JPH0665680B2 - 動物組織の修復 - Google Patents

動物組織の修復

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JPH0665680B2
JPH0665680B2 JP58503318A JP50331883A JPH0665680B2 JP H0665680 B2 JPH0665680 B2 JP H0665680B2 JP 58503318 A JP58503318 A JP 58503318A JP 50331883 A JP50331883 A JP 50331883A JP H0665680 B2 JPH0665680 B2 JP H0665680B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 この発明は、動物、特にヒトの組織、特に繊維芽細胞の
修復を促進する組成物に関する。この発明はさらに、上
記組成物を局所的又は全身的に投与することによる傷の
治療方法に関する。
2.先行技術の記載 外傷、やけど、糖尿病性潰瘍、褥瘡潰瘍、及び他の外傷
の部位において迅速に細胞増殖を促進する必要がある。
動物細胞の迅速な増殖を促進する多数の「増殖因子」が
知られている。これらの増殖因子は、皮膚性増殖因子
(EGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)及び神
経増殖因子(NGF)を包含する。しかしながら、この発
明の以前には、これらのいずれの増殖因子にも、傷の治
癒を加速する薬理的に許容できる薬剤として見出された
ものはなかった。
インシュリン(ホルモン)の細胞分裂活性は、プロスタ
グランジンE2d(ホルモンそのものというわけではない
が、類似の性質を有しており、血管性の平滑筋の収縮を
引き起こす)の存在によって何倍にも増加することが見
出された(エル・ジムネ・ドゥ・アシュラら、Cold Spr
ing Harbor Conf. Cell Proliferation Vol. 6,サトー
編、コールド・スプリング・ハーバー研究所、ニューヨ
ーク、pp403-424参照)。同様なインシュリンの活性化
が繊維芽細胞増殖因子によって起きることがピー・エス
・ルドランドらによってProc. Natl. Acad. Sci., U.S.
A.71:2600-2604(1974)に記載されている。また、それ
がEGFによって引き起こされることがアール・ダブリュ
・ホリーらによってProc. Natl. Acad. Sci., U.S.A.
71:2908-2911(1974)に記載されている。さらに、Pro
c. Natl. Acad. Sci., U.S.A. 76:1279−1283(1979)
にシー・ディー・スタイルズらによって発表された「反
応性−進行」(competance-progression)理論において
は、血小板誘導増殖因子又は繊維芽細胞増殖因子が、イ
ンシュリン様の増殖因子であるソマトメジンA及びCの
ようなインシュリン族のものと組み合わさって、細胞増
殖について陽性の効果を示すことが示されている。
Tissue Growth Factors,アール・バサーガ編、スプリン
ガーファーラーク出版、ニューヨーク(1981)に記載さ
れているように、多くの新規なペプチド増殖因子が単離
され、特徴づけられている。しかしながら、それらの物
質の生体内での活性はほとんど研究されていない。多く
の場合、利用できるペプチドの量が少量であるので、生
体内での研究が制限されてきた。ペプチド増殖因子の潜
在的な適用の重要な領域は、外傷の治癒である。重症の
やけど、外傷、糖尿病性及び褥瘡潰瘍等の治療において
迅速な傷の治癒が必要であるにもかかわらず、現在のと
ころ、薬剤によって傷の治癒を加速する実際的な方法は
存在しない。上述のTissue Growth Factorsの123ページ
には、EGFがこの領域において有用であるかもしれない
ことが示唆されているが、傷の治療に実際的に広範囲に
用いられてはいない。
発明の概要 この発明は、動物の細胞、特にヒトの繊維芽細胞の増殖
を促進するための組成物を提供する。この組成物は、そ
の活性成分としてベータ型トランスフォーミング増殖因
子(TGF−β)及び活性化剤を含む。活性化剤は、表皮
増殖因子(EGF)及びアルファ型トランスフォーミング
増殖因子(TGF-α)から成る群より選ばれる少なくとも
1つである。
TGF-βと活性化剤は、好ましくは等モル量存在し、活性
成分は細胞増殖(組織修復)を促進するのに少なくとも
十分な量存在する。
もう1つの具体例として、この発明の活性化されたTGF-
β組成物は、他の(第2の)増殖因子と混合されてその
活性を向上されることもできる。
組成物は、局所的に塗布するのに適当な、例えば生理食
塩水や、精製コラーゲン懸濁液のような、いずれの担体
とでも製剤化することができる。組成物はまた、全身的
な投与に適したいずれの担体とでも製剤化することがで
きる。
この発明の組成物の局所的投与は、やけど、外傷及び他
の傷の部位に組成物を直接塗布することによって行なわ
れる。多くの場合、周期的又は継続的な投与が好ましい
であろう。なぜなら、活性成分は、増殖が促進されてい
る細胞によって生理的に利用されるからである。
さらに、この発明の組成物は、治療すべき傷の性質及び
部位に応じて、注射、経腸的、又は経皮的パッチによっ
て全身的に投与することもできる。
発明の詳細な説明 「トランスフォーミング増殖因子」(TGF)という語
は、トランスフォームされていない指標細胞にトランス
フォームされた表現系を与えるポリペプチドの組を包含
するように定義される。トランスフォームされた表現型
とは、操作上、単層増殖の密度依存性阻害の欠失、単層
における過剰増殖、細胞形態の特徴的な変化、付着独立
性の獲得及びその結果である軟寒天中での増殖可能性に
よって定義される。トランスフォームされていない、非
腫瘍性細胞は、軟寒天中でコロニーを形成しないが、培
養細胞の付着独立増殖は、生体内での腫瘍の増殖と特に
密接な関係を有する。
TGFは最初ウイルスによってトランスフォームされたマ
ウス腫瘍細胞から発見されたが、組織からペプチドを抽
出するための酸/エタノール法の適用によって、TGF
は、試験した全ての動物種の、ほとんど全ての組織中に
見出された。TGF活性は、通常、生体外における表現型
トランスフォーメーション分析によって測定されるが、
このことは、生体内におけるTGF活性が、悪性腫瘍の発
達と必ずしも関係を有していることを暗示していない。
実際に、トランスフォームされた表現型は、正常な胎児
発生に伴なう1つの生理的状態であり、ガン遺伝子は、
ほとんど全ての脊椎動物の正常細胞から発見されてい
る。正常細胞からのこれらのガン遺伝子の機能は現在の
ところ知られていない。悪性細胞の増殖において、TGF
活性が不可逆的に過度に発現されているかもしれない
が、手もとにあるデータによると、TGFは、より良性の
そしておそらく必須的な役割を正常細胞の機能中に有し
ていることが示されている。現在のところ、TGFの本来
的な生理学的役割は何であるのか知られていない。この
点、TGFは最近発見され単離された他のペプチドホルモ
ン及びホルモン様物質と同様である。このことは、はっ
きりした化学構造は知られているかもしれないがその生
理学的性質がはっきりしない多くの神経系ペプチドにつ
いて特にほんとうである。
最初に単離されたTGFである肉種増殖因子(SGF)の最初
の記述は腫瘍細胞生物学における重要な発見であった。
なぜなら、それは、ウイルスによってトランスフォーム
された細胞における腫瘍表現型の発現のための直接的機
構を提供したからである。SGFの2つの重要な性質がこ
れらの初期の研究の中に記載されている。すなわち、
(1)表現型のトランスフォーメーションを引き起こす
SGFの効果は、SGFが連続的に存在することに依存してお
り、かつ、その効果は、SGFが除去されたときに可逆的
である、及び(2)SGFの効果は、このペプチドを合成
したその細胞中で発現され、この性質はオートクリン分
泌(autocrine secretion)と呼ばれる。これら2つの
性質は、新たに発見された他のてのTGFについて明らか
に示されたわけではないけれども、TGF全体の機能は、
局所的なものであり、パラクリン(paracrine)、又は
オートクリン機構によって細胞の機能を可逆的に制御す
るホルモン様の物質であることが非常に合理的に推測で
きる。
SGFが1978年に発見されて以来、種々の供給源から得ら
れた多くのTGFが記載されている。これらのTGFは2つの
範疇に分けることができる。すなわち、培養細胞の規定
された培養液から単離された外細胞性TGFと、細胞又は
組織を直接抽出することによって単離された内細胞性
(細胞関連)TGFである。最近、外細胞性TGFが、ネズミ
科動物の非腫瘍細胞から単離されたけれども、一般的
に、規定された培地の使用は、長期間にわたって大規模
に培養できる、ウイルス的又は化学的にトランスフォー
ムされた齧歯動物細胞及びヒト腫瘍細胞ラインを包含す
る腫瘍細胞ラインに限定されてきた。酸/エタノール抽
出法をTGFの単離に採用することにより、調べるべき細
胞の型及び組織の量に関する制限が取り除かれた。この
方法を用いることにより、全ての組織又は細胞の抽出物
は、それが腫瘍性のものか非腫瘍性のものであるか、お
となのものであるか胎児のものであるか、ヒト、ウシ、
又はネズミのゲノムであるかどうかにかかわらず、軟寒
天分析においてコロニーを形成することがわかった。従
って、定義として、これらの抽出物はTGF活性を有する
と言う。
種々の上皮細胞ライン及び繊維芽細胞ラインは、TGFの
存在下において軟寒天中でコロニーを形成する。しかし
ながら、最も一般的に用いられている指標細胞ラインは
ラットの腎臓繊維芽細胞クローン、NRK 49Fである。こ
れは、TGFに対する強いコロニー形成反応の故に選択さ
れたものである。ラット‐1細胞及びマウスAKR-2B細胞
も、指標細胞として成功的に使用されている。
上述した全てのTGFは、低分子量のポリペプチドであっ
て、酸及び熱安定性に関する物理的性質並びにトリプシ
ン及びジチオスレイトール処理に対する感受性はSGFの
それと共通する。しかしならが、これらのTGFの間に
は、特にEGFとの関係に関し、きわだった生物学的性質
の相違が存在する。あるTGFは、EGFとは抗原的に区別で
きるけれども、レセプターへの結合に関しEGFと競合す
るので、EGFと構造的な類似性を有している。他のTGFは
レセプターへの結合に関しEGFと競合しないが、その代
わり、軟寒天分析におけるコロニー形成の活性に関しEG
Fに依存している。一般的な用語である「TGF」という語
をこれらの異なる因子に名付けることによるあいまいさ
を除去するために、EGFとの相互作用、すなわちEGFレセ
プターへの結合に関する競合及び軟寒天中でのコロニー
形成の誘導にEGFを必要とするかどうかに基づいてTGF族
のメンバーを操作的に分類することが提案されている。
この発明の目的のために、レセプターへの結合に関して
EGFと競合するが、軟寒天中でのコロニー形成の誘導に
はEGFを必要としないTGFをTGF-αと定義する。これらの
性質を有するTGFは、SGF及び他の腫瘍細胞から誘導され
たTGF並びにマウス胎児からのいくつかのTGFを包含す
る。
この発明の目的のために、レセプターへの結合に関しEG
Fと競合しないが、軟寒天中でのコロニー増殖に関してE
GFを必要とするTGFをTGF-βと定義する。EGFの存在下で
分析すると、TGF-βは、腫瘍性及び非腫瘍性細胞ライン
及び組織の内細胞性TGFの主たるコロニー形成活性を表
わす。一旦適当な分析方法を用いれば、規定された培地
にもTGF-βが発見されるであろうと推測される。
レセプターの結合に関し、EGFと競合しないし、コロニ
ー形成においてEGFを必要としないTGFをTGF-γ(ガンマ
型TGF)と呼ぶ。このようなTGFは、ウイルス的又は化学
的にトラスフォームされた細胞の規定された培地中で発
見され、記載された。最後に、レセプターへの結合に関
し、EGFと競合するし、軟寒天中でのコロニー形成に関
してEGFを必要とするTGFをTGF-δ(デルタ型TGF)と呼
ぶ。EGF自体は弱いTGF-δに分類される。
精製及び性質の例 我々の研究室での研究は、細胞及び組織から直接TGFを
単離することに向けられていた。この目的のために、酸
/エタノール抽出法を、エイ・ビー・ロバーツら、Pro
c. Natl. Acad. Sci., U.S.A.,77:3494-3498(1980)に
記載してあるように修飾し、さらに精製するために、ク
ロマトグラフィーと高圧液体クロマトグラフィー(HPL
C)を採用した。非腫瘍性の指標細胞(NRK)を誘導して
軟寒天中にコロニーを形成させる能力によって測定され
るTGF活性を、形成されたコロニーの数及び大きさの2
つに関して像解析装置で解析した。HPLCを用いることに
より、2つの明確に異なるTGF、すなわちTGF-αとTGF-
βとは、MSV(モロネイ・サルコーマ・ウイルス[Molon
ey Sarcoma Virus])によってトランスフォームされた
3T3細胞の酸/エタノール抽出物の同一のプールから単
離することができることが示された。この目的のため
に、0.1%のトリフルオロ酢酸中に解けたアセトニトリ
ルの直線勾配を用いたカラムを用いた。マーカーEGFよ
りも先にカラムから溶出されるTGF-αは、添加EGFの不
存在下において、軟寒天中での小さなコロニー(850-3,
100μm2)の形成を誘導する能力と、放射レセプター分
析においてEGFと競合する能力によって特徴づけられ
る。TGF-α及びマーカーEGFよりも後に溶出されるTGF-
βは、レセプターへの結合に関してEGFと競合せず、軟
寒天中において大きなコロニー(>3,100μm2)の形成
を誘導するのにEGFを必要とする。
MSVによってトランスフォームされた3T3細胞からのTGF-
αは、同じ細胞の規定された培地から単離されたSGF並
びにヒト及びラットの腫瘍細胞ラインから単離された他
のTGFと類似している。最近、ヒトの黒色腫細胞ライン
及びウイルス的にトランスフォームされたラット胎児繊
維芽細胞からのSGFとTGF-αを均一になるまで精製し
た。ヒトの黒色腫TGF-αは分子量が7,400の単鎖ポリペ
プチドである。そのアミノ酸組成及びクロマトグラフィ
ーにおける挙動はEGFと大きく異なるが、ネズミSGFとラ
ットTGF-αのそれと類似している。このことは、ヒト、
ラット及びマウスゲノムからのTGF-αは、互いにEGFよ
りも密接に関連していることを示唆している。従って、
TGF-αは、種を越えた有用性を有しているかもしれない
という合理的可能性が存在する。
肉腫ウイルスによってトランスフォームされた齧歯動物
細胞ラインにおいて、TGF-αの培地への放出は、トラン
スフォームされた表現型の発現と関係を有し、また、TG
F-αを放出する選択されたヒト腫瘍細胞ラインにおいて
は、軟寒天中で増殖する腫瘍細胞の能力は、それらが分
泌するTGF-αの量と関係する。しかしながら、腫瘍性の
挙動にとって、TGF-αの分泌は絶対的に必要なものでは
ない。TGF-αを分泌しない、ある化学的にトランスフォ
ームされたネズミ細胞ライン及びヒト肺ガン細胞ライン
は、レセプターへの結合に関しEGFと競合しない、強烈
なTGF活性を示す。
MSVによってトランスフォームされた3T3細胞の酸/エタ
ノール抽出物中のTGF-βは、多くの腫瘍性及び非腫瘍性
組織から単離された他のTGFと類似している。第2のHPL
Cカラム上でさらに精製すると、MSVによってトランスフ
ォームされた細胞のTGF-βは、n−プロパノール(48
%)の勾配中において、ウシの唾腺のTGF-βの1つのピ
ークと同じ位置で溶出し、それぞれ280nmにおいて小さ
なピークを有していた。これら2つのTGF-βは、一方が
腫瘍性のマウス細胞ラインからのものであり、他方が非
腫瘍性のウシ組織からのものであるが、メルカプトエタ
ノールの存在下でのSDS-PAGEにおいて分子量12,500〜1
3,000ダルトンのタンパク質として泳動し、メルカプト
エタノールの不存在下においては見かけ上25,000〜26,0
00ダルトンのタンパク質として泳動する。従って、これ
らは、互いに緊密に関係しており、TGF-α及びEGFの双
方とも異なる。調べられた全ての非腫瘍性組織中のTGF-
βの発見により、これらのTGFの正常な生理学的機能が
示唆される。従って、TGF-βが種を越えた有用性を有す
るかもしれないという合理的な可能性が存在する。
TGF-βのアミノ酸組成及び配列 操作を組合わせて、ウシの腎臓からのTGF-βを200,000
倍に精製して均一化した。
均一なTGF-β(20−50pmol)の試料を取って乾燥し、密
封した空のチューブ内で、0.1%液体フェノールを含む
定常的に沸騰した100μlの塩酸中で、150℃で2時間加
水分解した。半量シスチンとメチオニンを過ギ酸酸化に
よって定量し、酸加水分解した。アミノ酸のオルソ−フ
タルアルデヒド誘導体の分析を、蛍光光度計と積分器を
備えた修飾アミノ酸分析機上で行なった。
アミノ末端配列分析のために、約500ピコモル(Mr25,00
0)のTGF-βを、1Mトリス−HClバッファー(pH8.4)中
で、6Mのグアニジン−HClの存在下において、ジチオス
レイトールとヨード[14C]酢酸とによって還元し、S
−カルボキシメチル化した。過剰の試薬を、5ミクロン
50x4.6mmカラム上で、0.1%TFA中の、0-90%アセトニト
リルの勾配(1%/分)で溶出するHPLCによって、カル
ボキシメチル化タンパク質から分離した。フルオレスカ
ミン(fluorescamine)検出を用いたアミノ酸分析によ
って算出されたタンパク量に基づく操作全体の回収率は
96%であった。
気相配列決定機を用いて、約500ピコモル(Mr12,500)
のS−カルボキシメチル化タンパク質を自動エドマン分
解した。PTH−アミノ酸をHPLC装置を用いて同定した。
最初の収率は約30%であり、繰り返した収率は約90%で
あった。
アミノ酸の分配を次の表にまとめた。
表1 ウシ腎臓TGF-βのアミノ酸組成(a) アミノ酸 残基/モル(b) (平均±範囲) アスパラギン酸 25±1 スレオニン 7±1 セリン 16±2 グルタミン酸 26±1 プロリン N.D. グリシン 15±3 アラニン 18±1 半量シスチン(c) 16±2 バリン 17±1 メチオニン(c) 3±0 イソロイシン 11±1 ロイシン 25±1 チロシン 17±2 フェニルアラニン 8±1 ヒスチジン 8±1 リジン 22±2 トリプトファン N.D. アルギニン 12±1 (a)150℃において6N HCl中で2時間加水分解した後
に定量した、精製ウシ腎臓β型TGFのアミノ酸組成。値
は、3つの異なる試料を用いた3つの異なる定量に基づ
く。
(b)それぞれのアミノ酸の1モル当たりの残基の数
は、明らかな25,000の分子量に基づく。
(c)過ギ酸酸化及び酸加水分解によって定量した。
N.D.-定量せず。
ウシ腎臓TGF-βをNaDodSO4-ポリアクリルアミドゲル上
での電気泳動によって分析することにより、いくつかの
ジスルフィド結合が鎖内部に存在することが示唆され
た。上記結果をヒトの胎盤又はヒトの血小板からのTGF-
βの分析によって得られた結果と比較することによっ
て、それぞれのアミノ酸組成の間には有意の差が存在し
ないことがわかり、N-末端が極めて類似していることが
予想される。
還元され、S-カルボキシメチル化されたウシ腎臓TGF-β
を、気相配列決定機を用いた自動エドマン分解によって
アミノ酸配列分析したところ、次の単一N-末端アミノ酸
配列が明らかになった。(CMCはS-カルボキシメチルシ
ステイン) 初期及び繰り返し収率は、標準タンパクとして用いたミ
オグロビンについて計算された収率に等しいことがわか
った。少なくとも、これらの結果は、TGF-βのそれぞれ
の2つのサブユニットのN-末端の最初の15のアミノ酸配
列は同一であり、NaDodSO4-ポリアクリルアミドゲル上
で、還元TGF-βの単一タンパク質バンドが見られること
を示している。さらに、ウシ腎臓TGF-βのN-末端配列
は、ヒト胎盤からのTGF-βの部分的な配列と同一であ
り、このことは、異なる種及び異なる組織源からのβ型
TGFが高度に関連していることが示唆される。
TGF-βの活性化 我々の研究室での最近の研究により、TGF-α及びEGFの
両方とも、TGF-βを活性化して、軟寒天中での大きなコ
ロニーの形成を誘導することが示された。MSVによって
トランスフォームされた3T3細胞からの精製TGF-βをそ
れ自体で分析したところ、2μg/mlもの高濃度におい
てもコロニー形成活性を有していなかった。しかしなが
ら、同じ細胞から誘導されたEGF又はTGF-αの存在によ
って活性化した後に分析すると、TGF-βは、10〜200ng
/mlの濃度において、大きなコロニー(>3,100μm2
をその濃度に依存して形成することを促進した。対照的
に、EGF又はTGF-αは、それ自身で分析すると、最大限
でも少数のコロニーしか誘導しない。この反応は、TGF-
βを加えることによって10倍に増大される。EGFとTGF-
αが、TGF-βに依存した軟寒天中での大きなコロニーの
形成を促進する相対的能力は、EGFレセプターへの結合
における競合能力と関連していた。化学的に修飾したEG
F類似体を用いた他の実験により、この関連性が証明さ
れた。強烈なコロニー形成反応を誘導するのに、TGF-α
とTGF-β又はEGFの両方を必要とすることを示すこれら
のデータにより、全ての組織に存在するTGF-βは、腫瘍
性トランスフォーメーションにおいてTGF-αとEGFの効
果の必須的な媒介物質であるかもしれないことが示唆さ
れる。
外来性のTGFが非腫瘍細胞をしてトランスフォームされ
た表現型を発現せしめるように誘導する機構はほとんど
わかっていない。さらに、TGF-αとTGF-βの相乗的な相
互作用により、これら2つのTGFは異なった経路を通っ
て作用することが示唆される。肉腫ウイルスによってト
ランスフォームされた齧歯動物細胞の規定された培地か
らのTGFを用いた実験により、トランスフォーメーショ
ンが起きる前に新たなRNA及びタンパク質の合成が必要
であることが示された。他の実験は、加リン酸反応にお
けるTGFの役割に向けられていた。あるウイルス性トラ
ンスフォーミング遺伝子産物及びその正常な細胞性類似
体はチロシン特異性のキナーゼ活性を有しており、トラ
ンスフォーメーション過程において、特定の基質のチロ
シンにおける加リン酸反応が重要であることが提案され
た。ヒトのガンA431細胞を、ウイルス的にトランスフォ
ームされた細胞又はヒト腫瘍細胞ラインの規定された培
地から誘導された種々のTGF(TGF-α)で処理したとこ
ろ、160K EGFレセプターのチロシン残基の加リン酸化
が起きた。しかしながら、加リン酸化のパターンは、EG
F自体によって誘導されたものと区別することはできな
かった。それ故、それはトランスフォーメーションに特
異的なものであるとは思われない。同様に、ラット‐1
細胞のアクチン繊維の溶解が、TGF又はEGFで処理したと
きに起きる。TGFとレトロウイルストランスフォーミン
グ遺伝子生産物との関係及び腫瘍性トランスフォーメー
ションにおけるTGFの作用の態様を確立するためにさら
に研究することが必要なことは明らかである。
以下に、この発明の種々の局面を例示する例をまとめ
る。
実施例1 MSVでトランスフォームされた3T3細胞のTGF-α及びTGF-
βのHPLC分離 MSVでトランスフォームされた細胞の酸/エタノール抽
出物を透析して透析酸/エタノール抽出物を得、この透
析抽出物を1M酢酸中でバイオゲルP-30上でクロマトグラ
フに架けた。分子量7,000-10,000ダルトンのTGF分画
を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶けたアセトニトリルの
勾配を用いて、μボンダパクC18カラム(ウォータース
・アソシエイツ[Waters Associates]社製)上でクロ
マトグラフィーを行なってC18溶出物を得た。次いで、
このC18溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解したn-
プロパン用いて、CN逆相HPLCカラム(炭素鎖を介して担
体にシアノ基‐CNが結合したクロマトグラフィー材を充
填したカラム)でクロマトグラフィーを行なってCN溶出
物を得、さらにこのCN溶出物からTGF-βを回収した。こ
のTGF-βは還元SDS-PAGEゲル上で12,500ないし13,000ダ
ルトンの分子量を有するタンパク質として泳動し、かつ
非還元SDS-PAGEゲル上で25,000ないし26,000ダルトンの
分子量を有するタンパク質として泳動する配列決定可能
なタンパクとして回収された。その1部を軟寒天分析、
2ng/ml EGFの存在下、及び放射レセプター分析におけ
125I−EGFとの競合においてコロニー形成活性を調べ
た。
実施例2 0.1%トリフルオロ酢酸中に溶けたn-プロパノールの勾
配を用いた、MSVによってトランスフォームされたマウ
ス3T3細胞及びウシ唾腺からのTGF-βの、μボンダパクC
Nカラム上でのHPLC精製 MSVでトランスフォームされた細胞の酸/エタノール抽
出物を透析して透析酸/エタノール抽出物を得、この透
析抽出物をバイオゲルP-30とμボンダパクC18カラム上
で精製し、次にCNカラムに入れ、得られたCN抽出物から
TGF-βを回収した。その1部を、軟寒天中で、2ng/ml
のEGFの存在下におけるNRK細胞のコロニー増殖の誘導を
調べた。
実施例3 軟寒天中での、大きなNRK細胞コロニーの形成を誘導す
る、TGF-βとTGF-αとの相乗的相互作用(活性化) MSVによってトランスフォームされた3T3細胞から誘導さ
れ、μボンダパクCNカラムで精製した種々の濃度のTGF-
βの、軟寒天中でのコロニー形成活性を、TGF-βのみに
ついて、及び、同じ細胞又はハネズミEGFから誘導さ
れ、CNカラムで精製したTGF-αの存在下において調べ
た。種々の濃度のEGF及びTGF-αの軟寒天中でのコロニ
ー形成活性を、それらのみについて、及びTGF-βの存在
下において調べた。
生体内での傷の治癒の証明 上述のようにこの発明の組成物の実効性を生体外におい
て証明した後、臨床適用においてこの組成物が働くこと
を確かめることが重要であると考えた。この目的のため
に、ウシからTGFを比較的大量に単離し、齧歯動物外傷
治癒実験プロトコールを用いて、この発明の組成物の外
傷治癒活性が満足に証明された。
以下の実施例は、この発明の組成物が生体内において有
効であるだけでなく、TGFは種を越えて採用することが
できることを示している。
実施例4 TGF-α及びTGF-βの分離及び精製 屠殺場から新鮮に得られ、直ちにドライアイス上で冷凍
したウシの組織を、エイ・ビー・ロバーツら、Proc. Na
tl. Sci., U.S.A.,77:3494(1980)に従って、2kgのバ
ッチで酸/エタノールで抽出した。さらに、得られた酸
/エタノール抽出物を透析して透析酸/エタノール抽出
物を得た。6〜8kgの組織からの抽出物を1つにまと
め、1Mの酢酸を用いて、カラムの床体積が80リットルの
バイオゲルP-30上でクロマトグラフにかけた。ウシ腎臓
及びウシ唾腺からの抽出物のTGFは、RNase(13,700)と
インシュリン(5,700)マーカーの間で広いピークをも
って溶出した。これは、マウス腎臓及びマウス唾腺につ
いて観察されたのと同じである。この精製段階における
TGFは、その特異的活性が、酸/エタノール抽出物より
も10〜25倍高く、組織1kg当たり150,000〜200,000のコ
ロニー形成単位が回収された。以下において報告されて
いる生体実験のほとんどのものは、この段階にまで精製
された唾腺又は腎臓TGFを用いて行なわれた。生体外で
のTGF活性は、1ml当たり2-5ngのEGFの存在によって、こ
の発明に従って、約20倍高められた。
バイオゲルP-30上でクロマトグラフィーにかけた後、ウ
シTGF-βを、0.1%トリフルオロ酢酸中に溶けたアセト
ニトリル勾配を用いて、μボンダパクC18カラム上で高
圧液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけることによっ
てさらに精製した。次に、0.1%トリフルオロ酢酸中に
溶けたn-プロパノール勾配を用い、μボンダパクCNカラ
ム上で第2のHPLCを行なった。例えばヒト胎盤のような
幾つかの源からTGF-βを精製するために、HPLCクロマト
グラフィーに先立って、ゲルろ過カラムから溶出したピ
ーク活性を有する画分をプールし、凍結乾燥して、さら
なるクロマトグラフィー手順を踏んで分画した。すなわ
ち、胎盤からTGF-βを均一に精製するために、ゲルろ過
カラムからの凍結乾燥したピークプールを0.01Nに再懸
濁し、0.05M酢酸ナトリウム中0.70M NaClまでの直線勾
配を用いて、0.05M酢酸ナトリウムで平衡にしたCN-トリ
サクリル(Trisacryl)M陽イオン交換樹脂カラムでク
ロマトグラフした。陽イオン交換樹脂カラムから溶出し
たピーク活性を有する画分をプールし、HPLCに先立って
10%(vol/vol)アセトニトリル/0.1%(vol/vol)
トリフルオロ酢酸に調整した。2回のHPLCの後、唾腺及
び腎臓からのウシのTGF-βを、還元環境下においてドデ
シル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
にかけたところ、見かけ上の分子量が13,000ダルトンの
単一のバンドが見られた。このバンドを含む画分を回収
して精製TGF-βを得た。この精製段階においては、それ
ぞれのウシTGF-βは、コロニー形成活性のためにEGFを
絶対的に要求した。HPLC精製TGF-βの収量は、組織1kg
当たり20〜100μであり、総活性は7,000〜18,000コロニ
ー形成単位であった。
実施例5 外傷治癒プロトコール 単離された唾腺TGF-β及び腎臓TGF-βの生体での活性
を、ティ・ケイ・ハントら、Amer. J. Surgery, 114:30
2(1967)によって記載された方法に従って測定した。
6個の空のシリング−ハントワイヤメッシュ傷室を、ラ
ットの背中の皮下に以下に示すように対称的に(A-D,B-
E,C-F)外科的に挿入した。
ラットは、これらの室があたかも傷であるかのように反
応し、最後には、これらの室は繊維芽細胞及びコラーゲ
ンで満たされた。挿入後4日目までに、室は結合組織に
よって囲包されたが、室の中自体には細胞はほとんど存
在しなかった。このように、室内に、傷治癒反応が定量
的に測定できる囲包された空間が規定された。この時か
ら、室A,B及びCに、TGF-β(0.1ml,滅菌リン酸塩緩衝
液中)を毎日注射し始めた。TGF-βを活性化するため
に、他に明示がない限り、全てのTGF-β注射には低濃度
のネズミEGFが含まれている。室D,E及びFは対照として
用い、ウシ血清アルブミン(BSA)又はこれとTGF-β若
しくはEGFとの混合物を、そのタンパク量が室A,B及びC
に注射したものと同じになるように注射した。注射は、
5日間(表3)又は9日間(表4)、1日1回行なっ
た。ラットを最後のTGF-β注射6時間後に殺した。表3
においては、ラットは、最後のTGF-β注射の際に、0.5m
Ci,比活性が6.7Ci/ミリモルのチミジン−3Hを腹内注射
されている。室をラットから取りはずし、ワイヤメッシ
ュの外側の結合組織を全て剥ぎ取り、それぞれの室の内
容物を調べた。
表3から、ウシの唾腺又はウシ腎臓からのTGF-βでラッ
トを5日間処理すると、処理した室の総タンパク量が、
等量のウシ血清アルブミンで処理した対照室のそれと比
べて有意に増加していることがわかる(実験1、3)唾
腺TGF-βは、2回の高圧液体クロマトグラフィーによる
精製後もなお非常に活性であった(実験2)。観察され
た効果は、TGF-βの活性を高めるために用いられた少量
のEGFにのみ基づくものではない。なぜなら、対照物質
としてEGFを用いた場合(実験4)でさえ、処理室A、
B、Cと対照室D、E、Fとの間に大きな差異が見られ
るからである。さらに、全ての室をTGF-βで処理し、AB
C室のみをEGFで処理した場合(実験5)にも有意の差が
認められなかった。実験1〜4の終了時、室A、B、C
は、それぞれ対応する室よりも、これを囲包する結合組
織中により堅固に固定されていることが常に観察され
た。このことは、TGF-βの効果はまた、室の直近傍の領
域においても発現されることを示唆している。
室内のDNA及びコラーゲン量に対するウシ唾腺TGF-βの
効果を測定するために、動物を5日間以上処理すること
が必要であった。表4は、13匹のラットが9日間処理さ
れた、より大がかりな実験の結果を示している。総タン
パク、総DNA、DNA中へのチミジンの取り込み及び総コラ
ーゲンの増加は、全て非常に十分であった。TGF-βで処
理した室の内容物を組織学的に調べたところ、繊維芽細
胞の増殖及びコラーゲンの形成が確認された。炎症細胞
の無菌の浸潤物もまた、処理室及び対照室の両方内で見
出された。
双方の実験において得られた結果は、TGF-βは、この発
明に従って活性化されると、傷の治癒反応を有意に加速
することを示している。
この発明の組成物の臨床使用 活性成分がTGF-α又はEGFの少なくともいずれかによっ
て活性化されたTGF-βであるこの発明の組成物は、動
物、特に哺乳動物、とりわけヒトの臨床的な用途を有し
ていることが合理的に予想される。この結論に至るいく
つかの合理的な証拠がある。
上述した生体外試験において、この組成物は、遺伝子型
を変えることなく顕著に細胞を増加させることが示され
た。この発明の組成物の成分の重要な特徴は、それらが
種特異的であるとは思われないことである。すなわち、
1つの種からのTGF-βは、他の種からのTGF-α及び/又
はEGFによって活性化される。繊維芽細胞の増殖促進が
最も大きな医療上の有用性を有しているけれども、増殖
が促進される細胞は、繊維芽細胞や上皮細胞のような、
あらゆる細胞である。
極めて良好な結果が得られた上述した生体実験プロトコ
ールは、傷を囲包する細胞の増殖を急速に促進すること
によって傷の治療に有用性を有していることを明らかに
示している。
この発明の組成物の用途には2つの型が考えられる。
1つは、そして好ましい適用は、表面外傷の治癒を促進
するために局所的に適用することである。治療できる傷
や他の外傷の型に制限はない。これらは(これに限定さ
れないけれども)第1、2、3度のやけど(特に第2、
3度);整形手術を含む、外科的切開部分;裂傷、切り
傷、刺し傷を包含する傷;褥瘡(床ずれ)、糖尿病性、
歯性、血友病性、及び静脈瘤性潰瘍を包含する表面潰瘍
を包含する。第1の重要性は、繊維芽細胞の再生による
大きな傷の治癒であるけれども、この組成物は小さな傷
にも有用であり、上皮細胞の美容的再生をも意図してい
る。また、この組成物を、内部の外科的切り傷に局所的
に適用することも意図している。
局所的に適用する場合、この組成物は、担体及び/又は
アジュバントのような他の成分と組み合わせることがで
きる。このような他の成分は、薬理的に許容できるもの
であり、意図する効果を有し、この発明の活性成分の活
性を低下させることができないものであるならば、どの
ような性質のものでも用いることができる。この発明の
組成物をやけどに適用することは、好ましくは生理食塩
液と組合わせて液体の形態で用いることができる。組成
物はまた、好ましくは精製コラーゲンと組合わせて軟膏
又はサスペンジョンの形態で用いることもできる。組成
物はまた、好ましくは液体又は半液体の形態で、経皮パ
ッチ、プラスター及び包帯に含浸させることもできる。
第2の用途は、体内の傷及び同様な傷を治癒するために
全身的に適用することである。このような適用は、腫瘍
細胞の増殖を促進したりするような副作用がないか制限
されている場合には有用である。
全身的に適用する場合には、組成物は、経口投与のため
に、液体、ピル、錠剤、薬用ドロップの形態や、非経口
注射のための液体形態に製剤することができる。活性成
分は、担体及び/又はアジュバンドのような他の成分と
組合わせることもできる。このような他の成分は、薬理
的に許容できるものであり、意図する効果を有し、この
発明の活性成分の活性を低下させることができないもの
であるならば、どのような性質のものでも用いることが
できる。
活性化剤(TGF-α又はEGF)の量は、この発明の活性組
成物中に存在するTGF-βの量に直接依存する。この活性
化は触媒的な性質のものでないことが示されているの
で、ほぼ化学量論的な(等モルの)量を用いることが好
ましい。
TGFの活性、治癒すべき傷/及び又は外傷の性質の故
に、この発明の方法に用いることができる活性組成物の
量を述べることはできない。先に示したように、TGF
は、先ず細胞のレセプター部位に結合し、次に新しいタ
ンパク質を合成するために細胞に吸収されて利用される
ことによって細胞を活性化し、その結果細胞の増殖をも
たらす。このように、TGFは、酵素や他の触媒のような
態様で作用するのではなく、細胞再生過程そのものによ
って消費される。ゴンザレズらによってJ. Cell. Bio
l.,88:108-144(1980)開示されているように、EGFのた
めのレセプターは、広範囲の繊維芽細胞、上皮細胞、及
び壁細胞上に発見されている。さらに、エム・イー・ラ
フィテら、FEBS Lett.,114(2)243-246(1980)に開
示されているように、個々のラットの小腸上皮細胞には
3,000のEGF結合部位(レセプター)が存在すると計算さ
れている。また、細胞増殖促進物質(この発明の組成物
のような)の量は、治療すべき傷又は他の外傷の大きさ
によって異なることは明らかである。
この発明の組成物は、細胞の再生を引き起こし、かつ維
持するので、連続的な適用又は周期的な再適用が示され
る。
投与のための組み合わせた医薬の単位体積当たりの活性
成分の量を特定することも極めて困難である。なぜな
ら、それは、傷又は他の外傷の細胞の再生に直接用いら
れる活性成分の量に依存するからである。しかしなが
ら、一般的に言うと、好ましくは、TGF-βは、組合わさ
れた組成物1ミリリットル当たり少なくとも約1.0ナノ
グラム、さらに好ましくは、1ミリリットル当たり約1.
0ミリグラム以下含まれる。
この発明の組成物を用いた追加的な具体例 この発明の活性化されたTGF-β組成物をそれ自身で用い
ることに加え、これを第2の増殖因子と組み合わせて用
いることも可能である。
この発明の活性化されたトランスフォーミング増殖因子
は、多くの他の(第2の)ペプチド及び非ペプチド因子
と物理的に混合することもできる。このような混合物
は、この発明の活性化されたトランスフォーミング増殖
因子のみを用いる場合とと同じ態様で同じ目的で、細胞
の増殖及び修復を促進する活性を高めるために用いるこ
とができる。
活性化されたトランスフォーミング増殖因子と第2の増
殖因子との有用な比率は、1:0.1〜10であり、好ましく
は等モル量である。
第2の増殖因子は、単独で又は生理学的及び薬剤的に許
容できる組み合わせとして用いることができる。
既知の第2の増殖因子を、この発明における有用性の順
序に記載すると次のものを包含する。
1.血小板から誘導された増殖因子 2.繊維芽細胞増殖因子 脈管発生因子 3.ソマトメジンを包含する、インシュリン様増殖因子 4.インシュリン 神経増殖因子 5.アナボリックステロイド 上述した第2の増殖因子に加え、いまだ発見されていな
い第2の増殖因子も混合物として用いるのに有用であろ
う。
この発名は、また、不活性な中間物質TGF-β自身も用い
ることができる。この発明の以前に、この物質は単離さ
れ、又は同定されていなかった。TGF-βは、個々の動物
種において実質的に同一か又は極めて類似していると信
じられており、その種に属する個体や、それが誘導され
た特定の体細胞に左右されない。TGF-βは、齧歯動物、
家畜、及びヒトについて種特異的でないことが示されて
いるので、この物質は、どんな哺乳動物、そしておそら
くどんな動物源から誘導されたものも実質的に同一か極
めて類似していると合理的に信じることができる。さら
に、この発明は、遺伝子工学的に誘導された細胞も含め
て、いかなる供給源から単離され誘導されたものも含む
ことに注意すべきである。細胞をTGF-βを生産するよう
に遺伝子的に操作することは現在の生化学技術において
も可能である。
不活性化されたTGF-βの投与 TGF-βは、上述した剤により活性化されない限り、傷治
癒及び他の組織修復活性を有さないと信じられる。
しかしながら、上述の表3の実験5では、EGFで活性化
したTGF-β(室A,B,C)と、TGF-β自体(室D,E,F)につ
いての結果が統計学的に類似しているように見える。こ
れに対する最も論理的な説明は、TGF-β自体が、試験動
物の中にもともと存在していたTGFによって活性化され
たというものである。EGFのような種々のTGFが血漿中に
存在することが知られている。
このように、実験5の結果はこの発明と矛盾するもので
はなく、その代わりにこの発明の変形例を構成してい
る。さらに詳細に述べると、細胞増殖及び組織修復を促
進するのに十分な量のTGF-βを活性化することができ
る、十分な量の内発的な活性化剤が動物中に存在してい
る場合には、活性化されたTGF-βに代えて、TGF-β自体
をこの発明に従って投与することができる。ここで意図
する外傷を患っている動物は、通常、十分な量の内発生
活性化剤を有していないと予想される。
この1部継続出願と同日に出願された以下の出願の開示
の全部を、文献としてこの明細書に組み入れられたもの
とする。
1.「ヒト血小板からのトランスフォーミング増殖因子
β」リチャード・ケイ・アソイアン、チャールズ・エイ
・フロリック、ミッチェル・ビー・スポーン及びアニタ
・ビー・ロバーツ 2.「ヒト胎盤からのトランスフォーミング増殖因子β」
リチャード・ケイ・アソイアン、チャールズ・エイ・フ
ロリック、ミッチェル・ビー・スポーン及びアニタ・ビ
ー・ロバーツ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性成分が、本質的に、細胞の増殖を促進
    するに十分な量のβ型トランスフォーミング増殖因子
    (TGF−β)からなる動物並びにヒトの細胞増殖および
    組織修復を促進するための組成物であって、該TGF−β
    が相同タンパク質の形態にあり、 イ)ネズミ、ヒトもしくはウシの細胞または組織を酸/
    エタノールで抽出して細胞抽出物を得る工程、 ロ)細胞抽出物を透析して透析酸/エタノール抽出物を
    得る工程、 ハ)透析酸/エタノール抽出物をゲル濾過クロマトグラ
    フィカラムに入れ、1M酢酸で溶出してゲル濾過溶出物を
    得る工程、 ニ)ゲル濾過溶出物を陽イオン交換樹脂カラムに入れ、
    直線勾配で溶出してイオン交換溶出物を得る工程、 ホ)イオン交換溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶
    解したアセトニトリル勾配を用いる逆相HPLC C18カラ
    ムに入れてC18溶出物を得る工程、 ヘ)C18溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解したn-
    プロパノールを用いるCN逆相HPLCカラムに入れてCN溶出
    物を得る工程、および ト)還元SDS-PAGEゲル上で12,500ないし13,000ダルトン
    の分子量を有するタンパク質として泳動し、かつ非還元
    SDS-PAGEゲル上で25,000ないし26,000ダルトンの分子量
    を有するタンパク質として泳動する、配列決定可能なTG
    F-βをCN溶出物から回収する工程、 により得られ、かつその各々の2つのサブユニットにつ
    いて、エドマン分解により決定された下記配列からなる
    部分アミノ酸配列を有する精製TGF−βである組成物。 (ここで、CMCはS−カルボキシメチルシステインとし
    て決定された半量システインもしくはシステイン)
  2. 【請求項2】前記増殖因子が遺伝子工学的に操作された
    細胞から誘導される請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記増殖因子がウシの腎臓から誘導される
    請求の範囲第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記TGF−βが、前記組成物1ミリリット
    ル当り1.0ナノグラムないし1ミリグラム存在する請求
    の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】少なくとも1種の薬剤学的に許容し得る担
    体をさらに含む請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    か1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】担体が精製コラーゲンであり、かつ組成物
    が局所適用のための懸濁液である請求の範囲第5項記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】担体が生理食塩水であり、かつ組成物が液
    状である請求の範囲第5項記載の組成物。
  8. 【請求項8】表皮増殖因子(EGF)およびα型トランス
    フォーミング増殖因子(TGF−α)からなる群より選ば
    れる少なくとも1種の活性化剤を活性成分としてさらに
    含有する請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項
    に記載の組成物であって、該活性化剤が前記TFG−βを
    活性化するに十分な量存在する組成物。
  9. 【請求項9】TGF−βと少なくとも1種の活性化剤がほ
    ぼ等モル存在する、哺乳動物の線維芽細胞増殖の局所的
    促進に用いられる請求の範囲第8項記載の組成物。
  10. 【請求項10】活性化剤がEGFまたはTGF−αである請求
    の範囲第9項記載の組成物。
  11. 【請求項11】活性化されたTGF−βが、少なくとも1
    種の第2の増殖因子と1:0.1ないし1:10のモル比、好ま
    しくは等モルで混合される請求の範囲第8項記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】第2の増殖因子が、血小板から誘導され
    た増殖因子、線維芽細胞増殖因子、脈管発生増殖因子、
    インシュリン様増殖因子、インシュリン、神経増殖因子
    およびアナボリックステロイドからなる群より選ばれる
    少なくとも1種である請求の範囲第8項記載の組成物。
  13. 【請求項13】相同タンパク質の形態にある精製β型ト
    ランスフォーミング増殖因子であって、 イ)ネズミ、ヒトもしくはウシの細胞または組織を酸/
    エタノールで抽出して細胞抽出物を得る工程、 ロ)細胞抽出物を透析して透析酸/エタノール抽出物を
    得る工程、 ハ)透析酸/エタノール抽出物をゲル濾過クロマトグラ
    フィカラムに入れ、1M酢酸で溶出してゲル濾過溶出物を
    得る工程、 ニ)ゲル濾過溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解
    したアセトニトリル勾配を用いる逆相HPLC C18カラム
    に入れてC18溶出物を得る工程、 ホ)C18溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解したn-
    プロパノールを用いるCN逆相HPLCカラムに入れてCN溶出
    物を得る工程、および ヘ)還元SDS-PAGEゲル上で12,500ないし13,000ダルトン
    の分子量を有するタンパク質として泳動し、かつ非還元
    SDS-PAGEゲル上で25,000ないし26,000ダルトンの分子量
    を有するタンパク質として泳動する、配列決定可能なTG
    F−βをCN溶出物から回収する工程、 により得られ、かつその各々の2つのサブユニットにつ
    いて、エドマン分解により決定された下記配列からなる
    部分アミノ酸配列を有する精製β型トランスフォーミン
    グ増殖因子。 (ここで、CMCはS−カルボキシメチルシステインとし
    て決定された半量システインもしくはシステイン)。
  14. 【請求項14】遺伝工学的に操作された細胞から誘導さ
    れた請求の範囲第13項記載の増殖因子。
  15. 【請求項15】ウシの腎臓から誘導された請求の範囲第
    13項記載の増殖因子。
  16. 【請求項16】ネズミ、ヒトもしくはウシの細胞または
    組織から誘導される、配列決定可能な精製TGF−βの製
    造方法であって、 イ)ネズミ、ヒトもしくはウシの細胞または組織を酸/
    エタノールで抽出して細胞抽出物を得る工程、 ロ)細胞抽出物を透析して透析酸/エタノール抽出物を
    得る工程、 ハ)透析酸/エタノール抽出物をゲル濾過クロマトグラ
    フィカラムに入れ、1M酢酸で溶出してゲル濾過溶出物を
    得る工程、 ニ)ゲル濾過溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解
    したアセトニトリル勾配を用いる逆相HPLC C18カラム
    に入れてC18溶出物を得る工程、 ヘ)C18溶出物を、0.1%トリフルオロ酢酸に溶解したn-
    プロパノールを用いるCN逆相HPLCカラムに入れてCN溶出
    物を得る工程、および ト)還元SDS-PAGEゲル上で12,500ないし13,000ダルトン
    の分子量を有するタンパク質として泳動し、かつ非還元
    SDS-PAGEゲル上で25,000ないし26,000ダルトンの分子量
    を有するタンパク質として泳動する、配列決定可能なTG
    F-βをCN溶出物から回収する工程、 を有する方法。
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