JPH0661739A - 直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ - Google Patents

直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ

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Publication number
JPH0661739A
JPH0661739A JP22776792A JP22776792A JPH0661739A JP H0661739 A JPH0661739 A JP H0661739A JP 22776792 A JP22776792 A JP 22776792A JP 22776792 A JP22776792 A JP 22776792A JP H0661739 A JPH0661739 A JP H0661739A
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JP
Japan
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slot
cross
linearly polarized
radial line
shaped
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Application number
JP22776792A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Okazaki
康弘 岡崎
Masanori Suzuki
正則 鈴木
Hisashi Yoshimoto
尚志 吉本
Yuji Numano
雄司 沼野
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射波を消滅させ励振波を進行波にすると共
に、スロット導体板の開口全面から同一位相同一振幅の
垂直偏波および水平偏波を送信又は受信しアンテナ効率
を向上する直線偏波ラジアルラインスロットアンテナを
提供する。 【構成】 R1n=F(n)+δおよびR2n=F(n)
+λg/4+δの半径Rm(符号11)とRn(符号1
2)上に十字形スロット6a,6b(6a′,6b′)
を傾斜して設けペアスロットとし反射波を消滅させると
共に、F(n)をnλgの値よりnの増加に対応して1
00%から90%漸減し、かつnの増加に対応してスロ
ット長を0.34λから0.45λまで漸増する。ま
た、ペアスロットの間隔Sφも変化させる。以上により
スロット導体板3の開口全面から同一位相,同一振幅の
電波を送信又は受信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、BS(放送衛
星)あるいはCS(通信衛星)において電波を送受信す
る平面アンテナに係り、特にラジアル導波管を備えた直
線偏波ラジアルラインスロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】パラボラアンテナに較べて製造,据え付
け作業の容易さや雪害,風害の影響を受けにくい等の長
所があることから近年平面アンテナが採用されている。
平面アンテナとしては各種型式のものがあるが、上下に
スロット導体板を平行に対向配置してラジアル導波路を
形成すると共に、上方側のスロット導体板にスロットを
設けてアンテナ素子とし、ラジアル導波路の中心に同軸
給電部を備えたラジアルラインスロットアンテナがあ
る。特開平1−46305号公報はその一例を示すもの
である。この平面アンテナは、送信又は受信の単位を隣
接する2つのスロットとし、2つのスロットはλg/2
の半径差のある同心円上に多数個配列されたものからな
り、かつ一対のスロットは互いに90度の交角で配列さ
れている。以上の構造により直線偏波の電波を授受出来
ると共に、電波放射面,受信面の各部で比較的一様又は
均等の電波の送信又は受信が出来る。
【0003】図15は直線偏波ラジアルラインスロット
アンテナの他の従来技術を示すものであり、米国特許
2,929,064号に開示されたPENCIL BEAM SLOT A
NTENNAのスロット構造を示すものである。図示のように
スロット13は半円弧14と、半円弧14からλg/2
だけ半径方向にずれた半円弧15と、更に、それからλ
g/2だけ半径方向に順次ずれた半円弧16,17・・
・等に沿って角度ψだけ傾斜して配列される。しかしな
がら、この構造のスロット導体板3aは、垂直偏波(y
軸方向)しか放射することが出来ない。水平偏波(x軸
方向)を放射するには、このスロット導体板3aを図の
位置から90°回転した形状のスロット導体板を用いる
ことが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】衛星通信においては、
奇数チャンネル(ch)の垂直偏波(V偏波)と偶数チ
ャンネル(ch)の水平偏波(H偏波)とを同時に使用
する偏波共用方式のものが必要である。しかしながら、
特開平1−46305号公報の平面アンテナの場合に
は、各アンテナ素子の方向に対応した偏波面の直線偏波
で励振されるが、同軸線路内では同じTEM波で位置さ
れてしまうため偏波共用が出来ない。また、図15に示
したスロットアンテナは前記したように2種類のスロッ
ト導体板を使用しなければ偏波共用は出来ない。一方、
本発明者が先に開発したラジアルラインスロットアンテ
ナがある(特願平3−23610号)。このアンテナは
十字形スロットを有するもので管内波長λg分だけ半径
方向に離れた同心円上に多数個配列される。給電部から
供給される電波は十字形スロットから垂直偏波又は水平
偏波となって放射される。前記したように衛星通信では
偏波共用のアンテナが必要であり、このラジアルライン
スロットアンテナは衛星通信に適用可能なものである。
しかしながら、このタイプのアンテナの場合次のような
問題点がある。円形導波管の給電部からのTE11波等の
電波がスロット導体板の十字形スロットを励振すること
により電波はラジアル導波路から十字形スロットを通っ
て自由空間へ放射される。しかし、十字形スロットの励
振の際に電波の一部が十字形スロットにより反射され、
反射波となって給電部側に戻る。十字形スロットは前記
したように管内波長λgの間隔で同心円上に配列されて
いるため、各同心円上の多数個の十字形スロットから一
斉に反射波が給電部側に戻り、給電部側からの伝送波の
進行を阻害する。そのため、定在波(進行しない波)が
発生し、アンテナの開口効率を大巾に低下させる問題点
がある。
【0005】一方、スロットを有する直線偏波ラジアル
ラインスロットアンテナの場合には、その中心から半径
方向に向かう円筒波(励振波)によってそれぞれのスロ
ットが励振されるため、給電される中心部から外方に進
むにつれて電界振幅が小さくなる。また、中心側に較べ
て外方に行くにつれてスロットの数が増加するため電界
振幅が更に減少する。また、スロットの周方向の間隔
(Sφ)が一定の場合にはx軸又はy軸近傍の電界振幅
がy軸又はx軸近傍の電界振幅よりも小さくなる。その
ため、スロットアンテナのスロット導体板の全面から放
射する電界振幅が一様にならず、アンテナ効率を大巾に
低下させる問題点があった。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するもの
で、反射損失が極めて少なく、スロット導体板のスロッ
トから垂直偏波および水平偏波が放射出来、かつスロッ
ト導体板の全面から放射される電波の電界振幅が一様に
なり、アンテナ効率を大巾に向上し得る直線偏波ラジア
ルラインスロットアンテナを提供することを目的とす
る。なお、本発明のスロットアンテナは送信アンテナと
してだけでなく、受信アンテナとしても同様に機能し得
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、偏波共用の波長λの電波を送受信する
給電部と、該給電部から半径方向に広がって配設され相
対向する上下のスロット導体板で形成されるラジアル導
波路と、上方のスロット導体板に形成される多数個の十
字形スロットと、偏波共用の電波を管内波長λgの垂直
偏波および水平偏波に選択的に切り換える偏波切換器を
備え、管内波長λgの垂直偏波および水平偏波を送受信
するラジアルラインスロットアンテナであって、前記十
字形スロットは、R1n=F(n)+δの円周上に配設
された十字形スロットと、R2n=F(n)+λg/4
+δの円周上に配設された十字形スロットのペアスロッ
トから形成され、それぞれの十字形スロットは該十字形
スロットの中心と前記給電部の中心とを結ぶ半径に対し
てα(ラジアン)だけ傾斜して配設されると共に、前記
F(n)の値は、nの増加に対応してnλgの値より漸
減し、前記十字形スロットのスロット長はnの増加に対
応してn=1の位置におけるスロット長より漸増するよ
うにした直線偏波ラジアルラインスロットアンテナを構
成するものである。更に、具体的には、前記F(n)の
値を0.99nλgとし、F(n)がnの増加に対応し
てnλgの値に対して100%から90%まで漸減し、
前記十字形スロットのスロット長さはnの増加に対して
n=1の場合のスロット長から0.34λ乃至0.45
λまで漸増することを特徴とし、かつ前記αの値をπ/
4に設定する。更に、本発明、前記給電部に近い円周の
1n上に配設される十字形スロットの中心Cnと前記
給電部の中心を結ぶ半径とx軸との交角を中心角φnと
し、円周R1nとペアの円周R2n上に配線される隣りの
十字スロットの中心Cmと前記x軸との交角を中心角φ
mとし、dφ=φn−φmとした場合、前記CnとCm
とのスロット間隔SφはSφ=(sindφ)rを満足
すべく前記十字形スロットのアンテナ素子を配列するよ
うにした直線偏波ラジアルラインスロットアンテナを構
成するものであり、具体的には前記羃数rを約0.6乃
至1.2の範囲で変化させて前記Sφを約0.35λ乃
至0.6λとし、前記Sφが同一円周の直交座標の近傍
で僅かに変化し、半径の増加(nの増加)に伴って漸増
するようにした直線偏波ラジアルラインスロットアンテ
ナを特徴とするものである。
【0008】
【作用】R1n=F(n)+δの円周上とR2n=F
(n)+λg/4+δの円周上に十字形スロットを角度
α(α=π/4)でペアで配置することにより、対応す
る十字形スロットからの反射波が打ち消しあって消滅
し、給電部(中心)からの励振波は進行波となる。一
方、例えば、給電部のy軸方向に沿う電界ベクトルによ
って生ずるラジアル導波管内の電流ベクトルをIとする
と、前記R1nおよびR2n上の十字形スロットには、該
十字形スロットのx軸との角度位置に関係なく合成放射
電力はy軸方向に向いて一定の値となり、かつ同一円周
上においてはすべて同位相となり、かつペアの十字形ス
ロットの合成波は同一の電界振幅を形成する。しかしな
がら、電界振幅は十字形スロットの半径方向位置により
相異し、給電部の中心から周辺(外方)に向かって変化
する。そのため、nの値の増加に対応して半径方向の間
隔とスロット長を変化させる。それにより、アンテナ開
口面積全体から同位相,同振幅の垂直偏波を送り出すこ
とが出来る。また、給電部の電界ベクトルをx軸方向に
向けることにより、アンテナ開口面積全体から同位相,
同振幅の水平偏波を同様に放射することが出来偏波共用
のアンテナになる。勿論、可逆の理により受信の場合も
同様である。一方、更に、厳密に電界振幅について着目
した場合、同一円周上では直交座標軸の近傍で電界振幅
が変化する。また、半径の増加と共にSφを漸増してゆ
くため電界振幅が小さくなり過ぎる場合が生ずる。これ
等を防止するためSφの値を変化させる。それにより、
同一円周上で同振幅分布が得られアンテナ開口面全体に
わたり一様の放射電力が得られ放射効率を最大にするこ
とが出来る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。まず、本実施例の適用される直線偏波ラジアルラ
インスロットアンテナ1の具体的構造を図2により説明
する。フレーム2は平行に配置される上下のスロット導
体板3,4からなり、その間にはラジアル導波路5が形
成される。上方側のスロット導体板3には後に説明する
本実施例の十字形スロット6が形成される。なお、多数
個の十字形スロット6でアンテナ素子を形成する。ラジ
アル導波路5の中心には方形導波管8を有する給電部7
が形成される。給電部7にはファラディ効果を用いた直
流駆動のフェライトスイッチからなる偏波切換器9が配
設される。偏波切換器9により垂直偏波(V偏波)と水
平偏波(H偏波)の切替えが出来る。給電部7からの電
界ベクトルF(図5)はラジアル導波路5で電流ベクト
ルIとなり(図5)、スロット導体板3の十字形スロッ
ト6から放射される。なお、スロット導体板3上には高
発泡誘導体のスペーサ10や図略のレドームが設けられ
ている。
【0010】図1は本実施例の十字形スロット6の配置
を示す平面図である。十字形スロット6はR1n=F
(n)+δの半径Rm(符号11で示す)の円周上にほ
ぼ等間隔で多数個配置される十字形スロット6aと、R
2n=F(n)+λg/4+δの半径Rn(符号12で
示す)の円周上にほぼ等間隔で多数個配置される十字形
スロット6bとからなる。十字形スロット6a,6bの
中心点O′と給電部7の中心Oとを結ぶ半径に対し、各
十字形スロット6a,6bは角度αだけ傾斜して配置さ
れる。本実施例ではα=π/4(ラジアン)である。前
記R1n,R2nの式において、δは定数であり、λgは
空間波長をλとした場合の管内波長を表わす。また、F
(n)は補正関数であり、Fn=0.99nλgからな
り、nの増加に対応しnλgの値に対し100%から9
0%漸減する。なお、同一のn値を有するR1n,R2
上の十字形スロット6a,6bがペアスロットとして機
能する。例えば、R11=0.99λg+δとR21=0.
99λg+λg/4+δ上の十字形スロット6a,6b
がペアスロットとなり、R12=1.98λg+δとR22
=1.98λg+λg/4+δの十字形スロット6
a′,6b′がペアスロットとなる。
【0011】図4において、半径Rn上の第1乃至第4
象限の対象位置にS1,S4,S5,S8の十字形スロット
6bが配置され、Rm上にS2,S3,S6,S7の十字形
スロット6aが配置されているとする。S1,S2
3,S4、S5,S6、S7,S8がそれぞれペアスロット
となり、それ等はλg/4だけ半径方向に離れて配置さ
れる。S1,S2は給電部7の中心Oからの励振波により
励振され電波を放射するが、その際に励振波が反射す
る。しかしながら、S1からの反射波W1とS2からの反
射波W2は両者がλg/4だけ離れているため、その往
復分に相当するλg/4×2=λg/2分だけ位相がず
れる。管内波長はλgのためλg/2の位相差があると
反射波W1とW2は逆相となる。その結果反射波W1,W2
どうしが打ち消し合って消滅し、定在波がなくなり励振
波は進行波となる。同様のことがペアスロットのS3
4、S5,S6およびS7,S8にも生ずるため、Rn,
Rmからは進行波のみが放射される。従って、n値が変
化してもそれぞれのn値に対応するペアのRn,Rm上
の十字形スロットからは励振波は進行波となって放射さ
れる。
【0012】図3において、給電部7の中心Oから図示
のような波形の管内波長λgの電界ベクトルの電波がラ
ジアル導波路5(図2)から送られ、図の振幅位相に配
置されるRn,Rm上のペアスロットをP1,P2
3,P4、P5,P6、P7,P8とする。給電部7の電界
ベクトルFの方向をy軸方向とすると、P1乃至P8には
y軸に平行な電流ベクトルI1乃至I8が生ずる。なお、
この電流ベクトルの振幅は同一であり、各ペアスロット
1,P2等の中間の半径位置に振幅の最大値がくる。図
5は図3のP1,P2から放射される電波の電界ベクトル
の大きさを説明するためのものである。給電部7の電界
ベクトルFがy軸方向に作用すると、P1,P2には同一
方向の電流ベクトルI1,I2が作用する。P1,P2は十
字形スロットからなるため、そこから放射される電界ベ
クトルE1は(E1)=Z01cosθと(E1)=Z0
1sinθの2つのベクトルの合成されたものでy軸方
向を向いて作用し、E2は(E2)=Z02cosθ′と
(E2)=Z02sinθ′の2つのベクトルの合成さ
れたもので同じくy軸方向を向いて作用する。すなわ
ち、E1 2=(Z01sinθ)2+(Z01cosθ)2
およびE2 2=(Z02sinθ′)2+(Z02cos
θ′)2となり、E1=Z01およびE2=Z02とな
る。ここでθおよびθ′は図5に示すようにP1および
2のx軸となす角度でZ0はラジアル導波路5の特性イ
ンピーダンスを示す定数である。以上のように、P1
Rnのどの位置にあっても(θの値に関係なく)P1
らの電界ベクトルE1は一定であり、P2についても同様
である。本実施例の場合には、図5に示すようにペアの
1,P2のスロットの電流ベクトルI1,I2は等しいた
め、両者の電界ベクトルE1,E2は同一になる。また、
図5および図6に示すようにRnの位置における放射波
の電界ベクトルの振幅(N)とPmにおける振幅(M)
とはπ/2の電界位相差があるが、電界ベクトルの対称
性によりN,Mは同位相であり、その合成波Rc(図
3)も図6に示すようにN,Mと同じ方向に形成され
る。同様のことがP3,P4、P5,P6およびP7,P8
ついても言える。また、P1とP4,P5,P8は同一円周
上にあるため、それ等からの電界ベクトルもP1,P2
同一のものになり、かつ方向もy軸方向に一致する。以
上により、ペアの円周上の各十字形スロット6a,6b
からは同位相で同振幅の電波が放射される。
【0013】図7乃至図14は、時刻変化に伴って十字
形スロット6から放射される電波の電界振幅の変化の様
子を示すものである。時刻0では電界ベクトルは0であ
り、時刻2/8Tでは給電部の電界ベクトル+F方向と
同じ方向になり、4/8Tで0,6/8Tで電界ベクト
ル−Fと同じ方向になる。以上のように、各ペアの十字
形スロットのいずれか又は双方から給電部の電界ベクト
ル方向に沿う垂直偏波又は水平偏波が放射される。
【0014】前記したように、同一円周上およびそれと
ペアの円周上の十字形スロット6a,6bからは同一位
相で同一放射電力の電波が放射される。しかしながら、
スロット導体板3(図2)を有する直線偏波ラジアルラ
インスロットアンテナ1の場合には、その給電部7の中
心から放射状に周辺に向かって円筒波(励振波)が発せ
られる。その励振波によってそれぞれの十字形スロット
6a,6bが励振されるため、給電される中心部から外
周に進むにつれて電界振幅が小さくなる。更に、十字形
スロット6a,6bの大きさが一定で、その円周上の間
隔Sφ(図1)が一定の場合には中心から周辺に向かう
につれて十字形スロット6a,6bの数が増加する。そ
のため、電界振幅が更に減少する。従って、スロット導
体板3の全開口端から均一の電界振幅の電波を放射する
ためには十字形スロット6a,6bの形状や、半径方向
の間隔を変化させることが必要である。本実施例では、
1n=F(n)+δおよびR2n=F(n)+λg/4
+δのF(n)の値をnλgとせずにFn=0.99n
λgとし、nの増加に伴って半径方向の間隔を約100
%から90%の間で漸減するようにしている。それによ
り、半径方向の電界振幅の減少が是正される。また、周
辺に向かうにつれて十字形スロット6a,6bの個数が
増加することによる電界振幅の減少を防止するために、
十字形スロットのスロット長を長くする。本実施例では
nの増加に対応してスロット長をn=1の場合のスロッ
ト長よりも0.34λから0.45λの範囲で漸増させ
ることによりその弊害を防止した。半径方向の間隔の漸
減とスロット長の漸増を併用することにより電界振幅分
布が均一になる。
【0015】図1において、R1n(符号11)上の十
字形スロットCmとR2n(符号12)上の十字形スロ
ットCnとの間隔をSφとし、Cmの中心と給電部7の
中心Oを結ぶ半径とx軸との交角をφm,Cnの中心と
給電部7の中心Oを結ぶ半径とx軸との交角をφnとす
るとdφ=φn−φmが求められる。Sφの値は前記の
実施例の場合は一定として取り扱っていたが、より厳密
に電界振幅を均一化するには次の工夫が必要である。す
なわち、十字形スロット6a,6bがy軸又はx軸に近
づくにつれて電界振幅が変化する。また、前記実施例に
よる半径方向の間隔によって変化した電界振幅を更に是
正して均一化を図ることが必要になる。そこでSφ=
(sindφ)rとし、十字形スロット6a,6bの円
周上の位置に相対してSφを0.35λ0乃至0.60
λ0の範囲で変化させる。そのためには冪数rを0.6
乃至1.2にする。以上により、十字形スロット6a,
6bの間隔Sφは同一円周上の直交座標軸の近傍で僅か
に増減すると共に半径の増加と共にSφが漸減すること
による振幅の変化を是正する。それにより、放射される
電波の振幅の小さい円周上ではSφの値を小さくして電
界振幅を大きくすることが出来る。以上により、同一円
周上およびアンテナ開口面全体にわたり電界振幅が一様
となり、放射効率を最大にすることが出来る。
【0016】以上の実施例では主に垂直偏波について説
明したが偏波切換器9(図2)のファラディ効果を用い
た直流駆動のフェライトスイッチによりV偏波をH偏波
に切換えることが出来る。それにより、水平偏波放射用
のアンテナとして切り替え兼用することが出来る。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、次のような顕著な効果
を奏する。 (1)λg/4だけ離れた十字形のペアスロットを角度
αで配置することにより反射波を消滅させ励振波を進行
波にする。 (2)十字形スロットの採用と、その半径方向の間隔お
よびスロット長の調整によりアンテナ開口全面からの電
界振幅を一様にすることが出来ると共に、同一の円周上
で同一位相,同一振幅の垂直偏波および又は水平偏波を
放射することが出来る。以上により、アンテナ開口効率
を大巾に向上することが出来る。 (3)同一円周上の十字形スロットの円周上の間隔Sφ
をスロット位置に対応させて調整することにより、更
に、高精度の電界振幅の均一化とアンテナ開口効率の向
上が図れる。 (4)垂直偏波および水平偏波を送受信出来るため衛星
通信に適用される。 (5)直線偏波ラジアルラインスロットアンテナは外観
美および安定感に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のスロット導波板上に形成さ
れる十字形スロットの配列を示す平面図である。
【図2】同実施例に使用される直線偏波ラジアルライン
スロットアンテナの概要構造を示す軸断面図である。
【図3】同実施例の各スロットに発生する電流ベクトル
を示す平面図である。
【図4】同実施例の励振波の反射波の消滅を説明するた
めの平面図である。
【図5】同実施例の十字形スロットの偏波面合成を説明
するための一部断面図を含む部分平面図である。
【図6】図5におけるペアスロットの合成波を説明する
線図である。
【図7】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の1/8T
時における状態を示す平面図である。
【図8】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の2/8T
時における状態を示す平面図である。
【図9】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の3/8T
時における状態を示す平面図である。
【図10】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の4/8
T時における状態を示す平面図である。
【図11】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の5/8
T時における状態を示す平面図である。
【図12】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の6/8
T時における状態を示す平面図である。
【図13】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の7/8
T時における状態を示す平面図である。
【図14】同実施例の時刻変化に伴う直線偏波の8/8
T時における状態を示す平面図である。
【図15】従来のラジアルラインスロットアンテナのス
ロット導体板のスロットを示す平面図である。
【符号の説明】
1 直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ 2 フレーム 3 スロット導体板 3a スロット導体板 4 スロット導体板 5 ラジアル導波路 6 十字形スロット 6a 十字形スロット 6b 十字形スロット 6a′ 十字形スロット 6b′ 十字形スロット 7 給電部 8 方形導波管 9 偏波切換器 10 スペーサ 11 R1nの円周 12 R2nの円周 13 スロット 14 半円弧 15 半円弧 16 半円弧 17 半円弧
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼野 雄司 東京都台東区台東一丁目5番1号凸版印刷 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏波共用の波長λの電波を送受信する給
    電部と、該給電部から半径方向に広がって配設され相対
    向する上下のスロット導体板で形成されるラジアル導波
    路と、上方のスロット導体板に形成される多数個の十字
    形スロットと、偏波共用の電波を管内波長λgの垂直偏
    波および水平偏波に選択的に切り換える偏波切換器を備
    え、管内波長λgの垂直偏波および水平偏波を送受信す
    るラジアルラインスロットアンテナであって、前記十字
    形スロットは、R1n=F(n)+δの円周上に配設さ
    れた十字形スロットと、R2n=F(n)+λg/4+
    δの円周上に配設された十字形スロットのペアスロット
    から形成され、それぞれの十字形スロットは該十字形ス
    ロットの中心と前記給電部の中心とを結ぶ半径に対して
    α(ラジアン)だけ傾斜して配設されると共に、前記F
    (n)の値は、nの増加に対応してnλgの値より漸減
    し、前記十字形スロットのスロット長はnの増加に対応
    してn=1の位置におけるスロット長より漸増すること
    を特徴とする直線偏波ラジアルラインスロットアンテ
    ナ。但し、δは定数,λgは管内波長である。
  2. 【請求項2】 F(n)=0.99nλgとし、F
    (n)がnの増加に対応してnλgの値に対して100
    %から90%まで漸減するものである請求項1に記載の
    直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記十字形スロットのスロット長がnの
    増加に対応してn=1の場合のスロット長から0.34
    λ乃至0.45λまで漸増するものである請求項1に記
    載の直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ。但し、
    λは空間波長である。
  4. 【請求項4】 前記αの値がπ/4(ラジアン)である
    請求項1に記載の直線偏波ラジアルラインスロットアン
    テナ。
  5. 【請求項5】 前記給電部に近い円周のR1n上に配設
    される十字形スロットの中心Cnと前記給電部の中心を
    結ぶ半径とx軸との交角を中心角φnとし、円周R1
    とペアの円周R2n上に配線される隣りの十字形スロッ
    トの中心Cmと前記x軸との交角を中心角φmとし、d
    φ=φn−φmとした場合、前記CnとCmとのスロッ
    ト間隔Sφは、Sφ=(sindφ)rを満足すべく前
    記十字形スロットが配設されることを特徴とする請求項
    1に記載の直線偏波ラジアルラインスロットアンテナ。
    但し、rは1.0前後の羃数である。
  6. 【請求項6】 前記Sφが同一円周の直交座標の近傍で
    僅かに増減し、かつ半径の増加(nの増加)に伴って漸
    増すべく前記羃数rを約0.6乃至1.2の範囲で変化
    させて前記Sφを約0.35λ乃至0.6λとする請求
    項5に記載の直線偏波ラジアルラインスロットアンテ
    ナ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3130037A4 (en) * 2014-06-30 2017-07-26 Huawei Technologies Co. Ltd. Appratus and method of dual polarized broadband agile cylindrical antenna array with reconfigurable radial waveguides
JP2018507654A (ja) * 2015-03-05 2018-03-15 カイメタ コーポレイション 円筒状給電アンテナの開口面セグメント化
CN110114938A (zh) * 2017-01-27 2019-08-09 华为技术有限公司 可重配置径向线缝隙天线阵列

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