JPH0664679B2 - テレメ−タ装置 - Google Patents

テレメ−タ装置

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JPH0664679B2
JPH0664679B2 JP59111545A JP11154584A JPH0664679B2 JP H0664679 B2 JPH0664679 B2 JP H0664679B2 JP 59111545 A JP59111545 A JP 59111545A JP 11154584 A JP11154584 A JP 11154584A JP H0664679 B2 JPH0664679 B2 JP H0664679B2
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secondary coil
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博文 小松原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はテレメータ装置に係り、特に被計測体に対して
非接触で電源電力および計測信号を送受するテレメータ
装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、被計測体から力、トルク等の物理量を非接触で
かつ長時間安定に計測するために、被計測体に送信部を
設け計測した物理量を電波として送信し、この電波を受
信部で受信して計測した物理量に対応する信号を得る、
という無線テレメータ法が採用されている。
この無線テレメータ法で長時間安定な計測を行うために
は、被計測体に設けられた送信部に大容量の電源を設け
ることが困難であるため、送信部の電気回路あるいは物
理量計測のための歪ゲージ等のセンサへ与える電源電力
を受信部から送信部への非接触で供給する必要がある。
この電力供給方法として、一般的には、誘導コイルを用
いて1次コイルに交流電流を通じることによつて交流磁
界を発生させ、2次コイルに誘起する起電力(電圧)を
整流して電源としている。このとき使用される交流電流
の周波数は、数十〜数百〔KHz〕が多く用いられる。こ
れは1回〜数十回程度の巻数の小型コイルで実用的な効
率で電力を供給でき、しかも送信部の内部で小型の少数
部品で整流できかつ脈動の少ない直流が得られるからで
ある。
一方、計測した物理量信号(計測信号)を送信部から受
信部へ送信する方法としては、一般的に十〜数百〔MH
z〕の高周波に計測信号を搬送させて送信アンテナより
電波として送信し、受信アンテナと受信部のチューナで
周波数選択し受信するという無線通信技術が使用されて
いる。このように十〜数百〔MHz〕という高い周波数の
信号を使用する理由は、前述の送信部に電力を供給する
ための交流磁界あるいは交流電流を発生するための電圧
発生装置による電磁界が、数μV〜数十mVという微弱な
電圧を入力とする受信部の入力端あるいは受信部の一部
に、電磁あるいは静電誘導効果により作用し、計測信号
にノイズとして混入するという障害を避けるためであ
る。このため、前述の電力供給用交流の周波数〔数十〜
数百〔KHz〕)より充分に高い周波数の信号を用いて、
周波数的に分離し、更に受信部のチューニング装置で急
峻度の鋭い周波数選択あるいは濾波を行ない、電力供給
のための交流成分を排除するようにしている。また、計
測信号送信用の電波の周波数を高くする他の理由は、次
の通りである。計測用テレメータの送信部は被計測体に
とり付けることによる形状・大きさ・重量等の機械的お
よび力学的な状態変化をなるべく与えないように小型・
軽量に製作する必要がある。このため前記2次コイルと
接続する送信部の端子あるいは電極と高周波の発振回路
・出力電源・アンテナ装置等との物理的な距離を電磁あ
るいは誘電誘導効果による影響が実質的に及ばないよう
に遠方に引離して配置することは実用上困難である。し
たがつて前述の電力供給のための数十〜数百〔KHz〕の
交流が電磁あるいは静電誘導効果によつて送信部のアン
テナから送信部の電気回路へ流入して回路動作を乱すと
いう障害を避ける必要があり、送信部が扱う周波数を十
数〜数百〔MHz〕と高くして周波数的に分離し前記の十
数〜数百〔KHz〕の周波数成分の侵入を防ぐ必要がある
からである。
第2図に上記の無線テレメータ法を採用した従来のテレ
メータ装置を示す。送信部Aは、物理量を計測して計測
信号を出力する計測回路A、無線周波数発生装置A
および計測回路Aの出力に応じて無線周波数発生装置
の信号を変調する変調装置Aから構成されてい
る。送受信装置Bは、変調装置Aに接続されて電波を
送信する送信アンテナ装置Bと送信アンテナ装置B
から送信された電波を受信する受信アンテナ装置B
で構成されている。そして、受信部Cは、受信アンテナ
装置Bで受信した電波の周波数選択を行うチューニン
グ装置Cと検波装置Cとで構成されている。なお、
このテレメータ装置において電源は省略した。かかるテ
レメータ装置によれば、送信部Aで計測されかつ変調さ
れた計測信号は、送受信装置Bを介して受信部Cに受信
され、この受信部Cで元の計測信号に変換される。
しかしながら、かかる従来のテレメータ装置では、無線
周波数発生装置、アンテナ装置、チューニング装置およ
び検波装置等の数多くの要素または複雑な電気回路で構
成され、またアンテナ装置を用いて電波で送受信を行う
ように構成されている。
したがって、構成要素および部品点数が多くなり、小型
化が困難でかつ高価になる、という欠点がある。特に、
計測用テレメータでは、前述したように送信部を小型軽
量に製作する必要があり、使用部品数を制約して電気回
路を簡略化すれば送信する電波の周波数または電力の安
定性が悪くなり、これらを安定化するためには回路が複
雑化し送信部の小型化の障害になるという大きな不都合
がある。また、電波を受信する際には、本来受信すべき
電波以外の電波、例えばラジオやテレビの電波を受信し
てしまつたり、アンテナの設置場所等が不適当で電波の
レベルが低く、ノイズが混入してしまうなど作業者に慣
れが必要となるという欠点がある。更に、計測信号を搬
送する電波と同じ周波数のノイズに対しては、受信部で
防止することが難しく、特に車両の計測用テメレータで
エンジン近傍で計測を行う場合には、広い周波数帯域に
分布する点火パルスのノイズを排除することは非常に困
難である。
〔発明の目的〕
本発明は上記問題点を解消するために成されたもので、
受信部から受信部へ誘導コイルを介して電力を供給する
と共に、計測信号の送受信を光通信で行なつて計測信号
が電磁、静電誘導の影響を受けにくくし、また無線通信
装置を使用しないようにして安価かつ少数部品で構成で
きるようにしたテレメータ装置を提供することを目的と
する。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するために本発明は、物理量に計測して
計測信号を出力する物理量計測回路と;計測信号を送信
信号に変換する変換回路と、物理計測回路および変換回
路に所定の電力を供給するための電源回路とから成る変
換装置と;変換装置の電源回路に接続され内部に光伝送
路をなす空洞が形成されるように所定の巻径および所定
の巻幅で巻回された2次コイルと、この2次コイルと異
なる巻径及び異なる巻幅で巻回されて内部に光伝送路を
なす空洞が形成され、かつ2次コイルと同心状で非接触
に配置された1次コイルとを具備し、幅狭のコイルが動
きの範囲内において幅広のコイルに対向するように挿入
され、また、変換回路に接続されて前記送信信号に応じ
て発光する発光素子を2次コイル空洞内に設け、この発
光素子に対向して光電変換素子を1次コイル空洞内に設
けて成る送受装置と;送受装置の1次コイルに接続され
て変換装置の電源回路を駆動するための交流電力を発生
する発振回路と、送受装置の光電変換素子からの出力を
前記計測信号に対応した信号に変換する逆変換回路とか
ら成る逆変換装置と;を含んで構成し、電力の供給を誘
導コイルによる相互誘導で行うと共に計測信号を光素子
による光通信によつて電磁、静電誘導の影響を受けない
で制度よく送受するようにしたものである。
次に本発明の作用を詳述する。前記2次コイルは前記1
次コイルと非接触ではあるが相互誘導結合されているた
め交流電圧を発生する。該2次コイルに接続されている
前記変換装置の電源回路は、前記交流電圧を整流し、安
定化する。このため電源回路の出力端側には安定な直流
電圧が出力され前記変換回路および物理量計測のための
物理量計測回路へ電源電圧として供給される。
変換回路は物理量に応じた送信信号を発生する。該変換
回路の出力端に接続されている前記発光素子は発光し前
記送信信号に応じて輝度を変化させる。
すなわち、変換回路の出力が正弦波の周波数変調信号で
ある場合には、振幅が一定で正弦波の周波数のみが物理
量に対応して変化する。したがつて、発光素子の輝度
は、一定の振幅で正弦波状に変化し、輝度変化の周波数
のみが前記物理量に対応して変化する。また、変換回路
の出力がパルス周波数変調信号である場合には、この信
号がロジツクレベルの「1」とレベル「0」のレベルと
をくり返し、くり返し周波数のみが物理量に対応して変
化する。したがつて発光素子の輝度は、例えば「1」の
レベルでは輝度が高く、「0」のレベルではそれよりも
輝度が低いかあるいは零となる。この輝度が高低にくり
返し、変化する周波数のみが物理量に対応して変化す
る。また、変換回路の出力がパルス幅変調信号の場合に
は、「1」と「0」との状態をくり返すパルスの周波数
が一定でロジックレベルの「1」を保持する時間的なパ
ルス幅が分離量に対応して変化する。したがつて、変光
素子の輝度が例えば「1」のレベルでは高く、この高い
輝度を保持する時間幅が物理量に対応して変化する。
さらに変換回路の出力がデイジタルのシリアル信号の場
合には、ロジックレベルが「1」と「0」であるパルス
の時系列的な配列が物理量に対応して変化する。したが
って、発光素子の輝度の高低の時系列的な配列が物理量
に応じて変化する。
これにより、物理量に応じた計測信号は、変換回路によ
り送信信号に変換され、発光素子により輝度が変化する
光信号として前記光電変換素子へ光伝送路を介して非接
触的に伝送される。光は本来その輝度は電界および磁界
には影響されず、進行方向に対する振動面のみが影響を
受けるという物理的性質を持つている。一方現在生産さ
れている光変換素子、すなわちホトダイオード・ホトト
ランジスタ・光電池・光電管といつた各種受光素子は前
記光の輝度に対してのみ光−電気変換作用があり光の振
動面の変化には応答しないという性質がある。従つ、上
述のごとく前記光信号は前述の1次コイルが発生する交
流磁界や交流磁界を発生するための発振回路の出力電圧
による電界に妨害されることなくかつその他一般の電磁
界ノイズにも妨害されることなく前記光電交換素子に到
達し、該光電変換素子によつて精度良く電気量として前
記送信信号に変換される。
光電変換素子は、前記逆変換装置の逆変換回路に接続さ
れているため、前述のように受信した受信信号は逆変換
回路により計測信号に対応する信号に変換される。
上記のように本発明は、送信側である変換装置へ相互誘
導結合で電力を供給し、受信側である逆変換装置へは送
受装置を介して電磁誘導の影響を受けにくい光信号によ
つて計測信号を受信するものである。
〔発明の効果〕
したがつて本発明のテレメータ装置は前述のごとく計測
信号(物理量信号)を光信号として送信するため、前述
の誘導電力の影響を受けにくいばかりでなくその他一般
の電波・ノイズ等の影響も受けにくいので、精度の高い
計測信号の送受信ができるという効果がある。また、一
般的な無線電波によるテレメータ装置に必要な電波を発
生する手段やアンテナ装置および電波の受信・選択装置
等を全く必要としない、ため、および発光素子と光電変
換素子とを誘導コイルの空洞(光伝送路)内に配置した
ためテレメータ装置を小型かつ安価に製作することがで
きるという大きな効果を持つている。また送信手段とし
て変換装置に電力を供給しているための乾電池を用いる
テレメータ装置に比べ電圧降下や電池交換による計測の
中断という不都合が全くなく連続的に長時間精度の高い
計測が可能という大きな効果を持つている。
また、発光素子からの光は、空洞等の光伝送路外へ殆ど
漏れることなく、直接または光伝送路内壁面で反射を繰
り返しつつ伝わるため、発光素子の発する光信号のほぼ
総てが確実に光電変換素子に到達するので、光信号の送
受信精度を高めることが可能になる。
加えて、発光素子と光電変換素子との位置関係が相対的
に変動(回転軸方向および回転周方向の変動や光軸ぶれ
等)しても、光は空洞等の光伝送路内壁面で反射を繰り
返して光電変換素子へ確実に到達するので、外乱光の影
響を受けることがなく両者間の光結合を常時維持するこ
とが可能になる。
〔発明の態様の説明〕
次に本発明の各種の態様について説明する。第1の態様
は、前記送受装置の誘導コイルを、前記変換装置の電源
回路に接続されると共に第1の強磁性体に巻回された2
次コイルおよび前記2次コイルに対して非接触でかつ相
互誘導結合されると共に前記第1の強磁性体に対して近
接対向配置された第2の強磁性体に巻回された1次コイ
ルで構成したものである。強磁性体は磁気抵抗が非常に
小さいので、誘電コイルの磁路の磁気抵抗を非常に小さ
くして1次コイルが発生する磁束を主として強磁性体内
のみに通すことができる。このため、1次コイルで発生
した磁束の全てを2次コイルに鎖交させることができる
ので、1次・2次両コイルの相互誘導の結合係数(結合
の度合)を容易に高めることができる。また合わせて両
コイルの発生磁束が空気中へ漏洩することを防ぎ電力を
2次コイルへ効率良く伝送でき、むだな電力消費を押え
ることができると共に、磁束が外部へ漏れることに基因
する弊害を防止するというメリットがある。
第2の態様は、前記送受信装置を、前記変換装置の電源
回路に接続されると共に内部に空洞が形成されるように
所定の巻径で巻回された2次コイルと前記2次コイルに
対して非接触でかつ相互誘導結合されると共に、前記2
次コイルと異る巻径で内部に空洞が形成されるように巻
回されかつ前記コイル2次コイルと同心状に配置された
1次コイルとを備え、大径のコイル内に小径のコイルを
挿入配置することにより前記2次コイルと前記1次コイ
ルとが相対運動可能に構成された誘導コイルと;前記変
換装置の変換回路に接続されて前記送信信号に応じて発
光する発光素子と、前記発光素子に対して非接触でか光
結合された光電変換素子とを備え、前記発光素子と前記
光電変換素子とが相対運動可能に構成されると共に前記
発光素子から発光された光が前記誘導コイルの空洞を通
して前記光電変換素子に受光されるように対向配置され
た光素子と;で構成したものである。この態様によれば
相互誘導結合により1次コイルで発生した磁束は2次コ
イルの一部または全部に鎖交し2次コイルに交流電圧が
誘導される。また、1次コイルと2次コイル、発生素子
と光電変換素子は、誘導コイルの軸方向、軸回り、また
は軸方向および軸回り、相対運動可能であるため、特
に、1次コイルと2次コイルとが軸方向に変位しても1
次コイルの磁束が2次コイルに鎖交する限り電力を供給
することが可能であり、同時に発光素子が発する光信号
は光電変換素子へ直接または空洞内面で反射を繰返しつ
つ伝播することができる。従つて、この態様によれば、
1次コイルと2次コイル、発光素子と光電変換素子、ま
たはこれらのコイルとこれらの素子のいずれもがコイル
の軸方向に相対的に変位しても電力の供給および光信号
の伝送を行うことができ、また誘導コイル内に形成され
た空洞を通して光信号で伝送されるため外乱光の影響を
防止して光通信の精度を向上させることができる、とい
う効果が得られる。
第3の態様は、前記送受信装置を、前記変換装置の電源
回路に接続されると共に内部に空洞が形成されるように
所定の巻径および所定の巻幅で巻回された2次コイル
と、前記2次コイルに対して非接触でかつ相互誘導結合
されると共に、前記2次コイルと異なる巻径および異る
巻幅で内部に空洞が形成されるように巻回され、かつ前
記2次コイルと同心状に配置された1次コイルとを備
え、幅狭のコイルが動きの範囲内において幅広のコイル
に対向するように挿入配置することにより前記2次コイ
ルと前記1次コイルとが相対運動可能に構成された誘導
コイルと;前記変換装置の変換回路に接続されて前記送
信信号に応じて発光する発光素子と前記発光素子に対し
て非接触でかつ光結合された光電変換素子とを備え、前
記発光素子と前記光電変換素子とが相対運動可能に構成
されると共に前記発光素子から発光された光が前記誘導
コイルの空洞を通して前記光電変換素子に受光されるよ
うに対向配置された光素子と;で構成したものである。
この態様では、1次コイルと2次コイルとの巻幅を異ら
せているから、巻幅が広いコイルの巻幅をWとすると、
巻幅の狭いコイルの巻始めから巻終りまでの全巻線部が
前記巻幅Wの範囲内に存在すれば両コイルの軸方向にお
ける相対位置に拘らず相互誘導係数は略一定である。従
つて、1次コイルと2次コイルが軸方向に相対的に変位
しても巻幅の狭いコイルの前巻線部が巻幅Wの範囲内に
存在する限り2次コイルには常に安定した一様な誘導起
電力を発生させることができることから、電力の供給を
安定且つ効率よく行うことができる、という効果が得ら
れる。また、誘導コイル内に形成された空洞を通して光
信号が伝達されるため外乱光の影響を防止して光通信の
精度を向上させることができる、という効果が得られ
る。
また、第4の態様は、前記送受装置の2次コイルと1次
コイルとを相対回転可能に構成し、前記送受装置の光素
子を、前記変換装置の変換回路に接続されて前記送信信
号に応じて発光する発光素子と、前記発光素子に対して
非接触に配置された光電変換素子と、前記誘導コイルの
外周に同心状に配置されて前記発光素子と前記受光電変
換素子とを光結合する環状の光伝送路とで構成すると共
に前記発光素子と前記光電変換素子とを相対回転可能に
構成したものである。この態様において、発光素子で発
光された光信号は、屈折率が急変する光伝送路の内部と
外部との境界あるいは側壁面で反射を繰返して伝播して
変換素子に受光される。これにより、1次コイルと2次
コイルとが相対的に回転して発光素子と受光素子との相
対位置がどのように変化しても発光素子から発光された
光信号は受光素子に到達できる。このため、本態様によ
れば、誘導コイルの軸線上に発光素子と光電変換素子と
配設することができない場合でも誘導コイル等に改造を
施すことなく誘導コイルの外周に環状の光伝送路を配置
することにより、コイルや素子が相対的に回転しても電
力の供給および光信号の送受信が可能となる、という効
果が得られる。
そして、第5の態様は、前記送受装置の1次コイルと2
次コイルとを相対回転運動可能に構成することによっ
て、発光素子と光電変換素子とを相対回転運動可能に構
成し、前記変換装置と2次コイルとの発光素子とを回転
体に配置し、前記逆変換装置と1次コイルと光電変換素
子とを静止体または他の回転体に配置したものである。
この態様は、回転体、例えば自動車用の車輪の物理量計
測に有効である。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を詳細に説明する。第1図は本発明
の第1実施例を示すブロック図である。本実施例は、送
信側である変換装置としての変調装置Iと送受信装置II
と受信側である逆変換装置としての復調装置IIIと物理
量計測回路13とから構成されている。
変調装置Iは、入力端ひ物理量計測回路13が接続され物
理量計測回路13が計測した物理量に応じて周波数が変化
する変調回路11と交流電圧を整流して直流電圧に変換し
前記変調回路11あるいは物理量計測回路13の歪ゲージ等
のセンサへ電力を供給するための電源回路12から成る。
送受信装置IIは、非接触かつ相互誘導結合的に配した1
次コイル21および2次コイル22と、非接触かつ光結合的
に配した発光素子24および受光素子23とで構成する。1
次コイル21は、所定の巻数で内部に空洞を形成するよう
に所定巻径に巻回されている。2次コイル22は、1次コ
イル21と同様に所定の巻数で内部に空洞を形成するよう
所定巻径に巻回されている。そして、1次コイル21と2
次コイル22とは端面が対向するよう同軸上に配置されて
いる。1次コイル21の空洞内軸線上には受光素子23が配
置され、2次コイル22の空洞内軸線上には発光部が受光
素子23の受光部と対向するように発光素子24が配置され
ている。
復調装置IIIは、周波数信号を電圧信号を変換し出力す
る復調回路31と交流電力を発生する発振回路32とより構
成する。
次に以上の各要素の接続関係と作用効果について説明す
る。発振回路32は交流の電力を発生する。該発振回路32
の出力端子に接続されている送受装置IIの1次コイル21
には交流電流が流れるため該1次コイル21には交流磁界
が発生する。
前記2次コイル22は前記1次コイルと非接触ではあるが
相互誘導結合されているため交流電圧を発生する。該2
次コイル22に接続されている前記変調装置Iの電源回路
12には前記交流電圧が供給される。このため電源回路12
の出力端側には直流電圧が出力され前記変調回路11およ
びその他物理量検出のためのセンサへの電源電圧として
供給される。
変調回路11は物理量に応じた周波数信号を発生する。該
変調回路11の出力端に接続されている前記発光素子24は
発光し前記周波数に応じて輝度を変化させる。
これにより前記物理量の信号は変調装置Iにより周波数
信号に変換され、発光素子24により輝度が変化する光信
号として前記受光素子23へ非接触的に伝送される。光は
本来その輝度は電界および磁界には影響されず、進行方
向に対する振動面のみが影響を受けるという物理的性質
を持つている。一方現在生産されている受光素子、すな
わちホトダイオード・ホトトランジスタ・光電池・光電
管といつた各種受光素子は前記光の輝度に対してのみ光
−電気変換作用があり光の振動面の変化には応答しない
という性質がある。
従つて上述のごとく前記光信号は前述の1次コイル21が
発生する交流磁界や交流磁界を発生するための発振回路
32の出力電圧による電界に妨害されることなくかつその
他一般の電磁界ノイズにも妨害されることなく前記受光
素子23に到達して、該受光素子23によつて精度良く電気
量として前記周波数信号に変換される。
受光素子23は前記復調装置IIIの復調回路31に接続され
ているため、前述のごとく受信した周波数信号は該復調
回路31により電圧信号に復調され元の物理量信号を得る
ことができる。
上記のごとく本実施例は送信側である変調装置Iへ誘導
結合で電力を送り、かつ変調装置Iから受信側である復
調装置IIIへは送受装置IIによつて物理量の信号を電磁
誘導の影響を受けにくい光信号によつて送受信するもの
である。
本実施例のテレメータ装置は前述のごとく物理量信号を
光信号として送信するため、前述の誘導電力の影響を受
けにくいばかりでなくその他一般の電源・ノイズ等の影
響を受けにくいので精度の高い計測信号の送受信が可能
になるという特徴がある。また一般的な無線電波による
テレメータ装置に必要な電波を発生する手段やアンテナ
装置および電波の受信・選択装置等を全く必要としない
と共に発光素子と受光素子とを誘導コイルの空洞に内に
配置したためテレメータ装置を小型かつ安価に製作する
ことができるという大きなメリットを持つている。また
送信手段に電力を供給しているため乾電池を用いるテレ
メータ装置に比べ電圧降下や電池交換による計測の中断
という不都合が全くなく連続的に長時間精度の高い計測
が可能という大きな効果を持つている。
本発明の第2実施例を第3図(a)を参照して説明す
る。本実施例は、送受装置IIの誘導コイルにおける1次
コイル21をコ字状の強磁性体から成るコア15に所定巻数
巻回し、また2次コイル22をコ字状の強磁性体から成る
コア14に所定巻数巻回し、コア14,15の両端面を対向近
接配置したものである。コア15の近傍には、受光素子23
が配置され、コア14の近接には、発光部が受光素子23の
受光部に対向するように発光素子24が配置されている。
第3図(b)は第2実施例の変形例を示すものであり、
コア14,15を棒状の強磁性体で構成したものである。
強磁性体のコアは磁気抵抗が非常に小さいので、誘導コ
イルの磁路の磁気抵抗を非常に小さくして1次コイルが
発生する磁束を主として強磁性体のコア内のみに通すこ
とができる。このため、1次コイルで発生した磁束の全
てを2次コイルに鎖交させることができるので、1次、
2次両コイルの相互誘導の結合係数(結合の度合)を容
易に高めることができる。また合わせて両コイルの発生
磁束が空気中へ漏洩することを防ぐので送受装置周辺の
電子回路あるいはその他周辺の機器に電磁妨害を与える
ことがなく、更に電力を2次コイルへ効率良く伝送で
き、むだな電力消費を押え且つ交流の電力を発生する発
振回路を小型にすることができるというメリツトがあ
る。
第4図を参照して第3実施例を説明する。なお、本実施
例における送信側および受信側の装置は他の実施例の装
置が使用できるので送受装置のみについて説明する。図
に示すように有底円筒状の大径ボビン16の外周には、2
次コイル22が所定巻数巻回されている。大径ボビン16の
底面中央部には、ボビン16の空洞内に発光部が突出する
ように発光素子24が固定されている。また、有底円筒状
の小径ボビン17の外周には、1次コイル21が所定巻数巻
回されている。そして、小径ボビン17の底面中央部に
は、ボビン17の空洞内に受光部が突出するように受光素
子23が固定されている。1次コイル21が巻回された小径
ボビン17は、開口側から2次コイル22が巻回された大径
ボビン16の空洞内に挿入され、大径ボビン16と同心状で
かつ1次コイル21の周囲に2次コイル22が非接触で位置
するように配置される。このとき、発光素子24と受講素
子23はボビンの底面中央部に固定されているため、1次
コイル21と2次コイル22とで構成される誘導コイルの軸
方向上に対向して位置する。また、1次コイル21は大径
ボビン16の内面に接触しないように挿入されるので、大
径ボビン16と小径ボビン17、従つて2次コイル22と1次
コイル21および発光素子24と受光素子23は各々相対運動
が可能である。これにより2次コイル22と1次コイル21
とは図の矢印で示す軸方向の相対直線運動、軸回りの相
対回転運動または相対直線運動と相対回転運動とを合成
した相対合成運動が可能となり、2次コイル1次コイル
との相対運動に伴つて発光素子24と受光素子23も同様の
相対運動が可能となる。
本実施例によれば、大巻径の2次コイル22と小巻径の1
次コイル21とを重ねることで相互誘導結合しているた
め、1次コイルで発生した磁速は2次コイルの一部ある
いは全部に鎖交し2次コイルに交流電圧を誘導すること
ができる。また、2次コイルと1次コイルとが相対運動
可能になつており、両コイルが軸方向に変位して磁束の
鎖交数が変化しても、1次コイルの磁束が2次コイルに
鎖交する限り相互誘導により電力を供給することができ
る。なお、両コイルが相対回転運動するときは磁束の鎖
交数が変化しないため問題はない。
また、光信号をボビン内の空洞を通すようにしているた
め、ボビンの相対運動によつて発光素子と受光素子とが
相対運動しても発光素子から発つせられた光信号は受光
素子へ直接または誘導コイル内の空洞の内面で反射を繰
返しつつ受光素子へ伝達することができる。
よつて本実施例では、前記2つのコイルあるいは発光お
よび受光素子もしくはそのいずれもがコイルの軸方向に
相対的に変位しても電力の供給および信号の伝送が可能
というメリットを生じる。また、上記2つのコイルをそ
れぞれ一方に底面をもつ筒状のボビンに巻き発光・受光
素子を各底面部に固着し筒の内部で光結合するように配
置することにより外周の光の影響を防ぎ精度を向上させ
ることができる。
なお、上記1次および2次コイルの巻径はいずれを大あ
るいは小としても良く、またボビンの内面に白色塗料等
を塗布して光の反射率を高めるのが好ましい。
第5図に本発明の第4実施例を示す。本実施例は第3実
施例と略同様であり、2次コイルと1次コイルとの巻幅
を異らせた点が主な相違点である。従つて、第5図にお
いて第4図と対応する部分には同一符号を付して説明を
省略する。大径ボビン16の外周には、所定巻数および所
定巻幅Wで1次コイル21が巻回されている。また、小径
ボビン17により所定巻数および所定巻幅Wより狭い巻幅
で2次コイル22が巻回されている。また、発光24は小径
ボビン17の底面中央部に固定され、受光素子23は大径ボ
ビン16の底面中央部に固定されている。2次コイル22が
巻回された小径ボビン17が第4図と同様に1次コイル21
が巻回された大径ボビン16に挿入され、第4図と同様に
2次コイルと1コイルおよび発光素子と受光素子が相対
運動可能に配置されている。
ところで、巻幅小なるコイルの巻始めから巻終りまでの
全巻線部が、軸方向の動きの範囲内において前記1次コ
イルの巻幅Wの範囲内に存在すれば両コイルの軸方向に
おける相対位置にかかわらず相互誘導係数は略一定であ
る。
したがつて、本実施例では、両コイルが相対的に軸方向
に変位しても2次コイルには安定した誘導電力を得るこ
とができるので第3実施例より安定且つ効率よく電力の
供給を行うことができる。
なお両コイルはどちらを1次あるいは2次コイルとして
も同じ結果を得ることができる。またさらにいずれのコ
イルの巻径を大あるいは小としても同じ結果を得ること
ができる。
第6図に基づいて本発明の第5実施例の送受装置につい
て説明する。なお、図示していない部分については他の
実施例の装置を使用することができる。本実施例は、中
央部に孔を設けた円板部40を底面とし、この底面に直径
の異る中空円筒41,42を同心状に植立し、円板部40の孔
と小径の中空円筒41の中空部とが連通するようにした磁
性体から成るコア43,44を用い、このコア43,44の小径の
中空円筒の外周に所定回巻回したコイル45,46を1次コ
イルおよび2次コイルとし、中空円筒の開口側を近接対
向配置させて2つのコイルを相互誘導結合すると共にコ
ア43,44を同軸回転可能に構成したものである。また、
発光素子24と受孔素子23とは、発光部と受光部とが小径
の中空円筒の中空部を介して対向するようににコアの底
面の光近傍に配置する。これらの発光応素子および受光
素子は、近接するコアと共に同軸回転が可能である。
前述のコアは断面が軸対称でありかつ同軸的に配されて
いるため相対的に回転してもその誘導結合の度合は変化
しない。したがつて互に回転しても安定に電力の供給を
行なうことができる。またコア同軸的に配設されている
ため、中央部に形成した前記中空部もまた同軸的であ
る。よつて互に回転しても発光素子の光は直接かあるい
はコアの中空部の内面を反射をくり返しながら受光素子
へ到達可能である。
従つて、本実施例では両コイルが相対回転しても電力の
供給および送受信が可能というメリツトがある。またコ
アは外乱光を遮光する機能があるため電燈・螢光燈等光
の外乱ノイズに影響されにくい特徴がある。
なお円筒内面を強反射面とすると光伝送効率を良くする
ことができる。
第7図に本発明の第6実施例の送受装置を示す。この送
受装置は、磁性体から成る有底円筒60の中央部に磁性体
から成る中実円柱61を同心状に植立したコア62、63の各
々の円柱に1次コイルと2次コイルとを構成するコイル
64、65を巻回し、コア62、63の開口側が対向するように
近接配置すると共に軸回りに相対回転可能に配置し、コ
ア62の外周に環状の光伝送路66を固定したものである。
この光伝送路66は透明プラスチックまたはガラスで構成
され、また光伝送路66の一方の側面に対向するよう発光
素子24が固定され、光伝送路66の他方の側面に対向する
ようコア63に受光素子23が固定されている。
発光素子24の光は光伝送路66を構成するガラス・プラス
チック側壁面で反射をくり返し環状に伝播しかつ外部へ
図の矢印のごとく放射される。これにより上記2つのコ
イルが相対的に回転して発光素子24と受光素子23との相
対位置がいかに変化しとも発光素子の光信号が受光素子
に到達できる。
以上のように本実施例によれば、コイル中央部に光素子
を配置することができない場合でもコイルやコアに改造
を施すことなく、コイルの外周に光伝送路を設置するこ
とによりコイルおよび光素子が相対回転しても電力の供
給および光信号の送受信が可能となる。
なお、光伝送路はコア63に固定するようにしてもよい。
第6実施例の送受装置の変形例を第8図に示す。この変
形例は、第6実施例と同様の断面がE型で円形状のコア
62、63の外周に環状のホールダ67、68を固着し該ホール
ダ67、68を同心状に近接配置し2つのホールダ67、68の
対向面のそれぞれに断面が半円形状で該ホールダと同心
で同一半径の位置に溝を設け、この溝により光伝送路66
を構成したものである。そして、一方の溝部の底面に孔
をあけて発光ダイオード24′を挿入しもう一方の溝部の
底面に孔をあけて受孔ダイオード23′を挿入することに
より発光ダイオード24′の孔を直接あるいは前記溝部表
面で反射をくり返しながら受光ダイオード23′へ到達さ
せるものである。
したがつて、上記光伝送路はホールダ67、68内部に形成
されているので、第7図に示す光伝送路に比べ発光素子
の光の洩れを少なくするとともに、外乱光を遮断するこ
とができるのでノイズの影響を受けない信号伝送ができ
るというメリツトがある。
なお、溝部表面には白色塗料等を塗布して反射率を高め
るのが好ましい。
第9図に本発明の第7実施例を示す。本実施例は、変換
装置I、送受装置IIおよび逆変換装置IIIで構成されて
いる。変換装置Iは、物理量を計測するセンサ9A、セン
サ9Aで計測された計測信号をデイジタル信号であるパラ
レル信号に変換するアナログ−デイジタル(A/D)変
換器9B、A/D変換器9Bから出力されるパラレル信号を
シリアル信号に変換するパラレル−シリアル(P/S)
変換器9Cおよび交流電力を直流電力に変換する電源回路
9Dで構成されている。送受装置IIは、第6図と同様の断
面E字形の形状でかつ軸方向に中空部を備えたコア9E、
9F、コア9Eに巻回された2次コイル9G、コア9Fに巻回さ
れた1次コイル9H、コア9Eにおける中空部のコア底面側
に固定された発光ダイオード9I、コア9Eにおける中空部
のコア開口側に設けられた集光レンズ9K、コア9Fにおけ
る中空部のコア底面側に固定されたホトダイオード9J、
コア9Fにおける中空部のコア開口側に設けられた集光レ
ンズ9Lで構成され、発光ダイオード9Iは集光レンズ9Kの
焦点に発行部が位置するように、またホトダイオード9J
は集光レンズ9Lの焦点に受光部が位置するように固定さ
れている。なお、コア9Eとコア9Fとは相対運動が可能で
ある。逆変換装置IIIは、シリアル信号をパラレル信号
に変換するシリアル−パラレル(S/P)変換器9M、計
測した物理量をデイジタル表示する表示器9N,交流電力
を発生する発振器9Rで構成されている。
発振器9Rで発生された交流電力によつて1次コイル9Hに
磁界が発生し、この磁界によつて2次コイル9Gに交流電
力が誘導される。電源回路9Dは交流電力を直流電力に整
流してセンサ9A、A/D変換器9BおよびP/S変換器9C
に供給する。センサ9Aで計測された物理量の信号はA/
D変換器9BおよびP/S変換器9Cを介してシリアル信号
に変換されて発光ダイオード9Iに供給される。発光ダイ
オード9Iはシリアル信号に応じて発光し、この光信号は
集光レンズ9Kを介して平行光線として送信される。平行
光線は集光レンズ9Lによつてホトダイオード9Jの受光部
に焦点を結ぶように集光され、ホトダイオード9Jによつ
て電気信号に変換される。S/P変換器9Mは電気信号か
らもとの物理量を示すパラレル信号に変換し、表示器9N
はこのパラレル信号に応じて計測した物理量をデイジタ
ル表示する。
本実施例によれば、レンズ系を利用することにより光信
号が平行光線として送受されるため、電力の供給効率が
やや悪くなるののコアや光素子を比較的離して配置せざ
るを得ない場合に光信号の受信精度を向上させる上で有
効である。
なお、本実施例においては、第1実施例から第6実施例
で説明した送受装置を使用するようにしてもよい。
次に本発明の第8実施例に係るテレメータ装置を自動車
の車輪のトルク計測装置に応用した応用例について説明
する。
従来実車走行時に回転している車輪に働くトルクを測定
するために車輪あるいは車軸に歪ゲージを貼りつけ、こ
の歪ゲージが検出したトルク信号を非回転部すなわち固
定部へ信号伝達する方法が使われている。この方法とし
ては前述した無線テレメータあるいはスリツプリングが
使われる。
無線テレメータによる方法はこれまでに説明してきたよ
うに電磁波ノズルの影響を受けやすくエンジン付近に取
付けられている車輪では点火パルスノイズにより計測値
が乱されることがしばしばあり、また取扱上のミスを誘
発したりする不都合があつたりまた高周波の無線通信装
置を必要とするため、装置が高価になり、また装置を小
型化、専用化できず、ノイズを少なくするためのアンテ
ナの位置を探さなければならない等の計測準備に多大な
時間を要す、という欠点があつた。
スリツプリングによる方法は高速回転時あるいは振動時
に接点が浮き上り計測不能になつたり、また機械的に接
触する接点を有するため磨耗による故障が多い等の大き
な欠点がある。
本発明者等は上記問題点を解消すべく第8実施例に係る
テレメータ装置を信号伝達手段として適用した自動車専
用の車輪トルク計測装置を開発した。この車輪トルク計
測装置は、トルクを検出するセンシング機能を備えた計
測用車輪と、車輪と共に回転してトルク信号を送信しか
つ固定部でトルク信号を受信する下記で説明する第8実
施例のテレメータ装置とで構成される。
第10図および第11図に基づいて本発明の応用例および第
8実施例を説明する。
車輪51は、デイスクホイール53A、リム53Bおよびタイヤ
53Cを備えている。この車輪51は、両端がフランジ構造
でかつ所定の肉厚寸法のトルク計測用の中空円筒52を介
して自動車の車軸51Aに結合される。すなわち、中空円
筒52の車軸側のフランジ52Aは、車軸の軸心と同心円状
に車軸51Aに植立された複数のボルト54に係合させ、ナ
ツト54Nで締結されている。また、他方のフランジ52Bの
外側側面には前記ボルト54と同様の配置で複数のボルト
55が植立されており、このボルト55にデイスクホイール
53Aを係合させ、ナツト55Nで締結されている。中空円筒
52の外周側面には車軸に加わるトルクに対応した中空円
筒のねじり力にのみ感応して抵抗値が変化するフリツジ
接続された歪ゲージ56(第10図では2個のみ図示)が貼
着されている。車両が加速または減速するときに車輪に
作用するトルクは、車軸51Aと車輪51との間にねじり力
として作用する。第10図では、車軸51Aとデイスクホイ
ール53Aとの間に中空円筒52が配置されているため、車
輪に作用するトルクは中空円筒52にねじり力として作用
するから、中空円筒52に貼着した歪ゲージ56によりトル
クを検出することができる。
歪ゲージ56によつて検出されたトルク信号は、フランジ
52Bの基部に穿設された孔57にねじ止めされているソケ
ツト59へリード線58を介して供給される。ソケツト59に
は、第8実施例に係る変調装置Iに接続された受口59′
が係合されている。
次にトルク信号を回転する車軸から固定部すなわち車室
内に導入するための第8実施例を説明する。
本実施例は、車輪と共に回転する変調装置Iと、回転部
と固定部とが誘導結合および光結合されて電力の供給お
よび光信号の送受を行なう送受装置IIと、車両内に配置
されて光信号からもとのトルク信号を復調する復調装置
IIIとから構成されている。
なお、送受装置IIは、機械的構造的には2分割されてお
り、光信号を送信する回転部は変調装置Iと共に回転
し、光信号を受信する固定部は車体に拘束されて回転し
ない構造である。
本実施例は、中空円筒52のフランジ52Bにボルト102によ
つて締結されかつアルミ製のフランジ部を有する環状の
ホルダ101を備えており、ホールダ101は、底部の開口部
分に変調装置Iを固着収納している。また変調装置AIを
防水するために断面がO型のゴム製の環106を介してア
ルミ製の蓋107をボルト108により前記ホールダ101の底
部に締結される。なお変調装置Iはトランジスタ・IC・
抵抗・コンデンサから成る電子回路で構成し、振動でこ
れらの回路が破壊しないようにプラスチツクでモールド
し、また電磁誘導障害を受けないようパーマロイ製の箱
で磁気シールドされている。
前記ソケットの受口59′は、ホールダ101に設けた孔109
にねじ止めされており、前述のフランジ52Bとボールダ1
01との締結時にはソケツト59と電気的に接続され、前記
トルク信号の供給を受ける。また、これとは逆にフラン
ジ52Bとホールダ101とを分離する場合には、上記の接続
が解除される。これはトルク感度の異なる計測用の中空
円筒と交換したり、変調装置の検査を行なう際に作業を
容易にするためである。光信号を送受しかつ電力供給を
行なう送受送受IIは、中央に孔を設けた円板を底部に持
ち同心状に直径の異なる円筒を2重に重ねた構造の強磁
性体であるフエライト製の2つのコア113、114を備え、
一方のコア113の内側の筒の外周面の全長に亘つて巻回
した1次コイル109と、もう一方のコア114の内側の筒の
外周面と基部全周を内接固着した絶縁プラスチック製の
ボビン118の外周面先端部溝部118Gに巻介された2次コ
イル110と、該2次コイルのコア114の内側の筒の中空空
洞部に挿入し固着した発光素子としての発光ダイオード
117と前記1次コイルのコア113の内側の筒の中央空洞部
に挿入固着した受光素子としてのホトダイオード116と
から構成される。
1次コイル109と2次コイル110は直径および巻幅が異な
り、前記コア113の内側の筒部に巻いた1次コイル109は
2次コイル110を巻回したボビン118の内側空洞部に挿入
して2つのコイルを同軸的に重ねて誘導結合させる。
またコア113とコア114は共に底面を外側に向け同軸対向
させ誘導結合の係数を大きくするために所定の空隙、例
えば0.1〜1mm程度のわずかな空隙を持つて近接配置す
る。
また上記配置の関係を維持しつつ、2つのコアおよびコ
イルを相対回転可能にするために前記コア114を前述の
ホールダ101の外側の開口部に挿入固着し、また前記オ
ア113を縦断面凹型の中空円筒型アルミ製のカバー119に
より収納固着するとともに、さらに前記ホールダ101の
環状凸起部とカバー119の開口部内壁との間に環状に配
設した軸受120により、前記車輪51に一体的に固着した
ホルダ101に対しカバー119を相対的回転可能に支持して
送受装置IIを同軸的に保持する。すなわち、送受装置II
において、ホールダ101に固着されるコア114および2次
コイル110は回転部、そしてカバー119に固着されるコア
113および1次コイル109は固定部である。このような構
造により前記1次コイル109と2次コイル110およびコア
113とコア114は、相対的に回転可能かつ安定に電力の供
給を可能にしている。
また2次コイル110は、1次コイル109よりも巻幅が狭く
かつ1次コイルの巻幅の中で2次コイル110巻線全部と
常に重なり合うようするべく、前記ボビン118により保
持されているので前記軸受120のわずかなゆるみ・ガタ
により軸方向その他の方向への若干の変位が生じても電
力の供給を安定に行なうことができる。
また前述したごとくコア113とコア114との空隙を0.1〜1
mmとしたのは、誘導結合係数を大きくすると共に上記の
軸受120のゆるみにより相対変位が生じてもコア相互が
機械的に接触しないようにするためである。また上記の
配置により発光ダイオード117が発する直接光およびコ
ア113、114の内筒の中空部内壁でくり返す反射光をホト
ダイオード116が受光することにより、1次・2次コイ
ル109、110が相対回転あるいは相対変位しても発光ダイ
オード117とホトダイオード116との光結合は常時維持さ
れる。
このとき光信号の伝送路である2つのコア113、114の内
筒の中空部内壁に反射率の高い白色の塗料を塗布し、光
結合の度合を高くし光の伝送効率を高めてもよい。
なお、前記のごとくホールダ101およびカバー119をアル
ミ製にしたのは、変調装置Iおよび送受装置IIを静電シ
ールドするためである。
さて、上述のごとく1次コイル109から2次コイル110へ
誘導供給される電力は、前記ボビン118およびコア114の
切り欠き部112および115さらにホールダ101の溝部122を
通るリード線111によつて前記変調装置Iの電源回路の
入力端子に接続される。また、変調装置Iの変調回路の
出力はリード線121により発光ダイオード117に接続され
る。
一方送受装置IIの固定部においては、前記1次コイル10
9およびホトダイオード116は前記カバー119の溝部123を
通るそれぞれのリード線124、125によりカバー119にね
じ止めされるコネクタのコンセントア126の所定の電極
に接続される。該コンセント126と結合するプラグ126′
およびシール線で構成したケーブル129は前記第1次コ
イル109と復調装置IIIを構成する発振回路の入力端子と
接続し、かつ前記ホトダイオード116と復調装置IIIを構
成する復調回路の入力端子とを接続するためのものであ
り、車輪側に保持される送受装置IIと車室内に設置され
る表示パネル内に配置された復調装置IIIとを結合する
補助具である。
プラグ126′は、前記ケーブル129を挿入し、またその先
端にリング128を持つパイプ127を具備している。このパ
イプ127の機能はふたつあり、そのひとつはケーブル129
と前記プラグ126′の各電極との接続部周辺で折れ曲が
り等によるケーブルの断線を防ぐためのリード線を直線
状態に保つ鞘としての機能である。もうひとつは、リン
グ128にゴム紐130の一端を結び他端を所定の力で引張り
つつ車体の適宜個所に固定することによつて前記のカバ
ー119が回転するのを防止する機能である。ゴム紐を用
いる理由は車両が走行中に路面の凹凸によりサスペンシ
ヨンが変位し車軸と車体との相対距離が変化しても前記
パイプ127を引張る力を略一定に保つことができるから
である。
また前記ケーブル129は螺旋状にゴム紐130をとり囲む構
造にすることによつてケーブル129とゴム紐130とを略々
一体的に伸縮させ、ケーブル129の弛みを防いで作業性
を良くしている。
車室内に設置する復調装置IIIは前記ケーブル129とその
先端のコネクタ151を介して発振回路C と1次コイ
ル109および復調回路C とホトダイオード116とそ
れぞれ接続する。また復調回路C の出力は元のト
ルク信号に対応する電圧であり、電流計で構成する表示
装置152および電圧出力端子153へ接続される。
なおこれまでに説明してきた歪ゲージ56、変調装置I、
送受装置IIの各リード線58,104,111,121,124,125はすべ
て振動・遠心力等力学的な影響によつて断線あるいは短
絡等の事故が生じないよう各リード線の壁面に接着剤で
固着している。
次に第11図を参照して車輪と共に回転する変調装置I、
送受装置II、歪ゲージから成るセンサSおよび復調装
置IIIの電気回路を説明する。なお、この電気回路は、
上述した他の実施例にも適用できるものである。
変調装置Iは、変調回路A と電源回路A から構
成される。電源回路A は変調回路A およびセン
サSに夫々所定の直流電圧を供給するためのものであ
る。前記送受装置IIの2次コイル110に誘起される交流
電圧は、入力端子Q、Qより電源回路A に入力
される。この交流電圧は、整流ダイオードをブリッジ接
続した整流器Dに加えられ直流に変換される。整流器
の出力側に出力される直流電圧は、並列に接続され
た平滑用コンデンサCで平滑されさらに3端子レギュ
レータと呼ばれる電圧安定回路Pにより安定化され電
極+V、−Vから各々対応する電極へ供給される。
変調回路回路A は前述の電源回路A から供給さ
れる電圧によつて作動し入力電圧に対応するパルス周波
数信号を出力する。該変調回路A は増幅部A
とバイアス調整部A と変調部A と出力部A
から構成される。センサSのブリツジ回路BSを
形成する歪ゲージ56が出力するトルク信号は増幅部A
の入力端子Q、Qに接続される。該増幅部A
は、作動増幅器を形成するオペレーシヨナルアンプ
および抵抗器R〜Rと、前記差動増幅器の動作
の基準電位を与えるための出力点qを持つ定電圧ダイ
オードZDおよび抵抗器Rから成る基準電圧発生器と
で構成する。該増幅部A で増幅されたトルク信号
は、出力点qより出力された抵抗器R、Rで構成
するバイアス調整部A を介して変調部A
入力点qに出力される。
変調部A は、抵抗器Rおよび低電圧ダイオード
ZDを負荷とするトランジスタTから成るエミツタホ
ロ7と、該エミツタホロ7の信号を積分する抵抗器
、コンデンサC、オペレーシヨナルアンプU
ら成る積分器と、該積分器の出力と所定の参照電圧とを
比較する抵抗R 、R ,R とオプレーシヨナル
アンプUから成る比較器と、該比較器に接続される抵
抗器R 、コンデンサC、トランジスタTから成
り、前記比較器の出力に応じてスイツチングするスイツ
チング回路と、から構成する。
該変調部A は前記の積分・比較・スイツチング動
作を繰り返し、出力点qにパルス列を出力する。この
パルスの繰り返し周波数は前記変調部A の入力端
のトルク信号に比例する。すなわち前記トルク信号
はパルス周波数変調信号に変換される。出力部
電位調整用定電圧ダイオードZD、ダイオードD、ト
ランジスタT、抵抗器R 、R から成り、出力
端子Q、Qを介して前記送受装置IIの発光ダイオー
ド117に接続する。該出力部A は前記変調部A
の出力端qのパルス周波数信号に基づいて、スイ
ツチング動作を行ない前記発光ダイオード117にパルス
電流を供給する。該発光ダイオード117はこのパルス電
流に応じて発光する。すなわち、計測したトルク信号は
周波数変調されたパルス信号として送受装置IIにおいて
前記発光ダイオード117から送信されかつホトダイオー
ド116で受信される。
次に車室内に設置される復調装置IIIの電気回路を説明
する。該復調装置IIIは復調回路C と発振回路C
と電源回路C から構成される。前記送受装置IIに
おいて、前記発光ダイオード117からの光パルス信号を
受信しパルス電流に変換するホトダイオード116は入力
端子Q、Qを介して復調回路C に接続される。
該復調回路C は電流−電圧変換部C と復調部
と表示部C とから成る。
電流−電圧変換部C は入力端子C、Cを持ち
オプレーシヨナルアンプU と抵抗器R 、R
から成り、前記ホトダイオード116からのパルス電流を
所定のパルス電圧信号に変換する。このパルス電圧信号
は復調部C に入力される。復調部C は、オ
プレーシヨナルアンプU 、抵抗器R 〜R
コンデンサC 、C 、ダイオードD から成
り、パルス信号のくり返す周波数に応じて所定のパルス
幅の電圧を出力する単安定マルチバイブレータと、オペ
レーシヨナルアンプU 、抵抗R およびコンデン
サC から成る低周波濾波器とから成り、前記パルス
信号のくり返し周波数に応じて出力される前記単安定マ
ルチバイブレータの出力を前記低周波濾波器により直流
に変換することによつてパルス信号から元のトルク信号
に復調する。
この復調部C の出力は、抵抗R および電流計
152で構成する表示装置C により指針のふれとし
て表示される。また同時に端子Q (153)から電圧
として出力される。
発振回路C は、発信部C と出力増幅部C
から成る。発振部C は、オペレーシヨナルアン
プU 、抵抗器R 〜R 、可変抵抗器R
コンデンサC 、C およびゼナーダイオードZD
、ZD からなる発振器を構成し、サイン波電圧を出
力する。可変抵抗器R は出力電圧の調整用、またゼ
ナーダイオードZD 、ZD は出力の安定化用であ
る。
この発振部C の出力はトランジスタT 、T
とコンデンサC とによる出力増幅部C に接
続され、エミツタホロワ型の出力端から端子Q、Q
を介して前記送受装置IIの1次コイル109に接続され
る。
電源回路C は車輌のバツテリの電圧をDC−DC変換し
て正および負の所定の電圧を得る通常の電圧変換モジュ
ールP により構成し、前記復調回路C および発
振回路C に電源電圧を供給する。
以上テレメータの各構成要素を説明した。次にその動作
について説明する。
前記のごとく中空円筒52のねじり力として検出された車
輌のトルク信号は、変調装置Iによつてパルス周波数信
号に変換され送受装置IIを介して発光ダイオード117か
ら光パルス信号として回転側から固定側へ送信される。
該光パルス信号を固定側で受信するホトダイオード116
は前記光パルスに対応するパルス電流に変換する。該光
パルス電流を前記復調回路C で元のトルク信号に復
調し、出力端子Q から電圧として出力し、また電流
計152の指針の振れとして表示する。
また発振回路C から出力される交流電圧は、送受装
置IIの1次コイル109に印加される。該1次コイル109と
2次コイル110とは誘導結合関係のため2次コイル110に
電圧として誘起し、固定側から回転側へ電力を供給す
る。該交流電圧は前記変調装置Iの電源回路A に印
加され整流・安定化され安定且つ効率の良い直流電源と
して前記変調回路A およびセンサSの歪ゲージブ
リツジ回路に供給される。
本実施例を適用した車輪のトルク計測装置は、信号の送
受信を行なう手段として小型の固体素子である発光ダイ
オードとホトダイオードを光結合するだけで良く使用部
品数が少なくまた無線通信法によりテレメータのような
複雑な無線通信装置やアンテナ装置を使用する必要が無
いので車輪周辺の装置を非常に小型・軽量化できる。
したがつて応用例のトルク計測装置を装備しても車輪の
重量・慣性あるいは寸法等車輌の緒元・特性を大きく変
化させてしまうことが無く、加減速度試験・悪路走行試
験等正確な実車走行試験を可能にしている。またトルク
の検出、信号の伝送手段を計測のための車輪と一体化し
ているので従来の無線テレメータのように信号送受信の
ためのアンテナ装置・受信のための同調操作等を必要と
せず、実験準備に多大な時間を費やしたり操作ミスを誘
発することが無い。またこれまでに述べたように光信号
に電磁波ノイズが混入することが無く、光の伝送路をコ
アの中空円筒部としかつホールダ・カバーで遮光してい
るので外乱光によるノイズも受けにくい。さらに変調装
置I・送受装置IIを収納するホールダ101・カバー119の
材質には静電シールド効果の高いアルミニウムを使用
し、変調装置Iのケースには磁気シールド効果の高いパ
ーマロイを使用し、送受装置IIと車室内に置かれる復調
装置IIIとの接続のケーブル129にはシールド線を使用す
るという、二重・三重のノイズ対策をほどこしてあるの
で電磁波ノイズレベルが高いエンジン周辺で使用しても
計測信号にノイズが混入することは全く無いと言つて良
い。
また送受装置IIは接点を持たないので機械的に安定かつ
長寿命であり振動とか高速回転を伴う車輌の実写走行試
験に好適な装置であり有益な計測結果をもたらす。上記
各実施例によるテレメータ装置は送受装置IIにおいて物
理量信号を光信号として送信している。前述のごとく光
は、電力供給のための電磁界の影響を受けることなく受
光素子に達することができる。送信側に使用する発光素
子としてはLED(発光ダイオード)・LD(レーザーダイ
オード)等を、また受光素子としてはホトトランジスタ
・ホトダイオード・光電池等を使用することができる。
これらは非常に小型な固体素子でありまた安定度・信頼
度が高い。したがつて上記各実施例の発光・受光素子と
して使用してその光を前記1次および2次コイルの中あ
るいはその近傍を通過させたりあるいは発光・受光素子
を前記1次および2次コイルの中あるいはその近傍へ配
置することができる。
したがつて上記各実施例によるテレメータ装置は、電力
供給を行なう手段と信号送信を行なう手段との配置上に
おける制約を非常に少なくすることができるため、テレ
メータの形状を決定する自由度が大きくかつ非常に小型
化することができというメリツトがある。
さらに上記の発光素子は通電量を変化させるだけで光の
輝度を変化させることができるため前記のごとく周波数
基づい居た輝度の変化を得るための変調回路Iにおける
電気回路は非常に簡単であり、小型のトランジスタのコ
レクタ電流をアナログ的に変化させたりあるいはスイツ
チングによるオンオフ動作をさせるだけで良く、例えば
第1図のごとく変調回路11の出力端子に直接発光素子
(LED)を接続するだけで良い。
また受光素子を動作させる電気回路も非常に簡単であり
たとえばホトダイオード・ホトトランジスタでは抵抗器
を通じてバイアス電圧を印加するだけで、また光電池で
はバイアスをかけなくても輝度に応じた電気量を得るこ
とができる。例えば第1図に示すごとく受光素子(ホト
ダイオード)を直接復調回路31に接続するだけで良い。
したがつて送信部および受信部の電気回路を非常に少な
い回路素子で製作することができ、特に送信部を超小型
化することが可能であるというメリツトは重大であり、
合わせて製作費用を非常に少なくすることができる。
またこれまでに述べてきたように無線通信によるテレメ
ータのようにまちがつた電波を捉えてしまうとかノイズ
を混入させてしまうとか言つた扱い上のミスを誘発する
ことが少なく作業者に訓練を要することも非常に少ない
メリツトがある。さらに前述のごとく各実施例によるテ
レメータ装置は、電磁界の影響を受けにくいため無線通
信法によるテレメータに比して例えばエンジン周辺のよ
うな強いノイズ下においても高精度な計測を可能にする
というメリツトがある。また本テレメータ装置は前述の
ごとく送信側の電力を受信側から供給しており安定な電
源電圧を確保できるので長期間高精度な計測を可能にし
ている。
(その他の適用) また発明の第5態様あるいは第6実施例やその変形列等
を利用して回転体の周囲を光の伝送路とする方法によつ
て実車両のエンジンの出力トルク、変速機の出力トルク
あるいはトルク効率、駆動軸の駆動トルク等の正確な計
測ができる。これらの情報とエンジンの回転数・吸気
圧、車速等の情報と合わせて効率の良いエンジン制御、
ブレーキ制御等への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示すブロツク図、第2図
は従来例を示すブロツク図、第3図(a)は第2実施例
の送受装置を示す斜視図、第3図(b)は前記第2実施
例の変形例を示す斜視図、第4図は第3実施例を示す断
面図、第5図は第4実施例を示す断面図、第6図は第5
実施例を示す断面図、第7図は第6実施例を示す断面
図、第8図は第6実施例の変形例を示す断面図、第9図
は第7実施例を示すブロツク図、第10図は本発明の第8
実施例を適用した応用例を示す断面図、第11図は前記第
8実施例の回路図である。 I……変調装置、 II……送受装置、 III……復調装置、 11……変調回路、 12……電源回路、 13……計測回路、 31……復調回路、 32……発振回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−147249(JP,A) 特開 昭56−140493(JP,A) 実開 昭56−100798(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物理量を計測して計測信号を出力する物理
    量計測回路と;前記計測信号を送信信号に変換する変換
    回路と、前記物理量計測回路および前記変換回路に所定
    の電力を供給するための電源回路とから成る変換装置
    と;前記変換装置の電源回路に接続され内部に光伝送路
    をなす空洞が形成されるように所定の巻径および所定の
    巻幅で巻回された2次コイルと、この2次コイルと異な
    る巻径及び異なる巻幅で巻回されて内部に光伝送路をな
    す空洞が形成され、かつ前記2次コイルと同心状で非接
    触に配置された1次コイルとを具備し、幅狭のコイルが
    動きの範囲内において幅広のコイルに対向するように挿
    入され、また、前記変換回路に接続されて前記送信信号
    に応じて発光する発光素子を2次コイル空洞内に設け、
    この発光素子に対して非接触で、かつ光結合された光電
    変換素子を発光素子に対向して1次コイル空洞内に設け
    て成る送受装置と;前記送受装置の1次コイルに接続さ
    れて前記変換装置の電源回路を駆動するための交流電力
    を発生する発振回路と、前記送受装置の光電変換素子か
    らの出力を前記計測信号に対応した信号に変換する逆変
    換回路とから成る逆変換装置と;を含んで構成されたテ
    レメータ装置。
  2. 【請求項2】前記変換装置と2次コイルと発光素子とを
    回転体に配置し、前記逆変換装置と1次コイルと光電変
    換素子とを静止体または他の回転体に配置したことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項に記載のテレメータ装
    置。
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