JP2882713B2 - スロットアレーアンテナ - Google Patents

スロットアレーアンテナ

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JP2882713B2
JP2882713B2 JP5979792A JP5979792A JP2882713B2 JP 2882713 B2 JP2882713 B2 JP 2882713B2 JP 5979792 A JP5979792 A JP 5979792A JP 5979792 A JP5979792 A JP 5979792A JP 2882713 B2 JP2882713 B2 JP 2882713B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、通信や電波到来方向
探知などに用いるスロットアレーアンテナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図17は、例えば高橋他著“一層構造ラ
ジアルラインスロットアンテナの特性”,電子情報通信
学会技術研究報告[アンテナ・伝播]A・P90−12
9に示された従来の第1のスロットアレーアンテナを示
す構成図である。図において、1aおよび1bは所要の
間隔をおいて平行に配置された円形の上部および下部導
体平板、2はこの上部導体平板1aと下部導体平板1b
に挟まれて配置された誘電体板、3は下部導体平板1b
の中央に配置された同軸導波管変換器、4はこの同軸導
波管変換器3に接続された同軸線路、5は上部導体平板
1a上に渦巻状に切られた複数個のスロット素子であ
り、各スロット素子5は図18に示すように、軸ρに対
して45度傾けてハの字状に配置された二つのスロット
6a,6bにより構成されている。7は上記上部および
下部導体平板1a,1bの側面に置かれた終端導体板で
ある。上記上部および下部導体平板1a,1bにより平
板導波管が構成されている。
【0003】次に動作について説明する。同軸線路4を
伝搬する電波は同軸導波管変換器3に入射し、円筒波の
電波に変換される。そして、導体平板1a,1b間の誘
電体板2中を径ρ方向に伝搬し、各スロット素子5によ
り円偏波の電波となって上部導体平板1aの上方空間に
放射される。ここで、スロット5のρ方向の配列間隔
は、各スロット素子5から空間に放射された放射ビーム
の方向が上部導体平板1aの法線方向,すなわち図17
のz軸方向となるように設定されている。また、スロッ
ト素子5を構成する直交するスロット6a,6bの配置
間隔Δρは、各スロット6a,6bから各々空間に放射
される直線偏波の電波の位相差が90度となり、z軸方
向で円偏波となるように設定されている。そのため、こ
のスロットアレーアンテナからは上部導体平板1aの法
線方向に円偏波の放射ビームが放射されることになる。
【0004】図19は、例えば高田他著“ビームチルト
直線偏波ラジアルラインスロットアンテナの設計”,電
子情報通信学会技術研究報告[アンテナ・伝播]A・P
87−132に示された従来の第2のスロットアレーア
ンテナを示す構成図であり、1a,1b,3,4,5,
7は上記従来のスロットアレーアンテナと同様である。
8は上部および下部導体平板1a,1bの間に各々
u,dlの間隔をおいて配置された円形の導体中板、9
はこの導体中板8と上部導体平板1aの間隙の中央部に
配置された吸収体、10は導体中板8の上に置かれた遅
波材である。
【0005】動作について説明すると、同軸線路4を伝
搬する電波は同軸導波管変換器3に入射し、円筒波の電
波に変換され、下部導体平板1bと導体中板8との間を
径ρ方向に伝搬する。この電波は側面の導体板7で反射
され、上部導体平板1aと導体中板8との間を遅波材1
0により波長を短縮されながら径ρと逆方向,すなわち
上部導体平板1aの中心方向に伝搬する。そして、各ス
ロット素子5より上部導体平板1aの上方空間に放射さ
れる。また、スロット素子5により空間に放射されなか
った一部の電波は、吸収体9により吸収される。ここ
で、スロット素子5のρ方向およびφ方向の配列間隔S
ρ,Sφは、各スロット素子5から空間に放射された放
射ビームの方向がz軸から傾いた所要の方向となるよう
に設定されている。また、配列間隔Sρ,およびスロッ
ト素子5を構成する直交配置されたスロット6a,6b
の配置方向は、スロット6a,6bから各々空間に放射
される電波を合成した電波が直線偏波となり、しかもそ
の偏波方向が所要のビーム放射方向で一定方向となるよ
うに設定されている。そのため、このスロットアレーア
ンテナからは、直線偏波の放射ビームが所要のビーム放
射方向に放射されることになる。
【0006】図20は、例えば古川他著“一層構造の導
波管を用いたビームチルト型衛星放送受信平面アンテ
ナ”,電子情報通信学会技術研究報告[アンテナ・伝
播]A・P88−40に示された従来の第3のスロット
アレーアンテナを示す構成図である。図において、5は
複数個の十字形のスロット素子、11は狭面が互いに接
触するように配列され、しかも上記スロット素子5が複
数個幅広面に切られた複数本の方形導波管、12は複数
本の方形導波管11の端面に接続された分岐導波管であ
る。図21は、従来の第3のスロットアレーアンテナの
xz平面での断面図であり、13は上記方形導波管11
と分岐導波管12の間に置かれた結合孔である。
【0007】動作について説明すると、分岐導波管12
を伝搬する電波は、結合孔13を通って各方形導波管1
1に入射し、x方向に伝搬する。そして、スロット素子
5より方形導波管11の上方空間に放射される。ここ
で、スロット素子5のx方向の配列間隔は、各スロット
素子5から空間に放射された放射ビームの方向がxz平
面内でz軸から傾いた所要の角度方向となるように設定
されている。また、スロット素子5として十字形のスロ
ットを用いているため、各スロット素子5から空間に放
射される電波は円偏波となる。そのため、このスロット
アレーアンテナからは、円偏波の放射ビームが所要のビ
ーム放射方向に放射されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のスロットアレー
アンテナは以上のように構成されているが、それぞれ以
下に示すような問題点があった。従来の第1のスロット
アレーアンテナでは、円偏波の放射ビームを上部導体平
板1aの方線方向,すなわちz軸方向には放射できる
が、z軸から傾けた方向には放射できないという問題点
があった。また、従来の第2のスロットアレーアンテナ
では、直線偏波の放射ビームをz軸から傾けた方向に放
射できるが、円偏波の放射ビームを放射できないという
問題点があった。また、従来の第3のスロットアレーア
ンテナでは、円偏波の放射ビームをz軸から傾けた方向
に放射できるが、複数本の方形導波管11を各々狭面を
接して配列しなければならず、さらに、各方形導波管1
1に電波を分配するために分岐導波管12および結合孔
13を設けなければならず、スロット素子5への給電機
構が複雑になるという問題点があった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、単純な給電機構を用いてスロッ
ト素子に給電を行なえると共に、z軸から傾いた所要の
ビーム放射方向に、円偏波の放射ビームを放射すること
ができるスロットアレーアンテナを得ることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るスロットアレーアンテナは、所要の間隔をおいて対向
して配置した2枚の導体平板で構成され、この2枚の導
体平板の間を円筒波あるいは平面波が伝搬するようにし
た平板導波管と、この平板導波管の導体平板に切られた
複数個のスロット素子と、上記平板導波管に円筒波ある
いは平面波の電波を給電する給電機構とにより構成し、
かつ上記スロット素子として直線偏波の電波を放射する
スロットを2個,イの字状またはハの字状あるいは十字
状に配置して一対としたスロット対を用いて円偏波の電
波を発生させると共に、このスロット素子の配列を調整
して円偏波の電波の放射ビームの放射方向が平板導波管
の法線方向とは異なる方向となるようにし、かつ、上記
スロット対の2個のスロットから各々放射される直線偏
波の電波の位相差が、所要のビーム放射方向で90度と
なるように2個のスロットの配置間隔を設定したもので
ある。
【0011】請求項2に係るスロットアレーアンテナ
は、上記スロット対の2個のスロットから各々放射され
る直線偏波の電波の偏波面が、所要のビーム放射方向で
直交となるように2個のスロットを配置したものであ
る。
【0012】請求項3に係るスロットアレーアンテナ
は、上記スロット対の2個のスロットから各々放射され
る直線偏波の電波の振幅が、所要のビーム放射方向で等
しくなるように2個のスロットの大きさを設定したもの
である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】この発明の請求項1では、所要の間隔をおいて
対向して配置した2枚の導体平板で構成され、この2枚
の導体平板の間を円筒波あるいは平面波が伝搬するよう
にした平板導波管と、この平板導波管の導体平板に切ら
れた複数個のスロット素子と、上記平板導波管に円筒波
あるいは平面波の電波を給電する給電機構とによりスロ
ットアレーアンテナを構成することで、上記スロット素
子に電波を給電する方法が単純化される。また、スロッ
ト素子として直線偏波の電波を放射するスロットを2
個,イの字状またはハの字状あるいは十字状に配置して
一対としたスロット対を用いることで円偏波の電波を発
生し、さらにスロット素子の配列を調整することで、円
偏波の電波の放射ビームの放射方向が平板導波管の法線
方向とは異なる方向となり、上記スロット対の2個のス
ロットから各々放射される直線偏波の電波の位相差が、
所要のビーム放射方向で90度となるように2個のスロ
ットの配置間隔を設定することで、所要のビーム放射方
向で軸比の小さい円偏波のビームが得られる
【0018】請求項2では、上記スロット対の2個のス
ロットから各々放射される直線偏波の電波の偏波面が、
所要のビーム放射方向で直交となるように2個のスロッ
トを配置することで、所要のビーム放射方向で軸比の小
さい円偏波のビームが得られる
【0019】請求項3では、上記スロット対の2個のス
ロットから各々放射される直線偏波の電波の振幅が、所
要のビーム放射方向で等しくなるように2個のスロット
の大きさを設定することで、所要のビーム放射方向で軸
比の小さい円偏波のビームが得られる
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.図1は、この発明の一実施例によるスロット
アレーアンテナの構成図である。図において、1aおよ
び1bは所要の間隙をおいて平行に配置された扇形の上
部および下部導体平板、3は扇形下部導体平板1bの頂
点近傍のz軸上に配置された同軸導波管変換器、4はこ
の同軸導波管変換器3に接続された同軸線路、5は上部
導体平板1a上に切られた複数個のスロット素子であ
り、扇形の上部および下部導体平板1a,1bにより平
板導波管が構成されている。
【0025】また図2は、図1に示したスロット素子5
の配列を表わす図であり、6a,6bは図1のx軸から
角度φ回転したu軸上に、u軸から各々45度傾けてハ
の字状に配列した長さが約半波長の長方形のスロットで
ある。なお、図2におけるスロット6a,6bのu軸か
らの回転方向は、この実施例のスロットアレーアンテナ
より右旋円偏波の電波の放射ビームが放射される場合を
考えている。
【0026】次に動作について説明する。同軸線路4を
伝搬する電波は、同軸導波管変換器3に入射し、円筒波
の電波に変換される。そして、上部および下部導体平板
1a,1bで構成された扇形平板導波管中をz軸から扇
形の半径方向に伝搬する。そして、各スロット素子5に
より電波が上部導体平板1aの上方空間に放射される。
ここで、スロット素子5から空間に放射される電波の放
射方向を、図3に示すようにxz平面内でz軸より−x
方向へ角度θ傾いたv軸方向とする。すなわち、上部導
体平板1aの頂点の斜め上方方向とする。この場合、次
式群により与えられる座標原点Oからの距離rおよびΔ
rの位置に図2に示すスロット6a,6bを配置すれ
ば、各スロット素子5から空間に放射される電波は、v
軸方向を指向する円偏波の放射ビームとなる。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
【0031】ただし、λ0は自由空間波長、εrは比誘電
率であり、この実施例においては1である。また、mは
1以上の整数である。式(1)および式(2)に示すr
1は、上記各スロット素子5から空間に放射された電波
の位相がv軸方向で共相となり、放射ビームの方向がv
軸方向になる条件を示している。また、式(1)および
式(3)に示すr2は、各スロット素子5から空間に放
射された円偏波の電波の偏波方向がv軸方向で一定方向
となる条件を与えるものである。なお、式(3)の負号
は右旋円偏波の場合を示し、正号は左旋円偏波の場合を
表わしている。式(4)に示すΔrは、上記スロット6
a,6bから各々放射された直線偏波の電波の位相差が
v軸方向で90度となり、スロット素子5から右旋円偏
波の電波がv軸方向に放射される条件を表わしている。
【0032】実施例2.上記実施例1においては、ビー
ムの放射方向をxz平面内でz軸より−x方向へ角度θ
傾いたv軸方向としたが、スロット素子5のx軸方向の
配列間隔が、
【0033】
【数5】
【0034】で与えられるR以下になるならば、角度θ
が負の場合,すなわちxz平面内でz軸より+x方向へ
放射ビームを向ける場合にも、不要な方向に電波は放射
されず、実施例1と同様の効果が期待できる。
【0035】実施例3.上記実施例1においては、右旋
円偏波の放射ビームを放射する場合について示したが、
左旋円偏波の場合にも全く同様である。
【0036】実施例4.また、上記実施例1において
は、スロット6a,6bの中心はu軸上に置かれている
が、図4および図5に示すように、スロット6a,6b
の中心を、各スロット6a,6bが互いに重なり合わな
い範囲内でdだけu軸と直角にずらして逆イの字,ある
いはイの字配列としても同様の効果が期待できる。
【0037】実施例5.また、上記実施例1において
は、スロット6a,6bは重なり合っていないが、図6
に示すようにその一部が重なり合うような十字配列状態
であっても同様の効果が期待できる。
【0038】実施例6.また、上記実施例1において
は、スロット6a,6bとして、長さが約半波長の長方
形のスロットを用いたが、長さは半波長に特に限らな
い。さらに、長円形や、長方形の短辺に半円形を接続し
た形など直線偏波の電波を放射するスロットならば、そ
の形状は特に問わない。
【0039】実施例7.図7は、上記実施例1の上部導
体平板1aと下部導体平板1bの間に比誘電率εrが1
より大きい誘電体板2を挟んだものであり、この場合に
も実施例1と同様の効果が期待できる。
【0040】実施例8.図8は、この発明の第8の実施
例を示す側面図であり、上部導体平板1aと下部導体平
板1bとの間隙を同軸導波管変換器3側では大きく、も
う一方の側では小さくしたものである。この実施例のよ
うに、上部導体平板1aと下部導体平板1bとを平行に
しない場合も同様の効果が期待できる。
【0041】実施例9.図9は、この発明の第9の実施
例を示す構成図であり、14は上部導体平板1aと下部
導体平板1bの頂点を含む両側面に設けられた導体板で
ある。導体板14は、上部導体平板1aと下部導体平板
1bで構成された扇形平板導波管の中を伝搬する円筒波
の電波が扇形平板導波管の両側面から外部に漏洩するこ
とを防いでいる。さらに、両側面近傍の電波の強さを小
さくして、上部導体平板1aに切られたスロット素子5
に効率的に電波を給電するようにしている。なお図9で
は、導体板14を側面の全体に設けているが、図10に
示すように、扇形の頂点近傍の側面の一部に設けても同
様な効果が期待できる。
【0042】実施例10.図11は、この発明の第10
の実施例を示す構成図であり、上記実施例1の円筒波の
給電機構として同軸導波管変換器3の代わりに、給電用
方形導波管15を用いたものである。また、図12は、
上記実施例9の円筒波給電機構として給電用方形導波管
15を用いたものであり、いわゆるH面扇形ホーンアン
テナの上面にスロット素子5が配列されたものである。
これらの場合にも同様の効果が期待できる。
【0043】実施例11.図13は、この発明の請求項
5に係る実施例のスロット素子5の構成図であり、6
a,6bはx軸から角度φ回転したu軸上に、u軸から
各々角度ηだけ傾けてハの字状に配列した長方形のスロ
ットである。角度ηを、
【0044】
【数6】
【0045】で与えられる角度とすることにより、スロ
ット6a,6bから各々放射される直線偏波の電波の偏
波面が、図3のv軸方向で直交となる。これにより、v
軸方向で軸比の小さい円偏波のビームが得られることと
なる。
【0046】実施例12.図14は、この発明の請求項
6に係る実施例のスロット素子5の構成図であり、6
a,6bはx軸から角度φ回転したu軸上に、u軸から
各々角度ηだけ傾けてハの字状に配列した長さlaおよ
びlbの長方形のスロットである。各スロット6a,6
bの励振振幅を各々Ea,Ebとする。励振振幅Ea,Eb
はスロットの長さla,lbを調整することにより制御で
きるが、EaとEbの比Ea/Ebを、
【0047】
【数7】
【0048】となるように各スロット6a,6bの長さ
a,lbを設定すると、スロット6a,6bから図3の
v軸方向に各々放射される直線偏波の電波の振幅が等し
くなる。そのため、v軸方向で軸比の小さい円偏波のビ
ームが得られることとなる。
【0049】実施例13.図15は、この発明の請求項
7に係る実施例のスロットアレーアンテナの構成図であ
る。図において、1aおよび1bは所要の間隙をおいて
平行に配置された矩形の上部および下部導体平板、5は
上部導体平板1a上に切られた複数個のスロット素子、
15は方形導波管、16はこの方形導波管15の狭管壁
をテーパ状に広げ、さらに幅広面の開口に上記上部およ
び下部導体平板1a,1bを接続したH面扇形ホーン、
17はこのH面扇形ホーン16の内部に置かれた誘電体
平凸レンズである。
【0050】また図16は、図15に示したスロット素
子5の配列を表わす図であり、6a,6bは図15のx
軸と平行なx’軸上に、x’軸から各々45度傾けてハ
の字状に配列した長さが約半波長の長方形のスロットで
ある。なお、図16におけるスロット6a,6bのx’
軸からの回転方向は、実施例1と同様にスロットアレー
アンテナより右旋円偏波の電波の放射ビームが放射され
る場合を考えている。
【0051】次に動作について説明する。方形導波管1
5を伝搬する電波は、H面扇形ホーン16に入射し、円
筒波の電波となってH面扇形ホーン16中を伝搬する。
そして、この円筒波の電波は誘電体平凸レンズ17に入
射し、この誘電体平凸レンズ17で平面波の電波に変換
され、上部および下部導体平板1a,1bで構成された
平板導波管中に入射する。そして、この平板導波管中を
x方向に伝搬し、各スロット素子5により電波が上部導
体平板1aの上方空間に放射される。ここで、スロット
素子5から空間に放射される電波の放射方向を、実施例
1と同様に図3のxz平面内でz軸より−x方向へ角度
θ傾いたv軸方向,すなわち上部導体平板1aの頂点の
斜め上方方向とする。この場合、次式により与えられる
y軸からの距離rおよびΔrの位置に図16に示すスロ
ット6a,6bを配置すれば、各スロット素子5から空
間に放射される電波は、v軸方向を指向する円偏波の放
射ビームとなる。
【0052】
【数8】
【0053】
【数9】
【0054】ただし、λ0は自由空間波長、εrは比誘電
率であり、この実施例においては1である。また、r0
は実数定数、mは1以上の整数である。式(8)に示す
rは、上記各スロット素子5から空間に放射された電波
の位相がv軸方向で共相となり、放射ビームの方向がv
軸方向になる条件を示している。また、式(9)に示す
Δrは、上記スロット6a,6bから各々放射された直
線偏波の電波の位相差がv軸方向で90度となり、スロ
ット素子5から右旋円偏波の電波がv軸方向に放射され
る条件を表わしている。
【0055】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1に係
るスロットアレーアンテナによれば、所要の間隔をおい
て対向して配置した2枚の導体平板で構成され、この2
枚の導体平板の間を円筒波あるいは平面波が伝搬するよ
うにした平板導波管と、この平板導波管の導体平板に切
られた複数個のスロット素子と、上記平板導波管に円筒
波あるいは平面波の電波を給電する給電機構とによりス
ロットアレーアンテナを構成し、かつ上記スロット素子
として直線偏波の電波を放射するスロットを2個,イの
字状またはハの字状あるいは十字状に配置して一対とし
たスロット対を用いて円偏波の電波を発生させると共
に、このスロット素子の配列を調整して円偏波の電波の
放射ビームの放射方向が平板導波管の法線方向とは異な
る方向となるようにし、かつ、上記スロット対の2個の
スロットから各々放射される直線偏波の電波の位相差
が、所要のビーム放射方向で90度となるように2個の
スロットの配置間隔を設定したので、単純な給電機構を
用いてスロット素子に給電を行なえると共に、z軸から
傾いた所要のビーム放射方向に、円偏波の放射ビームを
放射することができ、所要のビーム放射方向で軸比の小
さい円偏波のビームが得られるという効果がある。
【0056】請求項2に係るスロットアレーアンテナに
よれば、上記スロット対の2個のスロットから各々放射
される直線偏波の電波の偏波面が、所要のビーム放射方
向で直交となるように2個のスロットを配置すること
で、所要のビーム放射方向で軸比の小さい円偏波のビー
ムが得られるという効果がある。
【0057】請求項3に係るスロットアレーアンテナに
よれば、上記スロット対の2個のスロットから各々放射
される直線偏波の電波の振幅が、所要のビーム放射方向
で等しくなるように2個のスロットの大きさを設定する
ことで、所要のビーム放射方向で軸比の小さい円偏波の
ビームが得られるという効果がある。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるスロットアレーアン
テナの構成図である。
【図2】この発明の一実施例によるスロット素子の配列
を表わす図である。
【図3】この発明の一実施例におけるビーム放射方向を
表わす図である。
【図4】この発明の一実施例による逆イの字配列の場合
のスロット素子の配列を表わす図である。
【図5】この発明の一実施例によるイの字配列の場合の
スロット素子の配列を表わす図である。
【図6】この発明の一実施例による十字配列の場合のス
ロット素子の配列を表わす図である。
【図7】この発明の一実施例による,上部導体平板と下
部導体平板の間に誘電体板を挟んだスロットアレーアン
テナの構成図である。
【図8】この発明の一実施例による,上部導体平板と下
部導体平板とを平行としない場合のスロットアレーアン
テナの構成図である。
【図9】この発明の一実施例による,上部導体平板と下
部導体平板の側面全面に導体板を設けたスロットアレー
アンテナの構成図である。
【図10】この発明の一実施例による,上部導体平板と
下部導体平板の側面の一部に導体板を設けたスロットア
レーアンテナの構成図である。
【図11】この発明の一実施例による,方形導波管を円
筒波給電機構として用いたスロットアレーアンテナの構
成図である。
【図12】この発明の一実施例による,H面扇形ホーン
アンテナを用いたスロットアレーアンテナの構成図であ
る。
【図13】この発明の一実施例による,回転角度がηの
場合のスロット素子の配列を表わす図である。
【図14】この発明の一実施例による,スロットの長さ
が異なる場合のスロット素子の配列を表わす図である。
【図15】この発明の一実施例による,矩形平板導波管
および平面波給電機構を用いたスロットアレーアンテナ
の構成図である。
【図16】この発明の一実施例による,平面波給電の場
合のスロット素子の配列を表わす図である。
【図17】第1の従来例におけるスロットアレーアンテ
ナの構成図である。
【図18】第1の従来例におけるスロット素子の配列を
表わす図である。
【図19】第2の従来例におけるスロットアレーアンテ
ナの構成図である。
【図20】第3の従来例におけるスロットアレーアンテ
ナの構成図である。
【図21】第3の従来例におけるスロットアレーアンテ
ナの断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 上部および下部導体平板(平板導波管) 2 誘電体板 3 同軸導波管変換器 4 同軸線路 5 スロット素子 6a,6b スロット 7 終端導体板 8 導体中板 9 吸収体 10 遅波材 11 方形導波管 12 分岐導波管 13 結合孔 14 導体板 15 給電用方形導波管 16 H面扇形ホーン 17 誘電体平凸レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−186002(JP,A) 特開 平3−141706(JP,A) 実開 平1−97608(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01Q 13/00 - 13/28 H01Q 21/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所要の間隔をおいて対向して配置した2
    枚の導体平板で構成され、この2枚の導体平板の間を円
    筒波あるいは平面波が伝搬するようにした平板導波管
    と、この平板導波管の導体平板に切られた複数個のスロ
    ット素子と、上記平板導波管に円筒波あるいは平面波の
    電波を給電する給電機構とにより構成され、放射ビーム
    を導体平板に切られた各スロット素子から放射するスロ
    ットアレーアンテナにおいて、上記スロット素子として
    直線偏波の電波を放射するスロットを2個,イの字状ま
    たはハの字状あるいは十字状に配置して一対としたスロ
    ット対を用いて円偏波の電波を発生させると共に、この
    スロット素子の配列を調整して円偏波の電波の放射ビー
    ムの放射方向が平板導波管の法線方向とは異なる方向と
    なるようにし、かつ、上記スロット対の2個のスロット
    から各々放射される直線偏波の電波の位相差が、所要の
    ビーム放射方向で90度となるように2個のスロットの
    配置間隔を設定したことを特徴とするスロットアレーア
    ンテナ。
  2. 【請求項2】 所要の間隔をおいて対向して配置した2
    枚の導体平板で構成され、この2枚の導体平板の間を円
    筒波あるいは平面波が伝搬するようにした平板導波管
    と、この平板導波管の導体平板に切られた複数個のスロ
    ット素子と、上記平板導波管に円筒波あるいは平面波の
    電波を給電する給電機構とにより構成され、放射ビーム
    を導体平板に切られた各スロット素子から放射するスロ
    ットアレーアンテナにおいて、上記スロット素子として
    直線偏波の電波を放射するスロットを2個,イの字状ま
    たはハの字状あるいは十字状に配置して一対としたスロ
    ット対を用いて円偏波の電波を発生させると共に、この
    スロット素子の配列を調整して円偏波の電波の放射ビー
    ムの放射方向が平板導波管の法線方向とは異なる方向と
    なるようにし、かつ、上記スロット対の2個のスロット
    から各々放射される直線偏波の電波の偏波面が、所要の
    ビーム放射方向で直交となるように2個のスロットを配
    置したことを特徴とするスロットアレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 所要の間隔をおいて対向して配置した2
    枚の導体平板で構成され、この2枚の導体平板の間を円
    筒波あるいは平面波が伝搬するようにした平板導波管
    と、この平板導波管の導体平板に切られた複数個のスロ
    ット素子と、上記平板導波管に円筒波あるいは平面波の
    電波を給電する給電機構とにより構成さ れ、放射ビーム
    を導体平板に切られた各スロット素子から放射するスロ
    ットアレーアンテナにおいて、上記スロット素子として
    直線偏波の電波を放射するスロットを2個,イの字状ま
    たはハの字状あるいは十字状に配置して一対としたスロ
    ット対を用いて円偏波の電波を発生させると共に、この
    スロット素子の配列を調整して円偏波の電波の放射ビー
    ムの放射方向が平板導波管の法線方向とは異なる方向と
    なるようにし、かつ、上記スロット対の2個のスロット
    から各々放射される直線偏波の電波の振幅が、所要のビ
    ーム放射方向で等しくなるように2個のスロットの大き
    さを設定したことを特徴とするスロットアレーアンテ
    ナ。
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