JPH0667396B2 - 眼内レンズ - Google Patents
眼内レンズInfo
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- JPH0667396B2 JPH0667396B2 JP62032933A JP3293387A JPH0667396B2 JP H0667396 B2 JPH0667396 B2 JP H0667396B2 JP 62032933 A JP62032933 A JP 62032933A JP 3293387 A JP3293387 A JP 3293387A JP H0667396 B2 JPH0667396 B2 JP H0667396B2
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- JP
- Japan
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- lens
- capsule
- balloon body
- intraocular lens
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Description
【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は眼内レンズに係り、特に白内障術後の視力矯正
用レンズ等として好適に用いられ得る、小切開口から挿
入可能で、嚢内に挿入した場合でも組織への損傷が少な
い眼内レンズに関するものである。
用レンズ等として好適に用いられ得る、小切開口から挿
入可能で、嚢内に挿入した場合でも組織への損傷が少な
い眼内レンズに関するものである。
(背景技術) 白内障術後の視力矯正用レンズ等として用いられている
眼内レンズは、レンズの改良や手術技術の発達に伴い、
近年、我国においても、多くの臨床実験の下に、その使
用が増加してきており、従来から一般に用いられている
白内障用眼鏡やコンタクトレンズに比して、機能的に極
めて優れていることが認められている。
眼内レンズは、レンズの改良や手術技術の発達に伴い、
近年、我国においても、多くの臨床実験の下に、その使
用が増加してきており、従来から一般に用いられている
白内障用眼鏡やコンタクトレンズに比して、機能的に極
めて優れていることが認められている。
ところで、このような眼内レンズは、一般的に、その固
定部位により、前房レンズ、虹彩支持レンズ、後房レン
ズと大別されるが、なかでも本来水晶体のある部位にあ
る後房レンズ、特に水晶体の嚢内に固定するのが、より
自然状態に近いところから好ましいとされている。
定部位により、前房レンズ、虹彩支持レンズ、後房レン
ズと大別されるが、なかでも本来水晶体のある部位にあ
る後房レンズ、特に水晶体の嚢内に固定するのが、より
自然状態に近いところから好ましいとされている。
そして、この嚢内に眼内レンズを固定するに際しては、
その嚢内への挿入のために、眼の鞏膜部を切開して、か
かる眼内レンズを挿入し得るに充分な切開口を形成する
必要があるが、かかる切開口が大きいと、術後乱視の生
じる原因となるところから、挿入される眼内レンズとし
ては、出来る限り小切開口でも挿入可能である方が好ま
しいのである。
その嚢内への挿入のために、眼の鞏膜部を切開して、か
かる眼内レンズを挿入し得るに充分な切開口を形成する
必要があるが、かかる切開口が大きいと、術後乱視の生
じる原因となるところから、挿入される眼内レンズとし
ては、出来る限り小切開口でも挿入可能である方が好ま
しいのである。
このため、従来から、かかる嚢内に挿入、固定される眼
内レンズとして、幾つかの提案が為されてきており、例
えば米国特許第4449257号明細書では、吸水性のヒドロ
キシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる膨潤レ
ンズを用い、それを乾燥状態の小さな状態で挿入し、眼
内にて房水を含浸させて膨潤せしめ、柔軟なレンズとす
る構造のものが提案されているが、このような構造の眼
内レンズにあっては、材質の膨潤率にもよるが、ヒドロ
キシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる場合に
あっては、鞏膜の切開口は約4mmまでにしか小さくなら
ず、また房水中の内容物、例えば薬剤、蛋白質等が材質
内に堆積してしまい、レンズ素材を劣化せしめて、レン
ズ機能を損なう等の問題を内在している。
内レンズとして、幾つかの提案が為されてきており、例
えば米国特許第4449257号明細書では、吸水性のヒドロ
キシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる膨潤レ
ンズを用い、それを乾燥状態の小さな状態で挿入し、眼
内にて房水を含浸させて膨潤せしめ、柔軟なレンズとす
る構造のものが提案されているが、このような構造の眼
内レンズにあっては、材質の膨潤率にもよるが、ヒドロ
キシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる場合に
あっては、鞏膜の切開口は約4mmまでにしか小さくなら
ず、また房水中の内容物、例えば薬剤、蛋白質等が材質
内に堆積してしまい、レンズ素材を劣化せしめて、レン
ズ機能を損なう等の問題を内在している。
また、米国特許第4585457号明細書には、所定の注入物
を内部に有するレンズ本体と、このレンズ本体を水晶体
の嚢内に支持固定せしめるための十字状の支持部とから
なる眼内レンズが明らかにされているが、このような構
造の眼内レンズにあっては、かかる支持部がレンズ本体
から突出して形成されているところから、それを嚢内に
挿入した場合において、眼の組織を損傷させてしまう問
題を内在しているのである。
を内部に有するレンズ本体と、このレンズ本体を水晶体
の嚢内に支持固定せしめるための十字状の支持部とから
なる眼内レンズが明らかにされているが、このような構
造の眼内レンズにあっては、かかる支持部がレンズ本体
から突出して形成されているところから、それを嚢内に
挿入した場合において、眼の組織を損傷させてしまう問
題を内在しているのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上述の如き事情に鑑みて為さ
れたものであって、その目的とするところは、白内障術
後の視力矯正用等に好適に用いられ得る眼内レンズ、特
に小切開口から挿入が可能であり、また嚢内に挿入した
場合でも組織への損傷が少ない、材質内への房水中の内
容物の堆積もない眼内レンズを提供することにある。
れたものであって、その目的とするところは、白内障術
後の視力矯正用等に好適に用いられ得る眼内レンズ、特
に小切開口から挿入が可能であり、また嚢内に挿入した
場合でも組織への損傷が少ない、材質内への房水中の内
容物の堆積もない眼内レンズを提供することにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる目的を達成するために、
(a)水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体嚢に実質的に
対応する形状を与える、突出部のない形状を有し且つ伸
縮性のあるエラストマーから形成されて、伸び率が300
%以上とされたたバルーン本体と、(b)該バルーン本
体内に注入されて、該バルーン本体を前記水晶体嚢内に
膨満させる光透過性の注入物と、(c)該バルーン本体
内に位置するように、該バルーン本体の注入口部に設け
られた、前記注入物の注入は許容するが、注入された注
入物の流出は阻止する逆止弁とを有するように、眼内レ
ンズを構成したのである。
(a)水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体嚢に実質的に
対応する形状を与える、突出部のない形状を有し且つ伸
縮性のあるエラストマーから形成されて、伸び率が300
%以上とされたたバルーン本体と、(b)該バルーン本
体内に注入されて、該バルーン本体を前記水晶体嚢内に
膨満させる光透過性の注入物と、(c)該バルーン本体
内に位置するように、該バルーン本体の注入口部に設け
られた、前記注入物の注入は許容するが、注入された注
入物の流出は阻止する逆止弁とを有するように、眼内レ
ンズを構成したのである。
(具体的構成・実施例) 以下、本発明の実施例を示す図面に基づいて、本発明を
更に具体的に説明することとする。
更に具体的に説明することとする。
先ず、第1図(a)には、本発明に従う構造とされた眼
内レンズの注入物の注入による膨出前の状態が示されて
おり、また第1図(b)には、その注入物の注入による
膨出後の状態が示されている。そこにおいて、2は、伸
縮性のあるエラストマーからなる袋状のバルーン本体で
あり、このバルーン本体2の開口部(注入口部)には、
バルーン本体2内に位置するように、所定の逆止弁4が
一体的に設けられている。そして、この逆止弁4を介し
て、バルーン本体2内への注入物の注入が為され得るよ
うになっている一方、かかる注入された注入物が流出せ
しめられ得ない構造とされている。従って、かかる逆止
弁4を通じて、所定の注入物6が注入されると、バルー
ン本体2は、第1図(b)に示される如く、膨大して、
水晶体嚢に実質的に対応する形状を与えるようになるの
であって、注入された注入物6はバルーン本体2外には
流出しない構造とされているのである。
内レンズの注入物の注入による膨出前の状態が示されて
おり、また第1図(b)には、その注入物の注入による
膨出後の状態が示されている。そこにおいて、2は、伸
縮性のあるエラストマーからなる袋状のバルーン本体で
あり、このバルーン本体2の開口部(注入口部)には、
バルーン本体2内に位置するように、所定の逆止弁4が
一体的に設けられている。そして、この逆止弁4を介し
て、バルーン本体2内への注入物の注入が為され得るよ
うになっている一方、かかる注入された注入物が流出せ
しめられ得ない構造とされている。従って、かかる逆止
弁4を通じて、所定の注入物6が注入されると、バルー
ン本体2は、第1図(b)に示される如く、膨大して、
水晶体嚢に実質的に対応する形状を与えるようになるの
であって、注入された注入物6はバルーン本体2外には
流出しない構造とされているのである。
ところで、かくの如き構造のバルーン本体2は、一般
に、エラストマーと呼ばれる材質の素材を用いて形成さ
れており、水晶体の嚢内に挿入されて、所定の注入物の
注入により、かかる水晶体嚢内に膨満させられるもので
あるところから、その伸び率は約300%以上であるよう
に構成される。なぜならば、伸び率が300%よりも低く
なると、注入物6を入れた状態において嚢内で大きくな
るのに無理が生じ、バルーン素材の劣化を起こし易いか
らである。
に、エラストマーと呼ばれる材質の素材を用いて形成さ
れており、水晶体の嚢内に挿入されて、所定の注入物の
注入により、かかる水晶体嚢内に膨満させられるもので
あるところから、その伸び率は約300%以上であるよう
に構成される。なぜならば、伸び率が300%よりも低く
なると、注入物6を入れた状態において嚢内で大きくな
るのに無理が生じ、バルーン素材の劣化を起こし易いか
らである。
また、かかるバルーン本体2は、注入される注入物6と
共に、水晶体レンズの作用を為すものであるところか
ら、当然に光透過性の素材からなるものである必要があ
り、一般に、その透明度が、可視光線透過率(380〜780
nmの領域での透過率)が約65%以上である素材が用いら
れ、更には注入物6の注入後に、かかる注入物6が眼内
に溶出しないために、また材質内に房水中の内容物が堆
積しないために、吸水しない材質が好適に用いられるこ
ととなる。
共に、水晶体レンズの作用を為すものであるところか
ら、当然に光透過性の素材からなるものである必要があ
り、一般に、その透明度が、可視光線透過率(380〜780
nmの領域での透過率)が約65%以上である素材が用いら
れ、更には注入物6の注入後に、かかる注入物6が眼内
に溶出しないために、また材質内に房水中の内容物が堆
積しないために、吸水しない材質が好適に用いられるこ
ととなる。
そして、これらの要求特性を満足させる材質として、ポ
リウレタンやシリコーンゴム、更にはセグメント化ポリ
ウレタン、ポリシロキサンとポリウレタンのブロック若
しくはグラフト共重合体等が有利に用いられ、目的とす
るバルーン本体2が形成されるのである。
リウレタンやシリコーンゴム、更にはセグメント化ポリ
ウレタン、ポリシロキサンとポリウレタンのブロック若
しくはグラフト共重合体等が有利に用いられ、目的とす
るバルーン本体2が形成されるのである。
なお、このバルーン本体2のサイズに関して、その膜厚
は、注入物6の注入前の状態、即ち第1図(a)の状態
において、0.05〜0.3mm程度とされることとなる。0.3mm
よりも膜厚が厚くなると伸びが悪く、また0.05mmよりも
薄くなると、充分な膜強度が得られ難くなるのである。
また、第1図(a)に示される如く、バルーン本体2内
を脱気した状態において、バルーン本体2は、その直径
(l)が約3.5mm以内、長さ(M)が約10mm以内とする
のが良く、更に注入物6を注入した第1図(b)の状態
においては、注入物6の注入量にもよるが、その直径
(L)は約9〜約10mm程度となるようにすることが望ま
しい。
は、注入物6の注入前の状態、即ち第1図(a)の状態
において、0.05〜0.3mm程度とされることとなる。0.3mm
よりも膜厚が厚くなると伸びが悪く、また0.05mmよりも
薄くなると、充分な膜強度が得られ難くなるのである。
また、第1図(a)に示される如く、バルーン本体2内
を脱気した状態において、バルーン本体2は、その直径
(l)が約3.5mm以内、長さ(M)が約10mm以内とする
のが良く、更に注入物6を注入した第1図(b)の状態
においては、注入物6の注入量にもよるが、その直径
(L)は約9〜約10mm程度となるようにすることが望ま
しい。
また、かかるバルーン本体2の形状に関して、それに対
する注入物6の注入前にあっては、特に限定されない
が、注入物6の注入後にあっては、水晶体の嚢内をほぼ
満たす形状となるところから、突出部、即ち支持部のな
い形状とされ、注入物6の注入によりバルーン本体2を
水晶体嚢内に膨満せしめて、嚢自体により保持せしめ、
以て嚢内に固定させるものであるところから、かかるバ
ルーン本体2によって、眼の組織が損傷を受けるような
ことも可及的に抑制されているのである。
する注入物6の注入前にあっては、特に限定されない
が、注入物6の注入後にあっては、水晶体の嚢内をほぼ
満たす形状となるところから、突出部、即ち支持部のな
い形状とされ、注入物6の注入によりバルーン本体2を
水晶体嚢内に膨満せしめて、嚢自体により保持せしめ、
以て嚢内に固定させるものであるところから、かかるバ
ルーン本体2によって、眼の組織が損傷を受けるような
ことも可及的に抑制されているのである。
そして、かくの如きバルーン本体2内に注入される注入
物6に関して、それはバルーン本体2を水晶体嚢内に膨
満させて水晶体に略等しい大きさと為し、以て水晶体と
しての機能を為す眼内レンズを形成せしめるものである
ところから、光透過性の流動物、特に透明な液体である
ことが望ましく、一般に屈折率が1.35以上のものが用い
られ、またその粘度としては、バルーン本体2内への注
入が困難とならないように、約10万センチポイズ以下の
ものが有利に用いられることとなる。このような特性を
有する注入物6としては、例えばセルロース、キチン、
ヒアルロン酸等の多糖類またはその誘導体の溶液、アル
ギン酸ソーダ等の高分子電解質の溶液、ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン等の水溶性
オリゴマーの溶液、シリコーンオイル、シリコンゲル等
を挙げることが出来、これらの成分を注入し、或いはバ
ルーン本体2内でゲル化せしめること等によって、バル
ーン本体2内で収容されるのである。なお、このような
注入物6の注入量としては、水晶体容量を満たすだけの
量が用いられ、通常、約0.1ml〜0.3ml程度である。
物6に関して、それはバルーン本体2を水晶体嚢内に膨
満させて水晶体に略等しい大きさと為し、以て水晶体と
しての機能を為す眼内レンズを形成せしめるものである
ところから、光透過性の流動物、特に透明な液体である
ことが望ましく、一般に屈折率が1.35以上のものが用い
られ、またその粘度としては、バルーン本体2内への注
入が困難とならないように、約10万センチポイズ以下の
ものが有利に用いられることとなる。このような特性を
有する注入物6としては、例えばセルロース、キチン、
ヒアルロン酸等の多糖類またはその誘導体の溶液、アル
ギン酸ソーダ等の高分子電解質の溶液、ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン等の水溶性
オリゴマーの溶液、シリコーンオイル、シリコンゲル等
を挙げることが出来、これらの成分を注入し、或いはバ
ルーン本体2内でゲル化せしめること等によって、バル
ーン本体2内で収容されるのである。なお、このような
注入物6の注入量としては、水晶体容量を満たすだけの
量が用いられ、通常、約0.1ml〜0.3ml程度である。
また、バルーン本体2の注入口部内側に一体的に設けら
れる逆止弁4としては、注入物6の注入は許容するが、
注入された注入物6の流出は阻止する機能を有するもの
であれば、アンブレラ型、ダックビル型等の公知の逆止
弁の何れをも使用することが可能であるが、なかでもと
りわけダックビル型のものが外径を小さく出来る点にお
いて、本発明では好適に用いられる。なお、逆止弁4の
大きさは可及的に小さくすることが望ましく、一般に、
その直径(l方向)が約2mm以下、長さ(M方向)が約3
mm以下とすることが望ましく、その長さが余りにも長く
なると、逆止弁4が瞳孔内(視界内)に入るようになる
ために、好ましくないのである。また、この逆止弁4の
バルーン本体2への取付位置としては、瞳孔内に入らな
いように適宜に選択されることとなるが、第1図(a)
に示される脱気状態において、バルーン本体2の端部に
位置するように設けることが推奨される。
れる逆止弁4としては、注入物6の注入は許容するが、
注入された注入物6の流出は阻止する機能を有するもの
であれば、アンブレラ型、ダックビル型等の公知の逆止
弁の何れをも使用することが可能であるが、なかでもと
りわけダックビル型のものが外径を小さく出来る点にお
いて、本発明では好適に用いられる。なお、逆止弁4の
大きさは可及的に小さくすることが望ましく、一般に、
その直径(l方向)が約2mm以下、長さ(M方向)が約3
mm以下とすることが望ましく、その長さが余りにも長く
なると、逆止弁4が瞳孔内(視界内)に入るようになる
ために、好ましくないのである。また、この逆止弁4の
バルーン本体2への取付位置としては、瞳孔内に入らな
いように適宜に選択されることとなるが、第1図(a)
に示される脱気状態において、バルーン本体2の端部に
位置するように設けることが推奨される。
ところで、かくの如き本発明に従う眼内レンズを水晶体
の嚢内にセットせしめるに際しては、先ず第2図(a)
に示される如く、角膜10の周囲に位置する鞏膜12の所定
部位に設けられた、可及的に小さな切開口14を通じて、
虹彩16等を損傷しないようにして、水晶体嚢18の前嚢部
分18a及び後嚢部分18bを残した状態で、白内障の水晶体
部分が除去される。一方、第2図(b)に示されるよう
に、眼内レンズ20の逆止弁4にカテーテル22を挿入し
て、かかる眼内レンズ20のバルーン本体2内の空気が除
去せしめられる。
の嚢内にセットせしめるに際しては、先ず第2図(a)
に示される如く、角膜10の周囲に位置する鞏膜12の所定
部位に設けられた、可及的に小さな切開口14を通じて、
虹彩16等を損傷しないようにして、水晶体嚢18の前嚢部
分18a及び後嚢部分18bを残した状態で、白内障の水晶体
部分が除去される。一方、第2図(b)に示されるよう
に、眼内レンズ20の逆止弁4にカテーテル22を挿入し
て、かかる眼内レンズ20のバルーン本体2内の空気が除
去せしめられる。
そして、かくの如く逆止弁4を通じてバルーン本体2内
にカテーテル22を挿入して、脱気が行われた状態の眼内
レンズ20が、第2図(c)に示される如く、鞏膜部12の
切開口14、更には前嚢部分18aの切開口から、水晶体嚢
内、換言すれば前嚢部分18aと後嚢部分18bとの間に挿入
せしめられるのである。そして、所定の注入物6が、カ
テーテル22を通じてバルーン本体2内に注入せしめら
れ、以てかかるバルーン本体2が、第2図(d)の如
く、前嚢部分18aと後嚢部分18bとの間の全体に亘って満
たされるように膨満せしめられ、以て嚢内への固定が図
られるのである。
にカテーテル22を挿入して、脱気が行われた状態の眼内
レンズ20が、第2図(c)に示される如く、鞏膜部12の
切開口14、更には前嚢部分18aの切開口から、水晶体嚢
内、換言すれば前嚢部分18aと後嚢部分18bとの間に挿入
せしめられるのである。そして、所定の注入物6が、カ
テーテル22を通じてバルーン本体2内に注入せしめら
れ、以てかかるバルーン本体2が、第2図(d)の如
く、前嚢部分18aと後嚢部分18bとの間の全体に亘って満
たされるように膨満せしめられ、以て嚢内への固定が図
られるのである。
その後、かかる注入物6の注入が終了すると、カテーテ
ル22が逆止弁4から抜き取られ、そして鞏膜部12におけ
る切開口14が縫合せしめられることにより、眼内レンズ
20が、第2図(e)に示される如く装用せしめられるこ
ととなるが、かかるカテーテル22を抜き取っても、逆止
弁4の作用により、眼内レンズ20のバルーン本体2内の
注入物6は眼内に流出することはなく、以てかかる眼内
レンズ20は人工の水晶体として有効に機能することとな
るのである。
ル22が逆止弁4から抜き取られ、そして鞏膜部12におけ
る切開口14が縫合せしめられることにより、眼内レンズ
20が、第2図(e)に示される如く装用せしめられるこ
ととなるが、かかるカテーテル22を抜き取っても、逆止
弁4の作用により、眼内レンズ20のバルーン本体2内の
注入物6は眼内に流出することはなく、以てかかる眼内
レンズ20は人工の水晶体として有効に機能することとな
るのである。
因みに、本発明者らは、上記の第2図(a)〜(e)の
手順に従って、家兎眼に対して、本発明に従う眼内レン
ズの装用を試み、全く何等の問題もないことを確認して
いる。そこでは、先ず家兎眼の水晶体内容物を、常法に
従って、超音波チップを用いて直径3.5mmの切開口より
除去し、水晶体嚢の前嚢部分(18a)と後嚢部分(18b)
を残した。次いで、膜厚が0.2mm、長さ(M)が6mmのシ
リコーンゴム製バルーンの注入口部に、ダックビル型逆
止弁を設けて、第1図に示される如き構造の眼内レンズ
と為した後、この眼内レンズを、その逆止弁を介してカ
テーテル先端に取り付け、切開口より嚢内に挿入した
後、かかるカテーテルを通じて、0.3%ヒアルロン酸ソ
ーダ水溶液0.2mlを注入して、バルーン本体を膨満せし
めて、前嚢部(18a)と後嚢部(18b)との間に充満させ
て、目的とする眼内レンズを水晶体嚢内に保持固定せし
めた。なお、カテーテルは、ヒアルロン酸ソーダ水溶液
の注入後に引き抜かれたが、この引抜きの後において
も、バルーン本体からのヒアルロン酸ソーダ水溶液の流
出は認められなかった。
手順に従って、家兎眼に対して、本発明に従う眼内レン
ズの装用を試み、全く何等の問題もないことを確認して
いる。そこでは、先ず家兎眼の水晶体内容物を、常法に
従って、超音波チップを用いて直径3.5mmの切開口より
除去し、水晶体嚢の前嚢部分(18a)と後嚢部分(18b)
を残した。次いで、膜厚が0.2mm、長さ(M)が6mmのシ
リコーンゴム製バルーンの注入口部に、ダックビル型逆
止弁を設けて、第1図に示される如き構造の眼内レンズ
と為した後、この眼内レンズを、その逆止弁を介してカ
テーテル先端に取り付け、切開口より嚢内に挿入した
後、かかるカテーテルを通じて、0.3%ヒアルロン酸ソ
ーダ水溶液0.2mlを注入して、バルーン本体を膨満せし
めて、前嚢部(18a)と後嚢部(18b)との間に充満させ
て、目的とする眼内レンズを水晶体嚢内に保持固定せし
めた。なお、カテーテルは、ヒアルロン酸ソーダ水溶液
の注入後に引き抜かれたが、この引抜きの後において
も、バルーン本体からのヒアルロン酸ソーダ水溶液の流
出は認められなかった。
以上、本発明の実施例を参照しつつ、本発明の構成につ
いて詳述してきたが、本発明が、そのような例示の具体
的構成にのみ限定して解釈されるものでは決してなく、
本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加えた状態において実施され得るものであ
り、またそのような態様が、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、何れも本発明の範囲内に含まれるもので
あることは、言うまでもないところである。
いて詳述してきたが、本発明が、そのような例示の具体
的構成にのみ限定して解釈されるものでは決してなく、
本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加えた状態において実施され得るものであ
り、またそのような態様が、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、何れも本発明の範囲内に含まれるもので
あることは、言うまでもないところである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う眼内レン
ズは、白内障術後の視力矯正用等に好適に用いられ得る
ものであって、小切開口から挿入可能であって、例えば
約3.5mm以内の大きさの切開口からも有利に挿入され得
るものであり、また突出部がないために、嚢内に挿入し
た場合でも、眼の組織への損傷が少なく、且つ材質的に
房水中の内容物が堆積しないために、レンズとしての機
能を害することがなく、そしてまた眼内レンズが嚢内に
膨満しているために、嚢の動きに対して追従が出来、自
然眼と同様な視力調節が可能となるのであり、更には逆
止弁を有するところから、バルーン本体内の注入物が流
出するようなこともない等の各種の優れた特徴を発揮し
得るものであって、そこには本発明の大きな工業的意義
が存するものである。
ズは、白内障術後の視力矯正用等に好適に用いられ得る
ものであって、小切開口から挿入可能であって、例えば
約3.5mm以内の大きさの切開口からも有利に挿入され得
るものであり、また突出部がないために、嚢内に挿入し
た場合でも、眼の組織への損傷が少なく、且つ材質的に
房水中の内容物が堆積しないために、レンズとしての機
能を害することがなく、そしてまた眼内レンズが嚢内に
膨満しているために、嚢の動きに対して追従が出来、自
然眼と同様な視力調節が可能となるのであり、更には逆
止弁を有するところから、バルーン本体内の注入物が流
出するようなこともない等の各種の優れた特徴を発揮し
得るものであって、そこには本発明の大きな工業的意義
が存するものである。
第1図は、本発明にかかる眼内レンズの一実施例を示す
断面説明図であって、(a)はそのような眼内レンズの
注入物が注入される前の状態を示す断面説明図であり、
(b)は注入物が注入された後の状態を示す断面説明図
である。第2図は、本発明に従う眼内レンズの装用手順
を説明するものであって、(a)は水晶体内容物を取り
出した状態を示す目の断面説明図であり、(b)は眼内
レンズをカテーテルの先端に取り付けた状態を示す断面
説明図、(c)は、カテーテル先端に取り付けた眼内レ
ンズを水晶体嚢内に挿入した状態を示す断面説明図、
(d)は、水晶体嚢内に挿入した眼内レンズのバルーン
本体内に、カテーテルを通じて所定の内容物を注入した
状態を示す断面説明図、(e)は、カテーテルを抜き出
し、水晶体嚢内に本発明に従う眼内レンズを収容保持せ
しめた状態を示す断面説明図である。 2:バルーン本体 4:逆止弁、6:注入物 10:角膜、12:鞏膜部 14:切開口、16:虹彩 18:水晶体嚢 18a:前嚢部分、18b:後嚢部分 20:眼内レンズ、22:カテーテル
断面説明図であって、(a)はそのような眼内レンズの
注入物が注入される前の状態を示す断面説明図であり、
(b)は注入物が注入された後の状態を示す断面説明図
である。第2図は、本発明に従う眼内レンズの装用手順
を説明するものであって、(a)は水晶体内容物を取り
出した状態を示す目の断面説明図であり、(b)は眼内
レンズをカテーテルの先端に取り付けた状態を示す断面
説明図、(c)は、カテーテル先端に取り付けた眼内レ
ンズを水晶体嚢内に挿入した状態を示す断面説明図、
(d)は、水晶体嚢内に挿入した眼内レンズのバルーン
本体内に、カテーテルを通じて所定の内容物を注入した
状態を示す断面説明図、(e)は、カテーテルを抜き出
し、水晶体嚢内に本発明に従う眼内レンズを収容保持せ
しめた状態を示す断面説明図である。 2:バルーン本体 4:逆止弁、6:注入物 10:角膜、12:鞏膜部 14:切開口、16:虹彩 18:水晶体嚢 18a:前嚢部分、18b:後嚢部分 20:眼内レンズ、22:カテーテル
Claims (1)
- 【請求項1】(a)水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体
嚢に実質的に対応する形状を与える、突出部のない形状
を有し且つ伸縮性のあるエラストマーから形成されて、
伸び率が300%以上とされたバルーン本体と、(b)該
バルーン本体内に注入されて、該バルーン本体を前記水
晶体嚢内に膨満させる光透過性の注入物と、(c)該バ
ルーン本体内に位置するように、該バルーン本体の注入
口部に設けられた、前記注入物の注入は許容するが、注
入された注入物の流出は阻止する逆止弁とを有する眼内
レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62032933A JPH0667396B2 (ja) | 1987-02-16 | 1987-02-16 | 眼内レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62032933A JPH0667396B2 (ja) | 1987-02-16 | 1987-02-16 | 眼内レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63200755A JPS63200755A (ja) | 1988-08-19 |
JPH0667396B2 true JPH0667396B2 (ja) | 1994-08-31 |
Family
ID=12372729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62032933A Expired - Fee Related JPH0667396B2 (ja) | 1987-02-16 | 1987-02-16 | 眼内レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0667396B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2540879Y2 (ja) * | 1990-11-30 | 1997-07-09 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ |
US5266074A (en) * | 1990-11-30 | 1993-11-30 | Menicon Co., Ltd. | Intraocular lens having annular groove formed in its peripheral portion |
JP3086263B2 (ja) * | 1990-12-25 | 2000-09-11 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ形成体 |
MX339355B (es) * | 2011-05-23 | 2016-05-18 | Univ Southern California | Acomodación de lente intraocular. |
US9186243B2 (en) * | 2011-05-31 | 2015-11-17 | Novartis Ag | Accommodative intraocular lens and method of implantation |
JP2014036770A (ja) * | 2012-08-17 | 2014-02-27 | Hoya Corp | 眼内レンズ用部材及び眼内レンズ |
JP2014036769A (ja) * | 2012-08-17 | 2014-02-27 | Hoya Corp | 眼内レンズ用部材及び眼内レンズ |
WO2014027689A1 (ja) * | 2012-08-17 | 2014-02-20 | Hoya株式会社 | 眼内レンズ用部材及び眼内レンズ |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE8505518D0 (sv) * | 1985-11-22 | 1985-11-22 | Swedish Graft Tech Ab | Implantationslins, forfarande for framsstellning derav och anordning for att utfora forfarandet |
-
1987
- 1987-02-16 JP JP62032933A patent/JPH0667396B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63200755A (ja) | 1988-08-19 |
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JPH0263016B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |