JPH0660107U - 電磁石の含浸構造 - Google Patents
電磁石の含浸構造Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 とくに超電導磁石などの電磁石において含
浸材7の熱伝導率を向上させることにより、その冷却特
性を向上ないし冷却時間の短縮化を図ることができる電
磁石の含浸構造を提供すること。 【構成】 含浸材7部分の熱伝導率を高めることに着
目したもので、磁石用線材6の間に含浸材7を含浸した
電磁石の含浸構造であって、含浸材7に、該含浸材7よ
り熱伝導率の高い絶縁材11を混入したことを特徴とす
る。
浸材7の熱伝導率を向上させることにより、その冷却特
性を向上ないし冷却時間の短縮化を図ることができる電
磁石の含浸構造を提供すること。 【構成】 含浸材7部分の熱伝導率を高めることに着
目したもので、磁石用線材6の間に含浸材7を含浸した
電磁石の含浸構造であって、含浸材7に、該含浸材7よ
り熱伝導率の高い絶縁材11を混入したことを特徴とす
る。
Description
【0001】
本考案は超電導磁石などの電磁石の含浸構造にかかるもので、とくに冷却特 性を向上可能な電磁石の含浸構造に関するものである。
【0002】
従来の電磁石についてとくに超電導磁石を例にとって図3および図4にもと づき説明する。 図3は超電導磁石装置1の概略図であって、この超電導磁石装置1はクライ オスタット2と、超電導コイル3と、電源4と、ヘリウムなどの冷却媒体5とを 有する。
【0003】 ヘリウムなどの冷却媒体5による冷却により超電導コイル3を超電導状態と するものである。超電導コイル3の冷却には他の冷凍機(図示せず)を用いても よい。
【0004】 図4は、超電導コイル3の断面斜視図であって、超電導コイル3の超電導線 材6の間には、エポキシ樹脂などによる含浸材7を含浸してある。
【0005】 すなわち、超電導コイル3に永久電流が流れ出すにともなって、超電導コイ ル3には高い磁場が発生するとともにローレンツ力(電磁力)が作用して超電導 線材6自体が動くため、含浸材7を含浸することによりこの動きを防いでいるも のである。
【0006】 しかしながら、含浸材7に用いられるエポキシ樹脂などは一般に熱伝導率が 低く、たとえば温度4Kにおいて、超電動線材6の熱伝導率が2.6(watt /cm・K)、銅の熱伝導率が約4(watt/cm・K)に対して、エポキシ 樹脂の熱伝導率は1.8×10-3(watt/cm・K)で、銅の約2200分 の1にすぎない。
【0007】 したがって、含浸された超電導コイル3の冷却特性が著しく低下して冷却時 間が長くなり、またこの冷却特性の低下にともなって超電導コイル3の臨界特性 の低下という問題がある。
【0008】
本考案は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、とくに超電導磁石 などの電磁石において含浸材の熱伝導率を向上させることにより、その冷却特性 を向上ないし冷却時間の短縮化を図ることができる電磁石の含浸構造を提供する ことを課題とする。
【0009】
すなわち本考案は、含浸材部分の熱伝導率を高めることに着目したもので、 磁石用線材の間に含浸材を含浸した電磁石の含浸構造であって、上記含浸材に、 該含浸材より熱伝導率の高い絶縁材を混入したことを特徴とする電磁石の含浸構 造である。
【0010】 上記絶縁材として、窒化アルミニウムを採用することができるとともに、上 記絶縁材は、これを粉末状とすることができる。
【0011】
本考案による電磁石の含浸構造においては、含浸材に、熱伝導率の高い窒化 アルミニウムなどのたとえば粉末状の絶縁材を混入したので、エポキシ樹脂など の含浸材の熱伝導特定を向上させ、超電導コイル全体の冷却特性を向上させて、 冷却時間の短縮化を図ることができる。
【0012】
つぎに本考案の一実施例による電磁石の含浸構造を図1ないし図にもとづき 説明する。ただし、図3および図4と同様の部分には同一の符号を付し、その詳 述はこれを省略する。
【0013】 図1は含浸構造を採用した、たとえば超電導磁石10の一部切断斜視図、図 2は、要部の拡大断面図であって、超電導線材6の間にエポキシ樹脂などの含浸 材7の中に粉末状の絶縁材11を混入させてある。
【0014】 超電導線材6の間の含浸材7中に粉末状のものでも非絶縁体が存在すると超 電導線材6の絶縁被覆を破る可能性があるため、含浸材7と混合する材料は絶縁 材11である必要がある。
【0015】 ただしこの絶縁材11としては、窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い絶 縁材を採用する。すなわち、窒化アルミニウムは絶縁体であるため、超電導線材 6の絶縁被覆を破ることはない。
【0016】 絶縁材11の粉末の粒径としては、10μm以下が望ましいが、超電導線材 6の線材間の隙間に応じて選択可能である。
【0017】 また絶縁材11の混入割合としては含浸材7の固定機能を損なわない程度の ものとするが、たとえば絶縁材11と含浸材7の混合比は約1:1が好ましい。
【0018】 超電導線材6の材料としては、イットリウム系、ビスマス系、セラミック系 など任意の超電動体を採用可能である。
【0019】 窒化アルミニウムの熱伝導率は、常温において銅のそれの約3分の1である が、温度4Kにおいてもほぼ同等の熱伝導率を有している。
【0020】 絶縁材11の混入方法としては、超電導線材6にエポキシ樹脂を塗布して超 電導コイル3に巻き上げるときに、液状のエポキシ樹脂内にあらかじめ混合して おく方法、あるいは超電導線材6を巻いて超電導コイル3の状態としたものをエ ポキシ樹脂にジャブ漬けするときに、液状のエポキシ樹脂内にあらかじめ混合し ておく方法など任意の方法を採用することができる。
【0021】 こうした絶縁材11を含浸材7に混合することにより、含浸材7の全体とし ての熱伝導率を、従来の数倍から数十倍に高めることが可能であり、超電導コイ ル3の冷却特性を向上させて、その冷却時間を短縮することができる。
【0022】 なお、本考案の含浸構造は、超電動線材6の絶縁被覆構造にもこれを応用す ることが可能であるとともに、電磁石としても超電動磁石以外の常電導磁石にも 応用可能である。
【0023】
以上のように本考案によれば、含浸材に、熱伝導率の高い絶縁材を混入させ たので、含浸材の熱伝導率を向上させることが可能である。
【0024】
【図1】本考案の一実施例による含浸構造を採用した超
電導磁石10の一部切断斜視図である。
電導磁石10の一部切断斜視図である。
【図2】同、要部の拡大断面図である。
【図3】一般的な超電導磁石装置1の概略図である。
【図4】同、超電導コイル3の一部切断斜視図である。
1 超電導磁石装置 2 クライオスタット 3 超電導コイル 4 電源 5 ヘリウムなどの冷却媒体 6 超電導線材 7 エポキシ樹脂などの含浸材 10 超電導磁石 11 粉末状の絶縁材
Claims (3)
- 【請求項1】 磁石用線材の間に含浸材を含浸した電
磁石の含浸構造であって、 前記含浸材に、該含浸材より熱伝導率の高い絶縁材を混
入したことを特徴とする電磁石の含浸構造。 - 【請求項2】 前記絶縁材として、窒化アルミニウム
を採用したことを特徴とする請求項1記載の電磁石の含
浸構造。 - 【請求項3】 前記絶縁材は、これを粉末状としたこ
とを特徴とする請求項1記載の電磁石の含浸構造。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP003071U JPH0660107U (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 電磁石の含浸構造 |
US08/114,173 US5623240A (en) | 1992-10-20 | 1993-09-01 | Compact superconducting magnet system free from liquid helium |
DE69324436T DE69324436T2 (de) | 1992-10-20 | 1993-09-30 | Kompaktes supraleitendes Magnetsystem ohne flüssiges Helium |
EP97121654A EP0837478B1 (en) | 1992-10-20 | 1993-09-30 | Current lead for a superconducting magnet system free from liquid helium |
EP93115827A EP0596249B1 (en) | 1992-10-20 | 1993-09-30 | Compact superconducting magnet system free from liquid helium |
DE69333128T DE69333128T2 (de) | 1992-10-20 | 1993-09-30 | Stromzuleitung für supraleitendes Magnetsystem ohne flüssiges Helium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP003071U JPH0660107U (ja) | 1993-01-12 | 1993-01-12 | 電磁石の含浸構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0660107U true JPH0660107U (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=11547111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP003071U Pending JPH0660107U (ja) | 1992-10-20 | 1993-01-12 | 電磁石の含浸構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0660107U (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11135318A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-21 | Kyushu Electric Power Co Inc | 超電導磁石 |
JP2002515180A (ja) * | 1996-03-06 | 2002-05-21 | ケルシ・ヘイズ、カムパニ | ボビンなしソレノイド・コイル |
JP2002324707A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Kyushu Electric Power Co Inc | 超電導磁石 |
JP2010016365A (ja) * | 2008-06-06 | 2010-01-21 | Sinfonia Technology Co Ltd | リフティングマグネット用含浸樹脂、リフティングマグネット、リフティングマグネットの製造方法 |
-
1993
- 1993-01-12 JP JP003071U patent/JPH0660107U/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002515180A (ja) * | 1996-03-06 | 2002-05-21 | ケルシ・ヘイズ、カムパニ | ボビンなしソレノイド・コイル |
JPH11135318A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-21 | Kyushu Electric Power Co Inc | 超電導磁石 |
JP2002324707A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Kyushu Electric Power Co Inc | 超電導磁石 |
JP2010016365A (ja) * | 2008-06-06 | 2010-01-21 | Sinfonia Technology Co Ltd | リフティングマグネット用含浸樹脂、リフティングマグネット、リフティングマグネットの製造方法 |
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