JPH0664515A - アンチスキッドブレーキング方法 - Google Patents

アンチスキッドブレーキング方法

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JPH0664515A
JPH0664515A JP22051592A JP22051592A JPH0664515A JP H0664515 A JPH0664515 A JP H0664515A JP 22051592 A JP22051592 A JP 22051592A JP 22051592 A JP22051592 A JP 22051592A JP H0664515 A JPH0664515 A JP H0664515A
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JP
Japan
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wheel
value
speed
calculated
slip ratio
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JP22051592A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Sano
喜亮 佐野
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基準車体速度と各車輪の車輪速度の偏差から
各車輪のスリップ率を演算し(42)、ブレーキ装置の各車
輪のホイールシリンダに供給する液圧を、演算したスリ
ップ率に応じて制御する(46,50,52)アンチスキッドブレ
ーキング方法において、急旋回時にも十分な制動力が得
られるように図る。 【構成】 操舵装置の操舵角(Fθh)を検出し、車両旋回
時に検出した操舵角に応じて基準車体速度の内輪差を補
正し、補正した基準車体速度(Vrefo,Vrefi) に基づいて
スリップ率Sxを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキ装置
に好適に適用されるアンチスキッドブレーキング方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】雨水で濡れた走行路等の低μ路における
制動時に、車輪のスリップを防止したり、操縦安定性を
確保し、短い制動距離で車両を停止させることの出来る
アンチスキッドブレーキング方法が知られている。この
ブレーキング方法は、各車輪の回転速度を検出してそれ
ぞれの車輪速度を求め、車輪速度と基準車体速度との偏
差に基づいて各車輪のスリップ率を求め、このスリップ
率が、車輪の摩擦係数が最大になる最適スリップ率近傍
に保持させるように、各車輪のブレーキ圧を増減圧制御
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなアンチスキ
ッドブレーキング方法において、基準車体速度を正確に
検出することが極めて重要であるが、基準車体速度は、
通常、検出される各車輪速度の内、最高速度から1番目
又は2番目に高い車輪速度を用いて演算されている。
【0004】このような従来の方法によって、急旋回制
動時にも、1番目又は2番目に高く検出される車輪速度
を用いて基準車体速度を求めると、この基準車体速度は
外輪の車輪速度に追従して求められることが多いので、
内輪側のスリップ率は実際より大き目に演算され、十分
な制動力が得られないという不都合があった。本発明
は、このような不都合を解決するためになされたもの
で、急旋回時にも十分な制動力が得られるように図った
アンチスキッドブレーキング方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明においては、基準車体速度と各車輪の車
輪速度の偏差から各車輪のスリップ率を演算し、ブレー
キ装置の各車輪のホイールシリンダに供給する液圧を、
演算したスリップ率に応じて制御するアンチスキッドブ
レーキング方法において、操舵装置の操舵角を検出し、
車両旋回時に検出した操舵角に応じて基準車体速度の内
輪差を補正し、補正した基準車体速度に基づいてスリッ
プ率を演算することを特徴とするアンチスキッドブレー
キング方法が提供される。
【0006】
【作用】旋回時に操舵角を求め、車輪が定常円旋回を行
なっていると仮定すると、操舵角と例えば外輪側の基準
車体速度からヨーレートを演算することができ、このヨ
ーレートを用いて内輪側の基準車体速度を補正すること
ができる。そして、外輪側および内輪側のそれぞれに求
めた基準車体速度を用いて各車輪のスリップ率を演算す
ることによって、各輪のホイールシリンダに供給する液
圧を適切に制御することができる。
【0007】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。システム概要 図1は車両のアンチスキッドブレーキ装置(以下「AB
S」という)の概要を示し、前後左右の車輪1L、1
R、2L、2Rの各ブレーキ装置3〜6とブレーキペダ
ル8により駆動されるマスタシリンダ9との間にはモー
タ直動式ハイドロリックユニット(HU)10が介在さ
れており、各車輪1L、1R、2L、2Rには夫々車輪
速センサ21、22、23、24が、ステアリング7に
はハンドル角センサ25が、車体には前後方向の加速度
を検出するための加速度センサ(前後Gセンサ)26が
設けられている。そして、これらのセンサ21〜26及
びハイドロリックユニット10は、電子制御装置30
(ECU)に接続されている。なお、本実施例のABS
は、前輪駆動車に適用され、後輪は非駆動輪である。
【0008】ハイドロリックユニット10は、図2に示
すようにハウジング11にシリンダ12が形成されてお
り、当該シリンダ12には、ピストン13が摺動可能に
嵌挿されている。ハウジング11の上部にはシリンダ1
2の上方に通路11a〜11cが設けられており、通路
11aと11cとの間にはABS用チェック弁14が設
けられており、チェック弁14に並設された通路11b
にはABS用カット弁15が設けられている。チェック
弁14は、通路11c側から通路11a側へのブレーキ
液の流れを許容し、カット弁15は、通路11bを開閉
する。また、チェック弁14は、ピストン13が上限位
置に達したときに当該ピストン13の上端面に設けられ
た突起13aによりばね力に抗して開弁されるようにな
っている。
【0009】ハウジング11にはモータ16が設けられ
ており、当該モータ16の駆動力は、歯車機構17及び
送り機構18を介してピストン13に伝達され、当該ピ
ストン13を駆動する。モータ16は、正回転すると歯
車機構17を介して送り機構18を回転させピストン1
3を上動させ、逆回転すると当該ピストン13を下動さ
せる。ハウジング11の通路11aは、マスタシリンダ
9に接続され、通路11cは、ブレーキ装置3のホイー
ルシリンダ3aに接続されている。尚、ハイドロリック
ユニット10は、一側の前輪1Lのブレーキ装置3とマ
スタシリンダ9との間のみを図示してある。
【0010】電子制御装置30は、ブレーキ時に車輪速
センサ21〜24、ハンドル角センサ25、および前後
Gセンサ26からの信号を取り込み、車輪1L、1R、
2L、2Rのスリップ状況を予測し、これらの車輪がロ
ックされないようにABSカット弁15、モータ16を
制御して、ブレーキ装置3〜6のブレーキ力を制御す
る。即ち、車輪がロックする方向にあるときにはピスト
ン13を下動させ、ブレーキ液圧を減圧させて車輪ロッ
クを回避し、車輪ロックの虞れが回避されるとピストン
13を上動させてブレーキ液圧を再び増圧させ、このよ
うな制御を繰り返して行ないホイールシリンダに加える
ブレーキ液圧を制御する。ABS制御手順 次に、ABSの電子制御装置30によって実施されるA
BS制御手順について説明する。
【0011】図3および図4は、電子制御装置30によ
って実行されるABS制御に対応する機能ブロック図を
示し、これを図5に示すABSメインルーチンのフロー
チャートを参照して説明する。ABSメインルーチン 先ず、図3に示すセンサ信号処理手段によって各種セン
サによって検出された入力信号を処理する(ステップS
1)。車輪速センサ21〜24からの車輪速信号は入力
処理手段31によって増幅、波形処理、サンプリング、
A/D変換等の処理を終えた後、フィルタ手段31aに
よって高周波成分がカットされ、各輪の車輪速FVx と
してセンサ信号処理手段から出力される。また、フィル
タ手段31aからの出力は、微分回路32によって各輪
の車輪加速度が演算され、これらの値はローパスフィル
タ手段33によって高周波成分がカットされる。そし
て、補正手段34において後述の前後Gセンサ26が検
出する前後加速度FGSによって補正され、各輪の車輪
加速度FGx としてセンサ信号処理手段から出力され
る。ここで、車輪速FVx 、車輪加速度FGx (後述す
る各輪のスリップ率Sx等も同じ) を表す場合の添字「x
」は、右前輪1R、左前輪1L、右後輪2R、左後輪
2Lのそれぞれを表しており、車輪速等を添字「x 」を
付して表す場合には、各輪の値が個別に演算される。
【0012】前後Gセンサ26からの検出信号は入力処
理手段35によって増幅、波形処理、サンプリング等の
処理を行なって前後加速度の生データGSとして出力さ
れる一方、ローパスフィルタ手段36によって高周波成
分をカットされたフィルタ値FGSとして出力される。
ハンドル角センサ25からの検出信号は、入力処理手段
37によって増幅、波形処理、サンプリング等の処理を
終えた後、ローパスフィルタ手段38によってフィルタ
リング処理され、ハンドル角Fθhとして出力される。
また、このハンドル角Fθhは、微分回路39によって
時間微分した後、ローパスフィルタ手段40によってフ
ィルタリング処理され、操舵速度FDθhとして出力さ
れる。
【0013】次ぎに、上述のように信号処理された車輪
速FVx 、車輪加速度FGx およびハンドル角Fθh
は、図4に示す基準車体速演算手段41に供給され、基
準車体速Vref が演算される(ステップS2)。このと
き、ハンドル角Fθhの絶対値が大である急旋回時に
は、内輪差を補正して外輪の基準車体速Vrefoおよび内
輪の基準車体速Vrefiが演算される。内輪差により外輪
側の車体速と内輪側の車体速が異なり、車体速の内輪差
を補正することによって各輪のスリップ率を正確に求め
ることができる。
【0014】基準車体速演算手段41で演算された基準
車体速Vref(VrefoおよびVrefi)は、スリップ率演算
手段42に供給され、各輪の車輪速FVx とこの基準車
体速Vref とにより各輪のスリップ率Sx が次式(S1)に
基づき演算される(ステップS3)。 Sx =(Vref −FVx )/Vref ×100 …… (S1) スリップ率補正手段44は、初回補正手段44a、悪路
補正手段44b、操舵補正手段44c、および加算手段
44dから構成され、これらの各補正手段44a〜44
cにおいて演算された補正値は加算手段44dにおいて
加算され、この加算値HSRを用いて上述のスリップ率
Sx を補正する(ステップS4)。これらの補正は、突
起乗り越し等によるABSの作動防止、悪路における制
動力および方向安定性の向上、急操舵時の操縦性の向上
を図るために行なうものである。
【0015】増減圧判定手段46には、スリップ率補正
手段により補正されたスリップ率SRx 、このスリップ
率SRx の積分値ISRx 、各車輪の車輪加速度FGx
、およびその微分値Jx が供給され、ファジィ推論に
よってブレーキ圧の増減圧判定が実行される(ステップ
S5)。積分値ISRx の演算はスリップ率積分手段4
8により、微分値Jx の演算は微分手段49によってそ
れぞれ実行される。
【0016】図6は、スリップ率Sと摩擦係数μとの関
係を示す。ABS制御の一般的な手法としては、スリッ
プ率Sと摩擦係数μとの関係、および車輪加速度FGx
から、スリップ率Sが、摩擦係数μが最大となる値S1
より小、或いは値S1より小になる傾向がある場合に
は、ブレーキ液圧が増圧制御され、値S1より大、或い
は値S1より大になる傾向がある場合には減圧制御され
る。しかしながら、車輪加速度FGx のみでは、センサ
フィルタ系の位相遅れにより減圧制御の終了が遅れる場
合があり、これを防止するために車輪加速度FGx の微
分値(加々速度)Jx により車輪速の回復傾向を早期に
検出するようにしている。また、スリップ率SRx の積
分値ISRx により極低μ路を検出すると共に、低μ路
から高μ路への移行を早期に検出し、ブレーキ液圧の最
適化が図られている。
【0017】増減圧判定手段46における増減圧の判定
結果は、モータ駆動目標値IIとしてモータ電流指令値
演算手段50に出力され、演算手段50は、所定の手順
によってモータ駆動電流IMTRを演算し、さらにモー
タ駆動処理手段52は、この演算値IMTRに基づいて
ハイドロリックユニット(HU)10のモータ16の駆
動電流IOUT を出力する(ステップS6)。モータ駆動
処理手段52は、演算値IMTRの変化や正負に応じ
て、モータ16に供給する電流値IOUT を最適値に制御
する。基準車体速の演算 次ぎに、電子制御装置30が実行する基準車体速の演算
手順について、図7ないし図10に示すフローチャート
を参照して詳細に説明する。
【0018】電子制御装置30は、先ず、図7のステッ
プS200においてABS制御中であるか否かを判別す
る。この判別は、例えば、基準車体速Vref が所定値
(例えば、5km/hr)以上であり、且つ、モータ16への
減圧駆動出力が連続して所定回数(例えば、2回)出力
された場合に、ABS制御中であると判別する。そし
て、基準車体速Vref が所定値(例えば、2km/hr)以下
に低下するか、又は、モータ16の駆動出力が0または
増圧信号である状態が所定時間(例えば、1秒)間に亘
って継続した場合に、ABS制御が解除されるようにな
っている。
【0019】ステップS200の判別結果が否定(N
o)の場合には、非駆動輪である後輪の車輪速センサ2
3,24によって検出される車輪速FVRR或いはFVRL
の内、低い方の値を選んでこれを選択車輪速SVWとし
て記憶すると共に、フラグF1に値1を設定する(ステ
ップS201)。駆動輪である前輪は、過トルクによる
スリップ等が生じている虞もあり、このような前輪の車
輪速をSVW値とするのは不適当である。フラグF1
は、ABS制御の1回目のスリップ制御状態を記憶する
ためのプログラム制御変数(以下、1回目スリップ制御
フラグという)である。
【0020】 SVW=MIN〔FVRR,FVRL〕 ……(A1) 一方、ステップS200の判別結果が肯定(Yes)、
すなわちABS制御中の場合には、4輪の内最も高い車
輪速を選択してこれを選択車輪速SVWとして記憶する
(ステップS202)。ブレーキ操作によりスリップ率
が高くなり、車輪はロック状態に向かうかも知れず、こ
のような車輪の車輪速を選択すると正確な基準車体速V
ref が得られない。従って、この実施例では基準車体速
Vref の演算に使用する車輪速として、最も高い車輪速
を選択する。
【0021】 SVW=MAX〔FVFR,FVFL, FVRR,FVRL〕 ……(A2) 車輪速の選択が終わるとSVW値を次式(A3)によりフィ
ルタリング処理を施し、これを基準車輪速Vsel として
記憶すると共に、この基準車輪速Vsel を微分処理する
ことで、車体の算出加速度G1も算出される(ステップ
S204)。 Vsel =Vseln-1+C1×(SVW−Vseln-1) ……(A3) ここに、Vseln-1は前回のフィルタリング処理値であ
る。C1は1.0 〜0の範囲内の値に設定されるフィルタ
リング定数である。
【0022】次ぎに、フラグFbが値1であるか否かを
判別する(ステップS205)。ブレーキペタルが踏み
込まれると、車輪にスリップが生じ、車輪速センサが検
出する車輪速度からは車体速度を正確に検出することが
できなくなる。そこで、車両の減速度が判別値より大き
くなると、基準車体速を、車輪速から求めずに前後加速
度から推定するようにしている。従って、基準車体速V
ref を前後加速度から演算すると、その値は車輪速Vse
l と異なる値に演算されることになる。フラグFbは、
2回目およびそれ以降のスリップ制御時において、基準
車体速Vref と基準車輪速Vsel とが異なる値に設定さ
れている状態(以下、これを「基準車体速分離状態」と
いう)を記憶するためのプログラム制御変数である。A
BS制御が実行されていない場合、或いはABS制御が
開始された直後の場合にはステップS205の判別結果
は否定であり、ステップS206に進み、今度はフラグ
Faが値1であるか否かを判別する(ステップS20
6)。このフラグFaは、1回目のスリップ制御時にお
ける基準車体速分離状態を記憶するためのプログラム制
御変数である。ステップS206における判別結果も、
ABS制御が実行されていない場合、或いはABS制御
が開始された直後の場合には否定であり、図8のステッ
プS208に進む。
【0023】ステップS208では、フラグF1が値1
に設定されているか否かを判別する。このフラグF1
は、前述した通り第1回目のスリップ制御を記憶するた
めのものである。従って、ABS制御が未だ開始されて
いない場合、或いはABS制御が開始されて1回目のス
リップ制御が実行されている場合には、ステップS20
8の判別結果は肯定となり、ステップS210が実行さ
れる。
【0024】ステップS210では、算出加速度G1
(走行方向に対し逆方向に加速されるので、負の値を示
す)が所定判別値Gsep1(例えば、-1.4g)より小であ
るか否かを判別する。前後Gセンサ26が検出する前後
加速度FGSは、実際には応答遅れがあり、ブレーキペ
タルが踏み込まれた初期段階では、前後Gセンサ26に
より車体の前後加速度が正確に検出されない虞がある。
そこで、上述の所定判別値Gsep1は、前後Gセンサ26
が検出する前後加速度FGSに応じた値に設定せずに、
固定値に設定される。算出加速度G1が所定判別値Gse
p1より小さい値でなければステップS214に進み、ス
テップS204で求めた基準車輪速Vselを外輪側の基
準車体速Vrefo(この外輪側の基準車体速Vrefoは後述
する内輪補正を行なわないので、特記しない場合には基
準車体速Vref として使用される)として記憶装置に記
憶した後、後述するステップS236に進む。
【0025】 Vrefo=Vsel …… (A4) そして、ステップS210の判別結果が否定である状態
が継続する限り、ステップS214が繰り返し実行され
て、ステップS204で求められた車輪速Vselが外輪
側の基準車体速Vrefoとして引続き設定されることにな
る。図11は、第1回目のスリップ制御における、設定
される基準車体速Vref と基準車輪速Vsel との関係を
示すグラフであり、同図は、ステップS210の判別結
果が肯定になるまで、すなわち、図11に示す第1回目
の分離点に到達するまで外輪側の基準車体速Vrefoとし
て車輪速Vsel が設定されることを示している。
【0026】ブレーキ液圧が大になり、車輪の減速度が
大になって、ステップS210の判別結果が肯定の場
合、ステップS216に進み、1回目スリップ制御開始
前フラグF1を値0に、第1回目の基準車体速分離状態
を示すフラグFaを値1にそれぞれ設定すると共に、タ
イマTMに値0を設定する。そして、図9のステップS
220に進み、上述のように設定した基準車体速Vrefo
が基準車輪速Vsel 以下であるか否かを判別する。基準
車体速Vrefoが車輪速Vsel より大である場合には、タ
イマTMのカンウト値が所定値XTM(例えば、8msec
に対応する値)に到達したか否かを判別する(ステップ
S222)。この答えが否であればステップS223に
進み、タイマTMのカウント値を値1だけインクリメン
トした後、今回時の外輪側の基準車体速Vrefoを次式(A
5)により演算する(ステップS224)。
【0027】 Vrefo=Vrefo+Gslp0×Δt …… (A5) ここに、Gslp0は所定加速度であり、例えば(-1.2g)に
設定される。またΔtは、時間間隔である。この基準車
体速演算ルーチンが一定の周期で実行されるのであれ
ば、(Gslp0×Δt)は一定値である。基準車体速Vre
foの演算が終了すると、後述するステップS236が実
行される。そして、タイマTMのカウント値が所定値X
TMに到達するまでは繰り返しステップS223および
S224が実行され、順次基準車体速Vrefoが演算され
ていく(図11に示す所定値XTMに対応する時間が経
過するまでの期間参照)。
【0028】タイマTMのカウント値が所定値XTMに
到達してステップS222の判別結果が肯定になると、
ステップS226が実行され、外輪側の基準車体速Vre
foを次式(A6)により演算する。 Vrefo=Vrefo+Gslp ×Δt …… (A6) ここに、Gslp は前後加速度FGSに応じて設定される
勾配係数である。
【0029】図13は、勾配係数Gslp と前後加速度F
GSとの関係を示すグラフであり、前後加速度FGSが
より小さい値である程、すなわち、減速度が大きい程、
あるいは路面μが大である程、勾配係数Gslp は小さい
値(絶対値大、勾配大の値)に設定され、基準車体速V
refoは負の大きい勾配で減少する値に設定されることに
なる。なお、この勾配係数Gslp と前後加速度FGSと
の関係は、演算される基準車体速Vrefoが実際の車体速
度より大にならないように、余裕をみて設定されてい
る。また、坂道においても前後加速度が検出されるの
で、前後加速度FGSが大きい場合であっても(例え
ば、-0.5g 以上であっても) 、勾配係数Gslpは、所定
値より大きい値(絶対値では小さい値)に設定されない
ように考慮されている。
【0030】なお、タイマTMのカウント値が所定値X
TMに到達する前に、上述の式(A5)によって演算される
基準車体速Vrefoが車体速Vsel 以下になると(ステッ
プS220の判別結果が肯定になると)、後述するよう
にステップS228に進み、上述の式(A6)による基準車
体速Vrefoの演算は行なわれないことは勿論のことであ
る。
【0031】ブレーキ圧が減圧制御されると、車輪速V
sel は回復し、やがて外輪側の基準車体速Vrefoが車輪
速Vsel 以下の値になる。このとき、ステップS220
の判別結果が肯定になり、ステップS228において基
準車体速分離フラグFaを値0にリセットすると共に、
ステップS229において基準車体速Vrefoを基準車輪
速Vsel に設定し、後述するステップS236に進む。
このようにして第1回目のスリップ制御を終え、第2回
目のスリップ制御に入る。
【0032】フラグFaが値0にリセットされると、図
7のステップS206の判別結果は否定となり、図8に
示す、前述のステップS208が実行される。この場
合、ステップS216の実行によりフラグF1は既に値
0にリセットされているので、ステップS209が実行
されることなる。ステップS209では、算出加速度G
1が分離判別値Gsep 以下であるか否かを判別する。分
離判別値Gsep は前後加速度FGSに応じて設定され
る。図13は、分離判別値Gsep と前後加速度FGSと
の関係を示し、前後加速度FGSが小さい値、すなわち
減速度が大である程、あるいは路面μが大である程、よ
り小さい値に設定される。この場合にも、分離判別値G
sep と前後加速度FGSとの関係は、演算される基準車
体速Vrefoが実際の車体速度より大に演算されないよう
に、十分な安全を見込んで設定されている。
【0033】算出加速度G1が分離判別値Gsep 以下の
値でなければ前述のステップS214に進み、ステップ
S204で求めたVsel 値を外輪側の基準車体速Vrefo
として記憶装置に記憶した後、後述するステップS23
6に進む。そして、ステップS209の判別結果が否定
である状態が継続する限り、ステップS214が繰り返
し実行されて、ステップS204で求められた車輪速V
sel が外輪側の基準車体速Vrefoとして引続き設定され
ることになる。図12は、第2回目以降のスリップ制御
時における、設定された外輪側の基準車体速Vrefoの時
間変化を示し、同図に示すように、第2回目の分離点以
前では基準車体速Vrefoとして車輪速Vsel が設定され
ている。
【0034】ステップS209の判別結果が肯定の場合
には、ステップS212に進み、基準車体速分離状態を
記憶するフラグFbに値1を設定して、図10のステッ
プS230に進む。ステップS230では、設定した基
準車体速Vrefoが基準車輪速Vsel 以下であるか否かを
判別する。基準車体速Vrefoが車輪速Vsel より大であ
る場合には、外輪側の基準車体速Vrefoを前述した式(A
6)により演算して(ステップS232)、後述するステ
ップS236に進む。そして、ステップS230の判別
結果が肯定になるまでは繰り返しステップS232が実
行され、基準車体速Vrefoが順次演算されていく(図1
2参照)。
【0035】ブレーキ圧が減圧制御されると車輪速Vse
l は回復し、やがて外輪側の基準車体速Vrefoが車輪速
Vsel 以下の値になる。このとき、ステップS230の
判別結果が肯定になり、ステップS234において基準
車体速分離フラグFaを値0にリセットすると共に、ス
テップS235において基準車体速Vrefoを基準車輪速
Vsel に設定し、後述するステップS236に進む。こ
のようにして第2回目のスリップ制御を終える。以下、
第2回目のスリップ制御と同様に第3回目以降のスリッ
プ制御が実行されていく。
【0036】外輪側の基準車体速Vrefoの演算が終わる
と、ステップS236が実行され、内輪側の基準車体速
Vrefiが次式(A7)により演算される。 Vrefi=Vrefo−Lt ×γ …… (A7) ここに、Lt はトレッドであり、γはヨーレートであ
る。ヨーレートγは、車両が定常円旋回を行なっている
と仮定し、ハンドル角をFθh、スタビリティファクタ
をK、ホイールベースをLw 、ハンドルギア比をρh と
すると、次式(A8)により演算することができる。 γ=(Vrefo×ρh ×Fθh)÷(1+K×Vrefo2 )÷Lw …… (A8) このように、内輪差を補正することにより内輪スリップ
率を適切に制御することができ、制動力を増大させるこ
とができる。図14は、内輪差補正の有無による制動効
果を示す。
【0037】なお、制御上のテクニックとして、ハンド
ル角Fθhの絶対値が所定値以上の大舵角のときにだけ
内輪差補正を行なうようにしてもよい。スリップ率の補正 次ぎに、電子制御装置30によって実行されるスリップ
率の補正手順について図15を参照して詳細に説明す
る。
【0038】電子制御装置30は、先ず、ステップS4
0においてABS制御中であるか否かを判別する。そし
て、判別結果が否定の場合には、ステップS41におい
て操舵補正値HSTRを値0に設定した後、初回補正値
HOFFの演算を行なう(ステップS42)。突起乗り
越し等において、一時的に車輪速が減速して車輪がロッ
ク傾向を示す。このような場合にABS制御が作動して
しまうことを防止するために、基準車体速Vref に応じ
た初回補正値HOFFを設定し、この初回補正値HOF
Fにより、前述の式(S1)によって演算したスリップ率S
xをマイナス補正することによりブレーキ液圧の減圧制
御の開始を遅らす。
【0039】図16は、基準車体速Vref と、その値に
応じて設定される初回補正値HOFFとの関係を示す。
車輪が突起を乗り越すと車輪速度に約2〜3km/hr の落
ち込みがあり、基準車体速Vref が所定速度より低い時
には、その落ち込みに対する補正量を高速時の補正量よ
り大に設定し、所定速度を超えると突起乗り越しの影響
も殆ど無視できるので、3%程度の小さい値に設定す
る。
【0040】一方、ステップS40における判別結果が
肯定、すなわち、ABS制御中の場合には、ステップS
43において初回補正値HOFFを値0に設定した後、
操舵補正値HSTRの演算を行なう(ステップS4
4)。図18は、操舵補正値HSTRの演算手順を示
し、電子制御装置30は、先ず、操舵速度FDθhが所
定判別値XDθ以上であるか、すなわち、障害物回避等
により急操舵されたか否かを判別する(ステップS44
1)。判別値XDθは、運転者の急操舵の意志を判別す
ることができる適宜値に設定される。また、この判別値
XDθを、操舵速度FDθhが増加しているときと、減
少しているときとで異なる値に設定してヒステリシス特
性を設けるのが好ましく、このように異なる値に設定す
ると、制御のハンチングを防止することができる。
【0041】ステップS441の判別結果が否定の場合
にはディレイタイマTDθのカウント値が所定値XTθ
(例えば、1秒間に対応する値)以上であるか否かを判
別し(ステップS443)、ステップS444において
補正値HSTRを0に設定し、ステップS445におい
てフラグFLSTRを値0にリセットしたままにして当
該ルーチンを終了する。なお、フラグFLSTRは急操
舵、大舵角を記憶するためのプログラム制御変数であ
る。
【0042】一方、ステップS441の判別結果が肯定
の場合にはステップS442においてディレイタイマT
Dθのカウント値を0にリセットした後、ステップS4
43に進む。なお、急操舵状態が継続した場合には、ス
テップS441において肯定の判別結果が連続し、その
都度、ステップS442においてディレイタイマTDθ
のカウント値を0にリセットされることになる。
【0043】ステップS443における判別結果が否
定、すなわち、ディレイタイマTDθのカウント値が所
定値XTθ(1秒)に到達していなければ、ステップS
446においてカウント値TDθを値1だけ進め、ステ
ップS447に進む。このステップでは、ハンドル角F
θhの絶対値が所定判別値XFθ以上であるか、すなわ
ち、ハンドルが大きく操舵されたか否かを判別する。判
別値XFθは、運転者の大操舵角操作を判別することが
できる適宜値に設定され、この判別値XFθも、ハンド
ル角Fθhが増加しているときと、減少しているときと
で異なる値に設定してヒストリシス特性を与えるように
してもよい。
【0044】ステップS447の判別結果が否定の場合
には、前述のステップS444において補正値HSTR
を値0に設定し、ステップS445においてフラグFL
STRを値0にリセットして当該ルーチンを終了する
が、ステップS447の判別結果が肯定の場合、すなわ
ち、急操舵かつ大舵角の場合には、ステップS448に
進み、補正値HSTRを電子制御装置30に内蔵される
記憶装置のマップから読み出す。図17は、ハンドル角
Fθhと、その値に応じて読み出される補正値HSTR
との関係を示し、補正値HSTRは、ハンドル角Fθh
の絶対値が所定判別値XFθより大きい領域でハンドル
角Fθhに応じた値に設定される。そして、ステップS
449に進み、フラグFLSTRを値1にセットして当
該ルーチンを終了する。
【0045】ステップS443においてディレイタイマ
TDθのカウント値が所定値XTθ(1秒)に到達する
か、ステップS447においてハンドル角Fθhの絶対
値が所定判別値XFθより小になると、前述のステップ
S444およびS445が再び実行されて補正値HST
Rが値0に設定されると共にフラグ値FLSTRが0に
リセットされる。
【0046】このように演算される操舵補正値HSTR
を用いて前後輪の各スリップ率Sxをプラス補正するこ
とによりブレーキ液圧の緩め勝手に制御し、旋回性の向
上が図られる。なお、フラグFLSTRは、後述する悪
路補正値の演算において使用される。初回補正値HOF
Fおよび操舵補正値HSTRの演算が終了すると、図1
5のステップS45が実行され、今度は悪路補正値HJ
DRが演算される。
【0047】図19は、スリップ率悪路補正値の演算手
順を示し、これを図20の機能ブロック図を参照しなが
ら詳細に説明する。悪路での制動力を向上させるには、
スリップ率を大きくし、車輪をむしろロック状態に制御
した方がよいことが分かっている。また、前後Gセンサ
26は、車両の前後加速度を検出すると共に、大きい上
下振動も検出することができる。そこで、前後Gセンサ
26を用いて悪路走行時の上下振動を検出し、検出した
上下振動により悪路を判定した場合には、スリップ率を
100%に制御して車輪をロック状態にして制動させ
る。しかしながら、前後Gセンサ26は、悪路走行時で
なくても、例えば減速初期にも上下振動を検出する場合
があり、このような場合にスリップ率を100%に制御
すると、ABS制御が不能になる。従って、前後Gセン
サ26により悪路を検出する場合には、その検出精度を
確保するために、後輪の車輪加速度FGxおよび前後加
速度FGSによりフィルタリング処理が行なわれる。な
お、方向安定性の確保や基準車体速Vref の演算のため
に、非駆動輪である後輪のスリップ率は20%程度に制
限される。
【0048】そこで、これをより詳細に説明すると、電
子制御装置30は、先ず、急操舵、大舵角を表すフラグ
FLSTRが値1に設定されているか否かを判別する。
この判別結果が肯定の場合には、図20のスイッチ手段
78が開成(オフ)されていることを意味し、このよう
な場合にはステップS451に進んで、前輪の悪路補正
値HJDRおよび後輪の悪路補正値HJDRRをそれぞ
れ値0に設定して当該ルーチンを終了する。急操舵、大
舵角の旋回時には悪路補正を実行しない。
【0049】一方、ステップS450の判別結果が否定
の場合には、後輪加速度FGr を増幅、フィタリング等
の信号処理を行い(ステップS452)、補正係数JD
R2を演算する。これを、図20の機能ブロック図を参
照してより詳しく説明すると、後輪の左右の車輪速セン
サ24,23から検出されるそれぞれの車輪加速度FG
rr,FGrlを増幅手段80a,80bにより増幅する。
このとき使用するゲインは図21から基準車体速Vref
に応じて設定される。すなわち、基準車体速Vref が遅
い場合には、ゲインは大きく設定される。次いで、ハイ
パスフィルタ手段81a,81bにおいて高周波成分の
みを取り出し、信号処理手段82a,82bにおいて取
り出した信号の絶対値を得ると共に、その絶対値を所定
の上限値でクリップし、このように信号処理した左右の
悪路振動成分の内、大きい方の値を選択手段83におい
て選択する。そして、選択した信号値をローパスフィル
タ手段84においてフィルタリング処理(積分処理)し
た後、係数演算回路85において、ローパスフィルタ手
段84の出力値JDR1に応じたフィルタ補正係数JD
R2を演算する。
【0050】図22は、出力値JDR1と、その値に応
じて演算される補正係数JDR2との関係を示し、出力
値JDR1が第1の所定値(例えば、0.3 g)以下の場
合にはフィルタ補正係数値JDR2を値0に、第2の所
定値(例えば、0.8 g)以上のときには係数値1.0 に、
第1と第2の所定値間の値を取る場合には、出力値JD
R1に比例して0〜1.0 間の値にそれぞれ設定される。
車輪加速度の高周波成分JDR1から、悪路を検出する
場合、出力値JDR1が上述のように第1の所定値以下
の場合には悪路ではないと判定して、フィルタ補正係数
値JDR2を0に設定するのである。そして、このよう
に設定された係数値JDR2を乗算手段73に供給し
て、前後Gセンサ26により検出される上下振動成分の
信号値に乗算することより、悪路以外の理由で生じた上
下振動が排除されることになる。
【0051】補正係数JDR2の演算が終了すると、図
19のステップS454に進み、前後Gセンサ26が検
出した前後加速度の生データGSを増幅、フィルタリン
グ等の信号処理を行なう。より詳細には、前後Gセンサ
26が検出した前後加速度GSを増幅手段70(図2
0)により増幅する。このとき使用するゲインは、前述
した図21から基準車体速Vref に応じて設定される。
図26は、前後Gセンサ26の出力信号波形、および図
20に示す信号処理手段の各点における信号処理波形を
示し、図26の(A1)〜(A4)は、非悪路における
信号処理波形を、(B1)〜(B4)は、悪路における
信号処理波形をそれぞれ示す。増幅手段70の出力信号
波形は、図26の(A1),(B1)に示される。
【0052】次いで、ハイパスフィルタ手段71におい
て高周波成分のみを取り出す。このフィルタリング処理
により信号GSからDC成分、つまり前後加速度成分が
除去される(図26の(A2),(B2)参照)。そし
て、信号処理手段72によって、ハイパスフィルタ手段
71によって取り出した高周波成分の絶対値を求め(図
26の(A3),(B3)参照)、この前後Gセンサの
高周波成分である絶対値信号に、乗算手段73において
前述した補正係数値JDR2を乗算した後、ローパスフ
ィルタ手段74においてフィルタリング処理(積分処
理)を行ない(図26の(A4),(B4)参照)、信
号JD1を得る(ステップS455)。
【0053】次ぎに、図19のステップS456に進
み、乗算値JD1に基づき、下式(H1)から悪路度合JD
2を演算する(図20の悪路度合演算手段75)。 JD2=GJD×JD1 ……(H1) ここに、GJDは前後加速度FGSに応じて設定される
ゲインであり、図23のゲインGJD−前後加速度FG
Sマップから求められる。悪路において前後Gセンサ2
6により観測される前後加速度FGSは、例えば、0.3
〜0.8 gの範囲にあるので、検出された前後加速度FG
Sがこの範囲内の値である場合にはゲインGJDを値1.
0 に設定し、他の範囲では、ゲインGJDを低く設定す
ることにより悪路の識別を行う。
【0054】悪路度合JD2が求まると、ステップS4
57に進み、悪路度合JD2に応じた前輪の悪路補正値
HJDRを求め(図20の演算手段76)、これをフィ
ルタリング処理する(図20のローパスフィルタ手段7
7)。悪路でも一瞬上下振動が検出されない場合があ
る。このような場合に、直ちに減圧制御を開始すると空
走感が生じ、好ましくない。そこで、上述のようなフィ
ルタリング処理によって悪路補正値HJDRの急激な変
化を防止している。
【0055】そして、求めた前輪の悪路補正値HJDR
に応じた後輪の悪路補正値HJDRRを求める(図20
の演算手段79)。図24は、悪路度合JD2と、この
値に応じて設定される前輪の悪路補正値HJDRの関係
を示し、悪路度合JD2が所定値(例えば、0.4 g)以
上のとき悪路補正値HJDRは100%に設定される。
この悪路補正値HJDRは、スリップ率Sxに対してマ
イナス補正されるので、この補正値で補正されたスリッ
プ率SRxは、悪路補正値HJDRが100%に設定さ
れたときには極めて小さい値になり、悪路において前輪
ブレーキ液圧は確実にロック状態まで増圧制御されるこ
とになる。
【0056】一方、後輪の悪路補正値HJDRRは、前
輪の悪路補正値HJDRに対して高々20%に抑えられ
る。図25は、前輪の悪路補正値HJDRと,この補正
値に応じて設定される後輪の悪路補正値HJDRRとの
関係を示し、前輪の悪路補正値HJDRが所定値(例え
ば、20%)に到達するまでは、これに比例して後輪の
悪路補正値HJDRRが設定されるが、前輪の悪路補正
値HJDRが所定値(20%)を超えると所定値(20
%)一定に保持される。これにより、方向安定性が確保
されると共に、基準車体速Vref の演算が不能になる不
都合が回避される。
【0057】悪路補正値HJDR,HJDRRの演算が
終わると、図15のステップS46に進み、スリップ率
補正量HSRを次式(H2)により演算する。 HSR=−HOFF−HJDR+HSTR ……(H2) そして、スリップ率演算手段42で演算したスリップ率
Sxとスリップ率補正手段44によって演算された補正
量HSRとを加算手段45により加算して(ステップS
48)、スリップ率の補正ルーチンを終了する。増減圧判定 次ぎに、増減圧判定方法(図5のステップS5)につい
て説明する。
【0058】この実施例におけるブレーキ液圧の増減圧
判定は、基本的にはスリップ率SRxおよび車輪加速度
FGxを入力とするファジィ推論により実行される。先
ず、この基本ファジィ推論について説明すると、電子制
御装置30の記憶装置には、図27ないし図29に示す
3組のメンバシップ関数が記憶されている。図27は、
ファジィ入力の各輪車輪加速度FGxに対するメンバシ
ップ関数であり、図28は、ファジィ入力の各輪スリッ
プ率SRxに対するメンバシップ関数であり、図29は
目標増減圧量IIを出力とするメンバシップ関数であ
る。これらの関数において、PBはポジティブビック
(正大)、PMはポジティブミディアム(正中)、PS
はポジティブスモール(正小)、Z0はゼロ、NBはネ
ガティブビック(負大)、NSはネガティブスモール
(負小)をそれぞれ表す。
【0059】電子制御装置30の記憶装置には、また、
表1に示す20個の基本ルールが記憶されている。
【0060】
【表1】
【0061】表1に示される基本ルールの幾つかを例示
すると、下記の通りとなる。 IF FGx=NB and SRx=PB, THE
N II=NB.(車輪加速度FGxがNB、且つ、ス
リップ率SRxがPBであれば、目標増減圧量IIはN
B) IF FGx=ZO and SRx=PS, THE
N II=PS.(車輪加速度FGxがZO、且つ、ス
リップ率SRxがPSであれば、目標増減圧量IIはP
S) なお、上表におけるルールは、後述する車輪加々速度J
xがPBでなく、且つ、スリップ率積分値ISRxがP
Bでなく、且つ、スリップ率積分値ISRxがNBでな
い場合に成立するルールである。
【0062】電子制御装置30は、例えば、公知のMA
X−MIN法および重心法により、演算された車輪加速
度FGxおよびスリップ率SRxに応じた目標増減圧量
IIが各輪毎に演算される。すなわち、1つのルールに
ついて、演算された各輪の車輪加速度FGxおよびスリ
ップ率SRxに応じて、各適合度を図27,28から求
め、求めた2つの適合度の内小さい方の適合度(MIN
法)に対応する目標増減圧量IIを図29から求める。
そして、同様にして20個のルールの全てについて目標
増減圧量IIを求め、各ルール毎に求めた各目標増減圧
量IIを20個重ね合わせてその輪郭を求め(MAX
法)、求めた輪郭が囲む図形の重心から最終的に目標増
減圧量IIを求める(重心法)。
【0063】上述のファジィ推論では、2つの入力、車
輪加速度FGxおよびスリップ率SRxに応じて目標増
減圧量IIを求めるようにしたが、ファジィ理論を用い
て増減圧判定を行なうと、上述のような2つの入力に限
らず多くの入力、つまり判断条件を設定することがで
き、木目の細かい増減圧制御を行なうことが出来るた
め、制御制度が向上し、ブレーキ液圧の油圧変動が減少
する。従って、振動、騒音を低減させて乗り心地がよく
することができる。
【0064】例えば、車輪加速度FGxのみでは、入力
信号処理におけるフィルタ系の位相遅れによって、減圧
制御の終了時点の判断が遅れる場合がある。これを防止
するために、車輪加速度FGxより位相が進んでいる加
速度FGxの微分値、すなわち、車輪加々速度Jxをフ
ァジィ入力に加えると、車輪速の回復傾向を早期に察知
することができる。
【0065】図30は、追加したファジィ入力変数の車
輪加々速度Jxに対して設定されたメンバシップ関数の
例を示す。そして、表2は、車輪加々速度JxがPBの
場合に追加されるルールを示す。
【0066】
【表2】
【0067】車輪加々速度Jxを加えてファジィ推論を
する場合のルールは、例えば以下のようになる。 IF FGx=NB,SRx=PB and Jx≠PB,
THEN II=NB.(車輪加速度FGxがNBであ
り、且つ、スリップ率SRxがPBであり、且つ車輪加
々速度JxがPBでなければ、目標増減圧量IIは、表
1からNB) IF FGx=NB,SRx=PB and Jx=PB,
THEN II=ZO.(車輪加速度FGxがNBであ
り、且つ、スリップ率SRxがPBであり、且つ車輪加
々速度JxがPBであれば、目標増減圧量IIは、表2
からZO) 車輪加々速度Jxをファジィ推論に加えると、図31に
示すように、車輪加速度FGxの増加傾向が、車輪加々
速度Jxにより1/4位相だけ早く検出することができ
(図31(a)参照)、その分ブレーキ液圧の過剰な減
圧(オーバシュート)を防止することができる。
【0068】また、スリップ率SRxの積分値ISRx
をファジィ入力変数に加えると、極低μ路での走行や低
μ路から高μ路への移行を早期に検出することができ
る。この目的のために、積分値ISRxの演算手順を図
32および図33を参照して説明する。電子制御装置3
0は、先ず、ステップS50において各輪のスリップ率
SRxが所定値範囲XS12〜XS20(例えば、12
〜20%)内の値であるか否かを判別する。スリップ率
SRxが所定値範囲XS12〜XS20内の値であれ
ば、当該車輪のホイールシリンダには、最大摩擦を発生
させるブレーキ液圧が供給されていることになり、この
ような場合には、上述した極低μ路での走行や低μ路か
ら高μ路への移行を検出する必要がなく、ステップS5
1に進んで積分値ISRxを0にリセットして当該ルー
チンを終了させる。ステップS50の判別結果が肯定で
ある限り(図33のt1〜t2間、t5〜t6間、t7
〜t8間)、ステップS51が繰り返し実行され、積分
値ISRxは0に保持される。
【0069】一方、ステップS50の判別結果が否定の
場合には、ステップS52に進み、スリップ率SRxが
上述の所定値XS12以下であるか否かを判別する。判
別結果が肯定の場合には、ステップS53に進んで次式
(SS1) により積分値ISRxを演算する。 ISRx=ISRx+(SRx−XS12)dt ……(SS1) このとき、演算される積分値ISRxは、図33からも
明らかなように負の値になる(図33のt1以前、t6
〜t7間)。
【0070】SRx値が所定値XS20以上で、且つ、
所定値XS30(例えば、30%)以下の場合にはステ
ップS54における判別結果が肯定となり、このような
場合にはステップS55が実行され、次式(SS2) により
積分値ISRxを演算する。 ISRx=ISRx+(SRx−XS20)dt ……(SS2) このとき、演算される積分値ISRxは、図33からも
明らかなように正の値になる(図33のt2〜t3間、
t4〜t5間、t8〜t9間)。そして、SRx値が所
定値XS30(30%)以上の場合にはステップS54
における判別結果が否定となり、このような場合にはス
テップS56が実行され、次式(SS3) により積分値IS
Rxを演算する。
【0071】 ISRx=ISRx+(XS30−XS20)dt ……(SS3) このとき、演算される積分値ISRxは、図33からも
明らかなように正の値になるが一定値(XS30−XS
20)dtが加算されていくことになる(図33のt3
〜t4間)。この演算は、積分値ISRxが大きくなり
過ぎることを防止している。極低μ路における走行時に
車輪加速度FGxが小さいまま(ZO)、車輪がロック
状態に向かう場合があり、このような状態を積分値IS
RxがPB(正大)であるか否かによって検出しようと
するものである。
【0072】図34は、追加したファジィ入力変数のス
リップ率積分値ISRxに対して設定されたメンバシッ
プ関数の例を示す。そして、表3は、スリップ率積分値
ISRxがPBの場合に追加されるルールを示す。
【0073】
【表3】
【0074】スリップ率積分値ISRxがPBである場
合のファジィルールは、例えば以下のようになる。 IF FGx=ZO,SRx=PM,ISRx≠NB a
nd ISRx≠PB,THEN II=Z0(車輪加速
度FGxがZOであり、且つ、スリップ率SRxがPM
であり、且つスリップ率積分値ISRxがNBでもPB
でもなければ、目標増減圧量IIは、表1からZO) IF FGx=ZO,SRx=PM and ISRx=P
B,THEN II=NS(車輪加速度FGxがZOで
あり、且つ、スリップ率SRxがPMであり、且つスリ
ップ率積分値ISRxがPBであれば、目標増減圧量I
Iは、表3からNS) スリップ率積分値ISRxをファジィ推論に加えると、
図35に示すように、スリップ率SRxの時間変化が小
さくても、スリップ率積分値ISRxの時間変化が大き
く検出され、このスリップ率積分値ISRxの変化から
ブレーキ液圧を減圧勝手に制御すると、極低μ路におけ
る所謂「グズグズ沈み」を防止することができる。
【0075】一方、表4は、スリップ率積分値ISRx
がNBの場合に追加されるルールを示す。
【0076】
【表4】
【0077】スリップ率積分値ISRxがNBである場
合のファジィルールは、例えば以下のようになる。 IF FGx=ZO,SRx=PM,ISRx≠NB a
nd ISRx≠PB,THEN II=Z0(車輪加速
度FGxがZOであり、且つ、スリップ率SRxがPM
であり、且つスリップ率積分値ISRxがNBでもPB
でもなければ、目標増減圧量IIは、表1からZO) IF FGx=ZO,SRx=PM and ISRx=N
B,THEN II=PB(車輪加速度FGxがZOで
あり、且つ、スリップ率SRxがPMであり、且つスリ
ップ率積分値ISRxがNBであれば、目標増減圧量I
Iは、表4からPB) スリップ率積分値ISRxをファジィ推論に加えると、
図36に示すように、スリップ率積分値ISRx<<0
になることから低μ路から高μ路への移行時を検出する
ことができ、この検出によってブレーキ液圧の立ち上が
りを早め、空走感を防止することができる。モータ駆動処理 次ぎに、ハイドロリックユニット10のモータ駆動処理
手順について詳細に説明する。
【0078】図37は、モータ駆動処理手段を示し、A
BS制御開始又は終了判定手段61によりABS制御を
開始するか終了したかを判定し、ABS切替手段62を
ABSオン又はABSオフに切り替える。ABS制御時
には切替手段63を切り替えてモータ駆動電流IMTR
の値により増圧、保持、減圧の何れかの処理を行なう。
即ち、モータ駆動電流IMTRが、IMTR>0のとき
には増圧手段64によりモータ駆動回路67を制御して
ブレーキ液圧を増圧し、IMTR=0のときにはブレー
キ液圧を当該液圧に保持し、IMTR<0のときには減
圧手段65によりモータ駆動回路67を制御して液圧を
減圧する。また、ABS非制御時には終了処理手段66
によりABS制御を終了する。
【0079】図38はABS制御時におけるブレーキ液
圧の目標増減圧量IIに対するモータ駆動電流IMTR
を示し、目標増減圧量IIが、所定値−XI(例えば、
−43)よりも小さい(II<−43)ときにはモータ
駆動電流IMTRを最小値IMTRmin(例えば、−
25[A])に設定してモータ16のゲインを最大にす
る。目標増減圧量IIが(−43<II≦0)のときに
はモータ駆動電流IMTRを0とし、目標増減圧量II
が(>0)のときにはモータ駆動電流IMTRを連続的
に変化させる。尚、増圧側において目標増減圧量IIに
対してモータ駆動電流IMTRにヒステリシスを持た
せ、ハイドロリックユニット10のハンチングを防止す
る。モータ駆動処理ルーチン 次に、前記モータ駆動処理手順を図39のモータ駆動処
理ルーチンを参照して説明する。
【0080】電子制御装置30は、図39に示すモータ
駆動処理ルーチン(ステップS6)において、ABS制
御が終了したか否かを判別し(ステップS61)、終了
しない即ち、ABS制御をするときにはモータ駆動電流
IMTRの演算ルーチン(ステッS62)に進み、モー
タ駆動電流IMTRの演算を行なう。そして、この演算
したモータ電流IMTRが0か否かを判別し(ステップ
S63)、0で無いときには更に0よりも大きい(IM
TR>0)か否かを判別し(ステップS64)、0より
も大きいときには増圧ルーチン(ステップS65)に進
み、モータ駆動電流IMTRに後述するような修正を加
えてステップS69に進む。0よりも小さいとき(IM
TR<0)にはステップS69に進む。また、ステップ
S63の判別結果が肯定、即ち、演算したモータ駆動電
流IMTRが0のときには減圧後処理ルーチン(ステッ
プS67)に進み、減圧処理終了直後におけるモータ駆
動電流IMTRに後述するような修正を加えてステップ
S69に進む。また、ステップS61の判別結果が肯定
のとき即ち、ABS制御が終了したときには終了処理ル
ーチン(ステップS68)に進み、後述する所定の終了
処理パターンに従ってモータ駆動電流IMTRを設定し
てステップS69に進む。ステップS69では上述のよ
うにして設定されたモータ駆動電流IMTRを出力信号
値Ioutに設定し直して当該モータ駆動処理ルーチン
を終了する。モータ駆動電流の演算 図40は、モータ駆動電流IMTRの演算ルーチン(ス
テップS62)におけるモータ駆動電流IMTRの演算
の手順を示し、電子制御装置30は先ず、ABS制御中
であるか否かを判別する(ステップS620)。この判
別が肯定であれば直ちにステップS621に進むが、否
定であれば、ステップS620aにおいてフラグF2に
値1を設定してステップS621に進む。フラグF2は
ABS制御が開始されて初回の減圧制御が実行されてい
るか、或いは2回目以降の減圧制御が実行されているか
を記憶するプログラム制御変数である。ステップS62
1では、目標増減圧量IIと、増圧・減圧状態を示すプ
ログラムスイッチTISWのオン・オフを読み込み、目
標増減圧量IIが0よりも大きい(II>0)か否かを
判別し(ステップS622)、0より小さいときには所
定値−XI(例えば、−43)よりも大きいか否か(−
XI<II≦0)を判別する(ステップS623)。こ
の判別結果が否定のときにはモータ駆動電流IMTRを
最小値IMTRmin(−25[A])に設定し(図3
8)、肯定(Yes)のときにはモータ駆動電流IMT
Rを0(ステップS625)に設定して当該演算ルーチ
ンを終了する。
【0081】ステップS622の判別答が肯定のときに
は図41のステップS625aに進み、プログラムスイ
ッチTISWがオンからオフに変化したか(図47
(b))否かを判別する。この判別結果が否定の場合に
は何もせずにステップS626に進むが、肯定の場合に
はステップS625bに進み、前述のフラグF2を値0
にリセットしてステップS626に進む。プログラムス
イッチTISWがオンからオフに変化すると、1回目の
減圧から増圧制御を終えて2回目の減圧制御を開始した
ことを意味し、このような場合にはフラグF2を値0に
リセットして2回目の減圧制御が開始されたことを記憶
する(図47(e))。
【0082】ステップS626では、フラグF2が1に
なっているか否かを判別する。このフラグF2は、前述
した通り1回目の減圧制御時は1に、2回目以降は0に
設定される。従って、1回目は1とされており、ステッ
プS627に進みプログラムスイッチTISWがオフか
らオンに変化したか(図47(b))否かを判別し、そ
の判別結果が肯定のときにはスリップサイクルTTAP
Lを0にし(図47(d))、モータ駆動電流の基準電
流BIMTRをマップから読みだし、更にモータ駆動電
流値ピーク値IMTRpを0にセットする(ステップS
628)。
【0083】プログラムスイッチTISWは、IMTR
>0のときはオン、IMTR<0のときにはオフとな
る。また、TTAPLは、TISWがオフからオンに変
化するときにTTAPLタイマがスタートし、TISW
がオフになるとTTAPLタイマ値が保持される。基準
電流BIMTRは、初回(ABS制御開始時)は、図4
4に示すように車体前後加速度FGSに応じた値に設定
される。ステップS629に進みモータ駆動電流IMT
Rの補正値HTIMTR及びゲインGIMTRを演算
し、これらの各値を使用してモータ駆動電流IMTRの
演算を行なう(ステップS630)。
【0084】ゲインGIMTRは、目標増減圧量IIに
従ってモータ駆動電流IMTRに乗ずる値で図45に示
すように目標増減圧量IIに応じて設定されており、且
つヒステリシスを持っている。即ち、目標増減圧量II
をモータ駆動電流IMTRのゲインとすることによりス
リップ率に応じた増圧をさせる。また、補正値HTIM
TRは、再加圧後からの経過時間即ち、スリップサイク
ルTTAPLが長い(例えば、800ms以上)場合に
は、現在の液圧とスリップ限界液圧との間に大きな開き
があることが予想され、これを補正するための値で、図
46に示すように設定されている。この補正により再加
圧時における加圧量が小さ過ぎた場合でも液圧は即座に
リカバーされるために適度なスリップサイクルが保持さ
れる。
【0085】ステップS630におけるモータ駆動電流
IMTRの演算は、下式(M1)により実行される。 IMTR=(BIMTR+HTIMTR)×GIMTR+HTIMTR …(M1) 上式において、BIMTRは基準電流値、HTIMTR
は補正値、GIMTRはゲインである。そして、モータ
駆動電流IMTR(図47(a))は、TISWがオン
の間ピーク値がホールドされる。
【0086】ステップS630においてモータ駆動電流
IMTRを演算した後、図42のステップS631に進
み、前回までのモータ駆動電流ピーク値IMTRpが今
回演算したモータ駆動電流IMTRよりも大きいか否か
を判別し、その判別結果が否定のときにはモータ駆動電
流のピーク値IMTRpを今回演算したモータ駆動電流
IMTRに書き換えて(ステップS632)ステップS
634に進む。ステップS634においてTISWがオ
フからオンに変化した(図47(b))か否かを判別
し、変化しないときには増圧電流の平均レベルFIMT
R(図47(c))を下式(M2)により算出する(ス
テップS635)。
【0087】 FIMTR=FIMTR+KIM(IMTR−FIMTR) …(M2) ここに、係数KIMは、1と0との間の値(0<KIM
<1)に設定されるフィルタ定数である。また、ステッ
プS634の判別結果が肯定のときにはFIMTRを今
回演算した駆動電流IMTRに書き換える(ステップS
636)。この増圧電流の平均レベルFIMTRは、モ
ータ駆動電流IMTRが正(>0)のときには当該モー
タ駆動電流IMTRのローパスフィルタ(例えば、fc
=1.5 Hz 相当)の出力値とし、負(<0)のときには
無変化(保持)とされ、TISWがオフからオンに変化
したときにはその直後に設定されるモータ電流IMTR
を初期値として書き換えられる。また、ステップS63
1の判別結果が肯定のとき即ち、前回までのモータ駆動
電流ピーク値IMTRpが今回演算したモータ駆動電流
IMTRよりも大きいときにはモータ駆動電流ピーク値
IMTRpをモータ駆動電流IMTRとして(ステップ
S633)、ステップS635に進む。そして、ステッ
プS635又はステップS636において増圧電流の平
均レベルFIMTRを演算した後スリップサイクルTT
APL(図47(d))の時間をカウントするスリップ
サイクルTTAPLカウンタのカウント値を1だけ進め
て(ステップS637)、当該ルーチンを終了する。
【0088】図41のステップS626の判別結果が否
定のとき即ち、フラグF2が0(2回目以降の減圧制
御)のときには図43のステップS640に進み、TI
SWがオフからオンに変化したか否かを判別する。ステ
ップS640の判別は、2回目以降のスリップ制御開始
におけるモータ基準電流値BIMTRを設定するために
行なうもので、否定のときには直ちに図41のステップ
S629に進むが、肯定のときには第1回目スリップ制
御におけるスリップサイクルTTAPLカウンタのカウ
ント値が所定値T144(例えば、144msに対応す
る値)よりも大きいか否かを判別(ステップS641)
し、大きい(TTAPL>T144)ときにはモータ基
準電流BIMTRを下式(M3)により演算する(ステ
ップS642)。
【0089】 BIMTR=C1×FIMTR …(M3) ここに、係数C1は、例えば、値(4/5)とされ、従
って、上記モータ基準電流BIMTRは、BIMTR=
(4/5)×FIMTRとなる。即ち、第2回目スリッ
プ制御の開始時の基準電流BIMTRは、第1回目スリ
ップ制御において最期に演算された平均レベルFIMT
Rの(4/5)倍に設定される。
【0090】また、スリップサイクルTTAPLのカウ
ント値が所定値T144よりも小さい(TTAPL<T
144)ときにはモータ基準電流BIMTRを下式(M
4)により演算(ステップS643)する。 BIMTR=C2×FIMTR …(M4) ここに、係数C2は、係数C1よりも小さい例えば、値
(2/3)とされ、従って、上記モータ基準電流BIM
TRは、BIMTR=(2/3)×FIMTRとなる。
スリップサイクルTTAPLが時間144msよりも短
いときにはブレーキ液の込め周期が短いことを意味し、
このような状態にあるときにモータ基準電流BIMTR
を演算する際に係数C1を使用すると初期増圧が大き過
ぎて悪循環を来す虞れがあるために、当該係数C1より
も小さい係数C2を使用してモータ基準電流BIMTR
を算出する。
【0091】ステップS642又はS643においてモ
ータ基準電流BIMTRを演算した後スリップサイクル
TTAPLのカウンタを初期値0にリセットし、モータ
駆動電流ピーク値IMTRpを0にして(ステップS6
44)、前述したステップS629(図41)以下のス
テップを実行する。このようにしてモータ基準電流BI
MTRは、モータ駆動電流IMTRの履歴から算出す
る。即ち、モータ直動式ハイドロリックユニット10
(図2)では、モータ電流、モータトルク、ブレーキ液
圧は、比例関係にあるため、スリップ直前のモータ電流
(増圧電流の平均レベルにFIMTRに相当)を記憶
し、再加圧時に使用する。これにより図48に実線で示
すようにブレーキ液圧を速やか、且つ正確に再加圧する
ことができる。図中点線は、増圧電流の平均レベルFI
MTRを使用しない場合の再加圧の変化を示す。また、
再加圧時の加圧量が小さ過ぎた場合でも、モータ駆動電
流IMTRの演算の際にスリップサイクル値TTAPL
に応じて設定される補正値HTIMTR(図46)を使
用する(ステップS629)ことにより、液圧は、図4
9の実線で示すように即座にリカバーされ、適度なスリ
ップサイクルが保持される。図中点線は、モータ駆動電
流IMTRの演算に際して補正値HTIMTRを使用し
ない場合を示す。増圧時のモータ制御 次に、ブレーキ液圧の増圧制御について説明する。
【0092】ブレーキ液圧を増圧する場合、モータ直動
式ハイドロリックユニット10(図2)のモータの慣
性、負荷によるヒステリシスと空回りとを考慮して図5
0に実線で示すようにモータ駆動電流IMTRを所定時
間間隔例えば、100ms毎にステップ状に変化させ、
且つ起動パルスを所定時間毎に付加してモータ16(図
2)を駆動する。即ち、ブレーキ液圧が緩増圧時には、
モータは、殆ど停止した状態となっており、微小にモー
タ駆動電流IMTRを増大しても液圧は、図51の点線
で示すようにスムーズに追従しない。この対策としてモ
ータ駆動電流IMTRに所定時間例えば、100ms毎
に起動パルスを付加して液圧の追従性を向上させる。こ
の起動パスルの電流値は、モータ16の最大許容電流I
MTRmax(例えば、25[A])とされる。尚、図
中点線は、従来の制御方法によるモータ駆動電流を示
す。
【0093】また、氷上路等での減圧時にピストン13
(図2)がシリンダボトムまで下がった場合、その後の
増圧時にモータ16が回転を開始してからピストン13
が動き始まるまでにタイムラグが発生し、これに伴い図
52に点線で示すように液圧が増加する際にタイムラグ
が発生する。この対策として、低μ判定(車体加速度F
GS>−0.2 g)で、且つ大減圧(例えば、72ms
(但し、初回スリップ判定時は200ms)に亘り減
圧)後の増圧開始時には、通常よりも長時間(例えば、
TLG=24ms)、その他の場合には短時間(TST
=8ms)前記起動パルスを付加して、実線で示すよう
に液圧のタイムラグを減少させる。
【0094】次に、前記増圧制御を図53及び図54の
フローチャートを参照しつつ説明する。図53の増圧ル
ーチンS65において、先ず、制御フラグFTMが1か
否かを判別する(ステップS650)。この制御フラグ
FTMは、最初の起動パルスの付加時には0とされてお
り、2回目の起動パルスの付加時までには1にセットさ
れる。従って、ステップS650の判別結果が否定とな
り、プログラムスイッチTISW(図47(b))がオ
フからオンに変化したか否かを判別し(ステップS65
1)、TISWがオフからオンに変化したときには、低
μ路か否かを判別する(ステップS652)。この判別
は、上述したモータ16の空回りからの増圧時における
不都合を回避するためのもので、前後加速度FGSが所
定値(例えば、−0.2 g)より大、且つ直前の減圧制御
が所定時間(例えば、1回目のスリップ制御時には20
0msに、2回目以降のスリップ制御時には72msに
設定される)以上に亘って継続した場合には、判別結果
が肯定になってTACC値として所定値TLG(例えば
24msに対応する)が設定される(ステップS65
3)。一方、ステップS652の判別結果が否定の場合
には、TACC値として所定値TST(例えば、8ms
に対応する値)が設定される(ステップS654)。
【0095】次に、ステップS655に進み、モータ駆
動電流IMTRに100ms毎に起動パルスを付加する
時間をカウントするタイマTM1、モータ駆動電流IM
TRの最初(立上り時)に付加する起動パルスの時間
(パルス幅)TACC値をカウントするタイマTM2を
共に値0にリセットし、モータ駆動電流IMTRをIM
TRmax(25[A])に書き換え(ステップS65
6)、タイマTM2のカウント値を1進め(ステップS
657)、更にタイマTM1のカウント値を1だけ進め
て(ステップS660)、当該ルーチンを終了する。
【0096】後述するように、タイマTM1の時間が1
00ms以内の間は制御フラグFTMが0であり、その
間ステップS650の判別結果は否定となり、引き続き
ステップS651が実行される。また、プログラムスイ
ッチTISWは、今回はオンになっており(図47
(b))、従って、ステップS651の判別結果が否定
となり、ステップS658に進み、タイマTM2のカウ
ント値がTACC値以上であるか否を判別する。タイマ
TM2のカウント値がTACC値以内のときにはステッ
プS656に進み、モータ駆動電流をIMTRmaxに
保持する。ステップS658の判別結果が肯定のとき即
ち、タイマTM2のカウント値がTACC値に達すると
モータ駆動電流IMTRが通常値に戻り、タイマTM1
のカウント値がT100に達したか否かを判別し(ステ
ップS659)、T100に達していないときにはタイ
マTM1のカウント値を1だけ進めて(ステップS66
0)、当該ルーチンを終了する。
【0097】ステップS659においてタイマTM1の
カンウト値がT100(100msに対応する値)に達
すると1回目の起動パルス付加制御が終了し(図5
0)、図54のステップS661に進み、フラグFTM
を1にセットし、タイマTM1、TM3のカウント値を
夫々0にリセットしてステップS662に進む。タイマ
TM3は、モータ駆動電流IMTRを前記100ms毎
にステップ状に変化させるための休止時間(例えば、8
ms)と、2回目以降付加する起動パルスの時間(8m
s)とをカウントするためのもので、ステップS662
では、このタイマTM3のカウント値が所定値T16
(16msに対応する値)以上になったか否かを判別
し、達していないときには、更に所定値T8(8msに
対応する値)以上になったか否かを判別する(ステップ
S663)。タイマTM3のカウント値がT8に達して
いないときには、モータ駆動電流IMTRを0(図5
0)に設定して(ステップS664)、タイマTM3の
カウント値を1だけ進め(ステップS667)、ステッ
プS660(図53)に進む。
【0098】このときフラグFTMは1にセットされて
おり、ステップS650の判別結果が肯定となり、ステ
ップS662(図54)に進む。そして、タイマTM3
のカウント値がT16(16ms)以内、且つステップ
S663の判別結果が肯定即ち、タイマTM3のカウン
ト値がT8(8ms)以上になるとモータ駆動電流IM
TRを最大値IMTRmaxに書き換えて(ステップS
666)、モータ駆動電流IMTRに2回目の起動パル
スを付加してステップS667に進む。
【0099】そして、ステップS650、S662、S
663が繰り返し実行され、タイマTM3のカウント値
がT16以上になるとステップS662の判別結果が肯
定となり、フラグFTMを0にリセットして(ステップ
S665)、ステップS667に進む。そして、再び、
ステップS651、S658、S659が実行されるよ
うになり、タイマTM1のカウント値がT100(10
0ms)を超えるまでモータ駆動電流IMTRが通常値
に戻る。このようにして、100ms毎に起動パルスが
付加されていく。減圧終了時のモータ制御 次に、ブレーキ液圧の減圧制御について説明する。
【0100】ブレーキ液圧を減圧する場合、モータ直動
式ハイドロリックユニット10(図2)では、モータ1
6の慣性とピストン13に加わる正圧のためにモータ駆
動電流IMTRを0にしても減圧は直ぐには止まらな
い。そこで、図55に実線で示すようにモータ駆動電流
IMTR<0の減圧時には、モータを連続的に駆動し、
モータ電流IMTR=0のモータ停止時には、最大許容
電流(+25[A])を所定時間(例えば、8ms)だ
け停止電流として流す。即ち、モータ停止時に当該モー
タを一瞬逆転させて減圧を止める。図56は、モータの
駆動電流IMTRとホイールシリンダ(W/C)のブレ
ーキ液圧との関係を示し、停止電流を加えたときには実
線のようにモータ電流IMTRの変化に追従してブレー
キ液圧が停止する。図中点線は、停止電流を加えない場
合を示す。尚、増圧時は、ピストン圧がモータを停止さ
せる方向に作用するために前記停止電流は不要である。
【0101】次に、図57のフローチャートを参照しつ
つ減圧処理について説明する。図57の減圧処理ルーチ
ンS67において、制御フラグFTM2が1であるか否
かを判別する(ステップS671)。この制御フラグF
TM2は、初期状態において0とされている。従って、
ステップS671の判別結果が否定となり、ステップS
672に進み、モータ駆動電流IMTRが負から0に変
化したか否かを判別する。この判別結果が否定、即ち、
減圧中のときには当該ルーチンを終了し、肯定、即ち、
停止時には停止電流の付加時間をカウントするタイマT
M4のカウント値を0にリセットすると共に前記フラグ
FTM2を1にセットする(ステップS673)。次
に、タイマTM4のカウント値が前記T8(8ms)に
達したか否かを判別し(ステップS674)、8ms以
内のときにはタイマTM4のカウント値を1だけ進め
(ステップS675)、モータ駆動電流IMTRを最大
値IMTRmax(+25[A])に書き換え(ステッ
プS676)、当該ルーチンを終了する。
【0102】フラグFTM2は、1とされており、従っ
て、ステップS671の判別結果が肯定となり、ステッ
プS674に進む。そして、ステップS674の判別結
果が肯定、即ち、タイマTM4のカウント値がT8に達
したときには前記フラグFTM2を0にして(ステップ
S677)当該ルーチンを終了する。このようにしてモ
ータ停止時に一瞬(8ms)当該モータを逆転させる。モータ駆動終了処理 ABS制御終了時には終了処理ルーチンS68(図3
9)により、図58に示すようにモータ駆動電流IMT
Rを0にした直後、間歇的に数回例えば、3回最大電流
+25[A]を加え、最後(3回目)の電流を徐々に0
にし、ホイールシリンダへのブレーキ液の終了込めを実
施してピストン13(図2)をシリンダ12の上端に戻
す。
【0103】なお、本発明のアンチスキッドブレーキン
グ方法は、スリップ率の演算に特徴があり、本発明方法
により演算されるスリップ率を使用して、どの様にブレ
ーキ液圧を増減制御するかは、種々の方法を適用するこ
とができ、実施例のようなファジィ推論による方法に限
定されないことは勿論のことである。また、本実施例で
は、ホイールシリンダとマスタシリンダ間の油路に、モ
ータ直動式ハイドロリックユニット(HU)10を配設
し、このユニット10によってブレーキ液圧を制御する
ようにしたが、本発明の適用は、このハイドロリックユ
ニット(HU)10に限定されないことも、勿論のこと
である。
【0104】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
アンチスキッドブレーキング方法に依れば、操舵装置の
操舵角を検出し、車両旋回時に検出した操舵角に応じて
基準車体速度の内輪差を補正し、補正した基準車体速度
に基づいてスリップ率を演算するようにしたので、急旋
回時の内輪、外輪の各スリップ率がそれぞれ適切に制御
されることになり、急旋回時にも十分な制動力が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法が適用されるABS装置の全体構成
の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示すハイドロリックユニット(HU)1
0のより詳細な構成を示す油圧回路図である。
【図3】図1に示す電子制御装置30の、入力信号処理
の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す電子制御装置30の、ABS制御の
機能ブロック図である。
【図5】図1に示す電子制御装置30により実行される
ABS制御の制御手順を示す、メインルーチンのフロー
チャートである。
【図6】スリップ率Sと摩擦係数μとの関係を示すグラ
フである。
【図7】図1に示す電子制御装置30により実行される
基準車体速演算の手順を示すフローチャートの一部であ
る。
【図8】図7に示すフローチャートに続く、基準車体速
演算手順のフローチャートの他の一部である。
【図9】図7および図8に示すフローチャートに続く、
基準車体速演算手順のフローチャートの、更に別の一部
である。
【図10】図7,図8および図9に示すフローチャート
に続く、基準車体速演算手順のフローチャートの残部で
ある。
【図11】第1回目のスリップ制御における基準車体速
Vrefoと基準車輪速Vsel との関係をグラフである。
【図12】第2回目以降のスリップ制御における基準車
体速Vrefoと基準車輪速Vsel との関係をグラフであ
る。
【図13】前後加速度FGSと、それによって設定され
る勾配係数Gslp および分離係数Gsep との関係を示す
グラフである。
【図14】基準車体速Vref の内輪差補正を行なった場
合の効果を示す、実車体速度および実車輪速度の時間変
化を示すグラフである。
【図15】図1に示す電子制御装置30により実行され
る、スリップ率補正値の演算手順を示すフローチャート
である。
【図16】基準車体速Vref と、それによって設定され
る初回補正値HOFFとの関係を示すグラフである。
【図17】ハンドル角絶対値Fθhと、それによって設
定される操舵補正値HSTRとの関係を示すグラフであ
る。
【図18】図1に示す電子制御装置30により実行され
る、スリップ率操舵補正値の演算手順を示すフローチャ
ートである。
【図19】図1に示す電子制御装置30により実行され
る、スリップ率悪路補正値の演算手順を示すフローチャ
ートである。
【図20】図1に示す電子制御装置30の、スリップ率
悪路補正値の演算のための機能ブロックである。
【図21】スリップ率悪路補正値の演算に使用する、基
準車体速Vref とそれによって設定されるゲンイとの関
係を示すグラフである。
【図22】スリップ率悪路補正値の演算に使用する、出
力値JDR1と補正係数JDR2との関係を示すグラフ
である。
【図23】車輪加速度FGSと、それによって設定され
るゲインとの関係を示すグラフである。
【図24】悪路度合JD2と、それによって設定される
前輪側の悪路補正値HJDRとの関係を示すグラフであ
る。
【図25】前輪側の悪路補正値HJDRと、それによっ
て設定される後輪側の悪路補正値HJDRRとの関係を
示すグラフである。
【図26】図20に示す機能ブロック図の各点における
信号波形を示すグラフである。
【図27】電子制御装置30が増減圧判定に使用する、
車輪加速度FGxに対するメンバシップ関数のグラフで
ある。
【図28】電子制御装置30が増減圧判定に使用する、
スリップ率SRxに対するメンバシップ関数のグラフで
ある。
【図29】電子制御装置30が増減圧判定に使用する、
目標増減圧量IIに対するメンバシップ関数のグラフで
ある。
【図30】電子制御装置30が増減圧判定に使用する、
車輪加々速度Jxに対するメンバシップ関数のグラフで
ある。
【図31】車輪加速度FGx、車輪加々速度Jx、基準
車体速Vref 、車輪速度FVx、およびブレーキ液圧の
時間変化を示すグラフである。
【図32】電子制御装置30が実行する、スリップ率積
分ルーチンのフローチャートである。
【図33】スリップ率SRxおよびそれを積分して得ら
れるスリップ率積分値ISRxの時間変化を示すグラフ
である。
【図34】電子制御装置30が実行する、スリップ率積
分ルーチンのフローチャートである。
【図35】スリップ率SRx、スリップ率積分値ISR
x、基準車体速Vref 、および車輪速度FVxの各時間
変化を示すグラフである。
【図36】スリップ率積分値ISRx、基準車体速Vre
f 、車輪速度FVx、およびブレーキ液圧の各時間変化
を示すグラフである。
【図37】図4のモータ駆動処理手段の機能ブロック図
である。
【図38】図37のモータ駆動処理手段による目標増減
圧量とモータ駆動電流との関係を示すグラフである。
【図39】図5のモータ駆動処理ルーチンのフローチャ
ートである。
【図40】図39のモータ駆動処理ルーチンにおけるモ
ータ駆動電流演算ルーチンのフローチャートである。
【図41】図40のフローチャートの一部を示すフロー
チャートである。
【図42】図40のフローチャートの一部を示すフロー
チャートである。
【図43】図40のフローチャートの残部を示すフロー
チャートである。
【図44】車体加速度とモータ駆動電流の基準電流との
関係を示すグラフである。
【図45】目標増減圧量とモータ駆動電流を演算するた
めのゲインとの関係を示すグラフである。
【図46】スリップサイクルとモータ駆動電流の補正値
との関係を示すグラフである。
【図47】モータ駆動電流、プログラムスイッチ、増圧
電流の平均レベル、スリップサイクルを示すタイムチャ
ートである。
【図48】ABS制御時における車輪速、ブレーキ液圧
の変化を示すグラフである。
【図49】ABS制御時における車輪速、ブレーキ液圧
の変化を示すグラフである。
【図50】増圧時におけるモータ駆動電流を示すグラフ
である。
【図51】増圧時におけるブレーキ液圧の変化を示すグ
ラフである。
【図52】増圧時におけるブレーキ液圧のタイムラグを
示すグラフである。
【図53】増圧ルーチンのフローチャートである。
【図54】図53の増圧ルーチンの一部を示すフローチ
ャートである。
【図55】モータ停止時における駆動電流を示すグラフ
である。
【図56】モータ停止時におけるブレーキ液圧変化を示
すグラフである。
【図57】減圧後処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図58】ABS終了時におけるモータ駆動電流を示す
グラフである。
【符号の説明】
3〜6 ブレーキ装置 7 ハンドル 8 ブレーキペダル 9 マスタシリンダ 10 モータ直動式ハイドロリックユニット 21〜24 車輪速センサ 25 ハンドル角センサ 26 加速度センサ 30 電子制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準車体速度と各車輪の車輪速度の偏差
    から各車輪のスリップ率を演算し、ブレーキ装置の各車
    輪のホイールシリンダに供給する液圧を、演算したスリ
    ップ率に応じて制御するアンチスキッドブレーキング方
    法において、操舵装置の操舵角を検出し、車両旋回時に
    検出した操舵角に応じて基準車体速度の内輪差を補正
    し、補正した基準車体速度に基づいてスリップ率を演算
    することを特徴とするアンチスキッドブレーキング方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4870658A (en) * 1986-08-18 1989-09-26 Fujitsu Limited Amplitude equalizer
US5947568A (en) * 1996-04-26 1999-09-07 Denso Corporation Anti-skid control device using acceleration gradient
US6964460B2 (en) * 2003-12-03 2005-11-15 Delphi Technologies, Inc. Brake controller and method for controlling a brake system

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