JPH0660943U - 直流高速度遮断器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アークホーンによってアークシュート内から
の下方へのアークの流出を防ぎ、機器へのアーク地絡を
防止すると共に、アーク吹き出し口方向の力を増加させ
減流機能を増加させる。 【構成】 アークホーンＡＨ１とこのアークホーンが下
部に入るように機器本体に取付けられるアークシュート
ＡＳとを備えたものにおいて、アークホーンＡＨ１を、
アークシュートＡＳの側壁１１の内側間隔とほぼは同じ
幅で、かつアークシュートＡＳ内に収まる大きさの板状
のアークホーンとなし、アークホーンＡＨ１とアークシ
ュートとの間の隙間を小さくして、アーク発生時にアー
クがアークシュートの下方に吹き出すのを防止すると共
に、アークホン側の圧力を高めアーク吹き出し口方向の
力を増加させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、直流高速度遮断器の消弧室に関する。

【０００２】

【従来の技術】

直流高速度遮断器の構成を図４に示す。同図について、電流Ｉは導体１から固 定接触子ＦＣ→接触部Ａ→可動接触子ＭＣ→引外兼アーク吹消コイルＢＣ→導体 ２へ流れる。

【０００３】 導体１の周囲には保持鉄心ＦＨがあり、保持鉄心ＦＨ及び衝撃子ＡＴをループ とした磁気回路が形成され、衝撃子ＡＴは電流Ｉによる磁気力Φ_Hで保持鉄心に 吸引されている。

【０００４】 一方、引外鉄心ＦＴには引外兼アーク吹消コイルＢＣが２回以上巻かれ、引外 鉄心ＦＴ、空隙、衝撃子をループとした磁気回路が形成され、衝撃子ＡＴは電流 Ｉによる磁気力Φ_Tで引外鉄心ＦＴの吸引力を受けている。電流Ｉが小さい時、 電流増加率ｄｉ／ｄｔの小さい時、磁気力Φ_H＞Φ_Tのため衝撃子ＡＴは動かない 。

【０００５】 しかし、電流Ｉが規定値（電流目盛値）に達した場合、もしくは規定値よりあ る程度小さくても電流増加率ｄｉ／ｄｔが大きいと磁気力はΦ_H＜Φ_Tとなり、衝 撃子ＡＴは引外鉄心ＦＴの磁気吸引力により保持鉄心ＦＨを離脱し高速度でＦＴ 側に移動する。

【０００６】 このため衝撃子ＦＴは可動接触子ＭＣに衝突し、その衝突エネルギによって可 動接触ＭＣを引外鉄心ＦＴ方向へ同時に移動させ固定接触子ＦＣから引き離す。

【０００７】 その時、固定接触子ＦＣと可動接触子ＭＣの接触部Ａの上部に結合されたアーキ ング接点よりアークが発生する。

【０００８】 このアークは引外兼アーク吹消コイルＢＣにより発生した電磁力Φ_Bにより上 方へ押し上げられ二つのアークホーンＡＨ間に移行し、更に上方へ押し上げられ アークシュート（消弧室）ＡＳ内に入る。

【０００９】 図５にアークシュートＡＳの内部構造を示す。同図において、アークシュート ＡＳは上部に多数の短棚状鉄板１６を等間隔で配置した冷却部を備えており、ア ークホーンＡＨが下部に入るように開閉用支持金具１４によって機器本体に取付 けられている。

【００１０】 しかして、上記アーキング接点より発生したアークはアークホーンＡＨに移行 した後アーク吹消コイルＢＣによって上方へ吹き上げられ冷却部１５により冷却 され消弧する。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、アークシュートＡＳの内部はアークの高温度による内圧力上昇のため 、一部のアークはアークホーンＡＨとアークシュートＡＳの内壁との間からアー クシュートＡＳ下方へと吹き出す。アークが下方に吹き出した場合、その吹き出 し方によってはアークシュート下方に位置する操作機構等で悪影響を与える可能 性がある。そのため従来アークシュート以外の機器をアークから保護するため直 流高速度遮断器の様々な場所へ図６に示すように多数のバリアＢを設置する必要 があり、高品点数が多くなる欠点があった。

【００１２】 本考案は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的と するところは、アークホーンによってアークシュート内からの下方へのアークの 流出を防ぎ、アークによるアークシュート下方に位置する機器への地絡を防止す ると共に、アーク吹き出し口方向の力を増加させアークシュートの電流の減流機 能を増加させ得る直流高速度遮断器を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本発明における直流高速度遮断器は、遮断時に発 生したアークが移行するアークホーンと、このアークホーンが下部に入るように 機器本体に取付けられるアークシュートとを備えたものにおいて、アークホーン を、アークシュートの内壁の間隔とほぼ同じ幅で、かつ、アークシュート内に収 まりうる大きさの板状のアークホーンとなしてなるものである。

【００１４】

【作用】

アークホーンをアークシュートの内壁の間隔とほぼ同じ幅をもち、かつアーク シュート内に収まりうる大きさの板状のアークホーンとしたので、アークホーン とアークシュート間の隙間が殆どなくなるため、アークがアークシュートの下方 から吹き出すことがなくなる。

【００１５】 このため、アークシュートの下方に位置する機器へのアークによる地絡を防止 できる。またアークによる圧力が下方に抜けることがなく、アークシュートのア ークホーン側圧力が上昇するので、アークが上方への吹き出す力が増加しすばや く直流電流が限流される。

【００１６】

【実施例】

本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１、図２において、１１はアー クシュート（消弧室）ＡＳの側壁を構成する側板（絶縁板）で内壁１１₁側が石 綿で構成されている。１２は側板１１の外側に施された補強鉄板、１３はアーク シュートＡＳの前後の側壁を構成する側板（絶縁板）、１４はアークシュートＡ Ｓを図３に示すように開くことができるように機器本体に支持する開閉用支持金 具、１５はアークシュートＡＳ内上部に多数の短冊状鉄板１６を等間隔に配置し てなるアーク冷却部。

【００１７】 ＡＨ１はアークシュートＡＳの内壁１１₁に妨げられることなくアークシュー トＡＳ内に収まることができる幅の板状アークホーンで、アークホーン自身によ ってアークシュートＡＳの内部と下部とを分断する形で直流高速度遮断器の本体 側に取付けられている。

【００１８】 この実施例によれば、アークホーンＡＨ１はアークシュートＡＳの内壁１１₁ の間隔とほぼ同じ幅をもちアークシュートＡＳ内に収まるできるだけ大きな板状 に構成されているので、従来アークホーンとアークシュートの隙間から下方に吹 き出していたアークを抑制することができ、アークシュート下方の機器にバリヤ を設けなくてもアークによる地絡を防止できる。

【００１９】 また、下方に吹き出していたアークが抑制されるので、アークホーン近傍の圧 力が増加してアーク吹き出し方向である上方への吹き出す力が増加し直流電流を すばやく限流させることができる。

【００２０】 上記実施例では短冊状の鉄板を用いた冷却部を備えたアークシュートを開閉用 支持部材を用いて機器本体に取付けているが、アークシュート及びその取付手段 はこれに限定されるものでないことはいうまでもない。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００２２】 （１）アークホーンをアークシュート内壁の間隔とほぼ同じ幅を持ちアークシュ ート内に収まる大きさの板で構成したので、アークホーンとアークシュート内壁 との隙間から吹き出していた下方向のアークを抑制することができ、アークシュ ート下方の機器をアークによる地絡から守ることができる。

【００２３】 （２）アークシュートから下方向へ吹き出すアークが抑制されるので、アークシ ュートのアークホーン側圧力が増加し、アークをアークシュート上方へ早く移動 させることができるので、直流電流の限流機能が増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例にかかるアークシュートの内部構造説明
図。

【図２】（ａ）アークホーンを示す斜視図。 （ｂ）図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】アークシュートを用いた状態を示す説明図。

【図４】直流高速度遮断器の要部構成説明図。

【図５】従来アークシュートの内部構造説明図。

【図６】直流高速度遮断器全体構成説明図。

【符号の説明】

ＡＨ，ＡＨ１…アークホーン ＡＳ…アークシュート（消弧室） １１…側板 １２，１６…鉄板 １４…開閉用支持金具 １５…冷却部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 遮断時に発生したアークが移行するアー
   クホーンと、このアークホーンが下部に入るように機器
   本体に取付けられるアークシュートとを備えたものにお
   いて、アークホーンを、アークシュートの内壁の間隔と
   ほぼ同じ幅で、かつ、アークシュート内に収まりうる大
   きさの板状のアークホーンとなし、アークホーンにより
   アークがアークシュートの下方に吹き出すのを防止しう
   るようにしたことを特徴とした直流高速度遮断器。