JPH0665294B2 - 連続発酵法 - Google Patents

連続発酵法

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JPH0665294B2
JPH0665294B2 JP62057210A JP5721087A JPH0665294B2 JP H0665294 B2 JPH0665294 B2 JP H0665294B2 JP 62057210 A JP62057210 A JP 62057210A JP 5721087 A JP5721087 A JP 5721087A JP H0665294 B2 JPH0665294 B2 JP H0665294B2
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    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、連続発酵法に関するものである。より詳しく
は、菌体培養、発酵及び精製工程を含めて連続的に処理
するとともに、発酵液から分離された水を再使用する連
続発酵法に関するものである。
[発明の背景] 従来知られている発酵を利用する有機物の製造法は、 原料及び水とともに予め培養した適当な菌体を発酵槽に
供給し発酵させる工程; 発酵終了後に発酵槽内の生成物、中間生成物、水及び菌
体の全量を取り出し、固体物を濾別する工程;及び 固形物を濾別した母液から生成物を蒸留など適当な方法
を用いて分離精製する工程、 からなるものが一般的である。
発酵生成物は、目的とする物質のほかに数種類の中間生
成物を含む場合が多く、これら各物質は互いに類縁化合
物であるため、沸点が近接しているか共沸混合物となる
かしている。このため、発酵生成物の蒸留は、抽出蒸留
または共沸蒸留となり、目的の化合物を得るために多大
のエネルギーを必要としていた。
さらに上述の方法は、発酵槽を単位とする回分的工程に
よるものであるため、濾別された固形物に含まれる菌体
の処理、及び発酵生成物を留去した後の排水の処理など
に問題点があり、改良が望まれていた。
[発明の目的] 本発明の目的は、新規な連続発酵法を提供することにあ
る。
[発明の要旨] 本発明は、発酵により得られた有機物を含む発酵液を、 発酵槽から連続的に抜き出して菌体を濾別し、該菌体を
発酵槽に還送して連続培養に供する第一工程; 第一工程で菌体を濾別した発酵液を気化する第二工程;
及び 第二工程で気化した発酵液の蒸気を気体分離膜に接触さ
せた状態で、一方の側に水蒸気を選択的に透過させ、他
方の側に上記の発酵により得られた有機物気体を得る第
三工程、 にて処理することを特徴とする連続発酵法に関するもの
である。
[発明の詳細な記述] 本発明は、分離精製の際に気化することのできる化合物
の製造を目的とする発酵法に利用することができる。こ
のような発酵法としては、低級アルコール発酵法、有機
酸発酵法などを挙げることができるが、特に原料にバイ
オマスを用いるエタノール発酵法に有利に利用すること
ができる。
以下、原料にバイオマスを用いるエタノール発酵法を例
にとり、必要に応じて添付した図面を参照しながら、本
発明の連続発酵法について詳しく説明する。
第1図の発酵槽1から抜き出された発酵液の一部は導管
2により濾過器3に送られる。原料にバイオマスを用い
て発酵により製造されるエタノールの発酵液は、濃度1
0重量%以下のエタノール、エタノールの中間生成物
(バイオマスが微生物により分解される過程にある化合
物)などの他、未発酵の原料、エタノール発酵を行なう
酵母の菌体などの固形物を含んでいるので、濾過器3で
これらの固形物を濾別する。中間生成物、未発酵の原
料、酵母などの固形物は発酵プロセスに有用であるの
で、フローポンプにより導管4を通じて発酵槽1に戻さ
れる。酵母を含む固形物を発酵槽に戻して再使用するこ
とにより、発酵槽内における菌体濃度の維持を図ること
ができる。上記の濾過方法としては、精密濾過膜あるい
は限外濾過膜を用いる方法を挙げることができる。
濾過器3により固形物を濾別された発酵液は、導管5に
より蒸発器6に送られ気化される。蒸発器は、公知のも
のを使用することができるが、薄膜蒸発器を有利に使用
することができる。
次いで、発酵液の蒸気を導管7を通じて気体分離膜8に
接触させた状態で、気体分離膜8の一次側(非透過側)
と二次側(透過側)との間に差圧を設けることにより、
膜の二次側に水蒸気が選択的に透過される。
膜の一次側には、エタノールの富化された気体を得るこ
とができ、該エタノール富化気体を製品として回収す
る。該エタノール富化気体は、凝縮することにより容易
にエタノール水溶液とすることができる。また、該エタ
ノール富化気体は、所望により複数段の気体分離膜を用
いて精製することができる。
上記気体分離膜8の二次側に得られる気体は、水蒸気の
他にエタノール及びその中間生成物の蒸気を含む。該気
体は、気体分離膜8の二次側導管9により凝縮器10に
導かれ、液化されたのち、発酵槽1に戻される。気体分
離膜8の二次側に得られる気体を発酵槽1に戻すことに
より、原発酵液の大部分を占める水を再使用することが
でき、省資源を図ることができる。さらに、気体分離膜
8の二次側に得られるエタノール及びその中間生成物を
有効に利用することができる。
上述の気体分離膜8の両側に差圧を設ける方法として
は、発酵液の蒸気を加圧して気体分離膜に接触させる方
法、気体分離膜の二次側にキャリヤーガスを流通する方
法、気体分離膜の二次側を減圧に保つ方法などがある。
本発明には、気体分離膜の二次側にキャリヤーガスを流
通する方法あるいは気体分離膜の二次側を減圧に保つ方
法を有利に用いることができる。
本発明に使用できる気体分離膜は、ポリアミド、ポリイ
ミド、セルロース及び酢酸セルロースなど水蒸気を選択
的に透過させる気体分離膜であればよく特に限定しない
が、芳香族ポリイミド膜であることが耐熱性及び長期使
用性の面から好ましい。
本発明に用いる芳香族ポリイミド製気体分離膜は、水蒸
気の透過速度が充分に高いと共に、エタノール蒸気に対
する水蒸気の選択透過性が高いものである。水/エタノ
ール混合気体から連続的に脱水するには水蒸気の透過速
度が大きいことが望ましく、P′[H2O]=0.5×10
-3cm3/cm2・秒・cmHg以上でなければならない。この値
を下回る場合には、水蒸気の選択的透過に要する時間が
長すぎて実質的に連続してエタノール蒸気を得ることが
できない。また、水蒸気の選択的透過効率を上げるため
に、水蒸気とエタノール蒸気の透過速度の比(選択透過
性:P′[H2O]/P′[C2H5OH])も大きいことが望まし
く、20以上でなければならない。この値を下回る場合
には、エタノール蒸気の透過損失が大、即ち、エネルギ
ー損失が大となる。
前記の芳香族ポリイミド製気体分離膜としては、芳香族
テトラカルボン酸またはその酸二無水物などの酸成分
と、芳香族ジアミン成分とを重合(及びイミド化)して
得られた芳香族ポリアミック酸(または芳香族ポリイミ
ド)の溶液を使用して、凝固液による湿式製膜法などで
形成される非対称性構造の気体分離膜(均質層と多孔質
層とを一体に有する膜)、あるいは芳香族ポリイミド溶
液などを使用して適当な材質の多孔質膜の表面に薄い均
質層を形成して製造される複合分離膜であり、しかも水
蒸気について前述のような充分な気体分離性能を有する
気体分離膜を挙げることができる。
芳香族ポリイミドの芳香族テトラカルボン酸骨格として
は、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸及び2,3,3′,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸、そしてこれらの芳香族テトラカ
ルボン酸の酸二無水物、エステル、塩などから誘導され
たカルボン酸骨格を挙げることができる。これらのうち
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の酸
二無水物と2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸の酸二無水物などにより代表されるビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物から誘導された酸骨格を主酸骨
格とする芳香族ポリイミド製気体分離膜を使用した場合
に、本発明は特に有用である。
芳香族ポリイミドの芳香族ジアミン骨格としては、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノトルエン、4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−ト
リジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、o−トリジンスルホン、ビス(アミノフェノキシ−
フェニル)メタン及びビス(アミノフェノキシ−フェニ
ル)スルホンなどを挙げることができる。
例えば、この発明で使用する芳香族ポリイミド製気体分
離膜の製造方法としては、前述の芳香族ジアミン(他の
芳香族ジアミンを含有していてもよい)からなる芳香族
ジアミン成分と前述のビフェニルテトラカルボン酸成分
とを略等モル、フェノール系化合物の有機溶媒中約14
0℃以上の温度で一段階で重合及びイミド化して芳香族
ポリイミドを生成し、その芳香族ポリイミド溶液(濃
度;約3〜30重量%)をドープ液として使用して約3
0〜150℃の温度の基材上に塗布または流延あるいは
中空糸膜状に押出してドープ液の薄膜(平膜または中空
糸)を形成し、次いでその薄膜を凝固液に浸漬して凝固
膜を形成しその凝固膜から溶媒、凝固液などを洗浄、除
去し、最後に熱処理して芳香族ポリイミド製の非対称性
気体分離膜を形成する製膜方法を挙げることができる。
本発明に使用される芳香族ポリイミド製気体分離膜は、
モジュールとしての膜充填率の高い中空糸膜が好ましい
が、スパイラル膜、平膜でも使用することができる。
次に本発明の実施例を示す。
[実施例1] 攪拌機と通気装置とを付設した容器3の発酵槽に、原
料としてバイオマス(サトウキビ)からの糖液(糖分約
25重量%)1kgと酵母0.5gとを仕込み、通気下に
攪拌しながら30℃で20時間発酵させた。
次に、上記発酵槽から発酵液を100ml/分で連続的に
抜き出し、限外濾過膜に接触させ50mlの濾液を分取し
た後、蒸発器で気化させた。蒸発残は20ml/分の速度
で、濾別された残分と共に発酵槽に還送した。上記発酵
液は、5.4重量%のエタノールを含有していた。ま
た、限外濾過膜により濾別された残分を発酵槽に還送し
た。さらに10分おきに、水10g、糖分44gを発酵
槽に添加して、発酵槽内の菌体濃度を2g/kg−糖液に
維持した。
気体分離膜として有効長さ17cm、有効膜面積215cm
2の芳香族ポリイミド製中空糸膜モジュールを作成し
た。該芳香族ポリイミド製中空糸膜は、3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物100モル
%と、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル60モル
%、3,5−ジアミノ安息香酸30モル%、4,4′−
ジアニノジフェニルメタン10モル%とから形成したポ
リイミドから製膜したものである。
蒸発器で気化された発酵液の蒸気を、100℃で上記の
気体分離膜に接触させ、気体分離膜の他方の側を40ト
ールに保った。
この結果、気体分離膜の一次側にはエタノールが0.0
47モル/分、水が0.056モル/分で得られ、二次
側にはエタノールが0.0036モル/分、水が1.4
81モル/分で得られた。気体分離膜の一次側に得られ
た気体混合物を凝縮することによって、69重量%のエ
タノールが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の連続発酵方法を示すフローシートで
ある。 1:発酵槽 2:発酵液導管 3:発酵液濾過器 4:固形物、分離水還送用導管 5:濾液導管 6:蒸発器 7:発酵液蒸気導管 8:気体分離膜 9:気体分離膜二次側導管 10:凝縮器 11:気体分離膜一次側導管 12:原料、菌体、水補給用導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 7/06 C12R 1:645)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵により得られた有機物を含む発酵液
    を、 発酵槽から連続的に抜き出して菌体を濾別し、該菌体を
    発酵槽に還送して連続培養に共する第一工程; 第一工程で菌体を濾別した発酵液を気化する第二工程;
    及び 第二工程で気化した発酵液の蒸気を気体分離膜に接触さ
    せた状態で、一方の側に水蒸気を選択的に透過させ、他
    方の側に上記の発酵により得られた有機物気体を得る第
    三工程、 にて処理することを特徴とする連続発酵法。
  2. 【請求項2】気体分離膜を透過した、低濃度の有機物を
    含有する水蒸気を凝縮したのち発酵槽に戻して再使用す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の連続発
    酵法。
  3. 【請求項3】発酵により得られる有機物がエタノールで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の連続
    発酵法。
  4. 【請求項4】気体分離膜として芳香族ポリイミド製気体
    分離膜を使用することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項記載の連続発酵法。
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