JPH0662302U - ワーク端面凹部の偏心量測定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワーク端面に形成された凹部の偏心量を正確
に測定する。 【構成】 ベース１上の１対のＶブロック３により、エ
ンジンバルブ10を、凹部10cが形成された端面をマーカ
ユニット５側に向けて支持したのち、マーカペン８を凹
部10cの若干外側の任意位置に当接させた状態で、エン
ジンバルブ10を１回転させると、凹部10cの外側に、真
円状のマーカ線が鮮明に印字される。従って、このマー
カ線と凹部10cの周端縁との間の寸法を誤差なく計測す
ることができ、凹部10cの偏心量を正確にチェックしう
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばエンジンバルブの傘表に形成された円形をなす凹部の軸線に 対する偏心量を、簡単にチェックする測定具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

エンジンバルブのなかには、平坦面をなす傘表の中心に、円形の凹部が形成さ れているものがある。

【０００３】 この凹部は、エンジンバルブをプレスにより成形する際、パンチ(上型)により 一体的に形成される。

【０００４】 すなわち、図３に示すように、ダイ(下型)(101)にエンジンバルブの中間体(10 2)を挿入し、その上方に設けられた、下端に円形の突部(103)を有するパンチ(上 型)(104)により強圧すると、傘表となる上端面に円形の凹部(105)を備えるエン ジンバルブ(106)が成形される。

【０００５】 この際、上下の型の軸線に位置ずれが生じていると、成形後のエンジンバルブ (106)の品質に影響を及ぼすことになるため、それらの位置ずれの有無を定期的 又は型交換時に検査する必要がある。

【０００６】 上下の型に位置ずれがあるか否かを検査する簡単な手段として、成形後のエン ジンバルブ(106)の凹部(105)の偏心量をチェックする方法がある。 従来、凹部(105)の偏心量は、次のようにして検査していた。

【０００７】 すなわち、傘表の、凹部(105)を除いた全面にチョークを塗付したのち、その 軸部を１対のＶブロックにより支持しつつ１回転させ、チョーク塗付面に円形の ケガキ線を刻設する。ついで、凹部(105)の周端縁とケガキ線との間の寸法を複 数個所計測すれば、凹部(105)の偏心量を数値で求めることができる。

【０００８】

【考案の解決しようとする課題】

上記した従来のように、傘表にチョークを塗付し、その塗付面にケガキ線を刻 設する方法では、チョークを塗付する手間が煩雑であるだけでなく、凹部(105) の周端縁が不鮮明となるので、ケガキ線との間の寸法に測定誤差が生じ、偏心量 を正確にチェックできないという問題がある。

【０００９】 本考案は、この問題を解決するためになされたもので、凹部の偏心量を容易か つ正確に検査することにより、上下の型の位置ずれの有無を短時間でチェックし うるようにしたワーク端面凹部の偏心量測定具を提供することを目的としている 。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、水平をなすベースと、該ベース上に左右 位置調節可能として設けられ、かつワークの軸部を水平かつ回転可能に支持する ようにした左右１対のワーク支持台と、前記ベースの左右いずれか一方の端部に 立設された支柱に上下位置調節可能に設けられ、かつ前記ワーク支持台側に突出 するマーカペンを有するマーカユニットとを備えている。

【００１１】

【作用】

ベース上の１対のワーク支持台により、ワークを、凹部が形成された端面をマ ーカユニット側に向けて支持したのち、マーカペンを凹部の若干外側の任意位置 に当接させた状態で、ワークを１回転させると、凹部の周縁部の外側に、マーカ ペンによる真円状のマーカ線が鮮明に印字される。従って、このマーカ線と凹部 の周端縁との間の寸法を誤差なく計測することができ、凹部の偏心量を正確にチ ェックすることができる。

【００１２】

【実施例】 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１において、長方形をなす水平のベース(１)の上面中央には、所要幅のガイ ド溝(２)が、右端から左端寄りまで形成されている。

【００１３】 ベース(１)の上面には、ワーク支持台である左右１対の同形のＶブロック(３) (３)が、その下端の下向片(3a)を上記ガイド溝(２)に摺動自在に嵌合することに より、左右位置調節可能に載置されている。

【００１４】 ベース(１)の左端部の上面中央に立設された支柱(４)には、マーカユニット( ５)が、その左端面に固着したブラケット(６)を支柱(４)に嵌合することにより 、上下位置調節可能として支持されている。

【００１５】 マーカユニット(５)は、インクケース(７)と、その右側面下端部に突設された マーカペン(８)とからなり、インクケース(７)内に貯留された、例えば赤色イン ク(９)が、マーカペン(８)の先端より滲み出すようになっている。

【００１６】 上記構成の測定具を用いてワーク凹部の偏心量を検査する際は、まずワークで あるエンジンバルブ(10)の軸部(10a)を、傘部(10b)を左方に向けて両Ｖブロック (３)のＶ字溝により水平に支持する。

【００１７】 ついで、マーカユニット(５)の上下方向の位置を調節して、マーカペン(８)の 先端を傘表に形成された凹部(10c)の外側の任意位置に当接させる。

【００１８】 この状態でエンジンバルブ(10)を１回転させると、図２に示すように、マーカ ペン(８)の先端より、滲み出た赤色インク(９)により、真円状のマーカ線(11)が 鮮明に印字され、このマーカ線(11)と凹部(10c)の周端縁との間におけるほぼ180 ゜相対する部分の寸法(Ｂ)を計測すれば、偏心量＝(Ａ−Ｂ)／２により、凹部(1 0c)の軸線に対する偏心量を容易に知ることができ、この数値に基づいて、図３ に示す上下の型の位置ずれの有無を簡単に確認することができる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案によれば、ワーク端面に、従来のようなチョークを塗付する必要がない ので、検査作業が能率的となる。

【００２０】 また、チョーク塗付に比してマーカ線が鮮明となるので、凹部との離間寸法を 正確に計測することができ、凹部の軸線に対する偏心量を精度良くチェックしう るとともに、凹部をプレスにより成形する際における上下の型の位置ずれを容易 に確認することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す一部切欠側面図であ
る。

【図２】傘表側を示す拡大平面図である。

【図３】エンジンバルブの成形要領を示す断面図であ
る。

【符号の説明】 (１)ベース (２)
ガイド溝 (３)Ｖブロック(ワーク支持台) (3a)
下向片 (４)支柱 (５)
マーカユニット (６)ブラケット (７)
インクケース (８)マーカペン (９)
赤色インク (10)エンジンバルブ (10
a)軸部 (10b)傘部 (10
c)凹部 (11)マーカ線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平をなすベースと、該ベース上に左右
   位置調節可能として設けられ、かつワークの軸部を水平
   かつ回転可能に支持するようにした左右１対のワーク支
   持台と、前記ベースの左右いずれか一方の端部に立設さ
   れた支柱に上下位置調節可能に設けられ、かつ前記ワー
   ク支持台側に突出するマーカペンを有するマーカユニッ
   トとを備えることを特徴とするワーク端面凹部の偏心量
   測定具。