JPH0665811A - ポリアミドの連続的紡糸、伸張方法および装置 - Google Patents

ポリアミドの連続的紡糸、伸張方法および装置

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JPH0665811A JP5070544A JP7054493A JPH0665811A JP H0665811 A JPH0665811 A JP H0665811A JP 5070544 A JP5070544 A JP 5070544A JP 7054493 A JP7054493 A JP 7054493A JP H0665811 A JPH0665811 A JP H0665811A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高結晶性、アルファタイプ結晶の高含有率お
よび低い収縮性を示すポリアミドヤーンを製造するた
め、ポリアミドの連続的紡糸、伸張方法を提供するこ
と。 【構成】 （ａ）ポリアミドを溶融させ、溶融ポリアミ
ドを紡糸口に通してフィラメントを形成し、（ｂ）フィ
ラメントを急冷し、（ｃ）フィラメントにヤーン仕上剤
を施し、（ｄ）スチームボックスおよび少なくとも１個
の加熱されたゴデットロールを有するスチーム処理、加
熱装置によりフィラメントに水蒸気と熱を施し、（ｅ）
フィラメントを伸張し、必要に応じて（ｆ）フィラメン
トをテクスチャー処理する各工程を有する、ポリアミド
の連続的紡糸、伸張方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【技術分野】本発明はポリアミドの連続的紡糸、伸張方
法および装置に関するものである。
【０００２】
【従来技術】ポリアミドヤーンは、一般に１本ないし複
数本のフィラメントを溶融紡糸し、これを容器に捲回
し、ラグタイムと称される若干時間貯蔵し、次いで第２
工程で伸張、テクスチャー処理して製造される。この２
段階法は、高い結晶性および低い収縮性を有するヤーン
をもたらす。さらに２段階法における高率の含有結晶
は、ガンマタイムの結晶よりも安定なアルファタイプで
ある。
【０００３】スピン、ドロー、テクスチャー法（ＳＤＴ
法）と称される１段階法がすでに開発されているが、こ
れは効率的ではあるが、これにより製造されるヤーン
は、加熱硬化処理の間に、低い結晶性と高い収縮性を示
す。さらにこのヤーンは、２段階法よりも安定なアルフ
ァタイプ結晶の含有率が低い。この１段階法ヤーンの欠
点は、対比し得る加熱硬化ヤーンと異なるデニールを示
すことである。
【０００４】さらに他の欠点は、極めて平滑な表面を有
することであって、これによりヤーンを織成するに際し
て、ヤーンとガイドの間に大きな摩擦をもたらし、織成
体に好ましくないストリーク、すなわち条痕のような非
均斉性を招来する。
【０００５】この最後に述べた欠点を回避するため、米
国特許３４１４６４６号明細書において、伸張工程前に
フィラメントを水蒸気処理するポリカーボンアミドフィ
ラメントの製造方法が記載されている。
【０００６】また米国特許３７６１５５６号は、伸張お
よび収縮前に２段階水蒸気処理する、収縮ポリアミドヤ
ーンの製造方法が開示されている。
【０００７】また染色ナイロンヤーンのオゾン褐色耐性
を改善するため、米国特許４３９６５７０号明細書に
は、伸張工程前に蒸気室においてフィラメントに水蒸気
を施す、ナイロン６フィラメントの連続的紡糸、伸張方
法が記載されている。
【０００８】
【本発明が解決しょうとする課題】本発明の目的は、高
結晶性、アルファタイプ結晶の高含有率および低い収縮
性を示すポリアミドヤーンを製造するため、ポリアミド
の連続的紡糸、伸張方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】しかるに上述の目的は、
（ａ）ポリアミドを溶融させ、溶融ポリアミドを紡糸口
に通してフィラメントを形成し、（ｂ）フィラメントを
急冷し、（ｃ）フィラメントにヤーン仕上剤を施し、
（ｄ）スチームボックスおよび少なくとも１個の加熱さ
れたゴデットローラを有するスチーム処理、加熱装置に
よりフィラメントに水蒸気と熱を施し、（ｅ）フィラメ
ントを伸張し、必要に応じて（ｆ）フィラメントをテク
スチャー処理する各工程を有する、ポリアミドの連続的
紡糸、伸張方法により達成されることが本発明者らによ
り見出された。
【００１０】ポリアミドは一般名称ナイロンで周知であ
り、長い連鎖を有する合成重合アミドである。ジアミン
および二塩基性酸における原子数により、多種類のナイ
ロンが区別される。例えばナイロン６／６は、ヘキサメ
チレンジアミンとアジピン酸の縮合により製造されるポ
リアミドである。他のナイロンはアミノ酸あるいはラク
タムのような、ただ１種類の反応性分子から形成され
る。例えばポリアミノカプロン酸は、カプロラクタムの
重合により製造され、「ナイロン６」として知られてい
る。市販されており、本発明方法に有利であるのは、す
べての線形、溶融紡糸し得るポリアミドである。本発明
に適するのは、ナイロン６、ナイロン６／６、ナイロン
６／１０、ナイロン６／１２、ナイロン１１、ナイロン
１２、ナイロン６６Ｔ、ナイロン６Ｉ６Ｔ、これらの共
重合体あるいは混合であるが、ことに好ましいのはナイ
ロン６である。
【００１１】工程（ａ）において、ポリアミド押出機に
おいて溶融せしめられ、紡糸口を経てフィラメントが形
成される。このフィラメントは工程（ｂ）において空気
のような流動冷却媒体により冷却される。
【００１２】工程（ｃ）においてフィラメントに１００
％の油あるいは５から３０％の仕上げ剤を含有する水性
乳濁液としてのヤーン仕上げ剤が施される。このヤーン
仕上げ剤はフィラメントに計量供与されるか、あるいは
ロールにより供与される。適当な仕上げ剤は以下のよう
な組成分を含有し得る。すなわち、エステル、植物油、
アルコキシル化植物油、アルコキシル化酸、アルコキシ
ル化ソルビトールエステル、アルコキシル化ソルビタ
ン、アルコキシル化アルキルフェノール、燐酸エステル
を含有し得る。好ましい仕上げ剤は、ことにエステル、
植物油、アルコキシル化植物油、アルコキシル化アルキ
ルフェノール、燐酸エステルを含有する。
【００１３】水蒸気および熱は、工程（ｄ）においてス
チームボックスおよび少なくとも１個の加熱ゴデットロ
ーラを有する水蒸気加熱装置によりフィラメントに対し
て行われる。すなわち水蒸気は、約６０℃から約１８０
℃において、好ましくは約１００℃から約１５０℃、こ
とに約１２０℃から約１４０℃の温度でフィラメントに
施される。
【００１４】好ましい実施態様において、フィラメント
は約０．１から約２．０ｍｍ、ことに約０．５から約
１．０ｍｍの直径を有する各水蒸気供与ジェットから水
蒸気を噴出するスチームボックス中を通過せしめられ
る。このジェットの数は、工程（ｄ）で使用されるゴデ
ットローラの段数に対応する。スチームボックスは両ゴ
デットローラ間に配置するのが好ましい。
【００１５】水蒸気を噴出するジェットは、スチームボ
ックスの両側に設けるのが好ましく、ここで水蒸気を通
過するフィラメントに施す。ジェットを通過するための
フィラメントの良好な整列をもたらすため、スチームボ
ックスのジェットはスロット状に形成される。このスチ
ームボックスの利点は、水蒸気が空中に放出され、蒸散
するために凝縮水の問題を起さないことである。スチー
ムボックス内の凝縮水は排出パイプにより分離される。
フィラメントがスチームボックス内を通過する実施態様
においては、凝縮水がフィラメントに付着する問題が常
に生起する。
【００１６】工程（ｄ）においては２個のゴデットロー
ラを使用するのが好ましく、少なくとも１個は加熱可能
になされるべきである。ゴデットローラの加熱は電気的
にあるいはスチームにより行われ、約６０℃から１８０
℃、好ましくは１００℃から約１６０℃、ことに約１２
０℃から１６０℃の温度になされる。
【００１７】フィラメントは２個のゴデットローラとス
チームボックスに１回から約５０回、好ましくは約５回
から約３０回、ことに約１０回から約２０回捲回され
る。この加熱の間に約１０から２０％伸張する。この延
伸をゴデットローラの寸法に調節するために、本発明の
有利な実施態様においては、少なくとも１個の段階的ゴ
デットローラを使用し、１から５０回、好ましくは５か
ら３０回、ことに１０から２０回程度の捲回を行い得る
段階数を有する。
【００１８】あらゆる意味の摩擦を低減するためには、
段階ごとにその直径が約０．２から１０％が相違する２
個の段階的ゴデットローラを使用するのが好ましく、た
だ１個の段階的ゴデットローラを使用する場合にはこの
数値は２倍になされるべきである。２個より多いゴデッ
トローラも使用し得るが、その利点は少なく、複数回の
スチームボックスも使用し得るが、その利点は少ない。
約５から４０ｍ／ｓ、好ましくは約１０から２０ｍ／ｓ
のフィラメント走行速度に基づいて、水蒸気処理、加熱
装置における滞留時間は１から９秒、ことに２から４秒
程度である。
【００１９】伸張処理工程（ｅ）は、加熱可能の伸長ゴ
デットローラで行われ、伸張率は約１．１から５．０
倍、ことに約２．０から４．０倍程度が好ましい。
【００２０】選択的テクスチャー処理工程（ｆ）は、当
業者に周知であり、一般的に水蒸気、空気、加熱空気、
溶媒、水収縮ロールなどを使用して行われるが、蒸気も
しくは加熱空気を使用するテクスチャー処理ジェットで
行うのが好ましい。
【００２１】結晶相におけるアルファタイプ結晶とガン
マタイプ結晶とのナイロン６繊維の比率を測定する方法
は、当業者に周知であり、ことに秀れた方法は、「ジャ
ーナル、オブ、アプライド、ポリマー、サイエンス、２
１巻（１９７７年）２３４頁における、Ｒ．Ｆ．ステパ
ニアーク、Ａ．ガートン、Ｄ．Ｊ．カスリン、Ｅ．Ｓ．
クラークの論稿に開示されている。典型的には無定形相
および結晶相の繊維密度および見掛け密度計測値から算
出される。
【００２２】本発明方法により形成されたフィラメント
は、この水蒸気処理、加熱処理を行わなかったフィラメ
ントの１２９℃トンネルにおけるスーパーバ（Ｓｕｐｅ
ｒｂａ）収縮率が、２５から２８％であるのに対して、
１８から２０％である。エマルジョン仕上げおよびこの
処理により、収縮は１８％以下に低減した。１１７℃ト
ンネルにおいて測定したスーパーバ収縮は、非処理フィ
ラメントが約１７−１９％低減したのに対し、本発明方
法によりもたらされたフィラメントの場合、これは約９
−１２％であった。
【００２３】図１において、紡糸口により紡糸されたフ
ィラメントは、急冷装置２を通過し、次いで仕上げ剤付
与装置３を通過する。フィラメントは案内部材４を走過
して、加熱され得るゴデットローラ５、スチームボック
ス６および加熱され得るゴデットローラ７を有する蒸気
処理、加熱装置に至る。フィラメントは２個のゴデット
ローラ５、７と１個のスチームボックス６を数回捲回
（図２の１８）してから、案内ローラ上を走過し、加熱
可能であり、かつアイドルローラ９ａを有する紡糸ゴデ
ットローラ９に達し、さらに加熱可能であり、アイドル
ローラ１０ａを有する伸張ゴデットローラ１０に達す
る。
【００２４】伸張ゴットローラ１０から、フィラメント
はテクスチャー処理装置１１に達し、次いで冷却装置１
２、巻取りゴデットローラ１３から巻取り装置１４に至
り、ここで巻取られる。
【００２５】図２は加熱され得る２個の段階ゴデットロ
ーラ５、７とスチームボックス６を有し、板体１５に装
着されている水蒸気処理、加熱装置を示す。段階ゴデッ
トローラ５および７は、図示のように段階５ａ、７ａを
有する。スチームボックス６は、スロット６ｂに配置さ
れた水蒸気供与ジェット６ａを有し、水蒸気はパイプ６
ｃを経てこのスチームボックス内に給送され排出管６ｄ
から排出される。スチームボックスは対向側においても
同様の構造を有するのが好ましい。
【００２６】
【実施例】実施例１ 図１および図２に示される装置を使用して、相対粘度
（ＲＶ）２．７を有するナイロン６（ＢＡＳＦ社のＵｌ
ｔｒａｍｉｄ（登録商標）ＢＳ−７００、ＲＶは２５℃
で９６重量％スルホン酸１００ミリリットル中の１重量
％溶液として測定された）のチップを溶融し、以下の条
件下に処理した。
【００２７】 ポリマー温度（℃） ２７０ 処理速度（ｇ／分） ２２５ 重合体圧力（ｐｓｉｇ、（ＭＰａ）） ２０００（１．３７） 仕上げ剤組成 植物油、アルコキシレート化酸および燐酸 仕上げ剤付与割合（％） １．５ 図１および図２におけるゴデット５．７の走入速度（ｍ／分） ８００ 同上ゴデットの排出速度（ｍ／分） ９３６ ゴデットローラ温度（℃） 試験中に大気温度、９０、１２５、 １４０、１５０に変更設定 スチームボックスの水蒸気 圧力（ｐｓｉｇ、（ｋＮ）） 試験中に無圧、５３（３６．５）に 変更設定 同上水蒸気温度（℃） 試験中に非加熱、１４０に変更設定 紡糸ゴデットローラ速度（ｍ／分） 試験中、対照が８００、 スチームボックス９６０ 伸張ゴデット速度（ｍ／分） ２４００ 伸張ゴデット温度（℃） １８５ テクスチャー処理、ジェット蒸気温度（℃） １９０ 同上圧力（ｐｓｉｇ、（ｋＮ）） ８５（５８．６） 巻取りゴデット速度（ｍ／分） ２１３０ 同上温度（℃） 雰囲気温度 巻取り速度（ｍ／分） ２０２０ 巻取り張力（ｇ） １００実施例２ 実施例１と同様にして、ただし仕上げ剤をエステル、植
物油、アルコキシレート化アルキルフェノールおよび燐
酸エステルの水性懸濁液に変えて実施した。
【００２８】実施例３（対照） 実施例１と同様にして、ただし水蒸気処理、加熱処理を
行わないで実施した。
【００２９】実施例４（対照） 実施例２と同様にして、ただし上記両処理を行わないで
実施した。
【００３０】実施例５（対照） ナイロン６チップを従来の２段階法紡糸、伸張処理して
フィラメントを形成した。
【００３１】
【表１】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明装置を示す図面である。
【図２】本発明装置における２個の伸張ゴデットローラ
とスチームボックスから成る装置を示す図面である。
【符号の説明】
１‥‥フィラメント ２‥‥急冷装置 ３‥‥仕上げ剤供与装置 ４‥‥案内ローラ ５、７‥‥ゴデットローラ ６‥‥スチームボックス ８‥‥案内ローラ ９‥‥紡糸ゴデットローラ １０‥‥伸張ゴデットローラ １１‥‥テクスチャー処理装置 １２‥‥急冷装置 １３‥‥巻取りゴデットローラ １４‥‥巻取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０２Ｊ 13/00 Ｑ // Ｄ０６Ｍ 13/00 (72)発明者 アーディー、アーメン アメリカ合衆国、サウスカロライナ州、 29625、アンダーソン、ティンバーレーク ロード、206

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）ポリアミドを溶融させ、溶融ポリ
    アミドを紡糸口に通してフィラメントを形成し、 （ｂ）フィラメントを急冷し、 （ｃ）フィラメントにヤーン仕上剤を施し、 （ｄ）スチームボックスおよび少なくとも１個の加熱さ
    れたゴデットロールを有するスチーム処理、加熱装置に
    よりフィラメントに水蒸気と熱を施し、 （ｅ）フィラメントを伸張し、必要に応じて （ｆ）フィラメントをテクスチャー処理する各工程を有
    する、ポリアミドの連続的紡糸、伸張方法。
  2. 【請求項２】 請求項（１）による方法であって、水蒸
    気が約６０℃から約１８０℃の温度を有することを特徴
    とする方法。
  3. 【請求項３】 請求項（１）による方法であって、ゴデ
    ットロールが約６０℃から約１８０℃の温度を有するこ
    とを特徴とする方法。
  4. 【請求項４】 （ｉ）紡糸口に接続された押出機、（ｉ
    ｉ）押出されたフィラメントを急冷する手段、（ｉｉ
    ｉ）フィラメントにヤーン仕上げ剤を施す手段、（ｉ
    ｖ）フィラメントに水蒸気および熱を施す手段および
    （ｖ）フィラメントを伸張する手段を有し、上記の水蒸
    気および熱を施す手段が、スチームボックスと少なくと
    も１個の加熱され得るゴデットロールを有するスチーム
    処理、加熱装置であることを特徴とするポリアミドフィ
    ラメントの連続的紡糸、伸張装置。
JP07054493A 1992-03-30 1993-03-29 ポリアミドの連続的紡糸、伸張方法および装置 Expired - Fee Related JP3232156B2 (ja)

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