JP2618426B2 - 眼内レンズ形成体 - Google Patents
眼内レンズ形成体Info
- Publication number
- JP2618426B2 JP2618426B2 JP63052449A JP5244988A JP2618426B2 JP 2618426 B2 JP2618426 B2 JP 2618426B2 JP 63052449 A JP63052449 A JP 63052449A JP 5244988 A JP5244988 A JP 5244988A JP 2618426 B2 JP2618426 B2 JP 2618426B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- intraocular lens
- balloon
- catheter
- tube
- lens forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Prostheses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、水晶体嚢内に挿入されて、所定の注入物の
注入により目的とする眼内レンズを与える眼内レンズ形
成体に係り、特に、眼内レンズ形成体内に注入物を注入
する際に、内部に残存する空気を簡単且つ良好に排出す
ることのできる眼内レンズ形成体に関するものである。
注入により目的とする眼内レンズを与える眼内レンズ形
成体に係り、特に、眼内レンズ形成体内に注入物を注入
する際に、内部に残存する空気を簡単且つ良好に排出す
ることのできる眼内レンズ形成体に関するものである。
(背景技術) 白内障術後の視力矯正用レンズ等として用いられてい
る眼内レンズは、レンズの改良や手術技術の発達に伴
い、近年、我が国においても、多くの臨床実験の下に、
その使用が増加してきており、従来から一般に用いられ
ている白内障用眼鏡やコンタクトレンズに比して、機能
的に極めて優れていることが認められている。
る眼内レンズは、レンズの改良や手術技術の発達に伴
い、近年、我が国においても、多くの臨床実験の下に、
その使用が増加してきており、従来から一般に用いられ
ている白内障用眼鏡やコンタクトレンズに比して、機能
的に極めて優れていることが認められている。
ところで、このような眼内レンズは、一般に、その固
定部位により、前房レンズ、虹彩支持レンズ、後房レン
ズと大別されるが、なかでも本来水晶体のある部位にあ
る後房レンズ、特に水晶体の嚢内に固定するのが、より
自然状態に近いところから好ましいとされている。
定部位により、前房レンズ、虹彩支持レンズ、後房レン
ズと大別されるが、なかでも本来水晶体のある部位にあ
る後房レンズ、特に水晶体の嚢内に固定するのが、より
自然状態に近いところから好ましいとされている。
そして、この嚢内に眼内レンズを固定するに際して
は、その嚢内への挿入のために、眼の鞏膜部を切開し
て、かかる眼内レンズを挿入し得るに充分な切開口を形
成する必要があるが、かかる切開口が大きいと、術後乱
視の生じる原因となるところから、挿入される眼内レン
ズとしては、出来る限り小切開口でも挿入可能である方
が好ましいのである。
は、その嚢内への挿入のために、眼の鞏膜部を切開し
て、かかる眼内レンズを挿入し得るに充分な切開口を形
成する必要があるが、かかる切開口が大きいと、術後乱
視の生じる原因となるところから、挿入される眼内レン
ズとしては、出来る限り小切開口でも挿入可能である方
が好ましいのである。
このため、従来から、かかる嚢内に挿入、固定される
眼内レンズとして、幾つかの提案が為されてきており、
例えば米国特許第4449257号明細書では、吸水性のヒド
ロキシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる膨潤
レンズを用い、それを乾燥状態の小さな状態で挿入し、
眼内にて房水を含浸させて膨潤せしめ、柔軟なレンズと
する構造のものが提案されているが、このような構造の
眼内レンズにあっては、材質の膨潤率にもよるが、ヒド
ロキシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる場合
にあっては、鞏膜の切開口は約4mmまでにしか小さくな
らないのである。
眼内レンズとして、幾つかの提案が為されてきており、
例えば米国特許第4449257号明細書では、吸水性のヒド
ロキシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる膨潤
レンズを用い、それを乾燥状態の小さな状態で挿入し、
眼内にて房水を含浸させて膨潤せしめ、柔軟なレンズと
する構造のものが提案されているが、このような構造の
眼内レンズにあっては、材質の膨潤率にもよるが、ヒド
ロキシエチルメタアクリレート系ポリマーからなる場合
にあっては、鞏膜の切開口は約4mmまでにしか小さくな
らないのである。
また、かかる眼内レンズは水晶体の嚢内に固定される
ものであるため、水晶体の動きに追従すべく伸縮性が必
要であることは勿論、特に水晶体と同形状であって、水
晶体嚢内に密着可能とされた眼内レンズであることが好
ましいのである。
ものであるため、水晶体の動きに追従すべく伸縮性が必
要であることは勿論、特に水晶体と同形状であって、水
晶体嚢内に密着可能とされた眼内レンズであることが好
ましいのである。
そこで、本発明者らは、先に、特願昭62−32933号や
特願昭62−189781号において、水晶体嚢内に挿入され
て、該水晶体嚢内に実質的に対応する形状を与える、伸
縮性のあるエラストマーから形成されたバルーン本体
と、該バルーン本体内に注入されて、該バルーン本体を
前記水晶体嚢内に膨満させる光透過性の注入物とを含ん
で構成される眼内レンズを、提案した。
特願昭62−189781号において、水晶体嚢内に挿入され
て、該水晶体嚢内に実質的に対応する形状を与える、伸
縮性のあるエラストマーから形成されたバルーン本体
と、該バルーン本体内に注入されて、該バルーン本体を
前記水晶体嚢内に膨満させる光透過性の注入物とを含ん
で構成される眼内レンズを、提案した。
このような眼内レンズによれば、かかる眼内レンズを
水晶体嚢内に装着する際には、あらかじめバルーン本体
内の空気等の気体を排出して、該バルーン本体を小さく
折り畳んだ状態で水晶体嚢内に挿入することができるこ
とから、挿入のための鞏膜の切開口をより小さくすくこ
とができる一方、かかるバルーン本体は水晶体に実質的
に対応する形状であるため、注入物の注入により、その
嚢内に有利に固定され、嚢の動きに追従可能な眼内レン
ズとされ得、以て、自然眼と同様な視力調節が可能とな
るのである。
水晶体嚢内に装着する際には、あらかじめバルーン本体
内の空気等の気体を排出して、該バルーン本体を小さく
折り畳んだ状態で水晶体嚢内に挿入することができるこ
とから、挿入のための鞏膜の切開口をより小さくすくこ
とができる一方、かかるバルーン本体は水晶体に実質的
に対応する形状であるため、注入物の注入により、その
嚢内に有利に固定され、嚢の動きに追従可能な眼内レン
ズとされ得、以て、自然眼と同様な視力調節が可能とな
るのである。
しかしながら、このような眼内レンズを形成せしめる
バルーン本体を水晶体嚢内に挿入する際、かかるバルー
ン本体内部の気体(空気)をあらかじめ完全に除去する
ことは、非常に困難なことであり、且つ手間がかかると
ころから、バルーン本体を水晶体嚢内に挿入し、該バル
ーン本体内に注入物を注入して眼内レンズと為した後
に、その内部に気泡が残存してしまうことは避けられな
かったのであり、このため、かかる眼内レンズの内部に
残存する気泡のために、光学的な不都合が生じていたの
である。
バルーン本体を水晶体嚢内に挿入する際、かかるバルー
ン本体内部の気体(空気)をあらかじめ完全に除去する
ことは、非常に困難なことであり、且つ手間がかかると
ころから、バルーン本体を水晶体嚢内に挿入し、該バル
ーン本体内に注入物を注入して眼内レンズと為した後
に、その内部に気泡が残存してしまうことは避けられな
かったのであり、このため、かかる眼内レンズの内部に
残存する気泡のために、光学的な不都合が生じていたの
である。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、上記の事情に鑑みて為され
たものであって、その解決すべき課題とするところは、
バルーン本体内に注入物が注入された際に、眼内レンズ
の中に空気等の気体が気泡が可及的に残存しないように
して、この気泡の残存による光学的な問題を解決すると
共に、かかるバルーン本体内の気体の除去(脱気)を簡
単に行ない得るようにすることにある。
たものであって、その解決すべき課題とするところは、
バルーン本体内に注入物が注入された際に、眼内レンズ
の中に空気等の気体が気泡が可及的に残存しないように
して、この気泡の残存による光学的な問題を解決すると
共に、かかるバルーン本体内の気体の除去(脱気)を簡
単に行ない得るようにすることにある。
(解決手段) そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するた
めに、水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体嚢に実質的に
対応する形状を与える、伸縮性のあるエラストマーから
形成された中空のバルーン本体を有し、所定の光透過性
の注入物を該バルーン本体内に注入して、該バルーン本
体を前記水晶体嚢内に膨満させることにより、目的とす
る眼内レンズを与える眼内レンズ形成体において、前記
バルーン本体に、その前面側で且つ光学部よりも外側に
位置するように、前記注入物を注入するための注入部及
び該バルーン本体内の気体を排出するための排出部を、
それぞれ独立して設けるようにしたのである。
めに、水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体嚢に実質的に
対応する形状を与える、伸縮性のあるエラストマーから
形成された中空のバルーン本体を有し、所定の光透過性
の注入物を該バルーン本体内に注入して、該バルーン本
体を前記水晶体嚢内に膨満させることにより、目的とす
る眼内レンズを与える眼内レンズ形成体において、前記
バルーン本体に、その前面側で且つ光学部よりも外側に
位置するように、前記注入物を注入するための注入部及
び該バルーン本体内の気体を排出するための排出部を、
それぞれ独立して設けるようにしたのである。
なお、かかる本発明に従う眼内レンズ形成体の一つの
実施形態によれば、好ましくは、前記注入部及び前記排
出部は、それぞれ別個のチューブにて構成されている。
実施形態によれば、好ましくは、前記注入部及び前記排
出部は、それぞれ別個のチューブにて構成されている。
また、本発明にあっては、前記注入部及び前記排出部
が、1本のチューブ内に形成された二つの通路にて構成
されることも、可能である。
が、1本のチューブ内に形成された二つの通路にて構成
されることも、可能である。
更に、前記排出部が、前記バルーン本体のバルーン壁
に一体的に設けられた逆止弁または通気性膜部にて構成
されることも可能である。
に一体的に設けられた逆止弁または通気性膜部にて構成
されることも可能である。
そして更に、本発明の一つの実施態様によれば、前記
眼内レンズ形成体において、前記バルーン本体は、前記
注入物を注入するカテーテルの外径よりも大きな形状の
内孔を有し且つ該内孔内に前記カテーテルの支持部を設
けてなるチューブを有し、該チューブの内孔内に前記カ
テーテルを挿入して前記支持部にて保持せしめることに
より、該カテーテルによる前記注入部の形成と共に、該
カテーテル外面と前記内孔内面との間の間隙にて前記排
出部が形成されるようになっている。
眼内レンズ形成体において、前記バルーン本体は、前記
注入物を注入するカテーテルの外径よりも大きな形状の
内孔を有し且つ該内孔内に前記カテーテルの支持部を設
けてなるチューブを有し、該チューブの内孔内に前記カ
テーテルを挿入して前記支持部にて保持せしめることに
より、該カテーテルによる前記注入部の形成と共に、該
カテーテル外面と前記内孔内面との間の間隙にて前記排
出部が形成されるようになっている。
(具体的構成・実施例) 以下、本発明の実施例を示す図面を参照しつつ、本発
明を更に具体的に説明することとする。
明を更に具体的に説明することとする。
先ず、第1図には、目的とする眼内レンズを与える本
発明に従うレンズ形成体10の一つが示されている。即
ち、この眼内レンズを与えるレンズ形成体10は、中空の
バルーン本体12と、その表面から突出した、バルーン本
体12の内部を外部に連通する2本のチューブ14,16とか
ら構成されており、それら2本のチューブのうちの1本
(14)が注入チューブとされる一方、他方(16)が排気
チューブとされているのである。なお、かかるバルーン
本体12は、伸縮性のあるエラストマーから形成された、
実質的に水晶体に対応する一体的な凸レンズ形状の中空
体であって、その周縁部に凸レンズ形状とは異なる突出
部が生じないような形状を呈している。
発明に従うレンズ形成体10の一つが示されている。即
ち、この眼内レンズを与えるレンズ形成体10は、中空の
バルーン本体12と、その表面から突出した、バルーン本
体12の内部を外部に連通する2本のチューブ14,16とか
ら構成されており、それら2本のチューブのうちの1本
(14)が注入チューブとされる一方、他方(16)が排気
チューブとされているのである。なお、かかるバルーン
本体12は、伸縮性のあるエラストマーから形成された、
実質的に水晶体に対応する一体的な凸レンズ形状の中空
体であって、その周縁部に凸レンズ形状とは異なる突出
部が生じないような形状を呈している。
そして、このレンズ形成体10が、そのバルーン本体12
内部の気体が除去されて、縮小せしめられた状態におい
て、水晶体嚢内に挿入された後、通常のカテーテル等を
用いた注入操作に従って、チューブ14からバルーン本体
12の内部に注入物18が形成されると同時に、その内部に
残存する空気等の気体がチューブ16から排出せしめられ
(第4図参照)、その後、それらチューブ14,16が切
断、溶封される等して、第2図に示されているように、
眼内レンズ20とされた状態で、水晶体嚢22内に保持され
るのであり、以てかかる眼内レンズ20が水晶体としての
機能を有効に発揮するのである。
内部の気体が除去されて、縮小せしめられた状態におい
て、水晶体嚢内に挿入された後、通常のカテーテル等を
用いた注入操作に従って、チューブ14からバルーン本体
12の内部に注入物18が形成されると同時に、その内部に
残存する空気等の気体がチューブ16から排出せしめられ
(第4図参照)、その後、それらチューブ14,16が切
断、溶封される等して、第2図に示されているように、
眼内レンズ20とされた状態で、水晶体嚢22内に保持され
るのであり、以てかかる眼内レンズ20が水晶体としての
機能を有効に発揮するのである。
ところで、かかるレンズ形成体10を構成するバルーン
本体12は、エラストマーを用いて形成されており、水晶
体の嚢内に挿入されて、所定の注入物の注入により、か
かる水晶体嚢内に膨満させられるものであるところか
ら、その伸び率は約50%以上であることが好ましい、け
だし、伸び率が50%よりも小さいと、注入物18を入れた
状態において嚢内で膨満するのに無理が生じ、バルーン
素材の劣化を惹き起こし易いからであり、更に嚢内への
挿入の際において破れ易いからである。
本体12は、エラストマーを用いて形成されており、水晶
体の嚢内に挿入されて、所定の注入物の注入により、か
かる水晶体嚢内に膨満させられるものであるところか
ら、その伸び率は約50%以上であることが好ましい、け
だし、伸び率が50%よりも小さいと、注入物18を入れた
状態において嚢内で膨満するのに無理が生じ、バルーン
素材の劣化を惹き起こし易いからであり、更に嚢内への
挿入の際において破れ易いからである。
また、かかるバルーン本体12は、注入される注入物18
と共に、水晶体レンズの作用を為すものであるところか
ら、当然に光透過性の素材にて構成せしめられる必要が
あり、一般に、その透明度として、可視光線透過率(38
0〜780nmの領域での透過率)が65%以上である素材にて
形成され、更には注入物18の注入後に、かかる注入物18
が眼内に溶出しないように、また材質内に房水中の内容
物が堆積しないように、吸水しない材質にて形成される
ことが、望ましい。
と共に、水晶体レンズの作用を為すものであるところか
ら、当然に光透過性の素材にて構成せしめられる必要が
あり、一般に、その透明度として、可視光線透過率(38
0〜780nmの領域での透過率)が65%以上である素材にて
形成され、更には注入物18の注入後に、かかる注入物18
が眼内に溶出しないように、また材質内に房水中の内容
物が堆積しないように、吸水しない材質にて形成される
ことが、望ましい。
そして、これらの要求を満足させるバルーン本体12の
材質として、ポリウレタン、シリコーンゴム、セグメン
ト化ポリウレタン、ポリシロキサンとポリウレタンのブ
ロック若しくはグラフト共重合体等が有利に用いられ、
目的とするバルーン本体12が形成されるのである。
材質として、ポリウレタン、シリコーンゴム、セグメン
ト化ポリウレタン、ポリシロキサンとポリウレタンのブ
ロック若しくはグラフト共重合体等が有利に用いられ、
目的とするバルーン本体12が形成されるのである。
なお、バルーン本体12を形成する上記の材料には、必
要に応じて、従来から用いられているような染料や紫外
線吸収剤等が添加物として加えられても何等差支えな
い。
要に応じて、従来から用いられているような染料や紫外
線吸収剤等が添加物として加えられても何等差支えな
い。
ところで、本発明に従う眼内レンズ形成体におけるバ
ルーン本体は、中空で、水晶体嚢に実質的に対応する形
状を呈しており、好ましくは、中空の一体的な凸レンズ
形状を呈しており、且つその周縁部に凸レンズ形状とは
異なる突出部が生じないように形成されている。例え
ば、第1図に示されるように、水晶体とほぼ同形状を呈
しているのである。それ故、第2図に示されるように、
眼内レンズ20を、水晶体嚢22の内面に密着させた状態
で、有利に保持することができるのである。
ルーン本体は、中空で、水晶体嚢に実質的に対応する形
状を呈しており、好ましくは、中空の一体的な凸レンズ
形状を呈しており、且つその周縁部に凸レンズ形状とは
異なる突出部が生じないように形成されている。例え
ば、第1図に示されるように、水晶体とほぼ同形状を呈
しているのである。それ故、第2図に示されるように、
眼内レンズ20を、水晶体嚢22の内面に密着させた状態
で、有利に保持することができるのである。
次に、バルーン本体12のサイズに関して述べれば、先
ず、その光学部、換言すれば光の通る中央部近辺の膜
厚:tはかなり薄くされ、0.001〜0.1mm程度とされること
となる。それ故、内部の気体(空気)を除去すれば、バ
ルーン本体を小さく折り畳むことができ、より小さな切
開口からでも水晶体嚢内に挿入することが可能となるの
である。なお、かかる膜厚が、0.001mmよりも薄いと破
れ易くなるのであり、また0.1mmより厚いと嚢内に挿入
し難くなり、また嚢内においても嚢の形状に合致し難く
なる。特に、かかる膜厚としては、挿入のし易さの点よ
り、0.005〜0.05mm程度がより残ましい。また、かかる
バルーン本体12の周縁部を除く光学部の膜厚は略均一な
膜厚であることが望ましいが、中心部を若干薄くして
も、好ましいことである。
ず、その光学部、換言すれば光の通る中央部近辺の膜
厚:tはかなり薄くされ、0.001〜0.1mm程度とされること
となる。それ故、内部の気体(空気)を除去すれば、バ
ルーン本体を小さく折り畳むことができ、より小さな切
開口からでも水晶体嚢内に挿入することが可能となるの
である。なお、かかる膜厚が、0.001mmよりも薄いと破
れ易くなるのであり、また0.1mmより厚いと嚢内に挿入
し難くなり、また嚢内においても嚢の形状に合致し難く
なる。特に、かかる膜厚としては、挿入のし易さの点よ
り、0.005〜0.05mm程度がより残ましい。また、かかる
バルーン本体12の周縁部を除く光学部の膜厚は略均一な
膜厚であることが望ましいが、中心部を若干薄くして
も、好ましいことである。
さらに、かかるバルーン本体12の直径(第1図中、
M)は、好ましくは6〜13mm程度とされ、水晶体嚢内に
挿入して注入物を注入した時に、嚢の直径とほぼ等しい
大きさとされるのである。更にまた、その厚さ(第1図
中、L)は、好ましくは2〜6mm程度とされ、嚢に挿入
して注入物を注入した時に、嚢の厚さとほぼ等しい大き
さとされる。
M)は、好ましくは6〜13mm程度とされ、水晶体嚢内に
挿入して注入物を注入した時に、嚢の直径とほぼ等しい
大きさとされるのである。更にまた、その厚さ(第1図
中、L)は、好ましくは2〜6mm程度とされ、嚢に挿入
して注入物を注入した時に、嚢の厚さとほぼ等しい大き
さとされる。
なお、第1図中、バルーン本体12の凸レンズ形状の外
周縁における膜厚(第1図中、T)は、好ましくは、か
かるバルーン本体の光学部(中心部近辺)の膜厚:tの1.
1〜4.0倍程度とされるが、それは、外周縁部の膜厚を僅
かに厚くすることにより、注入物18を注入した状態で
も、眼内レンズ20の形状を水晶体の形状に維持するため
である。
周縁における膜厚(第1図中、T)は、好ましくは、か
かるバルーン本体の光学部(中心部近辺)の膜厚:tの1.
1〜4.0倍程度とされるが、それは、外周縁部の膜厚を僅
かに厚くすることにより、注入物18を注入した状態で
も、眼内レンズ20の形状を水晶体の形状に維持するため
である。
一方、かくの如きレンズ形成体10を構成するバルーン
本体12内に注入される注入物18は、該バルーン本体12を
水晶体嚢22内に膨満させて水晶体と略等しい大きさと為
し、以て水晶体としての機能を為す眼内レンズ10を形成
せしめるものであるところから、光透過性の流動物、特
に透明な液体であることが望ましく、一般に、その屈折
率が1.36以上のものが好適に用いられ、またその粘度と
しては、バルーン本体12内への注入が困難とならないよ
うに、約30万センチポアズ以下のものが有利に用いられ
ることとなる。
本体12内に注入される注入物18は、該バルーン本体12を
水晶体嚢22内に膨満させて水晶体と略等しい大きさと為
し、以て水晶体としての機能を為す眼内レンズ10を形成
せしめるものであるところから、光透過性の流動物、特
に透明な液体であることが望ましく、一般に、その屈折
率が1.36以上のものが好適に用いられ、またその粘度と
しては、バルーン本体12内への注入が困難とならないよ
うに、約30万センチポアズ以下のものが有利に用いられ
ることとなる。
このような特性を有する注入物18としては、例えばセ
ルロース、キチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等の多糖
類またはその誘導体の溶液或いは架橋されたゲル、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミドプロピルスルホン酸、
ポリスチレンスルホン酸等の合成高分子電解質の溶液、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、N−ビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール等の水溶性オリゴマーの溶
液、シリコーンオイル、シリコンゲル等を挙げることが
出来、これらの成分を注入し、或いはバルーン本体12内
でゲル化せしめること等によって、該バルーン本体12内
に収容されるものである。なお、このような注入物18の
注入量としては、水晶体容量を満たすだけの量が用いら
れ、通常、約0.1〜0.3ml程度である。
ルロース、キチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等の多糖
類またはその誘導体の溶液或いは架橋されたゲル、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミドプロピルスルホン酸、
ポリスチレンスルホン酸等の合成高分子電解質の溶液、
ヒドロキシエチルメタアクリレート、N−ビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール等の水溶性オリゴマーの溶
液、シリコーンオイル、シリコンゲル等を挙げることが
出来、これらの成分を注入し、或いはバルーン本体12内
でゲル化せしめること等によって、該バルーン本体12内
に収容されるものである。なお、このような注入物18の
注入量としては、水晶体容量を満たすだけの量が用いら
れ、通常、約0.1〜0.3ml程度である。
ところで、本発明に従うレンズ形成体は、注入物を注
入するための注入部及び内部の気体を排出するための排
出部を、それぞれ独立して有しているところに大きな特
徴があり、例えば、第1図に示されるように、それぞれ
別個のチューブ14,16が、前記注入部及び排出部とし
て、バルーン本体12に対して設けられているのである。
入するための注入部及び内部の気体を排出するための排
出部を、それぞれ独立して有しているところに大きな特
徴があり、例えば、第1図に示されるように、それぞれ
別個のチューブ14,16が、前記注入部及び排出部とし
て、バルーン本体12に対して設けられているのである。
このようなチューブ14,16の材質としては、透明でな
い材質が使用されても構わないが、光学部(瞳孔領域)
への影響を少なくするために、好ましくは、透明な材質
が採用されるのである。そして、水晶体嚢22への影響や
バルーン本体12内に注入物18を注入する際の操作性から
柔軟性であることが好ましく、具体的には、前記バルー
ン本体形成材料の他、シリコーン、ウレタン、塩化ビニ
ル、ポリエステル及びフッ素ゴム等のエラストマー、或
いは、薄肉のポリプロピレン等のポリオレフィン及びポ
リテトラフルオロエチレン等のフルオロカーボン等が挙
げられる。なお、これらのチューブ14,16は、バルーン
本体12の成形時に一体的に形成されたり、バルーン本体
12の一部を開口切断して後から接着されて一体的に取り
付けられることとなる。
い材質が使用されても構わないが、光学部(瞳孔領域)
への影響を少なくするために、好ましくは、透明な材質
が採用されるのである。そして、水晶体嚢22への影響や
バルーン本体12内に注入物18を注入する際の操作性から
柔軟性であることが好ましく、具体的には、前記バルー
ン本体形成材料の他、シリコーン、ウレタン、塩化ビニ
ル、ポリエステル及びフッ素ゴム等のエラストマー、或
いは、薄肉のポリプロピレン等のポリオレフィン及びポ
リテトラフルオロエチレン等のフルオロカーボン等が挙
げられる。なお、これらのチューブ14,16は、バルーン
本体12の成形時に一体的に形成されたり、バルーン本体
12の一部を開口切断して後から接着されて一体的に取り
付けられることとなる。
また、かかる注入用のチューブ14のサイズに関して
は、第3図に示されるように、その外径:Rは、レンズ形
成体10を水晶体嚢22内に挿入する際やバルーン本体12内
に注入物18を注入する際の操作性から、3mm程度以下、
好ましくは2mm程度以下とされる一方、内径:rは、注入
物18の注入が困難とならないよう、0.05mm程度以上、好
ましくは0.1mm程度以上とされ、そして、バルーン本体1
2からの突出長さ:Sは、水晶体嚢22の外からの注入操作
をし易くするため、1mm程度以上、好ましくは2mm程度以
上とされるのである。そしてまた、排出用のチューブ16
のサイズも注入用のチューブ14と略同様とされることと
なる。なお、バルーン本体12の内部に、排出部としての
チューブ16の端部が出過ぎていると、内部の空気が排出
され難いので、チューブ16は、あまり内部に突出しない
ように、好ましくは、第3図に示されるように、バルー
ン本体12の内面に面一となるように取り付けられること
となる。
は、第3図に示されるように、その外径:Rは、レンズ形
成体10を水晶体嚢22内に挿入する際やバルーン本体12内
に注入物18を注入する際の操作性から、3mm程度以下、
好ましくは2mm程度以下とされる一方、内径:rは、注入
物18の注入が困難とならないよう、0.05mm程度以上、好
ましくは0.1mm程度以上とされ、そして、バルーン本体1
2からの突出長さ:Sは、水晶体嚢22の外からの注入操作
をし易くするため、1mm程度以上、好ましくは2mm程度以
上とされるのである。そしてまた、排出用のチューブ16
のサイズも注入用のチューブ14と略同様とされることと
なる。なお、バルーン本体12の内部に、排出部としての
チューブ16の端部が出過ぎていると、内部の空気が排出
され難いので、チューブ16は、あまり内部に突出しない
ように、好ましくは、第3図に示されるように、バルー
ン本体12の内面に面一となるように取り付けられること
となる。
そして、バルーン本体12に対するチューブ14,16の取
付位置は、注入物を注入する際の操作性や移植手術時に
空気が上方(前面側)に残る等の理由から、バルーン本
体12の前面側に設けることが好ましく、更に視力への影
響を考慮して光学部よりも外側に設けることが好まし
く、バルーン本体12の中心から径方向に1.5mm以上、特
に2mm以上外側に設けられることが望ましい。
付位置は、注入物を注入する際の操作性や移植手術時に
空気が上方(前面側)に残る等の理由から、バルーン本
体12の前面側に設けることが好ましく、更に視力への影
響を考慮して光学部よりも外側に設けることが好まし
く、バルーン本体12の中心から径方向に1.5mm以上、特
に2mm以上外側に設けられることが望ましい。
次に、このような構成のレンズ形成体10を眼内レンズ
20として水晶体嚢22内にセットせしめる際には(第2
図、第4図参照)、先ず、角膜24の周囲に位置する鞏膜
26の所定部位に設けられた、可及的に小さな切開口を通
じて、虹彩28等を損傷しないようにして、水晶体嚢22を
残した状態で、白内障の水晶体部分が除去される。一
方、レンズ形成体10を構成するバルーン本体12に設けら
れたチューブ14にカテーテル30を挿入して、かかるバル
ーン本体12内の空気が除去せしめられ、小さく折り畳ん
だ状態にされる。
20として水晶体嚢22内にセットせしめる際には(第2
図、第4図参照)、先ず、角膜24の周囲に位置する鞏膜
26の所定部位に設けられた、可及的に小さな切開口を通
じて、虹彩28等を損傷しないようにして、水晶体嚢22を
残した状態で、白内障の水晶体部分が除去される。一
方、レンズ形成体10を構成するバルーン本体12に設けら
れたチューブ14にカテーテル30を挿入して、かかるバル
ーン本体12内の空気が除去せしめられ、小さく折り畳ん
だ状態にされる。
そして、かかるカテーテル30が挿入されたレンズ形成
体10が、鞏膜部の切開口、更には嚢部分の切開口から、
水晶体嚢22内に挿入せしめられるのである。なお、空気
排出用のチューブ16は嚢の外に突出する状態にされる。
次いで、第4図に示されるように、所定の注入物18が、
カテーテル30を通じてレンズ形成体10のバルーン本体12
内に注入せしめられることにより、かかるバルーン本体
12が、水晶体嚢22内の全体に亘って密着されるように膨
満せしめられる一方、バルーン本体12内に残存していた
空気がチューブ16から排出せしめられ、バルーン本体12
の内部が注入物18で満たされて、眼内レンズ20とされ、
以て嚢内への固定が図られるのである。
体10が、鞏膜部の切開口、更には嚢部分の切開口から、
水晶体嚢22内に挿入せしめられるのである。なお、空気
排出用のチューブ16は嚢の外に突出する状態にされる。
次いで、第4図に示されるように、所定の注入物18が、
カテーテル30を通じてレンズ形成体10のバルーン本体12
内に注入せしめられることにより、かかるバルーン本体
12が、水晶体嚢22内の全体に亘って密着されるように膨
満せしめられる一方、バルーン本体12内に残存していた
空気がチューブ16から排出せしめられ、バルーン本体12
の内部が注入物18で満たされて、眼内レンズ20とされ、
以て嚢内への固定が図られるのである。
その後、かかる注入物の注入操作及び空気の排出操作
が終了すると、カテーテル30がバルーン本体12(チュー
ブ14)から抜き取られ、チューブ14,16の余分な部分
(突出部)が、ハサミ、熱或いはレーザ等で切断せしめ
られ、必要に応じて溶封されることとなる。そして鞏膜
部における切開口が縫合せしめられることにより、眼内
レンズ20が第2図に示される如く装用せしめられるので
ある。なお、注入物18として、重合性物質(例えば重合
性シリコーン等)を用いて、速やかに重合させることが
可能な場合は、注入物18の漏出の恐れがないため、溶封
しなくても差支えない。
が終了すると、カテーテル30がバルーン本体12(チュー
ブ14)から抜き取られ、チューブ14,16の余分な部分
(突出部)が、ハサミ、熱或いはレーザ等で切断せしめ
られ、必要に応じて溶封されることとなる。そして鞏膜
部における切開口が縫合せしめられることにより、眼内
レンズ20が第2図に示される如く装用せしめられるので
ある。なお、注入物18として、重合性物質(例えば重合
性シリコーン等)を用いて、速やかに重合させることが
可能な場合は、注入物18の漏出の恐れがないため、溶封
しなくても差支えない。
このようなレンズ形成体10によれば、バルーン本体12
(眼内レンズ20)が、水晶体嚢22内の全体に亘って密
着、固定されることに加えて、その膜厚の薄さにより、
眼内レンズ20が嚢の動きに対して良好に追従することが
でき、自然眼と同様な視力調節が可能となり、以てかか
る眼内レンズ20は人工の水晶体として有効に機能するこ
ととなるのである。
(眼内レンズ20)が、水晶体嚢22内の全体に亘って密
着、固定されることに加えて、その膜厚の薄さにより、
眼内レンズ20が嚢の動きに対して良好に追従することが
でき、自然眼と同様な視力調節が可能となり、以てかか
る眼内レンズ20は人工の水晶体として有効に機能するこ
ととなるのである。
しかも、レンズ形成体10のバルーン本体12内に注入物
18を注入しつつ、排出部(チューブ16)を通じて、残存
する空気を排出することができるため、気泡の残存によ
る光学的な問題が生じないのであり、更に、レンズ形成
体10を水晶体嚢22内に挿入するに先立って、レンズ形成
体10のバルーン本体12内の空気をあらかじめ完全に脱気
する必要がないところから、脱気操作を簡単に為し得る
のである。
18を注入しつつ、排出部(チューブ16)を通じて、残存
する空気を排出することができるため、気泡の残存によ
る光学的な問題が生じないのであり、更に、レンズ形成
体10を水晶体嚢22内に挿入するに先立って、レンズ形成
体10のバルーン本体12内の空気をあらかじめ完全に脱気
する必要がないところから、脱気操作を簡単に為し得る
のである。
また、このような注入部として、チューブ14を用いた
ことにより、、注入物18の注入時における気泡の発生が
少なくなったのであり、また、カテーテル30を、チュー
ブ14を介してレンズ形成体10のバルーン本体12に良好に
保持することができるため、カテーテル30の抜けを防止
することができ、レンズ形成体10の嚢内への挿入操作が
し易くなったのである。そしてまた、チューブ14の長さ
により、水晶体嚢22の外或いは眼の外から注入物を注入
することが可能となったのであり、更に、水晶体摘出時
の手術孔(小径)を利用して、カテーテルを用いずに、
チューブ14を用いてレンズ形成体10を挿入することもで
きるのである。また、排出部として、チューブ16を用い
たことにより、レンズ形成体10のバルーン本体12内に残
存する空気を、嚢の外に良好に導いて排出することがで
きるのである。
ことにより、、注入物18の注入時における気泡の発生が
少なくなったのであり、また、カテーテル30を、チュー
ブ14を介してレンズ形成体10のバルーン本体12に良好に
保持することができるため、カテーテル30の抜けを防止
することができ、レンズ形成体10の嚢内への挿入操作が
し易くなったのである。そしてまた、チューブ14の長さ
により、水晶体嚢22の外或いは眼の外から注入物を注入
することが可能となったのであり、更に、水晶体摘出時
の手術孔(小径)を利用して、カテーテルを用いずに、
チューブ14を用いてレンズ形成体10を挿入することもで
きるのである。また、排出部として、チューブ16を用い
たことにより、レンズ形成体10のバルーン本体12内に残
存する空気を、嚢の外に良好に導いて排出することがで
きるのである。
次に、本発明に従うレンズ形成体における、注入部及
び排出部の別の例について説明することとする。
び排出部の別の例について説明することとする。
先ず、第5図には、バルーン本体12に設けられて、眼
内レンズ形成体を構成せしめるチューブ32が示されてい
る。かかるチューブ32内には独立した2本の通路が形成
されており、それら通路の一方が注入部としての注入孔
34とされ、他方が排出部としての排出孔36とされてい
る。
内レンズ形成体を構成せしめるチューブ32が示されてい
る。かかるチューブ32内には独立した2本の通路が形成
されており、それら通路の一方が注入部としての注入孔
34とされ、他方が排出部としての排出孔36とされてい
る。
また、第6図には、バルーン本体に設けられて眼内レ
ンズを構成する、別の具体例としてのチューブ38の断面
図が示されている。かかるチューブ38は外側チューブ40
と、その内孔の径よりも小さい外径を有する内側チュー
ブ42とから構成されている。そして、外側チューブ40の
内面と内側チューブ42の外面とにおいて、それら両チュ
ーブ40,42が接触、固定されており、内側チューブ42内
に通路44が、内側チューブ42と外側チューブ40との間の
間隙に通路46が形成されて、前記チューブ32と同様に、
それら通路44,46により、前記注入部及び排出部が、1
本のチューブ38内に独立して形成されているのである。
ンズを構成する、別の具体例としてのチューブ38の断面
図が示されている。かかるチューブ38は外側チューブ40
と、その内孔の径よりも小さい外径を有する内側チュー
ブ42とから構成されている。そして、外側チューブ40の
内面と内側チューブ42の外面とにおいて、それら両チュ
ーブ40,42が接触、固定されており、内側チューブ42内
に通路44が、内側チューブ42と外側チューブ40との間の
間隙に通路46が形成されて、前記チューブ32と同様に、
それら通路44,46により、前記注入部及び排出部が、1
本のチューブ38内に独立して形成されているのである。
なお、これらのチューブ32,38は、前記チューブ14,16
と同様に、バルーン本体の形成時に一体的に形成された
り、バルーン本体12の一部を開口切断して接着して、後
から一体的に取り付けられることとなる。
と同様に、バルーン本体の形成時に一体的に形成された
り、バルーン本体12の一部を開口切断して接着して、後
から一体的に取り付けられることとなる。
また、このようなチューブ32,38の材質としては、前
記チューブ14,16と同様のものが、前記と同様な理由か
ら好適に使用されるのであり、それらチューブ32,38の
サイズに関しては、前記と同様な理由から、その外径
は、3mm程度以下、好ましくは2mm程度以下とされる一
方、通路の内径は、0.005mm程度以上、好ましくは0.1mm
程度以上とされ(但し、通路46が注入部である場合は同
等の断面積を有するようにされる)、そして、バルーン
本体12からの突出長さは、1mm程度以上、好ましくは2mm
程度以上とされるのである。
記チューブ14,16と同様のものが、前記と同様な理由か
ら好適に使用されるのであり、それらチューブ32,38の
サイズに関しては、前記と同様な理由から、その外径
は、3mm程度以下、好ましくは2mm程度以下とされる一
方、通路の内径は、0.005mm程度以上、好ましくは0.1mm
程度以上とされ(但し、通路46が注入部である場合は同
等の断面積を有するようにされる)、そして、バルーン
本体12からの突出長さは、1mm程度以上、好ましくは2mm
程度以上とされるのである。
なお、バルーン本体12の内部に、チューブ32,38の端
部が出過ぎていると、内部の空気が排出されにくいの
で、チューブ16と同様、チューブ32,38は、あまり内部
に突出しないように、好ましくは、第5図に示されるよ
うに、バルーン本体12の内面に面一となるように取り付
けられることとなる。また、注入物の注入操作及び空気
の排出操作が完了した後には、チューブの余分な部分
が、ハサミ、熱或いはレーザ等で切断され、必要に応じ
て溶封されることとなる。
部が出過ぎていると、内部の空気が排出されにくいの
で、チューブ16と同様、チューブ32,38は、あまり内部
に突出しないように、好ましくは、第5図に示されるよ
うに、バルーン本体12の内面に面一となるように取り付
けられることとなる。また、注入物の注入操作及び空気
の排出操作が完了した後には、チューブの余分な部分
が、ハサミ、熱或いはレーザ等で切断され、必要に応じ
て溶封されることとなる。
そして、本発明に従う眼内レンズ形成体における、排
出部の別の例として、例えば、第7図には、眼内レンズ
形成体の形成時にバルーン本体のバルーン壁48に一体的
に形成される逆止弁50が示されている。かかる逆止弁50
はバルーン本体から外側に突出する状態で設けられてお
り、バルーン本体の内部の空気を外部へ排出し得るもの
の、外部から内部への空気の侵入は許容しないようにさ
れている。なお、逆止弁50としては、アンブレラ型、ダ
ックビル型等の公知の逆止弁の何れをも採用することが
可能であるが、なかでもダックビル型のものが、外径を
小さく出来る点において好適に用いられる。また、逆止
弁50の大きさは可及的に小さくすることが望ましく、一
般に、その直径が約2mm以下、長さが約3mm以下とするこ
とが望ましい。そして、かかる逆止弁50は、バルーン本
体に対して別体のものを後から一体的に取り付けても差
支えはない。
出部の別の例として、例えば、第7図には、眼内レンズ
形成体の形成時にバルーン本体のバルーン壁48に一体的
に形成される逆止弁50が示されている。かかる逆止弁50
はバルーン本体から外側に突出する状態で設けられてお
り、バルーン本体の内部の空気を外部へ排出し得るもの
の、外部から内部への空気の侵入は許容しないようにさ
れている。なお、逆止弁50としては、アンブレラ型、ダ
ックビル型等の公知の逆止弁の何れをも採用することが
可能であるが、なかでもダックビル型のものが、外径を
小さく出来る点において好適に用いられる。また、逆止
弁50の大きさは可及的に小さくすることが望ましく、一
般に、その直径が約2mm以下、長さが約3mm以下とするこ
とが望ましい。そして、かかる逆止弁50は、バルーン本
体に対して別体のものを後から一体的に取り付けても差
支えはない。
また、排出部として、空気は通すが注入物は通さない
通気性膜を採用することも可能であり、かかる通気性膜
としては、疎水性の多孔質膜、例えばフッ素樹脂膜、ポ
リオレフィン、フロロカーボン等の多孔質膜や、中空糸
を束ねて薄膜状にしたもの等が挙げられる。この通気性
膜は、バルーン本体形成時に一体的に形成されたり、別
体のものが一体的に取り付けられたりするが、その大き
さは直径4mm程度以下とされる。
通気性膜を採用することも可能であり、かかる通気性膜
としては、疎水性の多孔質膜、例えばフッ素樹脂膜、ポ
リオレフィン、フロロカーボン等の多孔質膜や、中空糸
を束ねて薄膜状にしたもの等が挙げられる。この通気性
膜は、バルーン本体形成時に一体的に形成されたり、別
体のものが一体的に取り付けられたりするが、その大き
さは直径4mm程度以下とされる。
そして、このようなチューブ32,38や逆止弁50或いは
通気性膜は、チューブ14,16と同様に、バルーン本体12
の前面側の、中心から径方向に1.5mm以上、特に2mm以上
外側に好適に設けられることとなり、注入物の注入操作
の際には、当然、それらは嚢の外に出されるか、露出せ
しめられることとなる。
通気性膜は、チューブ14,16と同様に、バルーン本体12
の前面側の、中心から径方向に1.5mm以上、特に2mm以上
外側に好適に設けられることとなり、注入物の注入操作
の際には、当然、それらは嚢の外に出されるか、露出せ
しめられることとなる。
このようなチューブ32,38或いは逆止弁50、通気性膜
を有する眼内レンズ形成体によっても、前記のレンズ形
成体10と同様に、自然眼と同様な視力調節が可能とな
り、かかる眼内レンズ20は人工の水晶体として有効に機
能することとなるのである。
を有する眼内レンズ形成体によっても、前記のレンズ形
成体10と同様に、自然眼と同様な視力調節が可能とな
り、かかる眼内レンズ20は人工の水晶体として有効に機
能することとなるのである。
しかも、残存する空気を可及的に排出することができ
るため、気泡の残存による光学的な問題が生じないので
あり、更に、眼内レンズ形成体を水晶体嚢22内に挿入す
るに先立って、内部の空気をあらかじめ完全に脱気する
必要がないところから、脱気操作を簡単に為し得るので
ある。
るため、気泡の残存による光学的な問題が生じないので
あり、更に、眼内レンズ形成体を水晶体嚢22内に挿入す
るに先立って、内部の空気をあらかじめ完全に脱気する
必要がないところから、脱気操作を簡単に為し得るので
ある。
また、このような注入部及び排出部として、チューブ
32又は38を用いれば、注入物18の注入時における気泡の
発生が少なくなるのであり、また、カテーテルを良好に
保持することができるため、眼内レンズ形成体の嚢内へ
の挿入操作がし易くなり、そしてまた、チューブの長さ
により、水晶体嚢22の外或いは眼の外から注入物を注入
することが可能となり、更に、水晶体摘出時の手術孔
(小径)を利用して、カテーテルを用いずに、チューブ
を用いて眼内レンズ形成体を挿入することができるので
ある。また、嚢の外にかかるチューブ32,33を突出させ
ることができるため、眼内レンズ内に残存する空気を、
嚢の外に良好に排出することができるのである。そして
更に、注入部及び排出部が、一本のチューブ内に独立し
て形成されているので、取付スペースが小さくなり、光
学部への影響を少なく為し得、嚢の切開口をより小さく
することもできるのである。
32又は38を用いれば、注入物18の注入時における気泡の
発生が少なくなるのであり、また、カテーテルを良好に
保持することができるため、眼内レンズ形成体の嚢内へ
の挿入操作がし易くなり、そしてまた、チューブの長さ
により、水晶体嚢22の外或いは眼の外から注入物を注入
することが可能となり、更に、水晶体摘出時の手術孔
(小径)を利用して、カテーテルを用いずに、チューブ
を用いて眼内レンズ形成体を挿入することができるので
ある。また、嚢の外にかかるチューブ32,33を突出させ
ることができるため、眼内レンズ内に残存する空気を、
嚢の外に良好に排出することができるのである。そして
更に、注入部及び排出部が、一本のチューブ内に独立し
て形成されているので、取付スペースが小さくなり、光
学部への影響を少なく為し得、嚢の切開口をより小さく
することもできるのである。
また、排出部として、逆止弁50をバルーン本体に設け
れば、かかるバルーン本体内に注入物が注入される際
に、残存する空気を良好に排出させることができる一
方、空気が逆流することを良好に防止し得るのであり、
そして一旦空気が排出されれば、最早空気は眼内レンズ
内に侵入することはないのである。
れば、かかるバルーン本体内に注入物が注入される際
に、残存する空気を良好に排出させることができる一
方、空気が逆流することを良好に防止し得るのであり、
そして一旦空気が排出されれば、最早空気は眼内レンズ
内に侵入することはないのである。
また、排出部として、通気性膜を採用すれば、注入物
が、排出部から漏れることがなくなり、内部の空気のみ
を良好に排出することができるのである。
が、排出部から漏れることがなくなり、内部の空気のみ
を良好に排出することができるのである。
ところで、注入物を注入するための注入部として、第
8図(a),(b)に示されているように、バルーン本
体12の一部が厚肉部とされたヘソ部52を採用することも
可能である。このようなヘソ部52は、第8図(a)に示
されるように、バルーン本体12の成形時に一体的に形成
されたものであっても、第8図(b)に示されるよう
に、バルーン本体12に対して別体のヘソ形成部材54を一
体的に設けたものであっても良い。そして、このような
眼内レンズ形成体にあっては、かかるヘソ部52にカテー
テルが差し込まれて、内部に注入物が注入されることと
なる。なお、かかるヘソ部52の厚さは、周囲のバルーン
本体12の膜厚の1.05〜1.20倍程度とされ、その大きさは
直径4mm程度以下とされる。
8図(a),(b)に示されているように、バルーン本
体12の一部が厚肉部とされたヘソ部52を採用することも
可能である。このようなヘソ部52は、第8図(a)に示
されるように、バルーン本体12の成形時に一体的に形成
されたものであっても、第8図(b)に示されるよう
に、バルーン本体12に対して別体のヘソ形成部材54を一
体的に設けたものであっても良い。そして、このような
眼内レンズ形成体にあっては、かかるヘソ部52にカテー
テルが差し込まれて、内部に注入物が注入されることと
なる。なお、かかるヘソ部52の厚さは、周囲のバルーン
本体12の膜厚の1.05〜1.20倍程度とされ、その大きさは
直径4mm程度以下とされる。
また更に、かかる注入部として、前記のような逆止弁
を採用することも可能であり、それらヘソ部52及び逆止
弁の取付位置は、前記チューブ14,16と同様とされるこ
ととなる。
を採用することも可能であり、それらヘソ部52及び逆止
弁の取付位置は、前記チューブ14,16と同様とされるこ
ととなる。
次に、本発明の更に別の一例について説明することと
する。例えば、第9図(a)〜(d)には、眼内レンズ
形成体に設けられるチューブの幾つかの例を説明する断
面図が示されている。
する。例えば、第9図(a)〜(d)には、眼内レンズ
形成体に設けられるチューブの幾つかの例を説明する断
面図が示されている。
先ず、第9図(a)には、楕円断面形状を呈するチュ
ーブ56の断面図が示されており、このチューブ56の内部
には、楕円断面形状の内孔58が形成されている。ところ
で、かかる内孔58の形状は、注入物を注入するカテーテ
ル30の外径よりも大きなものとされていると共に、かか
るカテーテル30が内孔58内に良好に保持されるようにさ
れているのである。
ーブ56の断面図が示されており、このチューブ56の内部
には、楕円断面形状の内孔58が形成されている。ところ
で、かかる内孔58の形状は、注入物を注入するカテーテ
ル30の外径よりも大きなものとされていると共に、かか
るカテーテル30が内孔58内に良好に保持されるようにさ
れているのである。
つまり、このようなチューブ56を備えたバルーン本体
からなる眼内レンズ形成体を水晶体嚢内に挿入する際に
は、カテーテルを取り付け、そのカテーテルを用いて挿
入操作が行なわれることとなるが、第9図(a)に示さ
れるように、カテーテル30をチューブ56の内孔58に挿入
することにより、かかる内孔58の内面にカテーテル30が
良好に保持されると共に、カテーテル30の外面と内孔58
の内面との間に、排出部としての間隙60,60が形成され
るのである。なお、ここにおいては、チューブ56の楕円
の短軸部分が、カテーテル30を内孔58内に保持する支持
部を構成している。
からなる眼内レンズ形成体を水晶体嚢内に挿入する際に
は、カテーテルを取り付け、そのカテーテルを用いて挿
入操作が行なわれることとなるが、第9図(a)に示さ
れるように、カテーテル30をチューブ56の内孔58に挿入
することにより、かかる内孔58の内面にカテーテル30が
良好に保持されると共に、カテーテル30の外面と内孔58
の内面との間に、排出部としての間隙60,60が形成され
るのである。なお、ここにおいては、チューブ56の楕円
の短軸部分が、カテーテル30を内孔58内に保持する支持
部を構成している。
また、第9図(b)に示されるチューブ62は、内部に
花びら断面形状の内孔64を有する、円形断面形状とされ
ており、図からも明らかなように、かかる内孔64内にカ
テーテル30が挿入されることにより内孔64内に突出する
4つの支持部66がカテーテルを保持すると共に、内孔64
の内面とカテーテル30の外面との間に、排出部としての
4つの間隙68が形成されるのである。
花びら断面形状の内孔64を有する、円形断面形状とされ
ており、図からも明らかなように、かかる内孔64内にカ
テーテル30が挿入されることにより内孔64内に突出する
4つの支持部66がカテーテルを保持すると共に、内孔64
の内面とカテーテル30の外面との間に、排出部としての
4つの間隙68が形成されるのである。
そしてまた、第9図(c)に示されるチューブ70は、
内部に8の字断面形状の内孔72を有する、楕円断面形状
とされており、図からも明らかなように、かかる内孔72
の8の字の一方側にカテーテル30が挿入されることによ
り、8の字の他方側に排出部としての間隙74が形成され
るのである。なお、ここにおいては、8の字の一方側の
内周面が支持部を構成している。
内部に8の字断面形状の内孔72を有する、楕円断面形状
とされており、図からも明らかなように、かかる内孔72
の8の字の一方側にカテーテル30が挿入されることによ
り、8の字の他方側に排出部としての間隙74が形成され
るのである。なお、ここにおいては、8の字の一方側の
内周面が支持部を構成している。
更に、第9図(d)に示されるチューブ76は、内部に
星型断面形状の内孔78を有する、円形断面形状とされて
おり、図からも明らかなように、かかる内孔78内にカテ
ーテル30が挿入されることにより内孔78内に突出する複
数の支持部80がカテーテル30を保持すると共に、内孔78
内面とカテーテル30外面との間に、排出部としての複数
の間隙82が形成されるのである。
星型断面形状の内孔78を有する、円形断面形状とされて
おり、図からも明らかなように、かかる内孔78内にカテ
ーテル30が挿入されることにより内孔78内に突出する複
数の支持部80がカテーテル30を保持すると共に、内孔78
内面とカテーテル30外面との間に、排出部としての複数
の間隙82が形成されるのである。
なお、これらのチューブ56,62,70,76も、前記チュー
ブ14,16と同様に、バルーン本体の成形時或いは後から
一体的に設けられることとなり、また、その材質、取付
位置も、チューブ14,16の場合と同様とされるのであ
る。
ブ14,16と同様に、バルーン本体の成形時或いは後から
一体的に設けられることとなり、また、その材質、取付
位置も、チューブ14,16の場合と同様とされるのであ
る。
これらのチューブを備えた眼内レンズ形成体を、水晶
体嚢内に挿入する際の操作も、他の形状のチューブを有
する眼内レンズ形成体の場合と同様であり、また、この
ようなチューブを有する眼内レンズ形成体によっても、
カテーテル30によって注入物をレンズ形成体のバルーン
本体内に注入できると共に、カテーテル30の挿入によっ
て形成された間隙60,68,74,82を通じて簡単且つ良好に
空気が排出されることとなる。
体嚢内に挿入する際の操作も、他の形状のチューブを有
する眼内レンズ形成体の場合と同様であり、また、この
ようなチューブを有する眼内レンズ形成体によっても、
カテーテル30によって注入物をレンズ形成体のバルーン
本体内に注入できると共に、カテーテル30の挿入によっ
て形成された間隙60,68,74,82を通じて簡単且つ良好に
空気が排出されることとなる。
そして更に、これらのチューブを有する眼内レンズ形
成体にあっても、前記のチューブ32,38を有する眼内レ
ンズ形成体とほぼ同様の効果を発揮することとなるので
ある。つまり、注入物18の注入時における気泡の発生が
少なくなるのであり、また、カテーテルを良好に保持す
ることができるため、眼内レンズ形成体の嚢内への挿入
操作がし易くなり、更に、水晶体摘出時の手術孔(小
径)を利用して、カテーテルを用いずに、チューブを用
いて眼内レンズ形成体を挿入することもできるのであ
る。また、嚢の外にかかるチューブを突出させることが
できるため、眼内レンズ内に残存する空気を、嚢の外に
良好に排出することができるのであり、そして更に、注
入部及び排出部が、一本のチューブ内に独立して形成さ
れることとなるので、チューブの取付スペースが小さく
なり、光学部への影響を少なく為し得、嚢の切開口をよ
り小さくすることもできるのである。
成体にあっても、前記のチューブ32,38を有する眼内レ
ンズ形成体とほぼ同様の効果を発揮することとなるので
ある。つまり、注入物18の注入時における気泡の発生が
少なくなるのであり、また、カテーテルを良好に保持す
ることができるため、眼内レンズ形成体の嚢内への挿入
操作がし易くなり、更に、水晶体摘出時の手術孔(小
径)を利用して、カテーテルを用いずに、チューブを用
いて眼内レンズ形成体を挿入することもできるのであ
る。また、嚢の外にかかるチューブを突出させることが
できるため、眼内レンズ内に残存する空気を、嚢の外に
良好に排出することができるのであり、そして更に、注
入部及び排出部が、一本のチューブ内に独立して形成さ
れることとなるので、チューブの取付スペースが小さく
なり、光学部への影響を少なく為し得、嚢の切開口をよ
り小さくすることもできるのである。
なお、このようなチューブは、カテーテルを挿入した
際、該カテーテルが保持されて、且つ排出部としての間
隙が形成され得る形状の内孔を有するものであれば、そ
の形状は特に限定はされないのである。
際、該カテーテルが保持されて、且つ排出部としての間
隙が形成され得る形状の内孔を有するものであれば、そ
の形状は特に限定はされないのである。
以上、本発明に従う眼内レンズ形成体について、その
幾つかの具体例を説明したが、本発明が、それら具体例
にのみ限定されるものでは決してないのである。
幾つかの具体例を説明したが、本発明が、それら具体例
にのみ限定されるものでは決してないのである。
例えば、前述のレンズ形成体のバルーン本体の形状は
何れも、中空の一体的な凸レンズ形状を呈しており、そ
の周縁部に凸レンズ形状とは異なる突出部が生じないよ
うに形成されているが、本発明にあっては、かかるバル
ーン本体は、中空で、水晶体嚢に実質的に対応する形状
を呈しておれば、差支えないのである。
何れも、中空の一体的な凸レンズ形状を呈しており、そ
の周縁部に凸レンズ形状とは異なる突出部が生じないよ
うに形成されているが、本発明にあっては、かかるバル
ーン本体は、中空で、水晶体嚢に実質的に対応する形状
を呈しておれば、差支えないのである。
また、空気の流出をスムーズにするために、ポンプ等
を用いて排出部より空気を吸引することも可能である。
を用いて排出部より空気を吸引することも可能である。
次に、本発明に従う眼内レンズ形成体を用いて、注入
物を注入した、幾つかの実施例を示すこととする。
物を注入した、幾つかの実施例を示すこととする。
実施例 1 シリコーンバルーン本体に、シリコーンチューブ(米
国:ダウ・コーニング社製、外径:0.64mm、内径:0.3m
m、断面:ほぼ正円)の2本を取り付け、その1本よ
り、カテーテルを用いて1%ヒアルロン酸ナトリウム水
溶液を注入したところ、バルーン本体内の空気は、他の
1本より排出され、バルーン本体内は完全にヒアルロン
酸ナトリウム水溶液にて満たされた。
国:ダウ・コーニング社製、外径:0.64mm、内径:0.3m
m、断面:ほぼ正円)の2本を取り付け、その1本よ
り、カテーテルを用いて1%ヒアルロン酸ナトリウム水
溶液を注入したところ、バルーン本体内の空気は、他の
1本より排出され、バルーン本体内は完全にヒアルロン
酸ナトリウム水溶液にて満たされた。
実施例 2 シリコーンバルーン本体に、シリコーンチューブ(米
国:ダウ・コーニング社製、外径:1.22mm、第9図
(b)と同形状)を1本取り付けた。該チューブに2フ
レンチのカテーテルを挿入し、重合性シリコーンを注入
したところ、バルーン本体内の空気はチューブとカテー
テルの間隙より排出され、バルーン本体内は重合性シリ
コーンにて満たされ、気泡の残存は何等認められなかっ
た。
国:ダウ・コーニング社製、外径:1.22mm、第9図
(b)と同形状)を1本取り付けた。該チューブに2フ
レンチのカテーテルを挿入し、重合性シリコーンを注入
したところ、バルーン本体内の空気はチューブとカテー
テルの間隙より排出され、バルーン本体内は重合性シリ
コーンにて満たされ、気泡の残存は何等認められなかっ
た。
以上、本発明の実施例を参照しつつ、本発明の構成に
ついて詳述してきたが、本発明が、そのような例示の具
体的構成及び実施例にのみ限定して解釈されるものでは
決してなく、本発明が、当業者の知識に基づいて種々な
る変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得
るものであり、またそのような態様が、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、何れも本発明の範囲内に含ま
れるものであることは、言うまでもないところである。
ついて詳述してきたが、本発明が、そのような例示の具
体的構成及び実施例にのみ限定して解釈されるものでは
決してなく、本発明が、当業者の知識に基づいて種々な
る変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得
るものであり、またそのような態様が、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、何れも本発明の範囲内に含ま
れるものであることは、言うまでもないところである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う眼内レ
ンズ形成体を用いた眼内レンズは、白内障術後の視力矯
正用等に好適に用いられ得るものであって、そのような
眼内レンズ形成体は、伸縮性のある中空のエラストマー
から形成されており、水晶体に実質的に対応する形状を
呈しているところから、小さくたたんだ状態で鞏膜部及
び水晶体嚢部分の小切開口から挿入可能となるのであ
り、また、水晶体嚢の内面に密着、保持させることが可
能となるのであり、更に、嚢の動きに対して良好に追従
ができ、自然眼と同様な視力調節を可能とするものであ
り、以て人工の水晶体として有効に機能することとなる
のである。
ンズ形成体を用いた眼内レンズは、白内障術後の視力矯
正用等に好適に用いられ得るものであって、そのような
眼内レンズ形成体は、伸縮性のある中空のエラストマー
から形成されており、水晶体に実質的に対応する形状を
呈しているところから、小さくたたんだ状態で鞏膜部及
び水晶体嚢部分の小切開口から挿入可能となるのであ
り、また、水晶体嚢の内面に密着、保持させることが可
能となるのであり、更に、嚢の動きに対して良好に追従
ができ、自然眼と同様な視力調節を可能とするものであ
り、以て人工の水晶体として有効に機能することとなる
のである。
しかも、眼内レンズ形成体のバルーン本体内に注入部
を通じて注入物を注入しながら、該注入物とは異なる、
独立した排出部を通じて、該バルーン本体内に残存する
空気等の気体を排出することができるため、気泡の残存
により惹起される光学的な問題の発生が効果的に阻止さ
れ得るのであり、更に、眼内レンズ形成体を水晶体嚢内
に挿入するに先立って、眼内レンズ形成体のバルーン本
体内の空気等の気体をあらかじめ完全に除去する必要が
ないところから、脱気操作を簡単に行ない得ることとな
ったのである。
を通じて注入物を注入しながら、該注入物とは異なる、
独立した排出部を通じて、該バルーン本体内に残存する
空気等の気体を排出することができるため、気泡の残存
により惹起される光学的な問題の発生が効果的に阻止さ
れ得るのであり、更に、眼内レンズ形成体を水晶体嚢内
に挿入するに先立って、眼内レンズ形成体のバルーン本
体内の空気等の気体をあらかじめ完全に除去する必要が
ないところから、脱気操作を簡単に行ない得ることとな
ったのである。
第1図は、本発明に従う眼内レンズ形成体の一例を示す
断面説明図であり、第2図は、本発明に従う眼内レンズ
形成体を用いた眼内レンズを水晶体嚢内に装着した状態
を示す断面説明図であり、また、第3図は、本発明に従
う眼内レンズ形成体の注入部及び排出部の一例としての
チューブを説明するための斜視図であり、そして、第4
図は、そのような眼内レンズ形成体に注入物が注入され
た後の状態を示す断面説明図である。 第5図は、本発明に従う眼内レンズ形成体の注入部及び
排出部の別の例としてのチューブを示す斜視図であり、
第6図は、注入部及び排出部の更に別の例としてのチュ
ーブを示す断面説明図であり、また、第7図は、本発明
に従う眼内レンズ形成体の排出部の一例としての逆止弁
を説明するための要部断面拡大図であり、更に、第8図
(a)及び(b)は、それぞれ本発明に従う眼内レンズ
形成体におけるチューブ挿入、取付部の一例としてのヘ
ソ部を説明するための要部断面拡大図であり、第9図
(a)〜(d)は、それぞれ、本発明に従う眼内レンズ
形成体のチューブに、カテーテルが挿入された際に、注
入部及び排出部が形成される状態を説明する断面図であ
る。 10:レンズ形成体、12:バルーン本体 14,16,32,38,56,62,70,76:チューブ 18:注入物、20:眼内レンズ 22:水晶体嚢、24:角膜 26:鞏膜、28:虹彩 30:カテーテル、34:注入孔 36:排出孔、44,46:通路 48:バルーン壁、50:逆止弁 52:ヘソ部 58,64,72,78:内孔 60,68,74,82:間隙 66,80:支持部
断面説明図であり、第2図は、本発明に従う眼内レンズ
形成体を用いた眼内レンズを水晶体嚢内に装着した状態
を示す断面説明図であり、また、第3図は、本発明に従
う眼内レンズ形成体の注入部及び排出部の一例としての
チューブを説明するための斜視図であり、そして、第4
図は、そのような眼内レンズ形成体に注入物が注入され
た後の状態を示す断面説明図である。 第5図は、本発明に従う眼内レンズ形成体の注入部及び
排出部の別の例としてのチューブを示す斜視図であり、
第6図は、注入部及び排出部の更に別の例としてのチュ
ーブを示す断面説明図であり、また、第7図は、本発明
に従う眼内レンズ形成体の排出部の一例としての逆止弁
を説明するための要部断面拡大図であり、更に、第8図
(a)及び(b)は、それぞれ本発明に従う眼内レンズ
形成体におけるチューブ挿入、取付部の一例としてのヘ
ソ部を説明するための要部断面拡大図であり、第9図
(a)〜(d)は、それぞれ、本発明に従う眼内レンズ
形成体のチューブに、カテーテルが挿入された際に、注
入部及び排出部が形成される状態を説明する断面図であ
る。 10:レンズ形成体、12:バルーン本体 14,16,32,38,56,62,70,76:チューブ 18:注入物、20:眼内レンズ 22:水晶体嚢、24:角膜 26:鞏膜、28:虹彩 30:カテーテル、34:注入孔 36:排出孔、44,46:通路 48:バルーン壁、50:逆止弁 52:ヘソ部 58,64,72,78:内孔 60,68,74,82:間隙 66,80:支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−217958(JP,A) 特開 昭62−18225(JP,A) 特開 昭62−196109(JP,A) 特公 平6−67396(JP,B2)
Claims (5)
- 【請求項1】水晶体嚢内に挿入されて、該水晶体嚢に実
質的に対応する形状を与える、伸縮性のあるエラストマ
ーから形成された中空のバルーン本体を有し、所定の光
透過性の注入物を該バルーン本体内に注入して、該バル
ーン本体を前記水晶体嚢内に膨満させることにより、目
的とする眼内レンズを与える眼内レンズ形成体にして、
前記バルーン本体に、その前面側で且つ光学部よりも外
側に位置するように、前記注入物を注入するための注入
部及び該バルーン本体内の気体を排出するための排出部
を、それぞれ独立して設けたことを特徴とする眼内レン
ズ形成体。 - 【請求項2】前記注入部及び前記排出部が、それぞれ別
個のチューブにて構成されている請求項(1)記載の眼
内レンズ形成体。 - 【請求項3】前記注入部及び前記排出部が、1本のチュ
ーブ内に形成された二つの通路にて構成されている請求
項(1)記載の眼内レンズ形成体。 - 【請求項4】前記排出部が、前記バルーン本体のバルー
ン壁に一体的に設けられた逆止弁または通気性膜部にて
構成されている請求項(1)記載の眼内レンズ形成体。 - 【請求項5】前記バルーン本体が、前記注入物を注入す
るカテーテルの外径よりも大きな形状の内孔を有し且つ
該内孔内に前記カテーテルの支持部を設けてなるチュー
ブを有し、該チューブの内孔内に前記カテーテルを挿入
して前記支持部にて保持せしめることにより、該カテー
テルによる前記注入部の形成と共に、該カテーテル外面
と前記内孔内面との間に間隙にて前記排出部が形成され
るようにしたことを特徴とする請求項(1)記載の眼内
レンズ形成体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63052449A JP2618426B2 (ja) | 1988-03-04 | 1988-03-04 | 眼内レンズ形成体 |
DE68920167T DE68920167T2 (de) | 1988-02-12 | 1989-02-09 | Verfahren zu Herstellung eines Ballons für eine intraokulare Linse. |
EP89102260A EP0328117B1 (en) | 1988-02-12 | 1989-02-09 | Processes for production of a Baloon for an intraocular lens |
US07/308,533 US5035710A (en) | 1988-02-12 | 1989-02-10 | Balloon for an intraocular lens and processes for its production |
US07/591,279 US5091121A (en) | 1988-02-12 | 1990-10-01 | Production of a balloon for an intraocular lens |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63052449A JP2618426B2 (ja) | 1988-03-04 | 1988-03-04 | 眼内レンズ形成体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01227753A JPH01227753A (ja) | 1989-09-11 |
JP2618426B2 true JP2618426B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=12915032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63052449A Expired - Lifetime JP2618426B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-03-04 | 眼内レンズ形成体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2618426B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3086263B2 (ja) * | 1990-12-25 | 2000-09-11 | 株式会社メニコン | 眼内レンズ形成体 |
TR200101048T2 (tr) * | 1998-10-13 | 2001-07-23 | Pharmacia Groningen B.V. | Enjekte edilebilir göz-içi lensleri |
SE9803481D0 (sv) * | 1998-10-13 | 1998-10-13 | Pharmacia & Upjohn Ab | Photocurable siloxane polymers |
JP2001252300A (ja) | 2000-03-14 | 2001-09-18 | Mototsugu Nishinobu | 水晶体実質の置換方法 |
JP4927371B2 (ja) | 2005-09-28 | 2012-05-09 | 興和株式会社 | 眼内レンズ |
MX339355B (es) * | 2011-05-23 | 2016-05-18 | Univ Southern California | Acomodación de lente intraocular. |
KR20160086767A (ko) * | 2013-11-14 | 2016-07-20 | 캘리포니아 인스티튜트 오브 테크놀로지 | 원근 조절 인공 수정체 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6218225A (ja) * | 1985-07-16 | 1987-01-27 | Mikasa Kogyo Kk | 合成樹脂製複合レンズの製造方法及びその製造用ガスケツト |
SE8505518D0 (sv) * | 1985-11-22 | 1985-11-22 | Swedish Graft Tech Ab | Implantationslins, forfarande for framsstellning derav och anordning for att utfora forfarandet |
JPS62196109A (ja) * | 1986-02-24 | 1987-08-29 | Akira Yotsutsuji | コンタクトレンズの成形法 |
JP2722959B2 (ja) * | 1992-08-18 | 1998-03-09 | ノーリツ鋼機株式会社 | フィルム供給装置 |
-
1988
- 1988-03-04 JP JP63052449A patent/JP2618426B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01227753A (ja) | 1989-09-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5035710A (en) | Balloon for an intraocular lens and processes for its production | |
EP0493090B1 (en) | Intraocular lens having balloon member | |
US7883540B2 (en) | Intraocular lens | |
CN104619287B (zh) | 人工晶体,尤其是囊袋人工晶体 | |
JP6433898B2 (ja) | 眼内レンズ、特に毛様体眼内レンズ | |
JP5091259B2 (ja) | 眼内レンズ組立体 | |
JP5755293B2 (ja) | 膨張可能な眼内レンズ/レンズ保持具 | |
KR100673634B1 (ko) | 소형피막파열 판 | |
US6096076A (en) | Hybrid intrastromal corneal ring | |
US9034035B2 (en) | Accommodating intraocular lens assembly | |
JPH01119247A (ja) | 硝子体補てつ装置 | |
JP2618426B2 (ja) | 眼内レンズ形成体 | |
EP2547289B1 (en) | Accommodating intraocular lens assembly | |
US7569048B2 (en) | Apparatus and methods for isolating lens capsule fluids | |
US7597678B2 (en) | Apparatus and methods for isolating lens capsule fluids | |
JPH0667396B2 (ja) | 眼内レンズ | |
JP2839255B2 (ja) | 眼内レンズ用バルーン体の製造方法 |