JPH0660499U

JPH0660499U - 汚泥の電解槽における撹拌装置

Info

Publication number: JPH0660499U
Application number: JP657393U
Authority: JP
Inventors: 邦夫藤田; 英明亀山; 一朗野田; 健造東條
Original assignee: 石垣機工株式会社
Priority date: 1993-01-28
Filing date: 1993-01-28
Publication date: 1994-08-23

Abstract

(57)【要約】【目的】多数の電極板を並列した電解槽において、原
液を各電極板の表面間を均一に流動させ、各電極板の表
面に原液中の固形物が付着するのを防止する。【構成】電極板を多数並列した電解槽の下側部に、上
記並列した電極板の下方において電極板に沿って原液流
を生ずる撹拌翼を設けるとともに、電極板列の下方に
は、前記原液流と直交する方向に複数本の散気管を設け
た。電解槽の底部を側方に流れたのち、上昇する原液流
に対して、原液流が側方に流れる中途部において、散気
管からの気泡で上昇流が付加され、原液流のデッドスペ
ースが生ずることなく、各電極板の表面を洗うことがで
き、電極板の表面に固形物の付着や固形物の発生がな
く、効率のよい電解作業をすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、下水汚泥等の夾雑物を含んだ原液の電解装置における撹拌装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、下水汚泥等の電解装置において、電解槽の底部や側部に設けた撹拌翼で電解中の汚泥を撹拌することは知られている。（例えば、特公平３−７１２００，特公平４−５００７８）また、電極板間に原液とともに夾雑物を溶解させることができる溶解液を循環させることも知られている。（例えば、特公昭５４−１６３５１）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

汚泥を電気分解して改質する場合、電気分解は、電極板の表面と汚泥の接触面との界面で発生する。従って、電極板の表面に接触する汚泥を順次入れ替えることによって、電解効率を高めることができる。逆に、電極板の表面に汚泥が停滞すると、電気浸透現象等の電解作用以外の現象が発生し、汚泥あるいはスケール等が電極板の表面に固着し、汚泥の電極板の表面への接触を阻害する。また、固着物は電気抵抗を増加させ電解効率を低下させる。さらに、この状態を長期間継続すると固着物が成長して電極間隙が閉塞し、電解不能となる。

【０００４】斯る点からみて、前述の特公平３−７１２００，特公平４−５００７８では、単に、電解槽中の原液（汚泥）を撹拌循環させるのみであるので、循環流の死角に当る部分、例えば、電極板の隅部では電極板の表面が更新できず、電極板間の部分的な閉塞や電極板の消耗むらが生ずる。このような問題は、汚泥濃度が２％以下で希薄な場合は大きな弊害とならないが、汚泥濃度が高くなると運転不能となる。また、特公昭５４−１６３５１では、電極板間に夾雑物の溶解液を流すのであるから、電極板の閉塞や表面の更新は可能であるが、大量の汚泥処理には大量の溶解剤が必要で運転コスト的に不向きであり、これにしても、汚泥および溶解液を各電極板間に均一に流動させることは困難である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上述のような課題を簡単に解消し得るものであって、その要旨とするところは、電解槽の下側部に撹拌翼を設け、電解槽中の原液が電解槽中に多数並列した電極板の下方を潜って上昇し、電極板間を循環するように構成した汚泥の電解装置において、電極板の下方に上記原液の流れに対して直交する方向に多数のノズルを設けた複数本の散気管を配設したものである。

【０００６】

【作用】

この考案に係る装置は、上述のように構成してあり、電極板列の下方において流れている汚泥（原液）中に散気管からの空気が噴出するので、この空気と共に汚泥に上昇流が発生し、この上昇流が電極板間を上昇して全電極板の表面をくまなく洗浄し更新することができる。然も、この上昇流は、散気管の空気に基づくものであるので、電解槽内に満遍に発生させることができ、従来の装置のように原液の流れに対して死角部が発生することなく、各電極板を均一に洗浄更新することができる。従って、電極板間が閉塞したり、電極板がかたよって消耗したりすることもない。以下、図面に基づいてこの考案を具体的に説明する。

【０００７】

【実施例】

図１は、この考案に係る電解槽の縦断側面図であり、図中、符号１は四角形状の電解槽、２は電極板、３は電解される汚泥の出入口、４は電解槽の下側部に設けた撹拌翼車で電解槽１の巾と略一致させて設けてある。５は撹拌翼車４の駆動モーターである。

【０００８】次に、符号６は散気管であり、電極板２の下方において撹拌翼車４に平行、すなわち、撹拌翼車４からの汚泥流を横切る方向に並列してある。符号７はドレーン集積用のトラフであり、その底に送りスクリュー８を設けている。９は、スクリュー８で集めたドレーンを返送するためのポンプ、１０は、電解槽１へのドレーンの返送口であり、液面Ｈ上に落下して消泡作用も有するようにしてある。１１は汚泥を循環させるための案内壁である。以上は、この考案に係る電解槽の単体の構成であるが、実際にはこのようなユニットを複数個接続して用いることが多いものである。（図２参照）

【０００９】この考案に係る電解装置は、上述のように構成してあり、出入口３から供給された汚泥は、撹拌翼車４の回転によってその主流は図１において矢示イするように電解槽１内を循環するが、このとき、散気管６から通気しているので、この通気が撹拌流を横切り、その強い流れを緩和すると同時に撹拌流内に気泡によって上昇流を生じさせる。すなわち、撹拌翼車４のみでは、図１に矢示イしたような強い循環流のみで電極板の角部等において汚泥が流動しないデッドスペースが生じたのであるが、この考案に係る装置によれば、気泡によって上昇流を生じさせて全電極の表面で汚泥を流動させることができるものである。

【００１０】

【考案の効果】

このように、この考案によれば、電極板の表面全面において、汚泥を流動させることができるので、電極間の閉塞を防止できるはもとより、常に、更新された電極面に新たな汚泥が接触するので電解効率も向上させることができるものである。然も、付加装置としては散気装置を付加するのみであるので、イニシャルおよびランニングコストとも最少限で済み、操作性も容易なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る撹拌装置の概略の縦断側面図で
ある。

【図２】同じく、図１におけるＡ−Ａ線に沿っての断面
図である。

【符号の説明】

１電解槽２電極板４撹拌翼６散気管

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】電解槽１の下側部に撹拌翼４を設け、電
解槽中の原液が電解槽中に多数並列した電極板２の下方
を潜って上昇し、電極板２間を循環するように構成した
汚泥の電解装置において、電極板２の下方に上記原液の
流れに対して直交する方向に多数のノズルを設けた複数
本の散気管６を配設したことを特長とする汚泥の電解槽
における撹拌装置。