部に搬送、導入される。記録材のニッ
プ部の通過中、ニップ部は未定着トナー像は加圧される
ことによって記録材Pに永久画像として定着される。各
圧定ローラ133,134で形成されるニップ部は圧定
ローラ133の軸方向に均一に広がるから、非磁性トナ
ーからなる未定着トナー像を永久画像として記録材Pに
良好にに定着させることができる。
【0156】なお、本実施例では、一対の圧定ローラ1
33,134と一対の電磁コイルを用いているが、一対
の圧定ローラと一つの電磁コイルとの組み合わせでも良
い。
【0157】次に、さらに他の加熱装置について図21
に基づき説明する。図21は本発明の定着装置のさらに
他の実施例を示す構成図である。
【0158】さらに他の定着装置は、強磁性体からなる
3個の圧定ローラ133,134,135を備える。圧
定ローラ135は圧定ローラ133と圧定ローラ134
との間に配置され、圧定ローラ133は圧定135に圧
接され、圧定ローラ135は圧定ローラ134に圧接さ
れている。各圧定ローラ133,135および各圧定ロ
ーラ134,135は互いに協働して記録材Pを挟圧搬
送するためのニップ部をそれぞれ形成し、各ニップ部に
おける記録材Pに対する押圧力は付勢手段で未定着トナ
ー像を記録材Pに定着可能な圧力に設定されている。圧
定ローラ134はモーターMで矢印Cが示す方向に回転
され、圧定ローラ134の回転に伴い圧定ローラ135
は矢印Dが示す方向に従動回転される。圧定ローラ13
5の回転に伴い圧定ローラ133は矢印Cが示す方向に
従動回転される。
【0159】圧定ローラ133の上方および圧定ローラ
134の下方には、強磁性体からなるヨーク128がそ
れぞれ配置されている。各ヨーク128は対応する電磁
コイル127で磁化される。各ヨーク128の間には、
上方ヨーク128のN極から下方ヨーク128のS極に
向かう磁力線Gに沿う磁力が作用し、各圧定ローラ13
3,134,135は互いに吸着されている。各圧定ロ
ーラ133,135のニップ部および各圧定ローラ13
4,135のニップ部の幅は圧定ローラ133の軸方向
に沿って均一になる。
【0160】なお、本実施例では、3個の圧定ローラを
用いているが、さらに圧定ローラの数を増すこともでき
る。例えば、図27に示すように、4個の圧定ローラ1
33,134,135,136を使用し、各圧定ローラ
133,134,135,136にヨーク8と電磁コイ
ル127とで形成される磁力を作用させる定着装置を構
成することができる。また、図23に示すように、直列
に配列されている5個の圧定ローラ133,134,1
35,136,137を使用し、各圧定ローラ133,
134,135,136,137にヨーク128と電磁
コイル127とで形成される磁力を作用させる定着装置
を構成することもできる。さらに、図24に示すよう
に、大径の圧定ローラ138と、その外周面に沿って配
置されている小径の圧定ローラ139とを使用し、大径
の圧定ローラ138内に配置されているヨーク128と
電磁コイル127とで形成される磁力を小径の圧定ロー
ラ139に作用させる定着装置を構成することもでき
る。圧定ローラの数の増加に伴い多数のニップ部が形成
されている定着装置では、記録材Pに対する圧力定着回
数が増すことにより、各ニップ部における定着圧力が軽
減されるから、ニップ部の幅の均一化を容易にすること
ができ、良好な定着性を得ることができる。
【0161】請求項13乃至15の実施例を図27乃至
33について説明する。
【0162】(1)装置構成 図27は本発明に従う加熱装置としての画像加熱定着装
置の一例の概略構成図である。本実施例の装置は、フィ
ルム164をエンドレスベルトタイプにして回動搬送さ
せて繰り返して使用する装置構成のものである。
【0163】フィルム164は、左側の駆動ローラ16
5と、右側の従動ローラ166と、該両ローラ165,
166間の下方に配置した加熱体(ヒータ)としての低
熱容量線状加熱体0の3部材165・166・0間に懸
回張設してある。
【0164】従動ローラ166はエンドレイベルト状フ
ィルム164のテンションローラを兼ねさせており、フ
ィルム164は駆動ローラ165の時計方向回転駆動に
伴い時計方向に所定の周速度、すなわち不図示の画像形
成部(G)側から搬送されてくる未定着トナー画像Ta
を上面に担持した記録Pの搬送速度と同じ周速度をもっ
てしわや蛇行、速度遅れなく回転駆動される。
【0165】168は加圧部材としてのシリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記エンドレスベルト状フィルム164の下行側フィル
ム部分を前記加熱体0との間に挟んで加熱体0の下面に
対して不図示の付勢手段により例えば総圧4〜7kgの
当接圧をもって対向圧接していて、記録材Pの搬送方向
に順方向の反時計方向回転する。
【0166】加熱体としての低熱定量線状加熱体0は、
本例のものは定着フィルム横断方向を長手とする横長の
剛性・高耐熱性・断熱性を有するヒータ支持体167
と、この支持体の下面側に長手に沿って一体に取り付け
保持されたヒータ基板161があり、ヒータ基板161
には発熱体162・検温素子(サーミスタ)163等を
具備させてある。
【0167】ヒータ支持体167は加熱体0を定着装置
および画像形成装置全体に対し断熱支持するもので、例
えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI
(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK
(ポリエーテルエーテルケトン)、液晶ポリマ等の高耐
熱性樹脂やこれらに樹脂とセラミックス,金属,ガラス
等との複合材料などで構成できる。
【0168】発熱体162は、耐熱性のあるセラミック
ス等でできた基板161の下面に長手に沿って、例えば
Ag/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料を厚み約
10μm、巾1〜3mmの細線状或は細帯状のパターン
でスクリーン印刷等により塗工形成したものであり、そ
の上に表面保護層としてのガラス層等をコートしてあ
る。
【0169】(2)フィルム164 本実施例においては装置を耐熱性、離型性、耐久性等の
あるものとするために、フィルム164を下記の複合層
フィルムとした。図28は該複合層フィルム164の層
構成断面模式図である。
【0170】164aはフィルム164の基層であり、
フィルム内面側で直接に加熱体0に接触する高耐熱性・
高耐久性・高熱伝導性を有する層である。164bは該
基層高164aの外面側に形成した離型層であり、非通
紙時には加圧ローラと、通紙時には記録材Pと接し、フ
ィルム外面へのトナー付着を防止する。
【0171】具体的には、フィルム基層164aは、耐
熱性、耐久性、熱伝導性に優れた、例えば、炭素繊維、
金属繊維、アラミッド繊維、セラミックス繊維、ガラス
繊維等の直径約2〜20μmの耐熱繊維の細線を織物加
工し、厚み20〜150μmのエンドレスベルト状にし
たもの(織布)を用いることができる。
【0172】これらの耐熱繊維織布は絶縁部材であるた
め、加熱体0上に配置された発熱体162からの電流の
リークの心配がなく、特別な漏電防護機構をフィルム1
64及び加熱体0に施さなくともよい。
【0173】また熱伝導性が良いため、厚みを従来のポ
リイミドフィルムを基層に用いた定着フィルムより大幅
に厚くしても従来以上の熱伝導性を得ることが可能であ
る。
【0174】例えばポリイミドとその他の耐熱繊維の熱
伝導率を比較すると、表1に示すとおりである。
【0175】
【表1】
【0176】表1に示されるように、アラミッド繊維以
外は、著しくポリイミドより熱伝導率が大きいことが判
る。
【0177】またアラミッド繊維は、ポリイミドフィル
ムに比べていくらか熱伝導率で劣るが、繊維方向に強度
が有るため、これを織布とすることで薄くても充分な強
度を得られるので結果的にフィルムの熱容量を減少させ
ることができるので、他の繊維と同様に、ポリイミドよ
り熱伝達の良いフィルムとすることが可能である。
【0178】離型層164bは、例えばPTEE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PFA、FEP等のフッ素
樹脂や、シリコン樹脂などが好ましい。
【0179】基層164aに対する離型層164bの積
層形成は、離型層フィルム164bの接着ラミネート、
離型層材料の静電塗装、スプレーコート、ディッピング
等の成膜技術による積層などで行うことができる。
【0180】(3)定着性テスト 図27の装置において、定着フィルム164として基層
164a 厚さ90μmの炭素繊維織布、離型層16
4b 厚さ10μmのPTFEの総厚100μmの複合
層フィルムを用いた。
【0181】比較例として、基層 厚さ40μmのポ
リイミド、離型層 厚さ10μmのPTFEの総厚50
μmの従来フィルムを用いた。
【0182】これらのフィルムを用いた装置について、
プロセススピード48mm/sec、低温(10℃)の
環境下で、定着性のテストを行って比較してみた。
【0183】温調温度はサーミスタ163の検出温度が
180℃になるように制御した。
【0184】テスト方法としては、記録材Pとしてレタ
ーサイズの90g/m2 紙を用い、図30のような9点
において5mm角のベタ画像Tbを加熱定着処理したプ
リントを出力させ、その初期の濃度と、20mm×20
mmの断面を有し40g/cm2 の荷重を加えるおもり
にシルボンC紙を4重に被せて画像をこすったあとの濃
度の差から出る濃度低下率を測定した。
【0185】本実施例のフィルム164を用いたものは
フィルム基層164aに炭素繊維織布を用いるため、フ
ィルム総厚が100μmと厚いにもかかわらず、プリン
ト1枚目の先端から濃度低下率は10%以下であり、プ
リント1枚目の後端からは5%以下となった。
【0186】これに対し比較例の従来フィルムを用いた
装置では、プリント1枚目の先端の濃度低下率は30〜
40%であり、プリント1枚目の後端でも20%以上
で、濃度低下率が5%以下となるのは連続プリントの5
枚目からであった。
【0187】このように本実施例の定着フィルム164
を用いるとフィルムの総厚を倍にし、強度を著しく増し
ているにもかかわらず、従来のものと比べて記録材ファ
ーストプリントから充分に熱を与えることができ、フィ
ルムの強度、耐久性も上っているため、従来に比べて高
速プリントにも対応可能である。
【0188】本例では炭素繊維の織布について説明した
が、他の耐熱繊維でも良好な結果が得られる。
【0189】次に本発明の他の実施例について説明す
る。
【0190】上述実施例では、一種類の繊維からなる糸
を図29のように織ったものであったが、例えば、図3
1のように縦糸mと横糸lとを材質を変えても良い。縦
糸がフィルム径方向、横糸がフィルム軸方向とすると、
フィルムとして径方向の熱膨張による伸びはフィルム駆
動の安定性から見て好ましくない。
【0191】従ってフィルムの径方向には、熱膨張の少
ないアラミッド繊維の方が金属繊維や炭素繊維より好ま
しい。なぜなら、線膨張率からすると、アラミッド繊維
20×10-6に比べて金属繊維は16×10-6と大きい
からである。逆にフィルム軸方向の温度分布は均一な方
が好ましくそのためにはフィルム軸方向は熱伝導性の良
い金属繊維やセラミックス繊維の方が好ましい。
【0192】そこでこれらの繊維の特性に応じて縦、横
の糸の材質を選択すれば、強力でかつ熱伝導性の良い定
着用フィルムを作ることができる。
【0193】あるいは図32のように縦、横とも1つお
き等交互に異なる繊維の糸を配しても良い。これによっ
て縦横いずれの方向に対しても寸法安定性を保つことが
可能となる。
【0194】これまでは2種類の糸について説明したが
3種類以上を用いても良い。
【0195】本発明のさらに他の実施例について説明す
る。
【0196】前述2つの実施例では1本の糸は単一繊維
からなっていた。しかし、より寸法安定性、強度の向上
を図るため、図33のように1本の糸の中に多数種繊維
を入れることも可能であり、これによってより定着用フ
ィルムに適した特性すなわち熱伝導性、耐熱性、寸法安
定性といったものを得ることができる。なお図33は1
本の糸の断面で、A,B,Cはそれぞれ異なる繊維の断
面を示す。
【0197】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至4の
発明によれば、耐熱性フィルムの一面側に加熱体を、他
面側に被加熱材を密着させ、前記耐熱性フィルムを介し
て加熱体の熱エネルギーを被加熱材に付与する加熱装置
において、加熱体と周囲部材との断熱状態を局部的に緩
和させる、特に当該局部の温度に応じて緩和させる事に
より、例えば様々なサイズの記録材に対する画像の加熱
定着等のための予熱レス加熱装置として、小サイズの記
録材を通紙した場合に於いても、非通紙部の加熱体の温
度が過昇温する事がないため、加圧ローラのゴム材料の
熱劣化を生じることがなく、また、加圧ローラの熱膨張
がほぼ均一で軸方向での外径差を生じることがないため
記録材のしわが発生したり斜行したりする事を防止する
ことができ、さらに小サイズ記録材の後に大きなサイズ
の記録材を通した場合でもホットオフセットを発生する
ことがない加熱装置の実現が可能になる。
【0198】請求項5,6の発明によれば、従来では、
小サイズ紙を連続して通紙する場合、非通紙部が昇温す
るという問題かあったが、ヒータ背面に光熱伝導部材を
断熱シートを介して、当接させることにより、定着器の
立上り時間(電力を供給しはじめてから定着可能温度に
達する時間)を長くすることなく、非通紙部昇温を低下
させることができ、その結果、各部品の耐熱温度を越え
るような非通紙部昇温が発生せず、定着装置の高信頼
性、高耐久性を実現できる。
【0199】請求項7乃至9の発明によれば、フィルム
加熱装置において記録材サイズに合わせた長手方向の長
さをなす、発熱体を具備する面を複数持ち、それらを記
録材のサイズに合わせ切り換えることにより、小サイズ
の記録材を連続加熱処理する際の非通紙部昇温を緩和
し、昇温要因によるフィルムの幅方向の変位及びしわを
予防し、小サイズ記録材の連続加熱処理直後のサイズの
大きい記録材通紙時の高温オフセットを低減する効果が
ある。
【0200】請求項10,11の本発明によれば、クイ
ックスタート性を損なわずに、フィルムの強度を上げる
ことができ、かつ画像加熱定着装置にあっては十分な定
着性を得ることができる、高速化・高耐久化できる、等
の特長を有するフィルム加熱方式の加熱装置を得ること
ができる。
【0201】請求項12の発明によれば、回転体が圧接
部材を吸着していることによって回転体の撓みは減少さ
れるから、回転体と圧接部材とで形成されるニップ部の
幅は回転体の軸方向に均一になり、非磁性トナーからな
る未定着トナー像の記録材への加熱性を向上させること
ができる。
【0202】請求項13乃至15の発明によれば、クイ
ックスタート性を損なわずに、フィルムの強度を上げる
ことができ、かつ画像加熱定着装置にあっては十分な定
着性を得ることができる。高速化・高耐久化できる、等
の特長を有するフィルム加熱方式の加熱装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す加熱装置の構成概略縦断
面図
【図2】本発明の実施例を示す加熱装置の長手方向断面
図及び長手方向断面図拡大図、
【図3】本発明の他の実施例を示す加熱装置の長手方向
断面図及び長手方向断面図拡大図
【図4】本発明の他の実施例を示す加熱装置の長手方向
断面図及び長手方向断面図拡大図
【図5】本発明の他の実施例の加熱装置の断面図
【図6】図5の加熱装置の概略斜視図
【図7】図5の加熱装置の熱移動を表したモデル図
【図8】本発明の他の実施例を示した断面図
【図9】図8のヒータ基板を拡大して示した斜視図
【図10】本発明の他の実施例の一部を示した斜視図
【図11】本発明の他の実施例の一部を示した説明図
【図12】本発明の他の実施例装置の概略構成図
【図13】耐熱性フィルムの層構成断面模式図
【図14】本発明の他の実施例の耐熱性フィルムの層構
成断面模式図
【図15】本発明の加熱装置を定着性テストに用いた画
像サンプルのパターン図
【図16】本発明の加熱装置の他の実施例を示す構成図
【図17】図16の加熱装置が形成するニップ部の領域
を示す平面図
【図18】図16の加熱装置の電磁コイルに流される電
流と磁場との関係を示す図
【図19】本発明の加熱装置の他の実施例を示す構成図
【図20】本発明の加熱装置のさらに他の実施例を示す
構成図
【図21】本発明の加熱装置のさらに他の実施例を示す
構成図
【図22】本発明の加熱装置のさらに他の実施例を示す
構成図
【図23】本発明の加熱装置のさらに他の実施例を示す
構成図
【図24】本発明の加熱装置のさらに他の実施例を示す
構成図
【図25】従来のサーフ式加熱装置を示す構成図
【図26】図25の加熱装置が形成するニップ部の領域
を示す平面図
【図27】本発明の他の実施例装置の概略構成図
【図28】定着フィルムの層構成断面模式図
【図29】本発明による加熱装置における織パターンの
第1例を示す図
【図30】定着性テストに用いた画像サンプルのパター
ン図
【図31】本発明による織パターンの第2例を示す図
【図32】本発明による織パターンの第3例を示す図
【図33】本発明による加熱装置におけるフィルムに用
いられる糸の一例の断面図
【符号の説明】
20…加熱体 20a…熱膨張材 20b,20c…バイメタル 21…ヒータ基板 24…定着フィルム 27…加熱体支持
体 27a,27b,27c…調温体 P…記録材 41…加熱体 42…ヒータ支持
体、 51…フィルムガイド 52…断熱シート 71…ステー 72…温度検知素
子 73…ヒータ基板 75…加熱体 77…耐熱性フィルム 82…発熱体 84…断熱材 0…加熱体 101…ヒータ基板 102…発熱体 103…検温素子 104…定着フィ
ルム 104a…フィルム基層(ガラスクロス) 104C…フィルム基層(セラミックス) 104b…離型層 105…駆動ロー
ラ 106…従動ローラ 107…ヒータ支
持体 108…加熱ローラ 123…定着フィ
ルム 126,132…加圧ローラ 127…電磁コイ
ル 128…ヨーク 131…加熱ロー
ラ 133〜139…圧定ローラ 144…磁性体 P…記録材 Ta…未定着トナ
ー像 Tc…永久画像 161…ヒータ基板 162…発熱体 163…検温素子 164…定着フィ
ルム 164a…フィルム基層(耐熱繊維織布) 164b…離型層 165…駆動ロー
ラ 166…従動ローラ 167…ヒータ支
持体 168…加熱ローラ A,B,C,l,
m…耐熱繊維

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性フィルムの一面側に加熱体を、他
    面側に被加熱材を密着させ、前記耐熱性フィルムを介し
    て加熱体の熱エネルギーを被加熱材に付与する加熱装置
    において、 加熱体と周囲部材との断熱状態を局部的に可逆的に緩和
    させる手段を有することを特徴とした加熱装置。
  2. 【請求項2】 耐熱性フィルムの一面側に加熱体を、他
    面側に被加熱材を密着させ、前記耐熱性フィルムを介し
    て加熱体の熱エネルギーを被加熱材に付与する加熱装置
    において、 熱拡散媒体、或いは吸熱媒体、若しくは熱拡散媒体或い
    は吸熱媒体に良好な熱接触を持つ熱伝導体を有し、 該熱拡散媒体、或いは該吸熱媒体、若しくは熱拡散媒体
    或いは吸熱媒体に良好な熱接触を持つ該熱伝導体は、加
    熱体の局部的な部位、若しくは加熱体の局部的な部位に
    良好な熱接触をもつ熱伝導体に対して接触と非接触とを
    可能ならしめることを特徴とした加熱装置。
  3. 【請求項3】 加熱体の断熱状態の局部的な緩和は加熱
    体の当該局部の温度が所定温度以上で行われ、加熱体の
    当該局部の温度が所定温度以下においては加熱体は再び
    断熱される事を特徴とした請求項1記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】 熱拡散媒体、或いは吸熱媒体、若しくは
    熱拡散媒体或いは吸熱媒体に良好な熱接触を持つ伝導体
    と、加熱体の局部的な部位、若しくは加熱体の局部的な
    部位に良好な熱接触を持つ熱伝導体とは、該加熱体の局
    部的な部位の温度が所定温度以上の場合に接触し、該加
    熱体の局部的な部位の温度が所定温度以下の場合に非接
    触となることを特徴とした請求項2記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】 走行駆動される耐熱性フィルムと、該フ
    ィルムを挟んで圧接する加熱体と加圧部材を有し、該フ
    ィルムを挟んで加熱体と加圧部材との加圧で形成される
    ニップ部のフィルムと加圧部材との間に被加熱材を導入
    して走行するフィルムと共にニップ部を移動通過させる
    ことで加熱体から該フィルムを介して被加熱材に熱エネ
    ルギーを与えて加熱する装置において、 前記加熱体に、加熱体と該フィルムの当接面の反対側に
    おいて、熱伝導率100(kcal/mh℃)以上の高
    熱伝導部材を設け、かつ加熱体と高熱伝導部材との間に
    熱伝導率0.3(kcal/mh℃)以下の断熱シート
    を挟み設けることを特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記断熱シートの厚さを0.1〜1mm
    とし、かつ、前記高熱伝導部材の断面積を16mm2
    以上としたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 耐熱性フィルムと、該フィルムを中心に
    してその一方面側に配置された加熱体と、他方面側に該
    加熱体に対向して配備されて該加熱体に対して該フィル
    ムを介して被加熱材を密着させる加圧部材とを有し、走
    行する該フィルムと導入された該被加熱材とを前記加熱
    体と加圧部材の圧接で形成されるニップ部を通過させる
    ことにより該被加熱材を該フィルムを介して前記加熱体
    で加熱する装置において、前記ニップ部を通過する被加
    熱材の幅方向の長さの異なった発熱体を有する少なくと
    も2面以上の加熱体面を有し、かつ、被加熱材の大きさ
    に合わせて加熱体面を切り換える手段を有することを特
    徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】 温度検知素子設置位置が加熱体定着面の
    該フィルム進行方向下流面になっている請求項7記載の
    加熱装置。
  9. 【請求項9】 複数の定着面の接合部分に断熱材を有し
    ている請求項7記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】 耐熱性フィルムの一方面側を加熱し、
    他方面側に被加熱材を密着させて該フィルムを介して被
    加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置において、前
    記耐熱性フィルムが、ガラスクロスを基層とし、該基層
    の被加熱材との対面側に離型層を設けたものであること
    を特徴とする加熱装置。
  11. 【請求項11】 耐熱性フィルムの一方面側を加熱し、
    他方面側に被加熱材を密着させて該フィルムを介して被
    加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置において、前
    記耐熱性フィルムが、セラミックスを基層とし、該基層
    の被加熱材との対面側に離型層を設けたものであること
    を特徴とする加熱装置。
  12. 【請求項12】 強磁性体からなる少なくとも一つの回
    転体と該回転体に圧接されている圧接部材とでニップ部
    を形成し、該ニップ部に被加熱材を搬送導入し該被加熱
    材を加熱する加熱装置において、上記回転体と上記圧接
    部材とが互いに吸着可能に上記回転体に磁力を作用させ
    る手段を備えることを特徴とする加熱装置。
  13. 【請求項13】 耐熱性フィルムの一方の面側を加熱
    し、他方面側に被加熱材を密着させて該フィルムを介し
    て被加熱材に熱エネルギーを付与する加熱装置におい
    て、前記耐熱性フィルムが、耐熱繊維の織布を基層と
    し、該基層の被加熱材との対面側に離型層を設けたもの
    であることを特徴とする加熱装置。
  14. 【請求項14】 織布が繊維の異なる糸を用いて織られ
    ていることを特徴とする請求項13記載の加熱装置。
  15. 【請求項15】 織布が異なる繊維の混紡した糸を用い
    て織られていることを特徴とする請求項13記載の加熱
    装置。
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