JPH0665705B2 - ポリアルキレンテレフタレ−トと高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドおよびその製法 - Google Patents

ポリアルキレンテレフタレ−トと高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドおよびその製法

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JPH0665705B2
JPH0665705B2 JP59041464A JP4146484A JPH0665705B2 JP H0665705 B2 JPH0665705 B2 JP H0665705B2 JP 59041464 A JP59041464 A JP 59041464A JP 4146484 A JP4146484 A JP 4146484A JP H0665705 B2 JPH0665705 B2 JP H0665705B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の背景) 本発明は、1態様において、ポリアルキレンテレフタレ
ートと高分子の溶融加工性完全芳香族ポリエステルとの
ブレンドの製造方法に関する。別の態様において、本発
明は、完全芳香族ポリエステルとポリアルキレンテレフ
タレートとの改良されたブレンドにも関する。かかるブ
レンドの特性および性質は、普通の混合物および大部分
のポリマーブレンドの性質の知見に基づいて予期される
ものと著しく異なる。
普通の非重合体の2種以上の物質から混合物すなわちブ
レンドを調製すると、各成分分子のランダムな分布が得
られる。このランダム分布は、いずれか1成分の分子の
群または集団を形成することのない、完全な混合を生ず
る。かかる混合物は、「混合の法則」に従うことが予期
される。混合の法則によると、ブレンドの引張および曲
げ強度ならびに引張および曲げ弾性率のような特性の数
値は、各成分のその特性の数値の加重平均になることが
予想される。
混合の法則は、Laurence E.Nielsen著、「混合物の特性
の予想:科学および工学における混合の法則」、Marcel
Dekker Inc.(ニユーヨーク)刊、に説明されている。
混合の法則については、さらにLaurence E.Nielsenによ
りMarcel Dekker Inc.(ニユーヨーク、1974)刊、「ポ
リマーおよび複合材の機械的性質」の第2巻、395、43
6、465、492および500頁にも説明されている。この文献
に記載されているように、ポリマーマトリックスに繊維
強化材、リボン状充填材または棒状充填材を配合した混
合物は、混合の法則に従うことが知られている。上記文
献はさらに、ポリスチレンとポリブタジエンの転相網状
構造のような転相した等方性の相互侵入型(interpenet
rating)ポリマー網状構造の混合物も混合の法則に従う
ことが知られていると記載してる。
化学的に別種の重合物質からなる大部分の混合物は、混
合の法則により説明される普通の混合物の挙動からはず
れることが認められている。ポリマー連鎖の細長い寸法
により成分間の混合が制限され、個々の成分の分子が多
数集まった区画または集団の形成を生ずる。したがっ
て、大部分の化学的に別種の高分子物質は、混合物にお
いて相溶性を示さない傾向にあり、各相に分離する傾向
を示すと言える。各成分ポリマーの区画の間に境界が存
在し、かかるブレンドから得た成品は、応力下に置いた
ときに、この境界で破損を起こすことが予期されよう。
そのため、一般に、かかる成品の機械的性質は普通には
向上するどころか、逆に低下する。このように悪影響を
受ける恐れのある具体的な特性としては、引張強度、引
張弾性率、曲げ強度、曲げ弾性率、および衝撃強度があ
る。
ある種の重合物質は、そのポリマーの少なくとも一部の
領域で、秩序のある規則構造を示す。この秩序は、一、
二または三次元で存在しうる。規則構造を示す重合物質
がブレンドに存在していると、ブレンドが各相に分かれ
る傾向が高まる。これは、ポリマーのある領域に見られ
る秩序が、成分ポリマーの分子の区画間のかなり鋭い境
界の原因となるためである。したがって、かかるポリマ
ーを含むブレンドは、著しく低下した機械的性質を示す
ことが予想される。そのため、とくに機械的性質が重要
視される分野での用途には、かかるブレンドを形成する
動きはほとんどなかった。
米国特許第4,228,218号は、重合物質の全重量に基づい
て20%以下の第1の剛性重合物質を含有し、残部は可撓
性分子鎖から実質的に構成される第2の重合物質からな
る、ポリマー組成物を開示している。第1の重合物質
は、1μm以下の微視的寸法の領域で第2の重合物質中
に分散している。この米国特許の対応特許または出願
は、特開昭54−65747号、仏国特許第2407956号および西
独特許公開公報第2847782号である。
本出願人に譲渡された米国特許第4,489,190号には、約
5〜75重量%のポリアルキレンテレフタレートと約25〜
95重量%の溶融加工性全芳香族(以下、完全芳香族とい
う)ポリエステルとからなるブレンドが開示されてい
る。しかし、ここに例示されているブレンドは、後重合
を受けさせていない比較的低分子量の完全芳香族ポリエ
ステルを利用している。
関連技術は、1981年6月17日公開の欧州特許出願公開公
報第30,417号にも開示されているので参照されたい。
完全芳香族ポリエステルを固体状態重合のような後重合
または二次重合処理に付すことにより、その分子量の増
大(これは、その対数粘度数の増大で示される)を達成
することは、たとえば本出願人に譲渡された米国特許第
4,161,470号の実施例2に例示されているように、本発
明の完成時に公知であった。また、高分子量の完全芳香
族ポリエステルの方が、低分子量の完全芳香族ポリエス
テルよりすぐれた特性を示すことが多いことも公知であ
った。しかし、完全芳香族ポリエステルの分子量の増大
につれてその融解温度が高くなる傾向があり、そのた
め、分子量の増大はポリマー成分の所期の混合を妨げた
り、加工安定性を悪化させて、ブレンド特性の劣化をも
たらす恐れがあるために、高分子量のポリエステルの方
がポリアルキレンテレフタレートとの配合に特に望まし
いということは、本発明の完成時に明らかではなかっ
た。
よって、本発明の目的は、引張強度、引張弾性率、曲げ
強度、曲げ弾性率、衝撃強度および熱変形温度のような
機械的性質のすぐれた、ポリアルキレンテレフタレート
と高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドの製造
方法を提供することである。
本発明の別の目的は、機械的性質が各構成成分単独の性
質より向上している、ポリアルキレンテレフタレートと
高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドの製造方
法を提供することである。
本発明の別の目的は、個々の構成成分の機械的性質の加
重平均に比べて機械的性質の著しい劣化を示さない、ポ
リアルキレンテレフタレートと高分子量完全芳香族ポリ
エステルとのブレンドの製造方法を提供することであ
る。
本発明の別の目的は、引張強度、引張弾性率、曲げ強
度、曲げ弾性率、衝撃強度および熱変形温度のような機
械的性質のすぐれた、ポリアルキレンテレフタレートと
高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドを提供す
ることである。
本発明の別の目的は、機械的性質が各構成成分単独の性
質より向上している。ポリアルキレンテレフタレートと
高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドを提供す
ることである。
本発明の別の目的は、個々の構成成分の機械的性質の加
重平均に比べて機械的性質の著しい劣化を示さない、ポ
リアルキレンテレフタレートと高分子量完全芳香族ポリ
エステルとのブレンドを提供することである。
本発明の別の目的は、溶融体が高度の異方性を示す、ポ
リアルキレンテレフタレートと高分子量完全芳香族ポリ
エステルとのブレンドを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、機械的性質の実質的な低下
を生じないでより経済的に製造することのできる、完全
芳香族ポリエステルを含む改良されたポリマーブレンド
を提供することである。
上記およびその他の目的ならびに利点は、以下の本発明
の詳細な記載から当業者には明らかとなろう。
(発明の構成) 1態様において、本発明により、異方性溶融相を示し、
機械的性質のすぐれた賦形品を成形することができるポ
リマーブレンドの製造方法が提供される。
この方法は、 (a)前記ブレンドとの別に単独でも異方性溶融相を形
成しうる(即ち、サーモトロピック液晶性の)溶融加工
性完全芳香族ポリエステルを後重合させ、この後重合工
程は、この完全芳香族ポリエステルの対数粘度数を少な
くとも約50%増大させるのに十分な温度および時間で行
い、 (b)次いで、後重合させた前記完全芳香族ポリエステ
ル約85〜95重量%と、ポリアルキレンテレフタレート約
5〜15重量%とを、緊密に混合する、 という工程からなる。
本発明の別の態様によると、異方性溶融相を示すことが
でき、機械的性質のすぐれた賦形品を形成することがき
るポリマーブレンドが提供される。このブレンドは、 (a)ポリアルキレンテレフタレート約5〜15重量%、
および (b)前記ブレンドとは別に単独でも異方性溶融相を形
成しうる、溶融加工性完全芳香族ポリエステル85〜95重
量% からなり、この完全芳香族ポリエステルは、配合前に、
予めその対数粘度数を少なくとも約50%増大させるよう
に後重合処理したものであることを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はポリアルキレンテレフタレートと溶融加工性完
全芳香族ポリエステルとの改良されたブレンドおよびそ
の製造方法を提供する。本明細書で用いた「ブレンド」
とは、上記ポリマー成分の物理的配合物、混合物または
アロイのいずれをも包含する。
本発明のブレンドの1成分として、また本発明の方法の
出発原料の1つとして使用しうる完全芳香族ポリエステ
ルは、結合してポリエステルを形成したときに不定型の
異方性溶融相を形成することが判明している少なくとも
2種の反復成分から構成される。この芳香族ポリエステ
ルは、ポリエステル中に存在しているすべての反復成分
が、それぞれ少なくとも1つの芳香環をポリマー主鎖に
付与するという意味で、「完全」な芳香族であると見な
される。
完全芳香族ポリエステル樹脂は以前から知られている。
たとえば、4−ヒドロキシ安息芳香酸ホモポリマーおよ
びコポリマーがかって提案され、現在では市販されてい
る。従来からあった完全芳香族ポリエステルの或る種の
ものは、慣用の溶融加工法を利用してこれを溶融加工し
ようと試みたときに、本質的に加工が幾分やりにくく、
実質的な困難を生ずる傾向がある。かかるポリマーは普
通には本質的に結晶性であり、融点が比較的高いか、融
点より低い分解温度を有し、溶融状態でしばしば等方性
の溶融相を示す。このような材料では圧縮形成や焼結と
いった成形法を利用することはできるが、射出成形、溶
融紡糸などは、一般には成形法として実施可能ではない
か、または試みてもその実施には困難を伴った。本発明
に用いるのに適した完全芳香族ポリエステルは、溶融加
工を受けることができるもの、すなわち、融解温度以下
で実質的な分解を示さないものに限られる。
完全芳香族であって、溶融加工を受けることができると
いうことに加えて、本発明に使用しうるポリエステル
は、本発明のブレンドは離れて単独でも、溶融状態で光
学異方性を示すものでなければならない。このようなポ
リエステルを開示する最近の刊行物としては次のものが
ある。(a)ベルギー特許第828,935および828,936、
(b)オランダ特許第7,505,551、(c)西独特許第2,5
20,819;2,520,820;2,722,120;2,834,535;2,834,536およ
び2,834,537、(d)特公昭50−43223、52−132116、53
−017692、および53−021293、(e)米国特許第3,991,
013;3,991,014;4,057,597;4,066,620;4,067,852;4,075,
262;4,093,595;4,118,372;4,130,702;4,146,702;4,153,
779;4,156,070;4,159,365;4,169,933;4,181,792;4,183,
895;4,188,476;4,201,856;4,226,970;4,228,218;4,232,
143;4,232,144;4,238,600;4,245,082;4,245,084;4,247,
514;4,267,289;および4,269,965、ならびに(f)英国
特許出願公開公報第2,002,404および2,030,158A。
本発明に用いるのに好適な完全芳香族ポリエステルは、
本出願人に譲渡された米国特許第4,067,852;4,083,829;
4,130,545;4,161,470;4,184,996;4,219,461;4,224,433;
4,230,817;4,238,598;4,238,599;4,245,084;4,256,624;
4,265,802;および4,279,803;ならびに米国特許出願第9
1,003(1979.11.5出願)、第109,575(1980.1.4出
願)、第128,759(1980.3.10出願)および第169,014(1
980.7.5出願)にも開示されている。これらに開示され
ている完全芳香族ポリエステルは、ブレンドから単独
で、一般に約350℃より低温で異方性溶融相を形成する
ことができる。
本発明で用いるのに適した完全芳香族ポリエステルの生
成は、多様なエステル生成技術によって、縮合により必
要な反復単位を形成する官能基を有している有機モノマ
ー化合物を反応させることにより実施できる。たとえ
ば、これらの有機モノマー化合物の官能基としては、カ
ルボン酸基、ヒドロキシル基、エステル基、アシロキシ
基、酸ハロゲン化物などがある。上記の有機モノマー化
合物は、溶融アシドリシス法により、熱交換流体を存在
させずに反応させることができる。この方法では、モノ
マーをまずいっしょに加熱すると、反応物質の溶融液が
生成し、さらに反応を継続すると固体の生成ポリマー粒
子が液中に懸濁してくる。縮合の最終段階で、副生する
揮発物(たとえば、酢酸または水)の除去を容易にする
ために真空を適用してもよい。
米国特許第4,083,829にはスラリー重合法が記載されて
おり、この方法も、本発明で用いるのに適した完全芳香
族ポリエステルの生成に採用できる。この方法による
と、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られ
る。
溶融アシドリシス法または米国特許第4,083,829のスラ
リー重合法のいずれを採用するにせよ、本発明で用いる
完全芳香族ポリエステルを誘導する有機モノマー反応物
質は、このモノマーの常態でのヒドロキシル基をエステ
ル化した変性形態で(すなわち、低級アシルエステルと
して)当初の反応に供してもよい。低級アシル基は炭素
数約2〜4のものが好ましい。好ましくは、有機モノマ
ー反応物質の酢酸エステルを反応に供する。
溶融アシドリシス法または米国特許第4,083,829のスラ
リー重合法のいずれにも任意に使用できる代表的な触媒
としては、ジアルキルスズオキシド(例、ジブチルスズ
オキシド)、ジアリールスズオキシド、チタンアルコキ
シド、カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩
(例、酢酸亜鉛)、ルイス酸(例、BF3)、ハロゲン化
水素(例、HCl)などの気体状酸触媒、などがある。一
般に触媒の使用量は、モノマーの全重量に基づいて約0.
001〜1重量%、最も普通には約0.01〜0.2重量%であ
る。
本発明に用いるのに適した完全芳香族ポリエステルは、
一般のポリエステル溶剤には実質的に不溶性の傾向を示
し、したがって溶液加工は受けさせにくい。ただし、既
に述べたように、これらのポリマーは一般に溶解加工法
により容易に加工できる。特に好ましい完全芳香族ポリ
エステルは、ペンタフルオロフェノールには可溶であ
る。
本発明で用いるのに好適な完全芳香族ポリエステルは、
一般に約2,000〜200,000、好ましくは約10,000〜50,00
0、たとえば約20,000〜25,000の重量平均分子量を示す
(製造したままで)。かかる分子量の測定は、ポリマー
の溶液形成を伴わない標準的測定法、たとえば圧縮成形
フイルムについての赤外分光法による末端基の測定等に
よって実施できる。また、ペンタフルオロフェノール溶
液の状態での光散乱法を利用して分子量を測定すること
もできる。
完全芳香族ポリエステルは、60℃においてペンタフルオ
ロフェノールに0.1w/v%の濃度で溶解させたときに、
一般に少なくとも約2.0dl/gの対数粘度数(I.V.)を
示す。
本発明にとって、ポリマー成分のポリマー主鎖に存在す
る芳香環は、その芳香環に結合している水素原子の少な
くとも一部が置換されているものでもよい。このような
置換基としては、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5
以下のアルコキシ基、ハロゲンならびにフェニルおよび
置換フェニル基のような別の芳香環が挙げられる。可能
な置換基として挙げたハロゲンには、フッ素、塩素およ
び臭素が含まれる。臭素原子は高温では有機化合物から
脱離する傾向があるが、臭素は脂肪鎖よりも芳香環に結
合している方が安定であるので、芳香環に対する可能な
置換基に含めるには不都合ではない。
上記ポリエステルは、本発明のブレンドにおいて有用で
あるためには、溶融相において光学異方性を示さなけれ
ばならない。換言すると、このポリエステルはサーモト
ロピック液晶性である。このようなポリエステルは溶融
相において容易に液相を形成し、したがってポリマー連
鎖が剪断方向に配向する傾向が高い。かかる異方性は、
完全芳香族ポリエステルが容易に溶融加工を受けて賦形
品を形成するような温度において現れる。このような異
方性は、直交偏光子を用いた慣用の偏光技術により確認
できる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leit
z偏光顕微鏡を使用し、Kofflerホットステージにのせた
試料を窒素雰囲気下に40倍の倍率で観察することにより
行うのが好都合である。本発明に使用するのに適した完
全芳香族ポリエステルの溶融相は光学的に異方性であ
る。すなわち、直交偏光子の間で検査した時に光を透過
させる。これに対して、普通のポリマーの溶融体は、直
交偏光子の間に置いたときにあまり光を透過させない。
上述した完全芳香族ポリエステルは、成形用樹脂として
有用であり、また被覆、繊維およびフィルムの形成に使
用することもできる。さらに、この樹脂は射出成形によ
っても成形でき、あらゆる溶融押出技法によっても加工
できる。
特に好ましい完全芳香族ポリエステルは、米国特許第4,
161,470;4,184,996;および4,256,624に開示されている
ものである。
米国特許第4,161,470に開示されているポリエステル
は、本発明のブレンドとは別に単独でも約350℃より低
温で異方性溶融相を形成することができる溶融加工性完
全芳香族ポリエステルである。このポリエステルは本質
的に下記の反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
少なくとも一部は場合により置換されていてもよく、そ
の場合の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭
素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、およびこれらの
組合せよりなる群から選択される) からなる。この米国特許に開示の完全芳香族ポリエステ
ルは、約10〜90モル%の成分Iおよび約10〜90モル%の
成分IIからなる。
米国特許第4,184,996に開示されているポリエステル
は、本発明のブレンドとは別に単独でも約325℃より低
温で異方性溶融相を形成することができる溶融加工性完
全芳香族ポリエステルである。このポリエステルは、本
質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: からなる。この米国特許に開示の完全芳香族ポリエステ
ルは約30〜70モル%の成分Iを含有する。このポリエス
テルは約40〜60モル%の成分I、約20〜30モル%の成分
IIおよび約20〜30モル%の成分IIIからなるのが好まし
い。このポリエステルの上記の各反復成分は環置換基を
有していない。
米国特許第4,256,624に開示されているポリエステル
は、本発明のブレンドとは別に単独でも約400℃より低
温で異方性溶融相を形成しうる溶融加工性完全芳香族ポ
リエステルである。このポリエステルは本質的に下記の
反復成分I、II、およびIIIよりなる: II 一般式O−Ar−O(式中、Arは少なくとも1つ
の芳香環よりなる2価基である)で示されるジオキシア
リール成分、 (式中、Ar′は少なくとも1つの芳香環よりなる2価基
である)で示されるジカルボキシアリール成分;(だた
し、上記式中、芳香環に結合している水素原子の少なく
とも一部は場合により置換されていてもよく、その場合
の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれ
らの組合せよりなる群から選ばれる)。
このポリエステルは約10〜90モル%の成分I、約5〜45
モル%の成分IIおよび約5〜45モル%の成分IIIよりな
る。
本発明の方法は、異方性溶融相を示し、機械的性質のす
ぐれた賦形品を形成することができるポリマーブレンド
の製造に有用である。この方法は、ブレンドとは別に単
独でも異方性溶融相を形成することができる、前述の完
全芳香族ポリエステルのような、溶融加工性完全芳香族
ポリエステルを後重合させる工程を包含する。
ここで用いた「後重合」とは、ポリマーの最初の重合
(初期重合)に続いて、その実現可能な最大分子量を得
るようにさらに重合処理する操作を言う。初期重合によ
り実際に得ることのできる可能な分子量は、初期重合の
後半段階でのポリマー溶融体の粘度、重合時間および速
度、ならびに重合を完了させて反応器から粘稠なポリマ
ー溶融体を排出させるのに必要な極限反応条件のような
種々の因子により一般に制限を受ける。通常、初期溶融
重合の後、後重合を受けさせる前に、生成ポリマーを回
収し、抽出その他の精製処理を施す。
本発明の方法において、後重合は使用した完全芳香族ポ
リエステルの対数粘度数を少なくとも約50%増大させる
のに十分な温度および時間で一般に実施する。好ましく
は、完全芳香族ポリエステルの対数粘度数は少なくとも
約100%(例、約100〜200%)増大させる。
たとえば、後重合を受けさせる前に、完全芳香族ポリエ
ステルの対数粘度数は、前述したように測定して、一般
に少なくとも2.0dl/gである。好ましい完全芳香族ポ
リエステル、すなわち米国特許第4,161,470および米国
特許第4,184,996のポリエステルは、通常、後重合を施
す前で、それぞれ少なくとも約5.0および3.0dl/gの対
数粘度数を示す。しかし、後重合を受けた後では、完全
芳香族ポリエステルは、前述のように測定して少なくと
も約7.0dl/gの対数粘度数を示すのが好ましい。たと
えば、米国特許第4,161,470のポリエステルは後重合の
後で少なくとも約10.5dl/gの対数粘度数を示すのが好
ましく、また米国特許第4,184,996のポリエステルは後
重合の後での対数粘度数が少なくとも約7.5dl/gであ
るのが好ましい。
後重合処理は、当業者に公知の任意の方法で実施でき
る。かかる方法の1例によると、初期重合(たとえば、
上および米国特許第4,083,829に記載の方法での重合)
の後、生成ポリマー溶融体を、後重合容器として使用す
るのに適した反応器に移し、この反応器内で溶融重合を
続ける。たとえば、完全芳香族ポリエステルをスクリュ
ー押出機内で溶融状態でさらに重合させる方法でよい。
別の後重合の方法(本発明の方法での使用に適してい
る)は、固体状態重合法または固相重合法として知られ
ている方法である。この方法によれば、初期重合で得た
比較的低粘度のポリマー溶融体を押出・ペレット化する
か、または放冷・固化させた後、たとえばチップ状に粉
砕する。得られた固体ポリマーをその後、その分子量を
所期の水準に増大させるのに十分な時間だけ、その溶融
温度より低温で加熱処理する。好ましくは、この固体状
態重合は、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素のよ
うな非酸化性雰囲気下、もしくは真空下に実施するが、
酸素含有雰囲気もあまり好ましくはないが使用すること
は可能である。好適態様において、完全芳香族ポリエス
テルを、約250〜300℃の範囲内の温度に約8〜72時間の
範囲内の時間をさらす。より好ましくは、完全芳香族ポ
リエステルの固相重合は、約265〜280℃の範囲内の温度
に略2時間(例、16〜24時間)さらすことにより行う。
本発明の方法は、後重合に続いて、得られた高分子量完
全芳香族ポリエステル約85〜95重量%をポリアルキレン
テレフタレート約5〜15重量%と緊密に混合する工程を
さらに包含する。好ましくは、略90重量%の完全芳香族
ポリエステルを略10重量%のポリアルキレンテレフタレ
ートと緊密に混合する。
ポリアルキレンテレフタレートは市販品を入手でき、ま
た公知の方法、たとえばテレフタル酸エステルをアルキ
レングリコールによりアルコーリシスした後、重合させ
る方法、アルキレングリコールを遊離のフタル酸もしく
はそのハロゲン化物誘導体とともに加熱する方法などに
より製造することもできる。このような方法は、米国特
許第2,465,319および3,047,539に記載されている。
本発明で使用するのに適したポリアルキレンテレフタレ
ートの各アルキレン単位は、2〜5の炭素原子を含有す
る。好ましくは、アルキレン単位の炭素数は2〜4であ
り、特に好ましくは炭素数2である。すなわち、ポリエ
チレンテレフタレートが本発明で用いるのに好適なポリ
アルキレンテレフタレートである。その他の適当なポリ
アルキレンテレフタレートとしては、ポリプロピレンテ
レフタレート、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールか
ら製造したポリブチレンテレフタレート、ポリイソブチ
レンテレフタレート、ポリペンチルテレフタレート、ポ
リイソペンチルテレフタレート、およびポリネオペンチ
ルテレフタレートが挙げられる。上の具体例からもわか
るように、アルキレン単位は直鎖でも分岐鎖でもよい。
当該分野で公知のポリマー成分の混合法はいずれも利用
できるが、好都合な方法は溶融押出である。個々の成分
は粒状(例、粉末、ペレット、チップ等)の形態で混合
に供するのが好ましい。各成分を別々に計量し、次いで
両成分をたとえばボールミルまたはリボンミルなどの適
宜の装置で物理的に混合する。この物理的混合物を約10
0℃で1晩または略24時間乾燥する。混合物の乾燥は、
任意の適当な装置を使用しうるが、真空乾燥器または循
環式熱風炉で行うのが好都合である。乾燥工程の目的
は、物理的混合物から水分を除去してポリマーブレンド
の分解を防止することである。ポリマー粉末、ペレッ
ト、チップなどの混合物を次いで押出機(例、一軸もし
くは二軸式スクリュー押出機)に装入する。押出装置に
より、両ポリマーは溶融状態で完全に混合され、次いで
ブレンドがストランドの形態で押出される。ストランド
は、固化後、チップまたはペレット状に細断することが
できる。
本発明はさらに、異方性溶融相を示すことができ、機械
的性質のすぐれた賦形品を形成することができる新規な
ポリマーブレンドも提供する。このブレンドは、ポリア
ルキレンテレフタレート約5〜15重量%と、ブレンドと
は別に単独でも異方性の溶融相を形成できる溶融加工性
完全芳香族ポリエステル約85〜95重量%とからなる。こ
の完全芳香族ポリエステルは、配合すなわちブレンド形
成前に、その対数粘度数を少なくとも約50%増大させる
ように予め後重合処理したものである。完全芳香族ポリ
エステルの対数粘度数は後重合により少なくとも約100
%増大させておくのが好ましい。
本発明のブレンドは、好ましくは、略10重量%のポリア
ルキレンテレフタレートと、略90重量%の溶融加工性完
全芳香族ポリエステルからなる。
好ましいポリアルキレンテレフタレートと好ましい完全
芳香族ポリエステルは、本発明によるブレンドの製造方
法に関連して既に述べたので、説明は省略する。上述し
たように、配合する完全芳香族ポリエステルは、後重合
の後で、少なくとも約7.0dl/gの対数粘度数を示すも
のであるのが好ましい。
本発明のブレンドは、約260〜350℃の範囲内の温度で溶
融加工を受けることができる。好ましくは、このブレン
ドは、約280〜300℃の範囲内の温度で溶融加工を受ける
ことができる。
本発明のブレンドは、溶融相で異方性を示す。これは、
その完全芳香族ポリエステル成分が、他成分の存在にも
かかわらず、その異方性の特性を依然として保持するこ
とが認められたためである。したがって、かかるブレン
ドは、この液晶性ポリマーの持つすぐれた加工適性とい
う特徴をなお保有する。
本発明のブレンドは、成形用樹脂、とくに射出成形用樹
脂として有用である。このブレンドは、繊維およびフィ
ルムの形成にも利用できる。本発明のブレンドから製造
した成形品は、引張強度、引張弾性率、曲げ強度、曲げ
弾性率、ノッチ付アイゾッド衝撃強度、および熱変形温
度のような機械的性質がすぐれている。
本発明のブレンドを1成分として配合した成形材料(コ
ンパウンド)からも成形品を製造できる。かかる成形材
料は、本発明のブレンドに、成形材料の全重量に基づい
て約1〜50重量%、好ましくは約10〜30重量%の固体充
填材および/または強化材を配合したものである。強化
材として作用しうる代表的な繊維としては、ガラス繊
維、石綿、黒鉛質炭素繊維、非晶質炭素繊維、合成ポリ
マー繊維、アルミニウム繊維、ケイ酸アルミニウム繊
維、アルミニウム繊維の酸化物、チタン繊維、マグネシ
ウム繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、タングス
テン繊維、コットンウール、および木材セルロース繊維
などが挙げられる。代表的な充填材には、ケイ酸カルシ
ウム、シリカ、クレー、タルク、マイカ、ポリテトラフ
ルオロエチレン、黒鉛、アルミナ3水和物、炭酸アルミ
ニウムナトリウム、バリウムフェライトなどがある。
本発明のブレンド、または本発明のブレンドから調製し
た成形材料から射出成形により成形品を形成するには、
ブレンドまたは成形材料をブレンドの融解温度、たとえ
ば約280〜300℃の温度に昇温させ、次いで金型キャビテ
ィに射出する。金型キャビティは普通約50〜150℃、た
とえば約100℃の温度に保持しておく。溶融相の状態の
ブレンドを、ほぼ10,000psi(700kg/cm2)の圧力で金
型キャビティに射出する。本発明のブレンドに対するサ
イクル時間(すなわち、次回の射出までの間隔)は一般
に約10〜40秒である。
本発明のブレンド組成物から形成した成形品の特性は、
熱処理によりさらに向上させることができる。成形品の
熱処理は、不活性雰囲気(例、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム)または流動する酸素含有雰囲気(例、空気)中で実
施できる。たとえば、成形品を、ブレンドの融解温度よ
り約10〜30℃低い温度(この温度では成形品はなお固体
物体にとどまる)に昇温させる。熱処理時間は、普通、
数分から数日あるいはそれ以上、たとえば0.2〜200時間
ないしはそれ以上にわたる。好ましくは、熱処理は48〜
72時間行う。
本発明のブレンドから製造した成形品の特性は、金型温
度、射出圧力、サイクル時間などの加工条件により変動
することが認められた。ただし、本発明のブレンドから
形成した成形品の特性が最大となる条件は、当業者には
明らかとなろう。
理論的考察により拘束されることを望んではいないが、
本発明のブレンドに関していくつかの考察をなしうる。
本発明のブレンドにより得られるすぐれた成形特性の主
たる理由は、金型内へのブレンドの流れが層流になるこ
とにあると思われる。完全芳香族ポリエステル類および
従来のブレンドは、成形した試料を光学顕微鏡で検査し
たときに観察される放物形の流れすじが示すように、不
安定な溶融流れを示す。
これに対して、本発明のブレンドから成形した棒は、光
学顕微鏡で検査したときに、棒の大半にわたって、大規
模な流動不安定性の跡を残さず、層流のパターンを示
す。
また、ポリアルキレンテレフタレートの配合割合が本発
明のブレンドより高い高分子量完全芳香族ポリエステル
とポリアルキレンテレフタレートとのブレンド(例、ポ
リアルキレンテレフタレートの割合が約30%以上のも
の)は、本発明のブレンドに比べて機械的性質が低下す
ることも認められた。ポリアルキレンテレフタレートの
含有割合が高いブレンドは2種類の連続相を示し、その
一方が機械的に弱い。2種類の連続相の存在は、低応力
で破損を生ずる恐れがある。これに対して、本発明のブ
レンドは、ポリアルキレンテレフタレートの存在により
ある程度変性された単一の連続相を示し、機械的性質の
測定可能な向上を生ずる。
さらに、本発明の方法により提案された工程の順序が、
機械的性質のすぐれたブレンドを得るのに重要であるこ
とも判明した。すなわち、完全芳香族ポリエステルとポ
リアルキレンテレフタレートとを、まず本発明のブレン
ドにおけるのとほぼ同様の配合割合で緊密に混合し、そ
の後で固体状態重合を受けさせると、ブレンドの機械的
性質は劣化した。この現象は、固体状態重合中に起こる
反応に起因するようである。この反応により、ポリアル
キレンテレフタレート構造は、完全芳香族ポリエステル
とのブロックコポリマーの形成により変性されることが
ある。かかるブロックコポリマーは、連続相である完全
芳香族ポリエステル相と分散相であるポリアルキレンテ
レフタレート相との付着力を高める。ポリアルキレンテ
レフタレートは相対的に弱い成分であるので、それによ
り完全芳香族ポリエステル相がポリマー構造中の欠陥と
結合し、そのため応力集中が起こって、より脆弱な組成
物になると考えられる。
したがって、本発明のブレンドおよびその製造方法が予
想外の結果を生ずることは明らかである。本発明のブレ
ンドの機械的性質は、各成分の機械的性質の加重平均に
比較して、著しい劣化を示さない。事実、機械的性質が
よい方の成分と比べても、性質は逆に向上している程で
ある。さらに、本発明のブレンドは経済的利点もある。
相対的に安価なポリアルキレンテレフタレートを相対的
に高価な完全芳香族ポリエステルに配合するために、上
記の高価な成分より低コストで、しかも機械的性質のす
ぐれたブレンドが生ずる。
以下の実施例は本発明の具体的例示として挙げたもので
ある。ただし、本発明は実施例に述べた具体的態様に限
定されるものではない。
実施例1 本実施例は、本発明の方法による、ポリエチレンテレフ
レートと完全芳香族ポリエステルとのポリマーブレンド
の製造を例示する。ポリエチレンテレフタレートは、セ
ラニーズ・コーポレーションからPETPAKなる登録商標で
市販されているものである。本実施例で用いた試料は、
0.74dl/gの対数粘度数を示した。完全芳香族ポリエス
テルは、6−オキシ−2−ナフトイル成分40モル%とp
−オキシベンゾイル成分60モル%とからなるものであっ
た。
チップの形態の完全芳香族ポリエステル40ポンド(18.1
kg)を窒素雰囲気下に265℃で18時間固体状態重合に付
した。固体状態重合中に、この完全芳香族ポリエステル
の対数粘度数は、60℃でペンタフルオロフェノール中0.
1w/v%の濃度で測定して、4.88dl/gから11.48dl/
gに増大した。
後重合させた完全芳香族ポリエステルを、90:10の完全
芳香族ポリエステル:ポリエチレンテレフタレートの重
量比で、ポリエチレンテレフタレートと乾式ブレンドし
た。得られた固体粒子の物理的混合物を、100〜120℃で
1晩真空乾燥した。この混合物を次いで2軸スクリュー
押出機内で、可能な最低溶融温度(265℃)で溶融ブレ
ンドした。得られた固体ストランドの形態のブレンドを
チップ状に細断し、真空乾燥し、次いでArburg射出成形
機で265℃において成形して、試験棒を製作した。
このブレンドから製作した試験棒の機械的特性を、完全
芳香族ポリエステルおよびポリエチレンテレフタレート
の各単独成分から成形した試験棒の特性と併せて、次の
第1表に示す。
引張特性の測定は、ASTM試験規格D638、タイプVにした
がって、曲げ特性の測定はASTM D790にしたがって、ま
たノッチ付アイゾッド衝撃強度はASTM D256にしたがっ
て行った。
第1表に示したデータは、本発明の方法およびブレンド
組成物により得られる予想外の結果を明らかに実証して
いる。各特性は予見されるものより十分に高い。特に、
本実施例のブレンドの引張強度、曲げ強度およびノッチ
付アイゾッド衝撃強度は、第1表に示した各単独成分の
同じ特性の値より実質的に高くなっている。
実施例2 本実施例は、ポリブチレンテレフタレート(テレフタル
酸と1,4−ブタンジオールとから製造したもの)と実施
例1に記載の完全芳香族ポリエステルとの本発明の方法
によるポリマーブレンドの製造を例示する。使用したポ
リブチレンテレフタレートは、セラニーズ・コーポレー
ションからCELANEXなる登録商標で市販されているもの
である。
本実施例のブレンドは、完全芳香族ポリエステル90重量
%とポリブチレンテレフタレート10重量%を用いて、実
施例1に記載のようにして調製した。
得られたポリマーブレンドから実施例1に記載の方法で
試験棒を成形した。試験棒の機械的性質を実施例1で述
べた試験法により測定した。試験結果を第2表に示す。
第2表のデータは、やはり本発明の方法およびブレンド
で得られる予想外の結果を明らかに示している。引張お
よび曲げ特性はやはり予見されるものより高くなってい
る。さらに、これらの特性は各成分単独の場合について
表に示したデータより実質的に高い。
比較例1 本比較例は、ブレンド組成物中のポリエチレンテレフタ
レートの使用割合を本発明のブレンド組成物中での使用
割合より高くした、ポリエチレンテレフタレートと実施
例1に記載の完全芳香族ポリエステルとのポリマーブレ
ンドの製造を例示する。
本比較例のブレンド組成物は実施例1に記載の方法で調
製した。完全芳香族ポリエステル:ポリエチレンテレフ
タレートの重量比は、75:25、50:50、25:75および10:90
であった。
実施例1に記載の方法でブレンド組成物から試験棒を成
形した。得られた試験棒の機械的性質を実施例1に記載
の試験法により測定した。試験結果を次の第3表に示
す。
第3表から、本比較例のブレンド組成物が、本発明のブ
レンド組成物とは異なって、完全芳香族ポリエステルが
示す特性に比べて著しく低下した特性を示すことが明ら
かである。かかる結果は、ポリマーブレンドについて一
般に予期される典型的な結果と同じである。これとは全
く対照的に、本発明のブレンド組成物および本発明の方
法は、実施例1に示したように全く予想外の有利な結果
を示す。
比較例2 本比較例は、ブレンド組成物中のポリブチレンテレフタ
レートの使用割合を本発明のブレンド組成物中での使用
割合より高くした、ポリブチレンテレフタレートと実施
例2に記載の完全芳香族ポリエステルとのポリマーブレ
ンドの製造を例示する。
本比較例のブレンド組成物は実施例2に記載の方法で調
製した。完全芳香族ポリエステル:ポリブチレンテレフ
タレートの重量比は、75:25および50:50であった。
実施例1に記載の方法でブレンド組成物から試験棒を成
形した。得られた試験棒の機械的性質を実施例1に記載
の試験法により測定した。試験結果を次の第4表に示
す。
第4表から、本比較例のブレンド組成物が、本発明のブ
レンド組成物とは異なって、完全芳香族ポリエステルが
示す特性に比べて著しく低下した特性を示すことが明ら
かである。場合によっては(例、50:50組成物の曲げ強
度およびノッチ付アイゾッド衝撃強度)、ブレンドの特
性データが、その特性がより悪い方の成分が示す値より
もさらに低くなっている。かかる結果は、ポリマーブレ
ンドについて一般に予期される典型的な結果と同じであ
る。
これとは対照的に、本発明のブレンド組成物および方法
は、実施例2に示したように予想外の有利な結果を示
す。
比較例3 本比較例は、ポリエチレンテレフタレートと実施例1に
記載の完全芳香族ポリエステルとのポリマーブレンドの
製造を例示する。このブレンドは、工程の順序を逆転さ
せた以外は本発明と同様の方法により製造した。
実施例1の完全芳香族ポリエステルと実施例1のポリエ
チレンテレフタレートとを、完全芳香族ポリエステル:
ポリエチレンテレフタレートの重量比が90:10となる割
合で乾式混合した。この乾式混合物を100〜120℃で1晩
真空乾燥した。この混合物を次いで2軸スクリュー押出
機により可能な最低温度で溶融ブレンドした。得られた
固体ストランドの形態のブレンドをチップ状に細断した
後、真空乾燥した。このチップを次いで窒素雰囲気下に
265℃で18時間固体状態重合に付した。後重合させたチ
ップを、その後Arburg射出成形機により射出成形して、
試験棒を製作した。この試験棒の機械的性質を、実施例
1に記載の試験法により測定した。試験結果を次の第5
表に示す。
第5表のデータから、本発明の方法とは異なって、本比
較例の方法は機械的性質が著しく劣化したブレンドを生
ずることが容易にわかる。かかる結果は、普通に予期さ
れる典型的な結果と同じであって、まったく望ましくな
いものである。これに対して本発明の方法は、実施例1
に示したように、機械的性質が実質的に向上したブレン
ドを生ずる。
比較例4 本比較例は、ポリブチレンテレフタレートと実施例2に
記載の完全芳香族ポリエステルとのポリマーブレンドの
製造を例示する。このブレンドは、工程の順序を逆転さ
せた以外は本発明と同様の方法により製造した。
実施例1の完全芳香族ポリエステル90重量%と実施例2
のポリブチレンテレフタレート10重量%とを使用して、
比較例3に記載の方法でポリマーブレンドを製造した。
このブレンドから実施例1に記載の方法で試験棒を成形
した。この試験棒の機械的性質を、実施例1に記載の試
験法により測定した。試験結果を次の第6表に示す。
第6表のデータから、本発明の方法とは異なって、本比
較例の方法は機械的性質が一般に劣化したブレンドを生
ずることが容易にわかる。かかる結果は、普通に予期さ
れる典型的な結果と同じであって、望ましくないもので
ある。これに対して、本発明の方法は、実施例2に示し
たように、機械的性質が実質的に向上したブレンドを生
ずる。
実施例3 本実施例は、実施例1のポリエチレンテレフタレート
と、ブレンドとは別に単独でも異方性溶融相を形成する
ことができる別の種類の完全芳香族ポリエステルとの、
本発明の方法によるブレンドの製造を例示する。より具
体的には、4−オキシベンゾイル単位60モル%、2,6−
ジオキシナフタレン単位20モル%およびテレフタロイル
単位20モル%からなる、米国特許第4,184,996号の記載
に従って形成した完全芳香族ポリエステルを使用した。
この完全芳香族ポリエステルの対数粘度数は、60℃でペ
ンタフルオロフェノール中に0.1w/v%の濃度で溶解さ
せたときに3.54dl/gであった。
この完全芳香族ポリエステルを、ポリエチレンテレフタ
レートと混合する前に粒子状態で後重合させた。この後
重合により、対数粘度数は、60℃でペンタフルオロフェ
ノール中0.1w/v%の濃度で測定して、7.72dl/gに上
昇した。
ポリマーの配合を実施例1と同様に行い、得られたポリ
マーブレンドから試験棒を実施例1に記載の方法で成形
した。試験結果を次の第7表に示す。
第7表のデータは、本実施例の態様での本発明の方法お
よびブレンド組成物により達成される予期しえない有利
な結果を明らかに実証している。
以上に本発明を具体的に説明し、また実施例により例示
したが、これらは単に例示に過ぎず、本発明の範囲内で
多くの変更をなしうるものであることは言うまでもな
い。

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異方性溶融相を示し、機械的性質のすぐれ
    た賦形品を形成することができるポリマーブレンドの製
    造方法であって、 (a)サーモトロピック液晶性の溶融加工性全芳香族ポ
    リエステルを後重合させ、この後重合工程は、この全芳
    香族ポリエステルの対数粘度数を少なくとも50%増大さ
    せるのに十分な温度および時間で行い、 (b)次いで、後重合させた前記全芳香族ポリエステル
    85〜95重量%と、ポリアルキレンテレフタレート5〜15
    重量%とを、緊密に混合する、 という工程からなる、前記ポリマーブレンドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記の後重合工程を、前記全芳香族ポリエ
    ステルの対数粘度数を少なくとも100%増大させるのに
    十分な温度と時間で行う特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記の後重合工程に付す前の前記全芳香族
    ポリエステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.
    1w/v%の濃度で測定したときに、少なくとも2.0dl/
    gの対数粘度数を示す特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記の後重合工程を受けた後の前記全芳香
    族ポリエステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中
    0.1w/v%の濃度で測定したときに、少なくとも7.0dl
    /gの対数粘度数を示す特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記の後重合工程が、250〜300℃の範囲内
    の温度の非酸化性雰囲気中で8〜72時間実施される固相
    重合である、特許請求の範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが、
    350℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、
    かつ本質的に下記の反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は場合により置換されていてもよく、そ
    の場合の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭
    素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、およびこれらの
    組合せよりなる群から選択される) からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは10
    〜90モル%の成分Iおよび10〜90モル%の成分IIからな
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  7. 【請求項7】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが、
    325℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、
    かつ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは30
    〜70モル%の成分Iを含有し、このポリエステルの上記
    の各反復成分は環置換基を有していない、特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが40
    0℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、か
    つ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: II 一般式O−Ar−Oで示されるジオキシアリール
    成分(式中、Aは少なくとも1つの芳香環よりなる2価
    基である)、 で示されるジカルボキシアリール成分(式中、Ar′は少
    なくとも1つの芳香環からなる2価基である)、(ただ
    し、上記式中、芳香環に結合している水素原子の少なく
    とも一部は場合により置換されていてもよく、その場合
    の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれ
    らの組合せよりなる群から選ばれる) からなるものであって、このポリエステルは10〜90モル
    %の成分I、5〜45モル%の成分IIおよび5〜45モル%
    の成分IIIからなる、特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】前記ポリアルキレンテレフタレートの各ア
    ルキレン部分の炭素数が2〜4である特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  10. 【請求項10】前記ポリアルキレンテレフタレートがポ
    リエチレンテレフタレートである特許請求の範囲第9項
    記載の方法。
  11. 【請求項11】工程(b)が、90重量%の前記全芳香族
    ポリエステルと10重量%の前記ポリアルキレンテレフタ
    レートとを緊密に混合することからなる特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
  12. 【請求項12】前記全芳香族ポリエステルと前記ポリア
    ルキレンテレフタレーとを、溶融押出により緊密に混合
    する特許請求の範囲第1項記載の方法。
  13. 【請求項13】異方性溶融相を示し、機械的性質のすぐ
    れた賦形品を形成することができるポリマーブレンドの
    製造方法であって、 (a)サーモトロピック液晶性の溶融加工性全芳香族ポ
    リエステルを後重合させ、この後重合工程は、この全芳
    香族ポリエステルの対数粘度数を少なくとも100%増大
    させるように、250〜300℃の範囲内の温度の非酸化性雰
    囲気中で、8〜72時間の固相重合により実施し、 (b)次いで、後重合させた前記全芳香族ポリエステル
    90重量%を、各アルキレン部分の炭素数が2〜4のポリ
    アルキレンテレフタレート10重量%と緊密に混合する、 という工程からなる、特許請求の範囲第1項に記載の前
    記ポリマーブレンドの製造方法。
  14. 【請求項14】前記の後重合工程を、265〜280℃の範囲
    内の温度で20時間実施する、特許請求の範囲第13項記載
    の方法。
  15. 【請求項15】前記溶融加工性全芳香族ポリエステル
    が、350℃より低温で異方性溶融相を形成することがで
    き、かつ本質的に下記の反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は場合により置換されていてもよく、そ
    の場合の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭
    素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、およびこれらの
    組合せよりなる群から選択される) からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは10
    〜90モル%の成分Iおよび10〜90モル%の成分IIからな
    る特許請求の範囲第13項記載の方法。
  16. 【請求項16】前記の後重合工程に付す前の前記全芳香
    族ポリエステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中
    0.1w/v%の濃度で測定したときに、少なくとも5.0dl
    /gの対数粘度数を示す特許請求の範囲第15項記載の方
    法。
  17. 【請求項17】前記溶融加工性全芳香族ポリエステル
    が、325℃より低温で異方性溶融相を形成することがで
    き、かつ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは30
    〜70モル%の成分Iを含有し、このポリエステルの上記
    各反復成分は環置換基を有していない、特許請求の範囲
    第13項記載の方法。
  18. 【請求項18】前記の後重合工程に付す前の前記全芳香
    族ポリエステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中
    0.1w/v%の濃度で測定したときに、少なくとも3.0dl
    /gの対数粘度数を示す特許請求の範囲第17項記載の方
    法。
  19. 【請求項19】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが
    400℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、
    かつ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: II 一般式O−Ar−Oで示されるジオキシアリール
    成分(式中、Arは少なくとも1つの芳香環よりなる2価
    基である)、 で示されるジカルボキシアリール成分(式中、Ar′は少
    なくとも1つの芳香環からなる2価基である)、(ただ
    し、上記式中、芳香環に結合している水素原子の少なく
    とも一部は場合により置換されていてもよく、その場合
    の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれ
    らの組合せよりなる群から選ばれる) からなるものであって、このポリエステルは10〜90モル
    %の成分I、5〜45モル%の成分IIおよび5〜45モル%
    の成分IIIからなる、特許請求の範囲第13項記載の方
    法。
  20. 【請求項20】前記の後重合工程を受けた後の前記全芳
    香族ポリエステルが、60℃でペンタフルオロフェノール
    中0.1w/v%の濃度で測定したときに、少なくとも7.0d
    l/gの対数粘度数を示す特許請求の範囲第13項記載の
    方法。
  21. 【請求項21】前記ポリアルキレンテレフタレートがポ
    リエチレンテレフタレートである特許請求の範囲第13項
    記載の方法。
  22. 【請求項22】前記全芳香族ポリエステルと前記ポリア
    ルキレンテレフタレートとを、溶融押出により緊密に混
    合する特許請求の範囲第13項記載の方法。
  23. 【請求項23】異方性溶融相を示し、機械的性質のすぐ
    れた賦形品を形成することができるポリマーブレンドで
    あって、 (a)ポリアルキレンテレフタレート5〜15重量%、お
    よび (b)サーモトロピック液晶性の溶融加工性全芳香族ポ
    リエステル85〜95重量%からなり、この全芳香族ポリエ
    ステルは、配合前に、予めその対数粘度数を少なくとも
    50%増大させるように後重合処理したものであることを
    特徴とする、前記ポリマーブレンド。
  24. 【請求項24】前記全芳香族ポリエステルが、後重合に
    よりその対数粘度数を少なくとも100%増大させたもの
    である特許請求の範囲第23項記載のポリマーブレンド。
  25. 【請求項25】後重合に付す前の前記全芳香族ポリエス
    テルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.1w/v%
    の濃度で測定したときに、少なくとも2.0dl/gの対数
    粘度数を示す特許請求の範囲第23項記載のポリマーブレ
    ンド。
  26. 【請求項26】後重合を受けた後の前記全芳香族ポリエ
    ステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.1w/v
    %の濃度で測定したときに、少なくとも7.0dl/gの対
    数粘度数を示す特許請求の範囲第23項記載のポリマーブ
    レンド。
  27. 【請求項27】前記溶融加工性全芳香族ポリエステル
    が、前記ブレンドとは別に単独でも350℃より低温で異
    方性溶融相を形成することができ、かつ本質的に下記の
    反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は場合により置換されていてもよく、そ
    の場合の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭
    素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、およびこれらの
    組合せよりなる群から選択される) からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは10
    〜90モル%の成分Iおよび10〜90モル%の成分IIからな
    る特許請求の範囲第23項記載のポリマーブレンド。
  28. 【請求項28】前記溶融加工性全芳香族ポリエステル
    が、前記ブレンドとは別に単独でも325℃より低温で異
    方性溶融相を形成することができ、かつ本質的に下記の
    反復成分I、IIおよびIII: からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは30
    〜70モル%の成分Iを含有し、このポリエステルの上記
    各反復成分は環置換基を有していない、特許請求の範囲
    第23項記載のポリマーブレンド。
  29. 【請求項29】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが
    400℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、
    かつ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: II 一般式O−Ar−Oで示されるジオキシアリール
    成分(式中、Aは少なくとも1つの芳香環よりなる2価
    基である)、 で示されるジカルボキシアリール成分(式中、Ar′は少
    なくとも1つの芳香環からなる2価基である)、(ただ
    し、上記式中、芳香環に結合している水素原子の少なく
    とも一部は場合により置換されていてもよく、その場合
    の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれ
    らの組合せよりなる群から選ばれる) からなるものであって、このポリエステルは10〜90モル
    %の成分I、5〜45モル%の成分IIおよび5〜45モル%
    の成分IIIからなる、特許請求の範囲第23項記載のポリ
    マーブレンド。
  30. 【請求項30】前記ポリアルキレンテレフタレートの各
    アルキレン部分の炭素数が2〜4である特許請求の範囲
    第23項記載のポリマーブレンド。
  31. 【請求項31】前記ポリアルキレンテレフタレートがポ
    リエチレンテレフタレートである特許請求の範囲第30項
    記載のポリマーブレンド。
  32. 【請求項32】10重量%の前記ポリアルキレンテレフタ
    レートと90重量%の前記全芳香族ポリエステルとからな
    る特許請求の範囲第23項記載のポリマーブレンド。
  33. 【請求項33】成形材料の全重量に基づいて1〜50重量
    %の固体充填材および/または強化材を配合した特許請
    求の範囲第23項記載のポリマーブレンドからなる成形材
    料。
  34. 【請求項34】異方性溶融相を示し、機械的性質のすぐ
    れた賦形品を形成することができるポリマーブレンドで
    あって、 (a)各アルキレン部分の炭素数が2〜4であるポリア
    ルキレンテレフタレート10重量%、および (b)サーモトロピック液晶性の溶融加工性全芳香族ポ
    リエステル90重量% からなり、この全芳香族ポリエステルは、配合前に、予
    めその対数粘度数を少なくとも100%増大させるように
    後重合処理したものであることを特徴とする、特許請求
    の範囲第23項に記載の前記ポリマーブレンド。
  35. 【請求項35】前記全芳香族ポリエステルが、350℃よ
    り低温で異方性溶融相を形成することができ、かつ本質
    的に下記の反復成分IおよびII: (ただし、上記式中、芳香環に結合している水素原子の
    少なくとも一部は場合により置換されていてもよく、そ
    の場合の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭
    素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン、およびこれらの
    組合せよりなる群から選択される) からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは10
    〜90モル%の成分Iおよび10〜90モル%の成分IIからな
    る特許請求の範囲第34項記載のポリマーブレンド。
  36. 【請求項36】後重合に付す前の前記全芳香族ポリエス
    テルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.1w/v%
    の濃度で測定したときに、少なくとも5.0dl/gの対数
    粘度数を示す特許請求の範囲第35項記載のポリマーブレ
    ンド。
  37. 【請求項37】前記全芳香族ポリエステルが、前記ブレ
    ンドとは別に単独でも325℃より低温で異方性溶融相を
    形成することができ、かつ本質的に下記の反復成分I、
    IIおよびIII: からなるものであって、この全芳香族ポリエステルは30
    〜70モル%の成分Iを含有し、このポリエステルの上記
    各反復成分は環置換基を有していない、特許請求の範囲
    第34項記載のポリマーブレンド。
  38. 【請求項38】後重合に付す前の前記全芳香族ポリエス
    テルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.1w/v%
    の濃度で測定したときに、少なくとも3.0dl/gの対数
    粘度数を示す特許請求の範囲第37項記載のポリマーブレ
    ンド。
  39. 【請求項39】前記溶融加工性全芳香族ポリエステルが
    400℃より低温で異方性溶融相を形成することができ、
    かつ本質的に下記の反復成分I、IIおよびIII: II 一般式O−Ar−Oで示されるジオキシアリール
    成分(式中、Arは少なくとも1つの芳香環よりなる2価
    基である)、 で示されるジカルボキシアリール成分(式中、Ar′は少
    なくとも1つの芳香環からなる2価基である)、(ただ
    し、上記式中、芳香環に結合している水素原子の少なく
    とも一部は場合により置換されていてもよく、その場合
    の任意置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ基、ハロゲン、フェニル基およびこれ
    らの組合せよりなる群から選ばれる) からなるものであって、このポリエステルは10〜90モル
    %の成分I、5〜45モル%の成分IIおよび5〜45モル%
    の成分IIIからなる、特許請求の範囲第34項記載のポリ
    マーブレンド。
  40. 【請求項40】後重合を受けた後の前記全芳香族ポリエ
    ステルが、60℃でペンタフルオロフェノール中0.1w/v
    %の濃度で測定したときに、少なくとも7.0dl/gの対
    数粘度数を示す特許請求の範囲第34項記載のポリマーブ
    レンド。
  41. 【請求項41】前記ポリアルキレンテレフタレートがポ
    リエチレンテレフタレートである特許請求の範囲第34項
    記載のポリマーブレンド。
  42. 【請求項42】成形材料の全重量に基づいて1〜50重量
    %の固体充填材および/または強化材を配合した特許請
    求の範囲第34項記載のポリマーブレンドからなる成形材
    料。
JP59041464A 1981-12-15 1984-03-06 ポリアルキレンテレフタレ−トと高分子量完全芳香族ポリエステルとのブレンドおよびその製法 Expired - Lifetime JPH0665705B2 (ja)

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