JPH0663595U - フォークリフト車両 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手押式フォークリフト車両において、台車上
のフォークを複動式伸縮シリンダにより強制的に昇降作
動してフォークの昇降を安定的に行なうことができるよ
うにするとともに車両自体をトラックの荷台等に容易に
積載でき、またフォーク上昇時のマストの全高を低くす
る。 【構成】 台車Ｔに立設されるアウタマスト２にインナ
マスト７を昇降自在に嵌合し、それら両マスト２，７間
に複動式伸縮シリンダＣを連結し、インナマスト７にス
ライダ１３を昇降自在に嵌合し、このスライダ１３とア
ウタマスト２とをインナマスト７を経由する索条１５，
１６を介して連結する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はフォークリフト車両、特にトラック等の運搬車両に搭載可能であり、 手押し式の軽量、小型なフォークリフト車両に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来台車上に固定マストと可動マストよりなる昇降マストを設け、この昇降マ ストに設けたフォークを伸縮シリンダにより昇降作動して荷役作業を行なうよう にしたフォークリフト車両は公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで従来のこの主フォークリフト車両では、フォークを昇降作動するため の伸縮シリンダは単動式であり、フォーク自体はその自重で下降するようになっ ているので、特に空のフォークの下降作動が緩慢となり作業性が悪く、またこの フォークリフト車両をトラック等の運搬車両の荷台に積込むには、人手に依存し ており、多大の労力と時間とを要して、労力の確保が難しいばかりでなく、非能 率的であるという課題があり、また、フォーク上昇時のマストの全高が高くなり 、荷役作業等が不安定になるという別の課題もある。

【０００４】 本考案はかかる実情に鑑みてなされたもので、台車に一体に立設されるアウタ マストに対し、フォークを支持するインナマストを複動式伸縮シリンダにより強 制的に昇降作動できるようにするとともにインナマストの昇降作動機構を改良す ることにより、前記課題をすべて解決できるようにした、構成簡単なフォークリ フト車両を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的達成のため、本考案の特徴とするところは、台車上に一体的に立設さ れるアウタマストにインナマストを摺動自在に嵌挿し、前記アウタマストとイン ナマスト間には、インナマストをアウタマストに対して昇降作動させる複動式伸 縮シリンダを連結し、前記インナマスト内には、フォークを支持したスライダを 昇降自在に嵌合し、このスライダと前記アウタマストとを、前記インナマストを 経由した索条を介して連動連結し、前記伸縮シリンダの伸縮作動により、前記ス ライダを強制的に昇降作動できるようにしたことである。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の一実施例について説明する。

【０００７】 図１は、本考案フォークリフト車両の全体側面図、図２は、図１の２線矢視背 面図、図３は、図２の３−３線拡大断面図、図４は、本考案フォークリフト車両 の要部の分解斜視図、図５は、前記車両のフォーク上昇時の側面図である。

【０００８】 図１〜５に示すように、フォークリフト車両Ｖは、台車Ｔと、この台車Ｔ上を 昇降作動されるフォークＦと、このフォークＦを昇降駆動する複動式伸縮シリン ダＣとを備えている。

【０００９】 前記台車Ｔは、平面コ字状をなす台車枠１の背面左右コーナー部に、対をなす アウタマスト２，２を一体に立設してなり、これらのアウタマスト２，２は横断 面コ字状に形成されてそれらの上、下部は上横杆３および下横杆４により一体に 結合されて枠状に形成されている。また一対のアウタマスト２，２の背面間には パワーユニットＵｐが支持され、このパワーユニットＵｐはアウタマスト２，２ の補強部材として機能している。台車枠１の左右前端にはそれぞれ操向自在な、 小径の前輪５，５が軸架され、またパワーユニットＵｐの下面左右には一対の後 輪６，６が軸架され、該後輪６，６はパワーユニットＵｐにより回転駆動される 。パワーユニットＵｐは従来公知のもので、電動モータ、エンジン等の駆動源、 これにより駆動される油圧モータ、減速機、切換弁機構等が内蔵される。

【００１０】 前記一対のアウタマスト２，２には、一対のインナマスト７，７がそれぞれ上 下に摺動自在に嵌挿されており、これらのインナマスト７，７も横断面コ字状に 形成され、それらは上、下横桁８，９および支持杆１０により一体に結合されて 枠状に形成される。

【００１１】 前記インナマスト７，７には前記フォークＦが昇降自在に嵌合されている。こ のフォークＦは、図２に示すように前記台車Ｔの外側にあって略水平方向にのび る一対のフォーク爪１１，１１を備えており、該フォーク爪１１，１１の後端起 立部は連結枠１２に一体に結合されており、またフォーク爪１１，１１の先端に は、後に述べるように、このフォークリフト車両ＶをトラックＴｒの荷台３０に 積載するのに利用されるロック孔１４，１４が開口されている（図４参照）。 図４に明瞭に示すように、前記連結枠１２の背面左右には、一対のスライダ１３ ，１３が一体に固着され、これらのスライダ１３，１３は前記インナマスト７， ７に上下に摺動自在に嵌合されている。而して前記インナマスト７，７とスライ ダ１３，１３間にはローラ等の滑動部材（図示せず）が介装されており、フォー クＦがインナマスト７，７に沿って円滑に昇降できるようになっている。

【００１２】 アウタマスト２，２を連結する上横杆３の左右中央部には上昇用チエン１５の 一端が結着１８され、このチエン１５はインナマスト７，７の支持杆１０上で、 前記伸縮シリンダＣのピストンロッド先端に軸支した上部スプロケット１７を経 由してフォークＦの連結枠１２の左右中央部に結着１９されている。また前記上 横杆３には前記上昇用チエン１５の両側において一対の下降用チエン１６，１６ の一端がそれぞれ結着２１，２１されており、これらのチエン１６，１６は、イ ンナマスト７，７の下横桁９に軸支した下部スプロケット２０，２０を経由して フォークＦの連結枠１２にそれぞれ結着２２，２２されている。

【００１３】 フォークリフト車両Ｖの通常の走行状態では、図１に示すように複動式伸縮シ リンダＣは収縮状態にあり、フォークＦは最下降位置にある。また前記シリンダ Ｃの伸長作動によれば、上昇チエン１５を介してフォークＦが上昇駆動され、そ の上に積載されるコンテナＣｏ等の荷物を扛上させることができ、また前記伸縮 シリンダＣの収縮作動によれば、下降用チエン１６を介してフォークＦを強制的 に下降駆動させることができる。而してフォークＦはその自重に依存することな く下降駆動されるで、その作動を円滑、迅速かつ安定的に行なうことができる。 またフォークＦは上昇および下降用チエン１５，１６，１６を介して昇降される ので、その昇降ストロークを伸縮シリンダＣの伸縮ストロークの略１／２とする ことができ、フォークリフト車両Ｖの全高を低く抑えることができる。

【００１４】 次に図６〜８を参照してフォークリフト車両Ｖ自体を、その伸縮シリンダＣを 利用してトラックＴｒの荷台３０に積載する過程について説明する。

【００１５】 図６は、走行状態にあるフォークリフト車両ＶのフォークＦをトラックＴｒに ロックした状態を示し、図７は、フォークリフト車両Ｖを扛上させた状態を示し 、図８は、図６の８矢視平面図を示している。

【００１６】 トラックＴｒの荷台３０の後部コーナには、積込アーム２５の基端が略鉛直な 枢軸２６回りに約９０度旋回できるように支持されており、この積込アーム２５ の両端には、一側方に開口して一対の差込孔２７，２７が形成されており、これ らの差込孔２７，２７に前記一対のフォーク爪１１，１１を抜差自在に差込める ようになっている。また前記積込アーム２５の両端には前記差込孔２７，２７と 直交して、前記フォーク爪１１，１１先端のロック孔１４，１４と合致し得るピ ン孔２８，２８が穿設されている。そして互いに合致したロック孔１４，１４と ピン孔２８，２８とにロックピン２９，２９を差込むことにより、それらをロッ クできるようになっている。

【００１７】 今図６に示すように、複動式伸縮シリンダＣの伸長作動により、フォークＦを 上昇させた後、車両Ｖを走行させてフォーク爪１１，１１の先端をトラックＴｒ の荷台３０上に臨ませる。次に前記積込アーム２５を図８実線に示すように後方 に旋回すれば、その両端の差込孔２７，２７はフォーク爪１１，１１の先端に差 込まれる。そして一致したロック孔１４，１４とピン孔２８，２８とに、ロック ピン２９，２９を差込めば、フォーク爪１１，１１は積込アーム２５にロックさ れる。ここで複動式伸縮シリンダＣを収縮作動すれば、図７に示すようにフォー クリフト車両Ｖ全体は扛上されて台車ＴはフォークＦに近接し、車両Ｖ自体は図 １に示す走行状態と同じ状態となって積込アーム２５により片持支持される。こ こで積込アーム２５を図８矢印ａに示すように、トラックＴｒの前方に略９０度 旋回すれば、図８鎖線に示すようにフォークリフト車両ＶをトラックＴｒの荷台 ３０上に積載することができる。

【００１８】 またフォークリフト車両Ｖを荷台３０上より地上に降ろすには、前記積込の場 合と逆の操作を行なえばよい。

【００１９】 以上のようにフォークリフト車両Ｖは、そのフォークを複動式伸縮シリンダＣ によりその上昇と下降とを強制的に行なうようにしたので、フォークが空の場合 にもこれを迅速に安定して下降させてフォークＦによる荷役作業を能率よく行な うことができ、また前述したように、フォークリフト車両Ｖを伸縮シリンダＣを 利用してトラックＴｒの荷台３０等走行面よりも高い位置に容易に扛上させるこ とができる。

【００２０】 またフォークは伸縮シリンダにより、スプロケットを経由したチエンを介して 昇降作動することができるので、該伸縮シリンダの伸縮ストロークを、フォーク の昇降ストロークの略１／２とすることができ、フォークリフト車両の全高を低 くすることができる。

【００２１】 以上本考案の一実施例について説明したが、本考案はその実施例に限定される ことなく、本考案の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば前記チエンに 代えてロープ、ワイヤ等従来公知の可撓性索条を、またスプロケットに代えて滑 車等の案内輪を使用してもよく、またアウタマスト２，２とインナマスト７，７ との間に中間マストを介在するようにしてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば台車上に一体的に立設されるアウタマストにイン ナマストを摺動自在に嵌挿し、前記アウタマストとインナマスト間には、インナ マストをアウタマストに対して昇降作動させる複動式伸縮シリンダを連結し、前 記インナマスト内には、フォークを支持したスライダを昇降自在に嵌合し、この スライダと前記アウタマストとを、前記インナマストを経由した索条を介して連 動連結し、前記伸縮シリンダの伸縮作動により、前記スライダを強制的に昇降作 動できるようにしたので、フォークを強制的に昇降駆動して、該フォークによる 荷役作業を安定して能率よく行なうことができるとともに前記伸縮シリンダを利 用して車両自体をトラックの荷台上等の高位置上に扛上させることができる。ま たフォークの昇降ストロークに対して伸縮シリンダの伸縮ストロークを短くする ことができ、車両自体の全高を低くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案フォークリフト車両の全体側面図

【図２】図１の２線矢視背面図

【図３】図２の３−３線拡大断面図

【図４】本考案フォークリフト車両の要部の分解斜視図

【図５】前記車両のフォーク上昇時の側面図

【図６】走行状態にあるフォークリフト車両のフォーク
をトラックにロックした状態を示す図

【図７】フォークリフト車両を扛上させた状態を示す図

【図８】図６の８矢視平面図

【符号の説明】

２・・・・・アウタマスト ７・・・・・インナマスト １３・・・・スライダ １５・・・・索条としての上昇用チエン １６・・・・索条としての下降用チエン Ｆ・・・・・フォーク Ｃ・・・・・伸縮シリンダ Ｆ・・・・・アウタフレーム Ｔ・・・・・台車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 台車（Ｔ）上に一体的に立設されるアウ
   タマスト（２）にインナマスト（７）を摺動自在に嵌挿
   し、前記アウタマスト（２）とインナマスト（７）間に
   は、インナマスト（７）をアウタマスト（２）に対して
   昇降作動させる複動式伸縮シリンダ（Ｃ）を連結し、前
   記インナマスト（７）内には、フォーク（Ｆ）を支持し
   たスライダ（１３）を昇降自在に嵌合し、このスライダ
   （１３）と前記アウタマスト（２）とを、前記インナマ
   スト（７）を経由した索条（１５，１６）を介して連動
   連結し、前記伸縮シリンダ（Ｃ）の伸縮作動により、前
   記スライダ（１３）を強制的に昇降作動できるようにし
   たことを特徴とする、フォークリフト車両。