JPH0663635A - 金属板冷却装置のノズル検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板冷却ラインのノズルの閉塞の有無を低
コストで短時間に検査する装置を提供する。 【構成】 冷却ラインのテーブルローラー６上の幅方向
一定位置を走行可能なノズル水流チェックボード１の上
下両面にとりつけた圧力センサー２、３と、圧力信号送
信機および電源４と、受信機およびモニター装置４０と
からなる金属板冷却ラインのノズル検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】金属板の連続処理プロセスにおけ
る冷却装置の保守技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば鉄鋼の熱間圧延鋼板製造プロセス
では板幅１〜２ｍ、厚み数ｍｍの薄板を連続的に製造し
ている。鋼板の連続圧延後のライン最終部分では、圧延
後の鋼板に冷却水をかけて冷却し、その後巻取りが行わ
れる。

【０００３】この冷却の時間パターンが材料品質に大き
く影響することはいうまでもない。図３がこの連続冷却
部分のライン構成模式図である。冷却装置の上面に並ん
だ上ヘッダ８は鋼板の幅方向に長い構造をしており、そ
の幅方向にヘアピン型のノズル９が配列され、鋼板の上
面に冷却水を供給している。同様に下面にも鋼板の幅方
向に長いヘッダが配置され、各ヘッダからノズルを介し
て冷却水を鋼板の下面に供給している。

【０００４】通常これらの複数のノズルの冷却水は１本
のヘッダごとに同時にオンオフ制御されている。その理
由は鋼板の幅方向の冷却を同時に行うことで幅方向の温
度を均一化させるためである。したがって、幅方向の各
ノズルの吐出流の状態は均等でなければならず、ノズル
閉塞、ないしは閉塞にいたらなくても、流量の低下など
のノズル水流不良があると鋼板の幅方向温度の均一化は
達成されない。

【０００５】たとえば図４（ａ）のようなノズル閉塞を
起こしたヘッダの直後では温度分布は図４（ｂ）のよう
な温度極大部が生じることになる。このことは鋼板下面
の冷却ノズルについても同様である。ここで問題点はヘ
アピンノズルの数が多く、上記ノズル水流不良の実用的
なチェックができないことである。

【０００６】すなわち、ヘアピンノズルの数はひとつの
冷却ヘッダについて１００ノズル近くの数があり、冷却
ヘッダ数も１００程度あるので、これらをひとつずつ人
間が定期的に目視検査するのは容易なことではない。自
動チェックするためにノズル、ないしはヘッダごとに流
量センサーなどのチェック用センサーを取りつけること
もできるが、コストがかかることと、水や水蒸気のため
にチェックセンサー自体のメンテナンスが必要になるの
で実用化は不可能である。

【０００７】このような理由のため、通常こういった鋼
板冷却ラインのノズル群については大きな冷却効率のダ
ウン、製造鋼板の品質異常が発見されるまで放置状態に
あるのが現状である。そのため鋼板の幅方向の温度不均
一が発生し、製品の品質上好ましい状態ではなかった。

【０００８】これが各ノズルの吐出流れ状態を検知する
ノズル検査装置が望まれている理由である。公知のノズ
ル検査装置としては、特開平２─２３５５１４号公報に
圧力センサーをヘッダに固定して噴射状態をチェックす
る方法が開示されているが、前述のようにセンサーが多
く必要になるため好ましくない。また常時監視しなけれ
ばならないほどの必要性も薄い。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、必要最低限の数のセンサーを使用して短時間
に簡便に検査できるノズル検査装置を提供するとを目的
とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、金属板の冷却
装置において金属板の進行方向と平行な軌道を走行し、
水圧を電気信号に変換する複数の圧力センサーを金属板
幅方向に直線状に並べたアレイを搭載固定したノズル水
流チェックボードと、走行中得られる該圧力センサーア
レイの出力信号の発信装置と、前記冷却装置の外側に前
記出力信号を受信してモニターする装置と、からなる該
金属板冷却装置の複数組の水流ノズル群の個々のノズル
の吐出水流状態を検査する金属板冷却装置のノズル検査
装置である。

【００１１】

【作用】本発明によれば、水圧を電気信号に変換する複
数の圧力センサーを幅方向に直線状に並べた圧力センサ
ーアレイを搭載したノズル水流チェックボードを、金属
板冷却装置の中で走行させ、走行中得られる圧力センサ
ーアレイの出力信号の時間的変化をモニターすることに
より、金属板冷却装置に設置されている複数組の水流ノ
ズル群について、個々のノズルの吐出水流状態を検査す
ることができる。

【００１２】以下、実施例により詳細を説明する。

【００１３】

【実施例】図１が本発明の冷却ノズル検査装置の模式図
である。図１（ａ）に示すように、ノズル水流チェック
ボード１には、水圧を電気信号に変換する複数の圧力セ
ンサー（圧力トランスミッター）が幅方向に適当な間隔
で直線状に、上面では上面圧力センサアレイ２として、
下面では下面圧力センサアレイ３として、埋設されてい
る。

【００１４】これらのセンサーはローラーテーブル上を
鋼板進行方向と平行に搬送される。圧力信号送信機４は
センサ２、３と電気的に接続されている。圧力信号送信
機４にはバッテリー電源と圧力信号送信機が内蔵されて
いる。ラインの脇の任意の位置に、圧力送信機４の発信
信号を受信しモニターする装置を電源とともに内蔵した
圧力信号受信機４０が設置されている。このような発
信、受信のシステムは公知のＦＭ送信技術などを利用す
ればよい。

【００１５】搬送ガイド５は、鋼板冷却ラインにおいて
ノズル水流チェックボード１を、幅方向の一定位置を鋼
板進行方向と平行に走行させるためのものであり、図１
（ｂ）はノズル水流チェックボード１をテーブルローラ
ー６上を走行させている状態の模式図である。テーブル
ローラー６には本発明のノズル水流チェックボード１の
搬送ガイド５に嵌合するガイド溝７が掘ってある。図１
（ｃ）に（ｂ）のＡ−Ａ断面図を示す。このようにして
冷却ラインの幅方向で見た測定位置が変わらないように
維持できる。これによって圧力センサーはつねに幅方向
で見た場合一定位置を測定することができる。

【００１６】このようなノズル水流チェックボード１の
走行による測定は、ライン休止時の作業として簡便に実
施できる。本発明は上述の構成に拘束されるものでな
く、本発明のノズル水流チェックボード１とテーブルロ
ーラー上を走行させる任意の機構を組み合わせることが
可能である。例えば、ノズル水流チェックボード１を台
車に搭載し、テーブルローラー６の両脇に台車レールを
敷設し、ウィンチで牽引して移動させてもよい。

【００１７】このような構成で１本のヘッダについて
は、図２（ａ）のようなノズル閉塞は圧力信号として図
２（ｂ）のような低圧力信号として捕らえられる。ノズ
ル水流チェックボード１をテーブルローラー６上に走行
させることによって、冷却ライン上に並ぶ各ヘッダごと
にノズルの噴射状況を短時間にモニターすることができ
る。

【００１８】本発明を実施するのに必要なセンサーの数
は幅方向のノズル数程度でよく、使用時以外はノズル水
流チェックボード１は環境のよいところにおいてよいの
で、センサーメンテンスの問題はない。以上熱延鋼板の
連続水冷冷却ライン用のノズル検査装置について述べて
きたが、本発明は鋼板以外の加熱された金属板の連続冷
却にも適用できることは明らかである。

【００１９】

【発明の効果】少ないセンサーで効果的に冷却ノズル検
査を効率よく行えるようになり、ノズル閉塞などを未然
に防止するメンテナンスができるようになる。その結
果、高温金属板の幅方向の冷却温度の制御精度が向上
し、製品品質が向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の実施例のノズル水流チェックボ
ードの構成を示す説明図。 （ｂ）ノズル水流チェックボードを冷却ライン上で搬送
する状況の説明図。 （ｃ）（ｂ）のＡ−Ａ断面図。

【図２】本発明によるノズル水流の検査状況の説明図。

【図３】熱間圧延機後方の連続冷却ラインの構成図を示
す模式図。

【図４】ノズル閉塞があった場合の幅方向温度分布を示
す説明図。

【符号の説明】

１ ノズル水流チェックボード ２ 上面圧力センサアレイ ３ 下面圧力センサアレイ ４ 圧力信号送信機および電源 ４０ 受信機およびモニター装置 ５ 搬送ガイド ６ テーブルローラ ７ テーブルローラのガイド溝 ８ 冷却装置のヘッダ部 ９ ヘアピンノズル １０ 熱間圧延機仕上げスタンド １１ ピンチローラ １２ コイラー Ｐ 鋼板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板の冷却装置において金属板の進行
   方向と平行な軌道を走行し、水圧を電気信号に変換する
   複数の圧力センサーを金属板幅方向に直線状に並べたア
   レイを搭載固定したノズル水流チェックボードと、走行
   中得られる該圧力センサーアレイの出力信号の発信装置
   と、前記冷却装置の外側に前記出力信号を受信してモニ
   ターする装置と、からなる該金属板冷却装置の複数組の
   水流ノズル群の個々のノズルの吐出水流状態を検査する
   金属板冷却装置のノズル検査装置。