JPH0662449B2 - 塩素含有金属アルコキシドの製造法 - Google Patents

塩素含有金属アルコキシドの製造法

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JPH0662449B2 JP15426987A JP15426987A JPH0662449B2 JP H0662449 B2 JPH0662449 B2 JP H0662449B2 JP 15426987 A JP15426987 A JP 15426987A JP 15426987 A JP15426987 A JP 15426987A JP H0662449 B2 JPH0662449 B2 JP H0662449B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業状の利用分野] 本発明は、塩素を含有する金属アルコキシド溶液の製造
法に関し、さらに詳しくは長期間にわたり安定な組成を
有する高濃度塩素含有金属アルコキシド溶液の製造法に
関する。
[従来の技術] 従来、アルカリ金属、アルカリ土類金属に比べてイオン
化エネルギーの大きい金属のアルコキシドを製造する場
合、出発原料としては金属の塩化物が利用される。この
金属塩化物中の塩素が完全にアルコキシド基に置換され
ず、部分的に残った場合、塩素含有金属アルコキシドと
なるが、この物質は最近まで触媒としての用途の他は、
余り注目されるような用途も持たず、製造法自体も余り
検討されていなかった。かなりよく検討されている塩素
の完全置換型金属アルコキシドの製造法も含め従来の製
造法は大別して4種類に分けられる。
まず第一の方法は金属塩化物とアルコールを混合、加熱
する方法であり、(1) 式で示される。
MCln+xROH →MCln-x(OR)x+xHCl …(1) この反応式においてM は金属を表わし、ROH はアルコー
ルを表わす。またn は金属の原子価に相当する正の整数
となり、一方x はn 以下の正の数となる。この反応にお
いては、塩素に対してアルコールの置換が余り進行せ
ず、従って塩素含有割合のコントロールができず、また
塩酸の生成で発煙するなどの問題があることから現実的
な塩素含有金属アルコキシドの製造法には到っていな
い。
第2の方法は完全に置換された金属アルコキシドと同一
金属の塩化物を単純に混合する方法で、(2) 式よりわか
るようにこの場合は、2つの原料の混合割合を変えるこ
とにより、一応塩素含有率を自由に変化させることがで
きる。
(n-x)MCln +xMOR →nMCln-x(OR)x …(2) しかし、この方法では置換反応が進行しにくく均一組成
の溶液とならないこと、および一旦完全置換型のアルコ
キシド[M(OR)n]を製造した後、金属塩化物と混合する
という複雑な工程を必要とするので高価となるという問
題があった。
第3の方法は、普通完全置換型のアルコキシドを製造す
るのに利用されている金属塩化物のアルコール溶液にア
ンモニアを吹き込む方法で、この(3) 式で示す化学反応
式により反応が進行して金属塩化物中の塩素がアンモニ
アと反応して塩化アンモニウムとなり、一方金属には溶
媒のアルコールが配位する。
MCln +xROH+xNH→MCln-x(OR)x+xNHCl…(3) しかしながら、この方法では吹き込むアンモニアガスを
溶液に完全に吸収させることが困難であり、塩素基の置
換の程度を簡単に定量できないこと、反応途中でNHCl
が析出するに従い溶液が粘稠化し、攪拌が著しく阻害さ
れるため局部過熱、突沸、NH管の閉塞などの問題が起
き易く、この問題を回避するためにはアルコキシドの濃
度をかなり下げなければならないこと、およびアンモニ
アが液中に残存し易く、そのため溶液が加水分解し易い
など多くの問題があった。
第4の方法は金属ナトリウムを使用して金属塩化物との
交換反応により、塩素含有金属アルコキシドを製造する
方法であり、化学反応式で示すと次の(4) 式のようにな
る。
MCln+xNaOR →MCln-x(OR)x+xNaCl …(4) この方法においては、金属塩化物はそのままでは扱いに
くく、反応も激しいため、従来アルコールに溶解した希
釈液で使用し、またナトリウムアルコキシドもアルコー
ル中に溶解させて使用するため、高濃度の塩素含有金属
アルコキシドを製造できないという問題点があった。
(特開昭61-21919号公報参照) [発明が解決しようとする問題点] 塩素含有金属アルコキシドを製造しようとする場合、塩
素含有割合が簡単にコントロールできるということは重
要な点であるが、第1の方法および第3の方法において
は、この点に問題があり現実の製造方としては考えにく
い。また、第2の方法では均一な組成のものが得られな
いという問題点があった。
またもう一つの重要な点に濃度の問題がある。
普通得られた溶液を塗膜として種々の用途に使用する場
合は、この溶液を種々の溶剤と混合して粘度を調製した
り溶媒の蒸発量を調製したりする必要がある。このた
め、原液自体は高濃度である必要があり、輸送コストな
どを考えても、高濃度溶液は非常に有利である。しか
し、従来法においては、直接高濃度のもとを製造すする
方法はとられておらず、高濃度のものが必要な場合な濃
縮を行っていたが、通常真空蒸留などによって濃縮操作
を行う場合、空気中の水分を吸収し易く、しかも過熱操
作が加わるため加水分解が促進され、特にTe、Zr、Feな
どにおいては微量の水分でもゲル化をおこし易いという
問題点があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、従来の係る問題に鑑みてなされたものであ
り、高濃度の塩素含有金属アルコキシドを直接製造する
方法につき、鋭意検討したところ、アルコールに金属塩
化物を溶解した後、アルカリ金属と直接反応させる方法
をとることにより塩素の置換度のコントロールが簡単
で、高濃度且つ安定性の高い塩素含有金属アルコキシド
を製造できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明はアルコールに溶解した金属塩化物(M
Cln)1グラム当量に対し、アルカリ金属をn グラム当量
以下の割合で添加することを特徴とするMCln-x(OR)x
組成からなる塩素含有金属アルコキシドの製造法であ
る。
本発明において使用される金属塩化物は、液体としては
TiCl、GeCl、SnCl、SbCl、SiCl、TeCl、固
体としてはTaCl、ZrCl、SnCl、FeCl、NbCl
SbClおよびCuClがあげられるが、これらはいずれも
水分を含まぬ無水塩で使用し、アルコールは脱水アルコ
ールを使用する必要があり、またアルコールに溶解させ
る際にも大気中の湿気に触れないように雰囲気を乾燥ガ
スと置換させる必要がある。また上記塩化物はアルコー
ルに溶解させる場合発熱を伴うので、液体の無水塩化物
をアルコールに溶解する場合は充分に冷却したアルコー
ル中にゆっくり添加する必要があり、また固体の場合は
充分に冷却したアルコールをゆっくり添加していくひつ
ようがある。本発明で用いられるアルコールは炭素数1
〜10のアルキル基、アルコキシアルキル基を有するアル
コール、または多価のアルコールである。これら上記の
塩化物の溶解度は非常に高濃度となるので、固形物が多
い場合やアルコールの溶解度が低い場合未溶解塩化物が
残留する場合があるが、アルカリ金属との反応が進行す
るに従い溶解し反応が終了した時点では完全に消失す
る。上記製造法において金属塩化物にもよるが、大略3
mol/までの濃度の溶液が製造可能であり、もちろんこ
の濃度以下の溶液はより簡単に製造できる。また、金属
アルコキシドの塩素含有割合は、金属塩化物に対して添
加するアルカリ金属の量によって任意に調節することが
できる。すなわち、アルカリ金属の量を調整することに
より金属塩化物中から引き抜かれる塩素の量が調整され
るので、n で示される金属の原子価数以内、すなわちn
以下の範囲で塩素の含有量を自由にコントロールでき
る。なお使用されるアルカリ金属はNa、K、Li 等である。
上記の方法によってえられた高濃度塩素含有金属アルコ
キシドは非常に安定であり、従来の完全置換型アルコキ
シド[M(OR)n で示される]では、大気中曝露テストで
数日間のポットライフしかなかったものが、本発明製品
では数カ月間にわたって安定であることがわかった。ま
た、この溶液は高濃度であるため輸送等のコストが非常
に安価であり、実際に使用する目的に応じてそれぞれの
希釈溶剤を用いて粘度、濃度、溶媒等の選択が可能であ
る。
希釈溶剤としては、ヘキサン、ペプタン、シクロヘキサ
ン等の炭化水素やベンゼン、トルエン等の芳香族、メタ
ノール、エタノール等のアルコール、エチレングリコー
ル等の多価アルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルのよう
なエステル類、ジエチルケトン、アセトンのようなケト
ン類、THF、クロロホルム等があげられる。
[実施例] 以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例1 イソプロピルアルコール1000mを3三ツ口フラスコ
にとり、5〜10℃になるように充分冷却する。なお、フ
ラスコの中は湿気がないよう窒素で充分置換し、密閉状
態にしておく。次に液を撹拌しながら等圧ロートにてTi
Cl284.6gを徐々に滴下する。滴下後、金属ナトリウ
ム、103.5gを 2〜3回に分けて投入する。初め反応が激
しい場合は温度を下げ、ある程度反応が進行した後は温
度を上昇させて、反応速度をコントロールする。生成し
たNiClを別すると黄色のTi(OPr3)Clが生成し、この濃
度は1.33mol/であった。生成した液は大気中に1カ月
以上放置しても何ら変化は認められなかった。
実施例2 粉末のZrCl349.5gを3三ツ口フラスコにとり、充分
に冷却しつつ、この溶液に冷却したn-ブタノールを撹拌
しながら1000ml序々に添加していく。約2〜3 時間撹
拌すれば、ZrClは完全にn-ブタノールに完全に溶解す
る。これをさらに冷却しつつ、Naを数回に分け、103.5g
投入する。この反応は約4〜5 時間で終了する。
この溶液の組成、色調、濃度、安定性を表1に示す。
実施例3〜13 塩化物が液体の場合は実施例1、固体の場合は実施例2
と同様の装置を用い、同様の操作を行った。用いた金属
塩化物、アルコール、アルカリ金属の種類とそれぞれの
量、生成した溶液の組成、濃度、色調、安定性を表1に
示す。安定性については、1カ月大気中において変化し
なかったものは○、わずかに底に沈殿が生成したものは
△とした。
比較例1. n-ブタノール 1000mlを3三ツ口フラスコにとり充分
に冷却した。窒素ガスでフラスコ内を置換した後これに
TiCl284.6gを徐々に滴下し、黄色の溶液を得た。
この溶液に500ml/minの吹き込み速度で、NHガスを吹
き込んだ。1時間吹き込むとNHClの生成量が多く、ス
ラリーが粘稠化し撹拌が困難となったので、ベンゼンを
800ml加え、吹き込みを続けたが再び粘稠化したので、
更に800ml加えて吹き込み続けた。3時間で反応は終了
したので、別後無色透明のTi(OBu)を得た。濃度は
0.52 mol/であった。
この液は大気曝露したところ約2日間でゲルした。
比較例2. n-ブタノール 1800mlを2の三ツ口フラスコにとり充
分冷却する。これにTiCl189.7gを徐々に加え、1.16mo
l/の溶液を得た。これをA液とする。
別の容器(2の三ツ口フラスコ)にn-ブタノール 120
0mlをとり、充分に冷却しながらNaを69g 投入し 2.5mol
/のNaOBu を得た。これをB液とする。
上記A液をローラポンプでB液中に徐々に添加する。反
応後、生成NaClを別して、組成が Ti(OBu)Cl、濃度
0.49mol/の溶液を得た。
得られた溶液を真空蒸留して 1.2mol/の濃度に濃縮し
た液は、4日間でゲル化した。
[効果] 本発明において製造される塩素含有金属アルコキシドは
様々な用途への使用が可能であり、例えばこれを原料と
して成膜した場合光学特性電磁気特性、誘電特性、酸化
保護膜、耐磨耗性膜などの特性をもつ機能性膜、加水分
解による超微粉体の生成を応用したセラミックス粉末の
ドーピング剤、焼結助剤などへの応用、ゾルーゲル法な
どによるファイバー、多孔質体、多形状のガラス体等が
できる。また、これら様々な用途および機能に対応する
ため、塩素含有金属アルコキシドは単独で使用されるだ
けでなく、2種類以上組合せることによりより良好な特
性を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/00 A 8018−4H Z 8018−4H 9/00 Z 9155−4H 15/02 9155−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコールに溶解した金属塩化物(MCl
    n)〔Mは金属原子を表し、nはMの原子価に相当する整
    数を表す。〕1グラム当量に対し、アルカリ金属をnグ
    ラム当量以下の割合で添加することを特徴とするMCl
    n-x(OR)〔xは0〜nの正数であり、Rは炭素数
    1〜10のアルキル基またはアルコキシアルキル基を表
    す。〕の組成からなる塩素含有金属アルコキシドの製造
    法。
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