JPH0664620U - 歯科用吸引フード装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 治療の際、治療部位が吸引フードにより暗く
ならないような歯科用吸引フード装置を提供することを
目的とする。 【構成】 可撓性を有する吸引ダクト１の先端に吸引フ
ード９が取り付けられたものにおいて、吸引フード１は
少なくとも一部に透明部を有し、該透明部に向けられた
光源１３を有する投光装置１１が上記吸引フード１の後
方位置に配設されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は歯科用吸引フード装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

歯科診療室内においては、エアータービンを用いて歯牙等を切削する治療が行 われる。この切削時に生ずる粉塵が患者の口腔より洩れ出して室内に浮遊する。 かかる粉塵は歯科医師、歯科衛生士あるいは他の治療台上の患者等の健康を害す る要因ともなっている。

【０００３】 そこで、最近では、可撓性を有する吸引ダクトの先端に吸引フードを設け、該 吸引フードを治療中の患者の口元に近接する位置にもたらし、この吸引フードか ら上記粉塵を吸引することにより室内に浮遊する粉塵を著しく減少させている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記治療を行う際には、治療を行い易くするために、治療台に付属して設けら れている無影灯が用いられ、治療部位たる口腔内に光が照射される。

【０００５】 しかしながら、上記吸引フードによる粉塵の吸引効率を上げるためには、該吸 引フードを口腔内に近づけねばならず、そのために無影灯による照射の妨げとな ることが多い。そこで、治療部位が暗くなるのを避けるために、やむなく吸引フ ードを吸引効率の悪い位置に移動させたり、あるいは無影灯の位置の修正を頻繁 に行う必要があった。

【０００６】 本考案はかかる問題を解決し、吸引フードを最も吸引効率の良い位置において も、治療部位が暗くなることを回避できる歯科用吸引フード装置を提供すること を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば上記目的は、可撓性を有する吸引ダクトの先端に吸引フードが 取り付けられたものにおいて、吸引フードは少なくとも一部に透明部を有し、該 透明部に向けられた光源を有する投光装置が上記吸引フードの後方位置に配設さ れていることにより達成される。

【０００８】

【作用】

かかる構成の本考案にあっては、吸引フードは吸引効率が最も良い位置、すな わち治療部位に近接し、かつその方向に向いて設定される。該吸引フードは透明 部を有し、その後方には光源を有する投光装置が設けられていて、光源からの光 は上記透明部を透過して治療部位を照射するようになる。したがって、治療の際 に無影灯からの光が治療部位に達しなくとも、投光装置の光源からの光により、 治療部位は十分明るく、治療に支障をきたさない。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面にもとづき、本考案の実施例を説明する。

【００１０】 図１において、符号１は可撓性を有する吸引ダクトで、その先端部を含め適宜 箇所に管継手２，３，４が設けられている。図示の場合、管継手２，３，４は三 箇所に採用されており、隣接せる二つの管継手２と３、そして３と４はリンクア ーム機構５によりそれぞれ連結されている。各リンクアーム機構３は、一端がね じ６等により管継手２，３（及び３，４）に取り付けられた二本のアーム７，７ と両アーム７，７を回転自在に連結し所望の回動位置でこれを固定するねじ部材 ８とを有している。中央の管継手３は中央位置にて分割されていて二つの分割継 手３Ａ，３Ｂが互いに任意の相対周方向位置を保てるように摺接自在に嵌合され ている。したがって、上記二つのリンクアーム機構５，５は、上記分割継手３Ａ ，３Ｂの相対周方向位置を調整することにより、例えば図示のごとく周方向に９ ０°ずれた位置をとることができる。かくして、吸引ダクト先端部（管継手２の 位置）は、上記分割継手３Ａ，３Ｂそして二つのリンクアーム機構の調整により 、立体空間の任意の位置・姿勢に設定される。

【００１１】 上記吸引ダクト１の先端部に取り付けられている管継手２には、円錐状に前方 に開放された吸引フード９が設けられている。該吸引フード９は透明材料で作ら れており、その軸方向中央部には環状に延びるレンズ状の集光部１０が形成され ている。さらに上記管継手２には、軸方向に位置を調整自在に移動設定できるよ うに、投光装置１１が取り付けられている。

【００１２】 上記投光装置１１は、管継手２上を上述のごとく位置調整可能な環状のホルダ １２と、該ホルダ１２により周方向の複数位置にて保持される光源としてのラン プ１３と、上記ホルダ１２の背面に取り付けられ吸引フード９と平行にランプ１ ３の前方位置にまで延出する傘状の反射体１４とを備えている。

【００１３】 かかる本実施例装置にあっては、治療の際、歯科医師等は、上記ランプ１３を 点灯し、上記吸引フード９の位置及び姿勢を、最も吸引効率の良い状態で設定す る。すなわち、吸引フード９は患者の治療部位の方向に向けられる。したがって 、ランプ１３の光は、上記吸引フード９の集光部１０にて集光せられてその焦点 １５に向かう。また反射体１４にて反射された光も同様に焦点１５に集光される 。歯科医師は軸方向にて上記焦点１５よりも少しずれた位置で所望の半径の範囲 に集光された光を治療部位に照射することができる。かくして、無影灯の光が従 来吸引フードにより遮られていたが、本実施例によれば、上記投光装置１１から の光により治療部位が照射されるようになる。

【００１４】 本考案は図示の例に限定されない。例えば、吸引フードの形状は円錐形のみな らず集光を考慮して適宜変形できる。また、吸引フードは全体が透明であるのが 好ましいが、集光部のみが透明であってもよい。さらには、投光装置は、管継手 に取り付けずとも、吸引フードに位置可変に設けてもよい。いづれの場合にも、 上記投光装置は、軸線に対して角度調整できることが好ましい。そのためには、 例えばホルダに調心のための球面部を形成すればよい。光源については、ランプ のみならず光ファイバを用いることもでき、その場合、その投光方向の調整はさ らに自在となる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上のごとく、吸引フードの後方に投光装置を設け、その光を吸引フ ードの集光部を経て治療部位に照射できるようにしたので、吸引フードを最も吸 引効率の良い位置・姿勢にして使用した際に、該吸引フードによって無影灯の光 が治療部位に当たらなくなっても、その分十分に上記投光装置により補えること ができ、何の支障もなく治療が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例装置の一部破断正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 吸引ダクト ９ 吸引フード １０ 集光部 １１ 投光装置 １３ 光源 １４ 反射体

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性を有する吸引ダクトの先端に吸引
   フードが取り付けられたものにおいて、吸引フードは少
   なくとも一部に透明部を有し、該透明部に向けられた光
   源を有する投光装置が上記吸引フードの後方位置に配設
   されていることを特徴とする歯科用吸引フード装置。
2. 【請求項２】 投光装置は光源が吸引ダクトの軸線方向
   に位置可変となっていることとする請求項１に記載の歯
   科用吸引フード装置。
3. 【請求項３】 透明部は集光部を有していることとする
   請求項１に記載の歯科用吸引フード装置。
4. 【請求項４】 投光装置は反射体を有していることとす
   る請求項１または請求項２に記載の歯科用吸引フード装
   置。