JPH0662104A - 拡声電話機 - Google Patents
拡声電話機Info
- Publication number
- JPH0662104A JPH0662104A JP7717191A JP7717191A JPH0662104A JP H0662104 A JPH0662104 A JP H0662104A JP 7717191 A JP7717191 A JP 7717191A JP 7717191 A JP7717191 A JP 7717191A JP H0662104 A JPH0662104 A JP H0662104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- passage
- gain
- amplifier
- variable gain
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04M—TELEPHONIC COMMUNICATION
- H04M9/00—Arrangements for interconnection not involving centralised switching
- H04M9/08—Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R3/00—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
- H04R3/02—Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for preventing acoustic reaction, i.e. acoustic oscillatory feedback
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
- Telephone Function (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】スピーカとマイクロホンとの間に形成される電
気音響閉ループで発生する不所望発振を防止する。 【構成】閉ループの一部を構成する第1通路C1 内に組
込まれた可変利得増幅器11を具える。第1通路の入力
端子Aと出力端子Bとの間に、少くとも一部分が第1通
路の電話機結合回路を含む部分から分離された第2通路
C2 を設け、この第2通路の利得を発振を発生しやすい
周波数帯域に亘り第1通路の利得より高く維持する手段
を設け、発振が第2通路を経て発生するようにする。更
に、第1通路から分離された第2通路部分に形成された
信号Wを直線調整器13の入力端子に供給し、この調整
器で前記可変利得増幅器とともに第2通路内の可変利得
増幅器12を制御してこの調整器の入力端子の信号、即
ちこの第2通路内の信号を所定値から一定に維持させ
る。
気音響閉ループで発生する不所望発振を防止する。 【構成】閉ループの一部を構成する第1通路C1 内に組
込まれた可変利得増幅器11を具える。第1通路の入力
端子Aと出力端子Bとの間に、少くとも一部分が第1通
路の電話機結合回路を含む部分から分離された第2通路
C2 を設け、この第2通路の利得を発振を発生しやすい
周波数帯域に亘り第1通路の利得より高く維持する手段
を設け、発振が第2通路を経て発生するようにする。更
に、第1通路から分離された第2通路部分に形成された
信号Wを直線調整器13の入力端子に供給し、この調整
器で前記可変利得増幅器とともに第2通路内の可変利得
増幅器12を制御してこの調整器の入力端子の信号、即
ちこの第2通路内の信号を所定値から一定に維持させ
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、閉ループ・システム内
で持続する迷惑となるような不所望発振を除去するた
め、このシステムのループの一部分を形成する第一通路
に利得可変増幅器を組込んだ不所望発振防止回路を具え
た拡声電話機に関する。 【0002】 【従来の技術】不所望な発振が持続するおそれのある閉
ループ・システムのうちには、例えば電気的、機械的或
いは物理的な量を制御するためのシステムがある。この
ようなシステムを設計する際、制御ループ内で発振が持
続しないようにするためこのループの利得及び位相条件
に適切な注意を払うことが必要である。あるシステムに
おいては、例えば寄生結合とか突然の摂動とか等の不測
な事態が発生するため、振幅が大となり危険となり得る
ような自励発振が生じないという保証は決してない。ま
た、別のタイプの閉ループ・システムとして電気音響シ
ステムがあり、このシステムは、例えば、電気回路によ
って任意の方法で結合されているマイクロホンとスピー
カ(拡声器)とを有しており、これら2つの変換器が音
響回路で結合されると、高振幅で発振が生じ許容出来な
い程度のハウリングを生じてしまうような電気音響ルー
プが得られる。このようなハウリングの生ずる現象はラ
ッセン効果(Larsen effect) として知られており、例え
ば音声再生装置とか拡声電話機において生じ得る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】電気音響ループでの発
振を防止するために従来一般に行なわれている方法は、
このループに少なくとも可変増幅器又は減衰回路を備
え、これらをループ利得が1以下となるように異なる基
準に従って制御する方法である。拡声電話機に対し採用
されている方法では、2つの包絡線検波器によってスピ
ーカ通路又はマイクロホン通路のいずれに音声信号が存
在するかをチェックしかつ有効通路の利得を増大させて
他方の通路の利得を低減させる方法である。このような
両通路の利得変調を会話中に行なうと、聴者にとって極
めて不愉快となり、加えて、このタイプの方法では利得
制御が音響結合係数に実質的に依存しないので、この方
法は有効的ではない。 【0004】さらに、フランス特許出願第2461412 号に
開示されている別の方法では、2つの通路に2つの信号
包絡線検波器を採用すると共にスピーカ通路に単一の増
幅器を採用し、この増幅器の利得を、マイクロホン通路
の包絡線検波器の出力信号とスピーカ通路の包絡線検波
器の出力信号との間の差信号に所定の重みを付けた信号
により変化させている。この方法では、スピーカとマイ
クロホンとの間の距離が所定の最小距離よりも長い場合
には、増幅器の利得は音響結合係数に対し一定の比にな
り、この最小距離以下の場合にこの方法によって発振を
防止することが出来るだけである。加えて、包絡線検波
器を使用するため、受話が音声信号特にマイクロホンに
対し話しに掛けた話者の音声信号に依存せしめられる。 【0005】本発明は従来方法の欠点や制限を除去した
別のタイプの電気音響ループ発振防止装置を具えた拡声
電話機を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、ループ発振条
件が生じた時、少なくとも第一通路とは別個の部分を有
する第二通路を経てこのループ発振を通過せしめ及びこ
の発振を、調整器によって、このループの残りの部分で
は低くて迷惑とならないような一定レベルへともたらす
ようにすることに基づくものである。 【0007】本発明は、拡声電話機のマイクロホンに結
合された入力端子及びそのスピーカに結合された出力端
子を有する第一通路と、その出力端子と入力端子との間
の音響帰還路とを少くとも含む電気音響ループにおいて
所定の周波数帯域内で生ずる不所望発振を防止する回路
であって、前記第一通路の入力及び出力端子間に可変利
得増幅器を組込んで成る不所望発振防止回路を具えた拡
声電話機において、少くとも一部分が前記第一通路から
分離された第二通路を前記第一通路の入力端子と出力端
子との間に設け、拡声電話機を電話線に結合する結合回
路を前記第一通路の、前記第二通路から分離された部分
に含ませ、更に前記第二通路内に組込まれた少くとも1
個の可変利得増幅器と、第二通路の利得を発振を発生し
やすい前記周波数帯域に亘り前記第一通路の利得より高
く維持する手段と、前記第一通路から分離された第二通
路部分に形成される信号を受信する入力端子及び第二通
路の一部を形成する前記少くとも1個の可変利得増幅器
の制御端子に接続された出力端子を有する直線調整器と
を設け、この直線調整器がこの少くとも1個の可変利得
増幅器を、この直線調整器の入力端子の信号、即ち第二
通路内の信号が所定値から一定に維持されるように制御
するようにしたことを特徴とする。 【0008】本発明の実施例においては、前記第二通路
を前記第一通路から完全に分離させ及び前記第二通路に
は前記直線調整器の入力端子に供給する出力信号を生ず
る可変利得増幅器を設け、この直線調整器によって前記
第二通路の前記可変利得増幅器を制御すると同時に、前
記第一通路の、これら第一及び第二通路に共用される入
力端子近くに設けられた可変利得増幅器及び前記第一通
路の、これら第一及び第二通路に共用される出力端子近
くに設けられた可変利得増幅器の両者又はいずれか一方
を制御するように構成するのが好適である。 【0009】本発明の実施に当っては、さらに第一及び
第二通路はこれら両通路に共用される入力端子近くに設
けられた1個の共通可変利得増幅器及びこれら両通路に
共用される出力端子近くに設けられた可変利得増幅器の
両者又はいずれか一方を具え、これら両通路に共用され
るこれら可変利得増幅器の一方又は他方を前記直線調整
器によって制御するようにすることが出来るので、1個
の可変利得増幅器を省略することが可能となる。 【0010】好都合にも、第二通路によって閉成される
ループで発生する迷惑でない発振の周波数を明確に定め
ることが出来、これを、好ましくは、第二通路の、第一
通路とは異なる部分であって、第二通路の利得を選択し
て増大するために直線調整器の入力端子に供給すべき信
号の取出し点の前側に狭通過帯域フィルタを接続するこ
とによって、行なうことが出来る。 【0011】これに加えて、両通路に対する利得条件を
満たすため、第一通路の、第二通路とは異なる部分に、
第二通路のフィルタと同じ狭通過帯域における利得を高
めるための別のフィルタを含ませることも可能であり、
或いは又、斯様なフィルタを両通路に共用の入力端子の
前段、共用の出力端子の後段或いは共用部分に備えるこ
とも出来る。 【0012】上述した本発明の拡声電話機によれば、電
話機のスピーカとマイクロホンとの間の音響通路と第二
通路とで閉成されるループ(以後補助ループと称す)に
おいて、調整器によって迷惑とならない特に聞き取れな
いように調整された振幅の発振が持続すると同時に、第
一通路で閉成される以下主ループと称する電気音響ルー
プ内に、加入者電話機を結合する結合回路の欠陥或いは
遠方の加入者電話機における音響結合によって生ずるお
それのある迷惑なすなわち不所望なラッセン発振が防止
される。 【0013】本発明をハンドフリータイプの拡声電話機
に使用すると、電話機の送受信通路の利得の自動切換を
極めて簡単に行ない得ることが出来る。この点に関して
留意すべきことは、例えばフランス特許出願第2376576
号に開示されているような電話機を含めて、多くの従来
ハンドフリータイプの電話機では、このラッセン発振の
発生を防止するため、音声による利得切換方式を採用し
ている点である。このタイプの電話機では、送受信両通
路の音声信号のレベルを検出して音声信号レベルの高い
方の通路を判別し、この通路の利得を高めるようになし
かつ他方の通路の利得を低減し、この場合これら両利得
変調を相補的に行なってラッセン発振の生ずるおそれの
あるループの総合利得が1以下となるようになしてい
る。 【0014】本発明によるハンドフリータイプの電話機
においては、不所望なラッセン発振の発生を防止するた
めに音声による利得切換えを行なう必要はないが、別の
理由で、手動利得切換え或いは音声信号によって切換制
御を行なうことも有益となり得る。例えば、非常に騒し
い状況下でハンドフリー電話機を用いる場合には、受話
状態を良好となすため受信リンクの利得を高め、かつ、
より大声で話したりマイクロホンに接近して話したりす
る必要が生ずるかも知れないが、送信リンクの利得を下
げることが重要となり得ることがある。その場合、この
利得切換えを話者が手動ですなわち直接制御し得る。こ
の第二の前提の場合には、話者がハンドフリータイプの
電話機の前で話さないときには、受信リンクの利得を増
大させて聴取状態を良好にする必要があり、また送信リ
ンクの利得を低減させてこの電話機の置かれている箇所
の周囲の雑音が大きく聴こえないようにする必要があ
る。これに対し、話者がハンドフリー電話機に話し掛け
るような場合には、送受信の両リンクの利得を通常の値
になし得る。 【0015】また、本発明によれば、電話機の送受信の
両通路における利得切換えを行なうため極めて簡単な手
段を用いることが可能となることが判った。 【0016】本発明の変形例によれば、第一通路に直線
調整器によって制御されかつ受信通路に配設された可変
利得増幅器を具えている電話機の場合には、マイクロホ
ンと、前記第一及び第二通路の個別部分によって共用さ
れる入力端子との間の送信通路に、第一及び第二通路の
利得を切換える機能を有する別の可変利得増幅器を具
え、前記第二通路の利得を前記第一通路の利得よりも高
く維持するために設けられた前記手段を、前記第二通路
により閉成される電気音響ループが弱い振幅の不所望で
はない発振の発振源であるように、調整し及び前記別の
可変利得増幅器の利得によって引き起された変化によっ
て受信通路での反対方向の利得変化を決定するように構
成出来る。 【0017】又、他の変形例では、この第一通路に含ま
せかつ直線調整器によって制御される可変利得増幅器を
送信通路に備える場合にはスピーカを、前記第一及び第
二通路の個別部分によって共用される出力端子との間の
送信通路に、第一及び第二通路の両通路の利得を切換え
る機能を有する別の可変利得増幅器を具え、前記第二通
路の利得を前記第一通路の利得よりも高く維持するため
に設けられた前記手段を、前記第二通路により閉成され
る電気音響ループが弱い振幅の不所望ではない発振の発
振源であるように、調整し及び前記別の可変利得増幅器
の利得によって引き起された変化によって送信通路での
反対方向の利得変化を決定するように構成出来る。 【0018】直線調整器によって制御されかつ第一及び
第二通路によって共用される可変利得増幅器を採用した
本発明の変形例では、利得の切換えを目的としかつ送信
通路又は受信通路のいずれかにある増幅器での利得変化
を制御することによって、送受信の両通路の利得変化を
正確に相補的に行なうことが出来る。 【0019】利得切換えの上述した2つの変形例におい
て、マイクロホンからの音声信号の検出器を用いて2つ
の通路の自動利得切換えを行なうために、利得切換増幅
器の利得変化を制御することが可能である。 【0020】以下、図面につき本発明を説明する。図1
は、例えば拡声電話機によって形成された電気音響ルー
プを示す。この電話機は電話線2を送信(送話)通路3
及び受信(受話)通路6に結合する結合回路1を備え、
この送信通路にはマイクロホン4と増幅器5とを備えま
た受信通路は受信増幅器7とスピーカ8とを備えてい
る。スピーカ8及びマイクロホン4の両変換器間には、
特にその間の距離及び方向に応じたある程度の音響結合
が生じるが、結合の固定部を形成するマイクロホンがス
ピーカに関して不定位置にあるような、“増幅受信”と
一般に称せられるタイプの電話機ではこの結合状態は変
わるかも知れない。この結合は結合係数1/β<1で表
わされ得る。ここにおいて、βはスピーカによって送出
されマイクロホンに達する音響パワーの減衰を表わして
いる。 【0021】さらに結合回路1に不可避の欠陥があるた
め、電話機の送信通路3に現われる信号を完全に電話線
2を経て再送信することが出来ず、この信号の一部分が
受信通路6に入り込む。図に示す加入者電話機の送受信
通路間に、スピーカとマイクロホンとの間に音響結合の
存在する遠方の加入者スピーカに対して接続された電話
線2を有する通路によって、別の不所望な結合が生じて
しまうおそれがある。送信通路3と受信通路6との間の
不所望結合の原因が何であろうと、電話機の送受信の両
通路間に、これら送信通路3に現われる信号と受信通路
6に現われる信号との比を標準とした一定の利得G1 を
有するデバイス9を設けることが可能である。この場合
例えば、増幅器のような回路10を結合回路1と直列に
配設し、利得G1 がこの回路10の利得を含むようにし
た場合には、このデバイス9の全体的な規定は何ら変化
しない。 【0022】スピーカ8とマイクロホン4との間の音響
結合及び電話機の送信通路3と受信通路6との間の不所
望結合は1つの電気音響ループを形成し、このループの
利得が1に等しいかそれよりも大であると、このループ
には発振が生じるおそれがある。これら発振の周波数は
正確には未知であるが、このループに含まれる構成成分
の通過帯域すなわち約300〜4000Hzにある。こ
れら発振の振幅はループの構成成分の飽和によってのみ
制限される。 【0023】これら不所望ループ発振は電話機の実質的
な使用を不可能とするので、この発振を回避するため、
電話機の受信通路6に可変利得増幅器11を含ませた
り、送受信の両通路の信号の包絡線信号からこの利得g
1 を制御することが知られている。この利得制御方法は
音響結合が強い場合には不十分であり利得g1 を有効音
声信号に依存せしめてしまう。 【0024】本発明はこれとは全く異なる方法で発振を
防ぐことにあり、上述した従来の欠点を回避することが
出来る。本発明によれば、デバイス9及び可変利得増幅
器11を含んでいるループの第一通路C1 の端子A及び
Bに、別の可変利得増幅器12を含む第二通路C2 を接
続する。この増幅器12の利得g2 の制御を直線調整器
13によって行ない、この調整器は入力信号として増幅
器12の出力端子に生じた信号Wを受け取り、利得制御
信号vg2を生じて、これにより信号Wのレベルを増幅器
12の入力信号xのある値より以上の一定値に維持する
ようになしている。 【0025】図2はこのように制御される増幅器12の
入力信号xの関数としてこの出力信号Wを示す特性図で
ある。入力信号xの値がx0 となると出力信号の値はW
0 となり、この値x0 までは、増幅器の利得g2 は一定
であって直線OCの勾配で定まる最大値g2 M=W0 /
x0 に等しい。x0 の値を越えると、出力信号Wのレベ
ルは一定となりW0 に等しい。入力信号の任意の値xに
対しては、増幅器の動作点はMであり、その利得g2 =
W0 /xの増大とともに減少する。ここで強調されるべ
きことは、増幅器12と関連する直線調整器13のため
に、この増幅器は第二通路にいかなる非直線性をも導入
しない。 【0026】第一通路C1 の増幅器11を、調整器13
から供給される利得制御信号vg1によって制御し、その
利得g1 が第二通路の増幅器12の利得g2 に応答する
ようになす。すなわち、例えば各瞬時に増幅器11の利
得g1 を増幅器12の利得g2 に等しいかこれに比例す
るようにし得る。これら2つの増幅器11及び12が同
一構成であると、制御信号vg1及びvg2も等しくし得、
これら信号を、図に示すように調整器の同一出力端子か
ら、導出し得る。 【0027】さらに、2つの通路の一方又は両者に、第
二通路C2 の利得が、発振が生ずるおそれのある全周波
数帯域において、第一通路C1 の利得よりも大きくなる
ようにするため手段を備える。第一図に示す実施例にお
いては、これらの手段を、利得がG2 であって第二通路
C2 の可変利得増幅器12の前後に設けられ、かつ好ま
しくは増幅器12の出力端子と2つの通路の共用端子B
との間に接続されている利得1/A2 の減衰回路(減衰
器)15に関連せしめた増幅器14によって示した。上
述した表記法を用いてこの2つの通路におけるこの利得
条件を G2 ・1/A2 ・g2 >G1 ・g1 (1) と書き表わせ得る。 【0028】ここで留意すべきことは、この条件(1) は
ループ発振の取り得る全ての周波数すなわちこの実施例
では帯域300〜4000Hzの全ての周波数に対して
成立すべきであるということである。 【0029】2つの増幅器11及び12が同等でかつ同
一信号で制御される場合には、条件(1) は G2 ・1/A2 >G1 となる。 【0030】本発明の方式及び不所望発振の防止を可能
ならしめるという点につき説明するため、スピーカ8と
その増幅器7、マイクロホン4とその増幅器5及びスピ
ーカ及びマイクロホン間の結合係数1/βで定まる音響
通路を有する、破線16で示す電気音響回路の利得Gを
定めることが有益である。 【0031】この利得Gを、増幅器7に供給される信号
vと、増幅器5から生ずる信号uとの比の係数として規
定し得る。 【0032】スピーカの出力までの音響電力をpとし、
マイクロホンから後の音響電力をqとする。その場合に
は明らかに p/q=1/β (2) である。スピーカの変換係数を導入するため、スピーカ
8から供給される公称音響電力p0 を定義することが出
来る。この電力p0 は増幅器7の入力端子に供給される
信号v0 によって生ずる。増幅器7とスピーカ8とによ
って形成される組合わせ回路の変換係数は〔p0 /
v0 〕である。この組合わせ回路が直線性である範囲で
は、 p=v〔p0 /v0 〕 (3) と書き表わし得る。 【0033】マイクロホンの変換係数を導入するため、
このマイクロホンの直前で測定し、かつ、結合係数1/
βで表わされる公称距離に位置していて音響電力K・P
o (Kは定数)を生ずるスピーカによって得られる音響
電力をq0 とする。増幅器5の出力端子に生ずる信号u
0 はこの音響電力q0 =K・p0 /β0 に対応する。 【0034】マイクロホン4及び増幅器5から成る組合
わせ回路の変換係数は〔u0 /q0〕=〔u0 /Kp0
・β0 〕である。この組合わせ回路が直線性を示す範囲
内では、 u=q〔u0 /Kp0 〕・β0 (4) と書き表わせる。 【0035】関係式(2), (3)及び(4) を考慮すると、電
気音響回路16の利得Gは G=u/v=β0 /β・u0 /v0 ・1/K
(5) となる。 【0036】条件式(1) によれば、端子A及びB間の第
二通路C2 の利得は第1通路C1 の利得より大きいの
で、発振は電気音響回路16及び第二通路C2 間に形成
される補助ループにのみ存在し得、この回路16及び第
一通路C1 により成る主ループには生じ得ない。先ず、
この補助ループにはマイクロホン4から生じた音声信号
や電話線2からの音声信号が存在していないとする。こ
の補助ループの利得が1以下である場合には発振は起ら
ない、すなわち G・G2 ・1/A2 ・g2 <1 (6) のときには発振しない。この不等式において、増幅器1
2の利得g2 は前に規定したような最大値g2 Mを与え
る必要がある。式(5) によれば、利得Gはスピーカとマ
イクロホンとの間の結合係数1/βに比例するので、不
等式(6) から、前記結合係数が所定値よりも低い場合に
は発振はないと簡単に云える。 【0037】スピーカとマイクロホンとの間の結合係数
が増大する場合には、利得Gが増大し、結合係数が所定
値以上となると式(6) は最早満たされない。そのため、
回路16と第二通路C2 とから形成される補助ループに
発振が生じる。直線調整器13は増幅器12の利得g2
を減少せしめ前記増幅器の出力端子におけるこれらの発
振振幅が値W0 に留まるようになす。この場合、減衰回
路15の出力信号W0/A2 の値は特に回路16の増幅
器5及び7等の、ループの構成成分の全てが直線モード
で動作するような十分低い値である。この発振モードの
場合には、ループの総合利得は値1で設定され、 G・G2 ・1/A2 ・g2 =1 (7) と表わし得る。 【0038】回路16の構成成分は直線モードで動作す
るので、利得Gを与える式(5) を用いかつ(5) 式と(7)
式とを組合わせることにより g2 =β/β0 〔A2 /G2 ・v0 /u0 ・K〕
(8) を容易に得る。 【0039】この式(8) から、回路16と第二通路C2
とにより形成される補助ループのこの発振モードの場合
には、増幅器12の利得g2 はスピーカ及びマイクロホ
ン間の音響減衰係数βに比例する値で設定される。この
減衰係数βは2つの変換器間の距離に実質的に比例す
る。 【0040】これがため、利得g2 に応答する第一通路
の増幅器11の利得は、音響減衰係数β、すなわちスピ
ーカ及びマイクロホン間の距離に実質的に比例する。こ
の利得g1 は利得g2 と同一方向に変化し、全ての状況
下において条件(1) を満足することを可能となす。この
条件(1) が満足されている場合には、回路16とこれを
閉成する第一通路C1 とによって形成される主ループの
総合利得は常に1以下であるので、この第一通路C1 は
電気音響回路16の端子に大きな振幅や不所望なラッセ
ン発振を生ぜしめるようには作用しない。 【0041】このように、本発明による回路すなわち装
置によれば、音響減衰係数が十分に小さくなってループ
に発振する条件を作り出す場合には、これら発振を強制
的に第二通路C2 を通るようになす。その理由は、特に
第一通路C1 の増幅器11の利得g1 が第二通路の増幅
器12の利得g2 に応答するからである。この第二通路
では、ループ発振の制御はこれら発振が電気音響回路で
は迷惑とならないよう行なわれる。すなわちこれら発振
は聞き取れないように出来、増幅器7及び5を飽和させ
ない。従って、増幅器12の出力端子における発振の振
幅が所定の最大値W0 を取る場合にも、常に、回路15
の減衰係数A2 を増大させて回路16の入力端子におけ
る発振の振幅を極めて小さく迷惑とならないようにし、
回路14の利得G2 をこれに対応させて増大させて条件
(1) を満足するようになすことが可能である。第二通路
C2 を巡る発振によって出力端子Bに生ずる信号は一定
値VL=W0 /A2 となる。 【0042】次に、第一通路C1 及び電気音響回路16
が有効なすなわち所望な信号源である場合につき述べ
る。先ず、マイクロホン4から生じた音声信号が端子A
から第一通路C1 に向けられるとする。この場合、上述
した場合と同様に、マイクロホンからの音声信号によっ
て影響されることなく、第二通路C2 にループ発振が存
在し得る。出力端子Bにおいては、これらループ発振の
振幅は極めて小さく、がつ、電話線2から第一通路C1
の出力端子を経てやってきた音声信号に重畳する。スピ
ーカ8の前で聴いている者はこのように振幅が極めて小
さいこれらループ発振を聴くことが出来ない。前に説明
したような前提の場合には、増幅器12の利得g2 及び
従って増幅器11の利得g1 はマイクロホン4 からの音
声信号によっては影響されず音響結合係数1/βにのみ
依存する。 【0043】実際、予防策を取らなければ、マイクロホ
ン4からの信号の一部分が第二通路C2 に供給されて調
整器13によるループ発振の振幅調整を乱してしまう。
その場合には増幅器12の利得g2 従って増幅器11の
利得g1 は音響結合係数のみならずマイクロホン4から
の音声信号の振幅にも依存する。このような欠点を除去
するために図に破線で示すように増幅器12の前位の第
二通路C2 にフィルタ17を設け、発振を生じやすい周波
数帯域の特定部分に対し第二通路の利得を第一通路の利
得よりも高く維持するようにする。この場合、第二通路
の利得G2 は増幅器14の利得とフィルタ17とを含む
こととなる。 【0044】第一通路C1 において、例えば3000H
z以上の周波数に対する利得が3000Hzより低い周
波数に対する利得よりも高く、3000Hz以上で発振
を生じやすい場合には、フィルタ17として高域フィル
タを使用出来、これにより3000Hzより高い周波数
に対して第二通路の利得を高める。かくして条件(1)は
容易に満足出来、音声信号がループ発振の調整に対し及
ぼす悪影響も小さくなる。これらループ発振は3000
Hz以上の周波数で生じるが尚も十分ではない。 【0045】このフィルタ17を著しく狭い帯域の帯域
通過フィルタとするとさらに有益である。このようなフ
ィルタは、その通過帯域中の利得G2 を選択的に高める
と共に、回路16と第二通路C2 とによって形成される
補助ループの利得がこの通過帯域で正の値を取り得るよ
うになし、しかも、スピーカ及びマイクロホンの音響結
合にかかわりなく、この補助ループ内の発振がこの通過
帯域のほぼ中心周波数で行なわれるようになす。これと
同時に第二通路の音声信号はループ発振と比較して著し
くレベルが低く、これら発振の振幅調整を実質的に乱す
ことはない。 【0046】ここで留意すべきことは、狭帯域のフィル
タ17を用いれば、条件(1) を遙かに容易に満足するこ
とが出来、ループ発振が第二通路C2 のみを経て確実に
通過するようになし得ることである。この条件を満たす
ためには、フィルタ17の狭い帯域の中心周波数に対す
る第二通路の利得が第一通路の帯域の全ての周波数(例
えば300〜4000Hz)に対する、この第一通路に
よる利得よりも高いことで十分である。第一通路に破線
で示すように、フィルタ17と同じ狭い帯域の利得を高
めるフィルタ18を設けることによって、この条件(1)
を一層容易に満たすようになる。その場合、第一通路の
利得G1 はデバイス9の利得とフィルタ18を含む。こ
のフィルタ18はこの通過帯域の利得G1 を選択して高
めるので、この第一通路C1 の利得はこのフィルタ18
の狭い通過帯域において最大値を取る。この場合には条
件(1) を満足させるため従ってループ発振が確実に第二
通路C2 に沿って通過するようにするためには、フィル
タ17及び18の通過帯域の共通中心周波数に対する、
第二通路C2 の利得を第一通路C1 の利得よりも高くす
るだけでよい。ここで明らかであるがフィルタ18は狭
帯域であるので、音声信号に実質的には何ら摂動を生じ
させないであろう。また、一方においては増幅器14と
フィルタ17、他方においては増幅器10とフィルタ1
8を2つの選択増幅器の形態となしてもよい。さらに、
第一通路C1 にフィルタ18を用いる代わりに、図に破
線19で示すようなフィルタを増幅器5の出力端子とし
2つの通路に共用される入力端子Aとの間の通路中に設
けてもよい。このフィルタ19はフィルタ17と同一狭
帯域の利得を増大させるので、条件(1) は自動的に満足
され、2つのフィルタ17及び18の中心周波数でのル
ープ発振は第二通路を経て通過する。また、第二通路の
フィルタ17を、例えは3000Hzよりも高い周波数
に対する利得G2 を高める高域フィルタとする上述した
変形例においては、音声信号が相当程度にまで歪まない
ようにするために、フィルタ18または高域フィルタ1
9を用いることも可能であるが、送信される高周波数帯
域と減衰される低周波数帯域との間にわずかな減衰差が
あること明らかである。 【0047】本発明は数個の異なる変形例も可能であ
り、これらにつき対応する回路図を用いて説明する。こ
れら図において図1の回路図に示した構成成分と同一成
分については同一符号を付して示し、例えば、16は利
得Gを有する電気音響回路であり、9は第一通路C1 に
設けられた利得G1 のデバイスであり、14は利得G2
の増幅器であり、15は第二通路C2 に設けられた利得
1/A2 の減衰回路であり、13は直線増幅器である。
また後述するが夫々利得g1 及びg2 を有する増幅器1
1及び12を使用し得る。図示の簡単化のため、図1に
破線で示したフィルタ17〜19は省略してある。 【0048】図3aに示す回路において、端子A及びB
間に接続した2つの通路C1 及びC2 を図1の場合のよ
うに、完全に分離する。図3aと図1の両回路の差は、
第一通路の可変利得増幅器をデバイス9と両通路に共用
される出力端子Bとの間に設ける代わりに、共用入力端
子Aとデバイス9との間に設けている点にある。この新
しい位置に配設した第一通路の可変利得増幅器を11′
で示しその利得をg1′とする。この増幅器の制御を図
1の増幅器11の制御と全く同じようにして行ない、ラ
ッセン発振の制御に関して図1の装置につき説明された
事項は全て図3aの装置に対しても有効である。特に、
ラッセン発振は出力端子Bにおいて一定値VL=W0 /
A2 を有する小さな迷惑でない振幅に押えられる。ここ
でW0 は図2につき説明したように、可変利得増幅器1
2によって直線調整器13の入力端子に供給される信号
Wの最大一定値である。 【0049】図に示していないが別の変形例では、図1
及び図3aに示す装置を組合わせることが出来、その場
合、第一通路のデバイス9の両側に可変利得増幅器11
及び11′を夫々設け、これらを調整器13で処理した
信号で制御する。 【0050】図3bに示す変形例では端子A及びB間に
接続した2つの通路C1 及びC2 を完全には分離してい
ない。この回路が図3aの回路と相違する点は、第二通
路の増幅器14の入力端子を端子Aではなく可変利得増
幅器11′の出力端子に接続する点であり、この端子A
が常に2つの通路C1 及びC2 に共用される入力端子と
みなされる場合には、増幅器11′も両通路によって共
用されるが、この増幅器11′の出力端子から端子Bへ
の通路は夫々個別の通路部分を有する。これら個別部分
において、第二通路の利得が第一通路の利得よりも高く
する手段を講じる場合には、ラッセン発振は第二通路
の、第一通路とは分離されている部分においてのみ生じ
しかもこれら発振の振幅は端子Bでは一定値VL=W0
/A2 に限定されていて小さくかつ迷惑にならない大き
さである。図に示していないが、ある変形例では、直線
調整器13によって、可変利得増幅器12及び11′に
加えて、デバイス9の出力端子と端子Bとの間に設けた
図示されていない可変利得増幅器を制御するようになし
てもよい。 【0051】図3cに示す装置は、1個の可変利得増幅
器を使用しないですますことが可能であるので、図3b
の装置の別の改良例とみなし得る。相違点は第二通路の
増幅器12は、調整器13によって制御されないので、
一定の利得g2 を有する点である。図3cの装置におい
ては、利得g1 ′を有する増幅器11′が端子A及びB
間の、第一通路はもとより第二通路の部分をも形成して
いる点を考慮すると、調整器13は増幅器11′の利得
g1 ′に作用して第二通路の増幅リンク11′,14,
12の出力端子に形成される信号Wを一定に保持しW0
に等しく出来、この信号を調整器13の入力端子に供給
する。端子Bにおける発振の振幅は依然として低くかつ
一定値W0 /A2 に押えられている。この図3cの装置
の変形例においては、調整器13によって、特に、デバ
イス9の出力端子と端子Bとの間に設けた図示されてい
ない可変利得増幅器を制御するように出来る。 【0052】図3dに示す回路においても、2つの端子
A及びB間に接続される2つの通路C1 及びC2 を完全
には分離していない。図3dの回路が図1の回路と相違
する点は、利得1/A2 をもった減衰器を増幅器14の
出力端子と可変利得増幅器11の入力端子との間に接続
している点にある。この端子Bを両通路C1 及びC2に
共用される出力端子とみなす場合には、これら2つの通
路は増幅器11を共通に有する。2つの通路の、第一通
路C1 に対するデバイス9を含む個別部分と第二通路C
2 に対する減衰回路15を含む個別部分とを端子A及び
増幅器11の入力端子間に接続する。図3dで留意すべ
き点は、増幅器12が第二通路に組込まれていない点に
ある。第一通路とは分離した第二通路部分であって、増
幅器14と減衰回路15との間の箇所においてある信号
が形成され、この信号を可変利得増幅器12によって調
整器13の入力端子に供給する。この調整器13は増幅
器12の利得g2 及び増幅器11の利得g1 とを制御し
て増幅器12から調整器13の入力端子に供給される信
号Wを一定値W0 に保持するようになす。端子Bでのラ
ッセン発振の振幅が、増幅器11及び12の利得g1 及
びg2 が同一信号で制御されるために、VL=W0 /A
2 ・g1 /g2 という一定値に制限されることが容易に
わかる。特に、増幅器が同じであると、g1 =g2 であ
り、ラッセン発振の振幅の限界値はVL=W0 /A2 で
ある。 【0053】この図3dの回路の変形例では、端子Aと
デバイス9の入力端子間に可変利得増幅器を設け、これ
を調整器13によって制御するようになしていもよい。 【0054】図3eの回路は図3dの回路の別の改良例
であり、これは図3bの回路に対する図3cの回路の改
良例に対応する。この図3eの回路が図3dの回路と相
違する点は調整器13によって最早増幅器12を制御し
ないで利得g2 を一定に維持する点にある。この調整器
13は第二通路の一部分とみなされる増幅器11の利得
g1 に作用し、よって増幅器14と減衰回路15との間
の第二通路に生じた信号は一定の利得g2 を有する増幅
器12で増幅された後に調整器の入力端子に一定の振幅
W0 で供給される。図3eの回路では、端子Bでのラッ
セン発振振幅はVL=W0 /A2 ・g1 /g2 である。
しかし、上述した変形例とは異なり、この値VLは変化
し得、かつ利得g2 を一定とする。それにもかかわら
ず、減衰係数A2 及び利得g2 を選定してラッセン発振
の可変振幅が低く迷惑でない大きさに維持されるように
することが出来る。可変利得g1 を有する増幅器11
を、電話線からやってきて電気音響回路16に組込まれ
ているスピーカに供給されるべき有効音声信号の通路
に、配設するので、図3eに示す変形例によって、端子
Bにおける、有効音声信号と第二通路によって生ぜしめ
られる迷惑にならないラッセン発振により発生される雑
音との比を一定とすることが出来る。図示されてはいな
いが、図3eの回路の変形例では、他端子Aとデバイス
9との間に可変利得増幅器を設け、これを調整器13に
よって制御するようになし得る。 【0055】図3fに示す回路が図3eに示す回路と相
違する点は、調整器13によって制御される可変利得g
1 ′をもった増幅器11′を端子Aとデバイス9との間
に設けたこと及び増幅器14を増幅器11′とデバイス
9との間に接続したことにある。このように、図3fの
回路では端子A及びBに接続される可変利得増幅器1
1′及び11を2つの通路に共通に使用してこれらを調
整器13から供給される同一信号によって制御するよう
になす。これら2つの通路の個別部分は図3eの回路と
同一の構成成分を備え、調整器13の入力端子を、一定
利得g2 を有する増幅器12によって、第二通路に同様
に接続している。図3fに示す回路では端子Bでのラッ
セン発振の振幅の値はVL=W0 /A2 ・g1 /g2 で
あってg1と同様に変化する。 【0056】図3c、図3e及び図3fの回路では、増
幅器12の利得g2 は一定であるとしたが、回路を正し
く動作させるためには利得g2 が1に等しいことで十分
であるとする場合には、この増幅器を完全に省略するこ
とが可能である。 【0057】図3a〜図3fに示す回路では、図1に示
す回路のフィルタ17〜19と同一特性及び同一機能を
もったフィルタを備えるのが有益である。その場合、フ
ィルタ17の機能をもったフィルタを第二通路の、第一
通路とは分離された部分に設け、フィルタ18の機能を
もったフィルタを第一通路の、第二通路とは分離された
部分に設け、フィルタ19の機能をもったフィルタを主
ループ及び補助ループに共通な部分に設ける。 【0058】図4には、可変利得増幅器12及びその調
整器13並びに可変利得増幅器11によって形成される
組合わせ回路の実施例を示す。この実施例は本願人によ
るフランス特許出願第8007055号に詳細に説明さ
れている調整装置の原理を利用している。 【0059】図4によれば、第二通路C2 に設けられた
増幅器12はnpnトランジスタを具え、そのエミッタ
を基準端子として供する負の供給端子に接続し、コレク
タは抵抗23及びコンデンサ24の直列回路を経て増幅
器の入力信号xを受け取るように接続し、ベースを積分
回路25の出力端子に接続している。以下説明するよう
に、この積分回路25によって調整器13において形成
されたパルス状信号Pc を受け取る。このトランジスタ
22は増幅器12の可調整成分である。実際に、抵抗2
3とコンデンサ24との間の端子26に得られる電圧
は、そのレベルがトランジスタ22のエミッタ−コレク
タ通路の導通状態に多少なりとも依存し従って積分回路
25の出力電圧に依存するので、増幅器の入力信号xの
一部分であって可変である。容易に判ることであるが、
積分回路25の出力電圧が増大又は減少するとこれに対
応して端子26に得られる信号のレベルも減少又は増大
する。端子26に得られるこの可変レベル信号を例えば
電流im とし、これを一定利得増幅器27に供給する。
この増幅器27の出力端子28には可変利得増幅器12
の出力信号Wに同等な可変電流Im を生ずる。また増幅
器27の出力端子29には電流I0 +Im を生じ、ここ
でI0 は振幅が一定の直流電流である。この調整器13
においては、電流I0 +Im はパルス幅変調器30に供
給される。この変調器30はクロック発生器31からク
ロックパルスを受け取って電流I0 +Im によって変調
された幅を有するパルスで形成された信号Pm を生ず
る。パルス幅変調されたパルスを形成する方法は既知で
ある。ここでは、特にクロックパルスを使用して変調器
の入力電流I0 +Im のサンプリングを行なっている。
サンプリング時におけるこの電流の可変部分Im が零で
ある場合には、信号Pm のパルスの幅はP0 である。こ
れらサンプリング瞬時において、可変電流Im が正また
は負であるかに応じて、信号Pm のパルス幅はP0 より
も長くなったり短かくなったりする。パルス長P0 +P
m1およびP0 −Pm1を有するパルスは可変電流Im が値
Im1及び−Im1を取り得る場合のこの電流Im の所定レ
ベルに夫々対応する。この変調された信号Pm をパルス
長検出器32に供給して、これより圧縮パルスと一般に
称せられ、一定の持続時間を有し及び信号Pm のパルス
が値P0±Pm1に達する毎に生ぜしめられるパルス整形
されたパルス整形信号Pc を生ずる。パルス整形信号P
c を積分回路25に供給し、これより圧縮パルスのパル
ス繰返し率を表わす電圧を生ずる。基本的には、この積
分回路は圧縮パルスの持続期間中一定電流によって充電
されかつこの充電電流よりも低い電流によって放電され
るコンデンサを具えている。このように、電流Im のレ
ベルを越えたことを表わす圧縮パルスが現われると、積
分回路25から生ずる電圧は増大し、トランジスタ22
を一層導通させ、電流レベルIm を減衰させる。最終的
には、この積分回路25から生ずる電圧は平均値あたり
で安定化して電流Im を定レベルとなす。上述した実施
例によれば、調整器13と関連する増幅器12は図2に
示す所要の特性を正確に有しており、この図に示された
定レベルW0 は電流Im が設定される定レベルと等しく
なる。 【0060】第一通路C1 に組込まれた可変利得増幅器
11は増幅器12と同一構成となっており、従って、こ
れはダッシュ′を付した同一番号でその構成成分を示し
てある。この増幅器11の制御を上述した調整器13で
形成されたパルス状信号PCで行なう。増幅器11の可
変構成成分であるトランジスタ22′を増幅器12の可
変構成成分であるトランジスタ22と同一の信号で制御
する。2つの増幅器の構成成分特にトランジスタ22及
び22′を適切な方法で対を構成するように配置する場
合には、増幅器11の利得を、各瞬時に増幅器12の利
得を同じ値に自動調整することが出来る。 【0061】増幅器11の目的は有効信号(例えば音声
信号)を処理することにあるので、また、増幅器12は
ループの発振信号を処理することにあるので、この増幅
器で処理される信号に適合するように積分回路25及び
25′に別個の時定数を与えるのが有益であり得る。他
方、トランジスタ22及び22′を対となし同一信号で
制御するように配設することによって、増幅器27及び
27′に異なる利得を与え、増幅器11及び12の利得
を一定の比に維持する。 【0062】図4に示す回路は図1の回路の増幅器11
及び12と調整器13との組合わせ回路を実現するため
の好適な回路図である。しかしながら、同じ実施例で、
調整器13によって、別の方法で接続されている2つの
可変増幅器を制御するが、これらの一方だけを制御して
図3に示す数個の変形例を実現化することが出来ること
明らかである。 【0063】本発明は、迷惑となるラッセン発振を回避
するためのハンドフリータイプの電話機に適用すると、
極めて簡単にさらに著しく有益な機能を行なわせること
が出来る。すなわち、電話機の送信及び受信通路におい
て相補的な利得変化を行なうことが出来る。 【0064】公知の電話機の場合には、2つの通路にお
いて相補的に利得変化を行なわせるため、送信通路の増
幅器の助けをかりて一方向の利得変化を行なわせかつこ
れと同時に受信通路の増幅器の助けをかりて同じ振幅で
はあるが他方の方向の利得変化を行なわせることが必要
である。これら利得の切換えを音声によって行なうた
め、出力信号を使用して利得の切換えを行なうための2
つの音声検出器を使用することが度々行なわれる。 【0065】本発明により、1個の単一増幅器の利得だ
けを制御することによって、電話機の2つの通路におけ
る相補的利得変化を得ることが可能となる。本発明によ
るこの特徴を説明するため、図1に示すように本発明に
よる装置と関連する電話機の場合につき考察し、利得切
換方法を図5を参照して説明する。この図5には図1に
示す回路の構成成分の大多数を同一符号を付して示して
ある。この実施例においては、電話機の2つの通路の利
得を制御するように機能する単一増幅器は増幅器5であ
って、この場合にはこの増幅器は可変利得を有するもの
としかつこの増幅器を送信通路の、マイクロホンと、第
一通路C1 及び第二通路C2 とによって共同使用される
入力端子Aとの間に挿入するものとする。増幅器5が最
小利得値すなわち利得Gが最小値である場合に、第二通
路C2 の構成成分の利得を上述したように制御して迷惑
でない持続発振が回路16と第二通路とで形成される補
助ループにのみ生ずるようにする場合には、これら迷惑
でない発振は増幅器5の利得gの他の全ての値に対して
も確実に生ずる。利得gの全ての値に対し、補助ループ
の総合利得は式(7) で表わされる1に等しい状態に留ま
る。 【0066】回路16を通過する発振の振幅は著しく小
さいので、この回路の構成成分は直線モードで動作しこ
の回路16の利得Gは利得gにほぼ比例する。hを一定
の係数としてG=hgとすると、式(3) を h・g・g2 ・G2 ・1/A2 =1 (9) と書き直してもよい。 【0067】可変利得g1 及びg2 を有する2つの増幅
器11及び12が同等であって同一符号で制御される場
合には、g1 =g2 でかつ式(9) を h・g・g1 ・G2 ・1/A2 =1 (10) と書き直し得る。 【0068】これより、マイクロホン4からの信号を増
幅する増幅器5の各利得gの変化に対応して、電話機で
受信された信号を増幅する増幅器11の利得g1 が同一
振幅でかつ反対方向に自動的に変化する。 【0069】利得g1 及びg2 をg1 =ag2 のように
制御する場合には、増幅器5の各利得gの変化に対応し
て、受信通路での利得が反対方向にかつa分の1の振幅
で変化することが容易に判る。 【0070】留意すべきことは、送信及び受信通路での
利得変化を反対方向にするため、送信通路の、マイクロ
ホン4と2つの通路C1 及びC2 に共用な入力端子Aと
の間に含まれる増幅器例えば増幅器5を作動させる必要
がある。受信通路の任意の箇所に生じた利得変化例えば
増幅器7の利得変化は送信通路には利得変化を生じさせ
ない。 【0071】増幅器5の利得変化を2つの利得値間で徐
々にまたは急激に行なってもよい。電話機の音声の切換
えを自動的に行なうため、例えば、音声信号検出器40
によって制御することも出来る。加入者がマイクロホン
4に話しかけると、検出器40によって検出された音声
が増幅器5の通常の利得を制御するように作用する。そ
のため自動的に増幅器11に対する利得g1 は小さな値
となり、従ってスピーカ8の附勢信号も弱くなる。加入
者がマイクロホン4に対する話し掛けを止めると、検出
器40によって増幅器5の低利得を制御し、自動的に増
幅器5の利得g1 を大きな値となし、スピーカ8には通
常の附勢信号を供給するようになる。この場合、加入者
が手動制御を行なって最良の聴き取り状態となすことも
出来る。 【0072】また、第一及び第二通路での利得の切換え
を、本発明の他の変形例においても、1個の単一可変利
得増幅器を用いて行なうことも出来ることは容易に理解
し得る。調整器13によって制御される、第一通路C1
の可変利得増幅器を電話機の2つの通路の一方に備える
と、利得切換えのため使用される可変利得増幅器を、他
方の通路の音響変換器と、両通路C1 及びC2 の2つの
個別部分によって共用される端子との間に、設けること
で十分である。例えば、図3aに示す装置では、調整器
13によって制御される可変利得増幅器11′を電話機
の送信通路に設けているが、利得の切換えのために使用
される可変利得増幅器を、両通路によって共用される出
力端子Bと、電気音響回路16に組込まれたスピーカと
の間の受信通路に、設けてもよい。音声信号によって利
得を自動的に切換えるため、マイクロホンの音声信号を
検出する検出器40を採用することも出来る。ここで留
意すべきことは、調整器13が両通路C1 及びC2 に共
用される1個又は2個の可変利得増幅器のみを制御する
ようになした図3c、図3e及び図3fに示す如き装置
においては、自動的に同一振幅となりかつ反対方向の利
得変化を、適当な通路に設けた利得切換え用の増幅器に
よって得ることが出来る。 【0073】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく多くの変形又は変更をを行ない得ること明
らかである。
で持続する迷惑となるような不所望発振を除去するた
め、このシステムのループの一部分を形成する第一通路
に利得可変増幅器を組込んだ不所望発振防止回路を具え
た拡声電話機に関する。 【0002】 【従来の技術】不所望な発振が持続するおそれのある閉
ループ・システムのうちには、例えば電気的、機械的或
いは物理的な量を制御するためのシステムがある。この
ようなシステムを設計する際、制御ループ内で発振が持
続しないようにするためこのループの利得及び位相条件
に適切な注意を払うことが必要である。あるシステムに
おいては、例えば寄生結合とか突然の摂動とか等の不測
な事態が発生するため、振幅が大となり危険となり得る
ような自励発振が生じないという保証は決してない。ま
た、別のタイプの閉ループ・システムとして電気音響シ
ステムがあり、このシステムは、例えば、電気回路によ
って任意の方法で結合されているマイクロホンとスピー
カ(拡声器)とを有しており、これら2つの変換器が音
響回路で結合されると、高振幅で発振が生じ許容出来な
い程度のハウリングを生じてしまうような電気音響ルー
プが得られる。このようなハウリングの生ずる現象はラ
ッセン効果(Larsen effect) として知られており、例え
ば音声再生装置とか拡声電話機において生じ得る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】電気音響ループでの発
振を防止するために従来一般に行なわれている方法は、
このループに少なくとも可変増幅器又は減衰回路を備
え、これらをループ利得が1以下となるように異なる基
準に従って制御する方法である。拡声電話機に対し採用
されている方法では、2つの包絡線検波器によってスピ
ーカ通路又はマイクロホン通路のいずれに音声信号が存
在するかをチェックしかつ有効通路の利得を増大させて
他方の通路の利得を低減させる方法である。このような
両通路の利得変調を会話中に行なうと、聴者にとって極
めて不愉快となり、加えて、このタイプの方法では利得
制御が音響結合係数に実質的に依存しないので、この方
法は有効的ではない。 【0004】さらに、フランス特許出願第2461412 号に
開示されている別の方法では、2つの通路に2つの信号
包絡線検波器を採用すると共にスピーカ通路に単一の増
幅器を採用し、この増幅器の利得を、マイクロホン通路
の包絡線検波器の出力信号とスピーカ通路の包絡線検波
器の出力信号との間の差信号に所定の重みを付けた信号
により変化させている。この方法では、スピーカとマイ
クロホンとの間の距離が所定の最小距離よりも長い場合
には、増幅器の利得は音響結合係数に対し一定の比にな
り、この最小距離以下の場合にこの方法によって発振を
防止することが出来るだけである。加えて、包絡線検波
器を使用するため、受話が音声信号特にマイクロホンに
対し話しに掛けた話者の音声信号に依存せしめられる。 【0005】本発明は従来方法の欠点や制限を除去した
別のタイプの電気音響ループ発振防止装置を具えた拡声
電話機を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、ループ発振条
件が生じた時、少なくとも第一通路とは別個の部分を有
する第二通路を経てこのループ発振を通過せしめ及びこ
の発振を、調整器によって、このループの残りの部分で
は低くて迷惑とならないような一定レベルへともたらす
ようにすることに基づくものである。 【0007】本発明は、拡声電話機のマイクロホンに結
合された入力端子及びそのスピーカに結合された出力端
子を有する第一通路と、その出力端子と入力端子との間
の音響帰還路とを少くとも含む電気音響ループにおいて
所定の周波数帯域内で生ずる不所望発振を防止する回路
であって、前記第一通路の入力及び出力端子間に可変利
得増幅器を組込んで成る不所望発振防止回路を具えた拡
声電話機において、少くとも一部分が前記第一通路から
分離された第二通路を前記第一通路の入力端子と出力端
子との間に設け、拡声電話機を電話線に結合する結合回
路を前記第一通路の、前記第二通路から分離された部分
に含ませ、更に前記第二通路内に組込まれた少くとも1
個の可変利得増幅器と、第二通路の利得を発振を発生し
やすい前記周波数帯域に亘り前記第一通路の利得より高
く維持する手段と、前記第一通路から分離された第二通
路部分に形成される信号を受信する入力端子及び第二通
路の一部を形成する前記少くとも1個の可変利得増幅器
の制御端子に接続された出力端子を有する直線調整器と
を設け、この直線調整器がこの少くとも1個の可変利得
増幅器を、この直線調整器の入力端子の信号、即ち第二
通路内の信号が所定値から一定に維持されるように制御
するようにしたことを特徴とする。 【0008】本発明の実施例においては、前記第二通路
を前記第一通路から完全に分離させ及び前記第二通路に
は前記直線調整器の入力端子に供給する出力信号を生ず
る可変利得増幅器を設け、この直線調整器によって前記
第二通路の前記可変利得増幅器を制御すると同時に、前
記第一通路の、これら第一及び第二通路に共用される入
力端子近くに設けられた可変利得増幅器及び前記第一通
路の、これら第一及び第二通路に共用される出力端子近
くに設けられた可変利得増幅器の両者又はいずれか一方
を制御するように構成するのが好適である。 【0009】本発明の実施に当っては、さらに第一及び
第二通路はこれら両通路に共用される入力端子近くに設
けられた1個の共通可変利得増幅器及びこれら両通路に
共用される出力端子近くに設けられた可変利得増幅器の
両者又はいずれか一方を具え、これら両通路に共用され
るこれら可変利得増幅器の一方又は他方を前記直線調整
器によって制御するようにすることが出来るので、1個
の可変利得増幅器を省略することが可能となる。 【0010】好都合にも、第二通路によって閉成される
ループで発生する迷惑でない発振の周波数を明確に定め
ることが出来、これを、好ましくは、第二通路の、第一
通路とは異なる部分であって、第二通路の利得を選択し
て増大するために直線調整器の入力端子に供給すべき信
号の取出し点の前側に狭通過帯域フィルタを接続するこ
とによって、行なうことが出来る。 【0011】これに加えて、両通路に対する利得条件を
満たすため、第一通路の、第二通路とは異なる部分に、
第二通路のフィルタと同じ狭通過帯域における利得を高
めるための別のフィルタを含ませることも可能であり、
或いは又、斯様なフィルタを両通路に共用の入力端子の
前段、共用の出力端子の後段或いは共用部分に備えるこ
とも出来る。 【0012】上述した本発明の拡声電話機によれば、電
話機のスピーカとマイクロホンとの間の音響通路と第二
通路とで閉成されるループ(以後補助ループと称す)に
おいて、調整器によって迷惑とならない特に聞き取れな
いように調整された振幅の発振が持続すると同時に、第
一通路で閉成される以下主ループと称する電気音響ルー
プ内に、加入者電話機を結合する結合回路の欠陥或いは
遠方の加入者電話機における音響結合によって生ずるお
それのある迷惑なすなわち不所望なラッセン発振が防止
される。 【0013】本発明をハンドフリータイプの拡声電話機
に使用すると、電話機の送受信通路の利得の自動切換を
極めて簡単に行ない得ることが出来る。この点に関して
留意すべきことは、例えばフランス特許出願第2376576
号に開示されているような電話機を含めて、多くの従来
ハンドフリータイプの電話機では、このラッセン発振の
発生を防止するため、音声による利得切換方式を採用し
ている点である。このタイプの電話機では、送受信両通
路の音声信号のレベルを検出して音声信号レベルの高い
方の通路を判別し、この通路の利得を高めるようになし
かつ他方の通路の利得を低減し、この場合これら両利得
変調を相補的に行なってラッセン発振の生ずるおそれの
あるループの総合利得が1以下となるようになしてい
る。 【0014】本発明によるハンドフリータイプの電話機
においては、不所望なラッセン発振の発生を防止するた
めに音声による利得切換えを行なう必要はないが、別の
理由で、手動利得切換え或いは音声信号によって切換制
御を行なうことも有益となり得る。例えば、非常に騒し
い状況下でハンドフリー電話機を用いる場合には、受話
状態を良好となすため受信リンクの利得を高め、かつ、
より大声で話したりマイクロホンに接近して話したりす
る必要が生ずるかも知れないが、送信リンクの利得を下
げることが重要となり得ることがある。その場合、この
利得切換えを話者が手動ですなわち直接制御し得る。こ
の第二の前提の場合には、話者がハンドフリータイプの
電話機の前で話さないときには、受信リンクの利得を増
大させて聴取状態を良好にする必要があり、また送信リ
ンクの利得を低減させてこの電話機の置かれている箇所
の周囲の雑音が大きく聴こえないようにする必要があ
る。これに対し、話者がハンドフリー電話機に話し掛け
るような場合には、送受信の両リンクの利得を通常の値
になし得る。 【0015】また、本発明によれば、電話機の送受信の
両通路における利得切換えを行なうため極めて簡単な手
段を用いることが可能となることが判った。 【0016】本発明の変形例によれば、第一通路に直線
調整器によって制御されかつ受信通路に配設された可変
利得増幅器を具えている電話機の場合には、マイクロホ
ンと、前記第一及び第二通路の個別部分によって共用さ
れる入力端子との間の送信通路に、第一及び第二通路の
利得を切換える機能を有する別の可変利得増幅器を具
え、前記第二通路の利得を前記第一通路の利得よりも高
く維持するために設けられた前記手段を、前記第二通路
により閉成される電気音響ループが弱い振幅の不所望で
はない発振の発振源であるように、調整し及び前記別の
可変利得増幅器の利得によって引き起された変化によっ
て受信通路での反対方向の利得変化を決定するように構
成出来る。 【0017】又、他の変形例では、この第一通路に含ま
せかつ直線調整器によって制御される可変利得増幅器を
送信通路に備える場合にはスピーカを、前記第一及び第
二通路の個別部分によって共用される出力端子との間の
送信通路に、第一及び第二通路の両通路の利得を切換え
る機能を有する別の可変利得増幅器を具え、前記第二通
路の利得を前記第一通路の利得よりも高く維持するため
に設けられた前記手段を、前記第二通路により閉成され
る電気音響ループが弱い振幅の不所望ではない発振の発
振源であるように、調整し及び前記別の可変利得増幅器
の利得によって引き起された変化によって送信通路での
反対方向の利得変化を決定するように構成出来る。 【0018】直線調整器によって制御されかつ第一及び
第二通路によって共用される可変利得増幅器を採用した
本発明の変形例では、利得の切換えを目的としかつ送信
通路又は受信通路のいずれかにある増幅器での利得変化
を制御することによって、送受信の両通路の利得変化を
正確に相補的に行なうことが出来る。 【0019】利得切換えの上述した2つの変形例におい
て、マイクロホンからの音声信号の検出器を用いて2つ
の通路の自動利得切換えを行なうために、利得切換増幅
器の利得変化を制御することが可能である。 【0020】以下、図面につき本発明を説明する。図1
は、例えば拡声電話機によって形成された電気音響ルー
プを示す。この電話機は電話線2を送信(送話)通路3
及び受信(受話)通路6に結合する結合回路1を備え、
この送信通路にはマイクロホン4と増幅器5とを備えま
た受信通路は受信増幅器7とスピーカ8とを備えてい
る。スピーカ8及びマイクロホン4の両変換器間には、
特にその間の距離及び方向に応じたある程度の音響結合
が生じるが、結合の固定部を形成するマイクロホンがス
ピーカに関して不定位置にあるような、“増幅受信”と
一般に称せられるタイプの電話機ではこの結合状態は変
わるかも知れない。この結合は結合係数1/β<1で表
わされ得る。ここにおいて、βはスピーカによって送出
されマイクロホンに達する音響パワーの減衰を表わして
いる。 【0021】さらに結合回路1に不可避の欠陥があるた
め、電話機の送信通路3に現われる信号を完全に電話線
2を経て再送信することが出来ず、この信号の一部分が
受信通路6に入り込む。図に示す加入者電話機の送受信
通路間に、スピーカとマイクロホンとの間に音響結合の
存在する遠方の加入者スピーカに対して接続された電話
線2を有する通路によって、別の不所望な結合が生じて
しまうおそれがある。送信通路3と受信通路6との間の
不所望結合の原因が何であろうと、電話機の送受信の両
通路間に、これら送信通路3に現われる信号と受信通路
6に現われる信号との比を標準とした一定の利得G1 を
有するデバイス9を設けることが可能である。この場合
例えば、増幅器のような回路10を結合回路1と直列に
配設し、利得G1 がこの回路10の利得を含むようにし
た場合には、このデバイス9の全体的な規定は何ら変化
しない。 【0022】スピーカ8とマイクロホン4との間の音響
結合及び電話機の送信通路3と受信通路6との間の不所
望結合は1つの電気音響ループを形成し、このループの
利得が1に等しいかそれよりも大であると、このループ
には発振が生じるおそれがある。これら発振の周波数は
正確には未知であるが、このループに含まれる構成成分
の通過帯域すなわち約300〜4000Hzにある。こ
れら発振の振幅はループの構成成分の飽和によってのみ
制限される。 【0023】これら不所望ループ発振は電話機の実質的
な使用を不可能とするので、この発振を回避するため、
電話機の受信通路6に可変利得増幅器11を含ませた
り、送受信の両通路の信号の包絡線信号からこの利得g
1 を制御することが知られている。この利得制御方法は
音響結合が強い場合には不十分であり利得g1 を有効音
声信号に依存せしめてしまう。 【0024】本発明はこれとは全く異なる方法で発振を
防ぐことにあり、上述した従来の欠点を回避することが
出来る。本発明によれば、デバイス9及び可変利得増幅
器11を含んでいるループの第一通路C1 の端子A及び
Bに、別の可変利得増幅器12を含む第二通路C2 を接
続する。この増幅器12の利得g2 の制御を直線調整器
13によって行ない、この調整器は入力信号として増幅
器12の出力端子に生じた信号Wを受け取り、利得制御
信号vg2を生じて、これにより信号Wのレベルを増幅器
12の入力信号xのある値より以上の一定値に維持する
ようになしている。 【0025】図2はこのように制御される増幅器12の
入力信号xの関数としてこの出力信号Wを示す特性図で
ある。入力信号xの値がx0 となると出力信号の値はW
0 となり、この値x0 までは、増幅器の利得g2 は一定
であって直線OCの勾配で定まる最大値g2 M=W0 /
x0 に等しい。x0 の値を越えると、出力信号Wのレベ
ルは一定となりW0 に等しい。入力信号の任意の値xに
対しては、増幅器の動作点はMであり、その利得g2 =
W0 /xの増大とともに減少する。ここで強調されるべ
きことは、増幅器12と関連する直線調整器13のため
に、この増幅器は第二通路にいかなる非直線性をも導入
しない。 【0026】第一通路C1 の増幅器11を、調整器13
から供給される利得制御信号vg1によって制御し、その
利得g1 が第二通路の増幅器12の利得g2 に応答する
ようになす。すなわち、例えば各瞬時に増幅器11の利
得g1 を増幅器12の利得g2 に等しいかこれに比例す
るようにし得る。これら2つの増幅器11及び12が同
一構成であると、制御信号vg1及びvg2も等しくし得、
これら信号を、図に示すように調整器の同一出力端子か
ら、導出し得る。 【0027】さらに、2つの通路の一方又は両者に、第
二通路C2 の利得が、発振が生ずるおそれのある全周波
数帯域において、第一通路C1 の利得よりも大きくなる
ようにするため手段を備える。第一図に示す実施例にお
いては、これらの手段を、利得がG2 であって第二通路
C2 の可変利得増幅器12の前後に設けられ、かつ好ま
しくは増幅器12の出力端子と2つの通路の共用端子B
との間に接続されている利得1/A2 の減衰回路(減衰
器)15に関連せしめた増幅器14によって示した。上
述した表記法を用いてこの2つの通路におけるこの利得
条件を G2 ・1/A2 ・g2 >G1 ・g1 (1) と書き表わせ得る。 【0028】ここで留意すべきことは、この条件(1) は
ループ発振の取り得る全ての周波数すなわちこの実施例
では帯域300〜4000Hzの全ての周波数に対して
成立すべきであるということである。 【0029】2つの増幅器11及び12が同等でかつ同
一信号で制御される場合には、条件(1) は G2 ・1/A2 >G1 となる。 【0030】本発明の方式及び不所望発振の防止を可能
ならしめるという点につき説明するため、スピーカ8と
その増幅器7、マイクロホン4とその増幅器5及びスピ
ーカ及びマイクロホン間の結合係数1/βで定まる音響
通路を有する、破線16で示す電気音響回路の利得Gを
定めることが有益である。 【0031】この利得Gを、増幅器7に供給される信号
vと、増幅器5から生ずる信号uとの比の係数として規
定し得る。 【0032】スピーカの出力までの音響電力をpとし、
マイクロホンから後の音響電力をqとする。その場合に
は明らかに p/q=1/β (2) である。スピーカの変換係数を導入するため、スピーカ
8から供給される公称音響電力p0 を定義することが出
来る。この電力p0 は増幅器7の入力端子に供給される
信号v0 によって生ずる。増幅器7とスピーカ8とによ
って形成される組合わせ回路の変換係数は〔p0 /
v0 〕である。この組合わせ回路が直線性である範囲で
は、 p=v〔p0 /v0 〕 (3) と書き表わし得る。 【0033】マイクロホンの変換係数を導入するため、
このマイクロホンの直前で測定し、かつ、結合係数1/
βで表わされる公称距離に位置していて音響電力K・P
o (Kは定数)を生ずるスピーカによって得られる音響
電力をq0 とする。増幅器5の出力端子に生ずる信号u
0 はこの音響電力q0 =K・p0 /β0 に対応する。 【0034】マイクロホン4及び増幅器5から成る組合
わせ回路の変換係数は〔u0 /q0〕=〔u0 /Kp0
・β0 〕である。この組合わせ回路が直線性を示す範囲
内では、 u=q〔u0 /Kp0 〕・β0 (4) と書き表わせる。 【0035】関係式(2), (3)及び(4) を考慮すると、電
気音響回路16の利得Gは G=u/v=β0 /β・u0 /v0 ・1/K
(5) となる。 【0036】条件式(1) によれば、端子A及びB間の第
二通路C2 の利得は第1通路C1 の利得より大きいの
で、発振は電気音響回路16及び第二通路C2 間に形成
される補助ループにのみ存在し得、この回路16及び第
一通路C1 により成る主ループには生じ得ない。先ず、
この補助ループにはマイクロホン4から生じた音声信号
や電話線2からの音声信号が存在していないとする。こ
の補助ループの利得が1以下である場合には発振は起ら
ない、すなわち G・G2 ・1/A2 ・g2 <1 (6) のときには発振しない。この不等式において、増幅器1
2の利得g2 は前に規定したような最大値g2 Mを与え
る必要がある。式(5) によれば、利得Gはスピーカとマ
イクロホンとの間の結合係数1/βに比例するので、不
等式(6) から、前記結合係数が所定値よりも低い場合に
は発振はないと簡単に云える。 【0037】スピーカとマイクロホンとの間の結合係数
が増大する場合には、利得Gが増大し、結合係数が所定
値以上となると式(6) は最早満たされない。そのため、
回路16と第二通路C2 とから形成される補助ループに
発振が生じる。直線調整器13は増幅器12の利得g2
を減少せしめ前記増幅器の出力端子におけるこれらの発
振振幅が値W0 に留まるようになす。この場合、減衰回
路15の出力信号W0/A2 の値は特に回路16の増幅
器5及び7等の、ループの構成成分の全てが直線モード
で動作するような十分低い値である。この発振モードの
場合には、ループの総合利得は値1で設定され、 G・G2 ・1/A2 ・g2 =1 (7) と表わし得る。 【0038】回路16の構成成分は直線モードで動作す
るので、利得Gを与える式(5) を用いかつ(5) 式と(7)
式とを組合わせることにより g2 =β/β0 〔A2 /G2 ・v0 /u0 ・K〕
(8) を容易に得る。 【0039】この式(8) から、回路16と第二通路C2
とにより形成される補助ループのこの発振モードの場合
には、増幅器12の利得g2 はスピーカ及びマイクロホ
ン間の音響減衰係数βに比例する値で設定される。この
減衰係数βは2つの変換器間の距離に実質的に比例す
る。 【0040】これがため、利得g2 に応答する第一通路
の増幅器11の利得は、音響減衰係数β、すなわちスピ
ーカ及びマイクロホン間の距離に実質的に比例する。こ
の利得g1 は利得g2 と同一方向に変化し、全ての状況
下において条件(1) を満足することを可能となす。この
条件(1) が満足されている場合には、回路16とこれを
閉成する第一通路C1 とによって形成される主ループの
総合利得は常に1以下であるので、この第一通路C1 は
電気音響回路16の端子に大きな振幅や不所望なラッセ
ン発振を生ぜしめるようには作用しない。 【0041】このように、本発明による回路すなわち装
置によれば、音響減衰係数が十分に小さくなってループ
に発振する条件を作り出す場合には、これら発振を強制
的に第二通路C2 を通るようになす。その理由は、特に
第一通路C1 の増幅器11の利得g1 が第二通路の増幅
器12の利得g2 に応答するからである。この第二通路
では、ループ発振の制御はこれら発振が電気音響回路で
は迷惑とならないよう行なわれる。すなわちこれら発振
は聞き取れないように出来、増幅器7及び5を飽和させ
ない。従って、増幅器12の出力端子における発振の振
幅が所定の最大値W0 を取る場合にも、常に、回路15
の減衰係数A2 を増大させて回路16の入力端子におけ
る発振の振幅を極めて小さく迷惑とならないようにし、
回路14の利得G2 をこれに対応させて増大させて条件
(1) を満足するようになすことが可能である。第二通路
C2 を巡る発振によって出力端子Bに生ずる信号は一定
値VL=W0 /A2 となる。 【0042】次に、第一通路C1 及び電気音響回路16
が有効なすなわち所望な信号源である場合につき述べ
る。先ず、マイクロホン4から生じた音声信号が端子A
から第一通路C1 に向けられるとする。この場合、上述
した場合と同様に、マイクロホンからの音声信号によっ
て影響されることなく、第二通路C2 にループ発振が存
在し得る。出力端子Bにおいては、これらループ発振の
振幅は極めて小さく、がつ、電話線2から第一通路C1
の出力端子を経てやってきた音声信号に重畳する。スピ
ーカ8の前で聴いている者はこのように振幅が極めて小
さいこれらループ発振を聴くことが出来ない。前に説明
したような前提の場合には、増幅器12の利得g2 及び
従って増幅器11の利得g1 はマイクロホン4 からの音
声信号によっては影響されず音響結合係数1/βにのみ
依存する。 【0043】実際、予防策を取らなければ、マイクロホ
ン4からの信号の一部分が第二通路C2 に供給されて調
整器13によるループ発振の振幅調整を乱してしまう。
その場合には増幅器12の利得g2 従って増幅器11の
利得g1 は音響結合係数のみならずマイクロホン4から
の音声信号の振幅にも依存する。このような欠点を除去
するために図に破線で示すように増幅器12の前位の第
二通路C2 にフィルタ17を設け、発振を生じやすい周波
数帯域の特定部分に対し第二通路の利得を第一通路の利
得よりも高く維持するようにする。この場合、第二通路
の利得G2 は増幅器14の利得とフィルタ17とを含む
こととなる。 【0044】第一通路C1 において、例えば3000H
z以上の周波数に対する利得が3000Hzより低い周
波数に対する利得よりも高く、3000Hz以上で発振
を生じやすい場合には、フィルタ17として高域フィル
タを使用出来、これにより3000Hzより高い周波数
に対して第二通路の利得を高める。かくして条件(1)は
容易に満足出来、音声信号がループ発振の調整に対し及
ぼす悪影響も小さくなる。これらループ発振は3000
Hz以上の周波数で生じるが尚も十分ではない。 【0045】このフィルタ17を著しく狭い帯域の帯域
通過フィルタとするとさらに有益である。このようなフ
ィルタは、その通過帯域中の利得G2 を選択的に高める
と共に、回路16と第二通路C2 とによって形成される
補助ループの利得がこの通過帯域で正の値を取り得るよ
うになし、しかも、スピーカ及びマイクロホンの音響結
合にかかわりなく、この補助ループ内の発振がこの通過
帯域のほぼ中心周波数で行なわれるようになす。これと
同時に第二通路の音声信号はループ発振と比較して著し
くレベルが低く、これら発振の振幅調整を実質的に乱す
ことはない。 【0046】ここで留意すべきことは、狭帯域のフィル
タ17を用いれば、条件(1) を遙かに容易に満足するこ
とが出来、ループ発振が第二通路C2 のみを経て確実に
通過するようになし得ることである。この条件を満たす
ためには、フィルタ17の狭い帯域の中心周波数に対す
る第二通路の利得が第一通路の帯域の全ての周波数(例
えば300〜4000Hz)に対する、この第一通路に
よる利得よりも高いことで十分である。第一通路に破線
で示すように、フィルタ17と同じ狭い帯域の利得を高
めるフィルタ18を設けることによって、この条件(1)
を一層容易に満たすようになる。その場合、第一通路の
利得G1 はデバイス9の利得とフィルタ18を含む。こ
のフィルタ18はこの通過帯域の利得G1 を選択して高
めるので、この第一通路C1 の利得はこのフィルタ18
の狭い通過帯域において最大値を取る。この場合には条
件(1) を満足させるため従ってループ発振が確実に第二
通路C2 に沿って通過するようにするためには、フィル
タ17及び18の通過帯域の共通中心周波数に対する、
第二通路C2 の利得を第一通路C1 の利得よりも高くす
るだけでよい。ここで明らかであるがフィルタ18は狭
帯域であるので、音声信号に実質的には何ら摂動を生じ
させないであろう。また、一方においては増幅器14と
フィルタ17、他方においては増幅器10とフィルタ1
8を2つの選択増幅器の形態となしてもよい。さらに、
第一通路C1 にフィルタ18を用いる代わりに、図に破
線19で示すようなフィルタを増幅器5の出力端子とし
2つの通路に共用される入力端子Aとの間の通路中に設
けてもよい。このフィルタ19はフィルタ17と同一狭
帯域の利得を増大させるので、条件(1) は自動的に満足
され、2つのフィルタ17及び18の中心周波数でのル
ープ発振は第二通路を経て通過する。また、第二通路の
フィルタ17を、例えは3000Hzよりも高い周波数
に対する利得G2 を高める高域フィルタとする上述した
変形例においては、音声信号が相当程度にまで歪まない
ようにするために、フィルタ18または高域フィルタ1
9を用いることも可能であるが、送信される高周波数帯
域と減衰される低周波数帯域との間にわずかな減衰差が
あること明らかである。 【0047】本発明は数個の異なる変形例も可能であ
り、これらにつき対応する回路図を用いて説明する。こ
れら図において図1の回路図に示した構成成分と同一成
分については同一符号を付して示し、例えば、16は利
得Gを有する電気音響回路であり、9は第一通路C1 に
設けられた利得G1 のデバイスであり、14は利得G2
の増幅器であり、15は第二通路C2 に設けられた利得
1/A2 の減衰回路であり、13は直線増幅器である。
また後述するが夫々利得g1 及びg2 を有する増幅器1
1及び12を使用し得る。図示の簡単化のため、図1に
破線で示したフィルタ17〜19は省略してある。 【0048】図3aに示す回路において、端子A及びB
間に接続した2つの通路C1 及びC2 を図1の場合のよ
うに、完全に分離する。図3aと図1の両回路の差は、
第一通路の可変利得増幅器をデバイス9と両通路に共用
される出力端子Bとの間に設ける代わりに、共用入力端
子Aとデバイス9との間に設けている点にある。この新
しい位置に配設した第一通路の可変利得増幅器を11′
で示しその利得をg1′とする。この増幅器の制御を図
1の増幅器11の制御と全く同じようにして行ない、ラ
ッセン発振の制御に関して図1の装置につき説明された
事項は全て図3aの装置に対しても有効である。特に、
ラッセン発振は出力端子Bにおいて一定値VL=W0 /
A2 を有する小さな迷惑でない振幅に押えられる。ここ
でW0 は図2につき説明したように、可変利得増幅器1
2によって直線調整器13の入力端子に供給される信号
Wの最大一定値である。 【0049】図に示していないが別の変形例では、図1
及び図3aに示す装置を組合わせることが出来、その場
合、第一通路のデバイス9の両側に可変利得増幅器11
及び11′を夫々設け、これらを調整器13で処理した
信号で制御する。 【0050】図3bに示す変形例では端子A及びB間に
接続した2つの通路C1 及びC2 を完全には分離してい
ない。この回路が図3aの回路と相違する点は、第二通
路の増幅器14の入力端子を端子Aではなく可変利得増
幅器11′の出力端子に接続する点であり、この端子A
が常に2つの通路C1 及びC2 に共用される入力端子と
みなされる場合には、増幅器11′も両通路によって共
用されるが、この増幅器11′の出力端子から端子Bへ
の通路は夫々個別の通路部分を有する。これら個別部分
において、第二通路の利得が第一通路の利得よりも高く
する手段を講じる場合には、ラッセン発振は第二通路
の、第一通路とは分離されている部分においてのみ生じ
しかもこれら発振の振幅は端子Bでは一定値VL=W0
/A2 に限定されていて小さくかつ迷惑にならない大き
さである。図に示していないが、ある変形例では、直線
調整器13によって、可変利得増幅器12及び11′に
加えて、デバイス9の出力端子と端子Bとの間に設けた
図示されていない可変利得増幅器を制御するようになし
てもよい。 【0051】図3cに示す装置は、1個の可変利得増幅
器を使用しないですますことが可能であるので、図3b
の装置の別の改良例とみなし得る。相違点は第二通路の
増幅器12は、調整器13によって制御されないので、
一定の利得g2 を有する点である。図3cの装置におい
ては、利得g1 ′を有する増幅器11′が端子A及びB
間の、第一通路はもとより第二通路の部分をも形成して
いる点を考慮すると、調整器13は増幅器11′の利得
g1 ′に作用して第二通路の増幅リンク11′,14,
12の出力端子に形成される信号Wを一定に保持しW0
に等しく出来、この信号を調整器13の入力端子に供給
する。端子Bにおける発振の振幅は依然として低くかつ
一定値W0 /A2 に押えられている。この図3cの装置
の変形例においては、調整器13によって、特に、デバ
イス9の出力端子と端子Bとの間に設けた図示されてい
ない可変利得増幅器を制御するように出来る。 【0052】図3dに示す回路においても、2つの端子
A及びB間に接続される2つの通路C1 及びC2 を完全
には分離していない。図3dの回路が図1の回路と相違
する点は、利得1/A2 をもった減衰器を増幅器14の
出力端子と可変利得増幅器11の入力端子との間に接続
している点にある。この端子Bを両通路C1 及びC2に
共用される出力端子とみなす場合には、これら2つの通
路は増幅器11を共通に有する。2つの通路の、第一通
路C1 に対するデバイス9を含む個別部分と第二通路C
2 に対する減衰回路15を含む個別部分とを端子A及び
増幅器11の入力端子間に接続する。図3dで留意すべ
き点は、増幅器12が第二通路に組込まれていない点に
ある。第一通路とは分離した第二通路部分であって、増
幅器14と減衰回路15との間の箇所においてある信号
が形成され、この信号を可変利得増幅器12によって調
整器13の入力端子に供給する。この調整器13は増幅
器12の利得g2 及び増幅器11の利得g1 とを制御し
て増幅器12から調整器13の入力端子に供給される信
号Wを一定値W0 に保持するようになす。端子Bでのラ
ッセン発振の振幅が、増幅器11及び12の利得g1 及
びg2 が同一信号で制御されるために、VL=W0 /A
2 ・g1 /g2 という一定値に制限されることが容易に
わかる。特に、増幅器が同じであると、g1 =g2 であ
り、ラッセン発振の振幅の限界値はVL=W0 /A2 で
ある。 【0053】この図3dの回路の変形例では、端子Aと
デバイス9の入力端子間に可変利得増幅器を設け、これ
を調整器13によって制御するようになしていもよい。 【0054】図3eの回路は図3dの回路の別の改良例
であり、これは図3bの回路に対する図3cの回路の改
良例に対応する。この図3eの回路が図3dの回路と相
違する点は調整器13によって最早増幅器12を制御し
ないで利得g2 を一定に維持する点にある。この調整器
13は第二通路の一部分とみなされる増幅器11の利得
g1 に作用し、よって増幅器14と減衰回路15との間
の第二通路に生じた信号は一定の利得g2 を有する増幅
器12で増幅された後に調整器の入力端子に一定の振幅
W0 で供給される。図3eの回路では、端子Bでのラッ
セン発振振幅はVL=W0 /A2 ・g1 /g2 である。
しかし、上述した変形例とは異なり、この値VLは変化
し得、かつ利得g2 を一定とする。それにもかかわら
ず、減衰係数A2 及び利得g2 を選定してラッセン発振
の可変振幅が低く迷惑でない大きさに維持されるように
することが出来る。可変利得g1 を有する増幅器11
を、電話線からやってきて電気音響回路16に組込まれ
ているスピーカに供給されるべき有効音声信号の通路
に、配設するので、図3eに示す変形例によって、端子
Bにおける、有効音声信号と第二通路によって生ぜしめ
られる迷惑にならないラッセン発振により発生される雑
音との比を一定とすることが出来る。図示されてはいな
いが、図3eの回路の変形例では、他端子Aとデバイス
9との間に可変利得増幅器を設け、これを調整器13に
よって制御するようになし得る。 【0055】図3fに示す回路が図3eに示す回路と相
違する点は、調整器13によって制御される可変利得g
1 ′をもった増幅器11′を端子Aとデバイス9との間
に設けたこと及び増幅器14を増幅器11′とデバイス
9との間に接続したことにある。このように、図3fの
回路では端子A及びBに接続される可変利得増幅器1
1′及び11を2つの通路に共通に使用してこれらを調
整器13から供給される同一信号によって制御するよう
になす。これら2つの通路の個別部分は図3eの回路と
同一の構成成分を備え、調整器13の入力端子を、一定
利得g2 を有する増幅器12によって、第二通路に同様
に接続している。図3fに示す回路では端子Bでのラッ
セン発振の振幅の値はVL=W0 /A2 ・g1 /g2 で
あってg1と同様に変化する。 【0056】図3c、図3e及び図3fの回路では、増
幅器12の利得g2 は一定であるとしたが、回路を正し
く動作させるためには利得g2 が1に等しいことで十分
であるとする場合には、この増幅器を完全に省略するこ
とが可能である。 【0057】図3a〜図3fに示す回路では、図1に示
す回路のフィルタ17〜19と同一特性及び同一機能を
もったフィルタを備えるのが有益である。その場合、フ
ィルタ17の機能をもったフィルタを第二通路の、第一
通路とは分離された部分に設け、フィルタ18の機能を
もったフィルタを第一通路の、第二通路とは分離された
部分に設け、フィルタ19の機能をもったフィルタを主
ループ及び補助ループに共通な部分に設ける。 【0058】図4には、可変利得増幅器12及びその調
整器13並びに可変利得増幅器11によって形成される
組合わせ回路の実施例を示す。この実施例は本願人によ
るフランス特許出願第8007055号に詳細に説明さ
れている調整装置の原理を利用している。 【0059】図4によれば、第二通路C2 に設けられた
増幅器12はnpnトランジスタを具え、そのエミッタ
を基準端子として供する負の供給端子に接続し、コレク
タは抵抗23及びコンデンサ24の直列回路を経て増幅
器の入力信号xを受け取るように接続し、ベースを積分
回路25の出力端子に接続している。以下説明するよう
に、この積分回路25によって調整器13において形成
されたパルス状信号Pc を受け取る。このトランジスタ
22は増幅器12の可調整成分である。実際に、抵抗2
3とコンデンサ24との間の端子26に得られる電圧
は、そのレベルがトランジスタ22のエミッタ−コレク
タ通路の導通状態に多少なりとも依存し従って積分回路
25の出力電圧に依存するので、増幅器の入力信号xの
一部分であって可変である。容易に判ることであるが、
積分回路25の出力電圧が増大又は減少するとこれに対
応して端子26に得られる信号のレベルも減少又は増大
する。端子26に得られるこの可変レベル信号を例えば
電流im とし、これを一定利得増幅器27に供給する。
この増幅器27の出力端子28には可変利得増幅器12
の出力信号Wに同等な可変電流Im を生ずる。また増幅
器27の出力端子29には電流I0 +Im を生じ、ここ
でI0 は振幅が一定の直流電流である。この調整器13
においては、電流I0 +Im はパルス幅変調器30に供
給される。この変調器30はクロック発生器31からク
ロックパルスを受け取って電流I0 +Im によって変調
された幅を有するパルスで形成された信号Pm を生ず
る。パルス幅変調されたパルスを形成する方法は既知で
ある。ここでは、特にクロックパルスを使用して変調器
の入力電流I0 +Im のサンプリングを行なっている。
サンプリング時におけるこの電流の可変部分Im が零で
ある場合には、信号Pm のパルスの幅はP0 である。こ
れらサンプリング瞬時において、可変電流Im が正また
は負であるかに応じて、信号Pm のパルス幅はP0 より
も長くなったり短かくなったりする。パルス長P0 +P
m1およびP0 −Pm1を有するパルスは可変電流Im が値
Im1及び−Im1を取り得る場合のこの電流Im の所定レ
ベルに夫々対応する。この変調された信号Pm をパルス
長検出器32に供給して、これより圧縮パルスと一般に
称せられ、一定の持続時間を有し及び信号Pm のパルス
が値P0±Pm1に達する毎に生ぜしめられるパルス整形
されたパルス整形信号Pc を生ずる。パルス整形信号P
c を積分回路25に供給し、これより圧縮パルスのパル
ス繰返し率を表わす電圧を生ずる。基本的には、この積
分回路は圧縮パルスの持続期間中一定電流によって充電
されかつこの充電電流よりも低い電流によって放電され
るコンデンサを具えている。このように、電流Im のレ
ベルを越えたことを表わす圧縮パルスが現われると、積
分回路25から生ずる電圧は増大し、トランジスタ22
を一層導通させ、電流レベルIm を減衰させる。最終的
には、この積分回路25から生ずる電圧は平均値あたり
で安定化して電流Im を定レベルとなす。上述した実施
例によれば、調整器13と関連する増幅器12は図2に
示す所要の特性を正確に有しており、この図に示された
定レベルW0 は電流Im が設定される定レベルと等しく
なる。 【0060】第一通路C1 に組込まれた可変利得増幅器
11は増幅器12と同一構成となっており、従って、こ
れはダッシュ′を付した同一番号でその構成成分を示し
てある。この増幅器11の制御を上述した調整器13で
形成されたパルス状信号PCで行なう。増幅器11の可
変構成成分であるトランジスタ22′を増幅器12の可
変構成成分であるトランジスタ22と同一の信号で制御
する。2つの増幅器の構成成分特にトランジスタ22及
び22′を適切な方法で対を構成するように配置する場
合には、増幅器11の利得を、各瞬時に増幅器12の利
得を同じ値に自動調整することが出来る。 【0061】増幅器11の目的は有効信号(例えば音声
信号)を処理することにあるので、また、増幅器12は
ループの発振信号を処理することにあるので、この増幅
器で処理される信号に適合するように積分回路25及び
25′に別個の時定数を与えるのが有益であり得る。他
方、トランジスタ22及び22′を対となし同一信号で
制御するように配設することによって、増幅器27及び
27′に異なる利得を与え、増幅器11及び12の利得
を一定の比に維持する。 【0062】図4に示す回路は図1の回路の増幅器11
及び12と調整器13との組合わせ回路を実現するため
の好適な回路図である。しかしながら、同じ実施例で、
調整器13によって、別の方法で接続されている2つの
可変増幅器を制御するが、これらの一方だけを制御して
図3に示す数個の変形例を実現化することが出来ること
明らかである。 【0063】本発明は、迷惑となるラッセン発振を回避
するためのハンドフリータイプの電話機に適用すると、
極めて簡単にさらに著しく有益な機能を行なわせること
が出来る。すなわち、電話機の送信及び受信通路におい
て相補的な利得変化を行なうことが出来る。 【0064】公知の電話機の場合には、2つの通路にお
いて相補的に利得変化を行なわせるため、送信通路の増
幅器の助けをかりて一方向の利得変化を行なわせかつこ
れと同時に受信通路の増幅器の助けをかりて同じ振幅で
はあるが他方の方向の利得変化を行なわせることが必要
である。これら利得の切換えを音声によって行なうた
め、出力信号を使用して利得の切換えを行なうための2
つの音声検出器を使用することが度々行なわれる。 【0065】本発明により、1個の単一増幅器の利得だ
けを制御することによって、電話機の2つの通路におけ
る相補的利得変化を得ることが可能となる。本発明によ
るこの特徴を説明するため、図1に示すように本発明に
よる装置と関連する電話機の場合につき考察し、利得切
換方法を図5を参照して説明する。この図5には図1に
示す回路の構成成分の大多数を同一符号を付して示して
ある。この実施例においては、電話機の2つの通路の利
得を制御するように機能する単一増幅器は増幅器5であ
って、この場合にはこの増幅器は可変利得を有するもの
としかつこの増幅器を送信通路の、マイクロホンと、第
一通路C1 及び第二通路C2 とによって共同使用される
入力端子Aとの間に挿入するものとする。増幅器5が最
小利得値すなわち利得Gが最小値である場合に、第二通
路C2 の構成成分の利得を上述したように制御して迷惑
でない持続発振が回路16と第二通路とで形成される補
助ループにのみ生ずるようにする場合には、これら迷惑
でない発振は増幅器5の利得gの他の全ての値に対して
も確実に生ずる。利得gの全ての値に対し、補助ループ
の総合利得は式(7) で表わされる1に等しい状態に留ま
る。 【0066】回路16を通過する発振の振幅は著しく小
さいので、この回路の構成成分は直線モードで動作しこ
の回路16の利得Gは利得gにほぼ比例する。hを一定
の係数としてG=hgとすると、式(3) を h・g・g2 ・G2 ・1/A2 =1 (9) と書き直してもよい。 【0067】可変利得g1 及びg2 を有する2つの増幅
器11及び12が同等であって同一符号で制御される場
合には、g1 =g2 でかつ式(9) を h・g・g1 ・G2 ・1/A2 =1 (10) と書き直し得る。 【0068】これより、マイクロホン4からの信号を増
幅する増幅器5の各利得gの変化に対応して、電話機で
受信された信号を増幅する増幅器11の利得g1 が同一
振幅でかつ反対方向に自動的に変化する。 【0069】利得g1 及びg2 をg1 =ag2 のように
制御する場合には、増幅器5の各利得gの変化に対応し
て、受信通路での利得が反対方向にかつa分の1の振幅
で変化することが容易に判る。 【0070】留意すべきことは、送信及び受信通路での
利得変化を反対方向にするため、送信通路の、マイクロ
ホン4と2つの通路C1 及びC2 に共用な入力端子Aと
の間に含まれる増幅器例えば増幅器5を作動させる必要
がある。受信通路の任意の箇所に生じた利得変化例えば
増幅器7の利得変化は送信通路には利得変化を生じさせ
ない。 【0071】増幅器5の利得変化を2つの利得値間で徐
々にまたは急激に行なってもよい。電話機の音声の切換
えを自動的に行なうため、例えば、音声信号検出器40
によって制御することも出来る。加入者がマイクロホン
4に話しかけると、検出器40によって検出された音声
が増幅器5の通常の利得を制御するように作用する。そ
のため自動的に増幅器11に対する利得g1 は小さな値
となり、従ってスピーカ8の附勢信号も弱くなる。加入
者がマイクロホン4に対する話し掛けを止めると、検出
器40によって増幅器5の低利得を制御し、自動的に増
幅器5の利得g1 を大きな値となし、スピーカ8には通
常の附勢信号を供給するようになる。この場合、加入者
が手動制御を行なって最良の聴き取り状態となすことも
出来る。 【0072】また、第一及び第二通路での利得の切換え
を、本発明の他の変形例においても、1個の単一可変利
得増幅器を用いて行なうことも出来ることは容易に理解
し得る。調整器13によって制御される、第一通路C1
の可変利得増幅器を電話機の2つの通路の一方に備える
と、利得切換えのため使用される可変利得増幅器を、他
方の通路の音響変換器と、両通路C1 及びC2 の2つの
個別部分によって共用される端子との間に、設けること
で十分である。例えば、図3aに示す装置では、調整器
13によって制御される可変利得増幅器11′を電話機
の送信通路に設けているが、利得の切換えのために使用
される可変利得増幅器を、両通路によって共用される出
力端子Bと、電気音響回路16に組込まれたスピーカと
の間の受信通路に、設けてもよい。音声信号によって利
得を自動的に切換えるため、マイクロホンの音声信号を
検出する検出器40を採用することも出来る。ここで留
意すべきことは、調整器13が両通路C1 及びC2 に共
用される1個又は2個の可変利得増幅器のみを制御する
ようになした図3c、図3e及び図3fに示す如き装置
においては、自動的に同一振幅となりかつ反対方向の利
得変化を、適当な通路に設けた利得切換え用の増幅器に
よって得ることが出来る。 【0073】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく多くの変形又は変更をを行ない得ること明
らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明拡声電話機の一実施例を示すブロック線
図である。 【図2】本発明拡声電話機に用いられる直線調整器の特
性を示す特性図である。 【図3】a〜fは本発明の種々の変形例を夫々示すブロ
ック線図である。 【図4】調整器及びこれによって制御される2つの可変
利得増幅器の一実施例を示す線図である。 【図5】電話機の2つの通路の利得切換用の手段を追加
して備えた図1の本発明拡声電話機を示す線図である。 【符号の説明】 1 結合回路 2 電話線 3 送信通路(送話通路) 4 マイクロン 5,14,27, 27′ 増幅器 6 受信通路(受話通路) 7 デバイス 8 スピーカ(拡声器) 9,20 デバイス 10 回路 11,11′ 可変利得増幅器 12 別の可変利得増幅器 13 直線調整器 15 減衰回路 16 電気音響回路 17, 18, 19 フィルタ 22, 22′ トランジスタ 23, 23′ 抵抗 24, 24′ コンデンサ 25, 25′ 積分回路 30 パルス幅変調器 31 クロック発生器 32 パルス長検出器 40 音声信号検出器
図である。 【図2】本発明拡声電話機に用いられる直線調整器の特
性を示す特性図である。 【図3】a〜fは本発明の種々の変形例を夫々示すブロ
ック線図である。 【図4】調整器及びこれによって制御される2つの可変
利得増幅器の一実施例を示す線図である。 【図5】電話機の2つの通路の利得切換用の手段を追加
して備えた図1の本発明拡声電話機を示す線図である。 【符号の説明】 1 結合回路 2 電話線 3 送信通路(送話通路) 4 マイクロン 5,14,27, 27′ 増幅器 6 受信通路(受話通路) 7 デバイス 8 スピーカ(拡声器) 9,20 デバイス 10 回路 11,11′ 可変利得増幅器 12 別の可変利得増幅器 13 直線調整器 15 減衰回路 16 電気音響回路 17, 18, 19 フィルタ 22, 22′ トランジスタ 23, 23′ 抵抗 24, 24′ コンデンサ 25, 25′ 積分回路 30 パルス幅変調器 31 クロック発生器 32 パルス長検出器 40 音声信号検出器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ジャック イブ バルシュ
フランス国 22300 ラニオン プラス
デュマルシヤラ 26
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 拡声電話機のマイクロホンに結合された入力端子及
びそのスピーカに結合された出力端子を有する第一通路
と、その出力端子と入力端子との間の音響帰還路とを少
くとも含む電気音響ループにおいて所定の周波数帯域内
で生ずる不所望発振を防止する回路であって、前記第一
通路の入力及び出力端子間に可変利得増幅器を組込んで
成る不所望発振防止回路を具えた拡声電話機において、
少くとも一部分が前記第一通路から分離された第二通路
を前記第一通路の入力端子と出力端子との間に設け、拡
声電話機を電話線に結合する結合回路を前記第一通路
の、前記第二通路から分離された部分に含ませ、更に前
記第二通路内に組込まれた少くとも1個の可変利得増幅
器と、第二通路の利得を発振を発生しやすい前記周波数
帯域に亘り前記第一通路の利得より高く維持する手段
と、前記第一通路から分離された第二通路部分に形成さ
れる信号を受信する入力端子及び第二通路の一部を形成
する前記少くとも1個の可変利得増幅器の制御端子に接
続された出力端子を有する直線調整器とを設け、この直
線調整器がこの少くとも1個の可変利得増幅器を、この
直線調整器の入力端子の信号、即ち第二通路内の信号が
所定値から一定に維持されるように制御するようにした
ことを特徴とする拡声電話機。 2. 前記第二通路を前記第一通路から完全に分離させ及
び前記第二通路には前記直線調整器の入力端子に供給す
る出力信号を生ずる可変利得増幅器を設け、この直線調
整器によって前記第二通路の前記可変利得増幅器を制御
すると同時に、前記第一通路の、これら第一及び第二通
路に共用される入力端子近くに設けられた可変利得増幅
器及び前記第一通路の、これら第一及び第二通路に共用
される出力端子近くに設けられた可変利得増幅器の両者
又はいずれか一方を制御するように構成したことを特徴
とする特許請求の範囲1記載の拡声電話機。 3. 前記第二通路を減衰回路によって第一及び第二通路
に共用される前記出力端子に接続して成ることを特徴と
する特許請求の範囲2項記載の拡声電話機。 4. 第一及び第二通路はこれら両通路に共用される入力
端子近くに設けられた1個の共通可変利得増幅器及びこ
れら両通路に共用される出力端子近くに設けられた可変
利得増幅器の両者又はいずれか一方を具え、これら両通
路に共用されるこれら可変利得増幅器の一方又は他方を
前記直線調整器によって制御するように構成したことを
特徴とする特許請求の範囲1記載の拡声電話機。 5. 前記第一及び第二通路はこれら両通路に共用される
入力端子(又はこれら両通路に共用される出力端子)近
くに設けられた共通の単一可変利得増幅器を具える特許
請求の範囲4記載の拡声電話機において、前記第一通路
は前記両通路に共用される出力端子(又はこれら両通路
に共用される入力端子)近くに設けられかつ前記直線調
整器によって制御される別の可変利得増幅器を具えるこ
とを特徴とする拡声電話機。 6. 前記第二通路の、前記第一通路から分離された部分
に形成される信号を定利得増幅器によって直線調整器の
入力端子に供給するように構成したことを特徴とする特
許請求の範囲4または5記載の拡声電話機。 7. 前記第二通路の、前記第一通路から分離された部分
に形成される信号を、直線調整器により制御される可変
利得増幅器によって、該直線調整器の入力端子に供給す
るように構成したことを特徴とする特許請求の範囲4ま
たは5記載の拡声電話機。 8. 前記第一及び第二通路がこれら両通路に共用される
入力端子近くに設けられた1個の共通の単一可変利得増
幅器を具える特許請求の範囲4〜7のいずれか一つに記
載の拡声電話機において、前記第二通路を減衰回路によ
ってこれら両通路に共用される出力端子に接続して成る
ことを特徴とする拡声電話機。 9. 前記第一及び第二通路がこれら両通路に共用される
出力端子近くに位置する共通の単一可変利得増幅器を具
える特許請求の範囲4〜7のいずれか一つに記載の拡声
電話機において、前記第二通路の、前記第一通路から分
離された部分を減衰回路によって前記共通の可変利得増
幅器の入力端子に接続して成ることを特徴とする拡声電
話機。 10. 前記第一及び第二通路がこれら両通路によって共用
される入力端子及び出力端子近くに夫々設けられた2個
の共用される可変利得増幅器を具える特許請求の範囲
4,6及び7のいずれか一つに記載の拡声電話機におい
て、前記第二通路の、前記第一通路から分離された部分
を、減衰回路によって、前記両通路に共用される出力端
子近くに設けられた共通の可変増幅器の入力端子に接続
して成ることを特徴とする拡声電話機。 11. 第二通路の利得を発振を発生しやすい周波数帯域に
亘り第一通路の利得より高く維持する前記手段は、第二
通路の、第一通路から分離された部分であって、直線調
整器の入力端子に供給される信号が形成される箇所の前
位に配置され前記周波数帯域における第二通路の利得を
選択的に増大するフィルタを具えたことを特徴とする特
許請求の範囲1〜10のいずれか一つに記載の拡声電話
機。 12. 前記第二通路の前記フィルタは狭帯域フィルタとす
ることを特徴とする特許請求の範囲11記載の拡声電話
機。 13. 前記第二通路の前記フィルタを高域フィルタとする
ことを特徴とする特許請求の範囲11記載の拡声電話機。 14. 第二通路の利得を発振を発生しやすい周波数帯域に
亘り第一通路の利得より高く維持する前記手段は、前記
第一通路の、前記第二通路から分離された部分に配置さ
れ前記周波数帯域における第一通路の利得を選択的に増
大するフィルタも具えていることを特徴とする特許請求
の範囲11〜13の何れか一つに記載の拡声電話機。 15. 第二通路の利得を発振を発生しやすい周波数帯域に
亘り第一通路の利得より高く維持する前記手段は、前記
第一及び第二通路に共用される入力端子の前位、前記両
通路に共用される出力端子の後位及び前記両通路に共用
される部分内のいずれかに配置され前記周波数帯域にお
ける両通路の組合せ回路の利得を選択的に増大するフィ
ルタを具えたことを特徴とする特許請求の範囲11〜13の
いずれか一つに記載の拡声電話機。 16. 前記直線調整器は、該直線調整器の入力端子に供給
される信号に対応する信号を受け取るパルス幅変調器
と、該パルス幅変調器によって生ずるパルスの幅がその
入力端子における信号レベルを越えたことを表わす値に
達する毎に圧縮パルスを生ずるパルス長検出回路とを具
え、該圧縮パルスを積分回路に供給して該積分回路の出
力信号で、前記直線調整器によって制御される1個又は
複数個の可変利得増幅器の可変構成成分を制御するよう
に構成したことを特徴とする特許請求の範囲1〜15のい
ずれか一つに記載の拡声電話機。 17. 前記直線調整器によって制御されかつ受信通路(又
は送信通路)に配置された可変利得増幅器を第一通路に
具える特許請求の範囲17記載の拡声電話機において、マ
イクロホン(又はスピーカ)と前記第一及び第二通路の
個別部分によって共用される入力端子(又は出力端子)
との間の送信通路に、第一及び第二通路の両通路の利得
を切換える機能を有する別の可変利得増幅器を具え、前
記第二通路の利得を前記第一通路の利得よりも高く維持
するために設けられた前記手段を、前記第二通路により
閉成される電気音響ループが弱い振幅の不所望ではない
発振の発振源であるように、調整し及び前記別の可変利
得増幅器の利得によって引き起された変化によって受信
(又は送信)通路での反対方向の利得変化を決定するよ
うに構成したことを特徴とする特許請求の範囲1〜16記
載の拡声電話機。 18. 前記別の可変利得増幅器を前記マイクロホンにより
発生させられた音声信号を検出する検出器によって制御
するように構成したことを特徴とする特許請求の範囲17
記載の拡声電話機。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR8109190A FR2505587A1 (fr) | 1981-05-08 | 1981-05-08 | Dispositif destine a eviter des oscillations entretenues genantes dans un systeme boucle |
FR8109190 | 1981-05-08 | ||
FR8119155A FR2514595A1 (fr) | 1981-10-12 | 1981-10-12 | Poste telephonique " mains libres " a gains commutables sur les deux voies de parole |
FR8119155 | 1981-10-12 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57076033A Division JPS57201360A (en) | 1981-05-08 | 1982-05-08 | Undesired oscillation preventing circuit |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0662104A true JPH0662104A (ja) | 1994-03-04 |
Family
ID=26222382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7717191A Pending JPH0662104A (ja) | 1981-05-08 | 1991-03-18 | 拡声電話機 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0065335B1 (ja) |
JP (1) | JPH0662104A (ja) |
AU (1) | AU547891B2 (ja) |
CA (1) | CA1190984A (ja) |
DE (1) | DE3261682D1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2514595A1 (fr) * | 1981-10-12 | 1983-04-15 | Trt Telecom Radio Electr | Poste telephonique " mains libres " a gains commutables sur les deux voies de parole |
FR2505587A1 (fr) * | 1981-05-08 | 1982-11-12 | Trt Telecom Radio Electr | Dispositif destine a eviter des oscillations entretenues genantes dans un systeme boucle |
EP0290952B1 (de) * | 1987-05-15 | 1992-11-04 | Alcatel SEL Aktiengesellschaft | Schaltungsanordnung zur Sprachsteuerung für ein Endgerät der Nachrichtentechnik |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS527140U (ja) * | 1975-07-03 | 1977-01-19 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE1156113B (de) * | 1958-02-28 | 1963-10-24 | Siemens Ag | Schaltungsanordnung fuer Fernsprechanlagen mit einer sprachgesteuerten Rueckkopplungssperre |
GB1349734A (en) * | 1969-11-07 | 1974-04-10 | Post Office | Arrangements for amplifying and reproducing audio frequency signals |
NL7612358A (nl) * | 1976-11-08 | 1978-05-10 | Philips Nv | Versterkerinrichting voor akoestische signalen voorzien van middelen voor het onderdrukken van ongewenste stoorsignalen. |
-
1982
- 1982-05-06 AU AU83469/82A patent/AU547891B2/en not_active Ceased
- 1982-05-06 CA CA000402425A patent/CA1190984A/en not_active Expired
- 1982-05-06 DE DE8282200544T patent/DE3261682D1/de not_active Expired
- 1982-05-06 EP EP19820200544 patent/EP0065335B1/fr not_active Expired
-
1991
- 1991-03-18 JP JP7717191A patent/JPH0662104A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS527140U (ja) * | 1975-07-03 | 1977-01-19 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0065335B1 (fr) | 1984-12-27 |
CA1190984A (en) | 1985-07-23 |
EP0065335A1 (fr) | 1982-11-24 |
AU547891B2 (en) | 1985-11-07 |
AU8346982A (en) | 1982-11-11 |
DE3261682D1 (en) | 1985-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5640450A (en) | Speech circuit controlling sidetone signal by background noise level | |
US5412734A (en) | Apparatus and method for reducing acoustic feedback | |
US4891837A (en) | Voice control circuit for a communication terminal | |
JPH0662104A (ja) | 拡声電話機 | |
JPH0354498B2 (ja) | ||
JPH1117778A (ja) | 音声信号の処理回路 | |
US4726062A (en) | Duplex hands-free communications circuit | |
JP2637106B2 (ja) | 音声会議装置 | |
JPH01212950A (ja) | 電話装置 | |
KR920020873A (ko) | 음성통신장치 및 음향에코 캔슬러의 트레이닝 방법 | |
JPH03151746A (ja) | 高齢者用電話機 | |
JPH0522382A (ja) | 電話機 | |
JPH05252253A (ja) | 電話機 | |
JPH06252987A (ja) | 音声通信装置 | |
JPS63191447A (ja) | 電子電話機 | |
JPS6248162A (ja) | ハンズフリ−電話器 | |
JPH05315993A (ja) | マイク兼用スピーカーを有する通信方式 | |
JPH0818647A (ja) | 通話装置 | |
JPH1023114A (ja) | 電話器 | |
JPH06291815A (ja) | 電話装置 | |
JPH0715491A (ja) | 電話装置 | |
JPS63217757A (ja) | 自動車電話装置 | |
JPS6359226A (ja) | インタ−ホン装置 | |
JPH02252399A (ja) | 可聴信号聴取装置 | |
JPS59182635A (ja) | 通信回路 |